JPH10288020A - 4サイクルエンジンの潤滑装置 - Google Patents

4サイクルエンジンの潤滑装置

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JPH10288020A
JPH10288020A JP9102226A JP10222697A JPH10288020A JP H10288020 A JPH10288020 A JP H10288020A JP 9102226 A JP9102226 A JP 9102226A JP 10222697 A JP10222697 A JP 10222697A JP H10288020 A JPH10288020 A JP H10288020A
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oil
air
crank chamber
cylinder
oil reservoir
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Mitsunori Watanabe
光則 渡辺
Kenji Imafuku
健治 今福
Takanobu Furuguchi
孝信 古口
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SHIN DAIWA KOGYO
SHINDAIWA KOGYO KK
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Makita Numazu Corp
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SHIN DAIWA KOGYO
SHINDAIWA KOGYO KK
Fuji Robin KK
Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 どのような傾斜状態にあっても、適切な圧力
状態及び熱平衡状態に維持され、円滑に内部潤滑が行わ
れる4サイクルエンジンの潤滑装置を得ること。 【解決手段】 いかなる傾斜状態でも油漏れせず内部が
負圧となったときに空気が一方向弁6を介して導入され
る油溜室18からクランク室16に、ピストン24の上
昇行程中に発生する負圧を利用し、間欠送油部46等を
通じて送油すると共に、導入通路92を介して所定のタ
イミングで油溜室18からシリンダ12aに空気を導入
して内部冷却を行う。ピストン24の下降行程中に発生
する正圧を利用してクランク室16から動弁室34に一
方向弁70を介し送油して各部を潤滑する。油溜室18
から圧力差を利用して送油することにより、どのような
傾斜状態でも確実に内部潤滑が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4サイクルエンジ
ン、特に手持ち式の噴霧機、刈払機等に搭載されて使用
される小型4サイクルエンジンの潤滑装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】草木向けの噴霧機や刈払機(トリマー)
に代表される手持ち式作業機は、作業者が不自由な姿勢
をとることなく作業できることが要求される。これによ
り、作業機の駆動源であるエンジンにはどんな角度に傾
けても安定して作動する能力が必須である。2サイクル
エンジンはピストンの上昇時に発生する負圧を利用して
潤滑用のオイルを燃料と共にエンジン内部に吸入し各可
動部の潤滑を行う機構を有するため自由な角度で使用可
能な構造が容易に実現される。従って、上記の作業機に
は傾斜性能に優れ小型軽量な2サイクルエンジンが広く
使用されてきている。一方、一般の4サイクルエンジン
は、設計・加工技術等の進歩により小型軽量なものは製
作できるが、クランク室下部に設けられた油溜部(オイ
ルパン)にオイルを貯留させ、そこから跳ね上げたりポ
ンプで汲み上げることで各可動部の潤滑を行う機構を採
用しているため基本的には正立させて使用しなければな
らない。すなわち、この潤滑機構が2サイクルエンジン
に比して劣った傾斜性能を4サイクルエンジンが有する
要因となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2サイ
クルエンジンは排気ガス中の炭化水素が多い、騒音が大
きい等の問題を有しており、近年の排気ガス浄化等の観
点から、排気ガス特性が良好でかつ低騒音な4サイクル
エンジンの手持ち式作業機への利用が要請されている。
そこで4サイクルエンジンを搭載しても自由な角度で作
業できるように傾斜性能に優れる4サイクルエンジンの
潤滑装置の開発が望まれている。同時に、傾斜性能に優
れた潤滑装置は、密閉的な構造となることから各部の圧
力状態を調整することが課題となる。更に、積極的に外
部から空気を導入することでエンジン内部の圧力状態を
調整すると共に内部冷却を行う機構を設ければ、エンジ
ン内での熱バランスが長期間維持され、より滑らかなエ
ンジン動作が可能である。
【0004】本発明はこうした点を鑑みてなされたもの
で、その目的はどのような傾斜状態でもエンジン内部が
常に適切な圧力状態及び熱平衡状態に維持され、円滑に
内部潤滑を行う4サイクルエンジンの潤滑装置を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、以下に示すエンジンをその手段として構成
する。すなわち、請求項1に係る4サイクルエンジンの
潤滑装置は、油溜部がいかなる傾斜状態にあっても外部
に油漏れしない油溜室として構成されている。そして、
クランク室及びシリンダ部に発生する負圧を利用して油
溜室内のオイルをクランク室及びシリンダ部へ送る第1
送り手段と、油溜室のオイルがクランク室及びシリンダ
部に送られることで油溜室が負圧になったときに外部か
ら油溜室に空気を導入する第1空気導入手段とを有して
いる。
【0006】これにより、密閉的に形成された油溜室か
ら負圧によりオイルをクランク室及びシリンダ部へ送
り、オイルを送ることで負圧となった油溜室に空気を導
入して大気圧よりわずかな負圧状態とすることが可能で
ある。
【0007】請求項2に係る4サイクルエンジンの潤滑
装置は、上記のクランク室及びシリンダ部に発生する負
圧を利用し、所定のタイミングで油溜室からクランク室
及びシリンダ部に空気を導入する第2空気導入手段と、
クランク室及びシリンダ部と動弁室とを連通させる連通
路と、クランク室及びシリンダ部に発生する正圧により
クランク室及びシリンダ部からオイル及び空気を連通路
を介して動弁室に送る第2送り手段とを請求項1に記載
された装置に加えて備えている。
【0008】かかる構成によれば、クランク室及びシリ
ンダ部に空気を送り込むことにより、シリンダ及びピス
トンを積極的に冷却する。また、クランク室及びシリン
ダ部の昇圧に必要な空気を送ることで、連通路を通って
潤滑が必要な動弁室に空気及びオイルを確実に送ること
が可能である。
【0009】請求項3に係る4サイクルエンジンの潤滑
装置は、上記の第1空気導入手段が、油溜室が減圧され
た時に外部から空気を送り、油溜室が昇圧された時に空
気の送りを停止する一方向弁を有している。
【0010】これにより、負圧となった油溜室に、逆流
を起こさず、より確実に空気を導入し油溜室を大気圧よ
りわずかな負圧状態とすることが可能である。
【0011】請求項4に係る4サイクルエンジンの潤滑
装置は、上記の第2空気導入手段が、クランク室及びシ
リンダ部が減圧された時に油溜室から空気を導入し、ク
ランク室及びシリンダ部が昇圧された時に空気の導入を
停止するボール弁を有する。
【0012】かかる構成を有する潤滑装置では、逆流を
起こさず、より確実にクランク室及びシリンダ部に空気
を送り込むことが可能である。
【0013】請求項5に係る4サイクルエンジンの潤滑
装置は、上記の第2送り手段が、クランク室及びシリン
ダ部が昇圧された時にオイル及び空気を送り、クランク
室及びシリンダ部が減圧された時に送りを停止する一方
向弁により構成されている。
【0014】こうした構成により、逆流を起こさず、よ
り確実に動弁室にオイル及び空気を送り込むことが可能
である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
一実施の形態について詳細に説明する。図1には本発明
の潤滑装置を備えた4サイクルエンジンの正面断面図、
図2、図3及び図4はそれぞれ図1のA−A線、B−B
線及びC−C線における断面図、図5は図3のD−D線
における断面図、そして図6は図3のE−E線における
断面図である。
【0016】4サイクルエンジンEは、左側面に気化器
4及び外部から空気を取り入れ浄化するエアクリーナ
2、右側面に排気マフラ60を配置して構成されており
(図2参照)、シリンダヘッド10を一体化して有する
シリンダブロック12とクランクケース14とで形成さ
れたクランク室16及びクランクケース14の下部に設
けられた油溜室18を有している。この油溜室18は本
発明の特徴的な構成を有しており、クランクケース14
と下面壁14aにて仕切られ、全体として密閉した空間
を形成して潤滑用のオイルを貯留している。なお、この
オイルには、オイルミスト化したオイルも含まれる。
【0017】また、図3に示したように油溜室18に
は、油溜室18が負圧となった時に油溜室18の外部か
ら油溜室18へ空気を流入し、油溜室が正圧となった時
にこの空気の流入を停止する一方向弁6と、図1に示し
たように油溜室18に貯留したオイルをいかなる傾斜状
態でも確実に吸入する吸入部40とが設けられている。
従って、油溜室18内に圧力変化がない限りこの一方向
弁6は閉鎖されているので、油溜室18はいかなる傾斜
状態においても外部に油漏れしない構成を有している。
【0018】上記のエアクリーナ2には、一端を一方向
弁6に連通させた管体3がその他端をエアクリーナ内に
設けられたフィルタ2a近傍の下流位置に連通させて配
設されている。これらエアクリーナ2、管体3及び一方
向弁6が第1空気導入手段を構成する。また、エアクリ
ーナ2内には、一方向弁6と同様の構成で後述のブリー
ザ室78が正圧のときにエアクリーナ2内に空気を送り
出し、ブリーザ室78が負圧となった時に空気の送りを
停止する一方向弁77が設けられている。
【0019】図1に示したシリンダブロック12とクラ
ンクケース14とは、軸線を水平方向に設けたクランク
軸20を支承している。このクランク軸20のクランク
ピンにコンロッドを介して連接するピストン24は、シ
リンダブロック12の内部に設けられたシリンダ12a
に摺動自在に嵌装されている。
【0020】図2に示したシリンダ12aの頂壁には、
上記の気化器4及び排気マフラ60にそれぞれ連なる吸
気ポート及び排気ポートが形成されると共に、これらを
開閉する吸気バルブ27及び排気バルブ29が挿設され
ている。また、図1に示したようにこれらバルブを駆動
するバルブ駆動部30は、シリンダブロック12の頭部
と側部とに形成された動弁室34及びこの動弁室34と
クランク室16を連通させるように、シリンダブロック
12とクランクケース14の側部に形成された連通路3
2に配設されている。
【0021】クランク室16と油溜室18との間には、
本発明の特徴的な構成要素である吸入部40、通路44
及び間欠送油部46が第1送り手段として設けられてい
る。吸入部40は、例えばゴム材のような弾性材により
容易に撓む管体42により形成されており、その先端に
は錘43が設けられている。すなわち、この錘43の重
力により常に鉛直下方に撓む構成となっている。これに
より、吸入部40の先端は、油溜室18がいかなる傾斜
状態にあっても常に適量溜まったオイルの油面下に存在
する。吸入部40の管体42及び錘43の材質は耐油
性、耐熱性を有するものが好適である。
【0022】また、吸入部40の他端は、クランク軸2
0周辺の断面図である図4に示したようにクランクケー
ス14に穿設された通路44に連通されている。この通
路44はクランク軸20の外周面に達し円弧状に所定範
囲広がって接している。
【0023】一方、クランク軸20側の間欠送油部46
(図1参照)は、クランク室16側からクランク軸20
の中心近傍に所定の内径で外部に貫通することなく穿設
された通路T1及びこれに連続してクランク軸20の半
径方向外方へ向けて穿設された通路T2により形成され
ている。この通路T2はピストン24の上昇によりクラ
ンク室16が負圧となる際のクランク軸20の回転角度
内においてクランクケース14の通路44と連通するよ
うな配置とされている。
【0024】従って、ピストン24が上昇している際の
所定の時期に、吸入部40、通路44及び間欠送油部4
6が連通し、この時クランク室16に発生する負圧を利
用して油溜室18からオイルが吸引され、クランク室1
6内に送られる。
【0025】油溜室18とシリンダ12aとの間には、
第2空気導入手段として本発明の特徴的な構成を有する
導入通路92がクランクケース14及びシリンダブロッ
ク12に形成されている。すなわち、図2及び図6に示
したように導入通路92の一端は油溜室18に配され、
その他端はシリンダ12aの側壁上に設けられた開口部
92aとされている。この開口部92aは、ピストン2
4が上死点位置及びその近傍にある場合以外は、ピスト
ン24の側面により閉鎖されるよう配されている。
【0026】これにより、ピストン24が上昇中には開
口部92aが閉鎖されているので空気は導入されず、シ
リンダ12a及びクランク室16に負圧が発生する。こ
の負圧により、第1送り手段を介してクランク室16に
オイルが適量送られた後、ピストン24が上死点位置に
至ることで開口部92aが開放され、油溜室18から空
気が送り込まれ、シリンダ12a及びクランク室16に
充填される。換言すれば、導入通路92は、シリンダ1
2aに発生する負圧を利用しピストン24の上昇に応じ
た所定のタイミングで油溜室18からシリンダ12aに
空気を導入する通路である。
【0027】この油溜室18に貯められシリンダ12a
に導入される空気は、エンジンの燃焼室内で発生する燃
焼熱が直接伝播するシリンダ12a及びピストン24の
熱を吸収することが可能である。そこで、導入通路92
を介した空気導入を冷却手段として積極的に利用するた
め、空気導入及びシリンダブロック12の外周に設けら
れた放熱板96等による冷却とエンジン燃焼に伴う発生
熱との熱平衡が保たれるよう導入通路92の内径、油溜
室18の容積・配置等が考慮され決定されている。
【0028】更に、導入通路92は、図7に示したよう
にシリンダ12aが負圧となった時に栓体であるゴムボ
ール94aが開口部92a方向に吸引されて空気が導入
され、シリンダ12aが正圧となった時にゴムボール9
4aが孔部94bに押し付けられて空気の導入を阻止す
るボール弁94をその途中位置に有していてもよい。こ
のボール弁94によれば、4サイクルエンジンEの倒立
時にゴムボール94aが孔部94bに押し付けられるの
で油溜室18からシリンダ12aにオイルが流入するの
を有効に防止できる。
【0029】図1又は図2に示すようにクランク室16
と連通路32との間には、本発明の特徴的な構成を有す
る一方向弁70が第2送り手段として設けられている。
一方向弁70はクランクケース14の下部に穿設された
バルブ孔72と、ピストン24の昇降動作に伴いクラン
ク室16が正圧になった際にバルブ孔72を開き、クラ
ンク室16が負圧になった際にバルブ孔72を閉鎖する
ように、油溜室18側からクランクケース14にねじに
より締結され所定の弾性を有したバルブプレート74と
により構成されている。バルブプレート74の材質は耐
油性、耐熱性を有するものであればいずれでもよい。
【0030】また、図3に示したシリンダブロック12
には、その頭部側で一端が動弁室34内に形成されオイ
ルと空気を分離するブリーザ室78に配設され、他端が
エアクリーナ2に設けられた一方向弁77に接合され空
気を開放するブリーザ管80が備えられている。
【0031】更に、図3、図5及び図6に示したよう
に、シリンダブロック12には、それぞれ一端が動弁室
34及びブリーザ室78に配設され、他端が油溜室18
に配されてオイルを動弁室34側から油溜室18に戻す
2本の戻し通路82,84が備えられている。
【0032】このように構成した本実施の形態の動作は
以下の通りである。図1は、4サイクルエンジンEを搭
載した手持ち式作業機の姿勢により、エンジン本体1の
動弁室34を上方に向けて傾斜状態にない、いわゆる正
立位置での使用状態を示している。このとき、クランク
室16、油溜室18及び動弁室34には、潤滑用のオイ
ルが適量溜まっている。油溜室18の吸入部40の先端
はオイル中に没している。
【0033】この4サイクルエンジンEを作動させる
と、ピストン24の昇降運動によりクランク室16に圧
力変化が生じる。すなわち、ピストン24の上昇行程で
はクランク室16が減圧され負圧状態となり、下降行程
ではクランク室16が昇圧されて正圧状態となる。
【0034】このクランク室16が負圧になることでク
ランク室16と油溜室18に差圧が生じ、ピストン24
の上昇時に油溜室18と連通するように回動するクラン
ク軸20に設けられた間欠送油部46の通路T1,T2
及び吸入部40を介してクランク室内に油溜室18に貯
留されたオイルが供給される。
【0035】このオイルは、重力及び回動による遠心力
の作用でクランク軸20に固着されたクランクウエッブ
64を伝わり、クランクウエッブ64の端部からクラン
ク室16内壁に飛散してクランク軸20やクランク室1
6内の各部品を潤滑する。オイルが送られた油留室18
は、一時的に内部圧力が低下し負圧となる。これによ
り、一方向弁6が動作し、エアクリーナ2、管体3を介
して空気が導入されて油溜室18は大気圧よりわずかな
負圧状態となる。従って、以降の空気導入に不必要な油
留室18の負圧は解消される。
【0036】上述のオイル供給は、ピストン24の上昇
時の所定範囲内で通路T2に連通するよう形成された通
路44の構造から、常に適量になされ、過剰供給による
動力損失を防ぐことができる。
【0037】クランク軸20の回転により通路T2と通
路44との連通が遮断された後、ピストン24が更に上
昇して上死点位置に至り導入通路92を開放する。そし
て油留室18からシリンダ12aに空気が導入され、シ
リンダ12a及びクランク室16に充填される。これに
より、次行程のピストン24の下降においてシリンダ1
2a及びクランク室16の昇圧が可能となる。更に、シ
リンダ12aに導入された空気がシリンダ12a及びピ
ストン24の熱を吸収し、いわゆる冷却作用をもたら
す。
【0038】空気が送出されて負圧となった油留室18
では、再度一方向弁6が動作し、エアクリーナ2、管体
3を介して空気が導入されて大気圧よりわずかな負圧状
態となる。従って、ここでも油留室18の負圧は解消さ
れ、次のオイル送りに備えた圧力状態となり安定したオ
イル供給が実現される。
【0039】続いて、ピストン24が下降し導入通路9
2が閉鎖され、クランク室16が正圧になると再びクラ
ンク室16と油溜室18に圧力差が生じる。このとき、
一方向弁70のバルブプレート74がバルブ孔72を開
き、クランク室16及びシリンダ12aに貯められたオ
イル及び空気をクランク室16から連通路32へ送り込
む。
【0040】ピストン24の下降行程が終了し、上昇行
程に移行すると再びクランク室16に負圧が発生するの
で、一方向弁70のバルブプレート74はこの負圧に吸
引されバルブ孔72を閉鎖してオイル及び空気の送り動
作を終了する。
【0041】連通路32に送られたオイル及び空気は正
圧により動弁室34に圧送されると共にオイルがバルブ
駆動部30の各部品を潤滑する。吸気バルブ27、排気
バルブ29等の位置まで送られ、潤滑を行ったオイル
は、ブリーザ室78に至る。オイルは図5及び図6に示
した2本の戻し通路82,84を通じて一定の負圧に保
たれた油溜室18に回収される。一方、空気は図2に示
したブリーザ管80及び一方向弁77を通じてエアクリ
ーナ2内に開放される。
【0042】次に、4サイクルエンジンEの作動中、手
持ち式作業機の姿勢を変化させ、図8に示したようにエ
ンジン本体1の動弁室34を下方に向けて倒立位置で使
用したり、或いは図9に示したようにエアクリーナ2及
び排気マフラ60を上下方向に向けた傾斜位置で使用し
た場合においても、油溜室18内に配された吸入部40
の先端が、錘43の鉛直下方への付勢力を受け、所定量
貯留されたオイル中に常に没する。従って、潤滑用のオ
イルが上述の正立位置での使用と同様に4サイクルエン
ジンEの内部を潤滑する。また、一方向弁6からはオイ
ルの送りで発生した負圧により油溜室18に空気が導入
される。このとき、一方向弁6が油面下に没している場
合でも、空気の導入は圧力差により行われるためオイル
が一方向弁6及び管体3で逆流することはない。同様
に、オイルはピストン24の動作により発生した圧力差
により一方向に限って送られるため動弁室34、図5及
び図6に示した戻し通路82,84等で逆流することが
ない。
【0043】更に、図10に示したようにエンジン本体
1の駆動軸90及びクランク軸20を上下方向に向けた
傾斜位置で使用した場合にも、油溜室18内で吸入部4
0の先端が速やかに下方に移動し、貯留されたオイル中
に没しオイルの供給が可能となる。また、所定量のオイ
ルの送りをピストン24の動作により発生した圧力差を
利用して行うことから、このような傾斜位置でもオイル
が過剰に供給されることなく4サイクルエンジンEの内
部を適切に潤滑する。空気の導入が圧力差によって行わ
れ逆流を起こさない点は上述と同様である。
【0044】なお、本発明は本実施の形態の構成に限定
されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形
が可能である。例えば、図示では本発明に係る潤滑装置
がOHV方式の4サイクルエンジンに用いられたものを
示したが、OHC方式等に使用されてもよい。また一方
向弁70はバルブプレート74及びバルブ孔72から構
成されるものの他、ボールバルブ方式等によることも可
能である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる4
サイクルエンジンの潤滑装置によれば、4サイクルエン
ジンがどのような傾斜状態にあっても、エンジン内部が
常に適切な圧力状態及び熱平衡状態に維持され、円滑に
内部潤滑が行われるという優れた効果を呈する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る潤滑装置を備えた4サイク
ルエンジンの正面断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】図3のD−D断面図である。
【図6】図3のE−E断面図である。
【図7】ゴムボール方式のボール弁の概略構成図であ
る。
【図8】4サイクルエンジンの動弁室を下方に向けた傾
斜状態での潤滑説明図である。
【図9】4サイクルエンジンのエアクリーナ及び排気マ
フラを上下方向に向けた傾斜状態での潤滑説明図であ
る。
【図10】4サイクルエンジンの駆動軸及びクランク軸
を上下方向に向けた傾斜状態での潤滑説明図である。
【符号の説明】
E 4サイクルエンジン 2 エアクリーナ 3 管体 6 一方向弁 12 シリンダブロック 16 クランク室 20 クランク軸 18 油溜室 34 動弁室 40 吸入部 44 通路 46 間欠送油部 T1,T2 通路 70 一方向弁 92 導入通路 94 ボール弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02B 65/00 F02B 65/00 A B (72)発明者 今福 健治 東京都羽村市神明台2丁目10−5 新ダイ ワ工業株式会社東京技術研究所内 (72)発明者 古口 孝信 東京都新宿区西新宿1丁目7番2号 富士 重工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク室近傍に設けられ潤滑用のオイ
    ルを貯留する油溜部からクランク室、該クランク室に連
    通するシリンダ部及び吸・排気のバルブ機構を収納した
    動弁室に送油して各部の潤滑を行う4サイクルエンジン
    の潤滑装置において、 前記油溜部がいかなる傾斜状態でも外部に油漏れしない
    油溜室として構成され、 前記クランク室及びシリンダ部に発生する負圧により前
    記油溜室内のオイルを前記クランク室及びシリンダ部へ
    送る第1送り手段と、 前記油溜室が負圧になった際に、外部から前記油溜室に
    空気を導入する第1空気導入手段と、 を有することを特徴とする4サイクルエンジンの潤滑装
    置。
  2. 【請求項2】 前記クランク室及びシリンダ部に発生す
    る負圧により所定のタイミングで前記油溜室から前記ク
    ランク室及びシリンダ部に空気を導入する第2空気導入
    手段と、 前記クランク室及びシリンダ部と前記動弁室とを連通さ
    せる連通路と、 前記クランク室及びシリンダ部に発生する正圧により前
    記クランク室及びシリンダ部からオイル及び空気を前記
    連通路を介して前記動弁室に送る第2送り手段と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載の4サイクル
    エンジンの潤滑装置。
  3. 【請求項3】 前記第1空気導入手段は、 前記油溜室が負圧となった時に外部から空気を導入し、
    前記油溜室が正圧となった時に空気の導入を停止する一
    方向弁を有することを特徴とする請求項1又は2のいず
    れかに記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。
  4. 【請求項4】 前記第2空気導入手段は、 前記クランク室及びシリンダ部が負圧となった時に前記
    油溜室から空気を導入し、前記クランク室及びシリンダ
    部が正圧となった時に空気の導入を停止するボール弁を
    有することを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記
    載の4サイクルエンジンの潤滑装置。
  5. 【請求項5】 前記第2送り手段は、 前記クランク室及びシリンダ部が正圧となった時に前記
    クランク室及びシリンダ部からオイル及び空気を送り、
    前記クランク室及びシリンダ部が負圧となった時に空気
    の送りを停止する一方向弁により構成されることを特徴
    とする請求項2から4のいずれかに記載の4サイクルエ
    ンジンの潤滑装置。
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