JP3722974B2 - 筒状体の拡径方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、軸受素形材の製造過程において形成される外筒部等の筒状体を所定の寸法まで拡径させる筒状体の拡径方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
軸受の外輪および内輪の形成用素材となる軸受素形材を1つの素材から形成する方法の1つとして図7に示したものが従来から知られている。この軸受素形材の製造方法は、下記の第1工程乃至第5工程から成る。
【0003】
第1工程;図7(I)に示す柱状素材B0 を熱間により軸方向に据込んで、図7(II)に示すように、円弧状外周面101を有する円盤状素材B1 を形成する。
【0004】
第2工程;円盤状素材B1 を型鍛造により、図7(III )に示す段付きの円筒状成形品B2 を形成する。ここで、円筒状成形品B2 は、外筒部102内において内筒部103の端部が一体化され、その内筒部103内に底104が設けられている。
【0005】
第3工程;円筒状成形品B2 を図7(III )に示す鎖線位置に沿って軸方向に切り離し、図7(IV)に示すように、外筒部102と底付きの円筒部103とに分離する。
【0006】
第4工程;底付き内筒部103を打抜き装置によって、図7(V)に示すように、底104を打抜き、内輪素形材106を形成する。
【0007】
第5工程;外筒部102をローリング成形により拡径すると共に、内径面に環状溝108を成形して、図1(VI)に示すように、外輪素形材107を形成する。
【0008】
第1工程の据込みから第4工程の分離までの作業は、多段送り型の鍛造機によって熱間により処理され、一方、第5工程の拡径は、図8に示すロールフォーマにより冷間によって成形される。
【0009】
ロールフォーマは、溝を有するメインローラ110とマンドレル111に形成された溝成形用の環状突出部112とで外筒部102の一部を外径面および内径面から挟み、メインローラ110の回転により外筒部102を接触回転させ、その回転状態の外筒部102にマンドレル111を押し付けて外筒部102を拡径させると共に、内径面に環状溝108を成形するようにしている。
【0010】
ここで、ロールフォーマによって成形される外筒部102の内径面には段105が形成されている。この段105は、第3工程において、円筒状成形品B2 を軸方向に分離する際に必然的に形成される。このため、ローリング成形される外筒部102が外径面に段のない円筒面であると、外筒部102の両端部における厚みの相違によって、外筒部102を良好にローリング成形することができず、品質の良好な外輪素形材107を得ることができない。
【0011】
そこで、外筒部102には、第2工程の型鍛造において、外径面に予め段109を形成して、外筒部102の厚みの均一化を図り、ローリング成形によって品質の優れた外輪素形材が得られるようにしている。
【0012】
なお、第4工程によって形成された内輪素形材106および第5工程によって形成された外輪素形材107は、旋削加工、研削加工、あるいは熱処理等の加工を経て、図9に示す玉軸受7の外輪7aや内輪7bとされる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図7に示す軸受素形材の製造方法においては、ロールフォーマを用いて冷間により外筒部を拡径させる構成であるため、拡径に時間を要すると共に、拡大率を大きくとることができず、また、割れが生じて不良品の発生率が高いという問題がある。
【0014】
この発明の課題は、上記のような軸受素形材の製造過程において形成される外筒部等の筒状体を割れを生じさせることなく所定の寸法まで能率よく拡径させることができるようにした筒状体の拡径方法およびその装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明に係る拡径方法においては、回転軸の先端面に形成された偏心孔内に加熱された筒状体を挿入し、上記回転軸と同軸上に配置され、軸心を中心に回転自在に支持された拡径用ポンチを一方向に回転する上記回転軸に向けて移動し、その拡径用ポンチの先端部に形成されたテーパ軸部を筒状体の内側に挿入して偏心孔の内周一部および底に筒状体を接触させ、その接触により筒状体を回転軸の軸心を中心に回転させた状態で上記拡径用ポンチをさらに圧入して筒状体を拡径させるようにしている。
【0016】
また、この発明に係る拡径装置においては、回転軸を有する固定型と、上記回転軸と同軸上に配置された回転自在の拡径用ポンチを有する可動型とから成り、上記回転軸の拡径用ポンチと対向する先端面に加熱状態の筒状体が挿入される偏心孔を設け、その偏心孔の内周と回転軸の軸心までの最小寸法を拡径後の筒状製品の外径面の半径と同寸法とし、この偏心孔の底に前記ポンチが挿入可能なポンチ挿入孔を設け、上記ポンチには先端側からテーパ軸部と、筒状製品の内径と同径のストレート軸部とを形成し、前記偏心孔にセットされた加熱状態の筒状体内にポンチを圧入して筒状体を偏心孔の内周一部および底との接触により回転軸の軸心を中心に回転させつつ拡径させるようにしている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1乃至図6に基づいて説明する。
【0018】
図1は、この発明に係る拡径装置を採用した軸受素形材の製造方法によって成形される成形品を段階に示すフロー図である。図1(I)に示される柱状素材A0 は、高炭素クロム軸受鋼、肌焼鋼、機械構造用鋼等の硬い材料を素材としている。この柱状素材A0 は、第1工程において軸方向への据込みが熱間により行われる。その据込みによって、図1(II)に示すように、円弧状外周面1を有する円盤状素材A1 が成形される。
【0019】
円盤状素材A1 は、第2工程において型鍛造される。図2は型鍛造を行う成形装置10を示す。成形装置10は固定型11と可動型12とから成る。
【0020】
固定型11は固定盤13を有し、その固定盤13に固定されたダイホルダ14によって、固定盤13側からバッキングプレート15、ガイド筒16およびダイ17が支持されている。
【0021】
ダイ17は、段付き孔18を有する。この段付き孔18の形成を容易とするため、上記ダイ17を第1ダイ17aと第2ダイ17bとで形成している。
【0022】
段付き孔18の大径孔部18aと小径孔部18b間の段19は小径孔部18bに向けて傾斜するテーパ面とされている。小径孔部18bにはノックアウト用のスリーブ20の先端部が挿入されている。
【0023】
スリーブ20は、その後端部に設けられたフランジ21がガイド筒16の内周に沿ってスライド自在に支持され、その後端面に当接するノックアウトピン22の押圧によって軸方向に移動される。スリーブ20は、前記バッキングプレート15の表面に後端が当接する後退位置において、先端がテーパ面から成る段19より少し後退した位置に臨んでいる。
【0024】
スリーブ20の内側にはポンチ23が設けられている。ポンチ23は窪み成形用の突部24を先端に有し、その突部24は後退停止位置に保持されたスリーブ20の先端より前方に突出して小径孔部18b内に臨んでいる。
【0025】
可動型12はダイ17の軸心上に配置されたポンチ25を有する。ポンチ25には、先端側から第1突部26と、その第1突部26より大径の第2突部27とが設けられ、各突出部26、27の外周には抜き勾配が付けられている。また、第2突部27の付根における肩28はダイ17の肩19と同方向に傾斜するテーパ面とされている。
【0026】
図1(II)に示す円盤状素材A1 は、図2(I)に示すように、ダイ17の表面側にセットされ、可動型12の固定型11に向けての移動により熱間成形される。
【0027】
図2(II)はその成形状態を示し、円盤状素材A1 はダイ17の段付き孔18によって外径が成形されると共に、固定型11におけるポンチ23の突部24および可動型12におけるポンチ25の第1突部26と第2突部27によって内径が成形され、段付きの円筒状成形品A2 が形成される。
【0028】
円筒状成形品A2 は、可動型12の後退後、スリーブ20の軸方向の移動によって固定型11のダイ17から取り出される。
【0029】
図1(III )は、成形装置10から取り出された円筒状成形品A2 を示す。この円筒状成形品A2 は、外筒部R1 と、その外筒部R1 に対して軸方向に位置がずれ、端部が外筒部R1 の端面から外方に突出する内筒部R2 とを有し、上記外筒部R1 の両端には同方向に傾斜するテーパ面2a、2bが設けられている。また、外筒部R1 には軸方向の全体にわたって同一径の円筒状外径面3aと、ポンチ25の抜き勾配に相当するテーパ状内径面3bとが設けられている。
【0030】
一方、内筒部R2 の外径は外筒部R1 の小径側内端の内径と略同径とされ、内部には底4が設けられている。
【0031】
上記円筒状成形品A2 は、次に図3に示す分離・打抜き装置30にセットされ、その分離・打抜き装置30によって外筒部R1 と内筒部R2 の分離と内筒部R2 の底4の打抜きとが熱間において同時に行われる。
【0032】
分離・打抜き装置30は、固定型31と可動型32とから成る。固定型31は固定盤33を有し、その固定盤33に固定されたダイホルダ34によって、固定盤33側からガイド筒35と、ダイ36とが支持されている。
【0033】
ダイ36はセット孔37を有し、そのセット孔37の内径は円筒状成形品A2 の外筒部R1 がほぼぴったりと嵌り込む大きさとされている。
【0034】
ガイド筒35の内側にはノックアウト用のスリーブ38が軸方向にスライド自在に挿入されている。このスリーブ38はその後端面に当接したノックアウトピン39の押圧によって軸方向に移動され、ダイ36のセット孔37内に残される外筒部R1 をダイ36から押し出すようになっている。
【0035】
スリーブ38内に挿入された分離用固定ポンチ40は前記ガイド筒35により軸方向に非可動に支持されて先端面がダイ36の表面と略同一位置に保持されている。分離用固定ポンチ40の先端部の外径は円筒状成形品A2 の外筒部R1 内にほぼぴったりと嵌り合う大きさとされている。また、分離用固定ポンチ40の内径は、円筒状成形品A2 の内筒部R2 の内径より大きくされており、内筒部R2 から打抜かれる底4を固定盤33に形成されたスクラップ排出孔41に誘導可能とされている。
【0036】
可動型32は、筒状のポンチホルダ42を有し、そのポンチホルダ42内に筒状の分離用可動ポンチ43の後端部が挿入されている。分離用可動ポンチ43は後端部にフランジ44を有し、そのフランジ44はポンチホルダ42の先端部に設けられたフランジ45と、そのポンチホルダ42内に組込まれたガイド筒46の先端によって軸方向に移動するのが防止されている。
【0037】
分離用可動ポンチ43は、固定型31における分離用固定ポンチ40と同心状に保持されている。この分離用可動ポンチ43の外径は固定型31におけるダイ36のセット孔37の内径より小径とされている。また、分離用可動ポンチ43の内径は、固定型31における分離用固定ポンチ40の先端部の外径と略同径とされ、可動型32の前進時に先端が分離用固定ポンチ40の先端部外側に嵌合するようになっている。
【0038】
ガイド筒46の内側にはノックアウト用のスリーブ47の後端部が挿入されており、そのスリーブ47の先端部は分離用可動ポンチ43内にスライド自在に挿入されている。スリーブ47は後端に当接するノックアウトピン48の押圧により前進して分離用可動ポンチ43内に残される内筒部R2 を、その分離用可動ポンチ43の先端部に押し出すようになっている。
【0039】
スリーブ47の内側には底打抜き用の打抜きポンチ49が設けられている。打抜きポンチ49は軸方向に非可動の支持とされ、先端は分離用可動ポンチ43の先端と略同一位置に保持されている。打抜きポンチ49の先端部の外径は円筒状成形品A2 の内筒部R2 の内径と略同径とされている。この打抜きポンチ49の外周にはスリーブ47の後退動を制限する段50が形成されている。
【0040】
円筒状成形品A2 は、ダイ36のセット孔37と分離用固定ポンチ40の先端部間に外筒部R1 の端部が嵌合するようセットされる。
【0041】
円筒状成形品A2 のセット後に可動型32を固定型31に向けて移動させると、可動型32における分離用可動ポンチ43が外筒部R1 の端面2bを軸方向に押圧し、その分離用可動ポンチ43と分離用固定ポンチ40によって外筒部R1 は、図3(II)に示すように、内筒部R2 から切り離されてダイ36のセット孔37内に押し込まれる。
【0042】
また、外筒部R1 と内筒部R2 の分離が行われる少し前の段階で内筒部R2 の底4は打抜きポンチ49によって打抜かれて分離用固定ポンチ40内に押し出される。分離用固定ポンチ40内に押し出された底4は、その分離用固定ポンチ40内に順次押し出される底4により押されてスクラップ排出孔41から落下排出される。
【0043】
一方、分離された内筒部R2 は可動型32の後退により下方に取り出され、軸受内輪用素形材として使用される。また、ダイ36のセット孔37内に残る筒状体としての外筒部R1 は、スリーブ38の前進動によりダイ36から取り出される。
【0044】
図1(IV)は、分離・打抜き装置30から取り出された外筒部R1 、内筒部R2 および底4を示す。外筒部R1 は次に図4に示す拡径装置60により、熱間において拡径される。
【0045】
拡径装置60は、固定型61と可動型62とから成り、両型61、62間にはストリッパプレート63が定位置に配置され、そのストリッパプレート63に筒状のストリッパ64が取付けられている。
【0046】
固定型61はハウジングホルダ65を有し、そのハウジングホルダ65に非回転に支持された軸受ハウジング66は軸方向に分割されている。
【0047】
軸受ハウジング66には複数の軸受67が取付けられ、その軸受67によって回転自在に支持された回転軸68は図示省略した駆動装置によって一方向に回転される。
【0048】
回転軸68の先端面には、その回転軸68の軸心に対する偏心位置に中心をもつ偏心孔69が形成され、その偏心孔69の内周と回転軸68の軸心までの最小寸法Lは、製品となる外輪素形材の外径面の半径と同径とされている。
【0049】
偏心孔69の底70にはポンチ挿入孔71が形成され、そのポンチ挿入孔71は回転軸68の軸心上に配置されている。
【0050】
可動型62は、ホルダプレート72を有し、そのホルダプレート72に筒状のポンチホルダ73が取付けられている。ポンチホルダ73内には複数の軸受74が取付けられ、その軸受74によって拡径用ポンチ75の後端部が回転自在に支持されている。
【0051】
拡径用ポンチ75は前記回転軸68と同軸上に配置され、前記ストリッパ64内に沿って移動し得るようになっている。また、拡径用ポンチ75には先端からテーパ軸部76とストレート軸部77とが形成され、そのストレート軸部77の外径は、製品となる外輪素形材の内径と同径とされている。
【0052】
筒状体としての外筒部R1は、加熱状態において図4(I)に示すように、偏心孔69内にセットされ、底70により支持されている。そのセット状態において、可動型62を固定型61に向けて移動させると、拡径用ポンチ75のテーパ軸部76が外筒部R1内に侵入し、そのテーパ軸部76によって外筒部R1は偏心孔69の内周一部および底70に押し付けられる。
【0053】
このとき、回転軸68は回転状態にあるため、外筒部R1は偏心孔69の内周一部および底70との接触により回転軸68の軸心を中心に回転すると共に拡径用ポンチ75も回転する。その回転状態の外筒部R1内にテーパ軸部76が圧入されると共に、そのテーパ軸部76に続くストレート軸部77が圧入され、外筒部R1は拡径されて、図4(III)に示すように、外輪素形材R3が形成される。
【0054】
外輪素形材R3 は、可動型62の後退時に拡径用ポンチ75と共に後退し、拡径用ポンチ75がストリッパ64から抜け出る位置まで後退すると、そのストリッパ64に対する当接によって拡径用ポンチ75から排出される。図1(V)は排出された外輪素形材R3 を示す。
【0055】
上記のように、外筒部R1回転軸68の軸心を中心に回転させた状態で拡径用ポンチ75を圧入して熱間により拡径することにより、外筒部R1をきわめて効果的に無理なく拡径することができ、外筒部R1に割れを生じさせることがなく、良好な外輪素形材R3を能率良く生産することができる。
【0056】
ここで、外筒部R2 を拡径用ポンチ75の圧入によって拡径させるとき、外筒部R1 の内径部は拡径用ポンチ75との接触によって軸方向にずれが生じ易く、上記外筒部R2 の端面が平坦であると、拡径された外輪素形材R3 の端面はテーパ面に形成されるおそれがある。
【0057】
しかし、外筒部R1 の両端面2a、2bは、図2に示す成形装置10によって予め逆方向のテーパ面とされているため、このテーパ面は外筒部R1 の拡径時に平坦面とされる。このため、両端面の平行度の優れた外輪素形材R3 を形成することができる。
【0058】
実施の形態では、説明の都合上、成形装置10、分離・打抜き装置30および拡径装置60のそれぞれを独立した状態で説明したが、これらの各装置10、30、60の固定型11、31、61は多段送り型鍛造機の固定ブロックによって支持されていると共に、可動型12、32、62は共通のプレススライドに支持されて同時に移動されるようになっており、熱間により据込まれた円盤状素材A1 は、成形装置10、分離・打抜き装置30および拡径装置60のそれぞれに順送りされて成形、分離・打抜きおよび拡径の処理が熱間により連続して行われる。また、成形装置10から分離・打抜き装置30に成形品A2 が送られるとき、その成形品A2 は反転される。
【0059】
このように、円盤状素材A1 を成形装置10により外筒部R1 と内筒部R2 を有する段付きの円筒状素材A1 を成形し、この円筒状素材A1 を分離・打抜き装置30によって外筒部R1 と内筒部R2 を分離すると同時に底4を抜き、分離後の外筒部R1 を拡径装置60により拡径するようにしたので、内輪素形材R2 および外輪素形材R3 をきわめて能率よく製造することができると共に、従来の技術の項で述べた冷間ローリング加工を行うロールフォーマを不要とすることができ、コスト的にきわめて有利である。
【0060】
また、外輪素形材の製造において、従来のローリング成形のような溝付き成形はできないが、溝成形加工量は比較的少ないので、後の切削工程で容易に加工でき、トータルとして外輪の生産性を高めることができる。
【0061】
図2に示す成形装置10において、ダイ17に形成された段付き孔18の小径孔部18bの内径面およびポンチ25に形成された第2突部27の外径面をそれぞれ同方向に傾斜するテーパ面とすることにより、図5(I)に示すように、外筒部R1 の内径面5aおよび内筒部R2 の外径面5bがそれぞれテーパ面とされた段付きの円筒状成形品A3 が得られる。この円筒状成形品A3 を図3に示す分離・打抜き装置30によって図5(I)の鎖線で示す位置から分離し、同時に内筒部R2 の底4を打抜くことにより、図5(II)に示すように、テーパ状内径面5aを有する外筒部R1 およびテーパ状外径面5bを有する内筒部R2 を得ることができ、内筒部R2 は図6に示す円錐ころ軸受6の内輪6bの素形材として使用することができる。
【0062】
また、外筒部R1 を拡径することにより、その外筒部R1 を円錐ころ軸受6の外輪6aの素形材として使用することができる。
【0063】
ここで、外筒部R1 の拡径に際しては、図4に示す拡径装置60の移動型62におけるポンチ75の先端部に外輪素形材のテーパ状内径面5aに対応するテーパ軸部を設け、そのテーパ軸部を外筒部R1 内に圧入して外筒分R1 を拡径する。
【0064】
実施の形態においては、外輪素形材R3 を形成する外筒部R1 の拡径を例にとって説明したが、拡径しようとする筒状体はこれに限定されるものではない。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、加熱された筒状体を偏心回転させ、その回転状態の筒状体内に拡径用ポンチを圧入して筒状体を拡径させるようにしたので、筒状体を割れを生じさせることなく能率よく拡径することができ、軸受素形材を形成する多段送り型鍛造機への組付けにおいて、軸受素形材の生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(I)乃至(V)は、この発明に係る拡径装置を採用した軸受素形材の製造方法により成形される成形品を段階的に示すフロー図
【図2】(I)は成形装置の断面図、(II)は成形状態を示す断面図
【図3】(I)は分離・打抜き装置の断面図、(II)は成形状態を示す断面図
【図4】(I)は拡径装置の断面図、(II)は(I)のIV−IV線に沿った断面図、(III )は成形状態を示す断面図
【図5】(I)は同上の段付き円筒状成形品の他の例を示す断面図、(II)はその円筒状成形品の分離状態を示す断面図
【図6】円すいころ軸受の断面図
【図7】従来の軸受素形材の製造方法によって成形される成形品を段階的に示すフロー図
【図8】ロールフォーマを示す平面図
【図9】玉軸受の断面図
【符号の説明】
61 固定型
62 可動型
68 回転軸
69 偏心孔
70 底
71 ポンチ挿入孔
75 拡径用ポンチ
76 テーパ軸部

Claims (2)

  1. 回転軸の先端面に形成された偏心孔内に加熱された筒状体を挿入し、上記回転軸と同軸上に配置され、軸心を中心に回転自在に支持された拡径用ポンチを一方向に回転する上記回転軸に向けて移動し、その拡径用ポンチの先端部に形成されたテーパ軸部を筒状体の内側に挿入して偏心孔の内周一部および底に筒状体を接触させ、その接触により筒状体を回転軸の軸心を中心に回転させた状態で上記拡径用ポンチをさらに圧入して筒状体を拡径させる筒状体の拡径方法。
  2. 回転軸を有する固定型と、上記回転軸と同軸上に配置された回転自在の拡径用ポンチを有する可動型とから成り、上記回転軸の拡径用ポンチと対向する先端面に加熱状態の筒状体が挿入される偏心孔を設け、その偏心孔の内周と回転軸の軸心までの最小寸法を拡径後の筒状製品の外径面の半径と同寸法とし、この偏心孔の底に前記ポンチが挿入可能なポンチ挿入孔を設け、上記ポンチには先端側からテーパ軸部と、筒状製品の内径と同径のストレート軸部とを形成し、前記偏心孔にセットされた加熱状態の筒状体内にポンチを圧入して筒状体を偏心孔の内周一部および底との接触により回転軸の軸心を中心に回転させつつ拡径させることを特徴とする筒状体の拡径装置。
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