JP3720565B2 - 軸受素形材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、1つの素材から軸受の外輪および内輪の2つの軌道輪素形材を形成する軸受素形材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
軸受の外輪および内輪の形成用素材となる軸受素形材を1つの素材から形成する方法の1つとして図8に示したものが従来から知られている。この軸受素形材の製造方法は、下記の第1工程乃至第5工程から成る。
第1工程;図8(I)に示す柱状素材B0 を熱間により軸方向に据込んで図8(II)に示すように、円弧状外周面101を有する円盤状素材B1 を形成する。
第2工程;円盤状素材B1 を型鍛造により、図8(III )に示す段付きの円筒状成形品B2 を形成する。ここで、円筒状成形品B2 は、外筒部102内において内筒部103の端部が一体化され、その内筒部103内に底104が設けられている。
第3工程;円筒状成形品B2 を図8(III )に示す鎖線位置に沿って軸方向に切り離し、図8(IV)に示すように、外筒部102と底付きの内筒部103とに分離する。
第4工程;底付き内筒部103を打抜き装置によって、図8(V)に示すように、底104を打抜き、内輪素形材106を形成する。
第5工程;外筒部102をローリング成形により拡径すると共に、内径面に環状溝108を成形して、図8(VI)に示すように外輪素形材107を形成する。
【0003】
第1工程の据込みから第4工程の分離までの処理は、多段送り型の鍛造機によって熱間により連続的に処理され、その処理後において外筒部102および内筒部103が鍛造機から取り出される。一方、第5工程の拡径は、図9に示すロールフォーマにより冷間によって成形される。
【0004】
ロールフォーマは、溝を有するメインローラ110とマンドレル111に形成された溝成形用の環状突出部112とで外筒部102の一部を外径面および内径面から挟み、メインローラ110の回転により外筒部102を接触回転させ、その回転状態の外筒部102にマンドレル111を押し付けて外筒部102を拡径させると共に、内径面に環状溝108を成形するようにしている。
【0005】
ここで、ロールフォーマによって成形される外筒部102の内径面には段105が形成されている。この段105は、第3工程において、円筒状成形品B2 を軸方向に切断する際に必然的に形成される。このため、ローリング成形される外筒部102が外径面に段のない円筒面であると、外筒部102の両端部における厚みの相違によって、外筒部102を良好にローリング成形することができず、品質の良好な外輪素形材107を得ることができない。
【0006】
そこで、外筒部102には、第2工程の型鍛造において、外径面に予め段109を形成して、外筒部102の厚みの均一化を図り、ローリング成形によって品質の優れた外輪素形材が得られるようにしている。
【0007】
なお、第4工程によって形成された内輪素形材106および第5工程によって形成された外輪素形材107は、旋削加工、切削加工、あるいは熱処理等の加工を経て、図10に示す玉軸受7の外輪7aや内輪7bとされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図8に示す軸受素形材の製造方法においては、上記のように、第1工程乃至第4工程を行う多段送り型鍛造機の他に、第5工程の冷間ローリング成形を行うロールフォーマを別設備として備え付ける必要があるため、設備コストが高くつくという問題がある。
【0009】
また、外輪素形材を得るために第1工程乃至第5工程の5つの工程が必要があり、しかも、第5工程のローリング成形は冷間によるため、生産性が低いという問題もある。
【0010】
この発明の課題は、一台の多段送り型鍛造機によって軸受素形材が得られるようにして、設備コストの低減と生産性の向上を図ることができる製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、円弧状外周面を有する円盤状素材を型鍛造して、外筒部内の端部において底付きの内筒部の端部が一体化された段付きの円筒状成形品を成形する鍛造工程と、その円筒状成形品を外筒部と内筒部の境界位置から切断して、外筒部と内筒部に分離すると同時に内筒部の底を打抜く分離・打抜き工程と、その分離・打抜き工程によって得られた外筒部を所定の寸法に拡径する拡径工程とから成り、前記鍛造工程によって成形された円筒状成形品を分離・打抜き工程に搬送する際に、その円筒状成形品を外筒部上に内筒部が位置するよう向きを反転し、下側に位置する外筒部の下端部内周面および内筒部の下面を支持する状態で外筒部と内筒部の分離および底の打抜きを行なうようにし、前記鍛造工程から拡径工程までの各工程を熱間により連続的に処理する構成を採用している。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1乃至図7に基づいて説明する。
【0014】
図1は、この発明に係る軸受素形材の製造方法によって成形される成形品を段階的に示すフロー図である。図1(I)に示される柱状素材A0 は、高炭素クロム軸受鋼、肌焼鋼、機械構造用鋼等の硬い材料を素材としている。この柱状素材A0 は、第1工程において軸方向への据込みが熱間により行われる。その据込みによって、図1(II)に示すように、円弧状外周面1を有する円盤状素材A1 が成形される。
【0015】
円盤状素材A1 は、第2工程において型鍛造される。図2は型鍛造を行う成形装置10を示す。成形装置10は固定型11と可動型12とから成る。
【0016】
固定型11は固定盤13を有し、その固定盤13に固定されたダイホルダ14によって、固定盤13側からバッキングプレート15、ガイド筒16およびダイ17が支持されている。
【0017】
ダイ17は、段付き孔18を有する。この段付き孔18の形成を容易とするため、上記ダイ17を第1ダイ17aと第2ダイ17bとで形成している。
【0018】
段付き孔18の大径孔部18aと小径孔部18b間の段19は小径孔部18bに向けて傾斜するテーパ面とされている。小径孔部18bにはノックアウト用のスリーブ20の先端部が挿入されている。
【0019】
スリーブ20は、その後端部に設けられたフランジ21がガイド筒16の内周に沿ってスライド自在に支持され、その後端面に当接するノックアウトピン22の押圧によって軸方向に移動される。スリーブ20は、前記バッキングプレート15の表面に後端が当接する後退位置において、先端がテーパ面から成る段19より少し後退した位置に臨んでいる。
【0020】
スリーブ20の内側にはポンチ23が設けられている。ポンチ23は窪み成形用の突部24を先端に有し、その突部24は後退停止位置に保持されたスリーブ20の先端より前方に突出して小径孔部18b内に臨んでいる。
【0021】
可動型12はダイ17の軸心上に配置されたポンチ25を有する。ポンチ25には、先端側から第1突部26と、その第1突部26より大径の第2突部27とが設けられ、各突出部26、27の外周には抜き勾配が付けられている。また、第2突部27の付根における肩28はダイ17の段19と同方向に傾斜するテーパ面とされている。
【0022】
図1(II)に示す円盤状素材A1 は、図2(I)に示すように、ダイ17の表面側にセットされ、可動型12の固定型11に向けての移動により熱間成形される。
【0023】
図2(II)はその成形状態を示し、円盤状素材A1 はダイ17の段付き孔18によって外径が成形されると共に、固定型11におけるポンチ23の突部24および可動型12におけるポンチ25の第1突部26と第2突部27によって内径が成形され、段付きの円筒状成形品A2 が形成される。
【0024】
円筒状成形品A2 は、可動型12の後退後、スリーブ20の軸方向の移動によって固定型11のダイ17から取り出される。
【0025】
図1(III )は、成形装置10から取り出された円筒状成形品A2 を示す。この円筒状成形品A2 は、外筒部R1 と、その外筒部R1 に対して軸方向に位置がずれ、端部が外筒部R1 の端面から外方に突出する内筒部R2 とを有し、上記外筒部R1 の両端には同方向に傾斜するテーパ面2a、2bが設けられている。また、外筒部R1 には軸方向の全体にわたって同一径の円筒状外径面3aと、ポンチ25の抜き勾配に相当するテーパ状内径面3bとが設けられている。
【0026】
一方、内筒部R2 の外径は外筒部R1 の小径側内端の内径と略同径とされ、内部には底4が設けられている。
【0027】
上記円筒状成形品A2 は、次に図3に示す分離・打抜き装置30にセットされ、その分離・打抜き装置30によって外筒部R1 と内筒部R2 の分離と内筒部R2 の底4の打抜きとが熱間において同時に行われる。
【0028】
分離・打抜き装置30は、固定型31と可動型32とから成る。固定型31は固定盤33を有し、その固定盤33に固定されたダイホルダ34によって、固定盤33側からガイド筒35と、ダイ36とが支持されている。
【0029】
ダイ36はセット孔37を有し、そのセット孔37の内径は円筒状成形品A2 の外筒部R1 がほぼぴったりと嵌り込む大きさとされている。
【0030】
ガイド筒35の内側にはノックアウト用のスリーブ38が軸方向にスライド自在に挿入されている。このスリーブ38はその後端面に当接したノックアウトピン39の押圧によって軸方向に移動され、ダイ36のセット孔37内に残される外筒部R1 をダイ36から押し出すようになっている。
【0031】
スリーブ38内に挿入された分離用固定ポンチ40は前記ガイド筒35により軸方向に非可動に支持されて先端面がダイ36の表面と略同一位置に保持されている。分離用固定ポンチ40の先端部の外径は円筒状成形品A2 の外筒部R1 内にほぼぴったりと嵌り合う大きさとされている。また、分離用固定ポンチ40の内径は、円筒状成形品A2 の内筒部R2 の内径より大きくされており、内筒部R2 から打抜かれる底4を固定盤33に形成されたスクラップ排出孔41に誘導可能とされている。
【0032】
可動型32は、筒状のポンチホルダ42を有し、そのポンチホルダ42内に筒状の分離用可動ポンチ43の後端部が挿入されている。分離用可動ポンチ43は後端部にフランジ44を有し、そのフランジ44はポンチホルダ42の先端部に設けられたフランジ45と、そのポンチホルダ42内に組込まれたガイド筒46の先端によって軸方向に移動するのが防止されている。
【0033】
分離用可動ポンチ43は、固定型31における分離用固定ポンチ40と同心状に保持されている。この分離用可動ポンチ43の外径は固定型31におけるダイ36のセット孔37の内径より小径とされている。また、分離用可動ポンチ43の内径は、固定型31における分離用固定ポンチ40の先端部の外径と略同径とされ、可動型32の前進時に先端が分離用固定ポンチ40の先端部外側に嵌合するようになっている。
【0034】
ガイド筒46の内側にはノックアウト用のスリーブ47の後端部が挿入されており、そのスリーブ47の先端部は分離用可動ポンチ43内にスライド自在に挿入されている。スリーブ47は後端に当接するノックアウトピン48の押圧により前進して分離用可動ポンチ43内に残される内筒部R2 を、その分離用可動ポンチ43の先端部に押し出すようになっている。
【0035】
スリーブ47の内側には底打抜き用の打抜きポンチ49が設けられている。打抜きポンチ49は軸方向に非可動の支持とされ、先端は分離用可動ポンチ43の先端と略同一位置に保持されている。打抜きポンチ49の先端部の外径は円筒状成形品A2 の内筒部R2 の内径と略同径とされている。この打抜きポンチ49の外周にはスリーブ47の後退動を制限する段50が形成されている。
【0036】
円筒状成形品A2 は、ダイ36のセット孔37と分離用固定ポンチ40の先端部間に外筒部R1 の端部が嵌合するようセットされる。
【0037】
円筒状成形品A2 のセット後に可動型32を固定型31に向けて移動させると、可動型32における分離用可動ポンチ43が外筒部R1 の端面2bを軸方向に押圧し、その分離用可動ポンチ43と分離用固定ポンチ40によって外筒部R1 は、図3(II)に示すように、内筒部R2 から切り離されてダイ36のセット孔37内に押し込まれる。
【0038】
また、外筒部R1 と内筒部R2 の分離が行われる少し前の段階で内筒部R2 の底4は打抜きポンチ49によって打抜かれて分離用固定ポンチ40内に押し出される。分離用固定ポンチ40内に押し出された底4は、その分離用固定ポンチ40内に順次押し出される底4により押されてスクラップ排出孔41から落下排出される。
【0039】
一方、分離された内筒部R2 は可動型32の後退により下方に取り出され、軸受内輪用素形材として使用される。また、ダイ36のセット孔37内に残る外筒部R1 は、スリーブ38の前進動によりダイ36から取り出される。
【0040】
図1(IV)は、分離・打抜き装置30から取り出された外筒部R1 、内筒部R2 および底4を示す。外筒部R1 は次に図4に示す拡径装置60により、熱間において拡径される。
【0041】
拡径装置60は、固定型61と可動型62とから成り、両型61、62間にはストリッパプレート63が定位置に配置され、そのストリッパプレート63に筒状のストリッパ64が取付けられている。
【0042】
固定型61はダイホルダ65を有し、そのダイホルダ65に形成されたダイ嵌合孔66にダイ67が取付けられている。ダイ67には外筒部R1 の拡径量を制限する成形孔68の底に、その成形孔68より小径のポンチ挿入孔69が形成されている。成形孔68の内径は、製品となる外輪素形材の外径と同径とされている。
【0043】
可動型62は、ダイ67と同軸上に保持された拡径用ポンチ70を有し、この拡径用ポンチ70は前記ストリッパ64内に挿入されている。
【0044】
ポンチ70はストレート軸部71と、その先端に設けられたテーパ軸部72とを有し、上記ストレート軸部71の外径は製品となる外輪素形材の内径と同径とされている。
【0045】
外筒部R1 は図4(I)に示すように、ダイ67の成形孔68内にセットされる。そのセット状態において、可動型62を固定型61に向けて移動させると、拡径用ポンチ70のテーパ軸部72が外筒部R1 内に侵入し、その侵入により外筒部R1 の内径面がしごき加工されて拡径される。ポンチ70はテーパ軸部72に続くストレート軸部71が外筒部R1 内に侵入する位置まで移動し、上記ストレート軸部71によって外筒部R1 の内径は所定の寸法とされると共に、外径面はダイ67の成形孔68により拡径量が制限され、その成形孔68によって外径は所定の寸法とされ、図4(II)に示すように、外輪素形材R3 が形成される。
【0046】
外輪素形材R3 は、可動型62の後退時に拡径用ポンチ70と共に後退し、上記拡径用ポンチ70がストリッパ64から抜け出る位置まで後退すると、そのストリッパ64に対する当接によって拡径用ポンチ70から排出される。図1(V)は排出された外輪素形材R3 を示す。
【0047】
ここで、外筒部R1 を拡径用ポンチ70の侵入によって拡径させるとき、外筒部R1 の内径部は拡径用ポンチ70との接触によって軸方向にずれが生じ易く、上記外筒部R1 の端面が平坦であると、拡径された外輪素形材R3 の端面はテーパ面に形成されるおそれがある。
【0048】
しかし、外筒部R1 の両端面2a、2bは、図2に示す成形装置10によって予め逆方向のテーパ面とされているため、このテーパ面は外筒部R1 の拡径時に平坦面とされる。このため、両端面の平行度の優れた外輪素形材R3 を形成することができる。
【0049】
実施の形態では、説明の都合上、成形装置10、分離・打抜き装置30および拡径装置60のそれぞれを独立した状態で説明したが、これらの各装置10、30、60の固定型11、31、61は多段送り型鍛造機の固定ブロックによって支持されていると共に、可動型12、32、62は共通のプレススライドに支持されて同時に移動されるようになっており、熱間により据込まれた円盤状素材A1 は、成形装置10、分離・打抜き装置30および拡径装置60のそれぞれに順送りされて成形、分離・打抜きおよび拡径の処理が熱間により連続して行われる。また、成形装置10から分離・打抜き装置30に成形品A2 が送られるとき、その成形品A2 は外筒部R1 と内筒部R2 の向きが反転される。
【0050】
このように、円盤状素材A1 を成形装置10により外筒部R1 と内筒部R2 を有する段付きの円筒状成形品A2 を成形し、この円筒状成形品A2 を分離・打抜き装置30によって外筒部R1 と内筒部R2 を分離すると同時に底4を抜き、分離後の外筒部R1 を拡径装置60により拡径するようにしたので、内輪素形材R2 および外輪素形材R3 をきわめて能率よく製造することができると共に、従来の技術の項で述べた冷間ローリング加工を行うロールフォーマを不要とすることができ、コスト的にきわめて有利である。
【0051】
また、外輪素形材の製造において、従来のローリング成形のような溝付き成形はできないが、溝成形加工量は比較的少ないので、後の旋削工程で容易に加工でき、トータルとして外輪の生産性を高めることができる。
【0052】
図5は拡径装置60の他の例を示す。この拡径装置60は、ホルダ80に支持された軸受ハウジング81にラジアル軸受82およびスラスト軸受83を取付け、その各軸受82、83によって回転自在に支持された回転軸84に偏心孔85と、その偏心孔85の底面にポンチ挿入孔86とを設け、一方、可動型87には回転軸84の回転軸心上にポンチ88を設けて回転自在に支持している。
【0053】
外筒部R1 の拡径に際しては、その外筒部R1 を偏心孔85内にセットして回転軸84を回転し、外筒部R1 の内側にポンチ88のテーパ軸部89を挿入して外筒部R1 およびポンチ88を回転軸84との接触により回転させ、その回転する外筒部R1 内にポンチ88のテーパ軸部89からストレート軸部90を挿入して外筒部R1 を拡径する。
【0054】
上記のように、外筒部R1 を回転させつつポンチ88によって拡径することにより、外筒部R1 を無理なく拡径させることができ、外筒部R1 に亀裂が発生するのを防止することができる。
【0055】
図2に示す成形装置10において、ダイ17に形成された段付き孔18の小径孔部18bの内径面およびポンチ25に形成された第2突部27の外径面をそれぞれ同方向に傾斜するテーパ面とすることにより、図6(I)に示すように、外筒部R1 の内径面5aおよび内筒部R2 の外径面5bがそれぞれテーパ面とされた段付きの円筒状成形品A3 が得られる。この円筒状成形品A3 を図3に示す分離・打抜き装置30によって図6(I)の鎖線で示す位置から分離し、同時に内筒部R2 の底4を打抜くことにより、図6(II)に示すように、テーパ状内径面5aを有する外筒部R1 およびテーパ状外径面5bを有する内筒部R2 を得ることができ、内筒部R2 は図7に示す円錐ころ軸受6の内輪6bの素形材として使用することができる。
【0056】
また、外筒部R1 を拡径することにより、その外筒部R1 を円錐ころ軸受6の外輪6aの素形材として使用することができる。
【0057】
ここで、外筒部R1 の拡径に際しては、図4および図5に示す拡径装置60の可動型62におけるポンチ70、88の先端部にテーパ軸部を設け、そのテーパ軸部を外筒部R1 内に圧入する。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、鍛造工程において成形された段付きの円筒状成形品を分離・打抜き工程において外筒部と内筒部の分離と底の打抜きとを同時に行うようにし、外筒部を拡径装置により拡径させ、鍛造、分離・打抜きおよび拡径のそれぞれの工程を熱間により連続して行うようにしたので軸受素形材をきわめて能率よく製造することができる。
【0059】
また、従来必要であった冷間ローリングを行うロールフォーマを不要とすることができるので、製造設備を簡素化することができ、コスト的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(I)乃至(V)は、この発明に係る軸受素形材の製造方法によって成形される成形品を段階的に示すフロー図
【図2】(I)は成形装置の断面図、(II)は成形状態を示す断面図
【図3】(I)は分離・打抜き装置の断面図、(II)はその作動状態を示す断面図
【図4】(I)は拡径装置の断面図、(II)はその作動状態を示す断面図
【図5】(I)は拡径装置の他の例を示す断面図、(II)は(I)の横断平面図
【図6】(I)は同上の段付き円筒状成形品の他の例を示す断面図、(II)はその円筒状成形品の分離状態を示す断面図
【図7】円すいころ軸受の断面図
【図8】従来の軸受素形材の製造方法によって成形される成形品を段階的に示すフロー図
【図9】ロールフォーマを示す平面図
【図10】玉軸受の断面図
【符号の説明】
1 円盤状素材
1 外筒部
2 内筒部
4 底

Claims (1)

  1. 円弧状外周面を有する円盤状素材を型鍛造して、外筒部内の端部において底付きの内筒部の端部が一体化された段付きの円筒状成形品を成形する鍛造工程と、その円筒状成形品を外筒部と内筒部の境界位置から切断して、外筒部と内筒部に分離すると同時に内筒部の底を打抜く分離・打抜き工程と、その分離・打抜き工程によって得られた外筒部を所定の寸法に拡径する拡径工程とから成り、前記鍛造工程によって成形された円筒状成形品を分離・打抜き工程に搬送する際に、その円筒状成形品を外筒部上に内筒部が位置するよう向きを反転し、下側に位置する外筒部の下端部内周面および内筒部の下面を支持する状態で外筒部と内筒部の分離および底の打抜きを行なうようにし、前記鍛造工程から拡径工程までの各工程を熱間により連続的に処理する軸受素形材の製造方法。
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