JP3204643B2 - 4サイクルエンジンの潤滑装置 - Google Patents
4サイクルエンジンの潤滑装置Info
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- JP3204643B2 JP3204643B2 JP15479598A JP15479598A JP3204643B2 JP 3204643 B2 JP3204643 B2 JP 3204643B2 JP 15479598 A JP15479598 A JP 15479598A JP 15479598 A JP15479598 A JP 15479598A JP 3204643 B2 JP3204643 B2 JP 3204643B2
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Description
ンの潤滑装置に関し、さらに詳しくは、傾斜態位を作業
態位の一つとされる可搬型の刈払機や背負式動力噴霧機
等に用いられる小型4サイクルエンジンの潤滑装置に関
する。
機(トリマー)や背負式動力噴霧機のように、作業者自
身が形態若しくは背負って作業を行う作業機の駆動源で
あるエンジンは、作業機を傾けた場合でも安定して作動
することが必要とされている。エンジンの1形式である
2サイクルエンジンにおいては、ピストンの上昇時に発
生する負圧を利用して潤滑用のオイルと燃料とをエンジ
ン内部に吸入し、各可動部の潤滑を行う機構を備えてい
る関係上、自由な角度で使用が可能な構造が容易に実現
できる。これにより、2サイクルエンジンは、上記可搬
型の作業機に広く用いられている。一方、エンジンの別
の形式である4サイクルエンジンは、設計、加工技術の
進歩により小型軽量なものが製作できるものの、潤滑装
置の一構成部材である油溜室(オイルパン)がクランク
室の下部に設けられ、その位置からオイルを跳ね上げた
りポンプで汲み上げることにより各可動部を潤滑する構
造が採用されている関係上、正立状態での使用が基本と
されている。換言すれば、このような潤滑機構が2サイ
クルエンジンに比して劣っていた。しかし、2サイクル
エンジンは、排気ガス中の炭化水素が多いことや騒音が
大きいなどの問題があった。このため、近年では排気ガ
ス浄化や作業環境の悪化防止の観点から排気ガス特性が
良好でしかも低騒音である4サイクルエンジンを可搬型
の作業機に用いることが要請されている。そこで、ピス
トンの昇降動作に応じてクランク室内の圧力が変化する
のを利用した4サイクルエンジン用の潤滑装置を本出願
人は先に提案した(例えば、特願平9−102225
号)。この提案においては、油溜室とクランク室とを完
全に遮断したうえで、油溜室からクランク軸の回転軌跡
中の一部にクランク室と油溜室とを連通させてクランク
室の負圧により油溜室からオイルを吸引してクランク室
に送り込む間欠送油手段を設け、さらにクランク室とカ
ム機構が装備されている動弁室やバルブ駆動機構の配置
部とを連通させ、ピストン下降時に生じるクランク室内
の正圧を利用してクランク室で攪拌されたオイルミスト
を圧送するようになっている。一方、動弁室内に送り込
まれたオイルミストを含むブローバイガスは、油溜室内
の負圧化傾向、つまり、ピストンの上昇時に発生するク
ランク室内の負圧が油溜室内に作用することで油溜室内
に回収されるようになっている。
成を含めてエンジンの始動後にはシリンダ温度が高温に
なるのに合わせて油溜室内の圧力も高まってくる。この
ため、動弁室から油溜室内にオイルを回収しようとして
も、油溜室内での負圧が十分に得られないことによっ
て、オイルを良好に回収することができない場合があ
る。これにより、動弁室内でオイルが過剰な状態に維持
されてしまい、他の部位への潤滑用オイルが不足してし
まう虞もある。
作業姿勢においても確実に内部潤滑を行えると共に、潤
滑が必要な箇所へのオイルの不足を来すことなく経済的
な潤滑が可能な構成を備えた4サイクルエンジンの潤滑
装置を提供することにある。
め、請求項1記載の発明は、クランク室(16)近傍に
設けられた油溜室(18)から前記クランク室(16)
および吸・排気の各バルブ機構を収納した動弁室(3
4)に送油して各部の潤滑を行い、オイルを循環させる
4サイクルエンジンの潤滑装置において、前記油溜室
(18)が前記クランク室(16)と仕切られ、いかな
る傾斜状態でも外部に油漏れしないように構成され、前
記油溜室(18)の傾斜状態に拘わらず常に先端が該油
溜室(18)の油面下に存在するように構成された吸入
部(40)を有し、前記クランク室(16)に発生する
負圧により前記油溜室(18)内のオイルを前記吸入部
(40)から前記クランク室(16)へ送る第1送油手
段(46)と、前記クランク室(16)内に設けられ、
前記第1送油手段(46)によって送られたオイルを攪
拌してオイルミスト化する攪拌部と、前記クランク室
(16)と前記動弁室(34)とを連通する連通路(3
2)と、前記クランク室(16)に発生する正圧により
前記クランク室(16)内のオイルミストを前記連通路
(32)を介して前記動弁室(34)に送る第2送油手
段(70)と、前記動弁室(34)と前記油溜室(1
8)とを連通するように戻し油路(84、84’)を穿
設して構成するとともに、該戻し油路(84、84’)
の中途から分岐形成されていて上死点位置にあるピスト
ン(24)のスカート部(24A)直下部に位置する開
口(24B)に連通可能な吸油路(90)を設け、前記
戻し油路(84、84’)の前記油溜室(18)への開
口部(84D)には、エンジンの正立時に開口し、倒立
若しくは傾斜したときに閉鎖する逆止弁(100)を配
備したことを特徴としている。
0)は、自重により上記開口部(84D)を開閉する球
体で構成されていることを特徴としている。
サイクルエンジンの潤滑装置において、前記連通路(3
2)には、前記油溜室(18)と連通させる小孔(11
0)を設けたことを特徴としている。
うちの一つに記載の4サイクルエンジンの潤滑装置にお
いて、前記動弁室(34)よりエアクリーナ(2)のブ
リーザ室(2A)へブリーザ管(80)を連通させ、前
記ブリーザ室(2A)を、パイプ(120)により前記
シリンダ(12A)の前記ピストン(24)の上死点位
置における該ピストン(24)のスカート部(24A)
の直下部に形成されている吸油開口(24B’)に連通
させて上記ブリーザ室(2A)の下部に貯溜されたオイ
ルをピストン(24)が上死点位置にある時にそのスカ
ート(24A)直下部の吸油開口(24B’)からシリ
ンダ(12A)内に送り込むことを特徴としている。
溜室(18)とを連通するように戻し油路(84、8
4’)を設け、その戻し油路(84、84’)の中途か
ら分岐形成されていて、上死点位置にあるピストン(2
4)のスカート部(24A)直下部に位置する開口(2
4B)と連通可能な吸油路(90)を設けているので、
クランク室(16)が負圧になったときには、動弁室
(34)から吸引されるオイルがシリンダ内で最も強い
負圧が生じる位置に連通している吸油路(90)に取り
込まれてシリンダ(12A)内に再供給される。しか
も、戻し油路(84、84’)における開口部(84
D)には、エンジンが正立時に開口し、倒立若しくは傾
斜時に閉鎖する逆止弁(100)を備えているので、戻
し油路(84、84’)内に油溜室(18)内のオイル
が逆流することがない。
0)がエンジンの倒立若しくは傾斜に応じて重力方向に
移動可能な球体で構成されているので、倒立若しくは傾
斜時において確実に戻し油路(84、84’)の開口部
(84D)を閉鎖することができる。
と連通可能な小孔(110)が設けられているので、ク
ランク室(16)の正圧時にバルブ駆動部や動弁室(3
4)に圧送されるオイルミストが過剰となるのを油溜室
(18)に逃がすことで適量化して供給過剰を防止する
ことができる。
内から回収されるブローバイガス中に含まれているオイ
ルミストをブリーザ室(2A)において回収し、ブリー
ザ室(2A)で分離されたオイルを、油溜室(18)に
回収する前にパイプ(120)を介してシリンダ(12
A)内で最も強い負圧発生箇所に相当している上死点位
置のピストン(24)のスカート部(24A)直下部に
位置する吸油開口(24B’)から再度シリンダ(12
A)内に供給できる。
する。図1は、本発明実施例による潤滑装置を適用した
4サイクルエンジンの正面図であり、図2および図3は
図1中、符号Aで示す方向の一部を示す矢視断面図およ
び図1中、符号Aで示す方向の別の一部を示す矢視断面
図である。図1に示す4サイクルエンジンは、本願の先
願に該当する特願平9−102225号の願書に添付さ
れた明細書に開示されている構成を主要部として備えて
いるものであり、以下にその構成について説明した後、
本実施例についての説明を行う。
は、左側面にエアクリーナ2および気化器4を、そして
右側面には排気マフラ6が配置されて構成されており、
シリンダヘッド10が一体化されているシリンダブロッ
ク12とクランクケース14とで構成されたクランク室
16およびクランクケース14の下部近傍に設けられて
いる油溜室18を備えている。油溜室18は、クランク
ケース14に対して仕切り壁14Aを介して仕切られて
全体として密閉空間が構成されている。
クケース14には、後述する吸入部40および一方向弁
70が設けられており、一方向弁70は、クランク室1
6内の圧力変化に応動して開閉することができ、圧力変
化がない場合には閉鎖されることにより、油溜室18が
いかなる傾斜状態にあっても外部に油漏れを起こさない
ような構成とされている。
4には、図1に示すように、軸線を水平方向に設けたク
ランク軸20が回転自在に支持されている。クランク軸
20のクランクピンにコンロッドを介して連接されたピ
ストン24は、シリンダブロック12の内部に設けられ
ているシリンダ12A内で摺動自在に挿嵌されている。
上記の気化器4および排気マフラ6にそれぞれ連通する
吸気ポートおよび排気ポートが形成され、これら各ポー
トにはポートを開閉する吸気バルブ27および排気バル
ブ28が配置されている。これらバルブを駆動するバル
ブ駆動部30は、図1に示すように、バルブ駆動ギヤ3
6、カムギヤ37、ロッカーアーム38、39などの部
品により構成されている。これらバルブ駆動部30の各
構成部品のうち、バルブ駆動ギヤ36、カムギヤ37
は、シリンダブロック12の頭部に形成されている動弁
室34とクランク室16とを連通させるようにシリンダ
ブロック12とクランクケース14との側部に形成され
た連通路32内に配設されている。
吸入部40、通路44および間欠送油部46が第1送油
手段として設けられている。図1において、吸入部40
は、ゴムなどの弾性材により容易に撓むことができる管
体42により形成されており、その先端には錘43が設
けられている。つまり、この錘43はその重力により常
に鉛直下方に移動することができるようになっており、
これにより油溜室18が傾斜した状態にされていてもそ
のオイルの油面下に先端部を没入させることができるよ
うになっている。吸入部40の他端は、クランクケース
14内に穿設された通路44に連通しており、この通路
44は、クランク軸20の外周面に対向してこの部分に
円弧状の開口部を形成している。
油手段46は、クランク室16側からクランク軸20の
中心近傍に所定の内径で外部に貫通することなく穿設さ
れている通路T1と、この通路T1に連続してクランク
軸20の半径方法に向けて穿設されている通路T2とで
構成されている。通路T2はピストン24の上昇により
クランク室16が負圧化されるのに応じてクランク軸2
0の回転角度内でクランクケース14の通路44と連通
することができるようになっており、いわゆる、クラン
ク軸20の全周回転の途中でクランクケース14の通路
44に連通するようになっている。このため、ピストン
24の上昇時には、クランク室16に発生する負圧を利
用して吸入部40、通路44および間欠送油部46が連
通すると、油溜室18からオイルが吸引されてクランク
室16側に送られる。
送油手段46によって供給されるオイルを攪拌してオイ
ルミスト化する攪拌部が設けられている。つまり、攪拌
部は、主にクランク軸20に固定されているクランクウ
エッブ64で構成されている。
連通路32との間には、一方向弁70が第2送油手段と
して設けられている。一方向弁70は、クランクケース
14の下部に穿設されたバルブ孔72と、ピストン24
の昇降動作に伴いクランク室16が正圧になったときに
バルブ孔72を開放し、クランク室16が負圧になった
ときにバルブ孔72を閉鎖するバルブプレート74で構
成されている。
にはブリーザ管80が設けられており、このブリーザ管
80は、一端が動弁室34内にて開口部82により連絡
され、他端がエアクリーナ2に連結されている。動弁室
34には、戻し油路84、84’が設けられており、こ
れら戻し油路84、84’は、一端が該動弁室34に開
口し、他端が油溜室18にそれぞれ区別して配置されて
いる。
エンジン1の動弁室34を上方に位置させて、いわゆ
る、正立状態とした場合には、ピストン24が昇降動作
にない場合にクランク室16、油溜室18および動弁室
34において潤滑用のオイルが適量溜まっている。
昇降動作によりクランク室16に圧力変化が生じ、ピス
トン24の上昇時にはクランク室16が減圧されて負圧
化傾向となり、下降時にはクランク室16が昇圧されて
正圧傾向となる。
ランク室16と油溜室18との間に差圧が生じ、ピスト
ン24の上昇時に油溜室18と連通するように回動する
クランク軸20に設けられている間欠送油部46(図1
参照)の通路T1とT2および吸入部40を介して油溜
室18に貯溜されているオイルがクランク室16側に送
られる。
ランクウエッブ64に伝わり、その端部からクランク室
16の内壁に飛散し、その一部がオイルミスト化され
る。ミスト化されたオイルは、クランク軸20やピスト
ン24およびクランク室16内の各部品を潤滑する。
6が正圧になり、油溜室18との間に差圧が生じる。こ
の場合、一方向弁70(図2参照)のバルブプレート7
4がバルブ孔72を開放し、昇圧された空気と共にクラ
ンク室16およびシリンダ12Aに溜められたオイルミ
ストをクランク室16から連通路32に送る。連通路3
2に送られたオイルミストは、正圧により動弁室34に
圧送されると共にバルブ駆動部30の各部品を潤滑す
る。バルブ駆動部30の各部品を潤滑したオイルミスト
は、動弁室34に至り、オイルと空気とに分離される。
分離されたオイルは、戻し通路84、84’を通じて油
溜室18に回収されることになる。また分離された空気
は開口部82よりブリーザ管80を介してエアクリーナ
2内に開放される。なお、この空気には、オイルミスト
が混入している。
で用いる場合には、油溜室18内の吸入部40がその先
端に位置する錘43の重力方向の移動により貯溜されて
いるオイル中に没入するので、ピストン24の昇降動作
による圧力変化を利用して各潤滑部へのオイルの供給が
行われる。このようなオイルの供給は、エンジン1が傾
斜状態にある時にも同様に行われる。
て、本実施例の特徴となる構成を説明すると以下の通り
である。図2において、動弁室34内に一端が配設され
ている略同様構成の2本の戻し油路84、84’の一方
についてその詳細構造を説明すると、戻し油路84は、
その他端が油溜室18の上部で開口しているが、その戻
し油路84の途中がバイパス構造とされている。なお、
戻し油路84の他方(84’)については説明を省く
が、戻し油路84と同様な構成とされている。つまり、
バイパス構造をなす吸油路90は、戻り油路84より分
岐した分岐路84Aと、上死点位置にあるときのピスト
ン24のスカート部24A直下部に位置する開口24B
と連通可能な通路84Bと、これら分岐路84Aと通路
84Bとを連通する通路84Cとで構成されている。ス
カート部24A直下部に位置する開口24Bは、スカー
ト部24Aに穿設されてシリンダ12A内と連通してい
るので、通路84Bと連通した際には通路84Bがシリ
ンダ12A内と連通するようになっている。
上部に位置する開口部84Dには、図2に示すように、
ボルト95によりクランクケース14の下面との間に挟
持されている座板96により脱落を防止されている球体
からなる逆止弁100が設けられている。本実施例では
逆止弁100をなす球体がスチールボールで構成されて
いるが、耐油性の材質であれば、これに限らないこと勿
論である。例えば、前記球体は低反撥性であり、耐油・
耐熱性を有するフッ素ゴムよりなるゴムボールにて構成
してもよい。
室34とを連通する連通路32近傍には、クランクケー
ス14の下面壁14Aに油溜室18と連通する小孔11
0が形成されている。
前述した場合と同様に、エンジン1が正立しているとき
のピストン24上昇時には、クランク室16と油溜室1
8とに差圧が生じ、クランク室16が負圧化傾向とな
る。このためピストン24の上昇時に油溜室18と連通
するように回動するクランク軸20に設けられている間
欠送油部46の通路T1とT2および吸入部40を介し
て油溜室18に貯溜されているオイルがクランク室16
側に送られる。
と、動弁室34からの戻し油路84の一部に形成されて
いる吸油路90の通路84Bがピストン24のスカート
部24A直下部に位置する開口24Bと連通してシリン
ダ12A内と連通する。このため、クランク室16が負
圧化傾向となった際には、動弁室34内のオイルがピス
トン24の上死点位置において最も強くなる負圧によっ
て吸油路90内に取り込まれ、図1において矢印で示す
ように、開口24Bを介してシリンダ12A内に吸い込
まれる。従って、動弁室34内に送り込まれたオイルミ
ストは、クランク室16内の負圧によりオイルが戻し油
路84を介してシリンダ12A内に吸い込まれ、その他
のものが開口部82を介してブリーザ管80からエアク
リーナ2部に送られる。
クランク室16が正圧とされるので、その正圧により第
2送油手段をなす一方向弁70のバルブプレート74が
開放されてクランクウエッブ64によりミスト化された
オイルが連通路32を介してバルブ駆動部30および動
弁室34に送られる。
よび動弁室34に対するオイルの過剰供給が防止され
る。つまり、一方向弁70におけるバルブプレート74
が開放されると、クランク室16内においてミスト化さ
れたオイルは連通路32に送られるが、連通路32に
は、クランクケース14の下面壁14Aに形成された小
孔110が連通しており、連通路32に送られたオイル
の一部が油溜室18内に戻されることになるので、バル
ブ駆動部30および動弁室34に送られるオイルミスト
が適量化される。
には、油溜室18が上位に位置することから、その油溜
室18の上部で開口する戻り油路84内に油溜室18内
のオイルが逆流する虞がある。しかし、本実施例では、
逆止弁100の球体が戻し油路84の開口部84Dを塞
ぐことになるので、オイルの逆流が阻止される。このよ
うな状態は、エンジンが傾斜状態の時にも同様に得られ
る。
油路84にバイパス構造を設け、そのバイパス構造をな
す吸油路90を介して上死点位置にあるピストン24の
スカート部24A直下部に位置する開口24Bからシリ
ンダ12A内にオイルを送り込むことができるので、潤
滑箇所の一つであるシリンダ12A内に対し、動弁室3
4から回収されるオイルを略強制的に送り込むことがで
きる。
図3は、本発明の別実施例による潤滑装置の要部構成を
説明するための図2相当の断面図であり、同図におい
て、本実施例は、動弁室34から回収されるブローバイ
ガス中に含まれているオイルを油溜室18に戻すのでな
く、シリンダ12A内に送り込むようにしたことを特徴
としている。なお、図3において図2に示した部材と同
じ構成部品については同符号により示してある。つま
り、図3において、エアクリーナ2におけるブリーザ管
80が連通する位置には、ブリーザ室2Aが設けられて
おり、このブリーザ室2Aからは、このブリーザ室2A
と、上死点位置におけるピストン24のスカート部24
A直下部に形成された吸油開口(便宜上、符号24B’
で示す)とを連通するパイプ120が延長されている。
パイプ120は、上記吸油開口24B’と連通するよう
にシリンダ14に形成された吸油路14Bに対して接続
されて上記ブリーザ室2Aと吸油開口24B’とを連通
するようになっている。なお、パイプ120には、シリ
ンダ12A側が負圧の時のみオイルをシリンダ12A内
に供給できる逆止弁(図示されず)を設けることもでき
る。
ピストン24下降時には、連通路32(図2参照)から
動弁室34に送り込まれたオイルミストを含むブローバ
イガスがオイルと空気とに分離され、それぞれ戻し油路
84、84’及び開口部82に送られる。開口部82に
送り込まれたオイルを含んだ空気は、ブリーザ管80を
介してブリーザ室2A内に送り込まれ、さらに空気とオ
イルと分離される。ブリーザ室2Aで分離されたオイル
は、パイプ120および吸油路14Bを介してピストン
24が上昇時に生起するクランク室16内の負圧によっ
てピストン24のスカート部24A直下部に位置する吸
油開口24B’内に吸い込まれてシリンダ12A内に送
り込まれる。これにより、動弁室34からブリーザ室2
A内に取り込まれて分離されたオイルは、シリンダ内で
最も負圧が強くなる箇所に対して強制的に送り込まれて
再度シリンダ12A内に供給され、潤滑に用いられる。
気と分離されたオイルがピストン24の上昇時に生起さ
れるクランク室16での負圧によってシリンダ12A内
に吸引されるので、ブリーザ室2A内に残留するオイル
を低減させることができ、これによって、エアクリーナ
21のオイル汚染を低減することができる。
(34)と油溜室(18)とを連通するようにクランク
ケース(14)に戻し油路(84、84’)を設け、そ
の戻し油路(84、84’)の中途から分岐形成されて
上死点位置にあるピストン(24)のスカート部(24
A)直下部に位置する開口(24B)に連通可能な吸油
路(90)を設けているので、クランク室(16)が負
圧になったときには、動弁室(34)から吸引されるオ
イルがシリンダ内で最も大きな負圧が生じる位置に連通
している吸気路(90)に取り込まれてシリンダ(12
A)内に再供給される。これにより、シリンダ(12
A)内でピストン(24)が上死点位置に達した際に得
られる最大負圧を利用して動弁室(34)からのオイル
をシリンダ(12A)内に送り込めるので、油溜室(1
8)内の負圧の変化にさほど影響されることなくシリン
ダ(12A)内での潤滑用オイルの不足を防止すること
ができる。しかも、戻り油路(84、84’)における
開口部(84D)には、エンジンが正立時に開口し、倒
立若しくは傾斜時に閉鎖する逆止弁(100)を備えて
いるので、エンジン(19)が倒立若しくは傾斜した状
態において戻り油路(84)内に油溜室(18)内のオ
イルが逆流することがなく、エンジンの作業姿勢によっ
て過剰潤滑が起こるなどの不具合を解消することが可能
になる。
00)がエンジンの倒立若しくは傾斜に応じて重力方向
に移動可能な球体で構成されているので、倒立若しくは
傾斜時には確実に戻し油路(84、84’)の開口部
(84D)を閉鎖することができる。これにより、エン
ジンの作業姿勢において動弁室(34)に過剰なオイル
が入り込むような不具合を確実に防止することが可能に
なり、適正な潤滑作用を維持することができる。
8)と連通可能な小孔(110)が設けられているの
で、クランク室(16)の正圧時にバルブ駆動部(3
0)や動弁室(34)に圧送されるオイルミストが過剰
となるのを油溜室(18)に逃がすことで適量化して供
給過剰を防止することができる。
4)内から回収されるブローバイガス中に含まれている
オイルをブリーザ室(2A)において回収し、油溜室
(18)に回収する前に再度シリンダ(12A)内に供
給できる。これにより、ピストンが上死点位置に達した
際に発生する最大負圧をブリーザ室(2A)に作用させ
てオイルをシリンダ(12A)内に吸引できるので、油
溜室(18)内での負圧の変化に影響されることなくブ
リーザ室(2A)に回収されたオイルを潤滑の必要な箇
所の一つであるシリンダ(12A)内に供給することが
でき、潤滑用オイルの不足を防止しながら消費量を低減
して維持コストの上昇を防止することが可能になる。
サイクルエンジンを正面から見た断面図である。
面図である。
視断面図である。
部 70 第2送油手段をなす一方向弁 84、84’動弁室と油溜室とを連通する戻し油路 84D 開口部 90 吸油路 100 逆止弁 110 小孔 120 パイプ
Claims (4)
- 【請求項1】 クランク室(16)近傍に設けられた油
溜室(18)から前記クランク室(16)および吸・排
気の各バルブ機構を収納した動弁室(34)に送油して
各部の潤滑を行い、オイルを循環させる4サイクルエン
ジンの潤滑装置において、 前記油溜室(18)が前記クランク室(16)と仕切ら
れ、いかなる傾斜状態でも外部に油漏れしないように構
成され、 前記油溜室(18)の傾斜状態に拘わらず常に先端が該
油溜室(18)の油面下に存在するように構成された吸
入部(40)を有し、前記クランク室(16)に発生す
る負圧により前記油溜室(18)内のオイルを前記吸入
部(40)から前記クランク室(16)へ送る第1送油
手段(46)と、 前記クランク室(16)内に設けられ、前記第1送油手
段(46)によって送られたオイルを攪拌してオイルミ
スト化する攪拌部と、 前記クランク室(16)と前記動弁室(34)とを連通
する連通路(32)と、 前記クランク室(16)に発生する正圧により前記クラ
ンク室(16)内のオイルミストを前記連通路(32)
を介して前記動弁室(34)に送る第2送油手段(7
0)と、 前記動弁室(34)と前記油溜室(18)とを連通する
ように戻し油路(84、84’)を穿設して構成すると
ともに、該戻し油路(84、84’)の中途から分岐形
成されていて、上死点位置にあるピストン(24)のス
カート部(24A)直下部に位置する開口(24B)に
連通可能な吸油路(90)を設け、 前記戻し油路(84、84’)の前記油溜室(18)へ
の開口部(84D)には、エンジンの正立時に開口し、
倒立若しくは傾斜したときに閉鎖する逆止弁(100)
を配備したことを特徴とする4サイクルエンジンの潤滑
装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の4サイクルエンジンの潤
滑装置において、 上記逆止弁(100)は、自重により上記開口部(84
D)を開閉する球体で構成されていることを特徴とする
4サイクルエンジンの潤滑装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の4サイクルエンジンの潤
滑装置において、 前記連通路(32)には、前記油溜室(18)と連通さ
せる小孔(110)を設けたことを特徴とする4サイク
ルエンジンの潤滑装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のうちの一つに記載の4
サイクルエンジンの潤滑装置において、 前記動弁室(34)よりエアクリーナ(2)のブリーザ
室(2A)へブリーザ管(80)を連通させ、前記ブリ
ーザ室(2A)を、パイプ(120)により前記シリン
ダ(12A)の前記ピストン(24)の上死点位置にお
ける該ピストン(24)のスカート部(24A)の直下
部に形成されている吸油開口(24B’)に連通させて
上記ブリーザ室(2A)の下部に貯溜されたオイルをピ
ストン(24)が上死点位置にある時にそのスカート
(24A)直下部の吸油開口(24B’)からシリンダ
(12A)内に送り込むことを特徴とする4サイクルエ
ンジンの潤滑装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15479598A JP3204643B2 (ja) | 1998-06-03 | 1998-06-03 | 4サイクルエンジンの潤滑装置 |
US09/317,620 US6213079B1 (en) | 1998-06-03 | 1999-05-25 | Lubricating apparatus for four-cycle engines |
TW088108708A TW401480B (en) | 1998-06-03 | 1999-05-27 | Lubricating device for four-cycle engine |
DE69909895T DE69909895T2 (de) | 1998-06-03 | 1999-05-28 | Schmiereinrichtung für eine Viertaktverbrennungsmaschine |
EP99304175A EP0962630B1 (en) | 1998-06-03 | 1999-05-28 | Lubricating apparatus in a four-stroke engines |
KR1019990020437A KR100545318B1 (ko) | 1998-06-03 | 1999-06-03 | 4사이클 엔진의 윤활 장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15479598A JP3204643B2 (ja) | 1998-06-03 | 1998-06-03 | 4サイクルエンジンの潤滑装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11343822A JPH11343822A (ja) | 1999-12-14 |
JP3204643B2 true JP3204643B2 (ja) | 2001-09-04 |
Family
ID=15592066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15479598A Expired - Lifetime JP3204643B2 (ja) | 1998-06-03 | 1998-06-03 | 4サイクルエンジンの潤滑装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3204643B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5413107B2 (ja) * | 2009-09-30 | 2014-02-12 | 日立工機株式会社 | 4サイクルエンジンおよびそれを備える刈払機ならびにエンジン工具 |
JP5413108B2 (ja) * | 2009-09-30 | 2014-02-12 | 日立工機株式会社 | 4サイクルエンジンおよびそれを備えた刈払機ならびにエンジン工具 |
WO2011039980A1 (en) | 2009-09-30 | 2011-04-07 | Hitachi Koki Co., Ltd. | Four-cycle engine, bush cutter and engine-driven tool having same |
CN113074031B (zh) * | 2021-03-25 | 2022-11-18 | 永康市南天工贸有限公司 | 一种发动机的润滑系统、使用方法及园林设备 |
-
1998
- 1998-06-03 JP JP15479598A patent/JP3204643B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11343822A (ja) | 1999-12-14 |
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