JP4273677B2 - エレベーター装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキ装置として複数の制動力付加手段と複数の制動力解放手段とを有するエレベーター装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のロープ式エレベーター装置は図9に示すように、昇降路1下部のピット1aに設置した巻上機2の駆動シーブ3に巻き掛けた主ロープ4を昇降路1上部のそらせ車5を介して両側にそれぞれ乗かご6の吊り車7及びつり合おもり8の吊り車9を巻回し、両端が昇降路1頂部のロープ止め部材10に固定され、前記乗かご6及びつり合おもり8がつるべ状に懸下される。前記巻上機2は前記駆動シーブ3と、この駆動シーブ3を駆動する電動機11、乗かご6及びつり合おもり8を停止・保持するためのブレーキ装置としての電磁ブレーキ12で構成され、この電磁ブレーキ12は巻上機の回転部に制動力を付加する制動力付加手段と、この制動力付加手段を解放操作してその付加力を解除する制動力解放手段とから構成される。また、前記電動機11の軸の回転を検出し、この検出出力を前記乗かご6の位置、速度等の制御に用いるエンコーダ13を備えている。
【0003】
このように構成されたエレベーター装置では、巻上機2の電動機11および電磁ブレーキ12が制御装置14によって制御され、駆動シーブ3が駆動、制動される。これによって、巻き掛けられている主ロープ4が駆動、制動され、乗かご6およびつり合おもり8が昇降路1内を昇降、停止する。エンコーダ13の信号は制御装置14にフィードバックされ、電動機11及び乗かご6の位置及び速度制御を行う。
【0004】
すなわち、エレベーター装置の運転は、まず電磁ブレーキ12の制動力解放手段を操作して制動力を解放した状態にし、巻上機2の電動機11を駆動して駆動シーブ3を回転させ、主ロープ4を介して乗かご6を駆動する。また、エレベーター装置の停止は、制御装置14からの減速、停止指令によって電動機11の速度、すなわち、乗かご6の速度を零にし、その後、電磁ブレーキ12の制動力付加手段により制動力、すなわち電磁ブレーキ12で発生する摩擦力で巻上機2及び乗かご6を静止状態に保持する。
【0005】
ところで、回転軸をばねで制動力を付加し電磁力で制動を解除する電磁ブレーキは、作動の確実性、安全性の面などから制動手段を2系統設けることを要求されることがある。2系統の制動手段を有する電磁ブレーキとしては、例えば実開昭58−30046号公報に開示されている。これは、少なくとも2組のリング状のアーマチャプレートと電磁石、制動ばねを具備し、それぞれで制動し得るようにしてなる電磁ブレーキであり、1台のブレーキ装置を形成しているが、内部構造で制動手段を2系統有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
エレベーターは人が利用する縦方向の交通機械であるので、安全性には十分配慮しなければならない。とくに安全装置であるブレーキ装置は確実に作動し、制動動作を行うことが要求される。したがって、上記2系統の制動手段を有する電磁ブレーキをエレベーターに適用する場合も同様である。この2系統の制動手段を有する電磁ブレーキは構成部品もおよそ倍増するので異常・故障の確率も増加する。そこで、異常・故障の早期検知が必要であるとともに、異常・故障検知後にエレベーターを安全に最寄り階まで運行させることが必要である。エレベーターの電磁ブレーキ部の異常・故障検知とその後の運転方法については、特開平9−295774号公報でレールブレーキにおけるブレーキコイルの異常検出と最寄階運転があり、また、特開平9−25068号公報でレールブレーキにおけるレールとシュー間のギャップ検出と最寄階運転があり、また、特開平10−120326号公報でレールブレーキにおけるブレーキシューの磨耗検出と再起動阻止があり、また、特開平2−127379号公報でブレーキ部に加わる回転力の異常検出と乗かごの停止、最寄階運転があり、また、特開平11−106154号公報でブレーキ部のアーマチャ−ディスク−プレート間の間隙検出等がある。
【0007】
しかしながら、上記従来の2系統の制動手段を有する電磁ブレーキを用いたエレベーターでは制動手段の異常・故障検知及び検知後の運転制御の考慮がされてない。
【0008】
本発明の課題は上記のような問題点を解決するためになされたもので、複数系統の制動手段を有する電磁ブレーキの異常・故障を検知し、検知後最寄り階まで運行させるエレベーター装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るエレベーター装置は、一方側に乗かご、他方側につり合おもりを係合する主ロープが巻掛けられる駆動シーブと、この駆動シーブを駆動し制御装置により運転制御される電動機と、この駆動シーブを制動するブレーキ装置とで構成される巻上機を備え、前記ブレーキ装置は、前記巻上機の回転部材に制動力を付加する複数の制動力付加手段と、前記制動力付加手段を解放する複数の制動力解放手段とを有し、前記制動力解放手段を制御する制動力制御手段を具備するエレベーター装置において、前記制動力付加手段及び制動力解放手段の状態要件を入力し、この状態要件に応じて指令値を出力して前記制動力制御手段を作動させるとともに、前記指令値を前記制御装置に入力し前記巻上機を運転させ、前記状態要件の異常を検出すると、複数の前記制動力付加手段のいずれかと複数の前記制動力解放手段のいずれかを含む複数の制動手段系統の内、前記異常が検出された前記制動力付加手段または前記制動力解放手段を含む前記制動手段系統を、前記指令値により制動状態としながら、最寄階に着床するように回生運転方向に運転させる状態要件判断手段を備えたものである。さらに、前記制動力付加手段は摺動部材と、前記巻上機の回転部材を押圧するように配置され前記摺動部材を支持する支持部材と、この支持部材を押圧するばねとで構成し、前記制動力解放手段はフィールドコアに電磁コイルを有する電磁石と、この電磁石で電磁吸引されて前記支持部材の押圧を解除するアーマチャとで構成するとともに、前記状態要件は、少なくとも前記電磁コイルの通電電流,前記電磁石の温度,前記摺動部材の温度,前記アーマチャの変位のいずれかであり、異常が検出された前記制動力付加手段または前記制動力解放手段を含む前記制動手段系統は、この制動手段系統における前記電磁コイルの通電電流を遮断することにより制動状態とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図8に基づいて説明する。なお、従来例の図9と同一部分については同一符号を付し、説明を省略する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態によるエレベーター装置を示す構成図を示す。図2は本発明の実施の形態による電磁ブレーキの正面図であり、後記する図3のA−B−C断面を示す。図3は図2の右側面図、図4は図2のD−D視図で電磁石部分の側面図を示す。図5は図2のE−E視図でアーマチャ部分の側面図であり、第1及び第2のアーマチャ24a、24bを構成した図を示す。 図6は図5の第1のアーマチャ24aを示し、図7は図5の第2のアーマチャ24bを示す。図8は図1の状態要件判断手段19及び状態要件の検知を詳細に示す図である。
【0015】
図1において昇降路下部のピットに設置した巻上機2の駆動シーブ3に巻き掛けた主ロープ4を昇降路上部のそらせ車5を介して両側にそれぞれ乗かご6の吊り車7及びつり合おもり8の吊り車9を巻回し、両端が昇降路頂部のロープ止め部材10に固定され、前記乗かご6及びつり合おもり8がつるべ状に懸下される。巻上機2は前記駆動シーブ3、この駆動シーブ3を駆動する電動機11、乗かご6及びつり合おもり8を停止・保持するためのブレーキ装置としての電磁ブレーキ12で構成される。
【0016】
この電磁ブレーキ12は巻上機2の回転部に制動力を付加する複数の制動力付加手段12a1、12a2と、この制動力付加手段12a1、12a2を解放操作してその付加力を解除する複数の制動力解放手段12b1、12b2とから構成され、内部構造で前記制動力付加手段12a1と制動力解放手段12b1とで構成される第1の制動手段12c及び前記制動力付加手段12a2と制動力解放手段12b2とで構成される第2の制動手段12dの複数系統の制動手段を有する。
【0017】
制御装置14は、乗かご6の位置、速度及び運転方向を検出するエンコーダ13の出力と、乗かご6の積載量検出器15の出力とをフィードバック入力として電動機11を制御している。さらに制御装置14は状態要件判断手段19に基準値16及び有効/無効信号20を出力するとともに、状態要件判断手段19から運転モード信号18を入力している。
【0018】
前記状態要件判断手段19は、電磁ブレーキ12の状態要件、すなわち前記制動力解放手段12b1、12b2の電磁コイル30の電流icあるいは電磁石22の温度Th1あるいは前記制動力付加手段12a1、12a2の摺動部材25の温度Th2あるいはアーマチャ24a、24bの変位Da、Db等を入力し、これらの状態要件をそれぞれの状態要件に対応する基準値16と比較し、設定した基準値16の範囲外となる異常を検出すると、異常と検出した電磁コイル30の電流icを遮断する制動力制御手段17に指令を出力するとともに、通常運転モードから最寄階運転モードに切換える指令信号、すなわち運転モード信号18を制御装置14に出力する。
【0019】
この際、前記運転モード信号18により、最寄階運転モードの場合は状態要件判断手段19を無効とし、通常運転モードの場合は状態要件判断手段19を有効とするようになっている。また、状態要件判断手段19により最寄階運転モードとなる場合は、異常のある制動手段系統の電磁コイル30の電流icを遮断する。すなわち、コイル電流を遮断した方のブレーキは制動状態で運転することになるので、電動機11及び電磁ブレーキ12に極力負担がかからないように、乗かご積載量検出器15により乗かご6とつり合おもり8との関係で重い方向、すなわち回生運転方向に低速で運転するようになっている。
【0020】
なお、42a、42bは電磁コイル30の通電電流を検出する電流検出器であり、40a〜40dは電磁石22の温度、40e〜40iは摺動部材25の温度を検出する温度検出器であり、39a、39bはアーマチャ24a、24bの変位を検出する変位検出器である。
【0021】
図2乃至図7において前記ブレーキ装置としての一例の2系統の制動手段を有する電磁ブレーキの詳細を説明する。
【0022】
21は電磁ディスクブレーキであり、主な構成要素は電磁石22a〜22d、制動ばね23a〜23h、詳細を後述する第1及び第2のアーマチャ24a、24b、摺動部材25a〜25e、制動円板26、プレート27、支持軸28等で構成され、例えば電動機Mの回転軸29を制動付加、制動解除するように構成される。
【0023】
前記電磁ディスクブレーキ21の構造を説明する。コイル30a〜30dとこれを内蔵したフィールドコア31a〜31dとで構成される複数の電磁石22a〜22dが電動機Mのケーシング32に取付けられる。そして、前記フィールドコア31a〜31dに隣接して第1及び第2のアーマチュア24a、24b−制動円板26−プレート27の順に、電動機Mの回転軸29方向に配置されている。さらに、ケーシング32に設けられた通しボルトとしての支持軸28は前記第1及び第2のアーマチャ24a、24b及びプレート27の外周部分を貫き、これら第1及び第2のアーマチャ24a、24b及びプレート27を回転方向に拘束、回転軸29方向に可動に支持する。前記支持軸28は先端部でプレート27をナット33で支持軸28方向の位置決めを行っている。ナット34は前記位置決めナット33の緩み止めである。前記第1及び第2のアーマチャ24a、24b−プレート27間の間隔保持用のばね35が設けてある。制動円板26は回転軸29に設けられたスプラインボス36の外周部のスプライン37と噛み合って、スプライン37上を回転軸29方向に可動になっている。
【0024】
前記第1及び第2のアーマチュア24a、24bにはそれぞれ円弧状の摺動材25a〜25d、プレート27には円弧状あるいは環状の摺動材25eが装着されている。これらの摺動材25a〜25eが制動円板26を制動ばね23a〜23hの圧力で挟圧して制動力を発生させている。なお、前記摺動材25a〜25eは前記制動円板26側に装着しても良い。またこれらの摺動材25a〜25eを装着し支持する第1及び第2のアーマチュア24a、24b及びプレート27を総称して摺動材25a〜25eの支持部材43と称する。
【0025】
前記ケーシング32には制動ばね23a〜23hが配置され、この制動ばね23a〜23hで第1及び第2のアーマチュア24a、24b、プレート27によって制動円板26を押圧し、フィールドコア31a〜31dにコイル30a〜30dを内蔵した電磁石22a〜22dと第1及び第2のアーマチャ24a、24bとで磁路gを形成し、コイル30の電流通電・遮断によりこのアーマチャ24a、24bを回転軸29方向に吸引動作(制動解除動作になる)、釈放動作(制動付加動作になる)するようになっている。
【0026】
上記構造において、第1の制動力付加手段12a1の主要構成はアーマチャ24a、摺動部材25a、25b、制動ばね23a〜23dであり、第2の制動力付加手段12a2の主要構成はアーマチャ24b、摺動部材25c、25d、制動ばね23e〜23hである。なお、摺動部材25eは第1及び第2の付加手段12a1、12a2の共通構成部品である。また、第1の制動力解放手段12b1の主要構成は電磁石22a、22bであり、第2の制動力解放手段12b2の主要構成は電磁石22c、22dである。また、図1、図4に示すように、制動手段12c、12dで同一系統で用いる電磁石22のコイル30は並列接続して電源供給される。すなわち、第1の制動手段12cではコイル30a、30bが、第2の制動手段12dではコイル30c、30dが並列接続され、それぞれ並列接続された電流は電流検出器42a、42bで電流値ica、icbとして検出される。
前記アーマチャ24a、24bは図5に示すように、従来の円板状のものを円周方向に4個の部分体241〜244を形成し、この部分体241〜244を一つ置きにこの部分体241、243の外周部で結合して図6に示す第1のアーマチャ24aを構成し、残りの前記部分体242、244をこの部分体242、244の内周部で結合して図7に示す第2のアーマチャ24bを構成する。これらアーマチャ24a、24bの重心Gは、一枚の円板状のアーマチャと同様に回転軸29の軸心Oと一致する。そして、これらアーマチャ24a、24bには支持軸28が貫通する穴38が円周線h上に、かつ重心Gに関して対称位置に設けられ、同様に制動ばね23も前記アーマチャ24a、24bを押圧するように、図5の場合であると、穴38と同一円周線h上に配置され、かつ重心Gに関して対称位置に配置される。また、電磁石22a〜22dは前記部分体241〜244の略同一半径上の中央部分に配置されるので、この電磁石22a〜22dよる部分体241〜244に作用する電磁吸引力は前記アーマチャ24a、24bの重心Gに関し対称位置となり平衡がとれている。
【0027】
なお、前記第1及び第2のアーマチャ24a、24bは、円板状の材料から一体的に切出しても良いし、円板状の材料から4個の部分体241〜244に分割して、第1のアーマチャ24aは部分体241、243の外周部を別体の結合部材で連結、第2のアーマチャ24bは部分体242、244の内周部を別体の結合部材で連結しても良い。
【0028】
図8に図1の状態要件判断手段19部の詳細を示す。
【0029】
状態要件判断手段19には、常時電磁ブレーキの第1の制動手段12cを構成する電磁石22a、22bの温度を温度検出器40a、40bでの検出値Th1a、Th1b、電磁コイル30a、30bの電流を電流検出器42aでの検出値ica、摺動部材25a、25bの温度を温度検出器40e、40fでの検出値Th2e、Th2f、アーマチャ24aの変位を変位検出器39aでの検出値Da、同様に第2の制動手段12dを構成する電磁石22c、22dの温度を温度検出器40c、40dでの検出値Th1c、Th1d、電磁コイル30c、30dの電流を電流検出器42bでの検出値icb、摺動部材25c、25dの温度を温度検出器40g、40hでの検出値Th2g、Th2h、アーマチャ24bの変位を変位検出器39bでの検出値Db、摺動部材25iの温度を温度検出器40iでの検出値Th2iが入力される。なお、電磁コイル22の電流icは第1の制動手段12cを構成する電磁コイル22a、22b毎、第2の制動手段12dを構成する電磁コイル22c、22d毎に並列接続された電流値ica、icbを検出するようになっている。また、第1及び第2の制動手段12c、12dのコイル電流ica、icbを通電、遮断する接点SWa、SWbの制御信号41a、41bを制動力制御手段17に出力している。
【0030】
そして、制御装置14からそれぞれの検出入力値ic、Th1、Th2、Da、Dbと比較するコイル電流、電磁石温度、摺動部材温度、アーマチャ変位の基準値16が入力され、この基準値16と前記コイル電流ic、電磁石温度Th1、摺動部材温度Th2、アーマチャ変位Da、Dbの検出入力値と比較し、基準値16の範囲と異なると異常・故障と認識し、エレベーターの運転モードを切替え指令する信号18を制御装置14に送る。制御装置14はこの信号18に基づき異常・故障の場合は前記状態要件判断手段19の機能を無効、そうでなければ有効とする信号20を前記状態要件判断手段19に指令するようになっている。
【0031】
次に図1、8に基づいて動作を説明する。
【0032】
状態要件判断手段19には、常時、電磁ブレーキの第1の制動手段12cを構成する電磁石22a、22bの温度Th1a、Th1b、電磁コイル30a、30bの電流ica、摺動部材25a、25bの温度Th2e、Th2f、アーマチャ24aの変位Daの検出値及び第2の制動手段を構成する電磁石22c、22dの温度Th1c、Th1d、電磁コイル30c、30dの電流icb、摺動部材25g、25hの温度Th2g、Th2h、アーマチャ24bの変位Db及び摺動部材25iの温度Th2iの検出値が入力されており、この状態要件判断手段19で制御装置14から出力されるそれぞれの検出値ica、icb、Th1a〜Th1d、TH2e〜Th2iの基準値16a〜16dと比較している。エレベーターが通常運転中に、前記検出値ica、icb、Th1a〜Th1d、TH2e〜Th2iと基準値16a〜16dとの比較の結果、例えば第1の制動手段側12cが基準値16a〜16dの範囲と異なり異常・故障と認識された場合、すべての電磁コイル30a〜30dの通電を遮断し一旦非常制動をかけてエレベーターを停止させる。その後、異常・故障と認識した第1の制動手段12c側の接点SWaを開放して電磁コイル30a、30bへの電流icaを遮断し、正常な制動手段12d側の接点SWbを閉にして電磁コイル30c、30dへの電流icbを流すとともに、制御装置14に運転モード信号18を送り、制御装置14によりエレベーターが通常運転から最寄階運転に切替えられると同時に、制御装置14からこの状態要件判断手段19を無効とする信号20が送られる。つまり最寄階運転時は状態要件判断手段19の機能が無効となる。
【0033】
上記のように、最寄階運転となる場合は異常のある制動手段系統の電磁コイル30の電流icを遮断する。すなわち、コイル電流icを遮断した方の制動手段系統は制動状態で運転することになるので、電動機11及び電磁ブレーキ12に極力負担がかからないように、乗かご積載量検出器15により乗かご6とつり合おもり8との関係で重い方向、すなわち回生運転方向に低速で運転し最寄り階に着床するようになっている。
【0034】
そして、異常・故障の制動手段系統を正常に回復後、制御装置14の最寄階運転から通常運転に切替えるとともに状態要件判断手段19を有効とする信号20を出し、エレベーターは通常運転が行われる。
【0035】
上記説明したように、複数系統の制動手段を有するエレベーターで、電磁ブレーキのコイル電流、あるいは電磁石の温度、あるいは摺動部材の温度、あるいは電磁石に電磁吸引されるアーマチャの変位を検出して、これらの検出値と基準値を比較して基準値の範囲外となる時、電磁ブレーキの異常・故障と判断し、この後最寄り階まで運行し、安全に乗客を降下できるエレベーター装置を得られる効果がある。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、複数系統の制動手段を有するエレベーターで、電磁ブレーキのコイル電流、電磁石の温度、摺動部材の温度、電磁石に電磁吸引されるアーマチャの変位等のいずれかを検出して、電磁ブレーキの異常・故障を検知し、検知後最寄り階まで運行し、安全に乗客を降下できるエレベーター装置を得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるエレベーター装置を示す構成図。
【図2】図1の電磁ブレーキの正面要部断面図(図3のA−B−C断面)。
【図3】図2の右側面図。
【図4】図2のD−D視図。
【図5】図2のE−E視図。
【図6】図2、図5の第1のアーマチャを示す図。
【図7】図2、図5の第2のアーマチャを示す図。
【図8】図1の状態要件判断手段の詳細を示す図。
【図9】従来のエレベーター装置を説明する図。
【符号の説明】
2…巻上機、3…駆動シーブ、4…主ロープ、6…乗かご、8…つり合いおもり、11… 電動機、12…電磁ブレーキ、12a1…第1の制動力付加手段、12a2…第2の制動力付加手段、12b1…第1の制動力解放手段、12b2…第2の制動力解放手段、14…制御装置、17… 制動力制御手段、19…状態要件判断手段、22、22a〜22d…電磁石、23…制動ばね、24a、24b…第1及び第2のアーマチャ、25…摺動部材、30、30a〜30d… 電磁コイル、31a〜31d…フィールドコア、43…支持部材、ic、ica、icb…電磁コイル電流、Th1、Th1a〜Th1d…電磁石の温度、Th2、Th2e〜Th2I…摺動部材の温度、Da、Db…第1及び第2のアーマチャの変位。

Claims (1)

  1. 一方側に乗かご、他方側につり合おもりを係合する主ロープが巻掛けられる駆動シーブと、この駆動シーブを駆動し制御装置により運転制御される電動機と、この駆動シーブを制動するブレーキ装置とで構成される巻上機を備え、前記ブレーキ装置は、前記巻上機の回転部材に制動力を付加する複数の制動力付加手段と、前記制動力付加手段を解放する複数の制動力解放手段とを有し、前記制動力解放手段を制御する制動力制御手段を具備するエレベーター装置において、
    前記複数の制動力付加手段及び前記複数の制動力解放手段の状態要件を入力し、この状態要件に応じて指令値を出力して前記制動力制御手段を作動させるとともに、前記指令値を前記制御装置に入力し前記巻上機を運転させ、前記状態要件の異常を検出すると、前記複数の制動力付加手段のいずれかと前記複数の制動力解放手段のいずれかを含む複数の制動手段系統の内、前記異常が検出された前記制動力付加手段または前記制動力解放手段を含む前記制動手段系統を、前記指令値により制動状態としながら、最寄階に着床するように回生運転方向に運転させる状態要件判断手段を備え
    前記制動力付加手段は摺動部材と、前記巻上機の回転部材を押圧するように配置され前記摺動部材を支持する支持部材と、この支持部材を押圧するばねとで構成し、前記制動力解放手段はフィールドコアに電磁コイルを有する電磁石と、この電磁石で電磁吸引されて前記支持部材の押圧を解除するアーマチャとで構成するとともに、前記状態要件は、少なくとも前記電磁コイルの通電電流,前記電磁石の温度,前記摺動部材の温度,前記アーマチャの変位のいずれかであり、
    前記異常が検出された前記制動力付加手段または前記制動力解放手段を含む前記制動手段系統は、この制動手段系統における前記電磁コイルの通電電流を、前記指令値によって遮断することにより制動状態とすることを特徴とするエレベーター装置。
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