JP4281118B2 - 電池用バインダー組成物、電池電極用スラリー、リチウム二次電池用電極およびリチウム二次電池 - Google Patents

電池用バインダー組成物、電池電極用スラリー、リチウム二次電池用電極およびリチウム二次電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は二次電池用バインダーおよびその利用に関し、さらに詳しくはラテックスを用いた電池用バインダー組成物、当該バインダー組成物を用いて得られる電池用スラリー、電極およびリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池の電極は、通常、電池用バインダー(以下、単にバインダーということがある)を溶媒に溶解させたり、分散媒に分散させてバインダー組成物となし、このバインダー組成物に活物質を混合した電池電極用スラリー(以下、スラリーという場合がある)を集電体に塗布し、溶媒や分散媒を乾燥などの方法で除去して、集電体に活物質を結着させると共に、活物質同士を結着させて製造される。
電池の容量は、活物質の種類や量、電解液の種類や量などの複数の要因によって決まるが、バインダーの性能も重要な一つの要因となる。バインダーが十分な量の活物質を集電体に結着でき、かつ活物質同士を結着できないと容量の大きな電池が得られず、また、充放電を繰り返すことによってバインダーの結着力が低下すると、集電体から活物質が脱落し、電池の容量が低下する。この時、バインダーが活物質の反応を妨げると電池の容量が低下してしまうためバインダーは容量を低下させないものでなければならない。
すなわち、バインダーには集電体と活物質及び活物質同士の強い結着性と、充放電の繰り返しによっても活物質の体積変動によって集電体から活物質が脱落したり、活物質同士が脱落しないような結着持続性が要求され、電池の容量とサイクル特性を向上させることが望まれている。
【0003】
ところで、こうしたバインダーの性能は、バインダー組成物の溶媒や分散媒の違いによっても大きく異なる。例えば、リチウム二次電池のバインダーとして工業的に多用されているのは、ポリビニリデンフルオライド系重合体(以下、PVDFという)であり、これをN−メチルピロリドン(以下、NMPという)などに溶解してバインダー組成物としたのち、活物質を混合してスラリーとし、集電体に塗布、乾燥して電極を形成している。これによって、PVDFに活物質同士や活物質と集電体との結着性および結着持続性といったバインダー性能を工業的な製造に耐える程度に発現させることに成功している。しかし、このPVDFを微粉末状で水に分散させたバインダー組成物を用いた場合、集電体と活物質との結着性が必ずしも十分ではない上に、充放電の繰り返しによる活物質の体積変動によって活物質が脱落する(結着力不足)という結着持続性に大きな問題がある。
これはPVDFの水分散物を用いた場合、スラリー中でのPVDF微粉末の均一分散性が不十分であることも考えられるが、主たる原因はPVDFのNMP溶液には、PVDFおよびNMP以外の添加物はほとんど存在しないのに対して、PVDFの水分散物では、比重1.0の水に比重1.7〜1.8のPVDFを分散させるために配合された各種の分散剤等の添加剤の影響によるところが大きいと考えられる。
【0004】
こうしたことから、現在リチウム二次電池の多くはPVDFのNMP溶液をバインダー組成物としたスラリーを用いて工業的に製造されている。しかし、PVDFをバインダーとした場合には、活物質に対するバインダー量が多い、集電体と活物質との結着性が悪い、生産性が悪い(コスト高)といった問題が残されている。
【0005】
また、ラテックスをバインダー組成物に使用すること(例えば、特開平5−21068号公報、特開平5−74461号公報など)が提案されている。しかしながら、公知の方法では、集電体と活物質との結着力が不足することがあり、十分な性能が必ずしも得られなかった。それは、ラテックスの場合においても、ポリマー微粒子を水に分散させるために、各種の添加剤等が含まれており、こうした各種添加剤の影響が大きいと思われる。
このように公知のラテックスをバインダー組成物として使用した場合には、結着持続性や結着性に対しては十分な効果が得られない。
【0006】
特に、エチレン性不飽和カルボン酸やエチレン性不飽和カルボン酸誘導体を重合して得られるラテックスを含有するバインダー組成物を用いると、結着性に優れていることが知られている(特開平8−287915号公報など)。しかしながら、これらラテックスは添加剤の種類によって結着性や結着持続性が大きく変動する上に、通常、酸性(pH4未満)であるため、電池内部の金属部品を腐食させたり、活物質と反応し電池の放電容量を低下させる欠点があった。
【0007】
以上のことから、結着性及び結着持続性に優れ、かつ化学的に安定で、しかも電池特性にも優れた新たなリチウム二次電池用バインダー組成物の開発が求められているのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術のもと、本発明者らは、新たな電池用バインダーを得るべく鋭意研究の結果、pHが調整されたある種のラテックスを含むバインダー組成物を用いて電極を製造すると、活物質同士および活物質と集電体との結着性と結着持続性に優れ、さらに高い容量を与える優れた電池特性を示すことを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0009】
【課題を解決する手段】
かくして本発明によれば、第一の発明として、ラテックスを含有する電池用バインダー組成物であって、当該ラテックスが、(1)酸性モノマーを用いて重合された複合ポリマー粒子を含み、(2)pHが4〜10である、ことを特徴とする電池用バインダー組成物が提供され、第二の発明として当該バインダー組成物と活物質を含有する電池電極用スラリーが提供され、第三の発明として当該電池電極用スラリーを用いたリチウム二次電池電極が提供され、第四の発明として当該電極を用いたリチウム二次電池が提供される。
【0010】
【発明の実施の態様】
以下に本発明を詳述する。
1.バインダー組成物(ラテックス)本発明においてバインダー組成物の主成分として用いられるのは、酸性モノマーを用いて重合された複合ポリマー粒子を含有しており、pHが4〜10であるラテックスである。ラテックスを構成するポリマー粒子は、異形構造を持つ粒子であることが好ましい。
【0011】
本発明で用いるラテックスの原料となる酸性モノマーとは、モノマー1gを水に溶解或いは水と混合したときに、20℃でそのpHが7より小さい値を示すものであればいずれでもよいが、、良好なバインダー特性を得られるエチレン性不飽和カルボン酸系モノマーが好ましい例である。
本発明においては、さらに、エチレン系不飽和カルボン酸エステル系モノマーなどの酸性モノマーと共重合可能なモノマーを併用することができる。特にエチレン性不飽和カルボン酸系モノマーとエチレン系不飽和カルボン酸エステル系モノマーと必要に応じてこれらと共重合可能なモノマーとを用いるのが好ましい。
【0012】
好ましい酸性モノマーであるエチレン性不飽和カルボン酸系モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸系モノマー;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸などの不飽和ジカルボン酸系モノマー;などが挙げられる。これらの中でもアクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸や、マレイン酸、イタコン酸などの炭素数5以下の不飽和ジカルボン酸が好ましい。
【0013】
このような酸性モノマーと共重合可能なモノマーとしては、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー、ニトリル基含有モノマー、アクリルアミド系モノマー、メタクリルアミド系モノマー、グリシジル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、共役ジエン系モノマーなどが挙げられる。
上記酸性モノマーと共重合可能なモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ラウリルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ラウリルなどのメタクリル酸エステル;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸ブチル、クロトン酸イソブチル、クロトン酸n−アミル、クロトン酸イソアミル、クロトン酸n−ヘキシル、クロトン2−エチルヘキシル、クロトン酸ヒドロキシプロピルなどのクロトン酸エステル;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノ基含有メタクリル酸系モノマー;メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートなどのアルコキシ基含有メタクリル酸系モノマー;マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノブチル、イタコン酸モノオクチルなど不飽和ジカルボン酸モノエステルなどのエチレン系不飽和カルボン酸エステル系モノマー(これらのエチレン性不飽和カルボン酸エステル系モノマーの中でも好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルであり、アルキル部分の炭素数は1〜12、好ましくは1〜8のものである)。また、更にスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどのスチレン系モノマー;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル基含有モノマー;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド系モノマー;メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミドなどのメタクリルアミド系モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有モノマー;スチレンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミドメイルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、ピペリレンなどの共役ジエン系モノマー;などを挙げることができる。
【0014】
本発明のラテックス製造に際して、酸性モノマーと酸性モノマーと共重合可能なモノマーとの使用割合はモノマー総使用量に対して重量比で0.1:99.9〜50:50、好ましくは1:99〜40:60である。この範囲内であれば、良好な結着性、結着持続性が得られる。
特に好ましいラテックスは、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系モノマーとエチレン性不飽和カルボン酸系モノマーを用いたものであり、この2成分だけで好ましいラテックスを製造することもできるが、さらに前述したエチレン性不飽和カルボン酸系モノマーと共重合可能なモノマーであってエチレン性不飽和カルボン酸エステル系モノマー以外のモノマー(以下、その他のモノマーということがある)を併用することができる。
【0015】
本発明で用いるラテックス中のポリマー粒子となるポリマーとしては、例えばアクリロニトリル−1,3−ブタジエン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−イタコン酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−メタクリル酸メチル−フマル酸共重合体、スチレン−1,3−ブタジエン−イタコン酸−メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸n−ブチル−イタコン酸−メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸メチル−アクリル酸−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートなどの、エチレン系不飽和カルボン酸エステル系モノマー及びエチレン性不飽和カルボン酸系モノマーの共重合体や、エチレン系不飽和カルボン酸エステル系モノマー及びエチレン性不飽和カルボン酸系モノマーとエチレン系不飽和カルボン酸若しくはそのエステル以外のモノマーとの共重合体などが好ましい例として挙げられる。このような多元共重合体にすると結着性と結着持続性の両方の優れた性質を得ることが容易である。
【0016】
さらに、ポリマー粒子の結着性や結着持続性を高めるために、これらのポリマーを架橋剤を用い架橋することが好ましい。架橋剤を使用する場合、その使用量は反応条件やポリマーの種類などによって異なるが、通常、ポリマーに対して30重量%以下である。
【0017】
架橋剤の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキサイドベンゾエート)ヘキシン−3,1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−トリメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピパレート、クミルペルピパレート、tert−ブチルペルジエチルアセテートなどのパーオキサイド系架橋剤やアゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどのアゾ化合物(ラジカル発生剤);エチレンジグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリレート化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのトリメタクリレート化合物;ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレートなどのジアクリレート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレートなどのトリアクリレート化合物;ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;などの架橋性モノマー等が例示されるが、架橋剤としてはエチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリレート化合物やジビニルベンゼンなどのジビニル化合物などの架橋性モノマー(多官能モノマー)を用いるのが好ましい。このような架橋剤は通常モノマー成分100重量部に対して0.05重量部〜30重量部、好ましくは0.1重量部〜10重量部使用する。
また、必要に応じてチオ硫酸ナトリウムやアミンなどの架橋助剤を併用してもよい。
【0018】
本発明において、「複合ポリマー粒子とは、2種類以上のポリマーが形成する単一粒子であり、単一のポリマー(ブロックポリマーを含む)から形成されたものではない。即ち、単一粒子に2種類以上のポリマーが存在していることを必須としている。ポリマー粒子を2種類以上混合してバインダーとする場合、ポリマーの比重差、粒子表面張力、表面の極性の違いなどにより均一に混合することは非常に困難であるが、複数のポリマーを一つの粒子として用いる場合には、このような問題が解消される。
【0019】
本発明において複合ポリマー粒子は異形構造をとるが、この異形構造とは、通常ラテックスの分野でコアシェル構造、複合構造、局在構造、だるま状構造、いいだこ状構造、ラズベリー状構造などと言われる構造(「接着」34巻1号第13〜23頁記載、特に第17頁記載の図6参照)であり、具体的には図1に示すような各種の断面を有する構造である。
図1に示されるコアシェル構造を有する複合ポリマー粒子の場合、核となるポリマー(以下、コア部という)とコア部を被覆するポリマー(以下、シェル部という)のガラス転移温度(以下、Tgということがある)は同一であっても良いし、Tgの低いポリマーとTgの高いポリマーのいずれがコア部となるポリマーであってもよい。またシェル部のポリマーはコア部全体を被覆していても部分的に被覆していても良いが、被覆率はコア部の表面積の10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上となる量でシェル用モノマーを反応させるのがよい。
コア部ポリマーやシェル部ポリマーはそれぞれ1種ずつ、または2種以上あってもよい。
【0020】
さらにこのような複合ポリマー粒子を単独または2種以上組み合わせて用いたり、複合ポリマー粒子以外のポリマー粒子と組み合わせて用いることもできる。複合ポリマー粒子以外のポリマー粒子の割合は全粒子の50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。
【0021】
本発明で用いられるラテックスは、常法、たとえば「実験化学講座」第28巻(発行元:丸善(株)、日本化学会編)に記載された方法、即ち、攪拌機及び加熱装置付きの密閉容器に水、分散剤、モノマー、架橋剤等の添加剤、及び開始剤を所定の組成になるように加え、攪拌して該組成物を水に分散あるいは乳化させ、攪拌しながら温度を上昇させる等の方法で重合を開始させる方法によってラテックスを得ることが出来る。或いは、上記組成物を乳化させた後に密閉容器に入れ同様に反応を開始させる方法によってラテックスを得ることができる。
またラテックス中のラテックス粒子が複合ポリマー粒子であるものは、特開平53−57810号公報、特開昭57−59923号公報、特開昭63−243115号公報、特開平5−95013号公報、特開平7−206912号公報などに開示されている乳化重合法や懸濁重合法、分散重合法、シード重合法などの方法によって得られる。より具体的には、複合ポリマー粒子は、例えば、ポリマー(a)に対応するモノマー成分を常法により重合し、重合転化率が20〜100%、好ましくは40〜99%、より好ましくは80〜99%まで重合し、引き続き、別のポリマー(b)となるモノマー成分を添加し、常法により重合させる方法(二段重合法)などによって得ることができる。また、粒子の粒径分布を小さくすることが出来る為、特に、直径0.1μm以下のポリマー粒子をシードとして用いるシード重合法が好ましい。
【0022】
本発明の範囲のラテックスにおいては、これらの重合法において用いられる分散剤は、通常のラテックスの合成で使用されるものでよく、具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸ナトリウムなどのベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、テトラドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩;ラウリン酸ナトリウムなどの脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルサルフェートナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ−テルサルフェートナトリウム塩などのエトキシサルフェート塩;アルカンスルホン酸塩;アルキルエーテルリン酸エステルナトリウム塩;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体などの非イオン性乳化剤;ゼラチン、無水マレイン酸−スチレン共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、重合度700以上かつケン化度75%以上のポリビニルアルコールなどの水溶性高分子などが例示され、これらは単独でも2種類以上を併用して用いても良い。分散剤の添加量は任意に設定でき、モノマー総量100重量部に対して通常0.01〜10重量部程度である。
【0023】
重合開始剤は、通常の乳化重合、分散重合、懸濁重合等で用いられるものであれば特に制限されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;過酸化水素;ベンソイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物などがあり、これらは単独又は酸性亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸などのような還元剤と併用したレドックス系重合開始剤によっても重合でき、また、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイック酸)などのアゾ化合物;2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなどのアミジン化合物;などを使用することもでき、これらは単独または2種類以上を併用して用いることができる。重合開始剤の使用量は、モノマー総重量100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
重合温度および重合時間は、重合法や使用する重合開始剤の種類などにより任意に選択できるが、通常約50〜200℃であり、重合時間は0.5〜20時間程度である。更に、重合に際しては通常知られている添加剤、例えばアミンなどの重合助剤を併用することもできる。
【0024】
本発明で用いるポリマー粒子の形状については特に制限はないが、その粒子径は、通常0.005〜1000μm、好ましくは0.01〜100μm、特に好ましくは0.05〜20μmである。粒子径が大きすぎると電池用バインダーとして使用する場合に、電極活物質と接触しにくくなり、電極の内部抵抗が増加する。小さすぎると必要なバインダーの量が多くなりすぎ、活物質の表面を被覆してしまう。
なお、ここでいう粒子径は、透過型電子顕微鏡写真でラテックス状態のポリマー粒子100個の粒子の最長径を測定し、その平均値として算出された値である。
【0025】
(中和)
本発明で用いるラテックスは、上述したとおりモノマーとしてエチレン性不飽和カルボン酸モノマーなどの酸性モノマーを用いて得られるものであるため、重合後のラテックスのpHはpH4以下となる場合がほとんどである。そこでラテックスを中和する必要がある。
pHの調整は、pH4未満およびpH10よりも高い場合は電池の容量が低下してしまうことから、pH4.0〜10.0、好ましくはpH6.0〜8.0である。
【0026】
ここで中和に用いられるアルカリ性化合物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属酸化物、水酸化アルミニウムなどの長周期律表でIIIA属に属する金属の水酸化物などの水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩などの炭酸塩;などが例示され、有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミンなどのアルキルアミン類;モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミンなどのアルコールアミン類;アンモニア水などのアンモニア類;などが挙げられる。
これらのなかでも、結着性や操作性の観点からアルカリ金属水酸化物が好ましく、特に水酸化リチウムが好ましい。特にアンモニア水を用いてpHを調節する場合、pHが高いとラテックスからアンモニア臭が発生することがあり操作上好ましくない。
【0027】
(バインダー補助剤)
本発明のバインダー組成物には、バインダー補助剤としてセルロース系化合物を用いることが出来る。例えば、好ましいセルロース系化合物としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等のセルロース化合物(これらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩類を含む)が挙げられる。
セルロース系化合物とラテックス中のポリマー粒子(固形分)の比は、重量比で1:10から10:1が好ましい。より好ましくは、1:5〜5:1である。セルロース系化合物が多すぎると、結着持続性が低下するため好ましくない。
【0028】
2.電池電極用スラリー
上述のバインダー組成物は、後述する活物質や添加剤と共に混合された後、スラリーとして電極の集電体に塗布し電極を製造するのが望ましい。
【0029】
(添加剤)
さらに必要に応じて、本発明のスラリーにはスラリーの粘度調整剤や結着補助剤、導電材等の各種添加剤を添加することができる。
添加剤は、任意に選択したものが使用できるが、例えば、ポリエチレンオキサイド、エチレングリコール、ポリカルボン酸、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物等の水溶性ポリマー等が挙げられる。
【0030】
(活物質)
活物質は、通常のリチウム二次電池で使用されるものであれば、いずれであっても用いることができ、例えば、負極活物質として、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、MCMB、ピッチ系炭素繊維などの炭素質材料、ポリアセン等の導電性高分子;AxMyOp(但し、AはLi、MはCo、Ni、Al、Sn及びMnから選択された少なくとも一種、Oは酸素原子を表し、x、y、zはそれぞれ1.10≧x≧0.05、4.00≧y≧0.85、5.00≧z≧1.5の範囲の数である。)で表される複合金属酸化物やその他の金属酸化物;などが例示される。
【0031】
また、正極活物質としては、通常のリチウム二次電池で使用されるもので有れば特に制限されず、例えばTiS2、TiS3、非晶質MoS3、Cu223、非晶質V2O−P25、MoO3、V25、V613、AxMyNzOp(但し、AはLi、MはCo、Ni、FeおよびMnから選択された少なくとも一種、NはAlおよびSnから選択された少なくとも一種、Oは酸素原子を表し、x、y、z、pはそれぞれ、1.10≧x≧0.05、4.00≧y≧0.85、2.00≧z≧0、5.00≧p≧1.5の範囲の数である)で表される複合金属酸化物が例示される。さらに、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子など有機系化合物を用いることもできる。
【0032】
本発明の電池電極用スラリー中の活物質の量は特に制限されないが、通常、ラテックス中のポリマー粒子に対して重量基準で1〜1000倍、好ましくは2〜500倍、より好ましくは3〜300倍、とりわけ好ましくは5〜200倍になるように配合する。活物質量が少なすぎると、集電体に形成された活物質層に不活性な部分が多くなり、電極としての機能が不十分になることがある。また、活物質量が多すぎると活物質が集電体に十分固定されず脱落しやすくなる。なお、電極用スラリーに分散媒である水を追加して集電体に塗布しやすい濃度に調節して使用することもできる。
【0033】
3.リチウム二次電池電極
本発明の電極は、上記スラリーを集電体に塗布し、乾燥して集電体表面に形成されたマトリックス中に活物質を固定する。
集電体は、導電性材料からなるものであれば特に制限されないが、通常、鉄、銅、アルミニウム、ニッケルなどの金属製のものを用いる。形状も特に制限されないが、通常、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものを用いる。
スラリーの集電体への塗布方法も特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、浸漬、ハケ塗りなどによって塗布される。塗布する量も特に制限されないが、分散媒を除去した後に形成される活物質層の厚さが通常0.005〜5mm、好ましくは0.05〜2mmになる程度の量である。乾燥方法も特に制限されず、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥が挙げられる。乾燥条件は、通常は応力集中が起こって活物質層に亀裂が入ったり、活物質層が集電体から剥離しない程度の速度範囲の中で、できるだけ早く分散媒が揮発するように調整しする。
更に、乾燥後の集電体をプレスすることにより電極を安定させてもよい。プレス方法は、金型プレスやカレンダープレスなどの方法が挙げられる。
【0034】
4.リチウム二次電池
本発明のリチウム二次電池は、リチウムメタル二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池などが挙げられる。
このようなリチウム二次電池の電解液は通常用いられるものでよく、負極活物質、正極活物質の種類に応じて電池としての機能を発揮するものを選択すればよい。例えば、従来より公知のリチウム塩がいずれも使用でき、LiClO4、LiBF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiB10Cl10、LiAlCl4、LiCl、LiBr、LiB(C254、CF3SO3Li、CH3SO3Li、LiCF3SO3、LiC49S03、Li(CF3SO22N、低級脂肪酸カルボン酸リチウムなどが挙げられる。
電解質を溶解させる液体は通常用いられるものであれば特に限定されるものではないが、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート類;γ−ブチルラクトンなどのラクトン類;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;1,3−ジオキソラン、4―メチル−1,3―ジオキソランなどのオキソラン類;アセトニトリルやニトロメタンなどの含窒素類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの有機酸エステル類;リン酸トリエステルや炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピルのような炭酸ジエステルなどの無機酸エステル類;ジグライム類;トリグライム類;スルホラン類;3−メチル−2−オキサゾリジノンなどのオキサゾリジノン類;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、ナフタスルトンなどのスルトン類;等の単独もしくは二種以上の混合溶媒が使用できる。
【0035】
本発明のリチウム二次電池は、上記電解液や本発明のリチウム二次電池用電極を含み、必要に応じてセパレーター等の部品を用いて、常法に従って製造されるものである。例えば、次の方法が挙げられる。すなわち、正極と負極とをセパレータを介して重ね合わせ、電池形状に応じて巻く、折るなどして、電池容器に入れ、電解液を注入して封口板または安全弁を用いて封口する。更に必要に応じてエキスバンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をすることもできる。電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など何れであってもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明のバインダー組成物をリチウム二次電池の電極製造に用いると結着性と結着持続性とのバランスがよい、電池特性に優れたリチウム二次電池を製造することができる。
【0037】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、本実施例に於ける部およびgは、特に断りがない限り重量基準である。
実施例及び比較例中、Tg、粒子径と構造、pHは、以下の方法により、又は以下の計器を用いて測定した。
(1)Tg:昇温速度1℃/分で、誘電損失の温度変化点により測定した。
(2)粒子径と構造:透過型電子顕微鏡写真でラテックス状態のポリマー粒子100個の粒子の最長径を測定し、その平均値を求めた。また、透過型電子顕微鏡にて粒子内部の構造を確認した。
(3)pH:堀場製pHメーター
【0038】
実施例1
(ラテックスの製造)
スチレン98部、メタクリル酸2部、t−ドデシルメルカプタン0.8部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部、過硫酸カリウム0.4部、イオン交換水200部を攪拌しながら、窒素雰囲気下70℃で6時間重合し、シードポリマー粒子を得た。
【0039】
攪拌機付き耐圧オートクレーブに、上述のシード粒子(固形分重量で)100重量部、アクリル酸n−ブチル400重量部、イタコン酸40重量部、1,3−ブタジエン280重量部、スチレン400重量部、架橋剤としてジビニルベンゼン5重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム25重量部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物2重量部、炭酸水素ナトリウム15重量部、イオン交換水1700重量部、重合開始剤として過硫酸カリウム15重量部を入れ、十分撹拌した後、80℃に加温し重合した(第一重合段階)。
【0040】
上述の重合において、モノマー消費量98%となった時、更にメタクリル酸メチル200重量部、イタコン酸100重量部、スチレン300重量部、ジビニルベンゼン5重量部、過硫酸カリウム5重量部、イオン交換水900重量部を混合したものを加え、引き続き重合させ(第二重合段階)、モノマー消費量が99.8%になった時点で冷却し反応を止めラテックスを得た。
得られたラテックスのpHは3.0であった。
【0041】
(pH調整)
得られたラテックスを、1規定の水酸化リチウム水溶液でpHを7.5に調整し、ポリマー粒子aのラテックスAを得た。
透過型電子顕微鏡観察から、ポリマー粒子aは、図1の(I)、(II)、(III)、(IV)および(VI)型の構造を有する粒子が多く得られていることを確認した。
透過型電子顕微鏡写真で、このラテックスに含まれるポリマー粒子aの粒子径は0.21μmであった。
【0042】
(バインダー組成物の製造)
上述の方法により得られたラテックスAに、カルボキシメチルセルロースをポリマー粒子aに対して2:1(重量比)となる様に添加し、バインダー組成物Aを得た。
【0043】
(負極の製造)
カーボン(関西熱化学社製「NG−12L」)94重量部にバインダー組成物Aを6重量部(固形分重量)加え、十分に混合して負極用スラリーを得た。このスラリーを幅8cm、長さ20cm、厚さ18μmの銅箔に塗布、乾燥し、得られたフィルムをロールプレスして厚さ80μmの負極電極Aを得た。得られた電極表面を目視したところ、割れかけやひびのない平滑な状態であった。
【0044】
(正極の製造)
正極物質としてLiCoO2 91重量部に、バインダー組成物Aの固形分量が6重量部となるように加え、更に、アセチレンブラック3重量部、N−メチルピロリドン50重量部を加えて、十分に混合して正極用スラリーを得た。この正極用スラリーを幅8cm、長さ20cm、厚さ18μmのアルミ箔に塗布、液状有機物を除去後、ロールプレスして厚さ100μmの正極電極を得た。得られた電極表面を目視したところ、割れかけやひびのない平滑な状態であった。
【0045】
(電池の製造)
先に得た負極を2cm2の正方形に切断し、正極である金属リチウム板との間に厚さ25μmのポリプロピレン製セパレーターを挟み、これを、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1(体積比)混合液にLiPF6を1mol/リットルの濃度となるように溶解させた電解液中に入れた電池20セルを作製した。
【0046】
(電池性能の評価)
この電池を定電流法(電流密度:0.1mA/cm2 )で4.2Vに充電し、3.2Vまで放電する充放電を繰り返し、電気容量の変化を測定した。
この結果、放電容量は、5サイクル終了時で315mAh/g、10サイクル終了時で311mAh/g、50サイクルで308mAh/gと高い電気容量が得られ、また容量の低下は極めて少ないものであった。
【0047】
実施例2〜9、比較例1〜3
実施例1のシードポリマー粒子を用いて、実施例2〜5および比較例1〜3のモノマー成分や組成を、表1、2または3に記載の成分や組成に変えた他は実施例1と同様にラテックスB〜Kを作製した。尚、比較例1で用いたラテックスA’は、実施例1で得たポリマーaを含有するpH調製していないラテックスである。
実施例1〜9および比較例1〜3の結果をまとめて表1〜3に示す。
この結果から、本発明のバインダー組成物を用いると、高い容量の電池が得られ、pH調整が不十分であると高い容量の電池は得られないことが判った(比較例2)。更に、酸性モノマーを含まないポリマーを用いて電極を製造すると、結着性が不十分であり実用的でないことも判った(比較例3)。
【0048】
【表1】
Figure 0004281118
【0049】
【表2】
Figure 0004281118
【0050】
【表3】
Figure 0004281118
【0051】
表中の記号は以下の通り。
LiOH:1規定水酸化リチウム水溶液
NH3:飽和アンモニア水溶液
アクリル酸2EH:アクリル酸2−エチルヘキシル
DBS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
PPS:過硫酸カリウム
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】コアシェル構造を有する複合ポリマーの模式図である。

Claims (7)

  1. ラテックスを含有する電池用バインダー組成物であって、当該ラテックスが、(1)酸性モノマーを用いて重合された複合ポリマー粒子を含み、(2)pHが4〜10である、ことを特徴とする電池用バインダー組成物。
  2. 酸性モノマーが、エチレン性不飽和カルボン酸系モノマーである請求項1記載の電池用バインダー組成物。
  3. ラテックスが、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニアおよび有機アミン類からなる群より選択される1種類以上の化合物の添加によってpHが4〜10に調整されたラテックスである請求項1または2記載の電池用バインダー組成物。
  4. 複合ポリマー粒子が、架橋剤を用いて架橋されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の電池用バインダー組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載された電池用バインダー組成物と活物質とを含有する電池電極用スラリー。
  6. 請求項5記載の電池電極用スラリーを用いたリチウム二次電池用電極。
  7. 請求項6記載の電極を用いたリチウム二次電池。
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