JP2009078285A - スプライン部材の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スプライン部材の製造装置6は、シェービングパンチ61及びシェービングダイス62とスプラインパンチ63とストリッパー64とを有する。基板部11の第1表面111及びボス部2の外周面202をストリッパー64によって支持し、素材100及びストリッパー64を押圧しながらシェービングパンチ61を相対的に前進させ、シェービングパンチ61及びシェービングダイス62によって基板部11の外周部に切り欠き部を形成し、さらに基板部11の外周面をシェービングダイス62によって拘束しながらシェービングパンチ61を相対的に前進させ、ボス部2の内周面201にスプラインパンチ63を挿入してスプライン部を形成することができるよう構成されている。
【選択図】図3
Description
このようなスプライン部材は、通常、板状の基板部とその基板部から突出するように設けられた円筒状のボス部とを有する素材を用い、ボス部において軸方向に沿ってスプライン部を形成することによって製造される。
該製造装置は、上記基板部の外周部の少なくとも一部に切り欠き部を形成するためのシェービングパンチ及びシェービングダイスと、
上記ボス部の内周面に挿入して上記スプライン部を形成するためのスプラインパンチと、
上記基板部の上記第1表面及び上記ボス部の外周面を支持するストリッパーとを有し、
上記シェービングパンチ、上記シェービングダイス、上記スプラインパンチ及び上記ストリッパーが同軸上に配置され、上記スプラインパンチの外周側に上記ストリッパーが配置され、該ストリッパーの外周側にシェービングダイスが配置され、軸方向において上記ストリッパーに対向するように上記シェービングパンチが配置されており、上記シェービングダイス及び上記スプラインパンチに対して上記シェービングパンチが相対的に軸方向に移動可能に設けられていると共に、上記シェービングパンチの押圧力によって上記ストリッパーが相対的に後退するよう設けられており、
上記基板部の上記第1表面及び上記ボス部の外周面を上記ストリッパーによって支持し、上記シェービングパンチを相対的に上記ストリッパーに向けて前進させ、上記基板部の上記第1表面の反対側の面である第2表面に当接させ、さらに上記素材及び上記ストリッパーを押圧しながら上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記シェービングパンチ及び上記シェービングダイスによって上記素材にせん断力を加え、上記基板部の外周部の少なくとも一部に上記切り欠き部を形成し、さらに上記基板部の外周面を上記シェービングダイスによって拘束しながら上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記ボス部の内周面に上記スプラインパンチを挿入して上記スプライン部を形成することができるよう構成されていることを特徴とするスプライン部材の製造装置にある(請求項1)。
上記基板部の上記第1表面及び上記ボス部の外周面を上記ストリッパーによって支持する素材支持工程と、
上記シェービングパンチを相対的に上記ストリッパーに向けて前進させ、上記基板部の上記第2表面に当接させ、さらに上記素材及び上記ストリッパーを押圧しながら上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記シェービングパンチ及び上記シェービングダイスによって上記素材にせん断力を加え、上記基板部の外周部の少なくとも一部に上記切り欠き部を形成するシェービング工程と、
さらに上記基板部の外周面を上記シェービングダイスによって拘束しながら上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記ボス部の内周面に上記スプラインパンチを挿入して上記スプライン部を形成するスプライン形成工程とを有するスプライン部材の製造方法にある(請求項4)。
すなわち、上記製造方法は、同軸上に配置された上記シェービングパンチ、上記シェービングダイス、上記スプラインパンチ及び上記ストリッパーを有する上記製造装置を用い、上記シェービングパンチの1ストローク動作により、上記素材に対して上記切り欠き部を形成する上記シェービング工程と上記スプライン部を形成する上記スプライン形成工程とを同軸上で連続的に行う。そのため、得られる上記スプライン部材は、上記スプライン部に対する上記切り欠き部の同軸度、位置精度を充分に確保することができる。
本発明のスプライン部材は、上記第2の発明のスプライン部材の製造方法により製造されてなるものである。よって、上記スプライン部材は、上記スプライン部に対する切り欠き部の同軸度、位置精度を充分に確保したものとなる。
上記スプライン部を成形した後、さらに上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記ストリッパーを上記受圧部材に当接させて上記ストリッパーの後退を停止させ、上記シェービングパンチの押圧力によって上記基板部における上記第2表面の所定の場所に対してコイニング加工することができるよう構成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記ボス部を容易に精度良く形成することができ、上記ボス部の内周面及び外周面の同軸度を充分に確保することができる。そのため、得られる上記スプライン部材の品質を向上させることができる。
この場合には、上記キャリアカバーの品質向上を図ることができる。また、上記キャリアカバーと接合するキャリアとの接合精度を向上させることができる。
なお、上記スプライン部材は、上記スプライン部を有するその他の様々な部品に適用することができる。
本発明の実施例にかかるスプライン部材の製造装置及び製造方法について、図を用いて説明する。
本例の製造装置6は、図3、図4に示すごとく、板状の基板部11と基板部11の一方の表面である第1表面111から突出するように設けられた円筒状のボス部2とを有する素材100(図2)を用いて、ボス部2の内周面201において軸方向に沿って形成された山部31と山部31の間に形成された谷部32とを交互に設けたスプライン部3を有するスプライン部材1(図1)を製造する製造装置である。
なお、本例において製造するスプライン部材1は、自動変速機のプラネタリギア用のキャリアカバーに用いられるものである。
また、スプラインパンチ63の外周側にストリッパー64が配置され、ストリッパー64の外周側にシェービングダイス62が配置されている。また、軸方向においてストリッパー64に対向するようにスプラインパンチ63が配置されている。
また、シェービングダイス62及びスプラインパンチ63に対してシェービングパンチ61が相対的に軸方向に移動可能に設けられていると共に、ストリッパー64がシェービングパンチ61の押圧力によって相対的に後退するよう設けられている。
そして、シェービングパンチ61を相対的にストリッパー64に向けて前進させ、基板部11の第1表面111の反対側の面である第2表面112に当接させ、さらに素材100及びストリッパー64を押圧しながらシェービングパンチ61を相対的に前進させ、シェービングパンチ61及びシェービングダイス62によって素材100にせん断力を加え、基板部11の外周部に切り欠き部13を形成することができるよう構成されている。
そして、さらに基板部11の外周面をシェービングダイス62によって拘束しながらシェービングパンチ61を相対的に前進させ、ボス部2の内周面201にスプラインパンチ63を挿入してスプライン部3を形成することができるよう構成されている。
本例において使用する素材100は、鋼(SAPH440)よりなり、図2(a)〜(c)に示すごとく、円形板状の基板部11と基板部11の第1表面111から突出するように設けられた円筒状のボス部2とを有する。ボス部2は、バーリング加工により形成されている。
本例の製造装置6は、上記のごとく、シェービングパンチ61とシェービングダイス62とスプラインパンチ63とストリーパー64とを有し、本例においては、さらにこれらに加えてストリッパー64の後退を規制する受圧部材65と、スプラインパンチ63とストリッパー64との間に設けられたノックアウト部材66とを有する。
また、シェービングパンチ61の外周面610及びシェービングダイス62の内周面620の形状は、最終的に得ようとするスプライン部材1の外形状に対応する形状を有する。
受圧部材65は、円筒状を呈しており、ストリッパー64に当接してストリッパー64の後退を規制する受圧面651を有する。
まず、図3に示すごとく、素材100における基板部11の第1表面111及びボス部2の外周面202をそれぞれストリッパー64の基板支持面641及びボス外周支持面642によって支持する。
さらに、素材100及びストリッパー64を押圧しながらシェービングパンチ61を相対的に前進させ、シェービングパンチ61のパンチ部611及びシェービングダイス62によって素材100にせん断力を加える。これにより、素材100のシェービング領域130(図5(a))をシェービングし、基板部11の外周部に4つの切り欠き部13(図5(a))を形成する。
以上により、スプライン部材1(図1)を完成する。
本例の製造装置6は、シェービングパンチ61、シェービングダイス62、スプラインパンチ63及びストリッパー64を有し、これらは同軸上に配置されている。そして、シェービングパンチ61を前進させることにより、シェービングパンチ61及びシェービングダイス62によって基板部11の外周部に切り欠き部13を形成することができる。そして、さらに、シェービングパンチ61を前進させることにより、ボス部2の内周面201にスプラインパンチ63を挿入してスプライン部3を形成することができる。
本例は、実施例1のスプライン部材1をプラネタリギア8のキャリアカバーとして組み込んだ例である。
プラネタリギア8は、図7に示すごとく、中空軸81の外周にインプットフランジ85を介してスプライン部材1であるキャリアカバーが配設されている。そして、スプライン部材1のボス部2の後端側には、ベアリング82が配設されている。
また、スプライン部材1は、スプライン部3に対するコイニング加工部の面振れを抑え、直角度を充分に確保している。そのため、キャリアカバー(スプライン部材1)とピニオンシャフト83との接合精度を向上させることができる。
これにより、プラネタリギア8全体の品質を向上させることができる。
100 素材
11 基板部
111 第1表面
2 ボス部
201 内周面(ボス部の内周面)
202 外周面(ボス部の外周面)
6 製造装置
61 シェービングパンチ
62 シェービングダイス
63 スプラインパンチ
64 ストリッパー
Claims (8)
- 板状の基板部と該基板部の一方の表面である第1表面から突出するように設けられた円筒状のボス部とを有する素材を用いて、上記ボス部の内周面において軸方向に沿って形成された山部と該山部の間に形成された谷部とを交互に設けたスプライン部を有するスプライン部材を製造する製造装置であって、
該製造装置は、上記基板部の外周部の少なくとも一部に切り欠き部を形成するためのシェービングパンチ及びシェービングダイスと、
上記ボス部の内周面に挿入して上記スプライン部を形成するためのスプラインパンチと、
上記基板部の上記第1表面及び上記ボス部の外周面を支持するストリッパーとを有し、
上記シェービングパンチ、上記シェービングダイス、上記スプラインパンチ及び上記ストリッパーが同軸上に配置され、上記スプラインパンチの外周側に上記ストリッパーが配置され、該ストリッパーの外周側にシェービングダイスが配置され、軸方向において上記ストリッパーに対向するように上記シェービングパンチが配置されており、上記シェービングダイス及び上記スプラインパンチに対して上記シェービングパンチが相対的に軸方向に移動可能に設けられていると共に、上記シェービングパンチの押圧力によって上記ストリッパーが相対的に後退するよう設けられており、
上記基板部の上記第1表面及び上記ボス部の外周面を上記ストリッパーによって支持し、上記シェービングパンチを相対的に上記ストリッパーに向けて前進させ、上記基板部の上記第1表面の反対側の面である第2表面に当接させ、さらに上記素材及び上記ストリッパーを押圧しながら上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記シェービングパンチ及び上記シェービングダイスによって上記素材にせん断力を加え、上記基板部の外周部の少なくとも一部に上記切り欠き部を形成し、さらに上記基板部の外周面を上記シェービングダイスによって拘束しながら上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記ボス部の内周面に上記スプラインパンチを挿入して上記スプライン部を形成することができるよう構成されていることを特徴とするスプライン部材の製造装置。 - 請求項1において、上記製造装置は、さらに上記ストリッパーの後退を規制する受圧部材を有し、
上記スプライン部を成形した後、さらに上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記ストリッパーを上記受圧部材に当接させて上記ストリッパーの後退を停止させ、上記シェービングパンチの押圧力によって上記基板部における上記第2表面の所定の場所に対してコイニング加工することができるよう構成されていることを特徴とするスプライン部材の製造装置。 - 請求項1又は2において、上記素材の上記ボス部は、バーリング加工により成形してあることを特徴とするスプライン部材の製造装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスプライン部材の製造装置を用い、上記スプライン部材を製造する方法であって、
上記基板部の上記第1表面及び上記ボス部の外周面を上記ストリッパーによって支持する素材支持工程と、
上記シェービングパンチを相対的に上記ストリッパーに向けて前進させ、上記基板部の上記第2表面に当接させ、さらに上記素材及び上記ストリッパーを押圧しながら上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記シェービングパンチ及び上記シェービングダイスによって上記素材にせん断力を加え、上記基板部の外周部の少なくとも一部に上記切り欠き部を形成するシェービング工程と、
さらに上記基板部の外周面を上記シェービングダイスによって拘束しながら上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記ボス部の内周面に上記スプラインパンチを挿入して上記スプライン部を形成するスプライン形成工程とを有するスプライン部材の製造方法。 - 請求項4において、上記スプライン形成工程の後、さらに上記シェービングパンチを相対的に前進させ、上記ストリッパーを上記受圧部材に当接させて上記ストリッパーの後退を停止させ、上記シェービングパンチの押圧力によって上記基板部における上記第2表面の所定の場所に対してコイニング加工するコイニング加工工程を行うことを特徴とするスプライン部材の製造方法。
- 請求項4又は5において、上記スプライン部材は、自動変速機のプラネタリギア用のキャリアカバーであることを特徴とするスプライン部材の製造方法。
- 請求項4又は5に記載のスプライン部材の製造方法により製造されてなることを特徴とするスプライン部材。
- 請求項7において、上記スプライン部材は、自動変速機のプラネタリギア用のキャリアカバーであることを特徴とするスプライン部材。
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