JP4276084B2 - 積層型電子部品 - Google Patents
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Description
本発明は、積層型電子部品に関し、より詳しくは、積層セラミックキャパシタ等の積層型電子部品に関する。
背景技術
現在、電子機器の電源の多くには、スイッチング電源やDC−DCコンバータが用いられている。これらの電源に使用されるキャパシタとして電源バイパス用のキャパシタがある。
この電源バイパス用のキャパシタは、その電源容量やスイッチング周波数、使用される平滑コイル等の回路パラメータに応じて、高容量のアルミニウム電解キャパシタ若しくはタンタル電解キャパシタ、又は、低容量の積層セラミックキャパシタが用いられてきた。
上記の電解キャパシタは、電源のバイパス用(平滑用)キャパシタとしては容易に大容量が得られること等の優れた利点を有するが、大型であること、低温特性が劣ること、短絡事故の恐れがあること、内部インピーダンスが比較的高いため等価直列抵抗(以下、「ESR」という)による誘電正接(tanδ)が高く損失が定常的に発生し、これに起因する発熱が生じること、及び、充分な周波数特性を得ることができず平滑性が不充分であること、等の問題を有している。
一方、積層セラミックキャパシタは、近年における技術革新により、誘電体層及び内部電極についての薄層化技術の進展及び積層化技術の進展に伴い、その静電容量が電解キャパシタの静電容量に近づきつつある。そのため、電解キャパシタを積層セラミックキャパシタに置き換えようとする試みも検討されている。
ここで、電源のバイパス用のキャパシタにおいては、充分な平滑作用を得るためにリップルノイズを充分に低減することが重要となる。このリップルノイズを抑えるには、キャパシタのESRを低減することにより抑えられる。
従って、電源のバイパス回路においては、ESRの低いキャパシタを使用することが好ましく、ESRの低い積層セラミックキャパシタを電源回路に用いる試みが検討されている。
ところが、ESRの低い積層セラミックキャパシタ(例えば、ESRが10mΩ未満の積層セラミックキャパシタ)を電源回路に用いる場合、電源となる帰還回路を有するDC−DCコンバータや、スイッチング電源等の2次側回路では、平滑回路のESRが帰還ループの位相特性に大きな影響を与え、特にESRが極端に低くなるという問題が生じることがあり、充分な信頼性を得ることができなかった。
すなわち、ESRの低い積層セラミックキャパシタを電源回路のバイパス用(平滑用)キャパシタとして使用した場合、2次側平滑回路が等価的にLとC成分のみで構成されてしまい、回路内に存在する位相成分が±90度及び0度のみとなり、位相の余裕がなくなり、容易に発振してしまうという問題があった。この発振現象は、3端子レギュレータを用いた電源回路においても負荷変動時に発生していた。
そこで、上記の問題を解決するための検討として、ESRの低い積層セラミックキャパシタに上記の発振現象を充分に防止可能な水準の抵抗成分を付加する検討が行われており、例えば、いわゆるCR複合電子部品が提案されている。例えば、特開平8−45784号公報には、電子部品として、積層セラミックキャパシタの端部を炭化物と還元剤を用いて半導体化したものが提案されている。
また、例えば、特開昭59−225509号公報には、積層セラミックキャパシタに、さらに酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストを積層し、これを同時焼成して抵抗体としたものが提案されている。
更に、特許第2578264号公報には、外部電極の表面に金属酸化膜を設けて所望のESRを得ることを意図したCR複合部品が提案されている。
また、外部電極の構成材料として導電性樹脂を使用した積層セラミックキャパシタも提案されている。この場合、導電性樹脂には銀等の金属からなる球状粒子又は燐片状粒子が含有されている。そして、このタイプの平滑キャパシタ(積層チップキャパシタ)のESRは、一般的に比較的低く10mΩ以下である。そのため、外部電極のESRを先に述べた発振現象を充分に防止可能といわれる40mΩ以上に上げるためには、導電性材料の含有率を極力少なくする必要がありその検討が進められている。
発明の開示
しかしながら、上述の各電子部品をはじめとする従来の電子部品は、何れも電源のバイパス回路に使用された場合には、発振現象の発生を充分に防止することが極めて困難であり、充分な平滑作用を得ることも極めて困難であり、充分な信頼性を得ることができていなかった。また、上述した電子部品は、量産性に乏しい構成を有するものも含まれていた。
すなわち、特開平8−45784号公報に記載の積層セラミックキャパシタは、抵抗値を所望の範囲に正確に制御するための製造条件及びその条件を満たすための製造工程が非常に複雑となり、所望の抵抗値を正確に得ることが困難となり、回路設計が困難になり、更には、製品間の抵抗値のバラツキも多く、量産化した場合の歩留まりも悪かった。
また、特開昭59−225509号公報に記載の積層セラミックキャパシタは、先に述べた酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストを用いて形成した抵抗体を有する構成のため、更に外部電極を設けた場合、等価回路がC/R又は(LC)/Rの並列回路となり、直列回路を得ることができなかった。また、この積層セラミックキャパシタで直列回路を得るためには外部電極の形状が複雑となり、製造工程が複雑なものとなり、製造効率が低く、充分な量産性を得ることが可能な構成を有していなかった。
しかしながら、特許第2578264号公報に記載のCR複合部品の場合、ニッケルを構成材料とする端子電極の加熱処理により金属酸化膜を形成し、この金属酸化膜をバレル研磨により膜厚調整して所望の抵抗値を得ている(実施例を参照)。このため、CR複合部品も所望の抵抗値を得ることが困難であり、抵抗値の調整も煩雑で、製造効率が低く、充分な量産性を得ることが可能な構成を有していなかった。
しかし、外部電極の構成材料として銀等の金属からなる球状粒子又は燐片状粒子を含む導電性樹脂を使用した積層セラミックキャパシタの場合、急激に導電性樹脂内の上記粒子同士の接触状態が不安定となり、ESRを任意の値に安定的に制御することが困難となっていた。また、平滑キャパシタに対して直列に抵抗を接続する方法もあるが、コストが高く実用的でなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電源のバイパス回路に使用された場合であっても、発振現象の発生を充分に防止できるとともに充分な平滑作用を得ることのできる優れた信頼性を有しており、しかも、量産性に優れた構成を有する積層型電子部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、導電性樹脂を構成材料とする外部電極を有する積層型電子部品において、ESRの値を40〜150mΩに調節し、且つ、動作時に得られるESRの値のバラツキ(標準偏差)を10mΩ以下に調節する事により、上記目的が達成可能であることを見出した。
そして、本発明者らは、導電性樹脂を構成材料する外部電極を形成する際に、導電性樹脂に含有させる導電性粒子として、形状に関して特定の幾何学的条件を満たす粒子を含有させ、かつその粒子の含有率を特定の範囲とすることで上記のESRの値及びそのバラツキ(標準偏差)を上記範囲内に容易かつ確実に調節することが可能であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、誘電体を構成材料として含む誘電体部と、
誘電体部にそれぞれ密着した状態で配置されており、該誘電体部を介して対向配置される1対の第1の外部電極及び第2の外部電極と、
を少なくとも有しており、
誘電体部は、第1の外部電極及び第2の外部電極のうちの何れか一方に電気的に接続される2以上の内部電極と、誘電体からなりかつ2以上の内部電極のうちの隣り合う電極の間に1つずつ配置される1以上の誘電体層と、を有しており、
2以上の内部電極のうちの少なくとも1つは第1の外部電極に電気的に接続されており、2以上の内部電極のうちの少なくとも1つは第2の外部電極に電気的に接続されており、
第1の外部電極及び第2の外部電極は、それぞれ熱硬化性樹脂と導電性粒子とを主成分とする導電性樹脂からなる樹脂電極層を少なくとも有しており、
導電性樹脂中の導電性粒子の含有率が70〜75質量%であり、
導電性粒子は、長手方向の平均長さが30〜70μmであり、アスペクト比が1.5〜3.3である針状粒子を主成分として含んでいること、
を特徴とする積層型電子部品を提供する。
本発明によれば、ESRの値が40〜150mΩであり、かつ、動作時に得られるESRの値のバラツキ(標準偏差)が10mΩ以下である積層型電子部品を容易かつ確実に得ることができる。これら2つの電気特性の条件を同時に満たす積層型電子部品は、種々の回路定数を持つスイッチング電源回路の平滑回路等に使用することが可能な範囲の直流抵抗又はインピーダンスを有する。
すなわち、上記2つの電気特性の条件を満たす積層型電子部品は、電源のバイパス回路に使用された場合であっても、発振現象の発生を充分に防止できるとともに充分な平滑作用を得ることのできる優れた信頼性を有する積層型電子部品を容易かつ確実に得ることができる。また、外部電極の樹脂電極層は主成分が上記導電性粒子と熱硬化性樹脂であるため、上記の2つの電気特性の条件を満たすように容易かつ再現性よく製造することができる。そのため本発明積層型電子部品は量産性に優れている。
ここで、ESRの値が40mΩ未満であると、発振現象が容易に発生する。また、ESRの値が150mΩを超えると、外部電極(第1の外部電極及び第2の外部電極)の導電率が著しく低下し、周波数特性も著しく低下する。更にESRの値が150mΩを超えるものを電源回路に使用すると、電流損失が大きく所望の電源電圧及び電流を得ることができなくなる。
また、上述のESRの値が40mΩ以上であれば、電源のバイパス回路に使用された場合であっても、発振現象の発生を充分に防止できる。この発振現象の発生を充分に防止できるか否かの閾値となるESRの値(40mΩ)は、ほぼ全ての種類のスイッチング電源の種々の回路定数(静電容量、インダクタンス、インピーダンス)を考慮した結果算出された値である。
また、ESRの値のバラツキ(標準偏差)が10mΩを超えると、電源電圧及び電源電流の出力の制御ができなくなり、上述の本発明の効果を得ることができないことを本発明者らは見出した。電源電流の出力の制御をより確実に行う観点から、ESRの値のバラツキ(標準偏差)は8mΩ以下であることが好ましい。
ここで、本発明において、樹脂電極層を構成する導電性樹脂中の導電性粒子の含有率が70質量%未満であると、第1の外部電極及び第2の外部電極の電気的抵抗が増大しすぎて電子部品の電極として機能し得る充分な導電性を得ることができなくなる。また、樹脂電極層を構成する導電性樹脂中の導電性粒子の含有率が75質量%を超えると、第1の外部電極及び第2の外部電極の導電率が増大しすぎてESRの値が40mΩ未満となる。以上の観点から樹脂電極層を構成する導電性樹脂中の導電性粒子の含有率は、70〜75質量%である。
また、本発明においては、先に述べたように、導電性粒子の主成分となる針状粒子の形状に関する幾何学的条件は以下のとおりである。すなわち、長手方向の平均長さが30〜70μm、アスペクト比が1.5〜3.3である。上述の2つの幾何学的条件を同時に満たす針状粒子を導電性粒子の主成分とすることにより、上述のESRに関する2つの電気特性条件を満たす積層型電子部品を容易に構成することができる。
ここで、「長手方向の平均長さ」とは、非等方的な形状を有する粒子である針状粒子の長径の平均値を示し、より詳しくは、測定サンプルとなる外部電極(第1の外部電極又は第2の外部電極)の断面をSEMにより観察し、観察対象となる断面に配列された針状粒子を無作為に30個抽出した際に得られる各粒子の長径の相加平均値を示す。また、「短手方向の平均長さ」も上述と同様に、測定サンプルとなる外部電極(第1の外部電極又は第2の外部電極)の断面をSEMにより観察し、観察対象となる断面に配列された針状粒子を無作為に30個抽出した際に得られる各粒子の長径の相加平均値を示す。
針状粒子の長手方向の平均長さが30μm未満となると、ESRの値が低くなったり、ESRの値のバラツキ(標準偏差)が大きくなり、上述の本発明の効果を得ることができない。また、針状粒子の長手方向の平均長さが70μmを超えると、ESRの値のバラツキ(標準偏差)が大きくなり、上述の本発明の効果を得ることができない。
また、「アスペクト比」とは、{(長手方向の平均長さ)/(短手方向の平均長さ)を示す。
アスペクト比が1.5未満であると、ESRの値が低くなり、上述の本発明の効果を得ることができない。また、アスペクト比が3.3を超えると、ESRの値のバラツキ(標準偏差)が大きくなり、上述の本発明の効果を得ることができない。
導電性粒子の主成分である針状粒子の導電性粒子中の含有率は、40質量%以上であり、40〜75質量%であることが好ましい。また、針状粒子の導電性粒子中の含有率が40質量%未満であると、第1の外部電極及び第2の外部電極の電気的抵抗が増大しすぎて電子部品の電極として機能し得る充分な導電性を得ることができなくなり、上述の本発明の効果を得ることができない。更に、針状粒子の導電性粒子中の含有率が75質量%を超えると、第1の外部電極及び第2の外部電極の導電率が増大しすぎてESRの値が40mΩ未満となる傾向が大きくなる。
また、本発明においては、針状粒子がAgからなる粒子(Agフィラー)であることが好ましい。この粒子を使用することにより、上述の本発明の効果をより確実に得ることができることを本発明者らは見出した。
更に、本発明においては、導電性粒子中には、平均粒子径が3〜20μmの球状粒子が更に含まれており、導電性粒子中の針状粒子の含有率が40〜75質量%であり、かつ、導電性粒子中の球状粒子の含有率が15〜35質量%であることが好ましい。
球状粒子を針状粒子と共に使用する場合、上述の3つの数値範囲の条件を同時に満たす場合に上述の本発明の効果をより確実に得ることができることを本発明者らは見出した。
ここで、球状粒子の平均粒子径が20μmを超えると、球状粒子同士の接触抵抗が増加し、第1の外部電極及び第2の外部電極の電気的抵抗(第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層の電気的抵抗)が増大しすぎて電子部品の電極として機能し得る充分な導電性を得ることができなくなる傾向が大きくなる。更に、球状粒子の平均粒子径が3μm未満であると、各樹脂電極層を形成するための球状粒子を含むペーストの粘度が増大し、電極形成が困難となる傾向が大きくなる。
また、本発明において、「球状粒子」とは、平均粒子径が3〜20μmであり、かつ、そのアスペクト比が1.0〜1.2である粒子を示す。更に、球状粒子の「平均粒子径」とは、測定サンプルとなる球状粒子を含む外部電極(第1の外部電極又は第2の外部電極)の断面をSEMにより観察し、観察対象となる断面に配列された球状粒子を無作為に30個抽出した際に得られる各粒子の最大粒子径の相加平均値を示す。
球状粒子を針状粒子と共に使用する場合、球状粒子の導電性粒子中の含有率が15質量%未満であると、第1の外部電極及び第2の外部電極の電気的抵抗(第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層の電気的抵抗)が増大しすぎて電子部品の電極として機能し得る充分な導電性を得ることができなくなる傾向が大きくなる。また、球状粒子の導電性粒子中の含有率が35質量%を超えると、第1の外部電極及び第2の外部電極の導電率(第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層の導電率)が増大しすぎてESRの値が40mΩ未満となる傾向が大きくなる。
また、球状粒子を針状粒子と共に使用する場合、針状粒子の導電性粒子中の含有率が40質量%未満であると、第1の外部電極及び第2の外部電極の電気的抵抗(第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層の電気的抵抗)が増大しすぎて電子部品の電極として機能し得る充分な導電性を得ることができなくなる傾向が大きくなる。更に、針状粒子の導電性粒子中の含有率が75質量%を超えると、第1の外部電極及び第2の外部電極の導電率(第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層の導電率)が増大しすぎてESRの値が40mΩ未満となる傾向が大きくなる。
また、本発明においては、上述の球状粒子を用いる場合、球状粒子がAgからなる粒子(Agフィラー)であることが好ましい。この粒子を使用することにより、上述の本発明の効果をより確実に得ることができることを本発明者らは見出した。
更に、本発明においては、第1の外部電極及び第2の外部電極のそれぞれには、樹脂電極層と誘電体部との間に配置される金属からなる金属電極層が更に設けられていることが好ましい。
樹脂電極層と誘電体部とが金属電極層を介して接続されることにより、樹脂電極層を誘電体部の表面に直接形成する場合に比較して樹脂電極層と誘電体部内の内部電極との電気的な接触状態を良好にすることができ、樹脂電極層を誘電体部の表面に直接形成する場合に生じる両者の電気的な接触抵抗を充分に低減することを容易かつ確実にできる。また、金属電極層を介して樹脂電極層を誘電体部に対して物理的により強固に固定することができる。
更に、金属電極層を設ける場合、上記の電気的抵抗を充分に低減する観点及び製造効率の観点から、金属電極層金属電極層は、Cu、Ag、Pd、Ni及びAg−Pd合金のうちの何れかの金属を主成分とするペーストを焼結させることにより形成されていることが好ましい。
また、本発明においては、樹脂電極層の外表面には、メッキ法により形成されるNiからなるNiメッキ層が更に配置されていることが好ましい。これにより積層型電子部品を配線基板などに設置する場合のハンダ工程における耐熱性をより充分に得ることができる。なお、この場合のメッキ法としては、電解メッキ法を採用することができる。
更に、本発明においては、Niメッキ層の外表面には、メッキ法により形成されるSnからなるSnメッキ層が更に配置されていることが好ましい。これにより積層型電子部品を配線基板などに設置する場合のハンダ工程におけるハンダと積層型電子部品の電気的密着性及び物理的密着性をより充分に得ることができる。なお、この場合のメッキ法としても、電解メッキ法を採用することができる。
また、本発明においては、1つの誘電体層を介して隣り合う2つの内部電極のうちの一方が第1の外部電極に電気的に接続され、かつ、他方が第2の外部電極に電気的に接続されるように、2以上の内部電極のそれぞれが誘電体部中に配置されていることが好ましい。これにより、コンパクト化が容易でかつ優れた充放電効率を有する積層型電子部品を得ることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の積層型電子部品の好適な一実施形態{積層セラミックキャパシタ}の基本構成を示す概略断面図である。図2は図1に示す第1の外部電極及び第2の外部電極の内部構造を模式的に示す部分拡大断面図である。
図1に示す積層セラミックキャパシタ1は、誘電体を構成材料として含む誘電体部2と、誘電体部2にそれぞれ密着した状態で配置されており、該誘電体部2を介して対向配置される1対の第1の外部電極31及び第2の外部電極32とを有している。
そして、誘電体部2は、第1の外部電極31及び第2の外部電極32のうちの何れか一方に電気的に接続される2以上の内部電極(後述の電極板23a〜電極板23e)と、誘電体からなりかつ上記2以上の内部電極のうちの隣り合う電極の間に1つずつ配置される1以上の誘電体層とを有している。
更に、2以上の内部電極のうちの少なくとも1つは第1の外部電極に電気的に接続されており、2以上の内部電極のうちの少なくとも1つは第2の外部電極に電気的に接続されている。
より具体的には、図1に示す積層セラミックキャパシタ1の場合、誘電体からなる誘電体部2は、6つの誘電体層21a〜21fと、5つの矩形状の電極板23a〜23eとから構成されている。誘電体層21a〜21fは、略直方体状の誘電体部2の一方の底面に誘電体層21aが配置されており、誘電体層21a上に誘電体層21b、誘電体層21b上に誘電体層21c、誘電体層21c上に誘電体層21d、誘電体層21d上に誘電体層21fが順次配置された構成となっている。
そして、内部電極となる電極板23aは誘電体層21aと誘電体層21bとの間、内部電極となる電極板23bは誘電体層21bと誘電体層21cとの間、内部電極となる電極板23cは誘電体層21cと誘電体層21dとの間、内部電極となる電極板23dは誘電体層21dと誘電体層21eとの間、内部電極となる電極板23eは誘電体層21eと誘電体層21fとの間に、それぞれ挟持される2つの誘電体層に対して密着した状態で配置されている。
更に、第1の外部電極31には電極板23a、23c及び23eが電気的に接合されており、第2の外部電極32には電極板23b及び23dが接合されている。すなわち、誘電体部2中において、1つの誘電体層を介して隣り合う2つの内部電極のうちの一方が第1の外部電極31に電気的に接続され、かつ、他方が第2の外部電極32に電気的に接続されるように、2以上の内部電極のそれぞれが誘電体部2中に配置されている。この積層セラミックキャパシタ1は、各内部電極間に静電容量成分を生成する受動素子として機能する。
次に、第1の外部電極31及び第2の電極32について説明する。第1の外部電極31及び第2の電極32は先に述べた本発明の効果を得るために何れも以下の構成を有する。
即ち、図2に示すように、第1の外部電極31及び第2の外部電極32は、それぞれ熱硬化性樹脂6と導電性粒子7とを主成分とする導電性樹脂からなる樹脂電極層31a及び32a、樹脂電極層31aと誘電体部2との間に配置される金属電極層31b、樹脂電極層32aと誘電体部2との間に配置される金属電極層32bとを有している。樹脂電極層31a及び誘電体部2並びに樹脂電極層32aと誘電体部2がそれぞれ金属電極層31b、32bをそれぞれ介して接続されることにより、樹脂電極層31a及び32aを誘電体部2の表面に直接形成する場合に比較して樹脂電極層31a及び32aと誘電体部2内の各内部電極(電極板23a〜電極板23e)との電気的な接触状態を良好にすることができ、樹脂電極層31a及び32aを誘電体部2の表面に直接形成する場合に生じる両者の電気的な接触抵抗を充分に低減することを容易かつ確実にできる。また、金属電極層31b、32bをそれぞれ介して樹脂電極層31a及び32aを誘電体部2に対して物理的により強固に固定することができる。
上記の電気的抵抗を充分に低減する観点及び製造効率の観点から、金属電極層31b及び32bは、Cu、Ag、Pd、Ni及びAg−Pd合金のうちの何れかの金属を主成分とするペーストを焼結させることにより形成されていることが好ましく、Cuを主成分とするペーストを焼結させることにより形成されていることがより好ましい。
そして、樹脂電極層31a及び32aの導電性樹脂中の導電性粒子の含有率は先に述べたように70〜75質量%である。
また、導電性粒子7は、長手方向の平均長さが30〜70μmであり、アスペクト比が1.5〜3.3である針状粒子71と、平均粒子径が3〜20μmの球状粒子72と、を主成分として含んでいる。更に、導電性粒子中の針状粒子71の含有率が40〜75質量%であり、かつ、導電性粒子中の球状粒子72の含有率が15〜35質量%である。
この第1の外部電極31及び第2の外部電極32の場合、針状粒子71と球状粒子72は共にAgからなる粒子である。
熱硬化性樹脂6としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。耐熱性、高周波特性の観点から、これらの熱硬化性樹脂の中でも特に好ましい樹脂は、エポキシ樹脂である。
電極板23a〜電極板23eはそれぞれ積層セラミックキャパシタに使用可能な電子伝導性を有していれば特に限定されず、公知の積層セラミックキャパシタに搭載されている内部電極と同様の構成材料らなるものを使用することができる。例えば、Cu、Ni又はAg−Pd合金等が使用できる。
この積層セラミックキャパシタ1は、以上説明した構成を有するため、ESRの値が40〜150mΩであり、かつ、動作時に得られるESRの値のバラツキ(標準偏差)が10mΩ以下となる。そのため、この積層セラミックキャパシタ1は、種々の回路定数を持つスイッチング電源回路の平滑回路等に使用することが可能な範囲の直流抵抗又はインピーダンスを有する。すなわち、この積層セラミックキャパシタ1は、電源のバイパス回路に使用された場合であっても、発振現象の発生を充分に防止できるとともに充分な平滑作用を得ることができる優れた信頼性を有する。
この積層セラミックキャパシタ1は、第1の外部電極31及び第2の外部電極32中の含有成分及びその組成を上述の条件に調節すること以外は、公知の積層セラミックキャパシタを製造する場合と同様の薄膜製造技術により製造することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態において、樹脂電極層31a及び32aの外表面に、メッキ法により形成されるNiからなるNiメッキ層を更に配置した構成としてもよい。更にこの場合、樹脂電極層31a及び32aの各Niメッキ層の外表面に、メッキ法により形成されるSnからなるSnメッキ層を更に配置配置した構成としてもよい。
また、例えば、誘電体部2の外表面(誘電体層21aの外表面及び誘電体層21fの外表面)上に、誘電体層21a及び誘電体層21fと同一の構成材料kらなる保護層(例えば、厚さ:50〜100μm)をそれぞれ更に配置した構成としてもよい。
[実施例]
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の積層型電子部品について更に詳しく説明する。但し、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
以下の手順により、図1及び図2に示した積層セラミックキャパシタを作製した。
即ち、先ず、110層の直方体状の形状を有する誘電体層(構成材料となる誘電体:BaTiO3を主成分とする誘電体,厚さ:2〜10μm)と、これらの誘電体層のうちの隣り合う2つの層間に1枚ずつ配置される矩形平板状のNiからなる内部電極(厚さ:1〜2μm)と、を使用して、内部電極を各誘電体層間に配置した構成を有する110層の誘電体層からなる積層体(グリーンシート)を公知の製造技術により作製した。
より詳しく説明すると、各誘電体層は誘電体材料を含むペーストを調製しドクターブレード法により形成した。また、Niからなる各内部電極は、Niを主成分とするNiペーストを調製し、これを各誘電体層上に印刷工法により印刷して形成した。
そして、内部電極を各誘電体層間に配置した構成を有する110層の誘電体層からなる積層体(グリーンシート)を直方体状にカットし、直方体状の形状を有する未焼結(未焼成)の誘電体部(縦:3.2mm×横:1.6mm×厚さ:1.6mm)を得た。
次に、上記誘電体部を、空気中、400〜600℃の温度条件のもとで熱処理し、誘電体部中に含まれるバインダー成分を除去した。次に、得られる誘電体部を、更に、空気中、1250〜1360℃の温度条件のもとで焼結(焼成)させた。
次に、以下の手順により得られた焼結(焼成)後の誘電体部の表面に第1の外部電極及び第2の外部電極を形成した。第1の外部電極及び第2の外部電極は、直方体状の誘電体部の互いに対向する面であって、各誘電体層の接触面に垂直な面に平行な面上に形成した。先ず、Cuを主成分とするペーストを調製し、これを上述の誘電体部の互いに対向する面にそれぞれ塗布し、誘電体部の互いに対向する面上にそれぞれCuを主成分とするペーストからなる塗膜を形成した。次に、この塗膜を乾燥させ、次いで、空気中、700〜800℃の温度条件のもとで熱処理し、Cuからなる金属電極層(厚さ:10〜25μm)を得た。
次に、第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂と導電性粒子である針状粒子(Agからなる粒子)とからなる導電性樹脂により形成した。先ず、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂と、針状粒子(Agからなる粒子)とを3本ロール機又はライカイ機を用いて混合し、混合ペーストを調製した。次に、この混合ペーストを溶剤{シンナー(トルエン、アセトン及びメタノールの混合液)}にて希釈し粘度調整を行い、そして混合ペーストを上述の誘電体部の対向する1対の側面にそれぞれ塗布した。次いで、塗膜を乾燥させ、更に、塗膜中の熱硬化性樹脂の硬化反応を進行させ、矩形平板状の形状をそれぞれ有する第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層(厚さ:70〜150μm)を形成した。
なお、第1の外部電極及び第2の外部電極中の各樹脂電極層中の導電性粒子の含有率は表1に示す値に調節した。また、針状粒子(Agからなる粒子)は、そのアスペクト比、長手方向の平均長さが表1に示すものを用いた。
ここでは、第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層は上述の導電性樹脂のみを構成材料として形成されているため、「第1の外部電極中の導電性粒子の含有率」は「第1の外部電極に含まれるの導電性樹脂中の導電性粒子の含有率」に等しく、「第2の外部電極中の導電性粒子の含有率」は「第2の外部電極に含まれるの導電性樹脂中の導電性粒子の含有率」に等しい。
(実施例2)〜(実施例3)
第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層中の導電性粒子の含有率を表1に示す値に調節し、針状粒子(Agからなる粒子)として、表1に示すアスペクト比及び長手方向の平均長さを有する粒子を用いたこと以外の条件は、実施例1と同様の手順及び条件で各積層セラミックキャパシタを作製した。
(実施例4)〜(実施例15)
第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層中の導電性粒子の含有率を表1に示す値に調節し、針状粒子(Agからなる粒子)として、表1に示すアスペクト比及び長手方向の平均長さを有する粒子を用い、更に、球状粒子(Agからなる粒子)として、表1に示す平均粒子径を有する粒子を用いたこと以外の条件は、実施例1と同様の手順及び条件で各積層セラミックキャパシタを作製した。
(比較例1)及び(比較例2)
第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層中の導電性粒子の含有率を表1に示す値に調節し、針状粒子(Agからなる粒子)として、表1に示すアスペクト比及び長手方向の平均長さを有する粒子を用い、更に、球状粒子(Agからなる粒子)として、表1に示す平均粒子径を有する粒子を用いたこと以外の条件は、実施例1と同様の手順及び条件で各積層セラミックキャパシタを作製した。
(比較例3)及び(比較例4)
第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層中の導電性粒子の含有率を表1に示す値に調節し、針状粒子(Agからなる粒子)として、表1に示すアスペクト比及び長手方向の平均長さを有する粒子を用いたこと以外の条件は、実施例1と同様の手順及び条件で各積層セラミックキャパシタを作製した。
(比較例5)及び(比較例6)
第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層中の導電性粒子の含有率を表1に示す値に調節し、針状粒子(Agからなる粒子)として、表1に示すアスペクト比及び長手方向の平均長さを有する粒子を用い、更に、球状粒子(Agからなる粒子)として、表1に示す平均粒子径を有する粒子を用いたこと以外の条件は、実施例1と同様の手順及び条件で各積層セラミックキャパシタを作製した。
(比較例7)
第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層中の導電性粒子の含有率を表1に示す値に調節し、針状粒子(Agからなる粒子)として、表1に示すアスペクト比及び長手方向の平均長さを有する粒子を用いたこと以外の条件は、実施例1と同様の手順及び条件で各積層セラミックキャパシタを作製した。
(比較例8)
第1の外部電極及び第2の外部電極の各樹脂電極層中の導電性粒子の含有率を表1に示す値に調節し、針状粒子(Agからなる粒子)として、表1に示すアスペクト比及び長手方向の平均長さを有する粒子を用い、更に、球状粒子(Agからなる粒子)として、表1に示す平均粒子径を有する粒子を用いたこと以外の条件は、実施例1と同様の手順及び条件で各積層セラミックキャパシタを作製した。
[キャパシタ特性評価試験]
実施例1〜実施例14及び比較例1〜比較例8の各積層セラミックキャパシタをインピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社製、商品名:「4294AD」)の測定器の測定端子に接続し、それぞれのESR値を測定した。ESR値の測定は、100Hz〜100MHzの範囲で周波数を1回掃引し、自己共振周波数f0における値をESR値として測定した。1つの積層セラミックキャパシタについて、10回の測定を行い、ESR値の相加平均値と、標準偏差を算出した。その結果を表1に示す。
【表1】
表1に示した実施例1〜3の各積層セラミックキャパシタの結果から、針状粒子のみを含有させた外部電極(第1の外部電極及び第2の外部電極)であっても発振現象の発生を充分に防止できるとともに充分な平滑作用を得ることのできる優れた信頼性を有していることが確認された。
また、実施例4〜15の各積層セラミックキャパシタの結果から、針状粒子及び球状粒子を含有させた外部電極(第1の外部電極及び第2の外部電極)の場合にも発振現象の発生を充分に防止できるとともに充分な平滑作用を得ることのできる優れた信頼性を有していることが確認された。
以上のように、実施例1〜15の各積層セラミックキャパシタは、ESRの値が40〜150mΩの広範囲で、かつ、ESRの値の標準偏差が10mΩ以下である電源回路の平滑回路等に充分に使用し得る積層セラミックキャパシタを得ることができることが確認された。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明によれば、ESRの値が40〜150mΩであり、かつ、動作時に得られるESRの値のバラツキ(標準偏差)が10mΩ以下である積層型電子部品を容易かつ確実に得ることができる。そのため、電源のバイパス回路に使用された場合であっても、発振現象の発生を充分に防止できるとともに充分な平滑作用を得ることのできる優れた信頼性を有しており、しかも、量産性に優れた構成を有する積層型電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の積層型電子部品の好適な一実施形態{積層セラミックキャパシタ}の基本構成を示す概略断面図である。
図2は図1に示す第1の外部電極及び第2の外部電極の内部構造を模式的に示す部分拡大断面図である。
Claims (12)
- 誘電体を構成材料として含む誘電体部と、
前記誘電体部にそれぞれ密着した状態で配置されており、該誘電体部を介して対向配置される1対の第1の外部電極及び第2の外部電極と、
を少なくとも有しており、
前記誘電体部は、前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極のうちの何れか一方に電気的に接続される2以上の内部電極と、前記誘電体からなりかつ前記2以上の内部電極のうちの隣り合う電極の間に1つずつ配置される1以上の誘電体層と、を有しており、
前記2以上の内部電極のうちの少なくとも1つは前記第1の外部電極に電気的に接続されており、前記2以上の内部電極のうちの少なくとも1つは前記第2の外部電極に電気的に接続されており、
前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極は、それぞれ熱硬化性樹脂と導電性粒子とを主成分とする導電性樹脂からなる樹脂電極層を少なくとも有しており、
前記導電性樹脂中の前記導電性粒子の含有率が70〜75質量%であり、
前記導電性粒子は、長手方向の平均長さが30〜70μmであり、アスペクト比が1.5〜3.3である針状粒子を主成分として含んでいる積層型電子部品。 - 前記導電性樹脂中に含まれる前記針状粒子の含有率が40〜75質量%である請求項1に記載の積層型電子部品。
- 前記導電性粒子中には、平均粒子径が3〜20μmの球状粒子が更に含まれており、
前記導電性粒子中の前記針状粒子の含有率が40〜75質量%であり、かつ、
前記導電性粒子中の前記球状粒子の含有率が15〜35質量%である請求項1に記載の積層型電子部品。 - 前記針状粒子がAgからなる粒子である請求項1に記載の積層型電子部品。
- 前記球状粒子がAgからなる粒子である請求項3に記載の積層型電子部品。
- 前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極のそれぞれには、前記樹脂電極層と前記誘電体部との間に配置される金属からなる金属電極層が更に設けられている請求項1に記載の積層型電子部品。
- 前記金属電極層は、Cu、Ag、Pd、Ni及びAg−Pd合金のうちの何れかの金属を主成分とするペーストを焼結させることにより形成されている請求項6に記載の積層型電子部品。
- 前記樹脂電極層の外表面には、メッキ法により形成されるNiからなるNiメッキ層が更に配置されている請求項1に記載の積層型電子部品。
- 前記Niメッキ層の外表面には、メッキ法により形成されるSnからなるSnメッキ層が更に配置されている請求項8に記載の積層型電子部品。
- 1つの前記誘電体層を介して隣り合う2つの前記内部電極のうちの一方が前記第1の外部電極に電気的に接続され、かつ、他方が前記第2の外部電極に電気的に接続されるように、前記2以上の内部電極のそれぞれが前記誘電体部中に配置されている請求項1に記載の積層型電子部品。
- 等価直列抵抗の値が40〜150mΩであり、かつ、動作時に得られる前記等価直列抵抗の値の標準偏差が10mΩ以下である請求項1に記載の積層型電子部品。
- 前記等価直列抵抗の値の前記標準偏差が8mΩ以下である請求項11に記載の積層型電子部品。
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