JP4270591B2 - 4サイクルエンジンの潤滑装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、4サイクルエンジン、特に手持ち式の噴霧機、刈払機等に搭載されて使用される小型4サイクルエンジンの潤滑装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
草木向けの噴霧機や刈払機(トリマー)に代表される手持ち式作業機は、作業者が不自由な姿勢をとることなく作業できることが要求される。これにより、作業機の駆動源であるエンジンにはどんな角度に傾けても安定して作動する能力が必須である。2サイクルエンジンはピストンの上昇時に発生する負圧を利用して潤滑用のオイルを燃料と共にエンジン内部に吸入し各可動部の潤滑を行う機構を有するため自由な角度で使用可能な構造が容易に実現される。従って、上記の作業機には傾斜性能に優れ小型軽量な2サイクルエンジンが広く使用されてきている。一方、一般の4サイクルエンジンは、設計・加工技術等の進歩により小型軽量なものは製作できるが、クランク室下部に設けられた油溜部(オイルパン)にオイルを貯留させ、そこから跳ね上げたりポンプで汲み上げることで各可動部の潤滑を行う機構を採用しているため基本的には正立させて使用しなければならない。すなわち、この潤滑機構が2サイクルエンジンに比して劣った傾斜性能を4サイクルエンジンが有する要因となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2サイクルエンジンは排気ガス中の炭化水素が多い、騒音が大きい等の問題を有しており、近年の排気ガス浄化等の観点から、排気ガス特性が良好でかつ低騒音な4サイクルエンジンの手持ち式作業機への利用が要請されている。そこで4サイクルエンジンを搭載しても自由な角度で作業できるように傾斜性能に優れる4サイクルエンジンの潤滑装置の開発が望まれている。同時に、傾斜性能に優れた潤滑装置は、密閉的な構造となることから各部の圧力状態を調整することが課題となる。更に、積極的に外部から空気を導入することでエンジン内部の圧力状態を調整すると共に内部冷却を行う機構を設ければ、エンジン内での熱バランスが長期間維持され、より滑らかなエンジン動作が可能である。
【0004】
本発明はこうした点を鑑みてなされたもので、その目的はどのような傾斜状態でもエンジン内部が常に適切な圧力状態及び熱平衡状態に維持され、円滑に内部潤滑を行う4サイクルエンジンの潤滑装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の4サイクルエンジンの潤滑装置の発明は、エンジンのクランク室近傍に、いかなる傾斜状態でも内部に貯留する潤滑用のオイルが外部に油漏れしない油溜室を設け、該油溜室からクランク室、該クランク室に連通するシリンダ部及び吸・排気バルブ機構を収納した動弁室に送油して各部の潤滑を行う4サイクルエンジンの潤滑装置において、ピストンの上昇している時に前記クランク室及びシリンダ部に発生する負圧により、前記油溜室内のオイルを前記クランク室及びシリンダ部へ送る第1送り手段と、上記ピストンが上死点及びその近傍に位置する所定のタイミングにおいて前記クランク室及びシリンダ部に発生する負圧により前記油溜室から前記クランク室及びシリンダ部に空気を導入する第2空気導入手段と前記第2空気導入手段によって油溜室に発生する負圧により該油溜室の外部から油溜室に空気を導入すると共に第1送り手段によって油溜室に発生する負圧により該油溜室の外部から油溜室に空気を導入する第1空気導入手段とを有することを特徴とする。
【0006】
これにより、密閉的に形成された油溜室から負圧によりオイルをクランク室及びシリンダ部へ送り、このオイルを送ることで負圧になった油溜室に空気を導入して大気圧よりわずかな負圧状態とすることが可能である。また、ピストンが上死点及びその近傍に位置するタイミングでクランク室及びシリンダ部に空気を送り込むことにより、シリンダ及びピストンを積極的に冷却する。更に、クランク室及びシリンダ部の昇圧に必要な空気を送ることで、潤滑が必要な動弁室に空気及びオイルを確実に送ることができる。
【0009】
請求項係るに4サイクルエンジンの潤滑装置は、前記第1空気導入手段は、前記油溜室が負圧となった時に外部から空気を導入し、前記油溜室が正圧となった時に空気の導入を停止する一方向弁を有することを特徴とする。
【0010】
これにより、負圧となった油溜室に、逆流を起こさず、より確実に空気を導入し油溜室を大気圧よりわずかな負圧状態とすることが可能である。
【0011】
請求項係るに4サイクルエンジンの潤滑装置は、前記第2空気導入手段は、前記クランク室及びシリンダ部が負圧となった時に前記油溜室から空気を導入し、前記クランク室及びシリンダ部が正圧となった時に空気の導入を停止し、前記エンジンが倒立した状態では前記クランク室及びシリンダ部に前記油溜室のオイルが流入することを防ぐボール弁を有することを特徴とする。
【0012】
かかる構成を有する潤滑装置では、逆流を起こさず、より確実にクランク室及びシリンダ部に空気を送り込むことが可能である。
【0013】
請求項係るに4サイクルエンジンの潤滑装置は、前記第2空気導入手段は、前記クランク室及びシリンダ部が負圧となった時に前記油溜室から空気を導入し、前記クランク室及びシリンダ部が正圧となった時に空気の導入を停止し、前記エンジンが倒立した状態では前記クランク室及びシリンダ部に前記油溜室のオイルが流入することを防ぐボール弁を有することを特徴とする。
【0014】
こうした構成により、逆流を起こさず、より確実に動弁室にオイル及び空気を送り込むことが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。図1には本発明の潤滑装置を備えた4サイクルエンジンの正面断面図、図2、図3及び図4はそれぞれ図1のA−A線、B−B線及びC−C線における断面図、図5は図3のD−D線における断面図、そして図6は図3のE−E線における断面図である。
【0016】
4サイクルエンジンEは、左側面に気化器4及び外部から空気を取り入れ浄化するエアクリーナ2、右側面に排気マフラ60を配置して構成されており(図2参照)、シリンダヘッド10を一体化して有するシリンダブロック12とクランクケース14とで形成されたクランク室16及びクランクケース14の下部に設けられた油溜室18を有している。この油溜室18は本発明の特徴的な構成を有しており、クランクケース14と下面壁14aにて仕切られ、全体として密閉した空間を形成して潤滑用のオイルを貯留している。なお、このオイルには、オイルミスト化したオイルも含まれる。
【0017】
また、図3に示したように油溜室18には、油溜室18が負圧となった時に油溜室18の外部から油溜室18へ空気を流入し、油溜室が正圧となった時にこの空気の流入を停止する一方向弁6と、図1に示したように油溜室18に貯留したオイルをいかなる傾斜状態でも確実に吸入する吸入部40とが設けられている。従って、油溜室18内に圧力変化がない限りこの一方向弁6は閉鎖されているので、油溜室18はいかなる傾斜状態においても外部に油漏れしない構成を有している。
【0018】
上記のエアクリーナ2には、一端を一方向弁6に連通させた管体3がその他端をエアクリーナ内に設けられたフィルタ2a近傍の下流位置に連通させて配設されている。これらエアクリーナ2、管体3及び一方向弁6が第1空気導入手段を構成する。また、エアクリーナ2内には、一方向弁6と同様の構成で後述のブリーザ室78が正圧のときにエアクリーナ2内に空気を送り出し、ブリーザ室78が負圧となった時に空気の送りを停止する一方向弁77が設けられている。
【0019】
図1に示したシリンダブロック12とクランクケース14とは、軸線を水平方向に設けたクランク軸20を支承している。このクランク軸20のクランクピンにコンロッドを介して連接するピストン24は、シリンダブロック12の内部に設けられたシリンダ12aに摺動自在に嵌装されている。
【0020】
図2に示したシリンダ12aの頂壁には、上記の気化器4及び排気マフラ60にそれぞれ連なる吸気ポート及び排気ポートが形成されると共に、これらを開閉する吸気バルブ27及び排気バルブ29が挿設されている。また、図1に示したようにこれらバルブを駆動するバルブ駆動部30は、シリンダブロック12の頭部と側部とに形成された動弁室34及びこの動弁室34とクランク室16を連通させるように、シリンダブロック12とクランクケース14の側部に形成された連通路32に配設されている。
【0021】
クランク室16と油溜室18との間には、本発明の特徴的な構成要素である吸入部40、通路44及び間欠送油部46が第1送り手段として設けられている。吸入部40は、例えばゴム材のような弾性材により容易に撓む管体42により形成されており、その先端には錘43が設けられている。すなわち、この錘43の重力により常に鉛直下方に撓む構成となっている。これにより、吸入部40の先端は、油溜室18がいかなる傾斜状態にあっても常に適量溜まったオイルの油面下に存在する。吸入部40の管体42及び錘43の材質は耐油性、耐熱性を有するものが好適である。
【0022】
また、吸入部40の他端は、クランク軸20周辺の断面図である図4に示したようにクランクケース14に穿設された通路44に連通されている。この通路44はクランク軸20の外周面に達し円弧状に所定範囲広がって接している。
【0023】
一方、クランク軸20側の間欠送油部46(図1参照)は、クランク室16側からクランク軸20の中心近傍に所定の内径で外部に貫通することなく穿設された通路T1及びこれに連続してクランク軸20の半径方向外方へ向けて穿設された通路T2により形成されている。この通路T2はピストン24の上昇によりクランク室16が負圧となる際のクランク軸20の回転角度内においてクランクケース14の通路44と連通するような配置とされている。
【0024】
従って、ピストン24が上昇している際の所定の時期に、吸入部40、通路44及び間欠送油部46が連通し、この時クランク室16に発生する負圧を利用して油溜室18からオイルが吸引され、クランク室16内に送られる。
【0025】
油溜室18とシリンダ12aとの間には、第2空気導入手段として本発明の特徴的な構成を有する導入通路92がクランクケース14及びシリンダブロック12に形成されている。すなわち、図2及び図6に示したように導入通路92の一端は油溜室18に配され、その他端はシリンダ12aの側壁上に設けられた開口部92aとされている。この開口部92aは、ピストン24が上死点位置及びその近傍にある場合以外は、ピストン24の側面により閉鎖されるよう配されている。
【0026】
これにより、ピストン24が上昇中には開口部92aが閉鎖されているので空気は導入されず、シリンダ12a及びクランク室16に負圧が発生する。この負圧により、第1送り手段を介してクランク室16にオイルが適量送られた後、ピストン24が上死点位置に至ることで開口部92aが開放され、油溜室18から空気が送り込まれ、シリンダ12a及びクランク室16に充填される。換言すれば、導入通路92は、シリンダ12aに発生する負圧を利用しピストン24の上昇に応じた所定のタイミングで油溜室18からシリンダ12aに空気を導入する通路である。
【0027】
この油溜室18に貯められシリンダ12aに導入される空気は、エンジンの燃焼室内で発生する燃焼熱が直接伝播するシリンダ12a及びピストン24の熱を吸収することが可能である。そこで、導入通路92を介した空気導入を冷却手段として積極的に利用するため、空気導入及びシリンダブロック12の外周に設けられた放熱板96等による冷却とエンジン燃焼に伴う発生熱との熱平衡が保たれるよう導入通路92の内径、油溜室18の容積・配置等が考慮され決定されている。
【0028】
更に、導入通路92は、図7に示したようにシリンダ12aが負圧となった時に栓体であるゴムボール94aが開口部92a方向に吸引されて空気が導入され、シリンダ12aが正圧となった時にゴムボール94aが孔部94bに押し付けられて空気の導入を阻止するボール弁94をその途中位置に有していてもよい。このボール弁94によれば、4サイクルエンジンEの倒立時にゴムボール94aが孔部94bに押し付けられるので油溜室18からシリンダ12aにオイルが流入するのを有効に防止できる。
【0029】
図1又は図2に示すようにクランク室16と連通路32との間には、本発明の特徴的な構成を有する一方向弁70が第2送り手段として設けられている。一方向弁70はクランクケース14の下部に穿設されたバルブ孔72と、ピストン24の昇降動作に伴いクランク室16が正圧になった際にバルブ孔72を開き、クランク室16が負圧になった際にバルブ孔72を閉鎖するように、油溜室18側からクランクケース14にねじにより締結され所定の弾性を有したバルブプレート74とにより構成されている。バルブプレート74の材質は耐油性、耐熱性を有するものであればいずれでもよい。
【0030】
また、図3に示したシリンダブロック12には、その頭部側で一端が動弁室34内に形成されオイルと空気を分離するブリーザ室78に配設され、他端がエアクリーナ2に設けられた一方向弁77に接合され空気を開放するブリーザ管80が備えられている。
【0031】
更に、図3、図5及び図6に示したように、シリンダブロック12には、それぞれ一端が動弁室34及びブリーザ室78に配設され、他端が油溜室18に配されてオイルを動弁室34側から油溜室18に戻す2本の戻し通路82,84が備えられている。
【0032】
このように構成した本実施の形態の動作は以下の通りである。図1は、4サイクルエンジンEを搭載した手持ち式作業機の姿勢により、エンジン本体1の動弁室34を上方に向けて傾斜状態にない、いわゆる正立位置での使用状態を示している。このとき、クランク室16、油溜室18及び動弁室34には、潤滑用のオイルが適量溜まっている。油溜室18の吸入部40の先端はオイル中に没している。
【0033】
この4サイクルエンジンEを作動させると、ピストン24の昇降運動によりクランク室16に圧力変化が生じる。すなわち、ピストン24の上昇行程ではクランク室16が減圧され負圧状態となり、下降行程ではクランク室16が昇圧されて正圧状態となる。
【0034】
このクランク室16が負圧になることでクランク室16と油溜室18に差圧が生じ、ピストン24の上昇時に油溜室18と連通するように回動するクランク軸20に設けられた間欠送油部46の通路T1,T2及び吸入部40を介してクランク室内に油溜室18に貯留されたオイルが供給される。
【0035】
このオイルは、重力及び回動による遠心力の作用でクランク軸20に固着されたクランクウエッブ64を伝わり、クランクウエッブ64の端部からクランク室16内壁に飛散してクランク軸20やクランク室16内の各部品を潤滑する。
オイルが送られた油留室18は、一時的に内部圧力が低下し負圧となる。これにより、一方向弁6が動作し、エアクリーナ2、管体3を介して空気が導入されて油溜室18は大気圧よりわずかな負圧状態となる。従って、以降の空気導入に不必要な油留室18の負圧は解消される。
【0036】
上述のオイル供給は、ピストン24の上昇時の所定範囲内で通路T2に連通するよう形成された通路44の構造から、常に適量になされ、過剰供給による動力損失を防ぐことができる。
【0037】
クランク軸20の回転により通路T2と通路44との連通が遮断された後、ピストン24が更に上昇して上死点位置に至り導入通路92を開放する。そして油留室18からシリンダ12aに空気が導入され、シリンダ12a及びクランク室16に充填される。これにより、次行程のピストン24の下降においてシリンダ12a及びクランク室16の昇圧が可能となる。更に、シリンダ12aに導入された空気がシリンダ12a及びピストン24の熱を吸収し、いわゆる冷却作用をもたらす。
【0038】
空気が送出されて負圧となった油留室18では、再度一方向弁6が動作し、エアクリーナ2、管体3を介して空気が導入されて大気圧よりわずかな負圧状態となる。従って、ここでも油留室18の負圧は解消され、次のオイル送りに備えた圧力状態となり安定したオイル供給が実現される。
【0039】
続いて、ピストン24が下降し導入通路92が閉鎖され、クランク室16が正圧になると再びクランク室16と油溜室18に圧力差が生じる。このとき、一方向弁70のバルブプレート74がバルブ孔72を開き、クランク室16及びシリンダ12aに貯められたオイル及び空気をクランク室16から連通路32へ送り込む。
【0040】
ピストン24の下降行程が終了し、上昇行程に移行すると再びクランク室16に負圧が発生するので、一方向弁70のバルブプレート74はこの負圧に吸引されバルブ孔72を閉鎖してオイル及び空気の送り動作を終了する。
【0041】
連通路32に送られたオイル及び空気は正圧により動弁室34に圧送されると共にオイルがバルブ駆動部30の各部品を潤滑する。吸気バルブ27、排気バルブ29等の位置まで送られ、潤滑を行ったオイルは、ブリーザ室78に至る。オイルは図5及び図6に示した2本の戻し通路82,84を通じて一定の負圧に保たれた油溜室18に回収される。一方、空気は図2に示したブリーザ管80及び一方向弁77を通じてエアクリーナ2内に開放される。
【0042】
次に、4サイクルエンジンEの作動中、手持ち式作業機の姿勢を変化させ、図8に示したようにエンジン本体1の動弁室34を下方に向けて倒立位置で使用したり、或いは図9に示したようにエアクリーナ2及び排気マフラ60を上下方向に向けた傾斜位置で使用した場合においても、油溜室18内に配された吸入部40の先端が、錘43の鉛直下方への付勢力を受け、所定量貯留されたオイル中に常に没する。従って、潤滑用のオイルが上述の正立位置での使用と同様に4サイクルエンジンEの内部を潤滑する。また、一方向弁6からはオイルの送りで発生した負圧により油溜室18に空気が導入される。このとき、一方向弁6が油面下に没している場合でも、空気の導入は圧力差により行われるためオイルが一方向弁6及び管体3で逆流することはない。同様に、オイルはピストン24の動作により発生した圧力差により一方向に限って送られるため動弁室34、図5及び図6に示した戻し通路82,84等で逆流することがない。
【0043】
更に、図10に示したようにエンジン本体1の駆動軸90及びクランク軸20を上下方向に向けた傾斜位置で使用した場合にも、油溜室18内で吸入部40の先端が速やかに下方に移動し、貯留されたオイル中に没しオイルの供給が可能となる。また、所定量のオイルの送りをピストン24の動作により発生した圧力差を利用して行うことから、このような傾斜位置でもオイルが過剰に供給されることなく4サイクルエンジンEの内部を適切に潤滑する。空気の導入が圧力差によって行われ逆流を起こさない点は上述と同様である。
【0044】
なお、本発明は本実施の形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、図示では本発明に係る潤滑装置がOHV方式の4サイクルエンジンに用いられたものを示したが、OHC方式等に使用されてもよい。また一方向弁70はバルブプレート74及びバルブ孔72から構成されるものの他、ボールバルブ方式等によることも可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる4サイクルエンジンの潤滑装置によれば、4サイクルエンジンがどのような傾斜状態にあっても、エンジン内部が常に適切な圧力状態及び熱平衡状態に維持され、円滑に内部潤滑が行われるという優れた効果を呈する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る潤滑装置を備えた4サイクルエンジンの正面断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】図3のD−D断面図である。
【図6】図3のE−E断面図である。
【図7】ゴムボール方式のボール弁の概略構成図である。
【図8】4サイクルエンジンの動弁室を下方に向けた傾斜状態での潤滑説明図である。
【図9】4サイクルエンジンのエアクリーナ及び排気マフラを上下方向に向けた傾斜状態での潤滑説明図である。
【図10】4サイクルエンジンの駆動軸及びクランク軸を上下方向に向けた傾斜状態での潤滑説明図である。
【符号の説明】
E 4サイクルエンジン
2 エアクリーナ
3 管体
6 一方向弁
12 シリンダブロック
16 クランク室
20 クランク軸
18 油溜室
34 動弁室
40 吸入部
44 通路
46 間欠送油部
T1,T2 通路
70 一方向弁
92 導入通路
94 ボール弁

Claims (4)

  1. エンジンのクランク室近傍に、いかなる傾斜状態でも内部に貯留する潤滑用のオイルが外部に油漏れしない油溜室を設け、該油溜室からクランク室、該クランク室に連通するシリンダ部及び吸・排気バルブ機構を収納した動弁室に送油して各部の潤滑を行う4サイクルエンジンの潤滑装置において、
    ピストンの上昇している時に前記クランク室及びシリンダ部に発生する負圧により、前記油溜室内のオイルを前記クランク室及びシリンダ部へ送る第1送り手段と、
    ピストンが上死点及びその近傍に位置する所定のタイミングにおいて前記クランク室及びシリンダ部に発生する負圧により、前記油溜室から前記クランク室及びシリンダ部に空気を導入する第2空気導入手段と
    前記第2空気導入手段によって油溜室に発生する負圧により該油溜室の外部から油溜室に空気を導入すると共に第1送り手段によって油溜室に発生する負圧により該油溜室の外部から油溜室に空気を導入する第1空気導入手段と、
    を有することを特徴とする4サイクルエンジンの潤滑装置。
  2. 前記第1空気導入手段は、
    前記油溜室が負圧となった時に外部から空気を導入し、前記油溜室が正圧となった時に空気の導入を停止する一方向弁を有することを特徴とする請求項に記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。
  3. 前記第2空気導入手段は、
    前記クランク室及びシリンダ部が負圧となった時に前記油溜室から空気を導入し、前記クランク室及びシリンダ部が正圧となった時に空気の導入を停止し、前記エンジンが倒立した状態では前記クランク室及びシリンダ部に前記油溜室のオイルが流入することを防ぐボール弁を有することを特徴とする請求項1または2に記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。
  4. 前記クランク室及びシリンダ部に発生する正圧により、前記クランク室及びシリンダ部と前記動弁室とを連通する連通路を介して、前記クランク室及びシリンダ部のオイルを前記動弁室に送る第2送り手段を更に有し、
    前記第2送り手段は、前記クランク室及びシリンダ部が正圧となった時に前記クランク室及びシリンダ部からオイル及び空気を送り、前記クランク室及びシリンダ部が負圧となった時にオイル及び空気の送りを停止する一方向弁により構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。
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