JPH1058074A - 円筒部品の成形方法 - Google Patents

円筒部品の成形方法

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JPH1058074A
JPH1058074A JP8217297A JP21729796A JPH1058074A JP H1058074 A JPH1058074 A JP H1058074A JP 8217297 A JP8217297 A JP 8217297A JP 21729796 A JP21729796 A JP 21729796A JP H1058074 A JPH1058074 A JP H1058074A
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雅広 土肥
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    • F16D13/00Friction clutches
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸線方向に沿って延びる複数本の凸条によっ
て形成されたスプラインと、上記凸条の端部に形成され
た周方向の溝とを有する円筒部品を成形する場合に、押
し出し成形時の材料の割れを防止する。 【解決手段】 円筒部品の凸条端部に対応する部分に凸
条7を有しない平坦な内周面37を備えた厚肉部10を
形成する態様で、凸条7と厚肉部10とを有する円筒状
部材3′をロール成形した後、上記厚肉部10を径方向
に押圧して、凸条7との間に周方向の溝13を隔てた凸
部11を押し出し成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動変速機
用クラッチドラムのような、スプラインを周面に備えた
円筒部品の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の自動変速機用クラッチドラム装
置は、例えば図5に符号1で示すように、同軸的に配置
された外側のドラム3と内側のドラム15との間に多数
枚のリング状のクラッチ板5,17を備えている。交互
に配置されたクラッチ板5,17はピストン19により
軸線方向に押圧され、摩擦力により回転力を伝達する。
ピストン19は、油孔20から導かれる油圧により、図
の右方向へ移動するようになっている。
【0003】一端が開口する円筒部品である外側のドラ
ム3の外周面38は、ブレーキ部材23と接触する制動
面として使用される凹凸のない平坦な円筒面となってお
り、ドラム3の内周面には、図6に示すように、内歯ス
プラインを形成する複数本の凸条7が軸線方向に沿って
形成され、これら凸条7に、クラッチ板5の外周に形成
された複数の切り欠きが嵌合していることにより、クラ
ッチ板5は、外側のドラム3に対して軸線方向には移動
可能に、かつ円周方向には回動不能に設けられている。
【0004】上記クラッチ板5は、ドラム3の開口端か
らドラム3内に挿入配置されるが、クラッチ板5の抜け
止めのためにスナップリング9が用いられる。このスナ
ップリング9は、ドラム3の開口側端部においてその内
周に沿って凸条7に形成された周方向の溝13に嵌着さ
れる。
【0005】内側のドラム15の外周面には外歯スプラ
インを形成する複数本の凸条21が軸線方向に沿って形
成され、これら凸条21に、クラッチ板17の内周に形
成された複数の切り欠きが嵌合していることにより、ク
ラッチ板17は、内側のドラム15に対して軸線方向に
は移動可能に、かつ円周方向には回動不能に設けられて
いる。
【0006】ところで、上述のような構成を有する自動
変速機用クラッチドラム装置1の外側のドラム3におい
て、内歯スプラインを形成する軸線方向に沿って延びる
複数本の凸条7は、従来、例えば円筒状部材の外周面を
径方向に押圧して成形していた。そして、これら凸条7
の押し出し成形後、図6に示すように、ドラム3の開口
側端部において、所定長さの凸条部分7aを残した状態
で、各凸条7にスナップリング9用の溝13を研削加工
等によって形成していた。
【0007】ところが、この方法では、上記溝13を形
成する際に、加工部分にバリ等が発生するため、加工後
に多数箇所に対してバリ取り工程を必要とするという問
題があったので、本出願人は、この問題を解決すべく、
先に、特開平7−265990号公報に開示されている
ような円筒部品の成形方法を提案した。
【0008】この円筒部品の成形方法は、板材をロール
成形して、図7(a)に示すように、軸線方向に沿って
延びる複数本の凸条7と、開口側端部において凸条を有
しない平坦な内周面37とを内周面に備えた円筒状部材
3′を得る工程と、この円筒状部材3′の開口側端部の
平坦な内周面37を備えた部分を外周面側から径方向に
押圧して、図7(b)に示すように、凸条7との間に周
方向の溝13を隔てた凸部11を押し出し成形する工程
とからなるものである。
【0009】この方法によれば、溝13を形成するため
の切削加工等が不要で、これら加工に伴うバリ取り工程
を省くことができ、円筒部品を効率良く製造することが
できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た公報記載の方法にも問題点がある。すなわち、ロール
成形したワークの端部は加工硬化を来しており、この部
分に塑性加工で凸部11を成形すると、図7(b)に示
すような割れCが発生するおそれがあった。
【0011】また、凸部11の反対側、すなわちドラム
3の開口端部側の外周面に凹部47が形成されるため、
この部分はブレーキ部材23と接触する制動面として利
用できず、その分、ブレーキ部材23との接触面が狭く
なるから、ブレーキ部材23の材質を変更して摩擦力を
高める必要があった。
【0012】上述の事情に鑑み、本発明は、上述した公
報記載の方法を改良することによって、上記問題点を解
決した円筒部品の成形方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による円筒部品の
成形方法は、軸線方向に沿って延びる複数本の凸条によ
って形成されたスプラインと、上記凸条の端部に形成さ
れた周方向の溝とを周面に備えた円筒部品を成形する方
法であって、上記円筒部品の凸条端部に対応する部分に
凸条を有しない平坦な円筒面を備えた厚肉部を形成する
態様で、上記凸条と上記厚肉部とを有する円筒状部材を
ロール成形する工程と、上記厚肉部を径方向に押圧し
て、上記凸条との間に上記周方向の溝を隔てた凸部を押
し出し成形する工程と、を含むことを特徴とするもので
ある。
【0014】本発明の方法は、内周面に内歯スプライン
を形成した円筒部品の成形方法に適用することができ
る。
【0015】その場合、上記厚肉部が、円筒状部材の外
径を他の部分よりも増大させた部分よりなり、上記厚肉
部の内周面に上記凸部を押し出し成形した後、上記厚肉
部の外周面を切削する工程をさらに含むことが好まし
い。
【0016】本発明の方法は、自動変速機用クラッチド
ラムの成形方法に適用することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、周方向の溝を形成する
ために塑性加工で凸部を成形しようとする円筒状部材の
部分を厚肉にしたことにより、この部分におけるロール
成形時における材料の変形量が少なくて済むから、その
分加工硬化が抑制され、上記凸部を成形する際の割れの
発生を防止することができる。
【0018】また、内周面に内歯スプラインを形成した
円筒部品を成形する場合、円筒状部材の厚肉部の内周面
に上記凸部を押し出し成形した後、上記厚肉部の外周面
を切削することにより、凸部の押し出し成形によって生
じた外周面上の凹部を消滅させることができるから、こ
の円筒部品が自動変速機用クラッチドラムである場合、
その外周面の全面をブレーキ部材との接触面に利用する
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0020】図1および図2は、本発明による円筒部品
の成形方法を図5に示す自動変速機用クラッチドラム装
置1の外側のクラッチドラム3の成形方法に適用した場
合に、板材から円筒状部材をロール成形する工程を示す
図である。
【0021】図1に示すように、材料となる板材3Aを
ロール成形装置の主軸25と支持軸27との間に挟持
し、この板材3Aを、支持軸27の外周に同軸的に設け
たマンドレル29と、このマンドレル29に対向するよ
うに主軸25に設けた成形型31とにより挟圧する。そ
して、図2に示すように、成形ローラ33により板材3
Aを外側から押圧してマンドレル29の表面に沿って押
し伸ばし、ロール成形を行なって円筒状部材3′を得
る。
【0022】マンドレル29の表面には、円筒状部材
3′の内周面に図3(a)に示す複数本の凸条7を成形
するためのスプライン状成形面と、このスプライン状成
形面に隣接させて、円筒状部材3′の内周面の開口側端
部に平坦な内周面37を成形するための円筒状成形面と
を構成する所定の凹凸35が設けられている。
【0023】したがって、板材3Aがロール成形により
凹凸35に押圧されることによって、上記凸条7や、凸
条7を有しない平坦な内周面37が成形される。そして
この場合、円筒状部材3′の開口側端部では、成形ロー
ラ33を若干後退させて、円筒状部材3′の平坦な内周
面37を備えた部分に、他部分よりも外径が増大した厚
肉部10を形成する点に本発明の特徴がある。
【0024】このようにして、所定の凸条7と、平坦な
内周面37を有する厚肉部10とが成形された円筒状部
材3′を、図4に示す押し出し成形装置39により加工
して、図3(b)に示すように、上記厚肉部10の平坦
な内周面37に、凸条7の端部との間に周方向の溝13
を隔てた凸部11を成形する。そして、円筒状部材3′
の軸線に垂直な断面における凸部11の形状および形成
位置は、図5に示すクラッチ板5をドラム3の開口端か
らドラム3内に挿入し得るように凸条7とほぼ同一とな
っている。
【0025】上記押し出し成形装置39は、円筒状部材
3′の内周面と外周面とを挟圧する下型41と上型43
とを備え、下型41は固定であり、上型43はシリンダ
45により駆動されるように構成されている。なお、円
筒状部材3′の厚肉部10に凸部11を押し出し成形す
るに先だって、厚肉部10に対して焼き戻し加工を施す
ことにより、押し出し成形の加工性を向上させることが
できる。
【0026】このようにして、凸部11を押し出し成形
した結果、厚肉部10の外周面10aには凹部47が形
成されるが、次に円筒状部材3′の外周面全体を図3
(b)に破線Lで示す位置まで切削することによって、
図3(c)に示すように、平坦な外周面38を備えたド
ラム3を得ることができる。
【0027】以上が、本発明による円筒部品の成形方法
を自動変速機用クラッチドラム3の成形に適用した場合
の説明であるが、本実施の形態によれば、スナップリン
グ9を嵌着する周方向の溝13を形成するために凸部1
1を押し出し成形する円筒状部材3′の部分を厚肉部1
0にしたことにより、この部分におけるロール成形時に
おける材料の変形量が少なくて済むから、その分加工硬
化が抑制され、凸部11を成形する際の割れの発生を防
止することができる。
【0028】また、上記厚肉部10の内周面37に凸部
11を押し出し成形した後、厚肉部10の外周面10a
を切削することにより、凸部11の押し出し成形によっ
て生じた外周面10a上の凹部47を消滅させることが
できるから、自動変速機用クラッチドラム3の外周面の
全面をブレーキ部材23との接触面に利用することがで
きる。
【0029】なお、本発明は、上述した自動変速機用ク
ラッチドラム3の成形のみならず、一般に、軸線方向に
沿って延びる複数本の凸条によって形成されたスプライ
ンと、上記凸条の端部に形成された周方向の溝とを有す
る円筒部品を成形する方法に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による円筒部品の成形方法における円筒
状部材をロール成形する工程を示す図
【図2】図1の成形工程が進んだ状態を示す図
【図3】本発明による円筒部品の成形方法の順次の工程
の説明図
【図4】本発明による円筒部品の成形方法における円筒
状部材の厚肉部の内周面に凸部を押し出し成形する工程
を示す図
【図5】本発明に係わる円筒部品としての自動変速機用
クラッチドラムを示す縦断面図
【図6】図5のクラッチドラムの要部斜視図
【図7】従来の円筒部品の成形方法の工程説明図
【符号の説明】
1 自動変速機用クラッチドラム装置 3,15 クラッチドラム 3′ 円筒状部材 5,17 クラッチ板 7,21 凸条 9 スナップリング 10 厚肉部 11 凸部 13 周方向の溝 23 ブレーキ部材 29 マンドレル 37 平坦な内周面 39 押し出し成形装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線方向に沿って延びる複数本の凸条に
    よって形成されたスプラインと、上記凸条の端部に形成
    された周方向の溝とを有する円筒部品を成形する方法で
    あって、 上記円筒部品の凸条端部に対応する部分に凸条を有しな
    い平坦な円筒面を備えた厚肉部を形成する態様で、上記
    凸条と上記厚肉部とを有する円筒状部材をロール成形す
    る工程と、 上記厚肉部を径方向に押圧して、上記凸条との間に上記
    周方向の溝を隔てた凸部を押し出し成形する工程と、を
    含むことを特徴とする円筒部品の成形方法。
  2. 【請求項2】 上記スプラインが上記円筒部品の内周面
    に形成された内歯スプラインよりなることを特徴とする
    請求項1記載の円筒部品の成形方法。
  3. 【請求項3】 上記厚肉部が、上記円筒状部材の外径を
    他の部分よりも増大させた部分よりなり、上記厚肉部の
    内周面に上記凸部を押し出し成形した後、上記厚肉部の
    外周面を切削する工程をさらに含むことを特徴とする請
    求項2記載の円筒部品の成形方法。
  4. 【請求項4】 上記円筒部品が、自動変速機用クラッチ
    ドラムよりなることを特徴とする請求項3記載の円筒部
    品の成形方法。
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