JP2005246400A - 鍛造成形用金型装置及び鍛造成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抜け勾配を小さく設定することが可能であると共に、ノックアウト時における成形品と鍛造成形用金型装置の摺動面積が低減して、成形品と金型装置との食いつきを防止することが可能な鍛造成形用金型装置を提供する。
【解決手段】
プレス装置の駆動により相互に対向する方向に相対移動可能な上型20及び下型70を備え、カップ状部材Wを鍛造成形するための鍛造成形用金型装置10であって、上型20は、カップ部41を有し弾性変形可能なパンチ40と、パンチ40のカップ部41内部に進入可能な凸部31を有し、パンチ40に対して相対移動可能な上型本体30と、パンチ40を上型本体30から離遠する方向に押圧するコイルバネ50と、パンチ40をコイルバネ50に対して揺動可能に保持するスリーブ60を備え、上型20が下型70に接近する際に、凸部31がパンチ40のカップ部41内部に接触してパンチ40を拡径し、上型20が下型70から離遠する際に、コイルバネ50が凸部31をパンチ40のカップ部41内部から離して非接触にさせる。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば自動車のデフケース等のカップ状部材を鍛造成形するのに好適な鍛造成形用金型装置及び鍛造成形方法に関する。
鍛造成形用の金型装置では、ノックアウト時における成形品と金型装置との食いつきを防止するために、抜け勾配(ドラフトアングル)を設定することが一般的に行われている。例えば、車輌のデフケースを鍛造成形するための金型装置では、1.5°程度の抜け勾配が設けられている。
近年の自動車の高性能化や省エネルギ化に伴って要求されるデファレンシャル装置の軽量化や、鍛造成形全般に要求されるニアネットシェイプに対応するためには、この抜け勾配を可能な限り0°に近づける必要がある。
しかしながら、この抜け勾配を0°に近づけるに従って、ノックアウト時における成形品と金型装置との摺動面積が増加する傾向があり、特にデフケースのようなカップ状部材の鍛造成形に用いられる金型装置では彫込み(インプレッション)が深くなるため、その傾向が顕著になる。
これに対し、抜け勾配を廃止する技術として、鍛造成形後に第1の成形型又は第2の成形型の一方をその相対的な位相角が増加する方向に回転させることにより、成形品を成形型から分離する方法(例えば、特許文献1参照)が従来から知られているが、当該技術はスクロール部材のような渦巻き状の部材の鍛造成形にのみ適用可能であって、上述のデフケースのようなカップ状部材には適用することが出来ない。
特開平6−134567号公報
本発明は、抜け勾配を小さく設定することが可能であると共に、ノックアウト時における成形品と鍛造成形用金型装置との摺動面積を低減して、成形品と金型装置との食いつきを防止することが可能な鍛造成形用金型装置及び鍛造成形方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、相互に対向する方向に相対移動可能な上型及び下型を備え、カップ状部材を鍛造成形するための鍛造成形用金型装置であって、前記上型は、弾性変形可能なカップ状のパンチと、前記パンチのカップ内部に進入可能な凸部を有し、前記パンチに対して相対移動可能な上型本体と、前記上型本体から離遠する方向に前記パンチを押圧する付勢手段と、を少なくとも備え、前記上型及び前記下型が相互に接近する際に、前記凸部が前記パンチのカップ内部に接触して前記パンチを拡径し、前記上型及び前記下型が相互に離遠する際に、前記付勢手段が前記凸部を前記パンチのカップ内部から離して非接触にさせる鍛造成形用金型装置が提供される。
また、上記目的を達成するために、本発明によれば、相互に対向する方向に相対移動可能な上型及び下型を用いてカップ状部材を鍛造成形する方法であって、前記上型が有するカップ状のパンチを拡径しながら、前記上型及び前記下型を相互に接近させて、前記カップ状部材を鍛造成形するステップと、前記パンチの拡径を解除しながら、前記上型及び前記下型を相互に離縁させて、前記上型及び前記下型から前記カップ状部材をノックアウトするステップと、を少なくとも備えた鍛造成形方法が提供される。
本発明では、上型及び下型が相互に接近する際に、上型本体の凸部をパンチのカップ内部に対して接触させてパンチを拡径させ、カップ状部材のノックアウト時に必要な抜け勾配を確保する。そして、上型及び下型が相互に離遠する際に、付勢手段が凸部をパンチのカップ内部から離して非接触にさせて、パンチの拡径を解除して、パンチに具備されていた抜け勾配を減少させる。
このように本発明では、パンチの弾性変形を利用して、鍛造成形時よりノックアウト時の抜け勾配を減少させることにより、抜け勾配を小さく設定してもノックアウト時にカップ状部材とパンチとの間に十分な隙間を確保することが出来るので、抜け勾配を小さく設定することが可能になると共に、カップ状部材と金型装置との摺動面積を低減することが出来、カップ状部材と金型装置との食いつきを防止することが可能となる。特に彫込みが深くなる傾向にあるカップ状部材を対象とした金型装置ではこの効果は顕著である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る鍛造成形方法の全体工程を示す工程図、図2(A)〜(E)は図1の各工程における成形状態を示す図であり、図2(A)は潰し工程前の鍛造素材を示す斜視図、図2(B)は潰し工程後の成形品を示す斜視図、図2(C)は荒地工程後の成形品を示す断面図、図2(D)は仕上げ工程後の成形品を示す断面図、図2(E)はトリム工程後のデフケースを示す断面図である。
先ず、本発明の第1実施形態に係る鍛造成形方法において成形品となるデフケースWについて説明すると、このデフケースWは、自動車等の車輌のエンジンやモータ等の原動機からトランスミッション及びプロペラシャフトを介して入力された駆動力を車輪駆動軸に伝達するデファレンシャル装置に用いられるものであり、デファレンシャル装置の軽量化及び組立容易化に対応した所謂2ピース構造のデフケースを構成する一方のデフケースである。
このデフケースWは、図2(E)に示すように、カップ部Yが形成されたカップ状部材であり、このカップ部Yの内部に、サイドギアやピニオンギア等から構成されるデファレンシャルギアを収容し、当該カップ部Yの縁部に他方のデフケースの縁部を合わせてボルト等を用いて固定されることによりデファレンシャル装置(何れも不図示)が構成される。
次に、このデフケースWの鍛造成形の全体工程について説明すると、図1に示すように、本実施形態に係るデフケースWは、潰し工程S10、荒地工程S20、仕上げ工程S30、及び、トリム工程S40から構成される熱間型鍛造により鍛造成形される。
具体的には、先ず、炉等により1250℃程度に予め加熱された図2(A)に示すような円筒形状の鍛造素材Wを、潰し工程S10にて鉛直方向に圧縮するように潰して、図2(B)に示すような第1成形品Wに成形する。この潰し工程S10において鍛造素材Wを潰すことにより、加熱により鍛造素材Wの表面に形成されていたスケール(酸化皮膜)が除去される。
次いで、荒地工程S20にて、後述する金型装置10により第1成形品Wは、図2(C)に示すような製品概略形状の第2成形品Wに予備成形され、さらに、仕上げ工程S30にて、図2(D)に示す第3成形品Wのように製品形状に仕上げ成形される。次に、トリム工程S40にて、荒地工程S20及び仕上げ工程S30で形成されたバリBをトリミングプレス等により打ち抜いて除去することにより、図2(E)に示すようなデフケースWが鍛造成形される。なお、製品としてのデフケースとしては、これら鍛造成形工程S10〜S40を経た後に機械加工等が施されてから上述のデファレンシャル装置に用いられる。
以下に、本実施形態に係る鍛造成型方法の荒地工程S20において用いられる金型装置10の構造について説明する。
図3は本発明の第1実施形態に係る鍛造成形用金型装置の鍛造成形前の状態を示す断面図、図4は図3のIV部の拡大断面図、図5は本発明の第1実施形態に係る鍛造成形用金型装置の鍛造成形中の状態を示す断面図、図6は本発明の第1実施形態に係る鍛造成形用金型装置の鍛造成形が完了した状態を示す図、図7は本発明の第1実施形態に係る鍛造成形用金型装置のノックアウト時の状態を示す図、図8(A)は図6のVIIIA部の拡大断面図、図8(B)は図7のVIIIB部の拡大断面図である。
本実施形態に係る鍛造成形用金型装置10は、上型20及び下型70を備えており、ホルダ等を介してプレス装置(不図示)に装着され、このプレス装置の駆動により下型70に対して上型20が相対的に移動することが可能となっている。
この金型装置10の上型20は、図3に示すように、凸部31が形成された上型本体30と、弾性変形可能なカップ状のパンチ40と、上型本体30に対して離遠する方向にパンチ40を押圧するコイルバネ50と、パンチ40をコイルバネ50に対して揺動可能に保持するスリーブ60とを備えている。また、金型装置10の下型70には、製品概略形状のインプレッション71が彫り込まれている。
この上型20の上型本体30は、図3に示すように、鉛直下向きに突出する凸部31がその中心部に形成されていると共に、当該凸部31の周りの上型本体30の外周部に外壁部33が形成されている。この上型本体30の凸部31の先端部には、パンチ40を拡径し易いようにテーパ32が形成されている。また、外壁部33の下端部には、内周側に向かって突出する突出部34が形成されており、後述するスリーブ60の第1の溝部61に係合可能となっている。
上型20のパンチ40は、図3に示すように、上面が開口しているカップ形状を有しており、当該カップ部41には開口42から上型本体30の凸部31の先端部が進入可能となっており、プレス装置(不図示)の下降駆動により上型20と下型70とが接近した際に、カップ部41内部に凸部31の先端部が接触するに伴って、凸部31がパンチ40を弾性変形させて、当該パンチ40が拡径するようになっている(図5及び図6参照)。なお、このパンチ40のカップ部41の外周面は、デフケースWの製品概略形状Wに対応した形状を有している。
因みに、凸部31の先端に1°のテーパ32を設け、底面外形92mm、肉厚5mmのパンチ40のカップ部41内部に凸部31を35mm押し込んだ際にパンチ40に具備される抜け勾配θ(図8(A)参照)の角度をFEM(Finite-Element Method:有限要素法)解析したところ、弾性変形により0.5°の抜け勾配θがパンチ40に具備され、その際の面圧が約20kg/mmであった。鋼の熱間鍛造では、一般的に60kg/mm程度の面圧が鍛造成形時に印加されていることから、この鍛造成形時の面圧のみでパンチ40を弾性変形させることが十分に可能であることがこのFEM解析から分かる。
パンチ40のカップ部41の開口42には、上述の凸部31のテーパ32に対応するようなテーパが形成されており、凸部31の接触によりパンチ40が拡径し易くなっている。また、このパンチ40の開口42の外周側には段差部43が形成されており、後述するスリーブ60の第2の溝部63に係合可能となっている。
上型20のコイルバネ50は、図3に示すように、スリーブ60を介してパンチ40を上型本体30に対して離遠する方向に押圧可能なように、上型本体30の凸部31と外壁部33との間の空間に配設されている。なお、同図では2つのコイルバネ50しか図示していないが、実際には、例えば4つのコイルバネ50が円周方向に沿って実質的に等間隔に配置されており、本発明においては任意の数のコイルバネを任意に配置することが出来る。このコイルバネ50は、本発明における付勢手段に相当するが、この付勢手段としては、金属バネ、ゴムバネ、空気バネ、及び、油圧を利用したバネ機構等を挙げることが出来、特に本発明は熱間鍛造に用いらる金型装置であるため、コイルバネや板バネ等の圧縮型バネであることが好ましい。
上型20のスリーブ60は、図3に示すように、その中心部に貫通孔62が軸方向に形成された略円盤形状を有し、当該スリーブ60の外周面には第1の溝部61が形成されており、この第1の溝部61には、上型本体30の外壁部33の突出部34が係合可能となっている。また、当該スリーブ60の貫通孔62の内周面には第2の溝部63が形成されており、この第2の溝部63には、パンチ40の段差部43が係合している可能となっている。
図4に示すように、このスリーブ60の第2の溝部63と、パンチ40の段差部43との間には、パンチ40の軸方向に沿った第1のクリアランスC、及び、当該軸方向に対して直交する方向に沿った第2のクリアランスCが設定されており、無負荷時において、このスリーブ60によりパンチ40がコイルバネ50に対して揺動可能に保持されている。この第1のクリアランスCを調整することによりパンチ40の弾性変形量が調整され、即ち、パンチ40の抜け勾配θが調整され、第2のクリアランスCを調整することによりパンチ40の過負荷を防止することが出来る。
以下に、本実施形態に係る鍛造成形方法における荒地工程S20における鍛造成形用金型装置20の作用について説明する。
先ず、図3に示すように、潰し工程S10にて潰された第1成形品Wが、下型70のインプレッション71内に置かれる。この際、上型20は下型30に対して上方に十分に離れており、コイルバネ50の弾性力によりスリーブ60が上型本体30に対して鉛直下方向に押圧され、上型本体30の凸部31は、パンチ40のカップ部41に対して非接触状態となっている。
次に、特に図示しないプレス装置が下降駆動すると、上型20が下型70に対して接近し、図5に示すように、パンチ40の先端が第1成形品Wに接触すると、当該パンチ40が第1成型品Wと凸部31との間に挟まれ、凸部31がパンチ40に対して相対的に移動する。この相対移動により、凸部31のテーパ32がパンチ40のカップ部41内部に接触してパンチ40が弾性変形して拡径すると共に、各コイルバネ50が収縮する。
そして、プレス装置がさらに下降駆動して上型20と下型70とがさらに接近すると、図6に示すように、パンチ40の拡径を維持した状態で鍛造成形され、上型20のパンチ40及び下型70のインプレッション71に対応した製品概略形状の第2成形品Wが形成される。この際、パンチ40の拡径により、図8(A)に示すような約0.5°程度の抜け勾配θが付与される。
次に、プレス装置が上昇駆動して上型20と下型70とが離遠すると、図7に示すように、パンチ40のカップ部41内部から凸部31が離れて非接触状態となり、パンチ40の拡径が解除される。このパンチ40の拡径の解除により、図8(B)に示すように、抜け勾配θが実質的に0°となり、第2成形品Wの内周面とパンチ40の外周面との間に隙間が形成される。
上述のように一般的なデフケースでは1.5°程度の抜け勾配を必要とするが、本実施形態では、抜け勾配θを0.5°程度に小さく設定することが出来る。また、鍛造成形時よりノックアウト時の抜け勾配θが減少することにより、ノックアウト時に第2成形品Wとパンチ40との間に十分な隙間を確保出来、第2成形品Wと下型70との摺動面積を低減することが可能となる。
以上のように、本発明の第1実施形態に係る鍛造成形用金型装置及び鍛造成形方法では、パンチの弾性変形を利用して鍛造成形時よりノックアウト時の抜け勾配を減少させ、ノックアウト時にカップ状部材とパンチとの間に十分な隙間を確保することにより、抜け勾配を小さく設定することが出来る。これにより、鍛造成形後の機械加工の取り代削減、即ち、ニアネットシェイプに対応することが可能になると共に、機械加工を行わないで鍛造成形面をそのまま使用する場合(鍛造面黒皮使用時)には部品の軽量化を図ることが可能となる。
また、本発明の第1実施形態に係る鍛造成形用金型装置及び鍛造成形方法では、パンチの弾性変形を利用してノックアウト時にカップ状部材とパンチとの間に十分な隙間を確保することにより、カップ状部材と金型装置との摺動面積を低減することが出来、カップ状部材と金型装置との食いつきを防止することが可能となる。
[第2実施形態]
図9は本発明の第2実施形態に係る鍛造成形用金型装置を示す断面図であり、鍛造成形が完了した状態を示す図である。
本発明の第2実施形態に係る鍛造成形用金型装置10’は、例えば潤滑油等の潤滑剤を鍛造成形中に供給可能な構造が上型20’に具備されている点で第1実施形態に係る鍛造成形用金型装置10と相違するが、その他の構成は当該第1実施形態に係る鍛造成形用金型装置10の構成と同一である。以下に、第2実施形態に係る鍛造成形用金型装置10’について、第1実施形態に係る鍛造成形用金型装置10との相違点のみ説明する。
先ず、図9に示すように、第2実施形態に係る鍛造成形用金型装置10’の上型20’には、凸部31’を軸方向に沿って貫通した流路35が形成されている。この流路35の一方の端部は図外の潤滑剤供給装置に連通されているのに対し、当該流路35の他方の端部は、凸部31’の先端で開口し、パンチ40’のカップ部41’内部の空間に連通しており、当該流路35を介して、潤滑剤供給装置からパンチ40’のカップ部41’内部に潤滑剤を供給可能となっている。
次に、図9に示すように、本実施形態に係る鍛造成形用金型装置10’の上型20’には、パンチ40’のカップ部41’の内部と当該パンチ40’の外部とを連通した複数の貫通孔44が形成されている。この貫通孔44は、同図に示すように、パンチ40’のカップ部41’の角部近傍に形成されており、上述の流路35によりカップ部41’内部に供給された潤滑剤を鍛造成形中の第2成形品Wに供給可能となっている。この貫通孔44をカップ部41’の角部近傍に形成することにより、パンチ40において第2成形品W2との摺動が特に激しい部分に潤滑剤を効率的に供給することが出来る。なお、図9ではカップ部41’に4つの貫通孔44しか形成されていないが、実際には、例えば8つの貫通孔44が円周方向に沿って実質的に等間隔に2つずつ配置されており、本発明においては任意の数の貫通孔を任意に配置することが出来る。
以下に、本実施形態に係る鍛造成形方法の荒地工程S20における鍛造成形用金型装置20の作用について説明する。なお、本実施形態に係る鍛造成形方法は、流路35及び貫通孔44が形成されており、鍛造成形中に潤滑剤が供給される点以外は、第1実施形態に係る鍛造成形方法の工程S10〜S40と同様である。
先ず、第1実施形態と同様に、潰し工程S10にて潰された第1成形品Wが、下型70のインプレッション71に置かれる。この状態において、既に潤滑剤供給装置から凸部31’の流路35を介して潤滑剤が供給され、パンチ40’のカップ部41’内部に溜まっている。
次に、プレス機械(不図示)が下降駆動すると、上型20が下型70に対して接近して凸部31’がパンチ40’に対して相対的に移動し、凸部31の先端がパンチ40’のカップ部41’に接触して、パンチ40’が拡径されて0.5°程度の抜け勾配θが具備される。これと共に、パンチ40’のカップ部41’内部に溜まっている潤滑剤が、カップ部41’に形成された貫通孔44から押し出され、パンチ40’と第2成形品Wとの摺動部分に供給される。この摺動部分への潤滑剤の供給は、下型70に対する上型20’の接近移動が終了する迄、即ち、鍛造成形が完了するまで継続される。
鍛造成形が完了すると、プレス装置が上昇駆動して上型20’と下型70とが離遠し、パンチ40’の拡径が解除されて抜け勾配がθが実質的に0°となり、第2成形品Wの内周面とパンチ40’の外周面との間に隙間が形成されてノックアウトされる。
以上のように、本発明の第2実施形態に係る鍛造成形用金型装置及び鍛造成形方法では、パンチの弾性変形を利用して鍛造成形時よりノックアウト時の抜け勾配を減少させ、ノックアウト時にカップ状部材とパンチとの間に十分な隙間を確保することにより、抜け勾配を小さく設定することが出来る。これにより、鍛造成形後の機械加工の取り代削減、即ち、ニアネットシェイプに対応することが可能になると共に、機械加工を行わないで鍛造成形面をそのまま使用する場合(鍛造面黒皮使用時)には部品の軽量化を図ることが可能となる。
また、本発明の第2実施形態に係る鍛造成形用金型装置及び鍛造成形方法では、パンチの弾性変形を利用してノックアウト時にカップ状部材とパンチとの間に十分な隙間を確保することにより、カップ状部材と金型装置との摺動面積を低減することが出来、カップ状部材と金型装置との食いつきを防止することが可能となる。
さらに、本発明の第2実施形態に係る鍛造成形用金型装置では、上型本体の凸部を貫通した流路を形成し、当該流路を介して潤滑剤を供給することにより、パンチのカップ内部が潤滑剤で満たされるので、鍛造成形中にパンチを冷却することが出来、摩耗に伴う発熱による軟化を防止することが出来る。また、パンチのカップ部内部が潤滑剤で満たされることにより、パンチの拡径時における凸部とパンチとの摺動をも潤滑することが可能となる。
一般的に、カップ状部材の鍛造成形時には、予め潤滑剤をワークに塗布して金型とワークとの間を潤滑しているが、鍛造成形中には金型とワークとの間に潤滑剤を供給することが出来ないので、潤滑剤が不足し、金型の摩耗を早める場合がある。これに対し、本発明の第2実施形態に係る鍛造成形用金型装置では、上型のパンチの角部近傍に貫通孔を形成し、凸部の下方への移動を利用してカップ部内部に溜まっている潤滑剤をカップ状部材に向かって押し出すことにより、鍛造成形中であっても、パンチとカップ状部材との摺動部分を潤滑することが出来るので、潤滑剤切れを防止することが可能となる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、上述の実施形態では、成形品としてデフケースを例に挙げて説明したが、本発明の対象となる成形品は特にこれに限定されず、真円形状や楕円形状等の開口を持つカップ状部材を対象とすることが出来る。また、上述の実施形態では、鍛造成形用金型を荒地工程に用いるように説明したが、本発明では特にこれに限定されず、仕上げ工程に適用しても良い。
図1は、本発明の第1実施形態に係る鍛造成形方法の全体工程を示す工程図である。 図2(A)〜(E)は、図1の各工程における成形状態を示す図であり、図2(A)は潰し工程前の鍛造素材を示す斜視図、図2(B)は潰し工程後の成形品の斜視図、図2(C)は荒地工程後の成形品を示す断面図、図2(D)は仕上げ工程後の成形品を示す断面図、図2(E)はトリム工程後のデフケースを示す断面図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係る鍛造成形用金型装置の断面図であり、鍛造成形前の状態を示す図である。 図4は、図3のIV部の拡大断面図である。 図5は、本発明の第1実施形態に係る鍛造成形用金型装置の断面図であり、鍛造成形中の状態を示す図である。 図6は、本発明の第1実施形態に係る鍛造成形用金型装置の断面図であり、鍛造成形が完了した状態を示す図である。 図7は、本発明の第1実施形態に係る鍛造成形用金型装置の断面図であり、ノックアウト時の状態を示す図である。 図8(A)は、図6のVIIIA部の拡大断面図であり、図8(B)は、図7のVIIIB部の拡大断面図である。 図9は、本発明の第2実施形態に係る鍛造成形用金型装置の断面図であり、鍛造成形が完了した状態を示す図である。
符号の説明
10…金型装置
20…上型
30…上型本体
31…凸部
32…テーパ
33…外壁部
34…突出部
35…流路
40…パンチ
41…カップ部
42…開口
43…段差部
44…貫通孔
50…コイルバネ
60…スリーブ
61…第1の溝部
62…貫通孔
63…第2の溝部
70…下型
71…インプレッション
W…デフケース
…鍛造素材
〜W…成形品
B…バリ
Y…カップ部
θ…抜け勾配
…第1のクリアランス
…第2のクリアランス

Claims (7)

  1. 相互に対向する方向に相対移動可能な上型及び下型を備え、カップ状部材を鍛造成形するための鍛造成形用金型装置であって、
    前記上型は、
    弾性変形可能なカップ状のパンチと、
    前記パンチのカップ内部に進入可能な凸部を有し、前記パンチに対して相対移動可能な上型本体と、
    前記上型本体から離遠する方向に前記パンチを押圧する付勢手段と、を少なくとも備え、
    前記上型及び前記下型が相互に接近する際に、前記凸部が前記パンチのカップ内部に接触して前記パンチを拡径し、
    前記上型及び前記下型が相互に離遠する際に、前記付勢手段が前記凸部を前記パンチのカップ内部から離して非接触にさせる鍛造成形用金型装置。
  2. 前記上型は、前記パンチを前記付勢手段に対して揺動可能に保持するスリーブをさらに備えている請求項1記載の鍛造成形用金型装置。
  3. 前記凸部の先端にテーパが形成されている請求項1又は2記載の鍛造成形用金型装置。
  4. 前記付勢手段は、圧縮型バネである請求項1〜3の何れかに記載の鍛造成形用金型装置。
  5. 前記上型本体には、前記凸部を貫通して該凸部の先端で開口する流路が形成されており、
    前記パンチには、前記カップ内部から該カップ外部に貫通する貫通孔が形成されている請求項1〜4の何れかに記載の鍛造成形用金型装置。
  6. 相互に対向する方向に相対移動可能な上型及び下型を用いてカップ状部材を鍛造成形する方法であって、
    前記上型が有するカップ状のパンチを拡径しながら、前記上型及び前記下型を相互に接近させて、前記カップ状部材を鍛造成形するステップと、
    前記パンチの拡径を解除しながら、前記上型及び前記下型を相互に離縁させて、前記上型及び前記下型から前記カップ状部材をノックアウトするステップと、を少なくとも備えた鍛造成形方法。
  7. 請求項1〜5の何れかに記載の鍛造成形用金型装置を用いて鍛造成形され、又は、請求項6記載の鍛造成形方法により鍛造成形されたデフケース。
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