JPH1029029A - 基部外面上に円筒部が一体形成されてなる金属成形品の成形装置並びにかかる金属成形品の成形方法 - Google Patents

基部外面上に円筒部が一体形成されてなる金属成形品の成形装置並びにかかる金属成形品の成形方法

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JPH1029029A
JPH1029029A JP8295011A JP29501196A JPH1029029A JP H1029029 A JPH1029029 A JP H1029029A JP 8295011 A JP8295011 A JP 8295011A JP 29501196 A JP29501196 A JP 29501196A JP H1029029 A JPH1029029 A JP H1029029A
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秀明 田中
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    • B21HMAKING PARTICULAR METAL OBJECTS BY ROLLING, e.g. SCREWS, WHEELS, RINGS, BARRELS, BALLS
    • B21H1/00Making articles shaped as bodies of revolution
    • B21H1/02Making articles shaped as bodies of revolution discs; disc wheels
    • B21H1/04Making articles shaped as bodies of revolution discs; disc wheels with rim, e.g. railways wheels or pulleys

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素材の材質に拘わらず、優れた経済性と高度
な加工性、更には良好な生産性とをもって、基部外面上
に円筒部が一体形成されてなる金属成形品を成形し得る
成形装置と成形方法とを提供する。 【解決手段】 第一の型16と第二の型18との間に金
属素材24における基部相当部29の被加工部27を同
心的に挟持させた状態で、それらを一体回転せしめる一
方、該第二の型18から該第一の型16の側に向かって
次第に小径となるテーパ面形状を呈するテーパローラ7
0の外周面88を、前記一体回転せしめられる金属素材
24の被加工部27に押圧して、該被加工部27を該金
属素材24から裂開せしめると共に、テーパ形状に成形
し、更に、円柱面形状を呈するストレートローラ72の
外周面96を、かかる裂開せしめられ、且つテーパ形状
に成形された被加工部27の裂開部位26に押圧し、該
裂開部位26を前記第一の型16との間で挟圧すること
により、円筒形状に成形するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、基部外面上に円筒部が一体形成
されてなる金属成形品の成形装置並びにかかる金属成形
品の成形方法に係り、特に素材の材質に拘わらず、優れ
た経済性と高度な加工性とをもって、基部外面上に円筒
部が一体成形されてなる金属成形品を有利に成形し得る
技術に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、自動車用のビスカスカップリン
グハウジングやワンピースホイール等のように、円筒部
が、円板状の基部外面上に、一体的に且つ同心的に形成
されてなる金属成形品を成形する際には、各種の手法が
採用されており、その中の一つとして、目的とする金属
成形品を与える金属素材に対して、裂開加工と転造加工
とを組み合わせて実施する方法がある。
【0003】そして、この裂開転造加工による上記金属
成形品の成形方法としては、具体的には、例えば、特開
平5−185175号公報に示されるようなワンピース
ホイールの成形手法が知られている。即ち、かかる公報
に開示の成形手法は、そこに記載の図面からも明らかな
ように、円筒形形状を呈する内リムと外リムの二つのリ
ムが、それぞれの底部を構成する円板状の基部の外面上
に、相反する方向に延び出す状態で、一体的に且つ同心
的に形成されてなるワンピースホイールを成形するに際
して、先ず、同軸的に且つ相対的に接近、離隔可能に配
置された二つの型の間に、目的とするワンピースホイー
ルを与える、略円板状の金属素材を同心的に挟持せし
め、そして、その状態で、それら二つの型を一体回転さ
せつつ、該金属素材の基部相当部位に設けられた被加工
部(前記公報ではリム相当部として記載される)に、山
形形状のローラ面を有する裂開転造ローラを当接、押圧
させることにより、該山形状のローラ面の鋭角的な先端
部にて、該被加工部を、該金属素材の板厚方向に、所定
の深さで二つに裂開(分離)する。次いで、二つに裂開
せしめられた金属素材の被加工部位のうちの一方に、ロ
ーラ面を押圧させた状態で、裂開転造ローラを該金属素
材の板厚方向の一方側に移動させて、該被加工部の一方
の裂開部位を、該裂開転造ローラにて該一方の型との間
で挟圧せしめつつ、該裂開転造ローラの移動方向に押圧
して、該被加工部の一方の裂開部位に対して、裂開転造
ローラによるしごきを行なうことにより、該一方の裂開
部位全体を、裂開転造ローラの移動方向に折り曲げると
同時に引き伸ばして、筒壁部が前記金属素材の板厚方向
一方側に延びる外リムを成形し、その後、裂開転造ロー
ラを、該金属素材の板厚方向他方側に移動させて、前記
外リムの成形時と同様に、被加工部の他方の裂開部位に
対して、裂開転造ローラによるしごきを行なうことによ
り、該他方の裂開部位全体を、裂開転造ローラの移動方
向に折り曲げると共に引き伸ばして、筒壁部が前記金属
素材の板厚方向他方側に延びる内リムを成形するのであ
る。
【0004】このような裂開加工と転造加工とを組み合
わせた金属成形品の成形方法にあっては、裂開転造ロー
ラによる裂開加工に続いて実施される転造加工時に、該
裂開転造ローラの転がり接触による局部変形が、前記金
属素材における被加工部の裂開部位において、その周方
向に繰り返し惹起せしめられ、それによって、該裂開部
位が徐々に筒状に加工されるようになっているため、目
的とする金属成形品が、比較的小さな加工力にて成形さ
れ得ることとなるのであるが、そのような被加工部にお
ける裂開部位の転造による筒状加工が、前述の如く、該
裂開部位全体に対して、裂開転造ローラによるしごきが
行なわれることによって進行せしめられるものであるこ
とから、成形される円筒部において、加工硬化が大きく
なってしまうことが避けられなかった。
【0005】それ故、金属素材として、例えば、中炭素
鋼(S45C)等、ビッカース硬さが160前後の高硬
度の素材を用いて、上述の如き裂開転造成形手法による
金属成形品の成形を行なう場合にあっては、裂開加工に
て裂開せしめられた被加工部位(裂開部位)に対して転
造加工を実施することにより、成形される円筒部が、加
工硬化によって、ビッカース硬さが200以上もの高い
値に高められることとなり、そのために、そのような円
筒部が脆くなって、該円筒部において、「割れ」が発生
する恐れが極めて大きかったのである。
【0006】従って、高硬度の素材を用いて、前述の如
き金属成形品を得る際には、比較的高い加工コストを要
する鍛造加工と、加工時間が長く、手間のかかる切削加
工とを組み合わせて実施しているのが実情なのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
に鑑みて為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、基部外面上に円筒部が一体形成されてなる金属
成形品を得るに際して、該金属成形品を与える素材の材
質に拘わらず、裂開転造加工手法により、比較的低い加
工コストと短い加工時間で、しかも加工時における素材
の「割れ」等の欠陥を何等生ぜしめることなく、優れた
経済性と高度な加工性、更には良好な生産性とをもっ
て、金属成形品を効率的に成形することの出来る成形装
置と成形方法とを提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題の解決のために、本発
明のうち、請求項1に記載の発明にあっては、円筒部が
円板状の基部外面上に一体的に且つ同心的に形成されて
なる金属成形品を成形するための成形装置において、
(a)前記円筒部の内周面形状に対応した外周面を有す
る第一の型と、該第一の型に対して同軸的に且つ相対的
に接近、離隔可能に配置された第二の型とを備え、前記
金属成形品を与える金属素材の前記基部相当部位にし
て、前記第一の型の外径よりも大径の、厚みのある円形
突部形状を呈する被加工部が、該第一の型と該第二の型
に対して同心的に位置せしめられるように、該金属素材
の被加工部を該第一の型と該第二の型との間で挟持しつ
つ、該第一の型と該第二の型とが、それら第一及び第二
の型の軸心を第一の回転軸として一体回転し得るように
構成された成形金型と、(b)前記第一の回転軸に平行
な第二の回転軸回りに回転可能に、且つ該成形金型に対
して、該第一の回転軸に垂直な方向に接近、離隔移動し
得るように、配置せしめられる一方、前記第一の型の外
周面と対向位置する外周面が、前記第二の型から該第一
の型の側に向かって次第に小径となるテーパ面形状を呈
すると共に、前記第二の回転軸に垂直な面に対して60
〜80°のテーパ角度を為すように構成され、かかるテ
ーパ面形状の外周面において、前記第一の回転軸回りに
一体回転せしめられる前記金属素材の被加工部の外周面
に当接せしめて押圧することにより、該テーパ面形状の
外周面における大径側の角部の先端にて、該被加工部を
該金属素材から、その突出方向に裂開せしめると共に、
該テーパ面形状の外周面の全体にて、かかる被加工部の
裂開せしめられた部位の外周面を該テーパ面形状に対応
したテーパ形状に成形するテーパローラと、(c)前記
第一の回転軸に平行な第三の回転軸回りに回転可能に、
且つ前記第一の型に対して、該第一の回転軸に垂直な方
向に接近、離隔移動し得るように、配置せしめられる一
方、該第一の型の外周面と対向位置する外周面が軸方向
に同一径にて延びる円柱面形状を有するように構成され
て、前記第一の回転軸回りに一体回転せしめられる、前
記テーパローラにてテーパ形状に成形された前記被加工
部の裂開部位を、該円柱面形状の外周面にて押圧して、
前記第一の型との間で挟圧することにより、かかる裂開
部位を該円柱面形状に対応した円筒形状に更に成形する
ストレートローラとを、含むことを、その特徴とするも
のである。
【0009】すなわち、本発明のうち、請求項1に記載
の発明に従う、基部外面上に円筒部が一体形成されてな
る金属成形品の成形装置にあっては、目的とする金属成
形品を与える金属素材が、第一の型と第二の型との間に
挟持された状態において、それら第一及び第二の型の軸
芯を第一の回転軸として一体回転せしめられる一方、該
第二の型から該第一の型の側に向かって次第に小径とな
る、特定のテーパ角度(傾斜角度)を為すテーパ面形状
の外周面を有するテーパローラが、第一の回転軸に平行
な第二の回転軸回りに回転しつつ、該第一の回転軸に垂
直な方向において、第一の型に接近移動せしめられて、
前記金属素材の基部相当部位である、円形突部形状を呈
する被加工部を、前記テーパ形状の外周面において当接
して押圧することにより、該被加工部が、テーパローラ
の外周面における大径側の角部の先端にて、金属素材か
ら、その突出方向に裂開せしめられると共に、かかる被
加工部の裂開せしめられた部位が、テーパローラにおけ
るテーパ面形状の外周面の全体にて、徐々に立て起こさ
れて、該テーパローラのテーパ角度に応じた傾斜角度を
もって起立変形せしめられ、それによって、該テーパ面
形状に対応した、第二の型から第一の型に向かって次第
に大径となるテーパ形状に成形されるのである。
【0010】そして、更に、軸方向に同一径にて延びる
円柱面形状の外周面を有するストレートローラが、第一
の回転軸に平行な第三の回転軸回りに回転しつつ、該第
一の回転軸に垂直な方向において、第一の型に接近移動
せしめられて、テーパローラによりテーパ形状に成形さ
れた前記被加工部の裂開部位を、前記円柱面形状の外周
面において当接して押圧することにより、該テーパ形状
の裂開部位が、金属素材から延び出した先端側とは反対
の根元側部分において、内側(軸心側)に折り曲げら
れ、更に、かくして折り曲げられた裂開部位の全体が、
該ストレートローラの円柱面形状の外周面と前記第一の
型の外周面との間で挟圧され、それによって、該円柱面
形状に対応した円筒形状に成形されるのである。そし
て、その結果、前記金属素材が、かかる円筒形形状に成
形された裂開部位を円筒部とし、且つ該円筒部が一体的
に且つ同心的に形成された、前記基部相当部位を円板状
の基部とした、目的とする金属成形品に成形されるよう
になっているのである。
【0011】要するに、請求項1に記載の発明に従う装
置にあっては、単に、裂開転造ローラとしてのテーパロ
ーラを、その外周面において、金属素材の被加工部の外
周面に当接せしめ、且つ該金属素材の軸心に垂直な方向
に押圧せしめるだけで、該被加工部を金属素材から裂開
せしめる裂開加工が行なわれると共に、かかる被加工部
の裂開せしめられた部位(裂開部位)に対して、それを
特定なテーパ角度(傾斜角度)を有するテーパ形状に成
形する転造加工が行なわれるようになっているのであ
り、更に、テーパ形状に転造加工された裂開部位が、転
造ローラとしてのストレートローラにて局部的に内側に
折り曲げられ、それによって、裂開部位全体が、円筒形
状に転造加工されるようになっているのである。
【0012】それ故、かかる金属成形品の成形装置にあ
っては、金属素材の被加工部における裂開部位をテーパ
形状に転造加工する際に、従来の裂開転造ローラによる
しごき加工を行なう場合とは異なり、該裂開部位に対し
て、裂開転造ローラを、金属素材の軸心に垂直な方向に
押圧せしめた状態で、更にその軸心方向に押圧せしめる
ような必要がなく、該裂開転造ローラから裂開部位全体
に対して及ぼされる押圧力(加工力)が、比較的小さく
され得るのであり、また、かくしてテーパ形状に成形さ
れた裂開部位を円筒形状に転造加工する際にも、ストレ
ートローラにて局部的に折り曲げられ、かかる被折曲部
位において、加工硬化が集中的に生ぜしめられることと
なるのである。そして、それらによって、従来装置とは
異なって、被加工部の裂開部位に対して、裂開転造ロー
ラより、大きな押圧力(加工力)が作用せしめられるこ
とが有利に抑制され得ると共に、該裂開部位の全体に加
工硬化が惹起せしめられるようなことも有効に阻止され
得、以て中炭素鋼等、高硬度の材質からなる金属素材を
用いても、かかる金属素材における被加工部の裂開部位
全体が過度に硬化されて、該裂開部位から成形される円
筒部が脆くなってしまうようなことが、効果的に防止さ
れ得るのである。
【0013】従って、本発明のうち、請求項1に記載の
発明に従う、基部外面上に円筒部が一体形成されてなる
金属成形品の成形装置においては、用いられる金属素材
が、高硬度の材質を有するものであっても、「割れ」等
の加工欠陥の発生が効果的に防止されつつ、該金属素材
に対して、有利に裂開転造加工が実施され得るのであ
り、しかも、そのような裂開転造加工の採用によって、
従来の鍛造加工と切削加工とを組み合わせた加工手法を
採用する場合に比して、加工コストや加工に要する手間
等が比較的低く抑えられ得、そして、それらの結果とし
て、素材の材質に拘わらず、優れた経済性と高度な加工
性、更には良好な生産性とをもって、円筒状成形品が極
めて効率的に成形され得ることとなるのである。
【0014】なお、このような金属成形品の成形装置に
装備されるストレートローラは、少なくとも、外周面の
一部が、軸方向に同一径にて延びる円柱面形状を呈して
いれば良い。従って、かかるストレートローラとして
は、全体形状が、軸方向に同一径を有する円柱形状とさ
れたものの他、段付の円柱形状とされたものや、外周面
の残部が円柱面形状とは異なる形状、例えば、テーパ面
形状乃至はテーパ筒形形状とされたもの等が、何れも有
利に採用され得るのである。
【0015】また、本発明のうち、請求項2に記載の発
明にあっては、前記請求項1に記載の、基部外面上に円
筒部が一体形成されてなる金属成形品の成形装置におい
て、前記第一の型の円筒面状の外周面に、凹所又は突起
が設けられて、前記テーパローラにてテーパ形状に成形
された前記被加工部の裂開部位が、前記ストレートロー
ラの円柱面形状の外周面と該第一の型との間で挟圧され
ることにより、該円柱面形状に対応した円筒形状に成形
されると共に、該円筒形状の内周面に、前記凹所又は突
起にそれぞれ対応した凸部又は凹部が形成されるように
構成されていることを、その特徴とするものである。こ
のような金属成形品の成形装置において、第一の型の円
筒面状の外周面に設けられる凹所や突起の形状や数が種
々変更されることによって、基板外面上に円筒部が一体
形成されてなる金属成形品が成形されると同時に、例え
ば、スプライン歯やキー溝等の所定の凸部や凹部が、該
円筒部の内面に対して、一挙に形成され得ることとなる
のである。
【0016】さらに、本発明のうち、請求項3に記載の
発明にあっては、前記請求項1又は請求項2に記載の、
基部外面上に円筒部が一体形成されてなる金属成形品の
成形装置において、前記第一の回転軸に平行な第四の回
転軸回りに回転可能に、且つ前記第一の型に対して、該
第一の回転軸に垂直な方向に接近、離隔移動し得るよう
に、配置せしめられる一方、該第一の型の外周面と対向
位置する外周面が、前記第二の型から該第一の型に向か
って次第に小径となるテーパ面形状を有するように構成
されると共に、前記第四の回転軸に垂直な面に対する、
該テーパ面形状のテーパ角度が、前記テーパローラのテ
ーパ面形状の外周面のテーパ角度よりも大きくされ、更
に該テーパ面形状の外周面に、周方向に連続して延びる
溝が設けられてなり、前記テーパローラにてテーパ状に
成形された前記被加工部の裂開部位の外周面に当接せし
めて押圧することにより、該裂開部位の外周面に、前記
溝に対応した突条を形成する突条形成ローラを含んで構
成されると共に、前記ストレートローラが、前記円柱面
形状の外周面に、周方向に連続して延びる溝状のフラン
ジ形成部を有してなり、前記テーパローラにてテーパ形
状に成形され、且つ前記突条形成ローラにて、前記突条
が外周面に形成された前記被加工部の裂開部位が、該円
柱面形状の外周面にて押圧されて、前記第一の型との間
で挟圧されることにより、かかる裂開部位が該円柱面形
状に対応した円筒形状に更に成形されると共に、該裂開
部位の突条が前記フランジ形成部内に押し込まれて、該
裂開部位の外周面に、該フランジ成形部に対応した形状
を有するフランジ部が成形されるように構成されている
ことを、その特徴とするものである。このような金属成
形品の成形装置においては、優れた経済性と高度な加工
性、更には良好な生産性とをもって、円筒部を有する金
属成形品が極めて効率的に成形され得るばかりでなく、
該円筒部に対して、所望の形状を有するフランジ部が、
円筒部の成形と同時に、一挙に形成され得るのである。
【0017】そして、本発明のうち、請求項4に記載の
発明にあっては、円筒部が円板状の基部外面上に一体的
に且つ同心的に形成されてなる金属成形品を成形する方
法において、(a)前記円筒部の内周面形状に対応した
円筒状の外周面を有する第一の型と、該第一の型に対し
て同軸的に且つ相対的に接近、離隔可能に配置された第
二の型とが、それら第一及び第二の型の軸心を第一の回
転軸として一体回転し得るように構成された成形金型を
用い、該第一の型と該第二の型とを相対的に接近移動さ
せて、前記金属成形品を与える金属素材の前記基部相当
部位にして、前記第一の型の外径よりも大径の、厚みの
ある円形突部形状を呈する被加工部が、該第一の型と該
第二の型に対して同心的に位置せしめられるように、該
金属素材の被加工部を該第一の型と該第二の型との間で
挟持せしめつつ、それら第一の型と第二の型とを前記第
一の回転軸回りに一体的に回転せしめる工程と、(b)
前記第一の回転軸に平行な第二の回転軸回りに回転可能
に、且つ該成形金型に対して、該第一の回転軸に垂直な
方向に接近、離隔移動し得るように、配置せしめられる
一方、前記第一の型の外周面と対向位置する外周面が、
前記第二の型から該第一の型の側に向かって次第に小径
となるテーパ面形状を呈すると共に、前記第二の回転軸
に垂直な面に対して60〜80°のテーパ角度を為すよ
うに構成されたテーパローラを、前記第一の回転軸回り
に一体回転せしめられる前記金属素材の被加工部の外周
面に当接せしめて押圧することにより、該テーパ面形状
の外周面における大径側の角部の先端にて、該被加工部
を該金属素材から、その突出方向に裂開せしめると共
に、該テーパ面形状の外周面の全体にて、かかる被加工
部の裂開せしめられた部位の外周面を該テーパ面形状に
対応したテーパ形状に成形する工程と、(c)前記第一
の回転軸に平行な第三の回転軸回りに回転可能に、且つ
前記第一の型に対して、該第一の回転軸に垂直な方向に
接近、離隔移動し得るように、配置せしめられる一方、
該第一の型の外周面と対向位置する外周面が、軸方向に
同一径にて延びる円柱面形状を有するように構成された
ストレートローラを、該円柱面形状の外周面において、
前記第一の回転軸回りに一体回転せしめられる、前記テ
ーパローラにてテーパ形状に成形された前記被加工部の
裂開部位に押圧し、かかる裂開部位を前記第一の型との
間で挟圧することにより、該円柱面形状に対応した円筒
形状に更に成形する工程とを、その特徴とするものであ
る。
【0018】すなわち、このような円筒成形品の成形方
法においても、裂開転造ローラとしてのテーパローラに
よって、金属素材から被加工部が裂開せしめられると共
に、かかる被加工部の裂開せしめられた部位が、比較的
小さな加工力を伴う転造加工により、テーパ形状に成形
されるようになっているのであり、また、かくしてテー
パ形状に成形された裂開部位が、転造ローラとしてのス
トレートローラによって、金属素材から延び出した先端
側とは反対の根元側部分において局部的に折り曲げられ
て、円筒形状に成形されるようになっているのである。
【0019】それ故、かかる本発明手法にあっては、転
造ローラによるしごき加工を採用する従来手法とは異な
り、転造加工による加工硬化が、被加工部の裂開部位に
おける特定の部分において集中的に惹起せしめられるこ
ととなるのであり、それによって、高硬度の金属素材を
用いても、裂開転造加工せしめられる、該被加工部の裂
開部位の全体が過剰に加工硬化せしめられることが有効
に回避され得るのである。
【0020】従って、本発明のうち、上記請求項4に記
載の発明に従う、基部外面に円筒部が一体形成される金
属成形品の成形方法によれば、金属素材の材質に拘わら
ず、裂開転造加工によって、比較的低い加工コストと短
い加工時間で、しかも加工時における素材の割れ等の欠
陥を何等生ぜしめることなく、優れた経済性と高度な加
工性と、更には良好な作業性とをもって、円筒状成形品
が極めて有利に成形され得ることとなるのである。
【0021】また、本発明のうち、請求項5に記載の発
明にあっては、前記請求項4に記載の、基部外面上に円
筒部が一体形成されてなる金属成形品の成形方法におい
て、前記金属素材における被加工部が、予備加工により
前記基部相当部位に段付け形成された、前記第一の型の
外径よりも大径の円形段差部にて構成されていること
を、特徴としている。このような構成が採用される場合
には、円形段差部からなる被加工部の径を考慮すること
によって、裂開ストローク(成形される円筒部の高さに
略相当する寸法)を必要以上に長くとることなく、所望
の内径を有する円筒部が有利に形成され得るのであり、
以てそのような円筒部の成形時において、裂開ストロー
クが長過ぎることによって生ずるクラック等の発生が有
効に阻止され得、その結果、該円筒部における「割れ」
の発生が、より効果的に防止され得るのである。
【0022】さらに、本発明のうち、請求項6に記載の
発明にあっては、前記請求項4又は請求項5に記載の、
基部外面上に円筒部が一体形成されてなる金属成形品の
成形方法において、前記第一の型の円筒面状の外周面
に、凹所又は突起が設けられてなる成型金型を用い、前
記テーパローラにてテーパ形状に成形された前記被加工
部の裂開部位を、前記ストレートローラの円柱面形状の
外周面と該第一の型との間で挟圧して、該円柱面形状に
対応した円筒形状に成形する際に、該円筒形状の内周面
に、前記凹所又は突起にそれぞれ対応した凸部又は凹部
を形成するようにしたことを、その特徴とするものであ
る。このような本発明手法によれば、第一の型の円筒面
状の外周面に設けられる凹所又は突起の形状や数を種々
変更することによって、円筒部を有する金属成形品を成
形すると同時に、該円筒部の内周面に、例えば、スプラ
イン歯やキー溝等の所定の凸部や凹部が一挙に形成され
得、以てよりバラエティに富んだ形状を有すると共に、
広範囲な用途に適用可能な円筒部付金属成形品が、極め
て効率的に成形され得るのである。
【0023】更にまた、本発明のうち、請求項7に記載
の発明にあっては、前記請求項4乃至請求項6の何れか
に記載の金属成形品の成形方法において、前記被加工部
の裂開部位を前記テーパローラにてテーパ形状に成形し
た後、前記第一の回転軸に平行な第四の回転軸回りに回
転可能に、且つ前記第一の型に対して、該第一の回転軸
に垂直な方向に接近、離隔移動し得るように、配置せし
められる一方、該第一の型の外周面と対向位置する外周
面が、前記第二の型から該第一の型に向かって次第に小
径となるテーパ面形状を有するように構成されると共
に、前記第四の回転軸に垂直な面に対する、該テーパ面
形状のテーパ角度が、前記テーパローラのテーパ面形状
の外周面のテーパ角度よりも大きくされ、更に該テーパ
面形状の外周面に、周方向に連続して延びる溝が設けら
れて構成された突条形成ローラを、該溝が設けられた外
周面において、前記第一の回転軸回りに一体回転せしめ
られる、前記テーパローラにてテーパ形状に成形された
前記被加工部の裂開部位の外周面に当接せしめて押圧す
ることにより、該裂開部位の外周面に、前記溝に対応し
た突条を形成し、その後、前記円柱面形状の外周面に、
周方向に連続して延びる溝状のフランジ形成部を有して
構成された前記ストレートローラを、該円柱面形状の外
周面において、前記テーパローラにてテーパ形状に成形
され、且つ前記突状形成ローラにて前記突条が外周面に
形成された前記被加工部の裂開部位に押圧し、かかる裂
開部位を前記第一の型との間で挟圧することにより、該
円柱面形状に対応した円筒形状に更に成形すると同時
に、該裂開部位の突条を該ストレートローラの前記フラ
ンジ成形部内に押し込んで、該裂開部位の外周面に、該
フランジ形成部に対応した形状を有するフランジ部を形
成するようにしたことを、その特徴とするものである。
このような手法によれば、円筒部を有する金属成形品を
成形すると同時に、該円筒部の外周面に対して、所望の
形状を有するフランジ部が一挙に形成され得、以て各種
の用途に使用され得る円筒部付金属成形品が、極めて効
率的に成形され得るのである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより具体的に明ら
かにするために、本発明に係る基部外面上に円筒部が一
体形成されてなる金属成形品の成形装置並びにかかる金
属成形品の成形方法の構成について、図面を参照しつ
つ、詳細に説明することとする。
【0025】先ず、図1には、金属成形品としての自動
車のビスカスカップリングハウジングを成形する際に用
いられる、本発明に従う構造とされた金属成形品成形装
置の一例が、概略的に示されている。かかる図からも明
らかなように、この金属成形品成形装置10は、基台1
2上に配置された成形金型14を有して、構成されてい
る。
【0026】より具体的には、金属成形品成形装置10
を構成する成形金型14は、図2に示される如く、従来
と同様に、第一の型としての上型16と、第二の型とし
ての下型18とを備えている。
【0027】また、この成形金型14の上型16は、上
型側ホルダー30、上型側パッド32、及びセンター払
いピン34を含んで、構成されている。そして、かかる
上型16の上型側ホルダー30は、上部側が大径部とさ
れた略段付円柱形形状を有して、成っている。
【0028】さらに、上型側パッド32は、全体とし
て、段付円筒形形状を呈しており、その上部側が、上型
側ホルダー30よりも径の小さな大径部33とされてい
る一方、下部側が、それよりも更に小径の小径部35と
されている。また、特に、かかる上型側パッド32の小
径部35は、目的とするビスカスカップリングハウジン
グを与える金属素材24から後述するようにして成形さ
れる円筒部の内径と同一の外径と、該円筒部よりも高い
高さとを有して、構成されている(図6参照)。そし
て、そのような上型側パッド32にあっては、その内孔
内に、上型側ホルダー30の下端面の中心部に突出形成
されたスプリング取付ピン36を同軸的に挿通せしめた
状態で、上部側の大径部33の上端面において、上型側
ホルダー30の下端面にボルト固定されている。
【0029】また、センター払いピン34は、上型側パ
ッド32と同一の高さと、それの内径よりも僅かに小さ
な外径とを有する略円筒形形状をもって、構成されてい
る。そして、かかるセンター払いピン34においては、
上型側パッド32と同様に、その内孔内に、前記上型側
ホルダー30のスプリング取付ピン36を同軸的に挿通
せしめた状態で、該上型側パッド32の内孔内におい
て、該上型側パッド32の筒壁部の内周面に対して所定
寸法だけ摺動可能に嵌め込まれて、配置されている。ま
た、このセンター払いピン30の内孔内には、伸長方向
に付勢力を発揮するコイルスプリング37が、その両端
部を、該内孔内の段差部と前記上型側ホルダーの下端面
とに係合せしめた状態で、スプリング取付ピン36に外
挿されて、収容配置されている。これによって、センタ
ー払いピン34が、該上型側パッド32の内孔内から、
所定の付勢力をもって、下方に突出位置せしめられ得る
ようになっているのである。なお、かかるセンター払い
ピン34にあっては、上型側パッド32の内孔内からの
所定の突出位置において、該上型側パッド32に対して
係合せしめられて、上型側パッド32の内孔内からの下
方への離脱が阻止されるようになっている。
【0030】一方、下型18は、下型側ホルダー20と
下型側パッド22とを含んで、構成されている。そし
て、下型側ホルダー20は、前記上型側ホルダー30と
略同様な外形形状を有しており、該上型側ホルダー30
に対向する状態で、それと同軸的に配置されている。
【0031】また、下型側パッド22も、下部側が大径
部23、上部側が小径部25とされた略段付円柱形形状
を呈している。そして、そのような下型側パッド22
が、その大径部23の下端面において、下型側ホルダー
20の小径側の上端面上に、同軸的に載置され、更にボ
ルト固定されている。これによって、下型18が、下型
側ホルダー20と下型側パッド22とを一体的に組み付
けてなる一体構造をもって、構成されていると共に、前
記上型16に対して同軸的に対向配置されているのであ
る。なお、かかる下型側パッド22の上端面の中心部に
は、前記上型16のセンター払いピン34の内径よりも
僅かに小さな外径を有する芯出し用突起28が、金属素
材24の板厚寸法よりも高い高さをもって突出形成され
ており(図1参照)、後述する如く、上型16が下型1
8に対して接近移動せしめられた際に、この芯出し用突
起28がセンター払いピン34の内孔内に挿通せしめら
れるようになっている。
【0032】そして、図1に示される如く、そのような
構造とされた下型18が、下型側ホルダー20におい
て、下型取付板38に対して位置固定に取り付けられて
いる。また、この下型取付板38は、下型18が取り付
けられる側とは反対側の面の中央部に、該下型18に対
して同軸的に突出成形された略円柱状の支持部40を有
しており、この支持部40において、前記基台12に形
成されたモータ収容孔42内に、突入せしめられてい
る。更に、かかるモータ収容孔42は、基台12の中央
部を、その高さ方向に貫通して構成されており、その上
部部位には、複数のベアリング44が、またその下部部
位には、モータ46が、それぞれ、位置固定的に収容配
置されている。そして、そのようなモータ収容孔42内
に突入せしめられた前記下型取付板38の支持部40
が、該モータ収容孔42内の複数のベアリング44によ
り回転可能に支持された状態で、モータ46の回転軸4
8に同軸的に取り付けられている。これによって、モー
タ46の回転駆動に伴って、下型取付板38、更にはそ
れに位置固定に取り付けられた下型18の全体が、モー
タ46の回転軸48、換言すれば、下型18の中心軸5
0回りに回転せしめられるようになっているのである。
【0033】一方、上型16は、上型側ホルダー30に
おいて、上型取付板52に対して位置固定に取り付けら
れている。そして、この上型取付板52は、前記基台1
2の上方において、該基台12と対向して配置せしめら
れた上型移動板54に対して回転可能に支持せしめられ
ている。即ち、該上型取付板52にあっては、上型16
が取り付けられる側とは反対側の面の中央部に、略円柱
状の支持部56が、該上型16に対して同軸的に突出成
形されており、また、この支持部56が、前記上型移動
板54の中央部において、前記基台12のモータ収容孔
42と同心的な位置に形成された貫通孔58内に突入せ
しめられていると共に、該貫通孔58内に配された複数
のベアリング60により回転可能に支持されているので
ある。
【0034】また、上型取付板52を回転可能に支持す
る上型移動板54は、該上型取付板52を取り囲むよう
に配置され、前記基台12の外周部から上方に向かって
延び出すようにして取り付けられた複数のガイドポスト
62に対して、上下方向に摺動可能に支持されている。
更に、この複数のガイドポスト62の上端部には、固定
板64が位置固定に取り付けられており、また、該固定
板64の中央部には、図示しない油圧機構により、ピス
トンロッド68を基台12側に突出作動せしめる上型移
動板加圧シリンダ66が取り付けられている。そして、
この上型移動板加圧シリンダ66内のピストンロッド6
8の先端部が、前記上型移動板54に固定されている。
【0035】これによって、上型16が、上型取付板5
2と一体的に、該上型16の中心軸50回りに回転し得
るようになっているのであり、また、上型移動板加圧シ
リンダ66内のピストンロッド68の突出、引込作動に
伴って、上型取付板52と上型16とが、共に、上下移
動せしめられるようになっているのである。
【0036】かくして、かかる成形金型14にあって
は、上型16と下型18とが、同軸的に配置されている
と共に、下型18に対して、上型16が、上型移動板加
圧シリンダ66内のピストンロッド68の突出、引込作
動によって、接近、離隔移動せしめられ得るようになっ
ているのである。そして、上型16を下型18に対して
接近移動させることによって、下型18の下型側パッド
22上に同心的に載置された、目的とするビスカスカッ
プリングハウジングを与える金属素材24を、円板状の
基部相当部位29の、円形突部形状を呈する被加工部2
7において、該下型18の下型側パッド22と、上型1
6のセンター払いピン34及び上型側パッド32との間
で、同心的に挟持し得るようになっているのであり、ま
た、そのような挟持状態下で、前記モータ46を回転駆
動させることによって、それら上型16と下型18と
が、金属素材24を挟持しつつ、それらの中心軸50を
第一の回転軸として、一体回転し得るように構成されて
いるのである。
【0037】ところで、本具体例に係る金属成形品成形
装置10にあっては、特に、上述の如き構造を有する成
形金型14が取り付けられる基台12上において、テー
パローラ70とストレートローラ72の2種類の転造ロ
ーラが、それぞれ、回転可能に支持された状態で、選択
的に配置されるようになっている。
【0038】すなわち、基台12の外周部には、前記ガ
イドポスト62の二つのものの間に、ローラ加圧シリン
ダ取付部74が、所定高さをもって一体的に立設せしめ
られている。また、このローラ加圧シリンダ取付部74
の上部部位には、図示しない油圧機構によって、ピスト
ンロッド76を、基台12の中心側、即ち前記成形金型
14の配置側に向かって、該成形金型14の中心軸50
に垂直な方向に突出、引込作動させるローラ加圧シリン
ダ78が、取り付けられている。更に、かかるローラ加
圧シリンダ78内から突出するピストンロッド76の先
端部には、成形金型14に対向する状態で、断面略コ字
状のクランプ80が固定されている。また、かかるクラ
ンプ80にあっては、コ字状の上部部位と下部部位の各
先端部82が、図示しない止めネジの取外しによって分
離され得るように構成されており、更に、それら各先端
部82とクランプ本体84との突き合わせ部位には、ロ
ール取付孔86が、鉛直方向に互いに対応する状態で、
それぞれ、形成されている。更にまた、かかるローラ取
付孔86,86には、下部側にローラ取付板83が一体
形成されてなるローラ取付軸85が、前記成形金型12
の中心軸50に平行に位置し、且つその軸心回りに回転
可能に取り付けられている。
【0039】一方、テーパローラ70は、全体として、
円錐台形形状を呈し、上方に向かうに従って、換言すれ
ば、下型18から上型16の側に向かうに従って、次第
に小径となるテーパ面形状乃至はテーパ筒形形状を呈す
る外周面88と、該テーパローラ70の中心軸90に対
して垂直に広がる上下端面92,92とを有して、構成
されている(図5参照)。そして、その中心部には、前
記クランプ80のローラ取付軸85が挿通され得るロー
ラ取付軸挿通孔94が、高さ方向に貫通して、形成され
ている。なお、このテーパローラ70にあっては、テー
パ面形状の外周面88の、下端面92に対するテーパ角
度:θが、70°とされている。
【0040】そして、そのような構造を有するテーパロ
ーラ70が、その中心部に設けられたローラ取付軸挿通
孔94において、前記クランプ80に対して回転可能に
取り付けられたローラ取付軸85を挿通せしめた状態
で、該ローラ取付軸85のローラ取付板83にボルト固
定されている。
【0041】これによって、かかるテーパローラ70に
あっては、その中心軸90を、第一の回転軸たる、前記
成形金型14の中心軸50に平行な第二の回転軸とし
て、該中心軸90回りに回転せしめられ得るようになっ
ているのであり、また、ローラ加圧シリンダ78内のピ
ストンロッド76の突出、引込作動に伴って、上述の如
きテーパ面形状を呈する外周面88を、型閉め状態下の
成型金型14において、上型16の上型側パッド32の
大径部33と下型18の下型側パッド22の小径部25
との間に位置する上型側パッド32の小径部35の外周
面に対向せしめた状態で、該上型16に対して、接近、
離隔移動させられるようになっているのである。
【0042】一方、ストレートローラ72は、全体とし
て、円柱形形状を呈し、上下方向に同一の径にて延びる
円柱面形状を呈する外周面96と、該ストレートローラ
72の中心軸98に対して垂直に広がる上下端面10
0,100とを有して、構成されている(図6参照)。
そして、その中心部には、前記クランプ80のローラ取
付軸85が挿通され得るローラ取付軸挿通孔102が、
高さ方向に貫通して、形成されている。なお、このスト
レートローラ72においては、円柱面形状の外周面96
の径が、前記テーパローラ70の大径側の下端面92の
それと、略同一寸法とされている。
【0043】そして、そのような構造とされたストレー
トローラ72にあっても、前記テーパローラ70と同様
に、その中心部に設けられたローラ取付軸挿通孔102
において、前記クランプ80に対して回転可能に取り付
けられたローラ取付軸85を挿通せしめた状態で、該ロ
ーラ取付軸85のローラ取付板83にボルト固定されて
いる。
【0044】これによって、かかるストレートローラ7
2にあっては、その中心軸98を、第一の回転軸たる、
前記成形金型14の中心軸50に平行な第三の回転軸と
して、該中心軸98回りに回転せしめられ得るようにな
っているのであり、また、テーパローラ70と同様に、
ローラ加圧シリンダ78内のピストンロッド76の突
出、引込作動に伴って、上述の如き円柱面形状を呈する
外周面96を、下閉め状態下の上型16における上型側
パッド32の小径部35の外周面に対向せしめた状態
で、該上型16に対して、接近、離隔移動させられるよ
うになっているのである。
【0045】かくして、本具体例に係る金属成形品成形
装置10にあっては、クランプ80にテーパローラ70
を取り付けて、前記ローラ加圧シリンダ78内のピスト
ンロッド76の突出作動により、該テーパローラ70を
型閉め状態下の上型16に接近移動せしめることによっ
て、上型16及び下型18と一体回転せしめられる前記
金属素材24の基部相当部位29において、上型16と
の対向面に突出形成され、且つそれら上型16と下型1
8との間で挟持された円形状の被加工部27の外周面
を、該テーパローラ70が、該金属素材24の回転方向
とは逆方向に回転しつつ、テーパ面形状の外周面88に
て当接せしめた状態で、押圧し得るようになっているの
である。また、そのようなテーパローラ70に代えて、
クランプ80にストレートローラ72を取り付けて、上
記と同様にして、該ストレートローラ72を型閉め状態
下の上型16に接近移動せしめることによって、金属素
材24の被加工部27の外周面を、ストレートローラ7
2が、該金属素材24の回転方向とは逆方向に回転しつ
つ、円柱面形状の外周面96にて当接せしめた状態で、
押圧し、且つ上型16における上型側パッド32の小径
部35の円柱面形状を呈する外周面との間で、挟圧し得
るようになっているのである。
【0046】それ故、そのような構成を有する金属成形
品成形装置10を用いれば、先ず、テーパローラ70に
て金属素材24の被加工部27の外周面を押圧せしめる
際に、金属素材24の被加工部27が、該テーパローラ
70のテーパ面形状の外周面88における大径側の先端
により、前記金属素材24の基部相当部位29から、そ
の突出方向に裂開(分割)せしめられると共に、被加工
部27の裂開せしめられた部位たる裂開部位26が、テ
ーパローラ70の外周面88の全体にて、70°の傾斜
角度をもって起立変形せしめられて、該裂開部位26の
全体が、該テーパローラ70の外周面形状に対応したテ
ーパ形状に成形される。そして、そのような形状とされ
た裂開部位26が、ストレートローラ72にて押圧され
ることにより、かかる裂開部位26が、その根元部分に
おいて折り曲げられて、裂開部位26の全体が、該スト
レートローラ72の外周面形状に対応した円筒形状に成
形され、以て基部外面上に円筒部が一体形成されてな
る、目的とするビスカスカップリングハウジングが成形
されることとなるのである。
【0047】従って、本具体例に係る金属成形品成形装
置10にあっては、転造ローラによるしごき加工を利用
した従来装置とは異なり、金属素材24の被加工部27
における裂開部位26の外周面に対して、テーパローラ
70とストレートローラ72とを、金属素材24の軸心
に垂直な方向に押圧せしめ、更にその状態下で、それら
二つのローラ70,72を該金属素材24の軸心方向に
押圧せしめるようにする必要がないため、テーパローラ
70とストレートローラ72とにて、裂開部位26に作
用せしめられる押圧力が、金属素材24の軸方向に作用
せしめられる分だけ、従来装置を用いる場合よりも小さ
くされ得るのであり、また、ストレートローラ72によ
って、かかる裂開部位26を円筒形状に成形する際に
も、該裂開部位26が部分的に折り曲げられるだけであ
ることから、加工硬化が、被折曲部位において集中的に
惹起せしめられるのである。そして、それらによって、
高硬度の材質からなる金属素材24を用いても、該金属
素材24の被加工部27における裂開部位26から成形
される円筒部の全体が過度に加工硬化せしめられて、脆
くなってしまうことが効果的に防止され得るのであり、
その結果として、金属素材24の材質に拘わらず、比較
的、加工コストの低く、且つ加工時間も短い裂開転造加
工によって、「割れ」等の加工欠陥の発生が有効に防止
されつつ、優れた経済性と高度な加工性、更には良好な
作業性とをもって、ビスカスカップリングハウジングが
極めて効率的に成形され得ることとなるのである。
【0048】ところで、上述の如く、ビスカスカップリ
ングハウジングを得る際には、図1に示されるような構
造を有する金属成形品成形装置10が、極めて有利に用
いられるのであるが、そのような金属成形品は、例え
ば、以下の如くして、製造されることとなる。
【0049】すなわち、先ず、図3に示される如く、上
型16と下型18とが離隔位置せしめられて、型開き状
態とされた成形金型14に、目的とするビスカスカップ
リングハンジングを与える金属素材24をセットする。
より詳しくは、かかる金属素材24として、略円筒状の
全体形状を有し、その底部が、最終的に得られるビスカ
スカップリングハウジングの基部に相当する基部相当部
位29として構成され、更に、かかる基部相当部位29
の外面の中央部に、切削加工或いはプレス曲げ加工等に
よって、該ビスカスカップリングハウジングの円筒部の
高さを考慮して決定された径を有する円形状の被加工部
27が段付けされて、一体的に突出形成されるように予
備成形されたものを用い、これを、その中心部に形成さ
れた中心孔104内に、下型18における前記下型側パ
ッド22の前記芯出し用突起28を挿通せしめつつ、該
下型側パッド22の前記小径部25上に被せるようにし
て、載置する。それによって、金属素材24を、下型1
8に対して同心的にセットするのである。
【0050】次いで、上型移動板加圧シリンダ66内の
ピストンロッド68を突出作動せしめることにより、上
型移動板54を下方に移動せしめて、図4に示されるよ
うに、該上型16におけるセンター払いピン34の内孔
内に、金属素材24の中心孔104を貫通して延びる、
下型側パッド22の芯出し用突起28の先端部を挿通せ
しめる。そして、上型移動板54を下方に更に移動せし
めることにより、該センター払いピン34を、下型側パ
ッド22上にセットされた金属素材24の被加工部27
に当接させて、前記コイルスプリング37の付勢力に抗
して、上型側パッド32の内孔内に押し込みつつ、該上
型側パッド32を下方に移動させて、センター払いピン
34と共に、上型側パッド32を、金属素材24の被加
工部27に対して押圧状態下で、当接せしめる。これに
よって、上型16と下型18との間で、金属素材24の
被加工部27を同心的に挟持させる。
【0051】その後、下型取付板38を介して、下型1
8の下型側ホルダー20に取り付けられたモータ46を
回転駆動させることにより、下型18全体を回転させ
て、図5に示される如く、金属素材24を挟持させつ
つ、上型16と下型18とを、それらの中心軸50回り
に一体回転せしめる。一方、図示しないローラ加圧シリ
ンダ78内のピストンロッド76を突出作動せしめて、
該ピストンロッド76の先端部に固定されるクランプ8
0を成形金型14側に向かって移動させることにより、
かかるクランプ80に対して回転可能に取り付けられた
テーパローラ70のテーパ面形状の外周面88を、前記
中心軸50回りに一体回転せしめられる金属素材24の
基部相当部位29に突出形成された被加工部27の外周
面に押圧させる。その際、テーパローラ70は、その中
心軸90回りに、金属素材24とは逆の方向に回転させ
られる。これにより、かかる金属素材24の被加工部2
7を、該テーパローラ70の外周面88における大径側
の角部にて、前記基部相当部位29から、その突出方向
に徐々に裂開せしめると共に、該被加工部27の裂開せ
しめられた部位たる裂開部位26を、テーパローラ70
のテーパ面形状を呈する外周面88に沿わせるようにし
て、徐々に起立させ、以て該裂開部位26の全体を、テ
ーパローラ70のテーパ面形状の外周面88に対応した
テーパ形状に成形する。
【0052】次に、前記ローラ加圧シリンダ78内のピ
ストンロッド76を引込み作動せしめて、テーパローラ
70を金属素材24から離隔させた後、該テーパローラ
70に代えて、ストレートローラ72をクランプ80に
取り付け、その後、再び、該ピストンロッド76を突出
作動せしめることにより、図6に示される如く、該スト
レートローラ72の円柱面形状の外周面96を、テーパ
ローラ70によりテーパ形状に成形された、前記中心軸
50回りに一体回転せしめられる金属素材24の被加工
部27における裂開部位26の外周面に押圧させ、該裂
開部位26を、ストレートローラ72の外周面96と、
上型側パッド32の小径部35外周面との間で挟圧せし
める。その際、ストレートローラ72にあっても、その
中心軸98回りに回転せしめられることとなる。これに
より、被加工部27の裂開部位26において、その根元
部分を、該ストレートローラ72により折曲変形させ
て、該裂開部位26の全体を円筒形状に成形する。
【0053】かくして、図7に示される如く、金属素材
24の基部相当部位29からなる基部108の外面上
に、被加工部27の裂開部位26からなる円筒部110
が、一体的に且つ同心的に形成されてなる、目的とする
ビスカスカップリングハウジング106を得るのであ
る。そして、その後、図示しないローラ加圧シリンダ7
8内のピストンロッド76を引込み作動せしめる一方、
上型移動板加圧シリンダ66内のピストンロッド68
(図示せず)も引込み作動せしめることにより、上型1
6を上方に移動させると同時に、コイルスプリング37
の付勢力にて、センター払いピン34を上型側パッド3
2の内孔内から突出移動させて、成形されたビスカスカ
ップリングハウジング106を、上型16から払い出し
て、成形金型14から離型するのである。
【0054】このような裂開転造加工を採用する本具体
例手法によれば、裂開転造ローラによるしごき加工を行
なう従来手法に比して、金属素材24の被加工部27に
おける裂開部位26が、比較的小さな加工力にて、円筒
形状に成形され得るのであり、また、特に転造加工によ
る加工硬化が、かかる裂開部位26の特定な部位におい
て集中的に惹起せしめられることとなり、それらによっ
て、金属素材24の材質に拘わらず、該金属素材24の
被加工部27における裂開部位26全体が過度に加工硬
化せしめられるようなことが有利に回避され得、以て目
的とするビスカスカップリングハウジング106の成形
時において、「割れ」等の加工欠陥の発生が効果的に防
止され得て、優れた加工性が発揮され得るのであり、ま
た、比較的、加工コストが低く、且つ加工時間の短い裂
開転造加工手法が採用されていることによって、経済性
と生産性とにおいても、大きなメリットが得られるので
ある。
【0055】しかも、かかる本具体例手法においては、
金属素材24として、基部相当部位29の外面の中央部
に、目的とするビスカスカップリングハウジング106
の円筒部110の高さを考慮して決定された径を有す
る、円筒突部状の被加工部27が予備成形されたもの
が、用いられていることから、かかる金属素材24の被
加工部27に対する裂開加工時において、余分な裂開ス
トロークが有利に省かれ得、それによって、裂開ストロ
ークの過剰な長さに起因する、円筒部110の「割れ」
の発生が、効果的に阻止され得るのである。
【0056】次に、図8には、本発明の別の具体例とし
て、自動車のボス付プーリを成形する際に用いられる金
属成形品成形装置の一例が、要部を拡大して示されてい
る。ここにおいて、本具体例は、前記第一の具体例に示
された金属成形品成形装置に対して、成形金型の構造が
異なり、かかる成形金型の構造以外、前記第一の具体例
と同一の構造が採用されてなるものである。それ故、図
8及び後述する図10乃至図12においては、金属成形
品成形装置の要部、特に成形金型を拡大して図示するこ
ととし、且つ前記第一具体例と同様な構造とされた部材
及び部位については、図中、それぞれ、前記第一の具体
例と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明は省
略することとする。
【0057】すなわち、本具体例に係る金属成形品成形
装置にあっても、第一の型としての上型16と、第二の
型としての下型18とを備えた成形金型14と、図示さ
れていないものの、前記第一の具体例と同様な構造とさ
れたテーパローラとストレートローラとを有して、構成
されている。そして、ここでは、特に、成形金型14の
上型16を構成する上型側パッド32において、その小
径部35の外周面に、突起としてのキー溝形成部112
が一体的に設けられているのである。なお、このキー溝
形成部112は、上型側パッド32の大径部33側から
小径部35の先端に向かって、所定の幅と高さとをもっ
て鉛直方向に連続して延びる突条形態を有して、構成さ
れている。
【0058】そして、図示されてはいないものの、かか
る成形金型14にあっては、前記第一の具体例と同様
に、下型18が、所定の回転駆動力を発揮するモータが
固定された基台に対して、該モータにより回転可能に取
り付けられている一方、上型16が、上下移動可能に配
置された上型移動板に対して、下型18と同軸的に位置
するように取り付けられている。これにより、上型移動
板の下降移動に伴って、下型18が上型16に対して接
近移動させられ得るようになっていると共に、かかる接
近移動時に、下型18と上型16とが、それらの間に、
目的とするボス付プーリを与える金属素材を挟持しつ
つ、モータの回転駆動力によって、それらの中心軸50
の回りに一体回転し得るように構成されているのであ
る。
【0059】かくして、かかる成形金型14を有する金
属成形品成形装置にあっては、該成形金型14の上型1
6と下型18との間に挟持された金属素材の被加工部
が、前記第一の具体例における如きものと同様な構造を
有するテーパローラとストレートローラとにて、金属素
材から裂開させられて、かかる裂開部位がテーパ形状に
成形され、更に円筒形状に成形されるようになっている
のであり、特に、テーパローラにてテーパ形状に成形さ
れた裂開部位が、ストレートローラの円柱面形状の外周
面と上型16における上型側パッド32の小径部35の
外周面との間で挟圧されて、円筒形状に成形される際
に、該裂開部位の内周面の一部が、かかる上型側パッド
32の小径部35に一体形成されたキー溝形成部112
にて凹まされて、該裂開部位の内周面に、該キー溝形成
部112に対応する、凹部としてのキー溝が形成される
ようになっているのである。
【0060】従って、かかる金属成形品成形装置を用い
れば、前記第一の具体例において奏され得る優れた効果
が、十分に享受され得ることに加えて、金属素材から円
筒部を成形すると同時に、該円筒部の内周面に、キー溝
が一挙に形成され得るのであり、以てキー溝を有するボ
ス付プーリが、優れた経済性と生産性とをもって、極め
て効率的に成形され得ることとなるのである。
【0061】なお、このような金属成形品成形装置を用
いてボス付プーリを製造する際には、有利には、以下の
如き手順に従って、その作業が進められることとなる。
【0062】すなわち、先ず、図9に示される如く、全
体として略円板形形状を呈し、目的とするボス付プーリ
の基部に相当する基部相当部位29の一方の外面上に、
段差状の被加工部27がプレス曲げ加工等にて段付け形
成された金属素材114を準備する。
【0063】そして、図10に示されるように、金属素
材114を、成形金型14における下型18の下型側パ
ッド22と上型16の上型側パッド32及びセンター払
いピン34との間で同心的に挟持させた状態で、図示し
ないモータの回転駆動により、それら上型16、下型1
8及び金属素材114を、該上型16と下型18の中心
軸50回りに一体回転させる。
【0064】その後、図11の右側半分に示される如
く、テーパローラ70を成形金型14側に向かって移動
させて、該テーパローラ70のテーパ面形状の外周面8
8を、前記中心軸50回りに一体回転せしめられる金属
素材114の被加工部27の外周面に押圧させる。それ
により、該被加工部27を金属素材114から裂開する
と共に、かかる裂開部位26を、テーパローラ70のテ
ーパ面形状の外周面88に対応したテーパ形状に成形す
る。
【0065】更に、その後、図11に左側半分に示され
るように、テーパローラ70に代えて、ストレートロー
ラ72を成形金型14に向かって移動させて、該ストレ
ートローラ72の円柱面形状の外周面96を、テーパロ
ーラ70にてテーパ形状に成形された裂開部位26の外
周面に押圧させ、該裂開部位26を、ストレートローラ
72の外周面96と、上型16における上型側パッド3
2の小径部35の外周面との間で挟圧せしめる。これに
よって、被加工部27の裂開部位26において、その根
元部分を、該ストレートローラ72により折曲変形させ
て、該裂開部位26全体を円筒形状に成形する。また、
特に、その際、前記上型側パッド32の小径部35に一
体形成されたキー溝成形部112により、円筒形状に成
形される裂開部位26の内周面の一部を、該キー溝成形
部112に対応した形状で凹ませて、該内周面に、キー
溝116を形成する。
【0066】これによって、図12に示される如く、金
属素材114の基部相当部位29からなる基部108の
外面上に、被加工部27の裂開部位26からなる円筒部
110が一体形成され、また、該円筒部110の内周面
に、キー溝116が設けられてなる中間成形品118を
得る。そして、その後、上型16を下型18から離隔移
動させると共に、センター払いピン34をコイルバネ3
7の付勢力により、上型側パッド32内から突出させ
て、かかる中間成形品118を、上型16から払い出し
て、成形金型14から離型する。
【0067】更にその後、図13に示される如く、従来
と同様な構造により、互いに接近離隔可能に配置され、
且つ型閉め状態下において、中心軸119回りに一体回
転し得るように構成された上型120と下型122とを
有するホイール部成形用金型124を用い、上述のよう
にして成形された中間成形品118を、その中心孔10
4内に、下型122の芯出し用突起126が挿通せしめ
られるようにして、それら上型120と下型122との
間で、同軸的に挟持させ、またそのような挟持状態下に
おいて、上型120、下型122及び中間成形品118
を前記中心軸119回りに一体回転させる。
【0068】そして、図13の右側半分に示される如
く、前記ストレートローラ72と同様に、上下方向に同
一の径にて延びる円柱面形状の外周面128を有すると
共に、中心軸回りに回転可能に、且つホイール部成形用
金型124に対して接近離隔移動し得るように構成され
たホイール部形成ローラ130を、該ホイール部成形用
金型124に接近移動させて、該金型124の型閉め時
に、上型120と下型122との間に形成されるホイー
ル部形成空間134内に突入せしめる。それによって、
上型120と下型122との間に一体回転下で挟持され
た中間成形品118における基部108の外周面を、該
ホイール部形成ローラ130の円柱面形状の外周面12
8にて押圧して、該基部108の外周部分を上下方向に
押し広げつつ、該ホイール部形成空間134内に押し込
み、以て該中間成形品118の外周部に、円環状のホイ
ール部142を形成する(図13の左側半分を参照)。
【0069】その後、図13の左側半分に示されるよう
に、外周面138に複数の山形突起136が周設されて
いる以外、ホイール部形成ローラ130と同一の構造と
された溝部形成ローラ140を、ホイール部成形用金型
124に接近移動させて、前記ホイール部形成空間13
4内に突入せしめる。これにより、前記ホイール部形成
ローラにより形成された、前記中間成形品118のホイ
ール部142の外周面を、該溝部形成ローラ140の、
複数の山形突起136が設けられてなる外周面138に
て押圧すると共に、上型120及び下型122との間で
挟圧して、該ホイール部142の外周面に、該溝部形成
ローラ140の各山形突起136に対応する、ベルト等
が掛けられる溝144を、複数形成する。
【0070】かくして、中心部に、円筒部110からな
り、且つ内周面にキー溝116が形成されたボス部13
2が立設せしめられると共に、該ボス部132を取り囲
むようにして設けられたホイール部142の外周面に、
複数の溝144が形成されてなるボス付プーリ145が
成形されることとなるのである。
【0071】従って、このようなボス付プーリの成形手
法によれば、比較的加工コストが高く、また加工時間も
長い鍛造加工や切削加工を行なうことなく、ボス付プー
リ145が、極めて容易に成形され得るのであり、更
に、そのようにしてボス付プーリ145を成形すると同
時に、ボス部132の内周面に対して、キー溝116が
一挙に形成され得るのであり、以てキー溝116を有す
るボス付プーリ145が、優れた経済性と生産性とをも
って、極めて効率的に成形され得ることとなるのであ
る。
【0072】なお、本具体例では、基部108の片側面
のみに、ボス部132が設けられたボス付プーリ145
の成形方法が示されていたが、該基部108の両側面に
ボス部132を設けるに際しては、有利には、以下の如
き手法が採用されることとなる。
【0073】すなわち、先ず、図14に示される如く、
全体として略円板形形状を呈し、その中心部において、
目的とするボス付プーリの基部に相当する基部相当部位
29の一方の面側に向かって開口する凹所146と、該
凹所146の開口部の周囲が段付けされてなる、段差状
の被加工部27とが、プレス曲げ加工等にて形成された
金属素材148を準備する。
【0074】そして、図15に示される如く、前記具体
例と同様にして、かかる金属素材148を、成形金型1
4における下型18と上型16との間で、同心的に挟持
させると共に、それら金属素材148と下型18と上型
16とを一体回転させる。その後、該金属素材148の
被加工部27を、テーパローラ70にて、金属素材11
4から裂開すると共に、かかる裂開部位26を、テーパ
ローラ70のテーパ面形状の外周面88に対応したテー
パ形状に成形する。更に、その後、ストレートローラ7
2にて、かかるテーパ形状に成形された裂開部位26の
根元部分を折曲変形させて、該裂開部位26全体を円筒
形状に成形する。また、特に、その際、前記上型側パッ
ド32の小径部35に一体形成されたキー溝成形部11
2により、円筒形状に成形される裂開部位26の内周面
の一部を、該キー溝成形部112に対応した形状で凹ま
せて、該内周面に、キー溝116を形成する。なお、こ
こでは、下型16として、金属素材148の前記凹所1
46が収容される収容孔150を有するものが、使用さ
れることとなる。
【0075】これによって、基部108の外面上におい
て、凹所146の開口周縁部を取り囲むように、円筒部
110が一体形成されると共に、該円筒部110の内周
面に、キー溝116が設けられてなる中間成形品152
を得る。そして、その後、成形金型14を型開きすると
共に、センター払いピン34の払い出しにより、中間成
形品152を成形金型14から離型させる。
【0076】更に、その後、図16に示される如く、前
記具体例と同様にして、ホイール部成形用金型124の
上型120と下型122との間で、前記中間成形品15
2を挟持させつつ、ホイール部形成ローラ130と溝部
形成ローラ140とにて、該中間成形体152の基部1
08の外周部分に円環状のホイール部142を形成する
と共に、該ホイール部142の外周面に複数の溝144
を形成する。そして、その後、成形金型124から離型
させた後、凹所146の底部154を打抜加工や切削加
工等により除去する。
【0077】かくして、基部108の中心部において、
その一方の面上に、円筒部110からなり、内周面にキ
ー溝116が設けられてなるボス部132aが、また、
他方の面上に、金属素材148の凹所146の側壁部1
56からなるボス部132bが、それぞれ一体的に立設
されると共に、基部108の外周部において、外周面に
複数の溝144を有するホイール部142が、それら二
つのボス部132a,132bを取り囲むようにして設
けられてなるボス付プーリが成形されることとなるので
ある。
【0078】このようなボス付プーリの成形手法によれ
ば、基部108の両側面にボス部132a,132bを
それぞれ有するプーリが、優れた経済性と生産性とをも
って、極めて効率的に成形され得ると共に、かかるボス
付プーリを成形すると同時に、ボス部132aに対し
て、キー溝116が一挙に形成され得るのである。
【0079】また、基部108の両側面にボス部132
a,132bがそれぞれ設けられてなるボス付プーリを
成形する際には、上述の如き手法の他、以下のような方
法も、有利に採用され得る。
【0080】すなわち、先ず、図9に示される如き形状
を有する金属素材114を用い、前記具体例と同様にし
て、基部108の外面上に、キー溝116付円筒部11
0が一体形成されてなる中間成形品118を成形する。
その後、図17に示される如く、上型120の中心部
に、前記中間成形品118の円筒部110の内径よりも
僅かに小さな外径を有する、円柱状のバーリングパンチ
158が設けられる一方、下型122の上型120との
対向面に、該バーリングパンチ158が突入せしめられ
るバーリングパンチ突入孔160が形成されてなるホイ
ール部成形用金型124を用いて、中間成形品118を
該ホイール部成形用金型124の上型120と下型12
2との間で挟持させると共に、バーリングパンチ158
にて、中間成形品118の、それら上型120と下型1
22とに対する被挟持部162に対してバーリング加工
を行なう。これによって、基部108の一方の面上に、
円筒部110からなるボス部132aを設けると共に、
その他方の面上に、前記被挟持部162を下向きのフラ
ンジ状に加工してなるボス部132bを形成するのであ
る。
【0081】かかる成形手法によれば、ホイール部成形
用金型124を用いた金型成形の後に、打抜加工や切削
加工等の余分な工程を行なうことなく、目的とするボス
付プーリが、より簡単且つ迅速に成形され得ることとな
るのである。
【0082】次に、図18及び図19には、本発明の更
に別の具体例として、自動車のフランジ部付円筒部品を
成形する際に用いられる金属成形品成形装置の一例が、
要部を拡大して示されている。ここにおいて、本具体例
は、前記第一の具体例に示された金属成形品成形装置に
対して、転造ローラの構造乃至は形状が異なるものであ
る。それ故、図18及び図19においては、前記第一の
具体例と同様な構造とされた部材及び部位については、
図中、それぞれ、前記具体例と同一の符号を付すことに
より、その詳細な説明は省略することとする。
【0083】すなわち、本具体例に係る金属成形品成形
装置にあっては、テーパローラ70とストレートローラ
164と突条形成ローラ166の3種類の転造ローラ
と、前記第一の具体例と略同様な構造を有する成形金型
14とを有して、構成されている。
【0084】より詳細には、それら3種類の転造ローラ
のうち、テーパローラ70は、前記第一の具体例におけ
る如きものと同様に、成形金型14の下型18から上型
16の側に向かって次第に小径となるテーパ面形状を呈
すると共に、テーパローラ70の中心軸に垂直に広が
る、該テーパローラ70の下端面92に対して70°の
テーパ角度(図18においてθにて示される角度)を為
す外周面88を有する円錐台形形状をもって、構成され
ている。
【0085】また、ストレートローラ164は、上側部
分(上型16側部分)が、大径の円柱面形状の外周面1
67を有する大径部168とされ、また下側部分(下型
18側部分)が、小径の円柱面形状の外周面173を有
する小径部170とされた、全体として、段付の円柱形
形状をもって構成されている。そして、特に、かかる大
径部168の高さ方向中間部には、断面矩形状の溝形態
を呈するフランジ形成部172が、所定の深さと幅とを
もって、周方向に連続して延びるように設けられてお
り、また、成形金型14に接近移動せしめられた際に、
小径部170の下端面171と、下型18の下型側パッ
ド22における小径部25と大径部23との段付面17
4との間に所定の隙間が形成されるように、該小径部1
70の高さが調節されて、構成されている。
【0086】さらに、突条形成ローラ166は、高さ方
向中間部が、上下方向に同一径にて延びる円柱面形状の
外周面を有する円柱部176とされている一方、その上
側部分(上型16側部分)が、上方に向かって次第に小
径となるテーパ面形状の外周面177を有する上側テー
パ部178とされ、また該円柱部176の下側部分(下
型18側部分)が、下方に向かって次第に小径となるテ
ーパ面形状の外周面179を有する下側テーパ部180
とされている。
【0087】そして、この突条形成ローラ166の上側
テーパ部178が、該突条形成ローラ166の中心軸に
垂直な面に対して、80°のテーパ角度(図18におい
てαにて示される角度)を為すように構成されている一
方、下側テーパ部180の、突条形成ローラ166の中
心軸に垂直な面に対するテーパ角度が、高さ方向中間部
において変化させられて、該下側テーパ部180が、下
方部分の該テーパ角度が、上方部分よりも小さくされた
段付テーパ面形状を有するように構成されている。な
お、かかる上側テーパ部178の前記テーパ角度は、テ
ーパローラ70の、中心軸90に垂直な面に対するテー
パ角度よりも大きく、且つ90°を下回るものであれ
ば、特に限定されるものではない。
【0088】また、かかる突条形成ローラ166にあっ
ては、特に、そのような上側テーパ部178の高さ方向
中間部に、湾曲面状の底面を有する溝181が、周方向
に連続して延びるように形成されている。そして、この
溝181は、前記ストレートローラ164のフランジ形
成部172よりも広い幅をもって構成されており、ま
た、突条形成ローラ166の金属成形品成形装置に対す
る取付状態下において、該ストレートローラ164のフ
ランジ形成部172の形成位置と同一の高さに位置せし
められるようになっている。
【0089】そして、それら3種類の転造ローラ(テー
パローラ70、ストレートローラ164及び突条形成ロ
ーラ166)にあっては、何れも、前記具体例における
各転造ローラ(テーパローラ70、ストレートローラ7
2)と同様な構造にて、成形金型14に接近離隔移動さ
れ得るように構成されている。
【0090】かくして、このような構造とされた3種類
の転造ローラ70,164,166を有する金属成形品
成形装置にあっては、図18の右側半分に示される如
く、成形金型14の上型16と下型18との間に挟持さ
れた金属素材182が、それら上型16と下型18と一
体回転せしめられ、そして、該金属素材182の被加工
部27が、テーパローラ70にて、金属素材182から
裂開させられると共に、かかる裂開部位26が、テーパ
ローラ70のテーパ面形状の外周面に対応したテーパ形
状に成形されるようになっている。なお、ここでは、前
記第一の具体例と同様な金属成形品成形装置を用いて、
一方の外面上に円筒部110が一体形成されてなる成形
品が、金属素材182として用いられており、また、成
形金型14が、そのような円筒部110が収容される円
環状凹所184を下型側パッド23に設けてなる構造と
されている。
【0091】そして、図18の左側半分に示されるよう
に、テーパローラ70にてテーパ形状に成形された裂開
部位26の外周面が、突条形成ローラ166の上側テー
パ部178の外周面177にて押圧されて、該裂開部位
26の上側部分が、該上側テーパ部178の外周面形状
に対応した、よりテーパ角度の大きなテーパ形状に成形
されると共に、該裂開部位26の上側部分の一部が、上
側テーパ部178の溝181内に押し込まれて、かかる
裂開部位26の上側部分に、該溝181の内側形状に対
応した突条188が、周方向に連続して形成されるよう
になっている。また、その際、金属素材182におい
て、テーパローラ70にて裂開されなかった被加工部2
7の残余部分たる基部相当部位29の外周端面が、突条
形成ローラ166の下側テーパ部180の外周面179
にて押圧されて、該基部相当部位29の外周部分が、該
下側テーパ部180の外周面形状に対応した段付テーパ
面形状に成形されることとなる。
【0092】そして、図19の右側半分に示される如
く、突条形成ローラ166の上側テーパ部178にて、
より角度の大きなテーパ形状に成形された、被加工部2
7の裂開部位26の上側部分と、前記テーパローラ70
の外周面形状に対応したテーパ形状とされた、該上側部
分とはテーパ角度の異なる下側部分の各外周面が、スト
レートローラ164の大径部168の外周面167にて
押圧されると共に、該裂開部位26全体が、該ストレー
トローラ164の大径部168の外周面167と、上型
16における上型側パッド32の小径部35の外周面と
の間で挟圧されるようになっている。これによって、該
裂開部位26において、テーパ角度が互いに異なる上側
部分と下側部分との境界部と、該下側部分の根元部(被
加工部27の基部相当部位29との境界部)が折曲変形
させられて、該裂開部位26全体が、比較的小径の円筒
形状に成形されると共に、該裂開部位26の突条188
が、ストレートローラ164の大径部168の外周面1
67に設けられた、断面矩形状の溝形態を有するフラン
ジ形成部172内に押し込まれて、該フランジ形成部1
72の内側形状に対応した形状に成形されるようになっ
ている。
【0093】また、その際、突条形成ローラの下側テー
パ部180にて、段付テーパ形状に成形された被加工部
27の基部相当部位29の外周部分の外周面が、ストレ
ートローラ164の小径部の外周面173にて押圧され
ると共に、該基部相当部位29の外周部分が、該ストレ
ートローラ164の小径部170の外周面173及びそ
の下端面171と、下型18の下型側パッド22におけ
る小径部25の外周面、及び該小径部25と前記大径部
23とを段付けする段付面174との間で挟圧されるよ
うになっている。これによって、かかる基部相当部位2
9の外周部分の根元部とテーパ角度が変わる変曲部とが
折曲変形させられて、該基部相当部位29の外周部分
が、開口周縁部が径方向外方にフランジ状に広がる、比
較的大径の円筒形状に成形されるようになっている。
【0094】かくして、図19の左側半分に示される如
く、金属素材182の基部相当部位29からなる基部1
08の外面上に、被加工部27の裂開部位26からなる
小径円筒部192と、該基部108の外周部分にて構成
された大径円筒部194とが、それぞれ一体形成される
と共に、該小径円筒部192の外周面の高さ方向中間部
に、径方向外方に広がる中間フランジ部196が、ま
た、該大径円筒部194の開口周縁部に、外向フランジ
部198が、各々一体的に設けられてなる、フランジ付
円筒部品200が成形されるようになっているのであ
る。なお、このフランジ付円筒部品200は、成形金型
14から離型させられた後、該成形金型14における上
型16と下型18との間で挟持される挟持部202が、
打抜加工や切削加工等により除去されることによって、
完成品とされることとなる。
【0095】このように、本具体例に係る金属成形品成
形装置にあっては、テーパローラ70とストレートロー
ラ164とにて、基部108の外面上に小径円筒部19
2が一体形成されるようになっていることから、前記第
一及び第二の具体例と同様な優れた効果が有効に発揮さ
れ得るのであり、また、突条形成ローラ166を含むと
共に、ストレートローラ164が特別な構造とされてい
ることによって、かかる小径円筒部192を成形すると
同時に、その外周面に対して、中間フランジ部196が
一挙に成形され得るのである。
【0096】従って、かかる金属成形品成形装置を用い
れば、フランジ部196を有する円筒部192が基部1
08の外面上に一体形成されてなるフランジ付円筒部品
200が、優れた経済性と生産性とをもって、極めて効
率的に成形され得ることとなるのである。
【0097】ところで、前記具体例では、第一の型とし
ての上型16が、その上部に配された上型移動板加圧シ
リンダ66内のピストンロッド68の突出、引込み作動
により、第二の型としての下型18に対して接近、離隔
移動せしめられるようになっていたが、それら第一の型
と第二の型とを相対的に接近、離隔移動せしめるための
機構は、何等、これに限定されるものではない。
【0098】また、前記具体例では、第二の型としての
下型18が、基台12上において、モータ46の回転駆
動により、その中心軸50回りに回転可能に配置される
一方、第一の型たる上型16が、該下型18と同軸的に
且つその中心軸50回りに回転可能に配置され、そし
て、該下型18と該上型16とが相対的に接近移動せし
められて、それらの間に金属素材24,114,14
8,182を挟持せしめた状態で、モータ46が回転駆
動せしめられることによって、上型16と下型18と
が、それらの中心軸50回りに一体回転されるようにな
っていたが、そのような金属素材を挟持せしめた状態下
での第一の型と第二の型の一体回転機構も、特に、これ
に限定されるものでない。
【0099】さらに、第一の型と第二の型の構造も、前
記具体例における如きものに何等限定されるものではな
く、第一の型が、目的とする金属成形品が有する円筒部
の内周面形状に対応した外周面を有して構成され、ま
た、第二の型が、該第一の型に対して同軸的に且つ相対
的に接近、離隔可能に配置されて構成され、そして、そ
れら第一の型と第二の型とが、該金属成形品を与える金
属素材を挟持しつつ、それら第一及び第二の型の軸心を
回転軸として、一体回転し得るようになっているもので
あれば、如何なる構造も、採用され得るのである。
【0100】また、前記具体例では、基台12上に配置
されたローラ加圧シリンダ78内のピストンロッド76
の先端部に、クランプ80が固定されており、該ピスト
ンロッド76が成形金型14の中心軸50に垂直な方向
に突出、引込み作動せしめられることによって、かかる
クランプ80に取り付けられるテーパローラ70とスト
レートローラ72,164とが、該成形金型14に対し
て接近、離隔移動せしめられるようになっていたが、そ
のようなテーパローラとストレートローラの移動機構
は、特に、これに限定されるものではない。
【0101】さらに、前記具体例では、クランプ80と
ローラ加圧シリンダ78及びピストンロッド76とから
なるテーパローラ70とストレートローラ72,164
の移動機構が一つだけ設けられ、かかる一つの移動機構
に対して、テーパローラ70とストレートローラ72と
が選択的に取り付けられて、金属素材24の被加工部2
7における裂開部位26が、テーパ形状と円筒形状に、
順次、成形されるようになっていたが、テーパローラの
移動機構とストレートローラの移動機構とを、それぞ
れ、一つずつ、若しくは複数個ずつ設けて、それらテー
パローラの移動機構とストレートローラの移動機構とを
互いに独立して作動せしめるように構成することも、可
能である。それによって、テーパローラとストレートロ
ーラの交換作業が皆無ならしめられ得て、目的とする金
属成形品が、より一層効率的に成形され得るのである。
【0102】更にまた、テーパローラとストレートロー
ラの外周面形状も、前記具体例に示される如きものに何
等限定されるものではなく、テーパローラにあっては、
第一の型に対向位置する外周面が、第二の型から第一の
型の側に向かって小径となるテーパ面形状を呈し、ま
た、ストレートローラにおいては、かかる外周面が、軸
方向に同一径にて延びる円柱面形状を有している、換言
すれば、かかる外周面の少なくとも一部が、該円柱面形
状とされていれば、如何なる形状ものもの採用され得る
のである。
【0103】従って、例えば、下部外周面が所定のテー
パ面形状を呈する一方、上部外周面が上述の如き円柱面
形状とされた、一つの裂開転造ローラ、或いはテーパ面
形状と円柱面形状が上下逆転した状態で構成された裂開
転造ローラを用い、その上部側部位と下部側部位の何れ
か一方をテーパローラとして、またそれらの他方をスト
レートローラとして、それぞれ機能せしめるようにして
も良いのである。勿論、この場合にあっては、かかる転
造ローラを成形金型に対して接近、離隔移動せしめるだ
けでなく、それを成形金型の軸方向にも移動せしめる移
動機構も、設ける必要がある。
【0104】また、それらテーパローラとストレートロ
ーラとを、別体にて構成する場合にあっても、例えば、
ストレートローラにおいて、第一の型に対向位置する外
周面が、段付円柱面形状を呈するように構成されたもの
や、該外周面の下部側が円柱面形状を呈する一方、上部
側がテーパ面形状を呈するように構成されたもの等も、
有利に採用され得るのである。そして、第一の型の外周
面形状を考慮すれば、第一の型に対向位置する外周面が
段付円柱面形状を呈するように構成されたテーパローラ
を採用する場合、図20に示される如く、互いに径の異
なる円筒部110a〜110eを複数有してなる金属成
形品204が、また、該外周面の下部側が円柱面形状を
呈する一方、上部側がテーパ面形状を呈するように構成
されたテーパローラを採用する場合、図21に示される
如く、該ストレートローラのテーパ面形状の外周面に対
応したテーパ形状とされたテーパ筒部206a,206
bと、該ストレートローラの円柱面形状の外周面対応し
た円筒形状とされた円筒部110a,110bとを有し
てなる金属成形品208が、それぞれ、容易に且つ効率
的に成形され得ることとなるのである。
【0105】また、前記具体例では、テーパローラ70
のテーパ面形状の外周面88が、該テーパローラ70の
中心軸90に垂直な面(テーパローラ70の下端面9
2)に対して70°のテーパ角度を為すように構成され
ていたが、そのようなテーパローラ70におけるテーパ
面形状の外周面のテーパ角度は、60°〜80°の範囲
内であれば、特に限定されるものではない。なお、かか
るテーパ角度が80°を上回る場合、金属素材24の被
加工部27の、基部相当部位29からの裂開加工が困難
となるばかりでなく、被加工部27の裂開部位26が、
テーパローラ70の外周面88に沿って起立変形され難
くなって、金属素材24に対する加工性が悪化せしめら
れることとなり、また、それが60°を下回る場合に
は、金属素材24の被加工部27を押圧せしめる際に、
該被加工部27に対して作用せしめられる押圧力におい
て、その軸方向上方に向かって作用する成分が大きくな
り、それによって、被加工部27の裂開部位26の根元
部分が上方に押し上げられ、その結果、裂開部位26が
切り取られてしまう恐れがある。
【0106】さらに、前記具体例のうち、特に、第二の
具体例では、成形金型14の上型16において、ストレ
ートローラ72に対向位置する上型側パッド32の外周
面に、突条形態を有するキー溝形成部112が一体形成
されて、最終的に得られる金属成形品145の円筒部1
32の内周面に、突起としてのキー溝116が形成され
るようになっていたが、かかる上型側パッド32の外周
面に、該キー溝116とは形状の異なる突起や、所定の
凹所若しくは溝等を形成して、目的とする金属成形品の
円筒部の内周面に、それらの突起や凹所または溝に対応
した凹部や凸部または突条等が形成されるようにして
も、何等差し支えない。
【0107】また、前記具体例のうち、第三の具体例で
は、突条形成ローラ166が、上側から順に、上側テー
パ部178、円柱部176、下側テーパ部180を有し
て構成されていたが、かかる突条形成ローラ166とし
ては、それに中心軸に垂直な面に対するテーパ角度(傾
斜角度)が、テーパローラ70の、それの中心軸90に
垂直な面に対するテーパ角度(傾斜角度)よりも大きな
テーパ形状の外周面を有し、且つ該外周面に、周方向に
連続して延びる溝が設けられてなるものであれば、その
全体形状が、前記第三の具体例に示される如きものに、
決して限定されるものでない。なお、そのような突条形
成ローラも、本発明において、何等必須のものではな
い。
【0108】加えて、前記の具体例では、本発明を自動
車のビスカスカップリングハウジング、ボス付プーリ及
びフランジ付円筒部品の成形装置とそれらの成形方法に
対して適用したものの具体例を示したが、本発明が、そ
の他、様々な用途に用いられる、基部外面上に円筒部が
一体形成されてなる金属成形品の成形装置並びにかかる
金属成形品の成形方法の何れに対しても、有利に適用さ
れ得るものであることは、勿論である。
【0109】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、本発明が、上記の記載によって、何等の制
約をも受けるものでないことは、言うまでもないところ
である。また、本発明には、上記の具体例の他にも、本
発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に
基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るもので
あることが、理解されるべきである。
【0110】
【発明の効果】上述の説明からも明らかなように、本発
明に従う基部外面上に円筒部が一体形成されてなる金属
成形品の成形装置においては、目的とする金属成形品を
与える素材の硬度の高低に関係なく、比較的加工コスト
が低く、且つ加工時間の短い裂開加工と転造加工を組み
合わせた手法により、加工時における素材の「割れ」等
の欠陥のない金属成形品を成形することが出来、そのよ
うな金属成形品の成形時において、優れた経済性と高度
な加工性、更には効率化による優れた生産性とが効果的
に発揮され得るのである。
【0111】また、本発明に従う基部外面上に円筒部が
一体形成されてなる金属成形品の成形方法によれば、か
かる成形品を与える素材の材質に拘わらず、優れた経済
性と高度な加工性、更には良好な生産性とをもって、目
的とする金属成形品が、極めて効率的に成形され得るこ
ととなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う金属成形品の成形装置の一例を概
略的に示す縦断面説明図であって、右側は、テーパロー
ラを取り付けると共に、成形金型を型開きした状態を示
し、またその左側は、テーパローラに代えてストレート
ローラを取り付けると共に、成形金型を型閉めした状態
を示す。
【図2】図1に示される金属成形品の成形装置を構成す
る成形金型を示す縦断面説明図である。
【図3】本発明に従う金属成形品の成形方法における一
工程例を示す説明図であって、そこで用いられる成形金
型に対して、型開き状態下で、金属素材をセットした状
態を示す。
【図4】本発明に従う金属成形品の成形方法における別
の工程例を示す説明図であって、成形金型を構成する第
一の型と第二の型との間に、金属素材を挟持せしめた状
態を示す。
【図5】本発明に従う金属成形品の成形方法における更
に別の工程例を示す説明図であって、金属素材を挟持せ
しめつつ、第一の型と第二の型とを一体回転させる一
方、該金属素材の被加工部をテーパローラにて押圧し
て、裂開せしめると共に、その裂開部位をテーパ形状に
成形した状態を示す。
【図6】本発明に従う金属成形品の成形方法における他
の工程例を示す説明図であって、テーパ形状に成形され
た金属素材の被加工部における裂開部位をストレートロ
ーラにて更に押圧して、円筒形状に成形した状態を示
す。
【図7】本発明に従う金属成形品の成形方法における更
に他の工程例を示す説明図であって、成形された金属成
形品を離型せしめた状態を示す。
【図8】本発明に従う金属成形品の成形装置の別の例の
要部を拡大して示す要部拡大説明図であって、特に、か
かる成型装置を構成する成形金型の型開き状態下での縦
断面形態を示している。
【図9】本発明に従う金属成形品の成形方法の別の例に
より成形される金属成形品を与える金属素材の一例を示
す縦断面説明図である。
【図10】本発明に従う金属成形品の成形方法の別の例
における一工程例を示す説明図であって、成形金型を構
成する第一の型と第二の型との間に、金属素材を挟持せ
しめた状態を示す。
【図11】本発明に従う金属成形品の成形方法の別の例
における他の工程例を示す説明図であって、右側は、金
属素材の被加工部をテーパローラにて裂開している状態
を示し、また左側は、かかる被加工部の裂開部位をスト
レートローラにて円筒形状に成形している状態を示して
いる。
【図12】本発明に従う金属成形品の成形方法の別の例
における更に他の工程例を示す説明図であって、成形さ
れた金属成形品を離型せしめた状態を示している。
【図13】本発明に従う金属成形品の成形方法の別の例
により成形された金属成形品を他の成形金型にて加工し
て、目的とする製品を製造する工程の一例を示す説明図
であって、右側は、金属成形品の外周部分にホイール部
を形成している状態を示し、また左側は、該ホイール部
に複数の溝を形成している状態を示している。
【図14】本発明に従う金属成形品の成形方法の他の例
により成形される金属成形品を与える金属素材の一例を
示す縦断面説明図である。
【図15】本発明に従う金属成形品の成形方法の他の例
における一工程例を示す説明図であって、図11に対応
する図である。
【図16】本発明に従う金属成形品の成形方法の他の例
により成形された金属成形品を別の成形金型にて加工し
て、目的とする製品を製造する工程の一例を示す説明図
であって、図13に対応する図である。
【図17】本発明に従う金属成形品の成形方法の別の例
により成形された金属成形品を更に他の成形金型にて加
工して、目的とする製品を製造する一工程例を示す説明
図であって、図13に対応する図である。
【図18】本発明に従う金属成形品の成形装置の別の例
を用いて金属成形品を成形する一工程例を示す説明図で
あって、右側は、金属素材の被加工部をテーパローラに
て裂開している状態を示し、また左側は、かかる被加工
部の裂開部位に、突条成形ローラにて突条を形成してい
る状態を示している。
【図19】本発明に従う金属成形品の成形装置の別の例
を用いて金属成形品を成形する他の工程例を示す説明図
であって、右側は、被加工部の裂開部位をストレートロ
ーラにて円筒形状に成形している状態を示し、左側は、
成形された金属成形品の成形金型からの離型前の状態を
示している。
【図20】本発明に従う金属成形品の成形装置の他の例
を用いて成形された金属成形品の縦断面説明図である。
【図21】本発明に従う金属成形品の成形装置の更に他
の例を用いて成形された金属成形品の縦断面説明図であ
る。
【符号の説明】
10 金属成形品成形装置 14 成形
金型 16 上型 18 下型 24,114,148,182 金属素材 26 裂開
部位 27 被加工部 29 基部
相当部位 50,90,98 中心軸 70 テー
パローラ 72,164 ストレートローラ 88,96
外周面 108 基部 110,1
32 円筒部 106 ビスカスカップリングハウジング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒部が円板状の基部外面上に一体的に
    且つ同心的に形成されてなる金属成形品を成形するため
    の成形装置であって、 前記円筒部の内周面形状に対応した外周面を有する第一
    の型と、該第一の型に対して同軸的に且つ相対的に接
    近、離隔可能に配置された第二の型とを備え、前記金属
    成形品を与える金属素材の前記基部相当部位にして、前
    記第一の型の外径よりも大径の、厚みのある円形突部形
    状を呈する被加工部が、該第一の型と該第二の型に対し
    て同心的に位置せしめられるように、該金属素材の被加
    工部を該第一の型と該第二の型との間で挟持しつつ、該
    第一の型と該第二の型とが、それら第一及び第二の型の
    軸心を第一の回転軸として一体回転し得るように構成さ
    れた成形金型と、 前記第一の回転軸に平行な第二の回転軸回りに回転可能
    に、且つ該成形金型に対して、該第一の回転軸に垂直な
    方向に接近、離隔移動し得るように、配置せしめられる
    一方、前記第一の型の外周面と対向位置する外周面が、
    前記第二の型から該第一の型の側に向かって次第に小径
    となるテーパ面形状を呈すると共に、前記第二の回転軸
    に垂直な面に対して60〜80°のテーパ角度を為すよ
    うに構成され、かかるテーパ面形状の外周面において、
    前記第一の回転軸回りに一体回転せしめられる前記金属
    素材の被加工部の外周面に当接せしめて押圧することに
    より、該テーパ面形状の外周面における大径側の角部の
    先端にて、該被加工部を該金属素材から、その突出方向
    に裂開せしめると共に、該テーパ面形状の外周面の全体
    にて、かかる被加工部の裂開せしめられた部位の外周面
    を該テーパ面形状に対応したテーパ形状に成形するテー
    パローラと、 前記第一の回転軸に平行な第三の回転軸回りに回転可能
    に、且つ前記第一の型に対して、該第一の回転軸に垂直
    な方向に接近、離隔移動し得るように、配置せしめられ
    る一方、該第一の型の外周面と対向位置する外周面が軸
    方向に同一径にて延びる円柱面形状を有するように構成
    されて、前記第一の回転軸回りに一体回転せしめられ
    る、前記テーパローラにてテーパ形状に成形された前記
    被加工部の裂開部位を、該円柱面形状の外周面にて押圧
    して、前記第一の型との間で挟圧することにより、かか
    る裂開部位を該円柱面形状に対応した円筒形状に更に成
    形するストレートローラとを、 含むことを特徴とする基部外面上に円筒部が一体形成さ
    れてなる金属成形品の成形装置。
  2. 【請求項2】 前記第一の型の円筒面状の外周面に、凹
    所又は突起が設けられて、前記テーパローラにてテーパ
    形状に成形された前記被加工部の裂開部位が、前記スト
    レートローラの円柱面形状の外周面と該第一の型との間
    で挟圧されることにより、該円柱面形状に対応した円筒
    形状に成形されると共に、該円筒形状の内周面に、前記
    凹所又は突起にそれぞれ対応した凸部又は凹部が形成さ
    れるように構成されていることを特徴とする前記請求項
    1に記載の基部外面上に円筒部が一体形成されてなる金
    属成形品の成形装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は請求項2に記載の成形
    装置であって、前記第一の回転軸に平行な第四の回転軸
    回りに回転可能に、且つ前記第一の型に対して、該第一
    の回転軸に垂直な方向に接近、離隔移動し得るように、
    配置せしめられる一方、該第一の型の外周面と対向位置
    する外周面が、前記第二の型から該第一の型に向かって
    次第に小径となるテーパ面形状を有するように構成され
    ると共に、前記第四の回転軸に垂直な面に対する、該テ
    ーパ面形状のテーパ角度が、前記テーパローラのテーパ
    面形状の外周面のテーパ角度よりも大きくされ、更に該
    テーパ面形状の外周面に、周方向に連続して延びる溝が
    設けられてなり、前記テーパローラにてテーパ状に成形
    された前記被加工部の裂開部位の外周面に当接せしめて
    押圧することにより、該裂開部位の外周面に、前記溝に
    対応した突条を形成する突条形成ローラを含んで構成さ
    れると共に、前記ストレートローラが、前記円柱面形状
    の外周面に、周方向に連続して延びる溝状のフランジ形
    成部を有してなり、前記テーパローラにてテーパ形状に
    成形され、且つ前記突条形成ローラにて、前記突条が外
    周面に形成された前記被加工部の裂開部位が、該円柱面
    形状の外周面にて押圧されて、前記第一の型との間で挟
    圧されることにより、かかる裂開部位が該円柱面形状に
    対応した円筒形状に更に成形されると共に、該裂開部位
    の突条が前記フランジ形成部内に押し込まれて、該裂開
    部位の外周面に、該フランジ成形部に対応した形状を有
    するフランジ部が形成されるように構成されていること
    を特徴とする基部外面上に円筒部が一体形成されてなる
    金属成形品の成形装置。
  4. 【請求項4】 円筒部が円板状の基部外面上に一体的に
    且つ同心的に形成されてなる金属成形品を成形する方法
    にして、 前記円筒部の内周面形状に対応した円筒状の外周面を有
    する第一の型と、該第一の型に対して同軸的に且つ相対
    的に接近、離隔可能に配置された第二の型とが、それら
    第一及び第二の型の軸心を第一の回転軸として一体回転
    し得るように構成された成形金型を用い、該第一の型と
    該第二の型とを相対的に接近移動させて、前記金属成形
    品を与える金属素材の前記基部相当部位にして、前記第
    一の型の外径よりも大径の、厚みのある円形突部形状を
    呈する被加工部が、該第一の型と該第二の型に対して同
    心的に位置せしめられるように、該金属素材の被加工部
    を該第一の型と該第二の型との間で挟持せしめつつ、そ
    れら第一の型と第二の型とを前記第一の回転軸回りに一
    体的に回転せしめる工程と、 前記第一の回転軸に平行な第二の回転軸回りに回転可能
    に、且つ該成形金型に対して、該第一の回転軸に垂直な
    方向に接近、離隔移動し得るように、配置せしめられる
    一方、前記第一の型の外周面と対向位置する外周面が、
    前記第二の型から該第一の型の側に向かって次第に小径
    となるテーパ面形状を呈すると共に、前記第二の回転軸
    に垂直な面に対して60〜80°のテーパ角度を為すよ
    うに構成されたテーパローラを、前記第一の回転軸回り
    に一体回転せしめられる前記金属素材の被加工部の外周
    面に当接せしめて押圧することにより、該テーパ面形状
    の外周面における大径側の角部の先端にて、該被加工部
    を該金属素材から、その突出方向に裂開せしめると共
    に、該テーパ面形状の外周面の全体にて、かかる被加工
    部の裂開せしめられた部位の外周面を該テーパ面形状に
    対応したテーパ形状に成形する工程と、 前記第一の回転軸に平行な第三の回転軸回りに回転可能
    に、且つ前記第一の型に対して、該第一の回転軸に垂直
    な方向に接近、離隔移動し得るように、配置せしめられ
    る一方、該第一の型の外周面と対向位置する外周面が、
    軸方向に同一径にて延びる円柱面形状を有するように構
    成されたストレートローラを、該円柱面形状の外周面に
    おいて、前記第一の回転軸回りに一体回転せしめられ
    る、前記テーパローラにてテーパ形状に成形された前記
    被加工部の裂開部位に押圧し、かかる裂開部位を前記第
    一の型との間で挟圧することにより、該円柱面形状に対
    応した円筒形状に更に成形する工程とを、 含むことを特徴とする基部外面上に円筒部が一体形成さ
    れてなる金属成形品の成形方法。
  5. 【請求項5】 前記金属素材における被加工部が、予備
    加工により前記基部相当部位に段付け形成された、前記
    第一の型の外径よりも大径の円形段差部であることを特
    徴とする請求項4に記載の基部外面上に円筒部が一体形
    成されてなる金属成形品の成形方法。
  6. 【請求項6】 前記第一の型の円筒面状の外周面に、凹
    所又は突起が設けられてなる成型金型を用い、前記テー
    パローラにてテーパ形状に成形された前記被加工部の裂
    開部位を、前記ストレートローラの円柱面形状の外周面
    と該第一の型との間で挟圧して、該円柱面形状に対応し
    た円筒形状に成形する際に、該円筒形状の内周面に、前
    記凹所又は突起にそれぞれ対応した凸部又は凹部を形成
    するようにしたことを特徴とする請求項4又は請求項5
    に記載の基部外面上に円筒部が一体形成されてなる金属
    成形品の成形方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項4乃至請求項6の何れかに記
    載の金属成形品の成形方法であって、前記被加工部の裂
    開部位を前記テーパローラにてテーパ形状に成形した
    後、前記第一の回転軸に平行な第四の回転軸回りに回転
    可能に、且つ前記第一の型に対して、該第一の回転軸に
    垂直な方向に接近、離隔移動し得るように、配置せしめ
    られる一方、該第一の型の外周面と対向位置する外周面
    が、前記第二の型から該第一の型に向かって次第に小径
    となるテーパ面形状を有するように構成されると共に、
    前記第四の回転軸に垂直な面に対する、該テーパ面形状
    のテーパ角度が、前記テーパローラのテーパ面形状の外
    周面のテーパ角度よりも大きくされ、更に該テーパ面形
    状の外周面に、周方向に連続して延びる溝が設けられて
    構成された突条形成ローラを、該溝が設けられた外周面
    において、前記第一の回転軸回りに一体回転せしめられ
    る、前記テーパローラにてテーパ形状に成形された前記
    被加工部の裂開部位の外周面に当接せしめて押圧するこ
    とにより、該裂開部位の外周面に、前記溝に対応した突
    条を形成し、その後、前記円柱面形状の外周面に、周方
    向に連続して延びる溝状のフランジ形成部を有して構成
    された前記ストレートローラを、該円柱面形状の外周面
    において、前記テーパローラにてテーパ形状に成形さ
    れ、且つ前記突状形成ローラにて前記突条が外周面に形
    成された前記被加工部の裂開部位に押圧し、かかる裂開
    部位を前記第一の型との間で挟圧することにより、該円
    柱面形状に対応した円筒形状に更に成形すると同時に、
    該裂開部位の突条を該ストレートローラの前記フランジ
    形成部内に押し込んで、該裂開部位の外周面に、該フラ
    ンジ形成部に対応した形状を有するフランジ部を形成す
    るようにしたことを特徴とする基部外面上に円筒部が一
    体形成されてなる金属成形品の成形方法。
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