JPH1136839A - 4サイクルエンジンの潤滑装置 - Google Patents

4サイクルエンジンの潤滑装置

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JPH1136839A
JPH1136839A JP19232397A JP19232397A JPH1136839A JP H1136839 A JPH1136839 A JP H1136839A JP 19232397 A JP19232397 A JP 19232397A JP 19232397 A JP19232397 A JP 19232397A JP H1136839 A JPH1136839 A JP H1136839A
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JP
Japan
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oil
crank chamber
chamber
stroke engine
valve
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Pending
Application number
JP19232397A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanobu Furuguchi
孝信 古口
Mitsunori Watanabe
光則 渡辺
Kenji Imafuku
健治 今福
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIN DAIWA KOGYO
SHINDAIWA KOGYO KK
Subaru Corp
Makita Numazu Corp
Original Assignee
SHIN DAIWA KOGYO
SHINDAIWA KOGYO KK
Fuji Robin KK
Fuji Heavy Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by SHIN DAIWA KOGYO, SHINDAIWA KOGYO KK, Fuji Robin KK, Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical SHIN DAIWA KOGYO
Priority to JP19232397A priority Critical patent/JPH1136839A/ja
Publication of JPH1136839A publication Critical patent/JPH1136839A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 どのような傾斜状態でも確実に内部潤滑を行
う4サイクルエンジンの潤滑装置を得ること。 【解決手段】 クランク室16と仕切られた油溜室18
から、ピストン30の上昇行程中に発生する負圧を利用
してボール式チェックバルブ78を開き、いかなる傾斜
状態でも貯留した油を吸入するよう先端に錘64を設け
た吸入部60を通じ、クランクケース14下面に設けら
れたオイルミキサ72により空気と共に油溜室18内の
オイルをクランク室16方向へ吸引する。オイルミキサ
72はオイルをオイルミスト化してクランク室16へ送
る。また、ピストン30の下降行程中に発生する正圧を
利用してボール式チェックバルブ78を閉じ、ベアリン
グ26を介し動弁室50に送油して各部を潤滑する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4サイクルエンジ
ン、特に手持ち式の噴霧機、刈払機等に搭載されて使用
される小型4サイクルエンジンの潤滑装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】草木向けの噴霧機や刈払機(トリマー)
に代表される手持ち式作業機は、作業者が不自由な姿勢
をとることなく作業できることが要求される。これによ
り、作業機の駆動源であるエンジンにはどんな角度に傾
けても安定して作動する能力が要求される。2サイクル
エンジンはピストンの上昇時に発生する負圧を利用して
潤滑用のオイルを燃料と共にエンジン内部に吸入し各可
動部の潤滑を行う機構を有するため、自由な角度で使用
可能な構造が容易に実現される。従って、上記の作業機
には傾斜性能に優れ小型軽量な2サイクルエンジンが広
く使用されてきている。一方、一般の4サイクルエンジ
ンは、設計・加工技術等の進歩により小型軽量なものは
製作できるが、クランク室下部に設けられた油溜部(オ
イルパン)にオイルを貯留させ、そこから跳ね上げたり
ポンプで汲み上げることで各可動部の潤滑を行う機構を
採用しているため、基本的には正立させて使用せねばな
らない。すなわち、この4サイクルエンジンの潤滑機構
が2サイクルエンジンに比して劣った傾斜性能を4サイ
クルエンジンが有する要因となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2サイ
クルエンジンは排気ガス中の炭化水素が多い、騒音が大
きい等の問題を有しており、近年の排気ガス浄化等の観
点から、排気ガス特性が良好でかつ低騒音な4サイクル
エンジンの手持ち式作業機への利用が要請されている。
そこで4サイクルエンジンを搭載しても自由な角度で作
業できるように傾斜性能に優れた4サイクルエンジンの
潤滑装置の開発が望まれていた。
【0004】本発明はこうした点を鑑みてなされたもの
で、その目的はどのような角度でも確実に内部潤滑を行
う4サイクルエンジンの潤滑装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、以下に示す潤滑装置をその手段として構成
する。
【0006】すなわち、請求項1に係る4サイクルエン
ジンの潤滑装置は、クランク室近傍に設けられた油溜部
がクランク室と仕切られた油溜室として構成され、この
油溜室がいかなる傾斜状態にあってもその先端が油溜室
の油面下に存在するよう構成された吸入部と、クランク
室の負圧を利用して油溜室内の空気と共に前記吸入部か
ら油溜室内のオイルをオイルミスト化してクランク室へ
送る送油手段と、クランク室と動弁室とを連通させるこ
とでクランク室の正圧により前記のオイルミストがクラ
ンク室から動弁室へ送られる連通路とを備えている。
【0007】かかる構成の4サイクルエンジンの潤滑装
置によれば、いかなる傾斜状態でも圧力差を利用して油
溜室から吸入部及び送油手段を通じてクランク室内に送
油し、かつクランク室から動弁室へ送油することが可能
となる。
【0008】次に、請求項2に係る4サイクルエンジン
の潤滑装置では、請求項1の送油手段が、クランク室近
傍に配設され油溜室に連通したミキサ室と、吸入部から
クランク室に連通したオイル通路と、ミキサ室からオイ
ル通路に連通した空気通路と、オイル通路のクランク室
とのつながり部にクランク室が負圧となった時にオイル
通路を開き、クランク室が正圧となった時にオイル通路
を閉鎖する開閉手段とを備えている。
【0009】こうした構成によれば、クランク室が負圧
となった際、確実に開閉手段によりオイル通路が開か
れ、オイル通路に吸入部からオイルが送られると共にミ
キサ室からオイル通路に空気が送り込まれ、油溜室内か
らのオイルがオイルミスト化される。
【0010】また、請求項3に係る4サイクルエンジン
の潤滑装置では、上記の開閉手段がボール式チェックバ
ルブにより構成されている。
【0011】かかる潤滑装置によれば、複雑化を伴うこ
となく確実に圧力変動によりオイル通路に対する開閉動
作が行われる。
【0012】更に、請求項4に係る4サイクルエンジン
の潤滑装置では、上記の開閉手段がリードバルブにより
構成されている。
【0013】かかる構成の潤滑装置によれば、ボール式
チェックバルブの場合と同様に、シンプルな構成で、圧
力変動を利用してオイル通路に対する開閉動作を行うこ
とができる。
【0014】次に、請求項5に係る4サイクルエンジン
の潤滑装置では、上記の吸入部が、所定長さの可撓性を
有する管体と、この管体の先端に設けられた錘とから構
成されている。
【0015】かかる構成の4サイクルエンジンの潤滑装
置によれば、先端の錘が重力により下方に向かう作用を
利用して、常に吸入部の先端を油溜室のオイルに没せし
むることが可能である。
【0016】また、請求項6に係る4サイクルエンジン
の潤滑装置では、上記の空気通路がオイル通路よりも小
径の一つ又は複数の通路から構成されている。
【0017】こうした構成によれば、オイル通路に所定
の流速を有するオイルが流れた際に空気通路から空気を
オイル通路に吸い込むという効果が効率的に発揮され、
空気通路を通してオイルミスト化に十分な空気が導入さ
れる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の潤
滑装置を備えた4サイクルエンジンの正面断面図、図
2、及び図6はそれぞれ図1のA−A線及びB−B線に
おける断面図である。
【0019】図1に示した4サイクルエンジンEは、左
側面にエアクリーナ2及び気化器4、右側面に排気マフ
ラ6を配置して構成されており、シリンダヘッド10が
頂部に設けられたシリンダブロック12とクランクケー
ス14とで形成され、さらにクランクケース14の側方
に設けられた油溜室18を有している。この油溜室18
は本発明の特徴的な構成を有しており、クランクケース
14とは、別体のケースとして形成され、クランク室1
6近傍に設けられていて全体として密閉した空間となっ
ている。
【0020】また、図1及び図2に示したように、油溜
室18には、第1空気導入管20、第2空気導入管22
及び吸入部60が設けられている。第1空気導入管20
及び第2空気導入管22は図1に示したように油溜室1
8内の3次元空間内略中央位置で開口しており、油溜室
18に貯留されたオイルが必要量を超えない範囲であれ
ば、油溜室18はいかなる傾斜状態においても第1空気
導入管20あるいは第2空気導入管22を通じて外部に
油漏れしない構成を有している。
【0021】第1空気導入管20はエアクリーナ2内に
開口してその一端が設けられ、その他端が油溜室18内
の上記所定位置に配されている。第2空気導入管22は
その一端が油溜室18内の上記所定位置に開口して配さ
れ、その他端は油溜室18からクランク室16の下方へ
延在している。
【0022】図1又は図2に示した、本発明の特徴的な
構成要素である吸入部60は、例えばゴム材のような弾
性材を用いた容易に撓む所定長さの管体62により形成
されており、その先端には錘64が設けられている。す
なわち、この錘64の重さにより常に鉛直下方に撓む構
成となっている。これにより、吸入部60の先端は、油
溜室18がいかなる傾斜状態にあっても常に適量溜まっ
たオイルの油面下に存在する。吸入部60の管体62及
び錘64の材質は耐油性、耐熱性を有するものが好適で
ある。この吸入部60の管体62の他端は、後述のオイ
ルミキサ72の下端に連通されている。
【0023】シリンダブロック12とクランクケース1
4とは図2に示したようにベアリング24、26を介し
て軸線を水平方向に設けたクランク軸28を支承してい
る。このベアリング24、26はシールドの無い、いわ
ゆる開放型の玉軸受であり、図3に示したようにボール
26a間に設けられた空隙26bを通してオイル又はオ
イルミストの通過が可能とされている。
【0024】図1に示したように、クランク軸28のク
ランクピン28bにコンロッド29を介して連接するピ
ストン30は、シリンダブロック12の内部に設けられ
たシリンダ12aに摺動自在に嵌装されている。
【0025】また、図2に示したように、クランク軸2
8はその右端部にリコイルスタータ30及びその左端部
に冷却用ブロア32を同軸に嵌装して有している。送風
して熱を奪う目的から冷却用ブロア32は、クランク軸
28の回動により回転運動を行ってシリンダブロック1
2及びクランクケース14、更に油溜室18及び後述の
送油部ケース74に外気を送る機能を有している。
【0026】シリンダ12aの頂壁には、上記の気化器
4及び排気マフラ6にそれぞれ連なる吸気ポート34及
び排気ポート36が形成されると共に、これらを開閉す
る吸気バルブ35及び排気バルブ37が挿設されてい
る。さらに、これらバルブを駆動するバルブ駆動部40
は、クランク側スプロケット42、チェーン44、カム
側スプロケット46、カムシャフト48等の部品により
構成されている。これらバルブ駆動部40の各構成要素
は、シリンダヘッド10内に形成された動弁室50及び
この動弁室50とクランク室16とを連通させるように
シリンダブロック12とクランクケース14の側部に形
成された連通路52に配設されている。
【0027】クランク室16と油溜室18との間には、
オイルミキサ72、ミキサ室76及びボール式チェック
バルブ78を備えた送油手段70が設けられている。
【0028】オイルミキサ72は本発明の特徴的な構成
を有しており、図1に示したように鉛直方向に長手とな
るよう立設された略円筒形状であって、上記の吸入部6
0からクランク室16に連通したオイル通路72a及び
後述するミキサ室76からオイル通路72aに連通した
空気通路72bを備えている。オイルミキサ72の周囲
はクランクケース14下面と送油部ケース74とによっ
て仕切られたミキサ室76が設けられており、油溜室1
8に連通した第2空気導入管22の一端がこの送油部ケ
ース74の側部に連通接続されている。
【0029】上記空気通路72bは、本実施の形態で
は、略鉛直に設けられたオイル通路72aの通路径に対
し、約1/2〜1/3の直径を有する空気通路72bが
略水平方向に12本設けられている。
【0030】このように空気通路72bがオイル通路7
2aよりも小径の一つ又は複数の通路によって構成され
ている場合には、オイル通路72aに所定の流速を有す
るオイルが流れた際に、空気通路72bから空気をオイ
ル通路72aに吸い込むという効果が効率的に発揮さ
れ、空気通路72bを通してオイルミスト化に十分な空
気が導入される。
【0031】オイルミキサ72の上部には、オイル通路
72aの開閉手段として、図4に示したチェックボール
78a、スプリング78b、スプリング押さえ78cを
有するボール式チェックバルブ78が配設されている。
スプリング押さえ78cとチェックボール78aとの間
に弾装されたスプリング78bはチェックボール78a
を下方に付勢し、付勢されたチェックボール78aはオ
イルミキサ72上部に設けられたテーパ面72cに押さ
え付けられて、クランク室16が正圧時にはオイル通路
72aを閉鎖している。スプリング78bの付勢力は、
クランク室16が所定の負圧となった際、チェックボー
ル78aがクランク室16側に吸引されて上昇しオイル
通路72aを開くように予め定めておく。
【0032】スプリング押さえ78cはその平面図であ
る図5に示したように4個又は複数の押さえ爪78dを
有しており、押さえ爪78dの設けられていない空間
は、オイルミキサ72からクランク室16に連通してい
る。なお、本実施の形態では、上記押さえ爪78dを有
するスプリング押さえ78cをクランクケース14と別
体に設けてあるが、一体形成してもよい。
【0033】このように構成された送油手段70により
クランク室16を経て動弁室50に送られたオイルを油
溜室18に戻すため、図2に示したように動弁室50の
側部に一端が連通接続され他端が油溜室18に連通され
たオイル戻し管80がシリンダブロック12及びクラン
クケース14の側方に配設されている。
【0034】また、クランク室16底部に溜まったオイ
ルを油溜室18に戻すため、クランク室16底部に穿設
された孔82a、図6に示した送油部ケース74の上面
に設けられた溝82b及び送油部ケース74の側面に設
けられた管体82cから構成されたオイル戻し通路82
が設けられている。このオイル戻し通路82の管体82
cは、上記のオイル戻し管80の途中位置で連通接続さ
れている。
【0035】このように構成した本実施の形態の動作は
以下の通りである。図1は、4サイクルエンジンEを搭
載した手持ち式作業機の姿勢により、エンジン本体の動
弁室50を上方に向けて傾斜状態にない、いわゆる正立
位置での使用状態を示している。このとき、クランク室
16、油溜室18及び動弁室50には潤滑用のオイルが
適量溜まっている。油溜室18のオイル吸入部60の先
端はオイル中に没している。
【0036】この4サイクルエンジンEを作動させる
と、ピストン30の昇降運動によりクランク室16に圧
力変化が生じる。すなわち、ピストン30の上昇行程で
はクランク室16が減圧され負圧状態となり、下降行程
ではクランク室16が昇圧されて正圧状態となる。
【0037】また、4サイクルエンジンEはその作動に
より熱を発生させるが、シリンダブロック12、クラン
クケース14等の表面からの放熱と、冷却用ブロア32
によるシリンダブロック12、クランクケース14、油
溜室18及びミキサ室76に対する積極的な冷却が行わ
れ、4サイクルエンジンEの熱バランスを保つことが可
能である。
【0038】クランク室16が負圧になることで、ボー
ル式チェックバルブ78のチェックボール78aがスプ
リング78bの付勢力に打ち勝ってオイルミキサ72の
テーパ面72cから離れ上昇する。これにより、オイル
ミキサ72に設けられたオイル通路72aが開かれ、ク
ランク室16と油溜室18との差圧から油溜室18に貯
留されたオイルが吸入部60の先端から吸引され、所定
の流速をもってオイル通路72aに流入する。
【0039】このオイルのオイル通路72aへの流入の
際、所定の流速を有するオイル流れが空気通路から空気
をオイル通路72aに吸い込むという作用を引き起こ
し、ミキサ室76に貯められた空気が空気通路72bを
介してオイル通路72aに吸引される。この吸引作用が
ミキサ室76を負圧にし、新たに第2空気導入管22か
ら油溜室18の空気をミキサ室76に導く。
【0040】油溜室18はミキサ室76に空気を送るこ
とで大気圧に比して圧力が低下することから、第1空気
導入管20を通じてエアクリーナ2側から空気が導入さ
れる。
【0041】このとき、エアクリーナ2側から新気を導
入することによりエンジンからの熱伝播等により温度の
上昇した油溜室18が冷却される。
【0042】上記のオイル通路72aでは、油溜室18
から吸引されたオイルとミキサ室76から吸引された空
気が混合され、負圧によりクランク室16に導入される
際にオイルミストとなってクランク室16内に拡散す
る。温度の低い空気とオイルとが混合したオイルミスト
は、クランク室16に導入されることによりエンジン内
部の温度を低下させる。
【0043】このオイルミスト化は、クランク室16内
が所定の負圧状態にある限り連続して行われるが、クラ
ンク室16底部からオイル戻し管80に連通して設けら
れたオイル戻し通路82より、クランク室16の昇圧時
にオイル又はオイルミストが油溜室18方向に戻される
ので、クランク室16にオイルが過剰に貯留されること
はない。従って、クランク室16でのオイルの溜まり過
ぎを防ぎつつ動弁室50へ適量のオイル(オイルミス
ト)を供給することが可能であり、過剰供給による動力
損失を防ぐことができる。
【0044】続いて、ピストン30が下降行程に入り、
クランク室16が正圧となる。クランク室16が正圧に
なることで、ボール式チェックバルブ78のチェックボ
ール78aはこの圧力とスプリング78bの付勢力とに
よりオイルミキサ72のテーパ面72cに当接せられ
る。従って、オイルミキサ72のオイル通路72aが閉
鎖され、油溜室18からクランク室16へのオイル導入
が停止される。
【0045】そして、クランク室16に導入されたオイ
ルミストは、昇圧された空気と共に上記ベアリング26
の空隙26bを通して連通路52へと送られる。
【0046】連通路52に送られたオイルミストは正圧
により動弁室50に圧送されると共にバルブ駆動部40
の各部品を潤滑する。カムシャフト48、吸気バルブ3
5、排気バルブ37等の位置まで送られ潤滑を行ったオ
イル又はオイルミストは、動弁室50の側部に設けられ
たオイル戻し管80を通って油溜室18に戻される。一
方、動弁室50の余剰空気は、ブリーザ管(図示せず)
を通じてエアクリーナ2内に開放される。
【0047】次に、4サイクルエンジンEの作動中その
姿勢を変化させ、図7に示したようにエンジン本体の動
弁室50を下方に向けて倒立位置で使用したり、或いは
図8に示したようにエアクリーナ2及び排気マフラ6を
上下方向に向けた傾斜位置で使用した場合においても、
潤滑用のオイル又はオイルミストが上述の正立位置での
使用と同様に4サイクルエンジンEの内部を潤滑する。
このとき、油溜室18内に配された吸入部60の先端
は、その先端に固着された錘64が重力により速やかに
移動するのに伴い、所定量貯留されたオイル中に常に没
する。また、オイル及びオイルミストはピストン30の
動作により発生した所定の圧力差により一方向に限って
送られるため動弁室50等で逆流することがない。
【0048】更に、図9に示したようにエンジン本体の
クランク軸28を上下方向に向けた傾斜位置で使用した
場合にも、油溜室18内の吸入部60の先端が速やかに
下方に移動し貯留されたオイル中に没しオイルが送られ
ることから、オイル又はオイルミストが4サイクルエン
ジンEの内部を適切に潤滑する。
【0049】次に、第2の実施の形態では、開閉手段と
して上記のボール式チェックバルブ78に代えリードバ
ルブ90を備えている。
【0050】図10に示したように、リードバルブ90
は、オイルミキサ72のオイル通路72aの上方に設け
られた連通孔90aと、この連通孔を開閉可能とするよ
う連通孔90aに隣接して設けられた弾性板のバルブプ
レート90bと、このバルブプレート90bの開き量を
抑えるバルブプレート抑制板90cを有している。バル
ブプレート90bは、例えば耐油・耐熱性を有するゴム
材を使用して形成することができる。
【0051】このリードバルブ90の動作は次の通りで
ある。すなわち、ピストン30の上昇運動によりクラン
ク室16が所定より負圧となった場合には、バルブプレ
ート90bの上下近傍の圧力差からバルブプレート90
bがクランク室16側に引かれ、連通孔90aが開かれ
る。この動作により、オイル通路72aを介してオイル
が吸引され空気と混合されてオイルミスト化し、オイル
ミストが連通孔90aを経由してクランク室16に導入
される。
【0052】ピストン30の下降運動によりクランク室
16が正圧となった場合には、バルブプレート90bが
押し下げられ連通孔90aが閉鎖される。従って、クラ
ンク室16へのオイル導入が停止され、クランク室16
に既に導入されたオイルミストが連通路52へ適切に導
かれる。このようにリードバルブ90の開閉手段として
の機能は、第1の実施の形態で示したボール式チェック
バルブ78と同様である。
【0053】なお、本発明は上記各実施の形態の構成に
限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の
変形が可能である。例えば、図では本発明に係る潤滑装
置がOHC形式の4サイクルエンジンに用いられたもの
を示したが、OHV形式等の4サイクルエンジンに使用
されてもよい。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる4
サイクルエンジンの潤滑装置によれば、どのような角度
に傾斜させても確実に内部潤滑を行うという優れた効果
を呈する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る潤滑装置を備えた4サイク
ルエンジンの正面断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本実施の形態に係る潤滑装置のベアリングの概
略構成図である。
【図4】本実施の形態に係る潤滑装置のボール式チェッ
クバルブの概略構成図である。
【図5】本実施の形態に係る潤滑装置のボール式チェッ
クバルブにおけるスプリング押さえの平面図である。
【図6】図1のB−B断面図である。
【図7】4サイクルエンジンの動弁室を下方に向けた傾
斜状態での潤滑説明図である。
【図8】4サイクルエンジンのエアクリーナ及び排気マ
フラを上下方向に向けた傾斜状態での潤滑説明図であ
る。
【図9】4サイクルエンジンのクランク軸を上下方向に
向けた傾斜状態での潤滑説明図である。
【図10】本実施の形態に係る潤滑装置のリードバルブ
の概略構成図である。
【符号の説明】
E 4サイクルエンジン 16 クランク室 18 油溜室 35 吸気バルブ 37 排気バルブ 50 動弁室 52 連通路 60 吸入部 62 管体 64 錘 70 送油手段 72a オイル通路 72b 空気通路 76 ミキサ室 78 ボール式チェックバルブ 90 リードバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 光則 静岡県沼津市大岡35番地 富士ロビン株式 会社内 (72)発明者 今福 健治 東京都羽村市神明台2丁目10ー5 新ダイ ワ工業株式会社東京技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク室近傍に設けられた油溜部から
    クランク室及び吸・排気のバルブ機構を収納した動弁室
    に送油して各部の潤滑を行い、かつ油溜部とクランク室
    と動弁室との間でオイルを循環させる4サイクルエンジ
    ンの潤滑装置において、 前記油溜部が前記クランク室と仕切られた油溜室として
    構成され、 該油溜室の傾斜状態にかかわらず常に先端が前記油溜室
    の油面下に存在するように構成された吸入部と、 前記クランク室に発生する負圧により前記油溜室内の空
    気と共に前記吸入部から前記油溜室内のオイルをオイル
    ミスト化して前記クランク室へ送る送油手段と、 前記クランク室と前記動弁室とを連通させ前記クランク
    室に発生する正圧により前記オイルミストが前記クラン
    ク室から前記動弁室へ送られる連通路と、 を備えることを特徴とする4サイクルエンジンの潤滑装
    置。
  2. 【請求項2】 前記送油手段は、 前記クランク室近傍に設けられ前記油溜室に連通したミ
    キサ室と、 前記吸入部から前記クランク室に連通したオイル通路
    と、 前記ミキサ室から前記オイル通路に連通した空気通路
    と、 前記オイル通路の前記クランク室とのつながり部には前
    記クランク室が負圧となった時に前記オイル通路を開
    き、前記クランク室が正圧となった時に前記オイル通路
    を閉鎖する開閉手段とを備えることを特徴とする請求項
    1に記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。
  3. 【請求項3】 前記開閉手段は、 ボール式チェックバルブにより構成されることを特徴と
    する請求項2に記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。
  4. 【請求項4】 前記開閉手段は、 リードバルブにより構成されることを特徴とする請求項
    2に記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。
  5. 【請求項5】 前記吸入部は、 可撓性を有する所定長さの管体であって、先端に錘が設
    けられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに
    記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。
  6. 【請求項6】 前記空気通路は、 前記オイル通路よりも小径の一つ又は複数の通路から構
    成されることを特徴とする請求項2から5のいずれかに
    記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016142240A (ja) * 2015-02-05 2016-08-08 株式会社マキタ エンジンの潤滑装置
CN108343486A (zh) * 2017-12-30 2018-07-31 浙江亚特电器有限公司 一种四冲程发动机的油气润滑系统和带四冲程发动机的工具设备

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