JPWO2006092967A1 - エレベータ装置 - Google Patents

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敬 湯村
上田 隆美
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Abstract

エレベータ装置においては、かご及び釣合おもりが複数の巻上機によって昇降される。各巻上機は、駆動シーブと、駆動シーブを回転させる電動機及び駆動シーブの回転を制動する巻上機ブレーキを含む巻上機本体とを有している。かご及び釣合おもりの少なくともいずれか一方には、非常止め装置とは異なる条件でかごを非常停止させるための昇降体搭載ブレーキ装置が搭載されている。

Description

この発明は、複数の巻上機により1台のかごを昇降させるエレベータ装置に関するものである。
近年、建物の高層化に伴い、より多くの乗客をより早く移動させることができるエレベータが求められている。これに対し、かごを大型化する方法があるが、そのためには、大トルク・大出力の大型の巻上機が必要となり、製作費用及び揚重・据付費用等が高くなる。
また、巻上機を大型化せず、2台の巻上機で1台のかごを昇降させるエレベータ装置が提案されている。このエレベータ装置では、かご及び釣合おもりにそれぞれ動滑車を設けることにより、2台の巻上機に生じる速度差による不具合が解消されている(例えば、特許文献1参照)。
特公平7−42063号公報
上記のような従来のエレベータ装置では、かご及び釣合おもりに動滑車を設けたので、主ロープとしてエンドレスロープが必要となる。しかし、エンドレスロープは1本のロープの両端部を互いに接続して製作されるため、つなぎ目の段差を無くすのが難しい。また、2台の巻上機に設けられたブレーキの動作タイミングや制動力に個体差があるため、非常停止時に2つの駆動シーブの主ロープの走行距離の差が大きくなり、ロープ位置が移動してつなぎ目が駆動シーブや動滑車を通過し、かごに振動が発生してしまう可能性があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の巻上機を用いつつ、非常制動時でもロープ位置の移動が小さく、安定的に停止できるエレベータ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータ装置は、駆動シーブと、駆動シーブを回転させる電動機及び駆動シーブの回転を制動する巻上機ブレーキを含む巻上機本体とをそれぞれ有する複数の巻上機、駆動シーブに巻き掛けられている少なくとも1本の主ロープ、主ロープにより吊り下げられ、巻上機により昇降されるかご及び釣合おもり、かごの速度が予め設定された過速度に達したときにかごを非常停止させるための非常止め装置、及びかご及び釣合おもりの少なくともいずれか一方に搭載され、非常止め装置とは異なる条件でかごを非常停止させるための昇降体搭載ブレーキ装置を備えている。
また、この発明に係るエレベータ装置は、駆動シーブと、駆動シーブを回転させる電動機及び駆動シーブの回転を制動する巻上機ブレーキを含む巻上機本体とを有する巻上機、駆動シーブに巻き掛けられている少なくとも1本の主ロープ、主ロープにより吊り下げられ、巻上機により昇降されるかご及び釣合おもり、及び主ロープに制動力を付与することによりかごを非常停止させるためのロープブレーキ装置を備えている。
さらに、この発明に係るエレベータ装置は、駆動シーブと、駆動シーブを回転させる電動機及び駆動シーブの回転を制動する巻上機ブレーキを含む巻上機本体とを有する巻上機、駆動シーブに巻き掛けられている少なくとも1本の主ロープ、主ロープにより吊り下げられ、巻上機により昇降されるかご及び釣合おもり、及び巻上機ブレーキの動作状態を監視し、巻上機ブレーキのいずれか一つが制動動作したら他の巻上機ブレーキも制動動作させるブレーキ安全回路を備えている。
さらにまた、この発明に係るエレベータ装置は、複数の巻上機で1つのかごを動かし、巻上機にはブレーキを持たず、昇降体にブレーキが設けられている。
この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2によるエレベータ装置を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3によるエレベータ装置を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4によるエレベータ装置を示す斜視図である。 この発明の実施の形態5によるエレベータ装置を示す斜視図である。 図5の巻上機ブレーキの第1の配線例を示す配線図である。 図5の巻上機ブレーキの第2の配線例を示す配線図である。 図5の巻上機ブレーキの第3の配線例を示す配線図である。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す斜視図である。図において、昇降路1内には、一対のかごガイドレール2と、一対の釣合おもりガイドレール3とが設置されている。第1の昇降体であるかご4は、かごガイドレール2に沿って昇降路1内を昇降される。第2の昇降体である釣合おもり5は、釣合おもりガイドレール3に沿って昇降路1内を昇降される。
釣合おもり5は、昇降体本体である釣合おもり本体16と、釣合おもり本体16に揺動可能に接続された揺動部材(ロープ接続部材)17と、釣合おもり本体16と揺動部材17とを接続する接続部材18とを有している。釣合おもり本体16は、揺動部材17から接続部材18を介して吊り下げられている。
接続部材18の上端部は、揺動部材17の揺動中心、即ち揺動軸17aに回動自在に連結されている。揺動軸17aは、釣合おもり本体16の厚さ方向に平行、かつ水平である。接続部材18の下端部は、釣合おもり本体16の上部の中心に接続されている。また、接続部材18の上端部には、揺動部材17の揺動状態を検出する揺動検出手段(図示せず)が設けられている。揺動検出手段としては、例えばエンコーダが用いられる。
昇降路1の上部には、第1及び第2の巻上機6,7が配置されている。第1の巻上機6は、第1の駆動シーブ8と第1の巻上機本体9とを有している。第1の巻上機本体9は、第1の駆動シーブ8を回転させる第1の電動機と、第1の駆動シーブ8の回転を制動する第1の巻上機ブレーキとを含んでいる。
第2の巻上機7は、第2の駆動シーブ10と第2の巻上機本体11とを有している。第2の巻上機本体11は、第2の駆動シーブ10を回転させる第2の電動機と、第2の駆動シーブ10の回転を制動する第2の巻上機ブレーキとを含んでいる。また、第1及び第2の巻上機6,7は、駆動シーブ8,10の回転軸が水平となるように配置されている。
第1及び第2の駆動シーブ8,10には、少なくとも1本の主ロープ12が巻き掛けられている。かご4及び釣合おもり5は、主ロープ12により昇降路1内に吊り下げられ、第1及び第2の巻上機6,7の駆動力により昇降路1内を昇降される。釣合おもり5は、かご4とは逆方向に昇降される。
主ロープ12は、揺動軸17aの一側で揺動部材17に接続された第1のロープ端部12aと、揺動軸17aの他側で揺動部材17に接続された第2のロープ端部12bとを有している。第1及び第2のロープ端部12a,12bは、揺動軸17aから等距離の位置で揺動部材17に接続されている。
昇降路1の上部には、第1のロープ端部12a及び第2のロープ端部12bを釣合おもり5に導く第1及び第2のそらせ車14,15が配置されている。第1及び第2のそらせ車14,15は、それらの回転軸が水平となるように配置されている。
かご4の上部には、水平な回転軸を中心に回転可能なバランスプーリ13が設けられている。バランスプーリ13には、主ロープ12の中間部が巻き掛けられている。
第1及び第2巻上機6,7は、制御装置19により制御される。制御装置19は、揺動検出手段からの信号に応じて、揺動部材17の揺動を打ち消すように、即ち揺動部材17を水平に戻すように、第1及び第2の巻上機6,7を制御する。
かご4の下部には、かご4の速度が予め設定された過速度(例えば定格速度の1.4倍)に達したときにかご4を非常停止させるための非常止め装置20が搭載されている。
また、かご4には、非常止め装置20とは異なる条件でかご4を非常停止させるための昇降体搭載ブレーキ装置としての一対のかご搭載ブレーキ装置21a,21bが搭載されている。かご搭載ブレーキ装置21a,21bは、かごガイドレール2を把持することによりかご4を制動する。また、かご搭載ブレーキ装置21a,21bとしては、例えば電磁ブレーキ装置が用いられる。
昇降路1内の最上階付近及び最下階付近には、終端階減速装置及び行過制限装置がそれぞれ設けられている。これにより、通常、昇降路1内の最上階付近及び最下階付近では、かご4は、予め設定された速度曲線に沿って減速停止される。しかし、何等かの原因で、かご4の速度が速度曲線から外れた場合、制御装置19内の安全回路が遮断され、制御装置19から非常停止指令が出力される。これにより、第1及び第2の巻上機ブレーキとは無関係に、かご搭載ブレーキ装置21a,21bによって、かご4が強制的に非常停止される。
このようなエレベータ装置では、第1及び第2の巻上機6,7は、同期運転するよう制御装置19により制御されている。しかし、駆動シーブ8,10の製作誤差、かご4の加減速及び制動時等に発生する駆動シーブ8,10と主ロープ12との間の微少な滑り、及び巻上機本体9,11のトルク変動等により、かご4に対して第1の駆動シーブ8側の主ロープ12の走行距離と、第2の駆動シーブ10側の主ロープ12の走行距離との間には僅かな誤差が生じる。このような僅かな走行距離の誤差は、天秤式のバランス機構として作用する揺動部材17の揺動(傾き)により吸収される。
しかし、非常時に巻上機ブレーキを動作させて、動作タイミングや制動力に差があると、駆動シーブ8側の主ロープ12と駆動シーブ10側の主ロープ12との間には、短時間で大きな走行距離の誤差が発生し、天秤式のバランス機構では吸収しきれない可能性がある。そこで、非常時には第1及び第2の巻上機ブレーキは動作させず、かご搭載ブレーキ装置21a,21bのみを動作させ、かご4を強制的に非常停止させる。このようにすると、かご4が制動しても主ロープ12とかご4との間に昇降距離の差が出ないので、かご4は安定して停止できる。特に、一対のかご搭載ブレーキ装置21a,21bを機械的に連動させるようにすれば、かご搭載ブレーキ装置21a,21bをより確実に同時に動作させることができる。
なお、かご搭載ブレーキ装置21a,21bの構成の一部を非常止め装置20と共用してもよい。
また、非常時には、かご搭載ブレーキ装置21a,21bだけでなく、第1及び第2の巻上機ブレーキを併用してもよい。この場合、かご搭載ブレーキ装置21a,21bが動作してから巻上機ブレーキを動作させるようなシーケンス回路構成とするのが好適である。
また、巻上機ブレーキが無く、かご搭載ブレーキ装置のみでシステムを構成し、通常の各階停止時の制動もかご搭載ブレーキ装置で行うようにしてもよい。この場合、巻上機ブレーキが無いので、部品点数が少なくなり、システムを簡素化するとともに、低コスト化することができる。
また、駆動する巻上機は2台に限ったものではなく、例えばそらせ車14,15の位置にも巻上機を配置してもよい。
実施の形態2.
次に、図2はこの発明の実施の形態2によるエレベータ装置を示す斜視図である。図において、釣合おもり5には、非常止め装置20とは異なる条件でかご4を非常停止させるための昇降体搭載ブレーキ装置としての一対の釣合おもり搭載ブレーキ装置22a,22bが搭載されている。釣合おもり搭載ブレーキ装置22a,22bは、釣合おもりガイドレール3を把持することにより釣合おもり5を制動し、これによりかご4を制動する。他の構成は、実施の形態1と同様である。
このようなエレベータ装置では、非常時には、第1及び第2の巻上機ブレーキとは無関係に、釣合おもり搭載ブレーキ装置22a,22bによって、かご4が強制的に非常停止されるので、巻上機ブレーキの制動力の差によって駆動シーブ8側の主ロープ12と駆動シーブ10側の主ロープ12との走行距離差が大きくなるのが防止される。即ち、巻上機ブレーキとは無関係に停止距離をより安定的に制御することができる。特に、一対の釣合おもり搭載ブレーキ装置22a,22bを機械的に連動させるようにすれば、釣合おもり搭載ブレーキ装置22a,22bをより確実に同時に動作させることができる。
また、釣合おもり搭載ブレーキ装置22a,22bを用いることにより、非常制動動作による振動や騒音がかご4内に伝わりにくくなる。
実施の形態3.
次に、図3はこの発明の実施の形態3によるエレベータ装置を示す斜視図である。この例では、バランスプーリ及び揺動部材を用いず、単純な1:1ローピング方式によりかご4及び釣合おもり5が吊り下げられている。即ち、第1のロープ端部12aはかご4の上部に接続され、第2のロープ端部12bは釣合おもり5の上部に接続されている。
また、主ロープ12が第1及び第2の駆動シーブ8,10を連続して通過するように、第1及び第2の巻上機6,7が並べて配置されている。即ち、第1及び第2の駆動シーブ8,10は、半径方向に互いにずらして配置されている。
昇降路1の上部(機械室又は昇降路内)には、主ロープ12に制動力を付与することによりかご4を非常停止させるためのロープブレーキ装置23が設置されている。ロープブレーキ装置23は、全ての主ロープ12を同時に把持することにより主ロープ12の移動を制動し、これによりかご4を制動する。
このようなエレベータ装置では、非常時には、第1及び第2の巻上機ブレーキとは無関係に、ロープブレーキ装置23によって、かご4が強制的に非常停止されるので、巻上機ブレーキの制動力の差によって駆動シーブ8側の主ロープ12と駆動シーブ10側の主ロープ12との走行距離差が大きくなるのが防止される。即ち、巻上機ブレーキとは無関係に停止距離をより安定的に制御することができる。
また、非常制動時には、主ロープ12が把持されるので、万一巻上機6,7が停止されなくても、駆動シーブ8,10は主ロープ12に対して空転することになり、かご4をより確実に停止させることができる。
実施の形態4.
次に、図4はこの発明の実施の形態4によるエレベータ装置を示す斜視図である。この例では、2:1ローピング方式によりかご4及び釣合おもり5が吊り下げられている。即ち、かご4の下部には、一対のかご吊り車24a,24bが搭載されている。釣合おもり5の上部には、釣合おもり吊り車25が搭載されている。第1及び第2のロープ端部12a,12bは、昇降路1の上部に接続されている。主ロープ12は、第1のロープ端部12a側から順に、かご吊り車24a,24b、第2の駆動シーブ10、第1の駆動シーブ8及び釣合おもり吊り車25に巻き掛けられている。他の構成は、実施の形態3と同様である。
このように、2:1ローピング方式のエレベータ装置であっても、非常時には、第1及び第2の巻上機ブレーキとは無関係に、ロープブレーキ装置23によって、かご4が強制的に非常停止されるので、巻上機ブレーキの制動力の差によって駆動シーブ8側の主ロープ12と駆動シーブ10側の主ロープ12との走行距離差が大きくなるのが防止される。即ち、巻上機ブレーキとは無関係に停止距離をより安定的に制御することができる。
なお、非常時には、ロープブレーキ装置23だけでなく、第1及び第2の巻上機ブレーキを併用してもよい。この場合、ロープブレーキ装置23が動作してから巻上機ブレーキを動作させるようなシーケンス回路構成とするのが好適である。
実施の形態5.
次に、図5はこの発明の実施の形態5によるエレベータ装置を示す斜視図である。第1の巻上機6には、2個の第1の巻上機ブレーキ26,27が設けられている。第2の巻上機7には、2個の第2の巻上機ブレーキ28,29が設けられている。
図6は図5の巻上機ブレーキ26〜29の配線図である。巻上機ブレーキ26〜29は、ブレーキコイル26a,27a,28a,29aへの通電により制動力を解除し、ブレーキコイル26a,27a,28a,29aへの通電の遮断により制動力を発生する電磁ブレーキである。また、巻上機ブレーキ26〜29には、ブレーキコイル26a,27a,28a,29aへの通電状態の監視を行う通電監視部(通電監視回路)26b,27b,28b,29bが設けられている。
さらに、巻上機ブレーキ26〜29には、ブレーキシューの動作位置を監視する動作監視部(動作監視回路)26c,27c,28c,29cが設けられている。動作監視部26c,27c,28c,29cには、ブレーキシューが制動動作することにより開放されるマイクロスイッチが設けられている。
全ての通電監視部26b,27b,28b,29b及び全ての動作監視部26c,27c,28c,29cは、ブレーキ安全回路30に接続されている。ブレーキ安全回路30は、第1及び第2の巻上機ブレーキ26〜29の動作状態を監視し、第1及び第2の巻上機ブレーキ26〜29のいずれかが制動動作したら他も制動動作させる。具体的には、ブレーキ安全回路30は、通電監視部26b,27b,28b,29b及び動作監視部26c,27c,28c,29cのいずれか1つでも制動動作を検出したら、全ての巻上機ブレーキ26〜29を制動動作させる。
また、ブレーキ安全回路30は、制御装置19のエレベータ安全回路に直列に接続されており、エレベータシステムの異常等によりエレベータ安全回路が遮断されたときには、全ての巻上機ブレーキ26〜29を制動動作させる。
このようなエレベータ装置では、第1及び第2の巻上機ブレーキ26〜29のいずれかが制動動作すると、1つのブレーキ安全回路30により、他も制動動作されるので、複数の巻上機6,7を用いつつ、非常制動時の停止距離をより安定的に制御することができる。
なお、実施の形態5では、巻上機ブレーキ26〜29の動作のみをブレーキ安全回路30で監視したが、実施の形態1のかご搭載ブレーキ装置21a,21b、実施の形態2の釣合おもり搭載ブレーキ装置22a,22b、又は実施の形態3、4のロープブレーキ装置23等を用いる場合は、これらについても監視して制動動作を連動させてもよい。
また、図5に示すように、バランスプーリ13にバランスプーリブレーキ31,32を設けてもよい。この場合、バランスプーリブレーキ31,32の動作をブレーキ安全回路30で監視し、他のブレーキと制動動作を連動させてもよい。また、バランスプーリブレーキ31,32は、バランスプーリ13の回転を止めるものではなく、固定側から主ロープ12を押さえて制動するものとしてもよく、バランスプーリ13にトラクション能力がなくても主ロープ12を制動することができる。さらに、バランスプーリブレーキは、釣合おもり側にバランスプーリを搭載する場合にも付加することができる。
さらに、図6の例では、ブレーキ安全回路30は、通電監視部26b,27b,28b,29b及び動作監視部26c,27c,28c,29cのいずれか1つでも制動動作を検出したら、全ての巻上機ブレーキ26〜29を制動動作させるが、このとき、巻上機ブレーキのうちの少なくとも1つの制動力をブレーキ安全回路又は動作監視部により制御してもよい。即ち、制動力を低減させ、かごの減速度が過大になるのを防止してもよい。これにより、かごと釣合おもりとの負荷バランスがどのような状態のときでも、かごに過大な衝撃を与えずに、かごを減速停止させることができる。
さらにまた、ブレーキ安全回路は、巻上機毎に分けて設けてもよい。例えば図7では、第1の巻上機6に対応する第1のブレーキ安全回路30aと、第2の巻上機7に対応する第2のブレーキ安全回路30bとが用いられている。そして、第1及び第2のブレーキ安全回路30a,30b間での信号の送受信が可能となっている。
このように、巻上機6,7毎にブレーキ安全回路30a,30bを構成することにより、巻上機のユニット化を図ることができ、1台の巻上機を用いるエレベータ装置と2台の巻上機を用いるエレベータ装置とで、巻上機を共通化することができる。
また、例えば図8に示すように、ブレーキコイル26a,27a,28a,29a、通電監視部26b,27b,28b,29b及び動作監視部26c,27c,28c,29cの全体をシリアルに接続してもよい。この場合、何等かの異常により例えば動作監視部26c,27c,28c,29cのいずれか1箇所が遮断されると、図8の回路が遮断され、全ての巻上機ブレーキ26〜29が強制的に制動動作するので、フェールセーフのシステムを構成することができ、信頼性を向上させることができる。
さらに、主ロープとして、断面円形のロープを用いても、ベルト状のロープを用いてもよいことは勿論である。

Claims (6)

  1. 駆動シーブと、上記駆動シーブを回転させる電動機及び上記駆動シーブの回転を制動する巻上機ブレーキを含む巻上機本体とをそれぞれ有する複数の巻上機、
    上記駆動シーブに巻き掛けられている少なくとも1本の主ロープ、
    上記主ロープにより吊り下げられ、上記巻上機により昇降されるかご及び釣合おもり、
    上記かごの速度が予め設定された過速度に達したときに上記かごを非常停止させるための非常止め装置、及び
    上記かご及び上記釣合おもりの少なくともいずれか一方に搭載され、上記非常止め装置とは異なる条件で上記かごを非常停止させるための昇降体搭載ブレーキ装置
    を備えているエレベータ装置。
  2. 非常停止時には、上記昇降体搭載ブレーキ装置を先に動作させ、次に上記巻上機ブレーキを動作させる請求項1記載のエレベータ装置。
  3. 駆動シーブと、上記駆動シーブを回転させる電動機及び上記駆動シーブの回転を制動する巻上機ブレーキを含む巻上機本体とを有する巻上機、
    上記駆動シーブに巻き掛けられている少なくとも1本の主ロープ、
    上記主ロープにより吊り下げられ、上記巻上機により昇降されるかご及び釣合おもり、及び
    上記主ロープに制動力を付与することにより上記かごを非常停止させるためのロープブレーキ装置
    を備えているエレベータ装置。
  4. 非常停止時には、上記ロープブレーキ装置を先に動作させ、次に上記巻上機ブレーキを動作させる請求項3記載のエレベータ装置。
  5. 駆動シーブと、上記駆動シーブを回転させる電動機及び上記駆動シーブの回転を制動する巻上機ブレーキを含む巻上機本体とを有する巻上機、
    上記駆動シーブに巻き掛けられている少なくとも1本の主ロープ、
    上記主ロープにより吊り下げられ、上記巻上機により昇降されるかご及び釣合おもり、及び
    上記巻上機ブレーキの動作状態を監視し、上記巻上機ブレーキのいずれか一つが制動動作したら他の上記巻上機ブレーキも制動動作させるブレーキ安全回路
    を備えているエレベータ装置。
  6. 複数の巻上機で1つのかごを動かすエレベータ装置において、上記巻上機にはブレーキを持たず、昇降体にブレーキが設けられているエレベータ装置。
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