JP3626420B2 - 4サイクルエンジンの潤滑装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、4サイクルエンジンの潤滑装置に関し、さらに詳しくは、傾斜態位を作業態位の一つとされる可搬型の刈払機や背負式動力噴霧機等に用いられる小型4サイクルエンジンの潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、草木を対象とした可搬型の刈払機(トリマー)や背負式動力噴霧機のように、作業者自身が携帯若しくは背負って作業を行う作業機の駆動源であるエンジンは、作業機を傾けた場合でも安定して作動することが必要とされている。
エンジンの1形式である2サイクルエンジンにおいては、ピストンの上昇時に発生する負圧を利用して潤滑用のオイルと燃料とをエンジン内部に吸入し、各可動部の潤滑を行う機構を備えている関係上、自由な角度で使用が可能な構造が容易に実現できる。これにより、2サイクルエンジンは、上記可搬型の作業機に広く用いられている。
一方、エンジンの他の形式である4サイクルエンジンは、設計、加工技術の進歩により小型軽量なものが製作できるものの、潤滑装置の一構成部材である油溜室(オイルパン)がクランク室の下部に設けられ、その位置からオイルを跳ね上げたりポンプで汲み上げることにより各可動部を潤滑する構造が採用されている関係上、正立状態での使用が基本とされている。換言すれば、このような潤滑機構が2サイクルエンジンに比して劣っていた。
しかし、2サイクルエンジンは、排気ガス中の炭化水素が多いことや騒音が大きい等の問題があった。このため、近年では排気ガス浄化や作業環境の悪化防止の観点から排気ガス特性が良好でしかも低騒音である4サイクルエンジンを可搬型の作業機に用いることが要請されている。
そこで、ピストンの昇降動作に応じてクランク室内の圧力が変化するのを利用した4サイクルエンジン用の潤滑装置を本出願人は先に提案している(例えば、特開平10−288019号公報)。
この提案においては、油溜室とクランク室とを完全に遮断したうえで、油溜室からクランク軸の回転軌跡中の一部にクランク室と油溜室とを連通させてクランク室の負圧により油溜室からオイルを吸引してクランク室に送り込む間欠送油手段を設け、さらにクランク室とカム機構が装備されている動弁室やバルブ駆動機構の配置部とを連通させ、ピストン下降時に生じるクランク室内の正圧を利用してクランク室で攪拌されたオイルミストを圧送するようになっている。
一方、動弁室内に送り込まれたオイルミストを含むブローバイガスは、油溜室内の負圧化傾向、つまり、ピストンの上昇時に発生するクランク室内の負圧が油溜室内に作用することで油溜室内に回収されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成を含めてエンジンの始動後にはシリンダ温度が高温になるのに合わせて油溜室内の圧力も高まってくる。このため、動弁室から油溜室内にオイルを回収しようとしても、油溜室内での負圧が十分に得られないことによって、オイルを良好に回収することができない場合がある。これにより、動弁室内でオイルが過剰な状態に維持されてしまい、他の部位への潤滑用オイルが不足してしまう虞もある。
【0004】
動弁室内で過剰に溜まっているオイルの回収構造として、動弁室と油溜室とを連通させるための戻し油路を対で平行させて設け、油溜室側の開口部にはエンジンの傾倒時にその開口部を塞ぐことができる球体を備えた逆止弁を設けた構成とし、逆止弁によってエンジンの傾倒時に油溜室内のオイルが逆流しないようにすることが考えられる。
【0005】
逆止弁に用いられいる球体は重力方向に移動するが、エンジンの使用状態によっては、戻し油路の開口部を全て塞いでしまうことがある。
例えば、エンジンがクランク軸の軸心を中心として横倒し状態とされると、油溜室に開口している戻し油路の一方がオイル面よりも下側に位置し、開口部がオイル中に位置することになる。このとき、戻し油路内の逆止弁の球体は、重力方向の力が殆ど加わらず、戻し油路の吸込圧により開口部を全て塞いでしまうことになる。
このため、油溜室からのエア排出が行えず、円滑な潤滑作用が行えなくなってしまう。
【0006】
本発明の目的は、上記の逆止弁を用いた戻し油路における問題に鑑み、エンジンの使用状態の如何に関わらず、オイル中に浸漬しない側の戻し油路を確実に開口させることにより、油溜室からのエア排出が円滑に行える4サイクルエンジンの潤滑装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、クランク軸(20)を軸支させたクランク室(16)の近傍に設けられた油溜室(18)から前記クランク室(16)および吸・排気の各バルブ機構を収納した動弁室(34)に送油して各部の潤滑を行い、オイルを循環させる4サイクルエンジンの潤滑装置において、延長方向一方端が上記動弁室(34)内にて開口し、延長方向他方端が上記油溜室(18)にて開口すると共に上記クランク軸(20)の軸心の両側に配設された一対の戻し油路(84,84’)を設け、該戻し油路(84,84’)における上記油溜室(18)側の開口部(84D、84D’)は、上記クランク軸(20)の軸心を中心として4サイクルエンジンが横倒し状態の時に該油溜室(18)の油面上部に一方が、そして他方が油面下に位置するように配置されるとともに上記油面に向けて互いに接近する状態に傾斜させて設けられ、内部に戻し油路を塞ぐことが可能な球体を備えた逆止弁(100)が設けられていることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の発明は、クランク軸(20)を軸支させたクランク室(16)の近傍に設けられた油溜室(18)から前記クランク室(16)および吸・排気の各バルブ機構を収納した動弁室(34)に送油して各部の潤滑を行い、オイルを循環させる4サイクルエンジンの潤滑装置において、延長方向一方端が上記動弁室(34)内にて開口し、延長方向他方端が上記油溜室(18)にて開口すると共に上記クランク軸(20)の軸心の両側に配設された一対の戻し油路(84,84’)を設け、該戻し油路(84,84’)における上記油溜室(18)側の開口部(84D、84D’)は、上記クランク軸(20)の軸心を中心として4サイクルエンジンが横倒し状態の時に該油溜室(18)の油面上部に一方が、そして他方が油面下に位置して互いに平行に配置されるとともに上記油面側の内面に階段状の段部(84P、84P’)が形成されるとともに、内部に戻し油路を塞ぐことが可能な球体を備えた逆止弁(100)が設けられていることを特徴としている。
【0009】
【作用】
請求項1記載の発明では、4サイクルエンジンが横倒し状態の時に一対の戻し油路に設けられている開口部(84D、84D’)のうちで油溜室(18)の油面上部に一方が、そして他方が油面下に位置するように配置されるとともに上記油面に向けて互いに接近する状態に傾斜させて設けられているので、油面上部に位置する一方の開口部において球体が重力により戻し油路から離れ、油面下にある他方の開口部において球体が重力により戻し油路を塞ぐ位置に移動できる。これにより、戻し油路の一方が塞がれない状態を維持されるとともに、戻し油路の他方つまり油面下にある戻し油路が逆止弁により塞がれるので、油溜室(18)からのエア排出が円滑に行える。
【0010】
請求項2記載の発明では、4サイクルエンジンが横倒し状態の時に対で平行する開口部(84D、84D’)のうちで、該油溜室(18)の油面上部に一方が、そして他方が油面下に位置して互いに平行に配置されるとともに上記油面側の内面に階段状の段部(84P、84P’)が形成され、油面下にある開口部では段部に逆止弁(100)の球体が重力により戻し油路を塞ぐ状態で位置決めできるが、油面上の開口部は塞がれない状態を維持できるので、油溜室(18)からのエア排出が円滑に行える。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図示実施例により本発明の発明の実施の形態について説明する。
図1および図2は本発明の実施の形態に係る潤滑装置を用いた4サイクルエンジンの潤滑経路を説明するための模式図である。特に、図1は、ピストンが上死点に位置する場合を、図2はピストンが下死点に位置する場合をそれぞれ示している。
図1および図2に示す4サイクルエンジンは、本願の先願に該当する特開平10−288019号公報に開示されている構成を主要部として備えているものであり、以下にその構成について説明した後、本実施例についての説明を行う。
【0012】
図1に示すように、4サイクルエンジン1は、左側面にエアクリーナ2および気化器4を、そして右側面には排気マフラ6が配置されて構成されており、シリンダヘッド10が一体化されているシリンダブロック12とクランクケース14とで構成されたクランク室16およびクランクケース14の下部近傍に設けられている油溜室18を備えている。
油溜室18は、クランクケース14に対して仕切られ、全体として密閉空間が構成されている。
【0013】
図1においてクランクケース14には、後述する吸入部40および一方向弁70が設けられており、一方向弁70は、クランク室16内の圧力変化に応動して開閉することができ、圧力変化がない場合には閉鎖されることにより、油溜室18がいかなる傾斜状態にあっても外部に油漏れを起こさないような構成とされている。
【0014】
シリンダブロック12とクランクケース14には、図1に示すように、軸心を水平方向に設けたクランク軸20が回転自在に支持されている。クランク軸20のクランクピンにコンロッドを介して連接されたピストン24は、シリンダブロック12の内部に設けられているシリンダ12A内で摺動自在に挿嵌されている。
【0015】
図1においてシリンダ12Aの上壁には、上記の気化器4および排気マフラ6にそれぞれ連通する吸気ポートおよび排気ポートが形成され、これら各ポートにはポートを開閉する吸気バルブ27および排気バルブ28が配置されている。
これらバルブを駆動するバルブ駆動部30は、図1に示すように、バルブ駆動ギヤ36、カムギヤ37および図示しないロッカーアームなどの部品により構成されている。これらバルブ駆動部30の各構成部品のうち、バルブ駆動ギヤ36、カムギヤ37は、シリンダブロック12の頭部に形成されている動弁室34とクランク室16とを連通させるようにシリンダブロック12とクランクケース14との側部に形成された連通路32内に配設されている。
【0016】
クランク室16と油溜室18との間には、吸入部40、通路44および間欠送油部46が第1送油手段として設けられている。
図1において、吸入部40は、ゴムなどの弾性材により容易に撓むことができる管体44と、その先端に設けられている錘43とにより構成されている。つまり、この錘43はその重力により常に鉛直下方に移動することができるようになっており、これにより油溜室18が傾斜した状態にされていてもそのオイルの油面下に先端部を没入させることができるようになっている。
吸入部40の他端は、クランクケース14内に穿設された通路44Aに連通しており、この通路44Aは、クランク軸20の外周面に対向してこの部分に円弧状の開口部を形成している。
【0017】
図1において、クランク軸20側の間欠送油部46は、クランク室16側からクランク軸20の中心近傍に所定の内径で外部に貫通することなく穿設されている通路T1と、この通路T1に連続してクランク軸20の半径方法に向けて穿設されている通路T2とで構成されている。通路T2はピストン24の上昇によりクランク室16が負圧化されるのに応じてクランク軸20の回転角度内でクランクケース14の通路44Aと連通することができるようになっており、いわゆる、クランク軸20の全周回転の途中でクランクケース14の通路44Aに連通するようになっている。
このため、ピストン24の上昇時には、クランク室16に発生する負圧を利用して吸入部40、通路44Aおよび間欠送油部46が連通すると、油溜室18からオイルが吸引されてクランク室16側に送られる。
【0018】
図1において、クランク室16には、間欠送油部46によって供給されるオイルを攪拌してオイルミスト化する攪拌部が設けられており、攪拌部は、主にクランク軸20に固定されているクランクウエブで構成されている。
【0019】
図1および図2においてクランク室16と連通路32との間には、一方向弁70が第2送油手段として設けられている。
一方向弁70は、クランクケース14の下部に穿設されたバルブ孔と、ピストン24の昇降動作に伴いクランク室16が正圧になったときにバルブ孔を開放し、クランク室16が負圧になったときにバルブ孔を閉鎖するバルブプレート72で構成されている。
【0020】
図2においてシリンダブロック12の上部にはブリーザ管80が設けられており、このブリーザ管80は、一端が動弁室34内にて開口部82により連結され、他端がエアクリーナに連結されている。
動弁室34には、戻し油路84、84’が設けられており、これら戻し油路84、84’は、一端が該動弁室34に開口し、他端が油溜室18にそれぞれ区別して配置されている。
尚、戻し油路84,84’は、クランク軸20の軸心を中心としてそれぞれ両側に配設されている。
【0021】
このような構成では、図1に示すように、エンジン1の動弁室34を上方に位置させて、いわゆる、正立状態とした場合には、ピストン24が昇降動作にない場合にクランク室16、油溜室18および動弁室34において潤滑用のオイルが適量溜まっている。
【0022】
エンジン1が始動されるとピストン24の昇降動作によりクランク室16に圧力変化が生じ、ピストン24の上昇時にはクランク室16が減圧されて負圧化傾向となり、下降時にはクランク室16が昇圧されて正圧傾向となる。
【0023】
クランク室16が負圧化傾向となると、クランク室16と油溜室18との間に差圧が生じ、ピストン24の上昇時に油溜室18と連通するように回動するクランク軸20に設けられている間欠送油部46(図1参照)の通路T1とT2および吸入部40を介して油溜室18に貯溜されているオイルがクランク室16側に送られる(図1中、実線の矢印で示す状態)。なお、図1,図2において実線の矢印はオイルの流動方向を示し、破線の矢印はブローバイガスの流動方向を示している。
【0024】
クランク室16側に送られたオイルは、クランクウエブに伝わり、その端部からクランク室16の内壁に飛散し、その一部がオイルミスト化される。ミスト化されたオイルは、クランク軸20やピストン24およびクランク室16内の各部品を潤滑する。
【0025】
図2に示すピストン24の下降時には、クランク室16が正圧になり、油溜室18との間に差圧が生じる。この場合、一方向弁70のバルブプレート72がバルブ孔を開放し、昇圧された空気と共にクランク室16およびシリンダ12Aに溜められたオイルミストをクランク室16から連通路32に送る。
連通路32に送られたオイルミストは、正圧により動弁室34に圧送されると共にバルブ駆動部30の各部品を潤滑する。
バルブ駆動部30の各部品を潤滑したオイルミストは、動弁室34に至り、オイルと空気とに分離される。分離されたオイルは、戻し通路84、84’を通じて油溜室18側に回収されることになる。また分離された空気は開口部82よりブリーザ管80を介してエアクリーナ2内に開放される。なお、この空気には、オイルミストが混入している。
【0026】
次に、エンジン1を、いわゆる、倒立状態で用いる場合には、油溜室18内の吸入部40がその先端に位置する錘43の重力方向の移動により貯溜されているオイル中に没入するので、ピストン24の昇降動作による圧力変化を利用して各潤滑部へのオイルの供給が行われる。このようなオイルの供給は、エンジン1が傾斜状態にある時にも同様に行われる。
【0027】
図1において、動弁室34内に一端が配設されている略同様構成の2本の戻し油路84、84’の一方についてその詳細構造を説明すると、戻し油路84は、その他端が油溜室18の上部で開口しているが、その戻し油路84の途中がバイパス構造とされている。なお、戻し油路84の他方(84’)については説明を省くが、戻し油路84と同様な構成とされている。
つまり、バイパス構造をなす吸油路90は、戻し油路84より分岐した分岐路84Aと、上死点位置にあるときのピストン24のスカート部24A直下部に位置する開口24Bと連通可能な通路84Bと、これら分岐路84Aと通路84Bとを連通する通路84Cとで構成されている。スカート部24A直下部に位置する開口24Bは、スカート部24Aに穿設されてシリンダ12A内と連通しているので、通路84Bと連通した際には通路84Bがシリンダ12A内と連通するようになっている。
【0028】
一方、戻し油路84における油溜室18の上部に位置する開口部84Dには、図示しない座板により下受け止めされて脱落しない状態に維持されている球体を備えた逆止弁100が設けられている。本実施例では逆止弁100をなす球体がスチールボールで構成されているが、耐油性の材質であれば、これに限らないことは勿論である。
【0029】
また、図1においてクランク室16と動弁室34とを連通する連通路32近傍には、クランクケース14の下面壁に油溜室18と連通する環流部110が形成されている。また、本実施例では、エアクリーナ2におけるブリーザ管80が連通する位置にブリーザ室2Aが設けられており、このブリーザ室2Aからは、このブリーザ室2Aと、上死点位置におけるピストン24のスカート部24A直下部に形成された吸油開口(便宜上、符号24B’で示す)とを連通するパイプ120が延長され、ブリーザ管80内に回収されるブローバイガス中のオイル成分がオイルセパレータ120Aにより気液分離されて給油開口24B’からシリンダ12A内に供給する構成が設けられている。
【0030】
逆止弁100が設けられている開口部84D、84D’は、図3に示す構成とされている。なお、図3は、便宜上、図1において気化器側が下側になるようにエンジンが横倒しされた状態での開口部84D、84D’同士の配置関係を油面を境にして模式的に示したものであり、実際のは位置は、図1,図2に示したように離れた位置関係となっている。
図3において、開口部84D、84D’は、エンジンがクランク軸20の軸心を中心として横倒しされると、油溜室18内の油面上部に一方の開口部84Dが位置し、他方の開口部84D’が油面下に位置するように配置されている。
各開口部84D、84D’は、油面に向けて互いに接近する状態に傾斜(図3において符号θで示す角度を持たせた状態)されており、内部に装備されている逆止弁100の球体が重力により移動できるようになっている。なお、図3中、符号84Fは、逆止弁100の球体が脱落するのを防止する座板を示している。
なお、図2に示す如く、戻し油路84,84’の中途に上方のみ通過可能なチェックバルブ200,200を配備させると、さらに潤滑油の循環効率が向上する。
【0031】
本実施例は以上のような構成であるから、前述した場合と同様に、エンジン1が正立しているときのピストン24上昇時には、クランク室16と油溜室18とに差圧が生じ、クランク室16が負圧化傾向となる。このためピストン24の上昇時に油溜室18と連通するように回動するクランク軸20に設けられている間欠送油部46の通路T1とT2および吸入部40を介して油溜室18に貯溜されているオイルがクランク室16側に送られる。
【0032】
一方、ピストン24が上死点位置に達すると、動弁室34からの戻し油路84の一部に形成されている給油路の通路84Bがピストン24のスカート部24A直下部に位置する開口24Bと連通してシリンダ12A内と連通する。このため、クランク室16が負圧化傾向となった際には、動弁室34内のオイルがピストン24の上死点位置において最も強くなる負圧によって給油路内に取り込まれ、図1において矢印で示すように、開口24Bを介してシリンダ12A内に吸い込まれる。従って、動弁室34内に送り込まれたオイルミストは、クランク室16内の負圧によりオイルが戻し油路84を介してシリンダ12A内に吸い込まれ、その他のものが開口部82を介してブリーザ管80からエアクリーナ2部に送られる。
【0033】
次いで、ピストン24が下降する際には、クランク室16が正圧とされるので、その正圧により第2送油手段をなす一方向弁70のバルブプレート72が開放されてクランクウエブ64によりミスト化されたオイルが連通路32を介してバルブ駆動部30および動弁室34に送られる。
【0034】
ピストン下降時には、バルブ駆動部30および動弁室34に対するオイルの過剰供給が防止される。つまり、一方向弁70におけるバルブプレート72が開放されると、クランク室16内においてミスト化されたオイルは連通路32に送られるが、連通路32には、クランクケース14の下面壁14Aに形成された小孔110が連通しており、連通路32に送られたオイルの一部が油溜室18内に戻されることになるので、バルブ駆動部30および動弁室34に送られるオイルミストが適量化される。
【0035】
次に、エンジン1が気化器側を下側にした状態で横倒しされると、図3に示した開口部84D、84D’の傾斜態位により、逆止弁100の球体が重力により戻し油路84を塞ぐことができる側、つまり、油面下に位置する開口部84D’に向けて移動し、油面下に位置する開口部84D’を塞ぐ。これにより、油面下に位置する戻し油路84は油溜室18と動弁室34との連通が遮断された状態を維持されるので、油溜室18から動弁室34に向けたオイルの逆流が確実に防止されることになる。しかも油面上部に位置する開口部84Dは、逆止弁100の球体が戻し油路84を遮断していないので、油溜室18の上昇圧を逃がすことが可能である。
【0036】
次に、本発明の実施の形態に係る他実施例について説明する。
図4は、図1,2に示した戻し油路84、84’の開口部84D、84D’を示す模式図であり、本図も図3と同様な主旨で示してある。
図4において、開口部84D、84D’は、戻し油路84,84’の延長方向と同様に互いに平行している。
開口部84D、84D’の内面には、階段状の段部84P、84P’が設けられている。
段部84P、84P’は、戻し通路84、84’の軸線P、P’を基準として、図5(B)に示すように、油面側に断面積を広げた形状の空間部と、軸線P、P’を中心として図5(A)に示すように、正円断面形状とされた空間部とが連続しており、各空間部間の境界部は正円断面形状の空間部に向けて逆止弁100の球体が落ち込みやすくなるように傾斜面とされている。
【0037】
本実施例は以上のような構成であるから、エンジン1が気化器側を下側にした状態で横倒しされると、図4に示すように段部84P、84P’のうちで、逆止弁100の球体が重力により移動して落ち込みやすい状態となる油面下に位置する開口部84D’において戻し油路84’が塞がれることになる。これにより、油面下に開口部84D’が位置する戻し油路84’は逆止弁100によって遮断されることになり、油溜室18と動弁室34との連通が維持されることになる。この結果、油溜室18から動弁室34へのオイルの逆流が阻止されることになる。この実施例においても油面上部に位置する開口部84Dでは、逆止弁100の球体による遮断が行われないので、油溜室18内の上昇圧力を逃がすことができる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、4サイクルエンジンがクランク軸の軸心を中心として横倒し状態の時に一対の戻し油路に設けられている開口部のうちで油溜室の油面上部に一方が、そして他方が油面下に位置するように配置されるとともに上記油面に向けて互いに接近する状態に傾斜させて設けられているので、油面上部に位置する一方の開口部において球体が重力により戻し油路から離れ、油面下にある他方の開口部において球体が重力により戻し油路を塞ぐ位置に移動できる。これにより、戻し油路の一方が塞がれない状態を維持されるので、油溜室内の上昇圧力を逃がすことができ、円滑なエンジン潤滑を可能にすることができる。
【0039】
請求項2記載の発明によれば、4サイクルエンジンがクランク軸の軸心を中心として横倒し状態の時に対で平行する開口部のうちで、該油溜室の油面上部に一方が、そして他方が油面下に位置して互いに平行に配置されるとともに上記油面側の内面に階段状の段部が形成され、油面下にある開口部では段部に逆止弁の球体が重力により戻し油路を塞ぐ状態で位置決めされるが、油面上部では戻し油路が塞がれない状態を維持されるので、油溜室内の上昇圧力を逃がすことができ、円滑なエンジン潤滑を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による潤滑装置が適用される4サイクルエンジンにおける潤滑経路を説明するためにピストンが上死点にある状態を示す模式図である。
【図2】本発明の実施例による潤滑装置が適用される4サイクルエンジンにおける潤滑経路を説明するためにピストンが下死点にある状態を示す模式図である。
【図3】図1に示した戻し油路の開口部の構成を説明するための模式図である。
【図4】図1に示した戻し油路の開口部に関する別実施例を説明するための模式図である。
【図5】図4に示した開口部の正面図であり、(A)は図4中、符号Aで示す方向の矢視断面図、(B)は図4中、符号Bで示す方向の矢視断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン
18 油溜室
34 動弁室
84、84’ 動弁室と油溜室とを連通する戻し油路
84D、84D’ 開口部
84P、84P’ 段部

Claims (2)

  1. クランク軸(20)を軸支させたクランク室(16)の近傍に設けられた油溜室(18)から前記クランク室(16)および吸・排気の各バルブ機構を収納した動弁室(34)に送油して各部の潤滑を行い、オイルを循環させる4サイクルエンジンの潤滑装置において、
    延長方向一方端が上記動弁室(34)内にて開口し、延長方向他方端が上記油溜室(18)にて開口すると共に上記クランク軸(20)の軸心の両側に配設された一対の戻し油路(84,84’)を設け、該戻し油路(84,84’)における上記油溜室(18)側の開口部(84D、84D’)は、上記クランク軸(20)の軸心を中心として4サイクルエンジンが横倒し状態の時に該油溜室(18)の油面上部に一方が、そして他方が油面下に位置するように配置されるとともに上記油面に向けて互いに接近する状態に傾斜させて設けられ、内部に戻し油路を塞ぐことが可能な球体を備えた逆止弁(100)が設けられていることを特徴とする4サイクルエンジンの潤滑装置。
  2. クランク軸(20)を軸支させたクランク室(16)の近傍に設けられた油溜室(18)から前記クランク室(16)および吸・排気の各バルブ機構を収納した動弁室(34)に送油して各部の潤滑を行い、オイルを循環させる4サイクルエンジンの潤滑装置において、
    延長方向一方端が上記動弁室(34)内にて開口し、延長方向他方端が上記油溜室(18)にて開口すると共に上記クランク軸(20)の軸心の両側に配設された一対の戻し油路(84,84’)を設け、該戻し油路(84,84’)における上記油溜室(18)側の開口部(84D、84D’)は、上記クランク軸(20)の軸心を中心として4サイクルエンジンが横倒し状態の時に該油溜室(18)の油面上部に一方が、そして他方が油面下に位置して互いに平行に配置されるとともに上記油面側の内面に階段状の段部(84P、84P’)が形成されるとともに、内部に戻し油路を塞ぐことが可能な球体を備えた逆止弁(100)が設けられていることを特徴とする4サイクルエンジンの潤滑装置。
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