JP4275205B2 - ゴムとポリエステル繊維の接着剤用共重合体ラテックス - Google Patents
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Description
本発明は、ゴムとポリエステル繊維との接着剤用共重合体ラテックスに関するものである。さらに詳しくは、タイヤ、ベルト、ホース等のゴム製品に含まれるポリエステル繊維とゴムとの接着に適した、改良された接着剤用共重合体ラテックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル繊維はナイロン繊維と比較して伸びが少なく寸法安定性に優れているため、ラジアルタイヤのカーカス用コード等の用途を中心にゴム補強用として広く用いられている。
【0003】
しかしながら、ゴム補強用のポリエステル繊維はナイロン繊維やレーヨン繊維に比べゴムとの接着に不活性であるため、通常加硫後の繊維/ゴム間の接着力(初期接着力)が低いという問題がある。このため、ブタジエン−スチレン−ビニルピリジン共重合体ラテックス単独またはそれとスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスとの混合物、およびレゾルシン−ホルマリン樹脂(RFレジン)からなる接着剤組成物(RFL)を用いて接着処理するだけでは、実用的な接着力が得られず、あらかじめポリエステル繊維をエポキシ樹脂やイソシアネート化合物で前処理した後RFL処理したり、RFLにP−クロロフェノール、ホルムアデヒド、レゾルシノールの縮合物のアンモニア溶液(ナガセ化成工業社製:デナボンド)等の接着助剤を添加した接着処理液を用いる等して実用に供されている。
【0004】
また、ポリエステル繊維は耐熱性が劣るため、高温加硫後や高温履歴後の繊維/ゴム間の接着力(耐熱接着力)の低下が激しいという問題もある。
【0005】
このため、RFLに使用する共重合体ラテックスの面でも改良がなされており、例えば、特公平7−5871号公報では、特定の共重合体ラテックスをRFLに使用することが提案されている。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年のタイヤの高性能化や生産性向上のための高温加硫など、ますます耐熱接着力に対する品質要求は厳しくなっており、さらなる改良が望まれている。即ち、RFL浸漬後のコード強度の低下がなく、また初期接着力、耐熱接着力にも優れたゴムとポリエステル繊維との接着剤用共重合体ラテックスが求められている。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明者等は、ポリエステル繊維が有する上記の問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、脂肪族共役ジエン系単量体30〜70重量%、ビニルピリジン10〜30重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体5〜60重量%から構成される単量体(A)50〜95重量部を重合して得られた共重合体ラテックスの存在下に、脂肪族共役ジエン系単量体30〜95重量%および共重合可能な他の単量体(ただしビニルピリジンを除く)5〜70重量%から構成される単量体(B)5〜50重量部(ただし単量体(A)と(B)の合計100重量部)を重合して得られる共重合体ラテックスであって、かつ共重合体ラテックスフィルムのテトラヒドロフランに可溶なゾル部の重量平均分子量が8万以上であることを特徴とするゴムとポリエステル繊維の接着剤用共重合体ラテックスを提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳しく説明する。
本発明における共重合体ラテックスに使用されるビニルピリジン系単量体としては、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン等があげられ、これらを1種もしくは2種以上使用することができる。これらの中で2−ビニルピリジンが好ましい。
【0010】
単量体(A)の組成においてビニルピリジンが10重量%未満では初期接着力および耐熱接着力共に低下し、30重量%を越えると初期接着力が低下する。好ましくは13〜25重量%である。
【0011】
本発明の共重合体ラテックスに使用される共役ジエン系単量体としては例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられ、これらを1種もしくは2種以上使用することができる。これらの中で1,3−ブタジエンが好ましい。
【0012】
単量体(A)の組成において脂肪族共役ジエン単量体が30重量%未満では初期接着力が低下し、70重量%を越えるとRFL浸漬後のコード強度および耐熱接着力が低下する。好ましくは35〜65重量%である。
【0013】
また、単量体(B)の組成において脂肪族共役ジエン単量体が30重量%未満では初期接着力が低下し、95重量%を越えるとRFL浸漬後のコード強度および耐熱接着力が低下する。好ましくは35〜90重量%である。
【0014】
本発明の共重合体ラテックスに使用することのできる他の共重合可能な単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレン等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸等のエチレン系不飽和カルボン酸単量体およびメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体およびアクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられ、それぞれ1種もしくは2種以上使用することができる。
【0015】
これらの中で芳香族ビニル系単量体単独またはそれと他の単量体から選ばれた1種以上の単量体との組合せが望ましく、さらにはスチレン単独またはスチレンとα−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、イタコン酸、メチルメタクリレートから選ばれた単量体との組合せが特に好ましい。
【0016】
単量体(A)において、これら共重合可能な単量体が5重量%未満では耐熱接着力が低下し、45重量%を超えると初期接着力、耐熱接着力共に低下する。また、単量体(B)において、これら共重合可能な単量体が5重量%未満では耐熱接着力が低下し、70重量%を超えると初期接着力、耐熱接着力共に低下する。
【0017】
単量体(B)において、ビニルピリジンを使用すると、初期接着力および耐熱接着力の改良効果が小さい。
【0018】
本発明における単量体(A)と単量体(B)の重量比(A)/(B)は50〜95/5〜50である。この範囲外ではRFL浸漬後のコード強度および耐熱接着力の改良効果が小さい。好ましくは55〜90/10〜45である。
【0019】
また、本発明における共重合体ラテックスフィルムのテトラヒドロフランに可溶なゾル部の重量平均分子量は8万以上である。重量平均分子量が8万未満では初期接着力、耐熱接着力ともに低下する。好ましくは10万以上である。
【0020】
本発明において、共重合体ラテックスフィルムのテトラヒドロフランに可溶なゾル部の重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した値である。具体的には、室温乾燥で共重合体ラテックスからフィルムを作製し、該フィルムをテトラヒドロフランに浸漬した後に、テトラヒドロフランに可溶なゾル部をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0021】
本発明の共重合体ラテックスは、公知の二段重合方法などにより製造されるが、重合に際し単量体(A)および(B)の添加方法に特に制限はなく、一括添加方法、分割添加方法、パワーフィード添加方法、連続添加方法等いずれも採用できる。特に一括添加方法と分割添加方法が好ましい。
【0022】
単量体(B)の添加を開始するタイミングとしては、単量体(A)の重合転化率が50〜90重量%であることが好ましい。さらに好ましくは65〜85重量%である。
【0023】
本発明の共重合体ラテックスの重合に際しては、乳化剤として、ロジン酸石鹸、脂肪酸石鹸、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤あるいはポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用することができる。
【0024】
また、本発明の共重合体ラテックスの重合に際しては、従来公知の連鎖移動剤、重合開始剤、電解質、重合促進剤、キレート剤等、さらには炭化水素系溶剤を使用することができる。
【0025】
連鎖移動剤としてはα−メチルスチレンダイマー、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、ターピノレンや、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
【0026】
これらの連鎖移動剤は、通常、単量体100重量部に対して0〜10重量部にて使用される。共重合体ラテックスフィルムのテトラヒドロフランに可溶なゾル部の重量平均分子量は、この連鎖移動剤量により調整できる。
【0027】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、レドックス系重合開始剤、過酸化ベンゾイル等の油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。特に水溶性重合開始剤の使用が好ましい。
【0028】
また、重合に際して、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用しても良い。
【0029】
本発明の共重合体ラテックスは、適宜、レゾルシン−ホルマリン樹脂と混合することにより接着剤組成物(RFL)として使用される。該接着剤組成物における共重合体ラテックスとレゾルシン−ホルマリン樹脂の使用比率は、特に限定されないが、通常、共重合体ラテックス100重量部(固形分)に対してレゾルシン−ホルマリン樹脂を5〜100重量部(固形分)使用することが好ましい。
【0030】
また、本発明の共重合体ラテックスを含有する接着剤組成物には、イソシアネート、ブロックドイソシアネート、エチレン尿素、2,6−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−クロロフェノール、一塩化イオウとレゾルシンの縮合物及びレゾルシン−ホルマリン縮合物との混合物などの変性レゾルシン−ホルマリン樹脂、ポリエポキシド、変性ポリ塩化ビニル、カーボンブラックといった接着助剤、充填剤、架橋剤、加硫剤、加硫促進剤等を必要に応じて配合しても差し支えない。
【0031】
本発明の共重合体ラテックスを含有する接着剤組成物が使用されるポリエステル繊維はコード、ケーブル、織物、帆布、短繊維等いずれの形態であっても良い。
【0032】
また、本発明の共重合体ラテックスを含有する接着剤組成物で処理された繊維と接着に供されるゴムとしては、天然ゴム、SBR、NBR、クロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム更にはそれらの各種変性ゴム等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0033】
また、該接着剤組成物を製造するに際して、必要に応じて、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ラテックス、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ラテックス、クロロプレンラテックス、イソプレンラテックス等を併用しても良いが、それらは本発明の共重合体ラテックス100重量部に対して100重量部未満であることが好ましく、さらに好ましくは60重量部未満である。
【0034】
【実施例】
以下に、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。なお、実施例中の部および%は断りのない限り全て重量部および重量%を意味する。
【0035】
(共重合体ラテックス1の製造)
攪拌機付きオートクレーブに、水90部、ナフタレンスルホン酸ナトリウム・ホルマリン縮合物1部、水酸化ナトリウム0.1部とロジン酸カリウム3.5部を加え溶解させる。これに、さらに1,3−ブタジエン21.0部、2−ビニルピリジン15.0部、スチレン24.0部とt−ドデシルメルカプタン0.35部を仕込み、乳化させる。次いで、過硫酸カリウム0.4部を加え、全体を50℃に保ち重合を行う。重合転化率が上記仕込み単量体の82%に達したならば、1,3−ブタジエン36.0部、スチレン4.0部とt−ドデシルメルカプタン0.2部及びロジン酸カリウム1.2部、過硫酸カリウム0.2部、水40部を仕込み、重合を継続した。重合転化率が、全単量体の93%に達したら、ハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス1を得た。
【0036】
(共重合体ラテックス2の製造)
攪拌機付きオートクレーブに、水130部、ナフタレンスルホン酸ナトリウム・ホルマリン縮合物1部、水酸化ナトリウム0.1部とロジン酸カリウム4.5部を加え溶解させる。これに、さらに1,3−ブタジエン40.5部、2−ビニルピリジン11.7部、スチレン37.8部とt−ドデシルメルカプタン0.45部を仕込み、乳化させる。次いで、過硫酸カリウム0.5部を加え、全体を55℃に保ち重合を行う。重合転化率が上記仕込み単量体の65%に達したならば、1,3−ブタジエン6.0部、スチレン2.0部、メチルメタクリレート2.0部とt−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み、重合を継続した。重合転化率が、全単量体の95%に達したら、ハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス2を得た。
【0037】
(共重合体ラテックス3、4,7,8、の製造)
表−1、2に示したt−ドデシルメルカプタン量(部)、単量体(部)を用いる以外は、共重合体ラテックス1と全く同様にして、共重合体ラテックス3、4,7,8を得た。
【0038】
(共重合体ラテックス5の製造)
攪拌機付きオートクレーブに、水100部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル6.0部と1,3−ブタジエン42.0部、2−ビニルピリジン14.0部、スチレン11.9部、イタコン酸2.1部、t−ドデシルメルカプタン0.35部、および水酸化ナトリウム0.2部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.05部、過硫酸カリウム0.3部を仕込み、全体を50℃に保ち重合を行う。重合転化率が上記仕込み単量体の76%に達したならば、1,3−ブタジエン12.0部、スチレン18.0部、t−ドデシルメルカプタン0.12部及び、ポリオキシエチレンラウリルエーテル1.5部、水40部を仕込み、重合を継続した。重合転化率が、全単量体の95%に達したら、ハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス5を得た。
【0039】
(共重合体ラテックス6、9、10の製造)
表−1、2に示したt−ドデシルメルカプタン量(部)、単量体(部)を用いる以外は、共重合体ラテックス5と全く同様にして、共重合体ラテックス6、9、10を得た。
【0040】
(共重合体ラテックス11、12の製造)
表−2に示したt−ドデシルメルカプタン量(部)、単量体(部)を用いる以外は、共重合体ラテックス2と全く同様にして、共重合体ラテックス11、12を得た。
【0041】
(共重合体ラテックス13の製造)
攪拌機付きオートクレーブに、水90部、ナフタレンスルホン酸ナトリウム・ホルマリン縮合物1部、水酸化ナトリウム0.1部とロジン酸カリウム3.5部を加え溶解させる。これに、さらに1,3−ブタジエン42.0部、2−ビニルピリジン14.0部、スチレン14.0部とt−ドデシルメルカプタン0.5部を仕込み、乳化させる。次いで、過硫酸カリウム0.4部を加え、全体を50℃に保ち重合を行う。重合転化率が上記仕込み単量体の94%に達したならば、1,3−ブタジエン12.0部、スチレン18.0部とt−ドデシルメルカプタン0.2部及びロジン酸カリウム1.2部、過硫酸カリウム0.2部、水40部を仕込み、重合を継続した。重合転化率が、全単量体の93%に達したら、ハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス13を得た。
【0042】
(共重合体ラテックス14の製造)
攪拌機付きオートクレーブに、水100部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル6.0部と1,3−ブタジエン42.0部、2−ビニルピリジン14.0部、スチレン11.9部、イタコン酸2.1部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、および水酸化ナトリウム0.2部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.05部、過硫酸カリウム0.3部を仕込み、全体を50℃に保ち重合を行う。重合転化率が上記仕込み単量体の94%に達したならば、1,3−ブタジエン12.0部、スチレン18.0部、t−ドデシルメルカプタン0.2部及び、ポリオキシエチレンラウリルエーテル1.5部、水40部を仕込み、重合を継続した。重合転化率が、全単量体の95%に達したら、ハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス14を得た。
【0043】
(共重合体ラテックス15の製造)
攪拌機付きオートクレーブに、水130部、ナフタレンスルホン酸ナトリウム・ホルマリン縮合物1部、水酸化ナトリウム0.1部とロジン酸カリウム4.5部を加え溶解させる。これに、さらに1,3−ブタジエン40.5部、2−ビニルピリジン13.5部、スチレン36.0部とt−ドデシルメルカプタン0.6部を仕込み、乳化させる。次いで、過硫酸カリウム0.5部を加え、全体を55℃に保ち重合を行う。重合転化率が上記仕込み単量体の87%に達したならば、1,3−ブタジエン6.0部、スチレン2.0部、メチルメタクリレート2.0部とt−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み、重合を継続した。重合転化率が、全単量体の95%に達したら、ハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス15を得た。
【0044】
(共重合体ラテックス16の製造)
攪拌機付きオートクレーブに、水130部、ナフタレンスルホン酸ナトリウム・ホルマリン縮合物1部、水酸化ナトリウム0.2部とロジン酸カリウム4.5部を加え溶解させる。これに、さらに1,3−ブタジエン65.0部、2−ビニルピリジン13.5部、スチレン21.5部とt−ドデシルメルカプタン0.6部を仕込み、乳化させる。次いで、過硫酸カリウム0.5部を加え、全体を55℃に保ち重合を行う。重合転化率が、全単量体の95%に達したら、ハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス16を得た。
【0045】
(共重合体ラテックス17の製造)
攪拌機付きオートクレーブに、水90部、ナフタレンスルホン酸ナトリウム・ホルマリン縮合物1部、水酸化ナトリウム0.1部とロジン酸カリウム3.0部を加え溶解させる。これに、さらに1,3−ブタジエン14.0部、2−ビニルピリジン10.0部、スチレン16.0部とt−ドデシルメルカプタン0.2部を仕込み、乳化させる。次いで、過硫酸カリウム0.2部を加え、全体を50℃に保ち重合を行う。重合転化率が上記仕込み単量体の85%に達したならば、1,3−ブタジエン51.0部、スチレン9.0部とt−ドデシルメルカプタン0.5部及びロジン酸カリウム2.0部、過硫酸カリウム0.2部、水40部を仕込み、重合を継続した。重合転化率が、全単量体の93%に達したら、ハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス17を得た。
【0046】
(共重合体ラテックスフィルムのゾル部の分子量測定方法)
室温乾燥で共重合体ラテックスからフィルムを作製した。該フィルム0.2gをテトラヒドロフラン400mlに浸漬した後に、平均孔系0.45ミクロンのフィルターで濾過し、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)用のサンプルとした。ポリスチレンを用いて作製した較正曲線を用い、テトラヒドロフランを移動相とし、検出器としては紫外吸収検出器を用いて測定を行い、重量平均分子量を得た。
前述の方法で測定した共重合体ラテックスフィルムのゾル部の分子量を表−1、2示す。
【0047】
【表−1】
【0048】
【表−2】
【0049】
応用例−1
〈RFL液の調整〉
水229部に水酸化ナトリウム0.41部を加え攪拌後、65%のレゾルシン−ホルマリン樹脂(住友化学工業社製:スミカノール700S)24.2部を加え攪拌後、さらに37%ホルマリン6.3部を加え攪拌混合し25℃にて4時間熟成することにより、RFレジンを作成する。
次いで、表−1、2に示す共重合体ラテックスそれぞれ100部(固形分)中に、得られたRFレジンを18.5部と、25%アンモニア水14部を加え、水にて固形分20.0%に調整後、25℃にて40時間熟成させる。その後、P−クロロフェノール、ホルムアルデヒド、レゾルシノールの縮合物のアンモニア溶液(ナガセ化成工業社製:デナボンド)を37部添加し、表−3に示すRFL液A−1〜A−17を得た。結果を表−3に示す。
(タイヤコード浸漬処理、コード強度および接着力測定)
試験用シングルコードディッピングマシンを用いて、得られたRFL液にて各々ポリエステル・タイヤコード(1500D/2)を浸漬処理し、120℃で60秒間乾燥したのち、230℃で120秒間、焼き付けを行った。浸漬処理された各々のタイヤコードをJIS−L1017に従いコード強度を測定した。結果を表−3に示す。
また、この処理されたタイヤコードを表−4の配合処方に基づくゴム配合物ではさみ、140℃で45分、および170℃で90分の各々の条件にて加硫プレスした。ASTM,D2138−67(H Pull Test)に従い接着力および高温覆歴による接着力の低下を測定した。結果を表−3に示す。また、図1に示すように表−4のゴム配合物1の表層に処理コード2を等間隔にて4本埋め込み、170℃、100分間の条件にて加硫プレスし、耐熱剥離接着力測定用の試験片を作製した。この試験片を用いて、図2に示すようにコード4本の先端を粘着テープ3にて固定し、ゴム配合物1より矢印の方向に剥離し、耐熱剥離接着力を測定した。また、剥離後のコードへのゴム付着状態を肉眼にて判定し、優れるもの5点〜劣るもの1点として相対的に評価した。結果を表−3に示す。
【0050】
【表−3】
【0051】
【表−4】
【0052】
応用例−2
(前処理液の調製〉
水914部に30%ネオコールS(第一工業製薬社製)4.0重量部とデナコールEX−611(ナガセ化成工業社製)6.0重量部を加え攪拌後、27%SU−125F(明成化学社製)60.0重量部を加え攪拌し、さらに表−1に示す共重合体ラテックス100重量部(固形分)を加え、攪拌混合し前処理液を作成する。
〈2浴目RFL液の調製〉
水229部に水酸化ナトリウム0.41部を加え攪拌後、65%のレゾルシン−ホルマリン樹脂(住友化学工業社製:スミカノール700S)24.2部を加え攪拌後、さらに37%ホルマリン6.3部を加え攪拌混合し25℃にて4時間熟成することにより、RFレジンを作成する。
次いで、表−1、2に示す共重合体ラテックスそれぞれ100部(固形分)中に、得られたRFレジンを18.5部と、25%アンモニア水14部を加え、水にて固形分20.0%に調整後、25℃にて40時間熟成させ表−5に示すRFL液B−1〜B−17を得た。
【0053】
〈タイヤコード浸漬処理、コード強度および接着力測定〉
試験用シングルコードディッピングマシンを用いて、得られた前処理液にて各々ポリエステル・タイヤコード(1500D/2)の浸漬処理を120℃で60秒間乾燥したのち、230℃で120秒間、焼き付けを行った。その後、前処理されたポリエステル・タイヤコード(1500D/2)を得られたRFL液にて浸漬処理し、120℃で60秒間乾燥したのち、230℃で120秒間、焼き付けを行った。浸漬処理された各々のタイヤコードをJIS−L1017に従いコード強度を測定した。結果を表−5に示す。また、この処理されたタイヤコードを表−4の配合処方に基づくゴム配合物ではさみ、140℃で45分、および170℃で90分の各々の条件にて加硫プレスした。ASTM,D2138−67(H−PullTest)に従い接着力および高温覆歴による接着力の低下を測定した。結果を表−5に示す。 また、図1に示すように表−4のゴム配合物1の表層に処理コード2を等間隔にて4本埋め込み、170℃、100分間の条件にて加硫プレスし、耐熱剥離接着力測定用の試験片を作製した。 この試験片を用いて、図2に示すようにコード4本の先端を粘着テープ3にて固定し、ゴム配合物1より矢印の方向に剥離し、耐熱剥離接着力を測定した。また、剥離後のコードへのゴム付着状態を肉眼にて判定し、優れるもの5点〜劣るもの1点として相対的に評価した。結果を表−5に示す。
【0054】
【表−5】
【0055】
(発明の効果)
本発明の共重合体ラテックスを含有する接着剤組成物は、従来のものに比べて熱処理後の繊維コードの強度低下が少なく、かつゴムとポリエステル繊維との間に良好な接着力を与える。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の耐熱剥離接着力測定用試験片の斜視図である。
【図2】 本発明の耐熱剥離接着力測定後の試験片の斜視図である。
【符号の説明】
1…ゴム配合物、2…処理コード、3…粘着テープ
Claims (1)
- 脂肪族共役ジエン系単量体30〜70重量%、ビニルピリジン10〜30重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体5〜60重量%から構成される単量体(A)50〜95重量部を連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタンを0.30〜0.45重量部使用して重合して得られた共重合体ラテックスの存在下に、脂肪族共役ジエン系単量体30〜95重量%および共重合可能な他の単量体(ただしビニルピリジンを除く)5〜70重量%から構成される単量体(B)5〜50重量部(ただし単量体(A)と(B)の合計100重量部)を連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタンを0.10〜0.25重量部(ただし、t−ドデシルメルカプタンの総使用量は0.55重量部以下)使用して重合して得られる共重合体ラテックスであって、かつ共重合体ラテックスフィルムのテトラヒドロフランに可溶なゾル部の重量平均分子量が12万以上22万以下であることを特徴とするゴムとポリエステル繊維の接着剤用共重合体ラテックス。
【0001】
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