JPH10166102A - 鍛造方法及び鍛造装置 - Google Patents

鍛造方法及び鍛造装置

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JPH10166102A
JPH10166102A JP32302396A JP32302396A JPH10166102A JP H10166102 A JPH10166102 A JP H10166102A JP 32302396 A JP32302396 A JP 32302396A JP 32302396 A JP32302396 A JP 32302396A JP H10166102 A JPH10166102 A JP H10166102A
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JP
Japan
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floating die
die
coarse material
annular
punch
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Application number
JP32302396A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Hagita
田 雅 俊 萩
Hideaki Sunada
田 英 明 砂
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定が短縮され、コストダウンが可能になる
とともに、各部の寸法が任意に設定でき、かつ品質も良
好な鍛造品を製造すること。 【解決手段】 パンチ13を移動させ、粗材1にパンチ
13を押し付けて粗材1を浮動ダイス3とともに移動さ
せ、この移動により固定ダイス2が粗材1の内周面1
i、1j側に入り込んで粗材1に内スプラインを形成す
る。その後、浮動ダイス3がストッパープレート7に当
接して移動が停止され、固定される。この固定された状
態でパンチ13から押し付け力を付与され、粗材1の一
端面1bを所定形状に据え込み成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鍛造方法及び鍛造装置
に関するものであり、特に、パートタイム四輪駆動車に
装備されているフリーホイールハブの一部品である、内
周スプライン部、外フランジ部、内フランジ部が形成さ
れたボディー・フリーホイールハブのような、内径スプ
ライン部を備えた鍔付中空シャフトの鍛造方法及び鍛造
装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】フリーホイールハブは、パートタイム四
輪駆動車の車輪中央部分に配置され、ドライブシャフト
からの駆動力の各車輪への伝達・遮断を選択する機能を
備える。具体的には、フリーホイールハブは、内径スプ
ラインを有するボディー・フリーホイールハブ(以下、
ボディーと称する)と、外径スプラインを有しドライブ
シャフトに嵌合しているインナー・フリーホイールハブ
(以下、インナーと称する)と、内・外径スプラインを
有するクラッチ・フリーホイールハブ(以下、クラッチ
と称する)とを主な構成とする。そして、ドライブシャ
フトからの駆動力を車輪に伝達するときは、クラッチ
を、そのスプライン部において、ボディーとインナーと
の両者と嵌合させる。これによりドライブシャフトから
の駆動力は、インナーからクラッチ、ボディーを経て各
車輪に伝達される。一方、ドライブシャフトからの駆動
力の各車輪への伝達を遮断するときは、クラッチを、ボ
ディーの内径スプラインに沿って軸方向へ移動させるこ
とによって、クラッチとボディーとのスプライン嵌合を
解き、駆動力の伝達を遮断する。
【0003】ボディーは、図6に示すように、ボディー
本体21及び軸受け部品22を主な構成要素とする。ボ
ディー本体21には、その一端面に、タイヤホイールに
連結される外フランジ部21aを備えている。このボデ
ィー本体21は、鍛造品の粗材を切削加工後、ブローチ
加工により内径スプラインを有する形状とし、その後、
別工程で製作された軸受け部品22をサークリップで組
み付けて完成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の工程では、内径
スプライン部がブローチ加工であり、また、軸受け部を
別工程で予め製作し、その後に組み付けなければならな
いため、製造工程が多く、コストアップにつながってい
る。
【0005】上記問題点を解決するための一つの手段と
して、内径スプライン部のブローチ加工を廃止して従来
からの鍛造工程で成形し、軸受け部に相当する形状(内
フランジ部)をも鍛造工程に取り込むことで、鍛造品と
して一体化し、コストダウンにつなげることが考えられ
る。この場合、ボディーには、図7に示すように内径ス
プライン部23の他に、軸受け部品に相当する内フラン
ジ部24、タイヤホイールに取り付けるための外フラン
ジ部25を一体的に成形しなければならない。これらの
各部位を各々別々に成形したのでは、多くの工程を要
し、本来の目的である工程短縮によるコストダウンが果
たせなくなる。従って、各部位の同時成形が必要にな
る。
【0006】同時成形を考えた時、従来の技術では、図
5に示すようなものが考えられる。これは、粗材31を
外側ダイス33上に載せ、外周に外スプラインが形成さ
れた内側ダイス32を粗材の図示下部に配置させる。そ
して、図示上部からパンチ34を加工移動させ、粗材3
1を押しつぶすことにより粗材31の図示上端面に外フ
ランジ部及び内フランジ部を据え込み成形するととも
に、粗材31が塑性変形に起因する材料流れを起こし、
内側ダイス32の外周部分に回り込んだ部分に内スプラ
イン成形をするものである。
【0007】この方法においては、内・外フランジの据
込み成形と内径スプラインのスプライン成形が同時に開
始、終了するため、内径スプライン部の長さと、外フラ
ンジ厚及び内フランジ厚の成形料が軸方向に略同一寸法
でないと実現できず、各部の寸法(内径スプライン長、
外フランジ厚、内フランジ厚)が任意な形状は成形でき
ない。
【0008】又、図4に示す様にスプライン長さを長く
得るための型構造とすると、外側ダイス33と粗材との
間に隙間Lを設けなければならない。このような隙間L
があると、成形加工時に起きた材料流れにより材料がこ
の隙間Lの部分にも流れ、結果としてこの部分に膨らみ
Aがでるという問題が発生する。
【0009】故に、本発明は、上記実情に鑑みてなされ
たものであり、工程が短縮され、コストダウンが可能と
なるとともに、各部の寸法が任意に設定でき、かつ品質
も良好な鍛造品を製造することを技術的課題とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した技術的課題を解
決するために、本発明の請求項1において講じた技術的
手段は、環状であり、環状軸方向に移動可能であり、所
定の支え力が付与された浮動ダイスを配置し、外周にス
プラインが形成された柱状の固定ダイスを前記浮動ダイ
スの内周面で囲まれた内部空間内に延設配置し、環状本
体部及び該環状本体部の一端面に外方に延在した環状凸
部を有する粗材の前記環状凸部を前記浮動ダイス上に載
置するとともに、前記環状本体部の外周面と前記浮動ダ
イスの内周面とが当接するように前記環状本体部を前記
浮動ダイスの内周面で囲まれた内部空間内に挿入し、前
記粗材の一端面側に前記浮動ダイスの環状軸方向に移動
可能なパンチを配置し、前記パンチを移動させ、前記粗
材に前記パンチを押し付け、前記浮動ダイスに付与され
る所定の支え力よりも強い押し付け力を前記パンチから
前記粗材を介して前記浮動ダイスに付与することにより
前記粗材を前記浮動ダイスとともに移動させ、前記粗材
の移動により前記固定ダイスが前記粗材の内周面側に入
り込み、前記粗材の内周面をスプライン成形し、前記ス
プライン成形の後に前記粗材及び前記浮動ダイスを固定
し、前記粗材を固定した状態で前記パンチから前記粗材
に押し付け力を加えて前記粗材の一端面側を所定形状に
据え込み成形する、鍛造方法としたことである。
【0011】上記技術的手段における作用は、以下のよ
うである。即ち、環状であり、環状軸方向に移動可能で
あり、所定の支え力が付与された浮動ダイス、及び、環
状の浮動ダイスの内周面で囲まれた内部空間内に延設さ
れ外周にスプラインが形成された柱状固定ダイスを配置
する。一方、粗材は、環状に形成された環状本体部と、
該環状本体部の一端面に形成され外方に延在した環状凸
部を備え、その環状本体部が浮動ダイスと固定ダイスと
で囲まれた空間内に挿入され、その環状凸部が浮動ダイ
ス上に載置された形でセットされる。ここで、粗材は、
その環状本体部の外周面と浮動ダイスの内周面とが当接
するように、前記浮動ダイスの内周面で囲まれた空間内
に挿入される。また、粗材の一端面側に、浮動ダイスの
環状軸方向に移動可能なパンチを配置する。そして、パ
ンチを浮動ダイスの環状軸方向でありかつ粗材に近づく
方向に移動して粗材に押し付ける。このとき、パンチに
よる押し付け力は、粗材を介して浮動ダイスにも伝達さ
れるが、この押し付け力は浮動ダイスに付与されている
所定の支え力よりも大きい力であるため、粗材は浮動ダ
イスと一体となってその環状軸方向に移動する。この移
動により固定ダイスが粗材の他端面側からその内周面側
に入り込み、粗材の内周面をスプライン成形する。スプ
ライン成形の後に浮動ダイスの移動を停止させ、固定す
る。この固定状態のまま、パンチから粗材に押し付け力
を加える。すると、粗材の一端面側が所定形状に据え込
み成形される。
【0012】本発明において注目すべき点は、粗材を浮
動ダイス上に載置した状態で鍛造成形することである。
このため、移動ダイスの移動に伴い、粗材は浮動ダイス
と一体となって移動する。この移動ストローク分だけ、
外周にスプラインが形成された固定ダイスが粗材の内周
側に入り込むので、移動ストローク分の長さのスプライ
ンを粗材の内周面に成形することができる。従って、内
径スプライン長は、その後に据え込み成形される粗材の
一端面の形状(例えば、外・内フランジの厚み寸法)に
とらわれず、自由に設定できる。
【0013】また、内径スプライン長は、浮動ダイスの
移動ストロークにより決定できるので、図4に示す従来
技術のように、鍛造前に粗材とダイスとに隙間を持たせ
る必要がない。このため、鍛造成形時に材料流れにより
粗材外周に凸部が生じることもなく、品質の良好な製品
が製造できる。
【0014】また、上記技術的課題を解決するに当たっ
て、本発明の請求項2において講じた技術的手段のよう
に、前記スプライン成形の後に前記粗材及び前記浮動ダ
イスを固定し、前記粗材を固定した状態で前記パンチか
ら前記粗材に押し付け力を加えて前記粗材の一端面側に
外方に延在する外フランジ部及び内方に延在する内フラ
ンジ部を据え込み成形する、鍛造方法とすることが好ま
しい。これは、フリーホイールハブの構成部品であるボ
ディー(ボディー・フリーホイールハブ)の鍛造成形に
おいて、内径スプライン部をスプライン成形した後に、
外フランジ部、内フランジ部を据え込み成形し、1つの
工程でボディーを製造するものである。
【0015】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項3において講じた技術的手段は、環状でありか
つ環状軸方向に移動可能な浮動ダイスと、前記浮動ダイ
スを所定の支え力で支持する支持部材と、前記浮動ダイ
スの内周面で囲まれた内部空間内に延設配置され、外周
にスプラインが形成された柱状の固定ダイスと、前記浮
動ダイスを固定する浮動ダイス固定手段と、前記固定ダ
イス及び前記浮動ダイスと対向して配置され、前記浮動
ダイスの環状軸方向に移動可能なパンチと、を備えた鍛
造装置とすることである。
【0016】上記技術的手段における作用は、以下のよ
うである。即ち、環状本体部及び該環状本体部の一端面
に外方に延在した環状凸部を有する粗材(例えば、鍔付
中空円筒シャフトの粗材)は、環状であり支持部材によ
り所定の支え力を付与されて支持されている浮動ダイス
にセットされる。このとき粗材に設けられた環状凸部
は、浮動ダイス上に載置され、環状本体部はその外周面
と浮動ダイスの内周面とが当接するように、前記浮動ダ
イスの内周面で囲まれた空間内に挿入される。また、浮
動ダイス及び固定ダイスに対して対向してパンチを配置
する。そして、パンチが移動して、粗材に押し付け力を
加える。このとき、パンチによる押し付け力は、支持部
材による所定の支え力よりも大きい力であるため、粗材
は浮動ダイスと一体となって移動する。この移動により
固定ダイスが粗材の内周面側に入り込む。固定ダイスの
外周にはスプラインが形成されているため、これにより
粗材の内周面がスプライン成形される。スプライン成形
の後に浮動ダイス固定手段により浮動ダイスを固定す
る。この固定状態のまま、移動ダイスから粗材に押圧力
を加える。すると、前記粗材の一端面側が所定形状に据
え込み成形される。
【0017】本技術的手段において注目すべき点は、浮
動ダイス及び浮動ダイスを固定する浮動ダイス固定手段
を設けた点である。粗材にスプライン成形する際に、浮
動ダイスは粗材とともに移動する。このため粗材に形成
される内スプラインは、浮動ダイスの移動ストロークを
変更することにより自由に設定可能となる。また、浮動
ダイス固定手段により浮動ダイスを固定すれば、粗材の
一端面が据え込み成形される。このように、鍛造装置に
おいて、浮動ダイス及び浮動ダイス固定手段を設けたこ
とにより、スプライン成形及び据え込み成形を1つの工
程で行うことができる。
【0018】上記技術的課題を解決するに当たって、本
発明の請求項4において講じた技術的手段のように、前
記浮動ダイス固定手段は、前記浮動ダイスに対して前記
移動ダイスと反対側に設置されたストッパー部材である
ことが好ましい。これによれば、浮動ダイスが所定量移
動した後、浮動ダイスとストッパー部材が当接し、浮動
ダイスは固定される。この固定状態において据え込み成
形が行われる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面に基づいて説明するが、本実施形態例においては、
一例としてボディー・フリーホイールハブを製造すると
きの鍛造方法及び鍛造装置について説明する。
【0020】図1は、本実施形態例に係る鍛造装置の主
要構成部分を示す図である。図1において、1は粗材で
ある。粗材1は、予め鍛造等の方法で粗加工がなされて
おり、図2に示すように環状に粗加工された環状本体部
1a、及び、環状本体部1aの一端面1b側に形成さ
れ、その外方に延在する環状凸部1cを備える。また、
環状本体部1aの内周面には、段差部1dが形成されて
おり、その段差部1dを境にしてそれより図示上部の第
1内周面1iの内径がそれより図示下部第2内周面1j
の内径よりも小さくなっている。この粗材1は、以下に
説明する鍛造加工により、図3に示すような形状のボデ
ィー・フリーホイールハブとなる。これは環状形状であ
り、その一端面1bに、外方に延在する外フランジ部1
f及び内方に延在する内フランジ部1gが形成され、更
にその環状内周面に内スプライン部1hが形成されたも
のである。
【0021】また、2は固定ダイス、3は環状に形成さ
れた浮動ダイスである。浮動ダイス3は、その図示上面
に粗材載置部3aを備え、この粗材載置部3a上に粗材
1の環状凸部1cが載置される。そして、粗材1の環状
本体部1aが浮動ダイス3の内周面3bで囲まれた内部
空間に位置するような向きで、粗材1が浮動ダイス上に
セットされる。この場合において、環状本体部1aの外
周面1kは、浮動ダイス3の内周面3bと当接するよう
な状態で、該内周面3cで囲まれた内部空間内に挿入さ
れる。
【0022】固定ダイス2は、円柱状に形成され、その
外周部2aにスプラインが形成されている。そして、粗
材1の他端面1eの直下に固定ダイス2の先端部2bが
位置するよう、環状の浮動ダイス3の内周面3bで囲ま
れた内部空間に延設して配置される。この場合におい
て、固定ダイス2の最外径は、粗材1の内径よりも大き
く設定されている。固定ダイス2の図示下方には、固定
ダイスホルダー10が配置されている。固定ダイスホル
ダー10は、その内周面に段差部10aを備えたリング
形状に形成されており、この段差部10aと固定ダイス
2の段差部2cとが係合することにより、固定ダイス2
を保持する構成となっている。また、固定ダイスホルダ
ー10には、図示下面から上面にかけて複数の貫通穴1
0bが設けられており、この貫通穴10bの内部には、
粗材1を取り出すためのイジェクトピン11が挿通され
ている。また、イジェクトピン11の図示上方には、該
イジェクトピン11からの取り出し力を伝達するための
スリーブ12が配設されている。
【0023】浮動ダイス3の図示下方には、本発明にお
ける支持部材としての油圧シリンダー6が配置され、該
油圧シリンダー6のシリンダーロッド6aが浮動ダイス
3の図示下面に連結されている。本例においては、油圧
シリンダー6は、浮動ダイス3の周方向に沿って4本配
設されている。また、1本当たりの油圧力は約3トンで
ある。従って、浮動ダイス3は、約12トンの力で油圧
シリンダー6に支えられていることになり、この支え力
よりも強い力が浮動ダイスの図示上方からかかると、浮
動ダイス3は油圧シリンダー6の支え力に抗して図示下
方に移動するように構成されている。
【0024】油圧シリンダー6の外方には、本発明にお
ける浮動ダイス固定手段としての環状のストッパープレ
ート7が配設されている。ストッパープレート7は、そ
の図示上端面7aが油圧シリンダー6の本体部6bより
も高い位置に突き出ており、この部分に浮動ダイス3が
当接することにより、浮動ダイス3の下降移動を停止さ
せるストッパー機能を有している。
【0025】ストッパープレート7、固定ダイス2、固
定ダイスホルダー10の図示下面には固定プレート8が
配置され、これらの各部品を保持している。尚、固定プ
レート8には、上記固定ダイスホルダー10の貫通穴1
0bと同一軸心位置に貫通穴8aが形成され、この固定
プレート8の下方からイジェクトピン11が挿通されて
いる。また、固定プレート8の下部には、上記説明した
部品を全体的に支える固定プレート9が配置されてい
る。
【0026】浮動ダイス3の及び固定ダイス2に対向し
て、図示上部にパンチ13が配置している。パンチ13
は、外フランジ成形パンチ4と内フランジ成形パンチ5
とからなる。外フランジ成形パンチ4は、粗材1の一端
面1bに、前記したフリーホイールハブの外フランジ部
1fを成形するためのものであり、内フランジ成形パン
チ5は、フリーホイールハブの内フランジ部1gを成形
するためのものである。
【0027】上記構成を有する鍛造装置において、以下
に、その作動について図1に基づいて説明するが、図1
において、図示上下方向と環状の浮動ダイス3の環状軸
方向とは一致するものとする。
【0028】まず、図示せぬパンチ駆動手段により、パ
ンチ13が粗材1に向かって下降する。一定距離下降す
ると、パンチ13と粗材1が当接し、粗材1は押し付け
力をパンチ13から受ける。この押し付け力は、粗材1
を介して浮動ダイス3にも伝達される。本例においてこ
の押し付け力は、約600トンであるため、浮動ダイス
3及び粗材1は、油圧シリンダー6の支え力(約12ト
ン)に抗して図示下方に移動する。粗材1が下方に移動
すると、固定ダイス2は、粗材1の環状本体部1aの内
周面に入り込む。固定ダイス2の外周面2aにはスプラ
インが形成されているため、この粗材1の下降移動によ
って、その第2内周面1jに順次スプラインが成形され
てゆく。尚、このときには、粗材1の一端面1b側に
は、油圧シリンダー6の支え力に抗した力(約12ト
ン)のみしかかかっていないため、内径スプライン成形
のみが行われ、一端面1b側の据え込み成形は行われな
い。
【0029】浮動ダイス3の下降移動が進行し、浮動ダ
イス3の下面がストッパープレート7の端面7aに当接
すると、浮動ダイス3はこれ以上下降移動できないた
め、その位置で固定される。このため、固定ダイス2は
それ以上粗材1の内周側に入り込めず、内スプライン成
形が終了する。しかしながら、パンチ13はなおも下降
移動を継続しているため、この状態において粗材1にパ
ンチ13からの押し付け力(約600トン)がかかる。
この成形荷重により、粗材1の一端面1b側が押し潰さ
れて据え込み成形され、図3に示すように外フランジ部
1f及び内フランジ部1gが成形される。
【0030】据え込み成形が完了後、パンチ13を上方
移動させる。これにより、粗材1にはパンチ13からの
押し付け力が除去され、粗材1及び浮動ダイス3は、油
圧シリンダー6の支え力により図示上方に移動する。そ
して図示せぬイジェクトピン駆動手段によりイジェクト
ピン11を上方移動させ、スリーブ12を介して粗材1
を上方に押し上げ、粗材1を取り出す。これにより、ボ
ディー・フリーホイールハブとしての成形品が取り出さ
れる。
【0031】以上説明したように、本例によれば、浮動
ダイス3の移動ストロークにより内スプラインの長さが
決定されるため、この移動ストロークを任意に設定する
ことにより、内スプライン長も任意に設定できる。ま
た、粗材1は、その環状凸部1cが浮動ダイス3上に載
置され、その環状本体部1aの外周面1kが浮動ダイス
3の内周面3bと当接している。即ち、従来の図4に示
すような隙間Lが0である。このため、成形加工時の材
料流れにより製品に膨らみが発生することもなく、品質
の良好な製品が製造できる。
【0032】以上、本発明の実施形態例について説明し
たが、本発明は、上記一実施形態例に限定されるもので
はない。例えば、本発明における鍛造方法及び鍛造装置
は、ボディー・フリーホイールハブの製造のみに適用可
能なものではなく、その他、トランスミッションの動力
伝達シャフトのような、鍔付の内スプラインシャフトの
製造全てに適用可能である。また、本例においては、浮
動ダイスの移動を停止させ、固定させる手段としてスト
ッパープレート7を用いたが、この他にも、油圧ポンプ
等により油圧シリンダー6の油圧力を変化させて600
トン以上の力で浮動ダイスを支えるようにすれば、本例
と同様の作用をもたらす。更に、本例において支持部材
として油圧シリンダー6を使用した例を示したが、この
他にも空気圧シリンダー等も使用可能である。このよう
に、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、適
用可能である。
【0033】
【発明の効果】請求項1の発明は、以下の如く効果を有
する。
【0034】本発明の方法によれば、1工程でスプライ
ン成形及び据え込み成形ができるため、従来と比較して
工程が短縮され、コストダウンが可能となる。また、従
来のように材料流れによる膨らみが発生せず、品質の良
好な製品が製造できる。さらに、浮動ダイスの移動スト
ロークを任意に設定することにより、スプラインの長さ
も任意に設定できる。
【0035】請求項2の発明は、以下の如く効果を有す
る。
【0036】本発明の方法によれば、1工程でボディー
・フリーホイールハブの内スプライン成形及び内・外フ
ランジの据え込み成形ができるため、従来と比較して工
程が短縮され、コストダウンが可能となる。また、従来
のように材料流れによる膨らみが発生せず、品質の良好
な製品が製造できる、さらに、浮動ダイスの移動ストロ
ークを任意に設定することにより、内スプラインの長さ
も任意に設定できる。
【0037】請求項3の発明は、以下の如く効果を有す
る。
【0038】本発明の装置によれば、1工程でスプライ
ン成形及び据え込み成形ができるため、従来と比較して
工程が短縮され、コストダウンが可能となる。また、従
来のように材料流れによる膨らみが発生せず、品質の良
好な製品が製造できる。さらに、浮動ダイスの移動スト
ロークを任意に設定することにより、スプラインの長さ
も任意に設定できる。
【0039】請求項4の発明は、以下の如く効果を有す
る。
【0040】本発明の装置によれば、浮動ダイス固定手
段として、パンチと反対側に配置されたストッパー部材
としたので、装置構成が簡単かつ安価にすることができ
るとともに、浮動ダイスの移動を確実に停止し、固定さ
せることができるので、より品質の良好な製品が製造で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態例における、鍛造装置の主要構成を
示す断面図である。
【図2】本実施形態例における、粗材の断面図である。
【図3】本実施形態例における、成形品(ボディー・フ
リーホイールハブ)の断面図である。
【図4】従来技術における鍛造装置の概略断面図であ
る。
【図5】従来技術における鍛造装置の部分概略断面図で
ある。
【図6】ボディー・フリーホイールハブの構成を示す概
略部分斜視図であり、ボディー本体と軸受け部品とが別
体であるものを示す。
【図7】ボディー・フリーホイールハブの構成を示す概
略部分斜視図であり、ボディー本体と軸受け部品とが一
体であるものを示す。
【符号の説明】
1・・・粗材 1a・・・環状本体部、 1b・・・一端面、 1c・
・・環状凸部、 1d・・・段差部、 1e・・・他端面、 1f・・・
外フランジ部、 1g・・・内フランジ部、 1h・・・内スプライン
部、 1i・・・第1内周面、 1j・・・第2内周面、 1
k・・・外周面 2・・・固定ダイス 2a・・・外周面、 2b・・・先端面、 2c・・・
段差部 3・・・浮動ダイス 3a・・・粗材載置部、 3b・・・内周面 4・・・外フランジ成形パンチ 5・・・内フランジ成形パンチ 6・・・油圧シリンダー(支持部材) 6a・・・シリンダーロッド、 6b・・・シリンダー
本体 7・・・ストッパープレート(浮動ダイス固定手段) 7a・・・上端面 8・・・固定プレート 9・・・固定プレート 10・・・固定ダイスホルダー 11・・・イジェクトピン 12・・・スリーブ 13・・・パンチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16D 11/04 F16D 11/04 C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状であり、環状軸方向に移動可能であ
    り、所定の支え力が付与された浮動ダイスを配置し、 外周にスプラインが形成された柱状の固定ダイスを前記
    浮動ダイスの内周面で囲まれた内部空間内に延設配置
    し、 環状本体部及び該環状本体部の一端面に外方に延在した
    環状凸部を有する粗材の前記環状凸部を前記浮動ダイス
    上に載置するとともに、前記環状本体部の外周面と前記
    浮動ダイスの内周面とが当接するように前記環状本体部
    を前記浮動ダイスの内周面で囲まれた内部空間内に挿入
    し、 前記粗材の一端面側に前記浮動ダイスの環状軸方向に移
    動可能なパンチを配置し、 前記パンチを移動させ、前記粗材に前記パンチを押し付
    け、前記浮動ダイスに付与される所定の支え力よりも強
    い押し付け力を前記パンチから前記粗材を介して前記浮
    動ダイスに付与することにより前記粗材を前記浮動ダイ
    スとともに移動させ、前記粗材の移動により前記固定ダ
    イスが前記粗材の内周面側に入り込み、前記粗材の内周
    面をスプライン成形し、 前記スプライン成形の後に前記粗材及び前記浮動ダイス
    を固定し、前記粗材を固定した状態で前記パンチから前
    記粗材に押し付け力を加えて前記粗材の一端面側を所定
    形状に据え込み成形する、鍛造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記スプライン成形の後に前記粗材及び前記浮動ダイス
    を固定し、前記粗材を固定した状態で前記パンチから前
    記粗材に押し付け力を加えて前記粗材の一端面側に外方
    に延在する外フランジ部及び内方に延在する内フランジ
    部を据え込み成形する、鍛造方法。
  3. 【請求項3】 環状でありかつ環状軸方向に移動可能な
    浮動ダイスと、 前記浮動ダイスを所定の支え力で支持する支持部材と、 前記浮動ダイスの内周面で囲まれた内部空間内に延設配
    置され、外周にスプラインが形成された柱状の固定ダイ
    スと、 前記浮動ダイスを固定する浮動ダイス固定手段と、 前記固定ダイス及び前記浮動ダイスと対向して配置さ
    れ、前記浮動ダイスの環状軸方向に移動可能なパンチ
    と、 を備えた鍛造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記浮動ダイス固定手段は、前記浮動ダイスに対して前
    記移動ダイスと反対側に設置されたストッパー部材であ
    ることを特徴とする、鍛造装置。
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