JP2002346676A - 多溝プーリの製造方法 - Google Patents

多溝プーリの製造方法

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JP2002346676A JP2001153316A JP2001153316A JP2002346676A JP 2002346676 A JP2002346676 A JP 2002346676A JP 2001153316 A JP2001153316 A JP 2001153316A JP 2001153316 A JP2001153316 A JP 2001153316A JP 2002346676 A JP2002346676 A JP 2002346676A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 所定の回転軸に対する取付位置の設計自由度
の高い多溝プーリの製造方法を提供する。 【解決手段】多溝プーリのリム部における長延出部位と
短延出部位のそれぞれの内周面形状に対応した第一のリ
ム部成形部と第二のリム部成形部とを有する第一の型4
4と第二の型46を備えた成形金型42を用い、有底の
テーパ筒形状を呈するプリフォーム28を、そのテーパ
筒部が、該第一及び第二のリム部成形部の間で、該第一
のリム部成形部の側に向かって次第に大径化するように
挟持せしめて、該成形金型にセットした状態下で、該テ
ーパ筒部に対して、成形ローラ112を用いた転造加工
を行なうことにより、前記長延出部位と短延出部位とを
有する円筒状のリム部を成形し、更に、この成形された
リム部に対して、溝形成ローラを用いた転造加工を行な
うことにより、該リム部の長延出部位の外周面と短延出
部位の外周面に、環状の溝をそれぞれ形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、多溝プーリの製造方法に係り、
特に、円板状の基部と、該基部の外周縁部に一体形成さ
れた円筒状のリム部を有すると共に、かかるリム部の外
周面に、環状の溝が、軸方向に多数並んで設けられてな
る多溝プーリを有利に製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【背景技術】一般に、ベルトによる伝動機構を構成する
ベルト車としてのプーリは、モータやエンジン等の所定
の駆動源の回転軸(駆動軸)等に取り付けられる円板状
の基部と、ベルトを巻き掛けるための環状の溝が外周面
に設けられた円筒形態をもって、該基部の外周縁部に一
体形成されたリム部とを有して構成されている。そし
て、そのようなプーリの一種として、上述の如き多溝プ
ーリが知られているのである。
【0003】また、よく知られているように、この多溝
プーリは、例えば、特開昭63−137531号公報に
記載される如く、円形平板状形態を呈するプリフォーム
の外周部に対して、円筒状の外周面を有するローラダイ
スを用いた転造加工を行なうことにより、円板状の基部
の外周縁部から軸方向の両側に向かって延出する円筒状
のリム部を成形し、その後、外周面に複数の突条を備え
た溝成形ローラダイスを用いて、該リム部の外周面に複
数のV溝を形成する方法を採用することにより、面倒な
作業を要することなく、しかも低コストに製造されるこ
ととなる。
【0004】しかしながら、前記公報に示される手法に
従って多溝プーリを製造した場合、常に、基部とリム部
とが、それぞれの軸方向の中心部を互いに一致せしめた
状態で一体化されるため、得られる多溝プーリの所定の
回転軸に対する取付位置の設計自由度が不可避的に乏し
くなってしまい、それ故、そのような多溝プーリを所定
の駆動源の回転軸に取り付ける際に、不都合が生じるこ
とがあったのである。
【0005】そこで、従来では、中心部分が凹陥せしめ
られてなる、全体として略段付円板形状を呈するプリフ
ォームを用い、このプリフォームの外周部に対して上述
の如き転造加工を行なって、リム部を成形することによ
り、リム部と基部とを、それぞれの軸方向の中心部がオ
フセットせしめられた状態で一体化して、目的とする多
溝プーリを製造する方法が、一部で採用されている。と
ころが、そのようにして得られた多溝プーリにおいて
は、基部の中心部分に設けられた凹陥部の底面のみが所
定の回転軸に対する取付面とされるため、基部における
取付面の形成部分が制限されてしまい、それ故に、回転
軸に対する取付面の面積が小さくなってしまうことが避
けられなかったのである。
【0006】かかる状況下、特公平4−54534号公
報には、円板状の基部と、該基部の外周縁部から軸方向
の両側に向かって互いに異なる長さで延出する円筒状の
リム部とを有し、該リム部における延出長さの長い長延
出部位の外周面と延出長さの短い短延出部位の外周面と
に、環状の溝が、それぞれ少なくとも一つ設けられてな
る多溝プーリを製造する方法が、明らかにされている。
【0007】この多溝プーリの製造手法は、所定のすり
割りローラの先端角部を、円形平板状形態を呈するプリ
フォームの外周面の厚さ方向中心から一方の側に偏奇し
た位置に当接させた状態で、すり割りローラをプリフォ
ームの外周面に押し付けることにより、プリフォーム
を、その厚さ方向において、厚さが異なる二つの部分に
裂開した後、それら厚肉の裂開部と薄肉の裂開部とに対
して転造加工を行なって、円板状の基部の外周縁部から
軸方向の両側に延びる長延出部位と短延出部位とを有す
る円筒状のリム部を成形し、そして、その後、かかるリ
ム部における長延出部位と短延出部位の外周面に、環状
の溝をそれぞれ形成するようにしたものである。
【0008】このような製造手法においては、円形平板
状形態を呈するプリフォームが用いられているため、得
られる多溝プーリの基部が平坦な円板形状とされて、か
かる基部の全面が、所定の回転軸に対する取付面とし
て、十分な面積において確保され得るばかりでなく、円
筒状のリム部が長延出部位と短延出部位とにて構成され
ていることによって、かかるリム部と基部とを、それぞ
れの軸方向中心部をオフセットさせた状態で一体化する
ことが出来るのであるが、製造上の理由から、そのオフ
セット量を、極僅かな範囲でしか設定することが出来な
かったのである。
【0009】すなわち、前記公報に開示された多溝プー
リの製造方法では、すり割りローラを用いたプリフォー
ムの裂開加工によって得られる厚肉の裂開部と薄肉の裂
開部のうち、薄肉の裂開部の厚さを薄くすればする程、
かかる裂開部にて形成される、リム部の短延出部位をよ
り短くして、リム部と基部とにおけるそれぞれの軸方向
中心部のオフセット量を増大させることが出来るのもの
の、プリフォームを厚さ方向に二つに裂開して得られる
薄肉の裂開部を更に薄くすると、かかる薄肉の裂開部に
て形成されるリム部の短延出部位の強度が極端に低下し
てしまうこととなる。それ故、かくの如き多溝プーリの
製造手法を採用しても、実際には、円筒状のリム部にお
ける長延出部位と短延出部位の長さの差、換言すれば、
リム部と基部におけるそれぞれの軸方向中心部のオフセ
ット量を、十分に満足し得る程度に大きくすることが出
来なかったのであり、従って、製造される多溝プーリの
所定の回転軸に対する取付位置の設計自由度の向上を図
ることは、極めて困難であったのである。
【0010】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、円板状の基部と、該基部の外周縁部から
軸方向の両側に向かって互いに異なる長さで延出する円
筒状のリム部とを有する多溝プーリを製造するに際し
て、所定の回転軸に取り付けられる基部の取付面の面積
とリム部の強度とを十分に確保しつつ、リム部におけ
る、延出長さの長い長延出部位の長さと延出長さの短い
短延出部位の長さとの差を十分に大きく為して、リム部
と基部におけるそれぞれの軸方向中心部のオフセット量
を、より広範囲に設定することが出来、以て、得られる
多溝プーリの所定の回転軸に対する取付位置の設計自由
度の向上を効果的に可能ならしめるようにした多溝プー
リの製造方法を提供することにある。
【0011】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、円板状の基部と、該基部の外周縁部から
軸方向の両側に向かって互いに異なる長さで延出する円
筒状のリム部とを有すると共に、該リム部における延出
長さの長い長延出部位の外周面と、該リム部における延
出長さの短い短延出部位の外周面に、環状の溝が、それ
ぞれ少なくとも一つ設けられて構成された多溝プーリを
製造する方法において、(a)該多溝プーリの基部に対
応した円板状の底部と、かかる底部の外周縁部において
一体的に形成された、軸方向一方の側に向かって次第に
大径化するテーパ筒部とからなる有底のテーパ筒形状を
呈するプリフォームを準備する工程と、(b)前記多溝
プーリのリム部における前記長延出部位の内周面形状に
対応した外周面を有する第一のリム部成形部が中心部に
設けられた第一の型と、該リム部における前記短延出部
位の内周面形状に対応した外周面を有して、該第一の型
の第一のリム部成形部に対して同軸的に対向位置せしめ
られた第二のリム部成形部が中心部に設けられ、該第一
のリム部成形部の中心軸を回転軸として、該第一のリム
部成形部と一体回転し得るように構成された第二の型と
を含んでなる成形金型を準備する工程と、(c)前記プ
リフォームを、前記底部において、前記第一の型の第一
のリム部成形部と前記第二の型の第二のリム部成形部に
対して同心的に位置せしめた状態下で、前記テーパ筒部
が、該第一のリム部成形部の側に向かって次第に大径化
するように配置せしめつつ、該プリフォームを該第一の
リム部成形部と該第二のリム部成形部との間で挟持させ
る工程と、(d)前記プリフォームを挟持した前記第一
のリム部成形部と前記第二のリム部成形部とを、該プリ
フォームと共に、前記回転軸回りに一体回転させた状態
下で、それら第一及び第二のリム部成形部のそれぞれの
外周面に対向位置する外周面が円柱面形状とされた成形
ローラを、かかる外周面において、該プリフォームのテ
ーパ筒部の外周部に対して、径方向内方に向かって押し
付けて、該テーパ筒部を、該成形ローラの外周面と該第
一及び第二のリム部成形部との間で挟圧することによ
り、該第一及び第二のリム部成形部に対応した円筒形状
に成形して、前記長延出部位と前記短延出部位とを有す
る前記リム部を形成する工程と、(e)前記リム部が形
成された前記プリフォームの前記回転軸回りの一体回転
状態下において、前記第一のリム部成形部の外周面に対
向位置する外周面と、前記第二のリム部成形部の外周面
に対向位置する外周面とに、環状の突条からなる溝形成
リブが、それぞれ少なくとも一つ設けられた溝形成ロー
ラを、かかる外周面において、該リム部の外周面に押し
付けることにより、該リム部の前記長延出部位と前記短
延出部位のそれぞれの外周面に、該溝形成リブに対応し
た前記環状の溝を、それぞれ少なくとも一つ形成する工
程とを含むことを特徴とする多溝プーリの製造方法を、
その要旨とするものである。
【0012】すなわち、この本発明に従う多溝プーリの
製造方法にあっては、多溝プーリを与えるプリフォーム
として、目的とする多溝プーリの基部に対応した円板状
の底部を備えたテーパ筒形状を呈するプリフォームが用
いられているところから、かかる多溝プーリの基部にお
ける所定の回転軸への取付面が、テーパ筒形状のプリフ
ォームにおける円板状の底部の表面の全面にて与えられ
得るのであり、それによって、底部の中心部に設けられ
た凹部の表面にて、最終的に得られる多溝プーリの基部
の取付面が与えられることとなる段付円板形状のプリフ
ォームを用いて多溝プーリを製造する場合とは異なっ
て、得られる多溝プーリにおける基部の取付面の面積
が、十分な大きさにおいて、有利に確保され得るのであ
る。
【0013】また、本発明に従う多溝プーリの製造方法
にあっては、目的とする多溝プーリのリム部を成形する
に際して、該リム部における長延出部位の内周面と短延
出部位の内周面とにそれぞれ対応した外周面を有する第
一のリム部成形部と第二のリム部成形部とを有する成形
金型が用いられて、上述の如きテーパ筒形状を呈するプ
リフォームを、テーパ筒部が第一のリム部成形部の側に
向かって次第に大径となるように配置せしめつつ、第一
のリム部成形部と第二のリム部成形部との間で挟持させ
た上で、それら第一及び第二のリム部成形部とプリフォ
ームとが一体回転せしめられ、そして、その状態下で、
該テーパ筒部が、成形ローラにて径方向内方に押圧せし
められるようになっているところから、テーパ筒部の成
形ローラによる径方向内方への押圧量の増大に伴って、
該テーパ筒部の径方向内側部分の肉厚が、該テーパ筒部
の傾斜角度に応じた量で、該テーパ筒部の径方向外側部
分よりも増大せしめられつつ、該テーパ筒部における肉
厚の大なる径方向内側部分と肉厚の小なる径方向外側部
分が、第一のリム部形成部の側と第二のリム部成形部の
側とに向かって、それぞれ押し広げられるように塑性変
形せしめられることとなる。
【0014】そして、かかる本発明手法では、この塑性
変形せしめられたテーパ筒部が、第一及び第二のリム部
成形部と成形ローラとの間で挟圧されるようになってい
るため、該テーパ筒部における肉厚の大なる径方向内側
部分が、肉厚の小なる径方向外側部分よりも大きく展伸
せしめられて、かかるテーパ筒部における径方向内側部
分にて、延出長さの長い長延出部位が成形される一方、
径方向外側部分にて、延出長さの短い短延出部位が成形
され得るのである。
【0015】これによって、本発明に従う多溝プーリの
製造方法においては、単に、テーパ筒状のプリフォーム
におけるテーパ筒部の傾斜角度を種々変更するだけで、
リム部の長延出部位と短延出部位のそれぞれの延出長さ
の差を任意に変化させることが出来るのであり、それ故
に、円形の平板状素材からなるプリフォームを用い、こ
のプリフォームの円筒状の外周面を厚さ方向に裂開加工
して得られる、厚さの異なる二つの裂開部を転造加工す
ることにより、それら二つの裂開部の厚さに応じて延出
長さが設定される、リム部の長延出部位と短延出部位と
を成形するようにした従来手法とは異なって、長延出部
位と短延出部位の長さの差を大きく為した際に、短延出
部位の強度が、長延出部位の強度に比して著しく低下し
てしまうようなことが、有利に解消され得るのである。
【0016】従って、かくの如き本発明に従う多溝プー
リの製造方法によれば、所定の回転軸に取り付けられる
基部の取付面の面積とリム部の強度とを十分に確保しつ
つ、リム部における、延出長さの長い長延出部位の長さ
と延出長さの短い短延出部位の長さとの差を十分に大き
く為すことが出来るのであり、それによって、リム部と
基部におけるそれぞれの軸方向中心部のオフセット量
を、より広範囲に設定することが可能となるのである。
そして、その結果として、得られる多溝プーリの所定の
回転軸に対する取付位置の設計自由度の向上を、極めて
効果的に且つ高度に達成することが出来るのである。
【0017】なお、このような本発明に従う多溝プーリ
の製造方法の好ましい態様の一つによれば、前記テーパ
筒部の大径側先端部位における径方向外側の角部が面取
り形状とされて、該テーパ筒部の外周部に前記成形ロー
ラが押し付けられた際に、該角部が該成形ローラに対し
て面接触せしめられるように構成された前記プリフォー
ムが準備されることとなる。
【0018】かくの如き構成とされたプリフォームを用
いれば、成形ローラがテーパ筒部の外周部に押し付けら
れた際に、該外周部の角部が厚さ方向に裂開せしめられ
るようなことが効果的に防止され得、それによって、そ
のようなテーパ筒部の外周部の角部の裂開による加工不
良のない安定した品質の多溝プーリを、有利に製造する
ことが可能となるのである。
【0019】また、本発明に従う多溝プーリの製造方法
の別の有利な態様の一つによれば、前記成形ローラを用
いて前記プリフォームのテーパ筒部を前記第一及び第二
のリム部成形部に対応した円筒形状に成形する際に、該
テーパ筒部の軸方向の両端部に当接して、該テーパ筒部
の軸方向への展伸を規制する第一の規制面と第二の規制
面とが、前記第一の型の外周部位と、該外周部位に対し
て前記第一のリム部成形部の中心軸方向に対向する前記
第二の型の対向部位とに、更に設けられてなる成形金型
が準備される。
【0020】このような構成とされた成形金型を用いれ
ば、成形ローラを用いたテーパ筒部に対する転造加工に
よって成形されるリム部の長延出部位と短延出部位の長
さを、第一及び第二の規制面の形成位置に応じて確実に
調節することが可能となり、それによって、基部とリム
部のそれぞれの軸方向中心部のオフセット量が所望の量
において設定された多溝プーリを、より有利に且つ確実
に得ることが出来るのである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより具体的に明ら
かにするために、本発明に係る多溝プーリの製造方法の
構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明すること
とする。
【0022】先ず、図1には、本発明手法に従って製造
される多溝プーリの一例として、自動車のエンジンの回
転駆動力がVリブドベルトを介して伝達されるVリブド
プーリが、概略的に示されている。かかる図からも明ら
かなように、このVリブドプーリ10は、全体として、
略有底の円筒形状を呈しており、円板状の基部12と円
筒状のリム部14とを有して成っている。
【0023】より詳細には、かかるVリブドプーリ10
は、リム部14が、基部12の外周縁部から軸方向の両
側に向かって互いに異なる長さで延出して形成されてい
る。そして、そのようなリム部14においては、基部1
2の外周縁部から軸方向の一方側(図1中、上側)に向
かって延びる部位が、延出長さの長い長延出部位16と
されている一方、該外周縁部から軸方向の他方側(図1
中、下側)に向かって延びる部位が、延出長さの短い短
延出部位18とされており、更に、それら長延出部位1
6の外周面と短延出部位18の外周面には、縦断面V字
形状を呈する六つの環状溝20と、三つの環状溝20
が、それぞれ、リム部14の軸方向に並んで設けられて
いる。一方、円板状の基部12の中心部には、回転軸と
しての冷却ファンカップリング等が取り付けられる取付
孔22が、形成されている。
【0024】これによって、Vリブドプーリ10にあっ
ては、図示しない冷却ファンカップリング等が基部12
の取付孔22に挿通固定されて、それと一体回転せしめ
られ得るようになっていると共に、図示しないVリブド
ベルトが、その内周面に有する複数条のVリブのうち、
ここでは6条のVリブと3条のVリブを、リム部14の
長延出部位16の六つの環状溝20と短延出部位18の
三つの環状溝20にそれぞれ接触せしめた状態で、リム
部14に巻き掛けられるようになっている。なお、図1
中、24,26は、リム部14に巻き掛けられるVリブ
ドベルトの軸方向への移動を阻止するためのフランジで
ある。
【0025】ところで、このようなVリブドプーリ10
は、例えば、以下の如き方法に従って、製造されること
となる。
【0026】すなわち、先ず、図2に示される如き形状
のプリフォーム28を準備する。このプリフォーム28
は、全体として、有底のテーパ筒形状を呈しており、目
的とするVリブドプーリ10の基部12に対応した形状
と大きさとを有する、円形平板形状を呈し、その中心部
に、Vリブドプーリ10の前記取付孔22を与える中心
孔30が設けられてなる底部32と、該底部32の外周
縁部において一体的に形成された、軸方向の一方の側と
なる上方に向かって次第に大径化するテーパ筒部34と
を有して成っている。また、かかるプリフォーム28に
おいては、テーパ筒部34の大径側先端部位における径
方向外側の角部が、該径方向に対して略直角な方向に広
がる面取り形状をもって周方向に延びる面取り部36と
されている。
【0027】そして、このような有底のテーパ筒形状を
呈するプリフォーム28にあっては、テーパ筒部34
が、プリフォーム28の中心軸に直角な直線:mに対す
る傾斜角度:θが1〜70°の範囲となるテーパ筒形状
をもって形成されていることが望ましいのである。何故
なら、後述する如く、ここでは、テーパ筒部34に対し
て、所定の転造ローラを用いた転造加工を行なうことに
より、該テーパ筒部34が、径方向内側部分の肉厚を径
方向外側部分の肉厚よりも増大せしめつつ、軸方向の両
側に押し広げられ、そして、そのような厚肉の径方向内
側部分にてリム部14の長延出部位16が形成される一
方、薄肉の径方向外側部分にてリム部14の短延出部位
18が形成されることとなるため、テーパ筒部34にお
ける前記傾斜角度:θが1°未満の余りにも小さな角度
となると、テーパ筒部34に対する転造加工時に、該テ
ーパ筒部34の径方向内側部分の肉厚を、その径方向外
側部分の肉厚よりも増大させつつ、軸方向の両側に押し
広げることが困難となり、円形平板状形態を呈するプリ
フォームの外周部を転造加工する場合と同様に、テーパ
筒部34が、略同じ肉厚をもって軸方向の両側に押し広
げられてしまい、その結果、長延出部位16と短延出部
位18とが差ほど変わらない長さとなってしまうからで
ある。また、テーパ筒部34における前記傾斜角度:θ
が70°を越えた、余りにも大きな角度となると、今度
は、テーパ筒部34に対する転造加工時に、該テーパ筒
部34が、軸方向において、次第に大径となる方向には
十分に押し広げられるものの、それとは逆の方向には殆
ど押し広げられなくなってしまい、そのために、リム部
14を、基部12の外周縁部から軸方向の両側に向かっ
て延出させることが困難となってしまうからである。
【0028】なお、このようなプリフォーム28には、
上述如き有底のテーパ筒形状を呈する金属素材であれ
ば、既製ものや、特別に成形されたものが、何れも使用
されることとなるが、かかるプリフォーム28を成形す
る場合には、例えば、プリフォーム28の内面形状に対
応した外周面を有するパンチと、外面形状に対応した内
周面を有するダイ孔を備えたダイとを用いて、円形の金
属板素材に対する絞り加工を行ったり、或いはそのよう
な絞り加工以外の公知のプレス曲げ加工や、所定の転造
ローラを用いた転造加工等を行なったりすることによっ
て、有底のテーパ筒形状を呈するプリフォーム28を容
易に得ることが出来る。また、かくして得られるプリフ
ォーム28においては、その成形加工前、或いは成形加
工後に、中心部に対する打抜加工や、外周部の外側角部
に対する所定の面取り加工が実施されて、中心孔30や
面取り部36が形成されることとなる。更に、このプリ
フォーム28を与える円形の金属板素材の材質は、目的
とするVリブドプーリ10の構成材料として従来から使
用されるものの中から、適宜に選択されることとなるの
である。
【0029】そして、このプリフォーム28のテーパ筒
部34を転造加工することにより、目的とするVリブド
プーリ10を得るのであるが、その際、有利には、図3
に示される如き製造装置38が用いられることとなる。
【0030】この製造装置32は、図3からも明らかな
ように、基台40上に配置された成形金型42を有し
て、構成されている。また、かかる成形金型42は、互
いに同軸的に対向配置された第一の型としての上型44
と第二の型としての下型46とを備えている。
【0031】そして、図4に示される如く、成形金型4
2の下型46は、下型側ホルダー48と下型側パッド5
0が、成形金型42の中心軸52と同軸的に位置せしめ
られた状態でボルト固定され、一体的に組み付けられ
て、構成されている。また、下型側パッド50の中心部
には、芯出し用突起54が中心に突設されたセンターブ
ロック56が、圧縮コイルばね58により、下方への押
圧力に抗して、上方に付勢せしめられ得る状態で、所定
量だけ上下移動可能に取り付けられている。
【0032】一方、上型44は、前記中心軸52に対し
て同軸的に配置された、上型側ホルダー60とガイドブ
ッシュ62と上型側パッド64とセンター払出しピン6
6とを有しており、ガイドブッシュ62が、上型側ホル
ダー60に対してボルト固定されていると共に、該ガイ
ドブッシュ62の内孔内に、上型側パッド64が、更に
該上型側パッド64の内孔内に、センター払出しピン6
6が、それぞれ、上型44の軸方向に上下移動可能に挿
通配置されている。また、上型側パッド64とセンター
払出しピン66は、それぞれ、上型側ホルダー60との
間に配置された圧縮コイルばね68,70により、上方
への移動下で下方に付勢せしめられるようになってい
る。なお、上型側パッド64とセンター払出しピン66
の下方への移動は、それらの外周面のそれぞれにフラン
ジ状に周設された各係合突起が、ガイドブッシュ62の
上端面と上型側パッド64の内周面とにそれぞれ形成さ
れた係止部に対して各々係合せしめられることにより、
所定の移動位置にて規制され得るようになっている。ま
た、図4中、72は、後述する如く、上型44が下型4
6に接近移動せしめられた際に、下型46におけるセン
ターブロック56の芯出し用突起54が挿通せしめられ
て芯出しが行われる挿通孔である。
【0033】そして、このような成形金型42にあって
は、下型46における下型側パッド50の中心部に、上
方に向かって所定高さ突出する円柱状の突出部74が一
体的に形成されており、この突出部74の上面が、前記
プリフォーム28の底部32の下面に対応した形状、換
言すれば、目的とするVリブドプーリ10の基部12の
下面に対応した形状とされている一方、該突出部74の
外周面が、Vリブドプーリ10のリム部14における短
延出部位18の内周面に対応した形状とされている。ま
た、この成形金型42では、上型44の中心部に位置す
る上型側パッド64の下部外周面が、Vリブドプーリ1
0のリム部14における長延出部位16の内面形状に対
応した形状とされている。このことから明らかなよう
に、ここでは、上型44の上型側パッド64によって、
第一のリム部成形部が構成されている一方、下型46に
おける下型側パッド50の突出部74にて、第二のリム
部成形部が構成されているのである。
【0034】また、かかる成形金型42においては、上
型44の外周部に位置するガイドブッシュ62の下面の
内周部に、断面V字状を呈する、環状の上型側V溝76
が、上型側パッド64を取り囲むようにして形成されて
いる一方、下型46の下型側パッド50の上面におけ
る、該上型側V溝76の形成部位に対して前記中心軸5
2方向に対向する部位にも、断面V字状を呈する、環状
の下型側V溝78が、該下型側パッド50の前記突出部
74を取り囲むようにして形成されている。
【0035】そして、これら上型側及び下型側V溝7
6,78のうち、上型側V溝76は、上型側パッド64
の外周面から連続して延びるように位置せしめられた内
側側面が、目的とするVリブドプーリ10におけるリム
部14の長延出部位16に一体形成されたフランジ24
の外面に対応した、上方に向かって次第に大径となるテ
ーパ面形状を呈する上型側外面成形面80とされてお
り、また、かかる上型側外面成形面80から連続して延
びるように位置せしめられた外側側面が、該リム14に
おける長延出部位16のフランジ24の端面に対応した
形状、つまり、該フランジ24の外面に連続し、且つ該
外面に対して略直角な角度で上方に延びる平坦面形状を
呈する上型側端面成形面82とされている。
【0036】一方、下型側V溝78は、下型側パッド5
0における突出部74の外周面から連続して延びるよう
に位置せしめられた内側側面が、Vリブドプーリ10に
おけるリム部14の短延出部位18に一体形成されたフ
ランジ26の外面に対応した、下方に向かって次第に大
径となるテーパ面形状を呈する下型側外面成形面84と
されており、また、かかる下型側外面成形面84から連
続して延びるように位置せしめられた外側側面が、該リ
ム14における短延出部位18のフランジ26の端面に
対応した形状、つまり、該フランジ26の外面に連続
し、且つ該外面に対して略直角な角度で下方に延びる平
坦面形状を呈する上型側端面成形面86とされている。
【0037】そして、図3に示される如く、上述のよう
な構造とされた下型46が、前記基台40上に配置され
た下型取付板88に対して、位置固定に取り付けられて
いる。また、この下型46が取り付けられる下型取付板
88は、基台40上において、回転可能に支持されてい
ると共に、該基台40に形成されたモータ収容孔内のモ
ータ90の回転軸92に対して同軸的に取り付けられて
おり、以て下型46が、モータ90の回転駆動に伴っ
て、該モータ90の回転軸92、換言すれば、前記成形
金型42の中心軸52回りに回転せしめられるようにな
っている。
【0038】一方、上型44は、基台40に対向配置さ
れた上型移動板94に回転可能に支持された上型取付板
96に対して、位置固定に取り付けられており、また、
かかる上型移動板94は、該基台40に立設せしめられ
た複数のガイドポスト98に対して、上下方向に摺動可
能に支持されている。更に、それら複数のガイドポスト
98の上端部には、固定板100が位置固定に取り付け
られており、また、該固定板100の中央部には、図示
しない油圧機構により、ピストンロッド102を基台4
0側に突出作動せしめる上型移動板加圧シリンダ104
が取り付けられている。そして、この上型移動板加圧シ
リンダ104内のピストンロッド102の先端部が、前
記上型移動板94に固定されている。これによって、上
型44が、上型取付板96と共に、前記成形金型42の
中心軸52回りに一体回転し得るようになっているので
あり、また、上型移動板加圧シリンダ104内のピスト
ンロッド102の突出、引込作動に伴って、上型取付板
96と上型44とが、下方及び上方に一体移動せしめら
れるようになっているのである。
【0039】かくして、かかる成形金型42にあって
は、上型44が、上型移動板加圧シリンダ104内のピ
ストンロッド102の突出、引込作動に伴って、下型4
6に対して接近、離隔移動せしめられ得るようになって
いるのである。そして、上型44を下型46に対して接
近移動させることによって、それら上型44と下型46
との間で前記プリフォーム28を挟持し得るようになっ
ているのであり、また、そのような上型44の下型46
に対する接近状態下で前記モータ90を回転駆動させる
ことによって、それら上型44と下型46とが、プリフ
ォーム28を挟持しつつ、それらの中心軸52回りに一
体回転し得るように構成されているのである。
【0040】さらに、そのような成形金型42が配置さ
れる製造装置38にあっては、基台40上の外周部に、
ローラ加圧シリンダ106が、配設されている。このロ
ーラ加圧シリンダ106は、先端部に断面略コ字状のク
ランプ108が固定されたピストンロッド110を、該
成形金型42、より詳しくは、相対的な接近状態下での
前記成形金型42の上型44と下型44における上型側
パッド52と下型側パッド50の突出部74とに向かっ
て、該金型42の中心軸52に垂直な方向に突出、引込
作動させ得るように構成されている。
【0041】そして、そのようなピストンロッド110
のクランプ108には、成形ローラ112と溝形成ロー
ラ(114)の2種類の転造ローラが、成形金型42の
中心軸52に平行な回転軸116回りに、それぞれ回転
可能な状態で、交替で取り付けられるようになってい
る。また、この2種類の転造ローラのうち、成形ローラ
112は、図6及び図7に示されるように、外周面の高
さ方向中間部位が、目的とするVリブドプーリ10のリ
ム部14の外周面に対応した、円柱面形状を呈するリム
部外周面成形面118とされていると共に、その上端部
位と下端部位とが、該リム部14の長延出部位16側の
フランジ24と短延出部位18側のフランジ26のそれ
ぞれの内面に対応したテーパ面形状を呈するフランジ内
面成形面120とされている。一方、溝形成ローラ11
4は、図8からも明らかなように、外周面に、その周方
向に連続して延びる環状の突条からなるV溝形成リブ1
22が、Vリブドプーリ10の環状溝20に対応した断
面V字形状をもって、上下方向に並んで、複数(ここで
は9条)設けられている。
【0042】かくして、製造装置38にあっては、上述
の如き形状の外周面を有する成形ローラ112と溝形成
ローラ114とが、成形金型42の中心軸52に平行な
回転軸116回りに回転可能な状態で、それぞれの外周
面を、上型44の上型側パッド64と、下型46におけ
る下型側パッド50の突出部74の外周面とに、それぞ
れ対向せしめつつ、ローラ加圧シリンダ106内のピス
トンロッド110の突出、引込作動に伴って、上型側パ
ッド52と下型側パッド50の突出部74とに対して接
近、離隔移動せしめられ得るようになっているのであ
る。
【0043】ところで、このような構造とされた製造装
置38を用いて、目的とするVリブドプーリ10を製造
する際には、例えば、先ず、図5に示されるように、プ
リフォーム28が、テーパ筒部34を、上型44の上型
側パッド64側に向かって次第に大径化するように配置
せしめた状態で、成形金型42にセットされることとな
る。
【0044】つまり、成形金型42の型開き状態下にお
いて、プリフォーム28を、テーパ筒部34が上方に向
かって開口する向きで、底部32の中心孔30内に、下
型44におけるセンターブロック56の芯出し用突起5
4を挿通せしめて、該下型44における下側パッド50
の突出部74上に同心的に載置した後、上型移動板加圧
シリンダ104内のピストンロッド102を突出作動せ
しめることにより、上型44を下方に移動せしめて、下
型46における下型側パッド50の突出部74と上型4
4の上型側パッド64との間で、プリフォーム28を、
上下方向及び水平方向に移動不能な状態で、その底部2
4において同心的に挟持するのである。なお、このよう
な上型44と下型46との間でのプリフォーム28の挟
持下では、上型44の上型側パッド64とセンター払出
しピン66とが、圧縮コイルばね68,70の付勢力に
て下方に付勢せしめられた状態とされる一方、下型46
のセンターブロック56が、圧縮コイルばね58の付勢
力にて上方に付勢せしめられた状態とされることとな
る。
【0045】次いで、基台40に取り付けられたモータ
90を回転駆動させることにより、下型46と上型44
と、それらの間に挟持されたプリフォーム28とを、成
形金型42の中心軸52回りに一体回転せしめた後、基
台40に取り付けられたローラ加圧シリンダ106内の
ピストンロッド110を突出作動せしめて、該ピストン
ロッド110の先端に回転可能に取り付けられた成形ロ
ーラ112を上型44の上型側パッド64に向かって移
動させる。
【0046】そして、図6に示されるように、成形ロー
ラ112の外周面の高さ方向中間部のリム部外周面成形
面118を、中心軸52回りに一体回転せしめられるプ
リフォーム28のテーパ筒部34の大径側先端角部に設
けられた面取り部36に面接触させて、成形ローラ11
2を、成形金型42の中心軸52に平行な回転軸116
回りに、プリフォーム28の回転方向とは逆の方向に回
転せしめる。
【0047】引き続き、成形ローラ112のリム部外周
面成形面118をテーパ筒部34の面取り部36に面接
触せしめた状態から、成形ローラ112を上型側パッド
64に向かって接近移動せしめることにより、成形金型
42の中心軸52回りに一体回転せしめられるテーパ筒
部34に対して、成形ローラ112のリム部外周面成形
面118を、成形ローラ112の接近移動量に応じて、
径方向内方に向かって徐々に押し付けてゆく。
【0048】これにより、図7の右側に示される如く、
テーパ筒部34に対する成形ローラ112の径方向内方
への押圧量の増大に伴って、テーパ筒部34の径方向内
側部分124の肉厚を径方向外側部分126よりも増大
せしめつつ、かかる肉厚の大なる径方向内側部分124
と肉厚の小なる径方向外側部分126とを、上型側パッ
ド64側と下型側パッド50の突出部74側に、それぞ
れ押し広げるように転造加工して、テーパ筒部34を塑
性変形せしめる。
【0049】なお、このようなテーパ筒部34の転造加
工工程では、プリフォーム28の中心軸に直角な直線:
mに対するテーパ筒部34の傾斜角度:θが大きい程、
該テーパ筒部34における径方向内側部分124の径方
向外側部分126に対する肉厚の増大量が大きくされる
こととなる。また、かかるテーパ筒部34に対する成形
ローラ112の接触時には、成形ローラ112のリム部
外周面成形面118が、テーパ筒部34の面取り部36
に面接触せしめられ、そして、その状態から、テーパ筒
部34が、該成形ローラ112にて径方向内方に押圧さ
れるため、このテーパ筒部34に対する成形ローラ11
2の押圧によって、テーパ筒部34の大径側先端角部が
裂開せしめられるようことが、有利に防止され得ること
となる。
【0050】その後、図7の左側に示されるように、成
形ローラ112を上型側パッド64に向かって更に接近
移動せしめて、テーパ筒部34における肉厚の大なる径
方向内側部分124と肉厚の小なる径方向外側部分12
6を、成形ローラ112のリム部外周面成形面118
と、上型44における上型側パッド64の下部外周面及
び下型46における下型側パッド50の突出部74の外
周面との間で挟圧することにより、上型側パッド64側
と下型側パッド50の突出部74側に、それぞれ押し広
げられるように塑性変形せしめられたテーパ筒部34の
径方向内側部分124と径方向外側部分126とを、軸
方向に展伸せしめる。
【0051】このとき、上型側パッド64側に押し広げ
られた径方向内側部分124は、下型側パッド50の突
出部74側に押し広げられた径方向外側部分126より
も肉厚が厚くされているため、肉厚の薄い径方向外側部
分126よりも大きく展伸せしめられる。また、それら
軸方向に展伸せしめられたテーパ筒部34の径方向内側
部分124と径方向外側部分126の軸方向先端部が、
成形ローラ112の上端部と下端部にそれぞれ設けられ
たフランジ内面成形面120,120と、上型側パッド
64における前記上型側V溝76の上型側外面成形面8
0及び上型側端面成形面82と、下型側パッド50にお
ける前記下型側V溝78の下型側外面成形面84及び下
型側端面成形面86との間で、それぞれ挟圧されること
となる。
【0052】そして、そのように、テーパ筒部34にお
ける径方向内側部分124と径方向外側部分126のそ
れぞれの軸方向先端部が、成形ローラ112と上型側及
び下型側V溝76,78との間で挟圧される際に、それ
らの軸方向先端部が、上型側及び下型側V溝76,78
の上型側及び下型側端面成形面82,86に対して軸方
向に当接せしめられて、該テーパ筒部34の径方向内側
部分124と径方向外側部分126の展伸が、規制され
る。このことから明らかなように、本実施形態では、上
型側及び下型側V溝76,78の上型側及び下型側端面
成形面82,86にて、第一及び第二の規制面が構成さ
れているのである。
【0053】かくして、本工程において、目的とするV
リブドプーリ10のリム部14における長延出部位16
を、テーパ筒部34の肉厚の大なる径方向内側部分12
4により、所定の延出長さをもって形成する一方、該リ
ム部14における短延出部位18を、テーパ筒部34の
肉厚の小なる径方向外側部分126により、長延出部位
16よりも所定長さだけ短い延出長さをもって形成し、
また、それら長延出部位16と短延出部位18のフラン
ジ24,26を、径方向内側部分124と径方向外側部
分126の軸方向先端部にて形成するのである。
【0054】そして、それによって、プリフォーム28
の円板状の底部32にて与えられる基部12の外周縁部
から軸方向の両側に向かって互いに異なる所定長さで延
出する円筒状のリム部14を有すると共に、かかるリム
部14の軸方向先端部にフランジ24,26が一体的に
設けられてなる中間成形体128、換言すれば、フラン
ジ24,26を軸方向先端部に有するリム部14と基部
12のそれぞれの軸方向中心部がオフセットされた中間
成形体128を得るのである。
【0055】次に、成形ローラ112が取り付けられる
ピストンロッド110を引込み作動せしめて、成形ロー
ラ112を、上述の如くして成形された中間成形体12
8のリム部14から離隔させる一方、該ピストンロッド
110から成形ローラ112を取り外し、その代わりに
溝成形ローラ114を取り付ける。
【0056】その後、再び、ピストンロッド110を突
出作動させて、溝形成ローラ114を、上型44の上型
側パッド64と下型46における下型側パッド50の突
出部74とに向かって接近移動せしめることにより、図
8に示されるように、溝形成ローラ114を、成形金型
42の中心軸52回りに一体回転せしめられる中間成形
体128のリム部14の外周面に接触させて、回転軸1
16回りに中間成形体128とは反対の方向に回転せし
めつつ、溝形成ローラ114の外周面にて、中間成形体
128のリム部14を押圧する。そして、かかる溝形成
ローラ114の上型側パッド64と下型側パッド50の
突出部74への更なる接近移動に伴って、溝形成ローラ
114の外周面にて、中間成形体128のリム部14を
徐々に強く押圧していくことにより、リム部14におけ
る長延出部位16と短延出部位18のそれぞれの外周面
に、溝形成ローラ114の外周面に設けられたV溝形成
リブ122に対応した環状のV溝20を、それぞれ複数
個形成する。
【0057】かくして、中心部に、冷却ファンカップリ
ング等が取り付けられる取付孔16が設けられた円板状
の基部12と、該基部12の外周縁部から軸方向の両側
に向かって互いに異なる長さで延出する円筒状のリム部
14とを有すると共に、該リム部14における延出長さ
の長い長延出部位16の外周面と、延出長さの短い短延
出部位18の外周面とに、VリブドベルトのVリブが接
触せしめられる複数のV溝20がそれぞれ形成され、更
に、それら長延出部位16と短延出部位18の軸方向先
端部にフランジ24,26がそれぞれ突設されてなる、
目的とするVリブドプーリ10を得るのである。
【0058】そして、その後、上型移動板加圧シリンダ
104内のピストンロッド102を引込み移動せしめる
ことにより、図9に示される如く、上型44を上方に移
動させて、成形金型42を型開きすると共に、上型44
の上型側パッド64とセンター払出しピン66を、それ
ぞれ、前記圧縮コイルばね56,58の付勢力にて、下
方に突出移動させると共に、下型46のセンターブロッ
ク56を前記圧縮コイルばね58の付勢力にて上方に突
出移動させることによって、上述の如くして得られたV
リブドプーリ10を上型44と下型46とから払い出し
て、成形金型42から離型するのである。
【0059】このように、本実施形態では、円板状の底
部32と、該底部32の外周縁部に対して一体的に形成
された、上方に向かって次第に大径化するテーパ筒部3
4とを有する、有底テーパ筒状のプリフォーム28を用
い、このプリフォーム28を、テーパ筒部34が上型4
4の上型側パッド64側に向かって次第に大径化するよ
うに配置せしめて、成形金型42にセットした状態下
で、プリフォーム28のテーパ筒部34に対して、成形
ローラ112を用いた転造加工を行なうことにより、テ
ーパ筒部34の径方向内側部分124の肉厚を、その径
方向外側部分126の肉厚よりも、テーパ筒部34の傾
斜角度に応じた量において増肉せしめつつ、テーパ筒部
34を軸方向の両側に押し広げて、肉厚の厚い径方向内
側部分124により、リム部14の長延出部位16を、
該径方向内側部分124の肉厚に対応した延出長さをも
って形成する一方、肉厚の薄い径方向外側部分126に
より、リム部14の短延出部位18を、該径方向外側部
分126の肉厚に対応した延出長さをもって形成し、そ
の後、それら長延出部位16と短延出部位18の外周面
に、複数のV溝20をそれぞれ形成するようにしたもの
なのである。
【0060】かくして、かくの如き本実施形態において
は、単に、プリフォーム28のテーパ筒部34の傾斜角
度を変更するだけで、リム部14の長延出部位16と短
延出部位18のそれぞれの延出長さを容易に且つ確実に
変えることが出来るのであり、それ故に、円形平板状形
態を呈するプリフォームを用い、このプリフォームの円
筒状の外周面を厚さ方向に裂開加工して得られる、厚さ
の異なる二つの裂開部を転造加工することにより、リム
部の長延出部位と短延出部位とを成形するようにした従
来手法とは異なって、長延出部位16と短延出部位18
の長さの差を大きくした際に、特に短延出部位18の強
度が低下するようなことが、皆無ならしめられ得るので
ある。
【0061】また、本実施形態では、有底テーパ筒状の
プリフォーム28の底部32が、目的とするVリブドプ
ーリ10の基部12に対応した形状と大きさとを有する
円形平板形態をもって構成されており、このプリフォー
ム28のテーパ筒部34にてリム部14が形成される一
方で、かかる底部32にて、冷却ファンカップリング等
に取り付けられる基部12が円形平板形態をもって形成
されるようになっているため、冷却ファンカップリング
等への取付面が、そのような基部12の全面にて与えら
れ得るのであり、それによって、得られるVリブドプー
リ10の基部12における取付面の面積が十分な大きさ
で確保され得るのである。
【0062】従って、かくの如き本実施形態によれば、
冷却ファンカップリング等に取り付けられる基部12の
取付面の面積とリム部14の強度とを十分に確保しつ
つ、リム部14における長延出部位16と短延出部位1
8の長さの差を十分に大きく為すことが出来るのであ
り、それによって、リム部14と基部12におけるそれ
ぞれの軸方向中心部のオフセット量を、より広範囲に設
定することが可能となるのである。そして、その結果と
して、得られるVリブドプーリ10の冷却ファンカップ
リング等に対する取付位置の設計自由度を、極めて効果
的に且つ確実に高めることが出来るのである。
【0063】また、かかる本実施形態においては、プリ
フォーム28のテーパ筒部34に対する転造加工時に、
成形ローラ112のリム部外周面成形面118が、先
ず、テーパ筒部34の面取り部36に面接触せしめら
れ、そして、その状態から、テーパ筒部34が、成形ロ
ーラ112にて径方向内方に押圧されることによって、
テーパ筒部34を成形ローラ112にて押圧した際に、
テーパ筒部34の大径側先端角部が裂開せしめられるよ
うことが有利に防止され得るようになっているところか
ら、そのようなテーパ筒部34の大径側先端角部の裂開
による加工不良がない、安定した品質のVリブドプーリ
10を、容易に且つ確実に製造することが出来るのであ
る。
【0064】さらに、本実施形態にあっては、リム部1
4の長延出部位16と短延出部位18とを与える、テー
パ筒部34における径方向内側部分124と径方向外側
部分126のそれぞれの軸方向先端部が、成形ローラ1
12と上型側及び下型側V溝76,78との間で挟圧さ
れる際に、それらの軸方向先端部が、上型側及び下型側
V溝76,78の上型側及び下型側端面成形面82,8
6に対して軸方向に当接せしめられることにより、該テ
ーパ筒部34の径方向内側部分124と径方向外側部分
126の展伸が規制されるようになっているところか
ら、リム部14の長延出部位16と短延出部位18の長
さを、上型側及び下型側端面成形面82,86の形成位
置に応じて確実に調節することが可能となり、それによ
って、基部12とリム部14のそれぞれの軸方向中心部
のオフセット量を、所望の量において、確実に調節する
ことが可能となるのである。
【0065】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであっ
て、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受
けるものではない。
【0066】例えば、前記実施形態では、プリフォーム
28を一つの成形金型42にセットした状態下で、かか
るプリフォーム28のテーパ筒部34に対して、成形ロ
ーラ112を用いた転造加工を行なうことにより、テー
パ筒部34を円筒形状に成形して、円板状の基部12と
円筒状のリム部14を有する中間成形体128を成形
し、それに引き続いて、かかる中間成形体128のリム
部14に対して、溝成形ローラ114を用いた転造加工
を行なうことにより、該リム部14の外周面に複数のV
溝20を形成して、目的とするVリブドプーリ10が一
挙に得られるように構成された製造装置38が用いられ
ていたが、そのような構造の製造装置38を何等用いる
ことなく、プリフォーム28から、基部12とリム部1
4とを有する中間成形体110を得る装置と、かかる中
間成形体110のリム部14の外周面に複数のV溝20
を形成する装置とを別々に用いて、プリフォーム28か
ら、Vリブドプーリ10を段階的に製造するように為す
ことも、可能である。
【0067】また、成形ローラ112や溝成形ローラ1
14の形状も、前記実施形態に示されるものに、決して
限定されるものではなく、成形ローラ112は、少なく
とも、第一及び第二のリム部成形部たる上型側パッド6
4と下型側パッド50の突出部74の外周面に対向位置
する外周面の高さ方向中間部位が円柱面形状を有して構
成され、また、溝成形ローラ114は、少なくとも、そ
れら上型側パッド64と下型側パッド50の突出部74
の外周面に対向位置する外周面に、環状の突条からなる
溝形成リブ122が複数設けられて構成されておれば良
いのである。
【0068】さらに、溝成形ローラ114の外周面に設
けられる溝形成リブ122の形状や、外周面における配
設位置及び配設条数も、前記実施形態に示されるもの
に、特に限定されるものではなく、目的とする多溝プー
リのリム部における長延出部位と短延出部位の外周面に
設けられる環状溝の形状や配設位置及び配設条数に応じ
て適宜に決定されるものであることは、言うまでもない
ところである。
【0069】また、成形金型42の構造も、前記実施形
態に示されるものに、何等限定されるものではなく、リ
ム部における長延出部位と短延出部位のそれぞれの内周
面形状に対応した外周面を有する第一及び第二のリム部
が、互いに同軸的に対向位置するように、それぞれ設け
られ、且つそれらが中心軸回りに回転可能とされた第一
及び第二の型を有して構成されておれば良いのである。
【0070】加えて、前記実施形態では、自動車のエン
ジンの回転駆動力がVリブドベルトを介して伝達される
Vリブドプーリの製造方法に対して、本発明を適用した
ものの具体例を示したが、本発明は、その他、そのよう
なVリブドプーリ以外のもので、所定の回転軸に取り付
けられる円板状の基部と、該基部の外周縁部から軸方向
の両側に向かって互いに異なる長さで延出する円筒状の
リム部とを有すると共に、該リム部における延出長さの
長い長延出部位の外周面と、該リム部における延出長さ
の短い短延出部位の外周面に、環状の溝が、それぞれ少
なくとも一つ設けられて構成された多溝プーリを製造す
る方法の何れに対しても、有利に適用され得るものであ
ることは、勿論である。
【0071】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0072】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に従う多溝プーリの製造方法によれば、所定の回転軸
に取り付けられる基部の取付面の面積とリム部の強度と
を十分に確保しつつ、リム部における、延出長さの長い
長延出部位の長さと延出長さの短い短延出部位の長さと
の差を十分に大きく為すことが出来るのであり、それに
よって、リム部と基部におけるそれぞれの軸方向中心部
のオフセット量を、より広範囲に設定することが可能と
なるのである。そして、その結果として、得られる多溝
プーリの所定の回転軸に対する取付位置の設計自由度の
向上を、極めて効果的に且つ高度に達成することが可能
となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明手法に従って製造される多溝プーリの一
例を示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示された多溝プーリを製造するために用
いられるプリフォームの縦断面説明図である。
【図3】本発明に従う多溝プーリの製造方法における一
工程例を示す説明図であって、かかる製造方法において
用いられる製造装置にプリフォームをセットした状態を
示している。
【図4】本発明に従う多溝プーリの製造方法において用
いられる成形金型の一例を示す縦断面説明図である。
【図5】本発明に従うプーリの製造方法における別の工
程例を示す説明図であって、成形金型を構成する上型と
下型との間で、プリフォームを挟持した状態を示してい
る。
【図6】本発明に従う多溝プーリの製造方法における更
に別の工程例を示す説明図であって、成形金型と共に一
体回転せしめられるプリフォームのテーパ筒部に成形ロ
ーラを接触せしめて、かかる成形ローラをプリフォーム
とは反対の方向に回転させた状態を示している。
【図7】本発明に従う多溝プーリの製造方法における他
の工程例を示す説明図であって、プリフォームのテーパ
筒部を成形ローラにて押圧して、中間成形体を成形する
課程を示している。
【図8】本発明に従う多溝プーリの製造方法における更
に他の工程例を示す説明図であって、中間成形体のリム
部を、溝形成ローラにて押圧して、該リム部の外周面に
複数のV溝を形成した状態を示している。
【図9】本発明に従う多溝プーリの製造方法における別
の工程例を示す説明図であって、製造された多溝プーリ
を離型せしめた状態を示している。
【符号の説明】
10 Vリブドプーリ 12 基部 14 リム部 16 長延出部
位 18 短延出部位 20 環状溝 28 プリフォーム 32 底部 34 テーパ筒部 36 面取り部 42 成形金型 44 上型 46 下型 50 下型側パ
ッド 64 上型側パッド 74 突出部 112 成形ローラ 114 溝成形
ローラ 122 V溝形成リブ 124 径方向
内側部分 126 径方向外側部分

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状の基部と、該基部の外周縁部から
    軸方向の両側に向かって互いに異なる長さで延出する円
    筒状のリム部とを有すると共に、該リム部における延出
    長さの長い長延出部位の外周面と、該リム部における延
    出長さの短い短延出部位の外周面に、環状の溝が、それ
    ぞれ少なくとも一つ設けられて構成された多溝プーリを
    製造する方法であって、 該多溝プーリの基部に対応した円板状の底部と、かかる
    底部の外周縁部において一体的に形成された、軸方向一
    方の側に向かって次第に大径化するテーパ筒部とからな
    る有底のテーパ筒形状を呈するプリフォームを準備する
    工程と、 前記多溝プーリのリム部における前記長延出部位の内周
    面形状に対応した外周面を有する第一のリム部成形部が
    中心部に設けられた第一の型と、該リム部における前記
    短延出部位の内周面形状に対応した外周面を有して、該
    第一の型の第一のリム部成形部に対して同軸的に対向位
    置せしめられた第二のリム部成形部が中心部に設けら
    れ、該第一のリム部成形部の中心軸を回転軸として、該
    第一のリム部成形部と一体回転し得るように構成された
    第二の型とを含んでなる成形金型を準備する工程と、 前記プリフォームを、前記底部において、前記第一の型
    の第一のリム部成形部と前記第二の型の第二のリム部成
    形部に対して同心的に位置せしめた状態下で、前記テー
    パ筒部が、該第一のリム部成形部の側に向かって次第に
    大径化するように配置せしめつつ、該プリフォームを該
    第一のリム部成形部と該第二のリム部成形部との間で挟
    持させる工程と、 前記プリフォームを挟持した前記第一のリム部成形部と
    前記第二のリム部成形部とを、該プリフォームと共に、
    前記回転軸回りに一体回転させた状態下で、それら第一
    及び第二のリム部成形部のそれぞれの外周面に対向位置
    する外周面が円柱面形状とされた成形ローラを、かかる
    外周面において、該プリフォームのテーパ筒部の外周部
    に対して、径方向内方に向かって押し付けて、該テーパ
    筒部を、該成形ローラの外周面と該第一及び第二のリム
    部成形部との間で挟圧することにより、該第一及び第二
    のリム部成形部に対応した円筒形状に成形して、前記長
    延出部位と前記短延出部位とを有する前記リム部を形成
    する工程と、 前記リム部が形成された前記プリフォームの前記回転軸
    回りの一体回転状態下において、前記第一のリム部成形
    部の外周面に対向位置する外周面と、前記第二のリム部
    成形部の外周面に対向位置する外周面とに、環状の突条
    からなる溝形成リブが、それぞれ少なくとも一つ設けら
    れた溝形成ローラを、かかる外周面において、該リム部
    の外周面に押し付けることにより、該リム部の前記長延
    出部位と前記短延出部位のそれぞれの外周面に、該溝形
    成リブに対応した前記環状の溝を、それぞれ少なくとも
    一つ形成する工程と、を含むことを特徴とする多溝プー
    リの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記テーパ筒部の大径側先端部位におけ
    る径方向外側の角部が面取り形状とされて、該テーパ筒
    部の外周部に前記成形ローラが押し付けられた際に、該
    角部が該成形ローラに対して面接触せしめられるように
    構成された前記プリフォームを準備するようにした請求
    項1に記載の多溝プーリの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記成形ローラを用いて前記プリフォー
    ムのテーパ筒部を前記第一及び第二のリム部成形部に対
    応した円筒形状に成形する際に、該テーパ筒部の軸方向
    の両端部に当接して、該テーパ筒部の軸方向への展伸を
    規制する第一の規制面と第二の規制面とが、前記第一の
    型の外周部位と、該外周部位に対して前記第一のリム部
    成形部の中心軸方向に対向する前記第二の型の対向部位
    とに、更に設けられてなる成形金型を準備するようにし
    た請求項1又は請求項2に記載の多溝プーリの製造方
    法。
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