JP3701946B2 - 4サイクルエンジン - Google Patents

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    • F02B2275/34Lateral camshaft position

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、刈払機のような小型携帯用作業機の動力源として用いられる4サイクルエンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、刈払機のような小型携帯用作業機は、作業に応じて種々の姿勢に傾けたオールポジションで運転されることから、燃料と潤滑油とを混合させた混合燃料を使用する2サイクルエンジンが一般的に搭載されていた。しかし、近年では、排気ガス浄化の必要性から、小型携帯用作業機に搭載できる4サイクルエンジンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この4サイクルエンジンは、クランク室底部のオイルパンの形状を工夫することによって携帯用作業機を一定の範囲内で傾けた場合でもオイルパン内に貯留された潤滑油が漏れ出ないようにしている。ところが、この4サイクルエンジンでは、携帯用作業機をほぼ倒立姿勢となる状態に傾けた場合にオイルパンからの潤滑油が燃焼室に入ってしまうので、オールポジションで使用することができず、また、オイルパン内に多量の潤滑油が貯留されることから、重量増となり、作業者の労力が増大する。
【0003】
そこで、オイルパンを不要としながらもオールポジションで使用可能な4サイクルエンジンも提案されている(例えば、特許文献2参照)。この4サイクルエンジンでは、2サイクルエンジンと同様に燃料と潤滑油を混合した混合燃料を使用して、この混合燃料をクランク室内に導入したのち、ピストンの往復動に伴うクランク室内の圧力の変動を利用することにより、クランク室内の混合燃料を、吸気ポートに直接接続された第1の混合気通路と、動弁機構を介して吸気ポートに連通する第2の混合気通路とを介して、吸気ポートから燃焼室内に吸入させる経路で流動させて、混合気に含まれている潤滑油によりクランク室内の各部や動弁機構などの潤滑を行うようになっている。
【0004】
【特許文献1】
実開平4−93707号公報
【特許文献2】
特開平8−100621号公報(第3〜4頁、図1〜図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
後者のオールポジションで使用可能な4サイクルエンジンでは、吸入工程において、ピストンの下降に伴って加圧されたクランク室内の混合気が第1の混合気通路を通って吸気ポートに送給される一方、第2の混合気通路を通って動弁機構収納空間に送給され、動弁機構収納空間に送られた混合気の一部が、ブリーザ通路となる小さな開口部を通って吸気ポートに入る。その際、動弁機構収納空間に溜まった潤滑油が動弁機構収納空間の底部の前記開口部から流出し、吸気ポートを通って燃焼室内に入って、白煙が発生する場合がある。
【0006】
また、前記4サイクルエンジンは、開口部が小さいために、動弁機構収納空間内を混合気がスムーズに流動しないことから、混合気の流れの少ない箇所の壁面に混合気に含まれている潤滑油が付着し易く、各部を常に効果的に潤滑するのが難しい。
【0007】
本発明は、前記従来の課題に鑑みてなされたもので、ピストンの往復動を利用して混合気を常に円滑、かつ安定に流動させながら動弁系およびクランク系を効果的に潤滑することができる4サイクルエンジンを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の第1構成に係る4サイクルエンジンは、シリンダヘッドに設けられて吸・排気弁を駆動する弁駆動部と、クランク軸の回転力を前記弁駆動部に伝達する伝達部とを有する動弁機構を備え、前記シリンダヘッドにおける前記弁駆動部を収納した動弁室に、燃料と潤滑油とを含み混合気生成装置で形成される混合気を導入する吸気通路が接続され、前記動弁室と吸気弁により開閉される吸気ポートとが連通しており、前記伝達部を収納し前記動弁室とクランク室とを接続する動弁通路と、前記クランク室と前記動弁室とを接続する補助通路を備え、さらに、前記動弁室、動弁通路、クランク室、補助通路を経て動弁室に至る循環通路に、この順序に従った順方向のみに混合気を通過させる逆止弁を備え、前記補助通路から前記動弁室に導入された混合気の一部が前記吸気ポートに導入される。
【0009】
この4サイクルエンジンでは、吸気工程で、燃料と潤滑油を含む混合気が吸気通路を介して動弁室および吸気ポートに導入され、この混合気が、圧縮工程でクランク室内の圧力の低下に伴い、動弁室から動弁通路を通ってクランク室内に流入し、爆発工程で、クランク室内の圧力の上昇に伴い、クランク室内の混合気が補助通路を通って吸気ポートおよび動弁室に圧送される。すなわち、吸気通路を通って動弁室および吸気ポートに導入された混合気は、その一部が吸気弁の開弁時に燃焼室に導入されるが、他の一部は、ピストンの往復動による圧力変化とこれに伴う逆止弁の開閉動作とにより、動弁室、動弁通路、クランク室、補助通路を経て動弁室に至る循環通路内を、この順序に従った順方向に沿って循環される。
【0010】
したがって、混合気は循環通路内を殆ど停滞することなく円滑に流動するので、特に大きな容積を有する動弁室に潤滑油が滞留するといったことが生じない。循環通路内を循環する混合気に含まれる潤滑油は、動弁室内の弁駆動部と動弁通路内の伝達部とを含む動弁機構およびクランク室内の各部を効果的に潤滑する。このとき、混合気がクランク室内に先立って動弁機構を冷却するので、動弁機構の冷却効果が大きい利点がある。また、キャブレタのような混合気生成装置からの混合気は吸気通路を通って動弁室および吸気ポートに直接的に導入されるとともに、動弁室は、比較的大きな容積を有しているから、導入した混合気の一部を潤滑用に利用しても内部圧力の変動が少ないので、混合気の燃焼室内への吸気効率の低下を招かない。また、吸気通路から動弁室に導入された混合気はクランク室内に先立って動弁機構を冷却するので、動弁機構の冷却効果が大きい利点がある。
【0011】
本発明の第2構成に係る4サイクルエンジンは、シリンダヘッドに設けられて吸・排気弁を駆動する弁駆動部と、クランク軸の回転力を前記弁駆動部に伝達する伝達部とを有する動弁機構を備え、前記シリンダヘッドにおける前記弁駆動部を収納した動弁室に、燃料と潤滑油とを含み混合気生成装置で形成される混合気を導入する吸気通路が接続され、前記動弁室と吸気弁により開閉される吸気ポートとが連通しており、前記クランク室と前記動弁室を接続する補助通路と、前記伝達部を収納し前記動弁室とクランク室とを接続する動弁通路を備え、さらに、前記動弁室、補助通路、クランク室、動弁通路を経て動弁室に至る循環通路に、この順序に従った順方向のみに混合気を通過させる逆止弁を備え、前記動弁室内の混合気の一部が補助通路を通ってクランク室内に流入する。
【0012】
この4サイクルエンジンでは、吸気工程で、燃料と潤滑油を含む混合気が吸気通路を介して動弁室および吸気ポートに導入され、この混合気が、圧縮工程でクランク室内の圧力の低下に伴い、動弁室から補助通路を通ってクランク室内に流入し、爆発工程で、クランク室内の圧力の上昇に伴い、クランク室内の混合気が動弁通路を通って動弁室に供給される。すなわち、動弁室および吸気ポートに導入された混合気は吸気弁が開弁したときに燃焼室に導入されるが、その混合気の一部は、ピストンの往復動と逆止弁の開閉動作とを利用して、動弁室、補助通路、クランク室、動弁通路を経て動弁室に至る循環通路内を、この順序に従った順方向に循環される。したがって、この4サイクルエンジンにおいても、動弁機構およびクランク室内の各部を効果的に潤滑するとともに、混合気の燃焼室内への吸気効率の低下を招かない。
【0013】
本発明の第3構成に係る4サイクルエンジンは、シリンダヘッドに設けられて吸・排気弁を駆動する弁駆動部と、クランク軸の回転力を前記弁駆動部に伝達する伝達部とを有する動弁機構を備え、前記シリンダヘッドにおける前記弁駆動部を収納した動弁室に、燃料と潤滑油とを含み混合気生成装置で形成される混合気を導入する吸気通路が接続され、前記動弁室と吸気弁により開閉される吸気ポートとが連通しており、前記クランク室に連通しピストンにより開閉される導入口がシリンダに設けられ、さらに、前記導入口と前記動弁室とを接続する副通路と、前記伝達部を収納し前記動弁室とクランク室とを接続する動弁通路を備え、前記ピストンの往復動により、前記動弁室、副通路、クランク室、動弁通路を経て動弁室に至る循環通路に、この順序に従った順方向のみに混合気を通過させ、前記動弁室内の混合気の一部が副通路を通ってクランク室内に流入する。
【0014】
この4サイクルエンジンでは、吸気工程で、燃料と潤滑油を含む混合気が吸気通路を介して動弁室および吸気ポートに導入され、この混合気が、圧縮工程でピストンの上昇に伴いシリンダの導入口が開口されたときに、動弁室から副通路および導入口を通ってクランク室内に流入し、爆発工程で、下降するピストンで導入口が閉じられたのちのクランク室内の圧力の上昇に伴い、クランク室内の混合気が動弁通路を通って動弁室に供給される。すなわち、動弁室および吸気ポートに導入された混合気は吸気弁が開弁したときに燃焼室に導入されるが、その混合気の一部は、ピストンの往復動を利用して、動弁室、副通路、クランク室、動弁通路を経て動弁室に至る循環通路内を、この順序に従った順方向に循環される。したがって、この4サイクルエンジンにおいても、前記第2構成の4サイクルエンジンと同様の効果を得ることができるのに加えて、第2構成の4サイクルエンジンが有する逆止弁が不要となる利点がある。
【0015】
また、本発明の好ましい実施形態では、第3構成において、さらに、前記循環通路に逆止弁を備えている。この構成によれば、逆止弁により、循環通路内において混合気が逆方向に流れるのを確実に防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は第1実施形態に係るオーバーヘッドバルブ(OHV)型4サイクルエンジンの原理を説明するための縦断面図であり、クランクケース1の上部に、シリンダ3を形成するシリンダブロック2が連結され、このシリンダブロック2の上部に、シリンダヘッド4が取り付けられている。これらクランクケース1、シリンダブロック2およびシリンダヘッド4により、エンジン本体Eが構成されている。前記クランクケース1のクランク室7内には、軸受(図示せず)により支持されたクランク軸8が回転自在に設けられており、このクランク軸8に、シリンダボア3a内を往復動するピストン9が、コンロッド10を介して連結されている。
【0017】
前記クランク室7内には、軸受(図示せず)により軸支されたカム軸11が回転自在に設けられ、このカム軸11の一端に固定された従動ギヤ12と、前記クランク軸8に固定された駆動ギヤ13とが互いに噛み合っている。前記カム軸11には、後述の吸気弁を開閉駆動するための吸気カム14と排気弁を開閉駆動する排気カム15とが固定されている。
【0018】
前記シリンダヘッド4の上部にはロッカーカバー17が取り付けられ、このロッカーカバー17とシリンダヘッド4との間に動弁室18が形成されている。前記シリンダヘッド4には吸気弁19および排気弁(図示せず)が取り付けられており、そのステム部が動弁室18内に突出している。動弁室18内には吸気弁19および排気弁を閉弁方向に付勢するスプリング60、吸気弁19および排気弁を開閉駆動するロッカーアーム21、シリンダヘッド4に固定されて前記ロッカーアーム21を揺動自在に支持する支持部材22からなる弁駆動部23が設けられている。また、動弁室18には、燃料と潤滑油とを混合した液体の混合燃料にエアクリーナ31から導入した空気を混合させて潤滑油を含む混合気Mを形成するキャブレタのような混合気生成装置32が、インシュレータ(断熱部材)35を介して接続されており、潤滑油を含む前記混合気Mが、混合気生成装置32およびインシュレータ35内の吸気通路33を通って導入される。吸気通路33と動弁室18との接続箇所には、混合気Mが動弁室18から吸気通路33側に逆流するのを防止するための吸気用逆止弁34と、逆止弁34の最大開度を規制する弁ストッパ37とが取り付けられている。
【0019】
シリンダボア3aの側方に位置して、クランクケース1、シリンダブロック2およびシリンダヘッド4内に、クランク軸8の回転力を弁駆動部23に伝達する伝達部29を収納し、かつ、前記動弁室18とクランク室7とを接続する動弁通路24が形成されている。この動弁通路24には、上端がロッカーアーム21に係合されたプッシュロッド27と、このプッシュロッド27の下端を支持して吸・排気カム14,15に係合するカムフォロワ28とが収納されている。プッシュロッド27およびカムフォロワ28は、駆動ギヤ13、従動ギヤ12およびカム14と共に伝達部29を構成する。すなわち、この伝達部29は、クランク軸8の回転力を駆動ギヤ13、従動ギヤ12およびカム14や排気カムを介して弁駆動部23のロッカーアーム21に伝達する。したがって、弁駆動部23と伝達部29とは、オーバヘッドバルブ(OHV)方式の動弁機構30を構成する。また、動弁通路24におけるクランク室7との接続箇所には、動弁室18から動弁通路24を経てクランク室7に向かう方向のみに混合気Mの通過を許容する第1逆止弁38と、この第1逆止弁38の最大開度を規制する弁ストッパ39とが取り付けられている。
【0020】
前記シリンダヘッド4には、吸気弁19および排気弁により開閉される吸気ポート40および排気ポート(図示せず)が形成されており、吸気ポート40が動弁室18に連通している。前記クランク室7と動弁室18とは補助通路41により接続されており、補助通路41におけるクランク室7との接続箇所には、クランク室7から補助通路41を経て動弁室18に向かう方向のみに混合気Mの通過を許容する第2逆止弁42と、この第2逆止弁42の最大開度を規制する弁ストッパ43とが取り付けられている。
【0021】
つぎに、この4サイクルエンジンの動作について説明する。
吸気弁19が開弁した状態でピストン9が下降する吸気工程では、燃料と潤滑油を含む混合気Mが吸気弁19の開弁によって開口された吸気ポート40から燃焼室44内に吸入されるとともに、吸気用逆止弁34が開弁して混合気生成装置32から吸気通路33を通って動弁室18内およびこれに連通する吸気ポート40に新たな混合気Mが導入される。燃焼室44内に吸入された混合気Mは、圧縮工程で上昇するピストン9により圧縮される。一方、クランク室7内はピストン9の上昇に伴って負圧状態となるため、第1逆止弁38が開弁状態となる。これにより、動弁室18内の混合気Mの一部は動弁通路24を通ってクランク室7内に流入する。
【0022】
つぎに、燃焼室44内で圧縮された混合気が爆発する爆発工程では、下降するピストン9によるクランク室7内の圧力の上昇に伴い第1逆止弁38が閉弁状態となり、かつ第2逆止弁42が開弁状態となるので、クランク室7内の混合気Mは補助通路41を通って吸気ポート40および動弁室18に圧送されて、混合気生成装置32から吸気通路33を通って供給された混合気Mと混ざり合う。さらに、排気工程において、排気バルブが開弁された状態でピストン9が上昇し、燃焼室44内の燃焼ガスが排気ポートから大気中に排出される。このとき、クランク室7内はピストン9の上昇に伴って負圧状態となるため、第1逆止弁38が開弁状態となって、動弁室18内の混合気Mの一部は動弁通路24を通ってクランク室内に流入する。引き続く吸気工程で、下降するピストン9により、クランク室7内の混合気Mが第2逆止弁42を通り、補助通路41から動弁室18に入り、さらに、その一部が吸気ポート40から燃焼室44内に吸入される。
【0023】
すなわち、前記4サイクルエンジンでは、混合気生成装置32から動弁室18および吸気ポート40に導入された混合気Mが吸気弁19が開弁状態となったときに燃焼室44内に吸入されるとともに、混合気Mの一部は、ピストン9の往復動を利用して、動弁室18、動弁通路24、クランク室7、補助通路41および動弁室18に至る循環通路内を常に一方向(順方向)に沿って循環させることができる。したがって、循環する混合気Mは循環通路内を殆ど停滞することなく円滑に流動するので、混合気Mに含まれる潤滑油が、特に大きな容積を有する動弁室18内に滞留することがない。万一、動弁室18内に潤滑油の滞留が発生しても、この滞留した潤滑油は、ピストン9の往復動と第1および第2逆止弁38,42の開閉とによって順方向に向けて圧送されながら環流する混合気Mに押し流されてクランク室7内に運ばれたときに、クランク軸8の回転によって再び霧化されたのちに、動弁室18に向け圧送され、直接吸気ポート40から燃焼室44に入って白煙の原因となることはない。
【0024】
上述のように循環通路内を循環する混合気Mに含まれる潤滑油は、動弁室18内の弁駆動部23と動弁通路24内の伝達部29とを含む動弁機構30やクランク室7内の各部を効果的に潤滑するので、オイルパンが不要となって、小型・軽量化を図ることができ、さらに、如何なる姿勢でも安定に運転できることから、オールポジョンで使用可能となる。また、混合気生成装置32からの混合気Mは吸気通路33のみを通る短い吸気経路を経て動弁室18および吸気ポート40に直接的に導入されるとともに、動弁室18は、比較的大きな容積を有しているから、導入した混合気Mの一部を潤滑用に利用しても内部圧力の変動が少なく、しかも、混合気生成装置32からの混合気Mとクランク室7の各部を潤滑した混合気Mとが動弁室18で混ざり合って、混合気Mの量が増すことで混合気Mの供給が安定するので、吸気効率の低下を招かない。また、混合気生成装置32から動弁室18内に供給された新たな混合気Mは、クランク室7内に先立って動弁機構30を冷却するので、動弁機構30の冷却効果が大きい利点がある。
【0025】
図2は図1の原理を利用した第1実施形態に係る4サイクルエンジンを刈払機に適用した場合の具体例を示したものである。クランク軸8の一端部(左端部)には、エンジンのリコイルスタータ51が設けられている。クランク軸8の他端部(右端部)には、フライホイールを兼ねる冷却ファン47が取り付けられており、この冷却ファン47の内面に、同方向に並んだ多数の冷却用フィン48が、外面にクラッチ49のシュー49aが、それぞれ取り付けられている。クランク軸8はクラッチ49を介して刈払機の伝達シャフト(図示せず)に連結され、その先端のカッタ(図示せず)を回転させる。クランクケース1の下部には燃料タンク52が配設され、この燃料タンク52内の燃料と潤滑油が前もって混合された混合燃料が燃料パイプ(図示せず)を介して上部の混合気生成装置32に供給される。シリンダヘッド4には、燃焼室44に臨む配置で点火プラグ57が設けられている。
【0026】
動弁室18とクランク室7とを接続する動弁通路24は、シリンダボア3aと冷却ファン48との間に位置しており、この動弁通路24内に駆動ギヤ13、従動ギヤ12、カム14、カムフォロワ28およびプッシュロッド27からなる伝達部29が収納されている。補助通路41の下端の第2逆止弁42は、第1逆止弁38よりも上方に設けられているが、第1逆止弁38を通ってクランク室7の底部に吸入された混合気Mは、回転するクランク軸8で掻き上げられるとともに下降するピストン9によりクランク室7内で圧縮されることにより、クランク室7内の各部を潤滑しながら開弁した第2逆止弁42を通ってクランク室7から円滑に送給される。
【0027】
図3は図2のIII −III 線断面図を、図4は図2のIV−IV線断面図をそれぞれ示し、図3のシリンダヘッド4に固着された支持部材22には、図4に示す吸気弁19と排気弁20とを個々に開閉駆動するための二つのロッカーアーム21が、支軸50回りに揺動自在に支持されており、この両ロッカーアーム21と、図2のピボットピン58を支点にして揺動自在に設けられたカムフォロワ28の両端部とが、個々のプッシュロッド27で連結されている。この2本のプッシュロッド27は、動弁通路24の二つの分岐通路24a,24bに個々に挿通されている。
【0028】
したがって、動弁室18内の混合気Mは、両分岐通路24a,24bを通過したのち、カムフォロワ28、カム14および駆動ギヤ13などを潤滑し、第1逆止弁38が開弁したときにクランク室7の底部から補助通路41に送給される。補助通路41は、ロッカーカバー17の上壁の接続口17aを介して動弁室18に接続されている。
【0029】
吸気系を構成する混合気生成装置32およびエアクリーナ31は、上部の動弁室18内に直接的に混合気Mを供給するために、シリンダヘッド4の一側部に配設されており、シリンダヘッド4の他側部には排気系を構成するマフラ59が配設されている。従来のこの種の4サイクルエンジンでは、クランク室に混合気を供給するために、吸気系を図2の燃料タンク52の近傍箇所に設けていたが、この実施形態の4サイクルエンジンでは、混合気生成装置32およびエアクリーナ31をスペースに余裕がある上部(この実施形態ではロッカーカバー17の側部)に設けたので、配置スペース上有利となる。また、補助通路41の接続口17aをロッカーカバー17の上壁に設けたので、この点からも吸気系の配置の自由度がさらに大きくなる。補助通路41は、図4に示すように、エンジン本体Eの一側部で、混合気生成装置32の近傍に配置されている。
【0030】
図4に示すように、一方(図の上方)のロッカーアーム21により吸気弁19が、他方(図の下方)のロッカーアーム21に排気弁20が、それぞれ開閉される。排気弁20が開弁されたときには、燃焼室44内の燃焼ガスが排気通路61からマフラ59を通って大気に排出される。この吸・排気弁19,20が設けられたシリンダヘッド4は、燃焼ガスなどによって熱せられて高温になるが、混合気生成装置32から動弁室18に直接的に導入される新たな混合気Mと、補助通路41を含む循環通路を通って動弁室18内に戻ってくる混合気Mとによって効率的に冷却される。従来においては、高温となるシリンダヘッドを冷却するために、シリンダヘッドに小径の冷却用空気孔などを設けることが検討されていたが、このような冷却手段を刈払機などに搭載される小型の4サイクルエンジンに設けることはスペース的に難しいために、シリンダヘッドの冷却を行っていないのが実情であるが、この実施形態の4サイクルエンジンでは、混合気Mを利用してシリンダヘッド4を効果的に冷却することが可能となる。
【0031】
上記した第1実施形態において、第1逆止弁38と第2逆止弁42の一方を削減してもよい。逆止弁を1つにすることにより、部品点数が減少し、エンジンの構造が簡単になるため、エンジンの軽量化、および小型化が可能となる。
【0032】
図5は第2実施形態に係る4サイクルエンジンの原理を示す縦断面図である。同図において、図1と同一若しくは相当するものには同一の符号を付して、重複する説明を省略する。この4サイクルエンジンが図1のものと相違するのは、動弁室18の混合気Mをクランク室7に向かう方向のみに通過させる第1逆止弁38が、補助通路41におけるクランク室7との接続箇所に設けられ、クランク室7内の混合気Mを動弁室18に向かう方向のみに通過させる第2逆止弁42が、動弁通路24におけるクランク室7との接続箇所に設けられ、図1の吸気通路33に設けられている吸気用逆止弁34が削減されている構成のみである。
【0033】
すなわち、図5の4サイクルエンジンは、混合気生成装置32から吸気通路33を介して動弁室18内に導入した混合気Mを、図1のものとは逆方向に、補助通路41、クランク室7および動弁通路24を介して動弁室18に至る環状の循環通路に順方向に沿って流動させるように、第1および第2逆止弁38,42が配置されている。
【0034】
つぎに、この4サイクルエンジンの動作について説明する。
吸気弁19が開弁した状態でピストン9が下降する吸気工程では、燃料と潤滑油を含む混合気Mが吸気ポート40から燃焼室44内に吸入されるとともに、混合気生成装置32から吸気通路33を通って動弁室18内およびこれに連通する吸気ポート40に新たな混合気Mが導入される。圧縮工程では、燃焼室44内の混合気Mが上昇するピストン9により圧縮される。このとき、クランク室7内はピストン9の上昇に伴って負圧状態となるため、第1逆止弁38が開弁状態となり、動弁室18内の混合気Mの一部が補助通路41を通ってクランク室7内に流入する。
【0035】
つぎに、燃焼室44内で圧縮された混合気が爆発する爆発工程では、下降するピストン9によるクランク室7内の圧力の上昇に伴い第1逆止弁38が閉弁状態となり、かつ第2逆止弁42が開弁状態となるので、クランク室7内の混合気Mは動弁通路24を通って動弁室18に圧送されて、混合気生成装置32から吸気通路33を通って供給された混合気Mと混ざり合う。さらに、排気工程においては、排気バルブが開弁された状態でピストン9が上昇し、燃焼室44内の燃焼ガスが排気ポートから大気中に排出される。このとき、クランク室7内はピストン9の上昇に伴って負圧状態となるため、第1逆止弁38が開弁状態となって、動弁室18内の混合気Mの一部は、補助通路41を通ってクランク室7内に流入する。
【0036】
したがって、この4サイクルエンジンは、図1のものと比較して、一連の循環通路内を一方向に流れる混合気Mの流動方向が逆になるだけであって、ほぼ同様に機能するので、図1のものと同様の効果を得ることができる。すなわち、この4サイクルエンジンでは、混合気Mが循環通路内を殆ど停滞することなく円滑に流動するので、混合気Mに含まれる潤滑油が動弁室18内に滞留することがなく、循環通路内を循環する混合気Mに含まれる潤滑油が弁駆動部23と伝達部29とを含む動弁機構30やクランク室7内の各部を効果的に潤滑するので、オイルパンが不要となって、小型・軽量化を図ることができ、さらに、オールポジョンで使用可能となる上に、吸気効率の低下を招かない。
【0037】
さらに、この実施形態の4サイクルエンジンでは、上記効果に加えて、動弁室18から補助通路41に流出する混合気Mの流れを、吸気通路33に向け逆流する方向に作用しないようにして、図1の吸気用逆止弁34を削減して構成を簡素化している。この点についての詳細は後述する。
【0038】
図6は図2の原理を使用した第2実施形態に係る4サイクルエンジンを刈払機に適用した場合の具体例を示したものである。同図から明らかなように、クランク室の上下方向中間部に第1逆止弁38が、下部に第2逆止弁42がそれぞれ設けられている。
【0039】
図6のVII −VII 線断面図である図7に示すように、動弁室18とクランク室7とを接続する補助通路41は、ロッカーカバー17における吸気通路33とは反対側に設けられた接続口17bに接続されている。したがって、動弁室18内の混合気Mは、吸気通路33とは反対方向に向け流動して補助通路41内に送給されるので、吸気通路33内に逆流するおそれがない。これにより、第1発明において吸気通路33に設けた吸気用逆止弁34を削減している。
【0040】
上記した第2実施形態において、第1逆止弁38と第2逆止弁42の一方を削減してもよい。逆止弁を1つにすることにより、部品点数が減少し、エンジンの構造が簡単になるため、エンジンの軽量化、および小型化が可能となる。
【0041】
図8は第3実施形態に係る4サイクルエンジンの原理を示す縦断面図である。この4サイクルエンジンが図5の第2実施形態と相違するのは、クランク室7に連通し、かつピストン9により開閉される導入口62をシリンダ3に設け、図5の補助通路41および第1逆止弁38に代えて、図8の前記導入口62と動弁室18とを接続する副通路63を設けた構成のみである。すなわち、この4サイクルエンジンでは、ピストン9をピストンバルブとして利用して、第1逆止弁38(図5)を削減している。
【0042】
つぎに、この4サイクルエンジンの動作について説明する。
吸気弁19が開弁した状態でピストン9が下降する吸気工程では、燃料と潤滑油を含む混合気Mが吸気ポート40から燃焼室44内に吸入されるとともに、混合気生成装置32から吸気通路33を通って動弁室18内およびこれに連通する吸気ポート40に新たな混合気Mが導入される。圧縮工程では、燃焼室44内の混合気Mが上昇するピストン9で圧縮される。このとき、クランク室7内はピストン9の上昇に伴って負圧状態となり、ピストン9が導入口62を開口する位置まで上昇した時点で動弁室18内の混合気Mの一部が副通路63を通ってクランク室7内に流入する。
【0043】
つぎに、爆発工程では、下降するピストン9により導入口62が閉塞された時点からクランク室7内の圧力が上昇して第2逆止弁42が開弁状態となるので、クランク室7内の混合気Mは動弁通路24を通って動弁室18に圧送されて、混合気生成装置32から吸気通路33を通って供給された新たな混合気Mと混ざり合う。さらに、排気工程では、排気バルブが開弁された状態でピストン9が上昇し、燃焼室44内の燃焼ガスが排気ポートから大気中に排出される。このとき、クランク室7内はピストン9の上昇に伴って負圧状態となるため、ピストン9の上昇により導入口62が開口されたときに、動弁室18内の混合気Mの一部が副通路63を通ってクランク室7内に流入する。
【0044】
したがって、この4サイクルエンジンは、前記第2実施形態(図5)とほぼ同様に機能して、同様の効果を得ることができる。すなわち、この4サイクルエンジンでは、混合気Mが、動弁室18、副通路63、クランク室7および動弁通路24を通って動弁室18に至る循環通路内を殆ど停滞することなく円滑に流動するので、混合気Mに含まれる潤滑油が動弁室18内に滞留することがなく、循環通路内を循環する混合気Mに含まれる潤滑油が、弁駆動部23と伝達部29とを含む動弁機構30やクランク室7内の各部を効果的に潤滑するので、オイルパンが不要となって小型・軽量化を図ることができ、さらに、オールポジョンで使用可能となる上に、吸気効率の低下を招くことがない。また、この4サイクルエンジンでは、前記効果に加えて、図5の4サイクルエンジンが有する第1逆止弁38が不要となる利点がある。
【0045】
上記した第3実施形態において、逆止弁42を削減してもよい。逆止弁を削減することにより、部品点数が減少し、エンジンの構造が簡単になるため、エンジンの軽量化、および小型化が可能となる。
【0046】
図9は第4実施形態に係る4サイクルエンジンを示す縦断面図である。この4サイクルエンジンは、前記第1実施形態の変形例であり、第1実施形態を示した図1ないし図4と相違するのは、これに設けたオーバーヘッドバルブ方式の動弁機構30に代えて、オーバーヘッドカムシャフト(OHC)方式の動弁機構64を設けた構成のみである。すなわち、動弁機構64は、動弁室18内における吸気弁19と排気弁20との間に配置したカム軸67をシリンダヘッド4に回転自在に支持して、このカム軸67に設けられた吸気カム68および排気カム69に、吸気弁19および排気弁20を個々に開閉駆動するロッカーアーム70,71を係合させた構成になっている。
【0047】
図10は図9のX−X線断面図を示し、同図において、動弁通路24に設けられる伝達部72は、クランク軸8に固定された駆動ギヤ73とカム軸67に固定された従動ギヤ74と、これらギヤ73,74間に架け渡したタイミングベルト77とを有している。動弁通路24におけるクランク室7との接続箇所には、動弁通路24からクランク室7に向かう方向のみに混合気Mを通過させる第1逆止弁38が設けられ、クランク室7における補助通路41との接続部には、クランク室7から補助通路41に向かう方向のみに混合気Mを通過させる第2逆止弁42(図9)が設けられている。
【0048】
この4サイクルエンジンでは、オーバーヘッドカムシャフト方式の動弁機構64を備えているが、図1ないし図4のオーバーヘッドバルブ方式の動弁機構30を有する4サイクルエンジンで説明したのと同様の効果を得ることができる。すなわち、図9に示す混合気生成装置32から動弁室18および吸気ポート40に導入された混合気Mは吸気弁19が開弁状態となったときに燃焼室44内に吸入されるが、混合気Mの一部は、ピストン9の往復動を利用して、図10の動弁室18、動弁通路24、クランク室7、補助通路41および動弁室18に至る循環通路内を常に矢印で示す順方向に沿って循環させることができるから、循環する混合気Mは循環通路内を殆ど停滞することなく円滑に流動して、混合気Mに含まれる潤滑油が、特に大きな容積を有する動弁室18内に滞留することがない。
【0049】
前記循環通路内を循環する混合気Mに含まれる潤滑油は、動弁室18内の二つのロッカーアーム70,71、吸気カム68および排気カム69を有するカム軸67およびスプリング60からなる弁駆動部78と動弁通路24内の2種のギヤ73,74およびタイミングベルト77からなる伝達部72とを含む動弁機構64やクランク室7内の各部を効果的に潤滑する。また、オールポジョンで使用可能であり、混合気生成装置32からの混合気Mは動弁室18およびこれに連通する吸気ポート40に直接的に導入されるとともに、動弁室18は、比較的大きな容積を有しているから、導入した混合気Mの一部を潤滑用に利用しても内部圧力の変動が少なく、しかも、混合気生成装置32からの混合気Mとクランク室7の各部を潤滑した混合気Mとが動弁室18で混ざり合って、混合気Mの量が増すことで混合気Mの供給が安定するので、吸気効率の低下を招かない。さらに、混合気生成装置32から動弁室18内に供給された新たな混合気Mは、クランク室7内に先立って動弁機構30を冷却するので、動弁機構30の冷却効果が大きい利点がある。
【0050】
上記した第4実施形態において、第1逆止弁38と第2逆止弁42の一方を削減してもよい。逆止弁を1つにすることにより、部品点数が減少し、エンジンの構造が簡単になるため、エンジンの軽量化、および小型化が可能となる。
【0051】
図11は第5実施形態に係る4サイクルエンジンを示す縦断面図、図12は図11のXII-XI線断面図である。この4サイクルエンジンは図8の第3実施形態の変形例であり、第4実施形態の図9および図10のものに比較して、環状の循環通路内を流動する混合気Mの流動方向が逆であることと、図11のピストン9が第1逆止弁38の機能を兼ねる構成が相違するだけで、ほぼ同様に機能して、上述したのとほぼ同様の効果を得ることができるとともに、図8と場合と同様に、第1逆止弁を削減できる利点がある。
【0052】
上記した第5実施形態において、逆止弁42を削減してもよい。逆止弁を削減することにより、部品点数が減少し、エンジンの構造が簡単になるため、エンジンの軽量化、および小型化が可能となる。
【0053】
なお、上記各実施形態では、リードバルブからなる逆止弁38,42を用いて混合気Mの流動方向を規制するようにしたが、リードバルブに代えて、クランク軸8の回転に同期して開閉するロータリバルブを用いることもできる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明の4サイクルエンジンによれば、吸気通路からの混合気を、吸気ポートに連通した動弁室に直接的に導入するとともに、混合気の一部を、ピストンの往復動の利用とこれに伴う逆止弁の開閉動作とにより循環通路内を常に順方向に沿って循環させる構成としたので、混合気を循環通路内に殆ど停滞することなく円滑に流動させることができ、特に大きな容積を有する動弁室に潤滑油が滞留することない。循環通路内を循環する混合気に含まれる潤滑油は、動弁室内の弁駆動部と動弁通路内の伝達部とを含む動弁機構やクランク室内の各部を効果的に潤滑するので、オイルパンが不要となる。また、混合気生成装置からの混合気は吸気通路を通って動弁室および吸気ポートに直接的に導入されるとともに、動弁室は、比較的大きな容積を有しているから、導入した混合気の一部を潤滑用に利用しても内部圧力の変動が少ないので、混合気の燃焼室内への吸気効率の低下を招かない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る4サイクルエンジンの原理を示す概略縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る4サイクルエンジンの具体例を示す縦断面図である。
【図3】図2のIII −III 線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る4サイクルエンジンの原理を示す概略縦断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る4サイクルエンジンの具体例を示す縦断面図である。
【図7】図6のVII −VII 線断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る4サイクルエンジンの原理を示す概略縦断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る4サイクルエンジンの具体例を示す縦断面図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係る4サイクルエンジンを示す縦断面図である。
【図12】図11のXII −XII 線断面図である。
【符号の説明】
4…シリンダヘッド
7…クランク室
8…クランク軸
9…ピストン
18…動弁室
19…吸気弁
20…排気弁
23,78…弁駆動部
24…動弁通路
29,72…伝達部
30,64…動弁機構
33…吸気通路
38…第1逆止弁
40…吸気ポート
41…補助通路
42…第2逆止弁
62…導入口
63…副通路
M…混合気

Claims (4)

  1. シリンダヘッドに設けられて吸・排気弁を駆動する弁駆動部と、クランク軸の回転力を前記弁駆動部に伝達する伝達部とを有する動弁機構を備え、
    前記シリンダヘッドにおける前記弁駆動部を収納した動弁室に、燃料と潤滑油とを含み混合気生成装置で形成される混合気を導入する吸気通路が接続され、
    前記動弁室と吸気弁により開閉される吸気ポートとが連通しており、
    前記伝達部を収納し前記動弁室とクランク室とを接続する動弁通路と、前記クランク室と前記動弁室とを接続する補助通路を備え、
    さらに、前記動弁室、動弁通路、クランク室、補助通路を経て動弁室に至る循環通路に、この順序に従った順方向のみに混合気を通過させる逆止弁を備え
    前記補助通路から前記動弁室に導入された混合気の一部が前記吸気ポートに導入される4サイクルエンジン。
  2. シリンダヘッドに設けられて吸・排気弁を駆動する弁駆動部と、クランク軸の回転力を前記弁駆動部に伝達する伝達部とを有する動弁機構を備え、
    前記シリンダヘッドにおける前記弁駆動部を収納した動弁室に、燃料と潤滑油とを含み混合気生成装置で形成される混合気を導入する吸気通路が接続され、
    前記動弁室と吸気弁により開閉される吸気ポートとが連通しており、
    前記クランク室と前記動弁室とを接続する補助通路と、前記伝達部を収納し前記動弁室とクランク室とを接続する動弁通路を備え、
    さらに、前記動弁室、補助通路、クランク室、動弁通路を経て動弁室に至る循環通路に、この順序に従った順方向のみに混合気を通過させる逆止弁を備え
    前記動弁室内の混合気の一部が補助通路を通ってクランク室内に流入する4サイクルエンジン。
  3. シリンダヘッドに設けられて吸・排気弁を駆動する弁駆動部と、クランク軸の回転力を前記弁駆動部に伝達する伝達部とを有する動弁機構を備え、
    前記シリンダヘッドにおける前記弁駆動部を収納した動弁室に、燃料と潤滑油とを含み混合気生成装置で形成される混合気を導入する吸気通路が接続され、
    前記動弁室と吸気弁により開閉される吸気ポートとが連通しており、
    前記クランク室に連通しピストンにより開閉される導入口がシリンダに設けられ、
    前記導入口と前記動弁室とを接続する副通路と、前記伝達部を収納し前記動弁室とクランク室とを接続する動弁通路を備え、
    前記ピストンの往復動により、前記動弁室、副通路、クランク室、動弁通路を経て動弁室に至る循環通路に、この順序に従った順方向のみに混合気を通過させ
    前記動弁室内の混合気の一部が副通路を通ってクランク室内に流入する4サイクルエンジン。
  4. 請求項3において、さらに、前記循環通路に逆止弁を備えている4サイクルエンジン。
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