JP3244477B2 - 4サイクルエンジンの潤滑構造 - Google Patents
4サイクルエンジンの潤滑構造Info
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- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/02—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
- F02B2075/022—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
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- Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
の潤滑装置に関し、さらに詳しくは、傾斜態位を作業態
位の一つとされる可搬型の刈払機や背負式動力噴霧機等
に用いられる小型4サイクルエンジンの潤滑装置に関す
る。
機(トリマー)や背負式動力噴霧機のように、作業者自
身が携帯若しくは背負って作業を行う作業機の駆動源で
あるエンジンは、作業機を傾けた場合でも安定して作動
することが必要とされている。エンジンの1形式である
2サイクルエンジンにおいては、ピストンの上昇時に発
生する負圧を利用して潤滑用のオイルと燃料とをエンジ
ン内部に吸入し、各可動部の潤滑を行う機構を備えてい
る関係上、自由な角度で使用が可能な構造が容易に実現
できる。これにより、2サイクルエンジンは、上記可搬
型の作業機に広く用いられている。一方、エンジンの別
の形式である4サイクルエンジンは、設計、加工技術の
進歩により小型軽量なものが製作できるものの、潤滑装
置の一構成部材である油溜室(オイルパン)がクランク
室の下部に設けられ、その位置からオイルを跳ね上げた
りポンプで汲み上げることにより各可動部を潤滑する構
造が採用されている関係上、正立状態での使用が基本と
されている。換言すれば、このような潤滑機構が2サイ
クルエンジンに比して劣っていた。しかし、2サイクル
エンジンは、排気ガス中の炭化水素が多いことや騒音が
大きいなどの問題があった。このため、近年では排気ガ
ス浄化や作業環境の悪化防止の観点から排気ガス特性が
良好でしかも低騒音である4サイクルエンジンを可搬型
の作業機に用いることが要請されている。そこで、ピス
トンの昇降動作に応じてクランク室内の圧力が変化する
のを利用した4サイクルエンジン用の潤滑装置を本出願
人は先に提案した(例えば、特開平10−288019
号公報)。この提案においては、油溜室とクランク室と
を完全に遮断したうえで、油溜室からクランク軸の回転
軌跡中の一部にクランク室と油溜室とを連通させてクラ
ンク室の負圧により油溜室からオイルを吸引してクラン
ク室に送り込む間欠送油手段を設け、さらにクランク室
とカム機構が装備されている動弁室やバルブ駆動機構の
配置部とを連通させ、ピストン下降時に生じるクランク
室内の正圧を利用してクランク室で攪拌されたオイルミ
ストを圧送するようになっている。一方、動弁室内に送
り込まれたオイルミストを含むブローバイガスは、油溜
室内の負圧化傾向、つまり、ピストンの上昇時に発生す
るクランク室内の負圧が油溜室内に作用することで油溜
室内に回収されるようになっている。
示されている構成を備えた4サイクルエンジンは、主に
燃焼室内のピストンが垂直方向に往復動し、いわゆる、
動力の出力軸であるクランク軸が水平方向に向けられた
状態で用いられる他に、主にクランク軸を垂直方向に向
けた状態で使用する場合がある。後者の使用状態として
は、芝刈り機などに適用する場合がある。クランク軸を
垂直方向に向けた場合、すなわち、バーチカルタイプに
て使用した場合には、リコイルスタータを上に向けてピ
ストンの往復動方向が水平方向となり、いわゆるエンジ
ンを横に倒した態位となる。このため、オイルが貯溜さ
れてきた動弁室では、オイルミスト中のオイル成分を油
室内に戻すために設けられている戻し通路の開口とオイ
ルの油面とが離れてしまい、オイルの戻しが円滑にでき
なくなる虞がある。しかも、バルブの摺動支持部がオイ
ル中に浸漬したままであると、その摺動支持部を介して
燃焼室内にオイルが浸入し、これによって、白煙の発生
などの燃焼不良やマフラーへのカーボン付着という悪影
響を及ぼす虞がある。
ける問題に鑑み、主にエンジンの横倒し状態の使用時に
おいて、燃焼不良を発生させることなく、かつ、動弁室
でのオイルの戻しが確実に行える構成を備えたエンジン
の潤滑構造を提供することにある。
め、請求項1記載の発明は、クランク室(16)近傍に
設けられた油溜室(18)から前記クランク室(16)
および吸・排気の各バルブ機構を収納した動弁室(3
4)に送油して各部の潤滑を行い、オイルを循環させる
4サイクルエンジンの潤滑装置において、前記油溜室
(18)が前記クランク室(16)と仕切られ、いかな
る傾斜状態でも外部に油漏れしないように構成され、前
記油溜室(18)の傾斜状態に拘わらず常に先端が該油
溜室(18)の油面下に存在するように構成された吸入
部(40)を有し、前記クランク室(16)に発生する
負圧により前記油溜室(18)内のオイルを前記吸入部
(40)から前記クランク室(16)へ送る第1送油手
段(46)と、前記クランク室(16)内に設けられ、
前記第1送油手段(46)によって送られたオイルを攪
拌してオイルミスト化する攪拌部と、前記クランク室
(16)と前記動弁室(34)とを連通する連通路(3
2)と、前記クランク室(16)に発生する正圧により
前記クランク室(16)内のオイルミストを前記連通路
(32)を介して前記動弁室(34)に送る第2送油手
段(70)と、前記動弁室(34)と前記油溜室(1
8)とを連通するように戻し油路(84、84’)を穿
設して構成するとともに、該戻し油路(84、84’)
の中途から分岐形成されていて、上死点位置にあるピス
トン(24)のスカート部(24A)直下部に位置する
開口(24B)に連通可能な吸油路(90)とを設け、
前記戻り油路(84、84’)には、前記動弁室(3
4)に位置する開口に対して着脱可能に設けられ、前記
エンジンの横倒し状態の際にオイル中に先端を浸漬させ
ることが可能なオイル吸い込み手段(130)が配置さ
れていることを特徴としている。
サイクルエンジンの潤滑構造において、前記オイル吸い
込み手段は、前記戻り油路からオイル中に向け屈曲形成
され、前記戻し油路(84,84’)の縦軸心を中心に
回動自在としたパイプ(130A)で構成され、前記オ
イル中に浸漬する先端には、錘部材(131)が装着さ
れていることを特徴としている。
サイクルエンジンの潤滑構造において、上記オイル吸い
込み手段は、柔軟性を有するパイプ(130B)が用い
られ、前記オイル中に浸漬する先端には錘部材(13
1)が装着されていることを特徴としている。
溜室(18)とを連通するように戻し油路(84、8
4’)を設け、戻し油路(84、84’)における動弁
室(34)に位置する開口に対して、エンジンが横倒し
状態とされた際に溜まるオイル中に先端を浸漬可能なオ
イル吸い込み手段(130)を設けたので、常時、戻し
油路(84、84’)とオイルとを連通状態とすること
で油溜室(18)へのオイルの戻しを確実に行うことが
できる。
在あるいは柔軟性を有するオイル吸い込み手段(130
A、130B)のオイル中に浸漬される先端に錘部材
(131)が装着されているので、エンジンの横倒し状
態を含めてあらゆる姿勢においてもオイルが滞留する重
力方向にオイル吸い込み手段(130A、130B)の
先端を浸漬させることができ、戻り油路(84、8
4’)へのオイルの取り込みが確実に行える。
実施の形態を説明する。図1は、本発明実施例のクラン
ク軸方向より見た正面図であり、図2は図1に示した4
サイクルエンジンの側面から見た断面図である。図1に
示す4サイクルエンジンは、先に挙げた本願の先願に該
当する特開平10−288019号公報に開示されてい
る構成を主要部として備え、さらに、この構成を前提と
して本出願人が先に特願平10−154795号の明細
書において提案した潤滑機構を付加した構成を備えてい
るものであり、以下にその構成について説明した後、本
実施例についての説明を行う。
は、左側面にエアクリーナ2および気化器4を、そして
右側面には排気マフラ6が配置されて構成されており、
シリンダヘッド10が一体化されているシリンダブロッ
ク12とクランクケース14とで構成されたクランク室
16およびクランクケース14の下部近傍に設けられて
いる油溜室18を備えている。油溜室18は、クランク
ケース14に対して仕切り壁14Aを介して仕切られて
全体として密閉空間が構成されている。
クケース14には、後述する吸入部40および一方向弁
70が設けられており、一方向弁70は、クランク室1
6内の圧力変化に応動して開閉することができ、圧力変
化がない場合には閉鎖されることにより、油溜室18が
いかなる傾斜状態にあっても外部に油漏れを起こさない
ような構成とされている。
4には、図2に示すように、軸線を水平方向に設けたク
ランク軸20が回転自在に支持されている。クランク軸
20のクランクピンにコンロッドを介して連接されたピ
ストン24は、シリンダブロック12の内部に設けられ
ているシリンダ12A内で摺動自在に挿嵌されている。
上記の気化器4および排気マフラ6にそれぞれ連通する
吸気ポート12A1および排気ポート12A2が形成さ
れ、これら各ポートにはポートを開閉する吸気バルブ2
7および排気バルブ28が配置されている。これらバル
ブを駆動するバルブ駆動部30は、図2に示すように、
バルブ駆動ギヤ36、カムギヤ37、ロッカーアーム3
8、39などの部品により構成されている。これらバル
ブ駆動部30の各構成部品のうち、バルブ駆動ギヤ3
6、カムギヤ37は、シリンダブロック12の頭部に形
成されている動弁室34とクランク室16とを連通させ
るようにシリンダブロック12とクランクケース14と
の側部に形成された連通路32内に配設されている。
吸入部40、通路44および間欠送油部46が第1送油
手段として設けられている。図2において、吸入部40
は、ゴムなどの弾性材により容易に撓むことができる管
体42とその先端に取り付けられた錘43により構成さ
れている。つまり、この錘43はその重力により常に鉛
直下方に移動することができるようになっており、これ
により油溜室18が傾斜した状態にされていてもそのオ
イルの油面下に先端部を没入させることができるように
なっている。吸入部40の他端は、クランクケース14
内に穿設された通路44に連通しており、この通路44
は、クランク軸20の外周面に対向してこの部分に円弧
状の開口部を形成している。
油手段46は、クランク室16側からクランク軸20の
中心近傍に所定の内径で外部に貫通することなく穿設さ
れている通路T1と、この通路T1に連続してクランク
軸20の半径方法に向けて穿設されている通路T2とで
構成されている。通路T2はピストン24の上昇により
クランク室16が負圧化されるのに応じてクランク軸2
0の回転角度内でクランクケース14の通路44と連通
することができるようになっており、いわゆる、クラン
ク軸20の全周回転の途中でクランクケース14の通路
44に連通するようになっている。このため、ピストン
24の上昇時には、クランク室16に発生する負圧を利
用して吸入部40、通路44および間欠送油部46が連
通すると、油溜室18からオイルが吸引されてクランク
室16側に送られる。
送油手段46によって供給されるオイルを攪拌してオイ
ルミスト化する攪拌部が設けられている。つまり、攪拌
部は、主にクランク軸20に固定されているクランクウ
エッブ64で構成されている。
連通路32との間には、一方向弁70が第2送油手段と
して設けられている。一方向弁70は、クランクケース
14の下部に穿設されたバルブ孔72と、ピストン24
の昇降動作に伴いクランク室16が正圧になったときに
バルブ孔72を開放し、クランク室16が負圧になった
ときにバルブ孔72を閉鎖するバルブプレート74で構
成されている。
にはブリーザ管80が設けられており、このブリーザ管
80は、一端が動弁室34内にて開口部82により連絡
され、他端がパイプ80Aを介してエアクリーナ2に連
結されている。動弁室34には、戻し油路84、84’
が設けられており、これら戻し油路84、84’は、一
端が上記動弁室34に開口し、他端が油溜室18にそれ
ぞれ区別して配置されている。
エンジン1の動弁室34を上方に位置させて、いわゆ
る、正立状態とした場合には、ピストン24が昇降動作
にない場合にクランク室16に潤滑用のオイルが予め適
量収容されている。
昇降動作によりクランク室16に圧力変化が生じ、ピス
トン24の上昇時にはクランク室16が減圧されて負圧
化傾向となり、下降時にはクランク室16が昇圧されて
正圧傾向となる。
ランク室16と油溜室18との間に差圧が生じ、ピスト
ン24の上昇時に油溜室18と連通するように回動する
クランク軸20に設けられている間欠送油部46(図2
参照)の通路T1とT2および吸入部40を介して油溜
室18に貯溜されているオイルがクランク室16側に送
られる。
ランクウエッブ64に伝わり、その端部からクランク室
16の内壁に飛散し、その一部がオイルミスト化され
る。ミスト化されたオイルは、クランク軸20やピスト
ン24およびクランク室16内の各部品を潤滑する。
6が正圧になり、油溜室18との間に差圧が生じる。こ
の場合、一方向弁70(図2参照)のバルブプレート7
4がバルブ孔72を開放し、昇圧された空気と共にクラ
ンク室16およびシリンダ12Aに溜められたオイルミ
ストをクランク室16から連通路32に送る。連通路3
2に送られたオイルミストは、正圧により動弁室34に
向けて圧送されると共に途中のバルブ駆動部30の各部
品を潤滑する。バルブ駆動部30の各部品を潤滑したオ
イルミストは、動弁室34に至り、オイルと空気とに分
離される。分離されたオイルは、戻し通路84、84’
を通じて油溜室18に回収されることになる。また分離
された空気は開口部82よりブリーザ管80、パイプ8
0Aを介してエアクリーナ2内に開放される。なお、こ
の空気には、オイルミストが混入している。
で用いる場合には、油溜室18内の吸入部40がその先
端に位置する錘43の重力方向の移動により貯溜されて
いるオイル中に没入するので、ピストン24の昇降動作
による圧力変化を利用して各潤滑部へのオイルの供給が
行われる。このようなオイルの供給は、エンジン1が傾
斜状態にある時にも同様に行われる。
を対象とした潤滑機構は以下の通りである。図2におい
て、動弁室34内に一端が配設されている略同様構成の
2本の戻し油路84、84’の一方についてその詳細構
造を説明すると、戻し油路84は、その他端が油溜室1
8の上部で開口しているが、その戻し油路84の途中が
バイパス構造とされている。なお、戻し油路84の他方
(84’)については説明を省くが、戻し油路84と同
様な構成とされている。つまり、図1においてバイパス
構造をなす吸油路90は、戻り油路84より分岐した分
岐路84Aと、上死点位置にあるときのピストン24の
スカート部24A直下部に位置する開口24Bと連通可
能な通路84Bと、これら分岐路84Aと通路84Bと
を連通する通路84Cとで構成されている。スカート部
24A直下部に位置する開口24Bは、スカート部24
Aに穿設されてシリンダ12A内と連通しているので、
通路84Bと連通した際には通路84Bがシリンダ12
A内と連通するようになっている。
上部に位置する開口部84Dには、図1に示すように、
ボルト95によりクランクケース14の下面との間に挟
持されている座板96により脱落を防止されている球体
からなる逆止弁100が設けられている。本実施例では
逆止弁100をなす球体がスチールボールで構成されて
いるが、耐油性の材質であれば、これに限らないこと勿
論である。例えば、前記球体は低反撥性であり、耐油・
耐熱性を有するフッ素ゴムよりなるゴムボールにて構成
してもよい。
室34とを連通する連通路32近傍には、クランクケー
ス14の下面壁14Aに油溜室18と連通する小孔11
0が形成されている。
場合と同様に、エンジン1が正立しているときのピスト
ン24上昇時には、クランク室16と油溜室18とに差
圧が生じ、クランク室16が負圧化傾向となる。このた
めピストン24の上昇時に油溜室18と連通するように
回動するクランク軸20に設けられている間欠送油部4
6の通路T1とT2および吸入部40を介して油溜室1
8に貯溜されたオイルがクランク室16側に送られる。
と、動弁室34からの戻し油路84の一部に形成されて
いる吸油路90の通路84Bがピストン24のスカート
部24A直下部に位置する開口24Bと連通してシリン
ダ12A内と連通する。このため、クランク室16が負
圧化傾向となった際には、動弁室34内のオイルがピス
トン24の上死点位置において最も強くなる負圧によっ
て吸油路90内に取り込まれ、図2において矢印で示す
ように、開口24Bを介してシリンダ12A内に吸い込
まれる。従って、動弁室34内に送り込まれたオイルミ
ストは、クランク室16内の負圧によりオイルが戻し油
路84を介してシリンダ12A内に吸い込まれ、その他
のものが開口部82を介してブリーザ管80からエアク
リーナ2に送られる。
クランク室16が正圧とされるので、その正圧により第
2送油手段をなす一方向弁70のバルブプレート74が
開放されてクランクウエッブ64によりミスト化された
オイルが連通路32を介してバルブ駆動部30および動
弁室34に送られる。
よび動弁室34に対するオイルの過剰供給が防止され
る。つまり、一方向弁70におけるバルブプレート74
が開放されると、クランク室16内においてミスト化さ
れたオイルは連通路32に送られるが、連通路32に
は、クランクケース14の下面壁14Aに形成された小
孔110が連通しており、連通路32に送られたオイル
の一部が油溜室18内に戻されることになるので、バル
ブ駆動部30および動弁室34に送られるオイルミスト
が適量化される。
には、油溜室18が上位に位置することから、その油溜
室18の上部で開口する戻り油路84内に油溜室18内
のオイルが逆流する虞がある。しかし、本実施例では、
逆止弁100の球体が戻し油路84の開口部84Dを塞
ぐことになるので、オイルの逆流が阻止される。このよ
うな状態は、エンジンが傾斜状態の時にも同様に得られ
る。
ンジンの構成を対象として本実施例の特徴となる構成を
説明すると以下の通りである。図1および図2に示すよ
うに、戻し油路84、84’における動弁室34側の開
口には、着脱可能なオイル吸い込み手段130が設けら
れている。オイル吸い込み手段130は、図2および図
3において4サイクルエンジン1が横倒し状態とされた
際にオイルの油面(図2、図3において、便宜上符号L
で示す)を境にしてオイル中(図2、図3において、符
号Lで示す線から引き出された矢印線方向にオイルが溜
まっている)に先端が浸漬可能な状態に屈曲形成された
可撓性を有するパイプで構成されている。なお、図2お
よび図3において符号Uで示す方向は、横倒し時でのエ
ンジンの上方向を、符号Dで示す方向は横倒し時でのエ
ンジンの下方向をそれぞれ意味している。オイル吸い込
み手段130は、図4に示すように、戻し油路84、8
4’の開口から戻し油路84、84’中に挿入されて保
持されたりあるいは開口外周に嵌合することで保持され
るようになっている。このため、挿入状態あるいは装着
状態にあるオイル吸い込み手段130は、開口から引き
抜くことで戻し油路84、84’から外すことができ
る。従って、4サイクルエンジンの使用状態に応じて戻
し油路84、84’に対してオイル吸い込み手段130
を着脱することができる。なお、図4中、符号Lで示す
線およびその線から引き出された矢印線は前述した場合
と同様な意味で示してある。オイル吸い込み手段130
は屈曲された延長長さがオイル中に先端が入り込むこと
ができる長さに設定されている。
図5において別実施例のオイル吸い込み手段(便宜上、
符号130Aで示す)は、戻し油路84,84’の縦軸
心を中心として容易に回動自在に嵌挿されており、その
先端外周には、図5に示すように、錘部材131が装着
されており、これによってオイル吸い込み手段130A
を重力方向に指向させることができるようになってい
る。従って、エンジン1の横倒し時には、錘部材131
の重量を利用して動弁室34内に滞留するオイル中の最
も深い位置に先端を指向させることができる。
施例として、その材料特性を変更することも可能であ
る。図6において、上記オイル吸い込み手段(便宜上、
符号130Bで示す)は、柔軟性を有するパイプで構成
され、その先端外周には錘部材131が装着されてお
り、なお、この場合、柔軟性と共に耐油性も備えている
こと勿論である。このような構成においては、オイル吸
い込み手段130Bの先端を動弁室34内の内壁に当接
させる長さを持たせてもその柔軟性によりオイル中に浸
漬させることができ、しかも、エンジン1の横倒しを含
む如何様な姿勢においても戻し油路84、84’と動弁
室34内のオイルとを連通させることができ、戻し油路
84、84’を介して動弁室34内からのオイルの戻し
作用を確実に行うことができる。
エンジン1が横倒し状態で使用される場合、動弁室34
内のオイルがエンジン1の向きによって動弁室34の下
方に溜まると、そのオイル中にオイル吸い込み手段13
0、130Aあるいは130Bの先端が浸漬しているの
で、常時、動弁室34内のオイルと戻し油路84、8
4’とを連通させた状態に維持でき、動弁室34から油
溜室18へのオイル成分の戻しが確実に行える。
油溜室とを連通するように戻し油路を設け、戻し油路に
おける動弁室に位置する開口に対して、エンジンが横倒
し状態とされた際に溜まるオイル中に先端を浸漬可能な
オイル吸い込み手段を設けたので、常時、戻し油路とオ
イルとを連通状態とすることで油溜室へのオイルの戻し
を確実に行うことができる。これにより、動弁室内で回
収されるべきオイルが回収されなくなるのを防止できる
と共に、バルブの摺動支持部を介して燃焼室内に浸入す
るのを抑えて燃焼不良を防止することが可能となる。
動自在あるいは柔軟性を有するオイル吸い込み手段のオ
イル中に浸漬される先端に錘部材が装着されているの
で、エンジンの横倒し状態を含めてあらゆる姿勢におい
てもオイルが滞留する重力方向にオイル吸い込み手段の
先端を浸漬させることができるので、戻り油路へのオイ
ルの取り込みが確実に行える。これにより、動弁室から
のオイル成分の回収ができなくなるのを防止して燃焼室
内へのオイルの浸入による燃焼不良の発生を未然に防止
することが可能となる。
す4サイクルエンジンのクランク軸の軸端側から見た断
面図である。
す4サイクルエンジンをクランク軸の軸方向と直交する
方向から見た断面図である。
用いられる要部構造を説明するための部分的な断面図で
ある。
的な図である。
形例を示す部分的な図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 クランク室(16)近傍に設けられた油
溜室(18)から前記クランク室(16)および吸・排
気の各バルブ機構を収納した動弁室(34)に送油して
各部の潤滑を行い、オイルを循環させる4サイクルエン
ジンの潤滑装置において、 前記油溜室(18)が前記クランク室(16)と仕切ら
れ、いかなる傾斜状態でも外部に油漏れしないように構
成され、 前記油溜室(18)の傾斜状態に拘わらず常に先端が該
油溜室(18)の油面下に存在するように構成された吸
入部(40)を有し、前記クランク室(16)に発生す
る負圧により前記油溜室(18)内のオイルを前記吸入
部(40)から前記クランク室(16)へ送る第1送油
手段(46)と、 前記クランク室(16)内に設けられ、前記第1送油手
段(46)によって送られたオイルを攪拌してオイルミ
スト化する攪拌部と、 前記クランク室(16)と前記動弁室(34)とを連通
する連通路(32)と、 前記クランク室(16)に発生する正圧により前記クラ
ンク室(16)内のオイルミストを前記連通路(32)
を介して前記動弁室(34)に送る第2送油手段(7
0)と、 前記動弁室(34)と前記油溜室(18)とを連通する
ように戻し油路(84、84’)を穿設して構成すると
ともに、該戻し油路(84、84’)の中途から分岐形
成されていて、上死点位置にあるピストン(24)のス
カート部(24A)直下部に位置する開口(24B)に
連通可能な吸油路(90)とを設け、 前記戻り油路(84、84’)には、前記動弁室(3
4)に位置する開口に対して着脱可能に設けられ、前記
エンジンの横倒し状態の際にオイル中に先端を浸漬させ
ることが可能なオイル吸い込み手段(130)が配置さ
れていることを特徴とする4サイクルエンジンの潤滑構
造。 - 【請求項2】 請求項1記載の4サイクルエンジンの潤
滑構造において、 前記オイル吸い込み手段は、前記戻し油路(84,8
4’)からオイル中に向け屈曲形成され、前記戻し油路
(84,84’)の縦軸心を中心に回動自在としたパイ
プ(130A)で構成され、前記オイル中に浸漬する先
端には、錘部材(131)が装着されていることを特徴
とする4サイクルエンジンの潤滑構造。 - 【請求項3】 請求項1記載の4サイクルエンジンの潤
滑構造において、 上記オイル吸い込み手段は、柔軟性を有するパイプ(1
30B)が用いられ、前記オイル中に浸漬する先端には
錘部材(131)が装着されていることを特徴とする4
サイクルエンジンの潤滑構造。
Priority Applications (6)
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---|---|---|---|
JP37360198A JP3244477B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 4サイクルエンジンの潤滑構造 |
US09/317,620 US6213079B1 (en) | 1998-06-03 | 1999-05-25 | Lubricating apparatus for four-cycle engines |
TW088108708A TW401480B (en) | 1998-06-03 | 1999-05-27 | Lubricating device for four-cycle engine |
DE69909895T DE69909895T2 (de) | 1998-06-03 | 1999-05-28 | Schmiereinrichtung für eine Viertaktverbrennungsmaschine |
EP99304175A EP0962630B1 (en) | 1998-06-03 | 1999-05-28 | Lubricating apparatus in a four-stroke engines |
KR1019990020437A KR100545318B1 (ko) | 1998-06-03 | 1999-06-03 | 4사이클 엔진의 윤활 장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37360198A JP3244477B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 4サイクルエンジンの潤滑構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP3244477B2 true JP3244477B2 (ja) | 2002-01-07 |
Family
ID=18502442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37360198A Expired - Lifetime JP3244477B2 (ja) | 1998-06-03 | 1998-12-28 | 4サイクルエンジンの潤滑構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-12-28 JP JP37360198A patent/JP3244477B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000199419A (ja) | 2000-07-18 |
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