JPH06346718A - 4サイクルエンジンの潤滑装置 - Google Patents
4サイクルエンジンの潤滑装置Info
- Publication number
- JPH06346718A JPH06346718A JP13554093A JP13554093A JPH06346718A JP H06346718 A JPH06346718 A JP H06346718A JP 13554093 A JP13554093 A JP 13554093A JP 13554093 A JP13554093 A JP 13554093A JP H06346718 A JPH06346718 A JP H06346718A
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- Japan
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- crank chamber
- valve
- air
- fuel mixture
- carburetor
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- Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 4サイクルエンジンにおいて、潤滑油を含ん
だ混合気をクランク室内を経由させてシリンダ内へ供給
し、混合気中に含まれている潤滑油によってクランク室
内の各部を潤滑する。 【構成】 ピストン6の往復動に伴って圧力が変動する
クランク室4を有する4サイクルエンジンにおいて、シ
リンダ2内に連通された吸気ポート21とクランク室4
とを連通する混合気通路22と、気化器26とクランク
室4又は気化器26と混合気通路22とを連通する吸気
通路27と、クランク室4内の圧力変動に伴って潤滑油
を含んだ混合気が吸気通路27内を通って気化器26側
からクランク室4側へ流れることのみを許容するバルブ
28とを設けた。
だ混合気をクランク室内を経由させてシリンダ内へ供給
し、混合気中に含まれている潤滑油によってクランク室
内の各部を潤滑する。 【構成】 ピストン6の往復動に伴って圧力が変動する
クランク室4を有する4サイクルエンジンにおいて、シ
リンダ2内に連通された吸気ポート21とクランク室4
とを連通する混合気通路22と、気化器26とクランク
室4又は気化器26と混合気通路22とを連通する吸気
通路27と、クランク室4内の圧力変動に伴って潤滑油
を含んだ混合気が吸気通路27内を通って気化器26側
からクランク室4側へ流れることのみを許容するバルブ
28とを設けた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、混合気中に含ませた潤
滑油によってクランク室内や動弁機構の潤滑を行なうよ
うにした4サイクルエンジンの潤滑装置に関する。
滑油によってクランク室内や動弁機構の潤滑を行なうよ
うにした4サイクルエンジンの潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】草刈機等の携帯用作業機は様々な向きに
傾けたオールポジションで運転されるため、このような
携帯用作業機においては燃料と潤滑油とを混合させた混
合燃料を使用する2サイクルエンジンを搭載することが
一般的である。しかし、近年では、排気ガス浄化の必要
性からこのような携帯用作業機においても4サイクルエ
ンジンの搭載が検討されている。ここで、携帯用作業機
に搭載するようにした4サイクルエンジンとしては実開
平4−93707号公報に開示されたものがあり、オイ
ルパンの形状を工夫することによって携帯用作業機を一
定の範囲内で傾けた場合でもオイルパン内に貯留された
潤滑油が漏れ出さないようにしている。
傾けたオールポジションで運転されるため、このような
携帯用作業機においては燃料と潤滑油とを混合させた混
合燃料を使用する2サイクルエンジンを搭載することが
一般的である。しかし、近年では、排気ガス浄化の必要
性からこのような携帯用作業機においても4サイクルエ
ンジンの搭載が検討されている。ここで、携帯用作業機
に搭載するようにした4サイクルエンジンとしては実開
平4−93707号公報に開示されたものがあり、オイ
ルパンの形状を工夫することによって携帯用作業機を一
定の範囲内で傾けた場合でもオイルパン内に貯留された
潤滑油が漏れ出さないようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実開平4−9
3707号公報に開示された4サイクルエンジンを搭載
した携帯用作業機においては、この4サイクルエンジン
が略倒立状態となるように携帯用作業機を傾けた場合に
はオイルパンからの潤滑油の漏れ出しが発生するため、
この携帯用作業機をオールポジションで使用することは
できない。
3707号公報に開示された4サイクルエンジンを搭載
した携帯用作業機においては、この4サイクルエンジン
が略倒立状態となるように携帯用作業機を傾けた場合に
はオイルパンからの潤滑油の漏れ出しが発生するため、
この携帯用作業機をオールポジションで使用することは
できない。
【0004】また、オイルパンは重量物であり、しか
も、このオイルパン内には多量の潤滑油が貯留されてお
り、さらに、動弁系部品による重量増加も加わるため、
同じ排気量の2サイクルエンジンと比べて大幅な重量増
となり、作業者の労力が増大している。
も、このオイルパン内には多量の潤滑油が貯留されてお
り、さらに、動弁系部品による重量増加も加わるため、
同じ排気量の2サイクルエンジンと比べて大幅な重量増
となり、作業者の労力が増大している。
【0005】また、潤滑油の補給、点検、交換等のメン
テナンスが必要であり、取扱上煩雑である。
テナンスが必要であり、取扱上煩雑である。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ピストンの往復動に伴って圧力が変動するクランク室を
有する4サイクルエンジンにおいて、シリンダ内に連通
された吸気ポートと前記クランク室とを連通する混合気
通路と、気化器と前記クランク室又は気化器と前記混合
気通路とを連通する吸気通路とを設け、前記クランク室
内の圧力変動に伴って潤滑油を含んだ混合気が前記吸気
通路内を通って前記気化器側から前記クランク室側へ流
れることのみを許容するバルブを設けた。
ピストンの往復動に伴って圧力が変動するクランク室を
有する4サイクルエンジンにおいて、シリンダ内に連通
された吸気ポートと前記クランク室とを連通する混合気
通路と、気化器と前記クランク室又は気化器と前記混合
気通路とを連通する吸気通路とを設け、前記クランク室
内の圧力変動に伴って潤滑油を含んだ混合気が前記吸気
通路内を通って前記気化器側から前記クランク室側へ流
れることのみを許容するバルブを設けた。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、吸気バルブと排気バルブとを開閉させる動
弁機構を収納した動弁機構収納空間を設け、この動弁機
構収納空間を混合気通路の一部とした。
明において、吸気バルブと排気バルブとを開閉させる動
弁機構を収納した動弁機構収納空間を設け、この動弁機
構収納空間を混合気通路の一部とした。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明では、ピストンの往復動に
伴ってクランク室内の圧力が変動し、クランク室内の圧
力が低下する圧縮行程時においては潤滑油を含んだ混合
気が吸気通路内を通って気化器側からクランク室内へ流
入する。一方、クランク室内の圧力が上昇すると共に吸
気バルブが開弁する吸気行程時においては、クランク室
内の混合気が混合気通路内を通って吸気ポートからシリ
ンダ内へ吸入される。そして、潤滑油を含んだ混合気が
一旦クランク室内へ流入した後にシリンダ内へ吸入され
るため、この混合気中に含まれている潤滑油によってク
ランク室内の各部の潤滑が行なわれる。なお、クランク
室側から気化器側への混合気の逆流がバルブによって防
止される。
伴ってクランク室内の圧力が変動し、クランク室内の圧
力が低下する圧縮行程時においては潤滑油を含んだ混合
気が吸気通路内を通って気化器側からクランク室内へ流
入する。一方、クランク室内の圧力が上昇すると共に吸
気バルブが開弁する吸気行程時においては、クランク室
内の混合気が混合気通路内を通って吸気ポートからシリ
ンダ内へ吸入される。そして、潤滑油を含んだ混合気が
一旦クランク室内へ流入した後にシリンダ内へ吸入され
るため、この混合気中に含まれている潤滑油によってク
ランク室内の各部の潤滑が行なわれる。なお、クランク
室側から気化器側への混合気の逆流がバルブによって防
止される。
【0009】請求項2記載の発明では、シリンダ内へ吸
入される混合気が動弁機構収納空間内を通って流れるた
め、この混合気中に含まれている潤滑油により動弁機構
の潤滑が行なわれる。
入される混合気が動弁機構収納空間内を通って流れるた
め、この混合気中に含まれている潤滑油により動弁機構
の潤滑が行なわれる。
【0010】
【実施例】本発明の第一の実施例を図1に基づいて説明
する。クランクケース1の上部にはシリンダ2が取付け
られ、シリンダ2の上部にはシリンダヘッド3が取付け
られている。前記クランクケース1内に形成されたクラ
ンク室4には軸受(図示せず)により軸支されたクラン
クシャフト5が回転自在に設けられており、このクラン
クシャフト5には前記シリンダ2内を往復動するピスト
ン6がコネクティングロッド7を介して連結されてい
る。また、前記クランク室4内には軸受(図示せず)に
より軸支されたカムシャフト8が回転自在に設けられて
おり、このカムシャフト8の一端に圧入固定されたカム
ギヤ9と前記クランクシャフト5の一端に圧入固定され
たにクランクギヤ10とが噛み合っている。なお、前記
カムギヤ9の歯数が前記クランクギヤ10の歯数の二倍
に設定されており、前記カムシャフト8には後述する吸
気バルブや排気バルブを開閉駆動するための吸気カム1
1と排気カム(図示せず)とが固定されている。
する。クランクケース1の上部にはシリンダ2が取付け
られ、シリンダ2の上部にはシリンダヘッド3が取付け
られている。前記クランクケース1内に形成されたクラ
ンク室4には軸受(図示せず)により軸支されたクラン
クシャフト5が回転自在に設けられており、このクラン
クシャフト5には前記シリンダ2内を往復動するピスト
ン6がコネクティングロッド7を介して連結されてい
る。また、前記クランク室4内には軸受(図示せず)に
より軸支されたカムシャフト8が回転自在に設けられて
おり、このカムシャフト8の一端に圧入固定されたカム
ギヤ9と前記クランクシャフト5の一端に圧入固定され
たにクランクギヤ10とが噛み合っている。なお、前記
カムギヤ9の歯数が前記クランクギヤ10の歯数の二倍
に設定されており、前記カムシャフト8には後述する吸
気バルブや排気バルブを開閉駆動するための吸気カム1
1と排気カム(図示せず)とが固定されている。
【0011】前記シリンダヘッド3の上部にはロッカー
カバー12が取付けられ、このロッカーカバー12内に
動弁機構収納空間13が形成されている。そして、この
動弁機構収納空間13内には、前記シリンダヘッド3に
取付けられた吸気バルブ14や排気バルブ(図示せず)
を閉弁方向へ付勢するスプリング15、吸気バルブ14
や排気バルブを開弁方向へ付勢するロッカーアーム1
6、一端をロッカーアーム16に当接させると共に他端
をタペット17を介して前記吸気カム11や排気カムに
当接させたプッシュロッド18等からなる動弁機構19
が収納されている。なお、前記ロッカーアーム16はア
ジャストスクリュー20によって前記シリンダヘッド3
の上部に揺動自在に取付けられている。
カバー12が取付けられ、このロッカーカバー12内に
動弁機構収納空間13が形成されている。そして、この
動弁機構収納空間13内には、前記シリンダヘッド3に
取付けられた吸気バルブ14や排気バルブ(図示せず)
を閉弁方向へ付勢するスプリング15、吸気バルブ14
や排気バルブを開弁方向へ付勢するロッカーアーム1
6、一端をロッカーアーム16に当接させると共に他端
をタペット17を介して前記吸気カム11や排気カムに
当接させたプッシュロッド18等からなる動弁機構19
が収納されている。なお、前記ロッカーアーム16はア
ジャストスクリュー20によって前記シリンダヘッド3
の上部に揺動自在に取付けられている。
【0012】前記シリンダヘッド3には前記吸気バルブ
14の開弁時にシリンダ2内に連通される吸気ポート2
1と前記排気バルブの開弁時に前記シリンダ2内に連通
される排気ポート(図示せず)とが形成されている。そ
して、前記吸気ポート21と前記クランク室4とを連通
する混合気通路22が形成されており、この混合気通路
22は、前記シリンダ2と前記シリンダヘッド3とに形
成された前記プッシュロッド3を配設するための空間部
23,24と、空間部23とクランク室4とを連通する
連通孔25と、前記動弁機構収納空間13とによって形
成されている。
14の開弁時にシリンダ2内に連通される吸気ポート2
1と前記排気バルブの開弁時に前記シリンダ2内に連通
される排気ポート(図示せず)とが形成されている。そ
して、前記吸気ポート21と前記クランク室4とを連通
する混合気通路22が形成されており、この混合気通路
22は、前記シリンダ2と前記シリンダヘッド3とに形
成された前記プッシュロッド3を配設するための空間部
23,24と、空間部23とクランク室4とを連通する
連通孔25と、前記動弁機構収納空間13とによって形
成されている。
【0013】つぎに、ダイヤフラムポンプを備えると共
に潤滑油を混合した液体燃料と空気とを混合させて潤滑
油を含んだ混合気を形成する気化器26が設けられてお
り、この気化器26が吸気通路27によって前記クラン
ク室4に連通されている。なお、この吸気通路27と前
記クランク室4との接続部には、混合気が気化器26側
からクランク室4側へ流れることのみを許容するバルブ
であるリードバルブ28と、このリードバルブ28の最
大開度を規制するバルブストッパ29とが取付けられて
いる。
に潤滑油を混合した液体燃料と空気とを混合させて潤滑
油を含んだ混合気を形成する気化器26が設けられてお
り、この気化器26が吸気通路27によって前記クラン
ク室4に連通されている。なお、この吸気通路27と前
記クランク室4との接続部には、混合気が気化器26側
からクランク室4側へ流れることのみを許容するバルブ
であるリードバルブ28と、このリードバルブ28の最
大開度を規制するバルブストッパ29とが取付けられて
いる。
【0014】このような構成において、ピストン6が上
昇する圧縮行程時においては、先の吸入行程時において
シリンダ2内へ吸入された混合気が圧縮される。一方、
クランク室4内はピストン6の上昇に伴って負圧状態と
なるためにリードバルブ28が開弁状態となり、気化器
26内で形成された潤滑油を含んだ混合気が吸気通路2
7内を通ってクランク室4内へ流入する。なお、この圧
縮行程時には、吸気バルブ14と排気バルブとが閉弁状
態となっている。
昇する圧縮行程時においては、先の吸入行程時において
シリンダ2内へ吸入された混合気が圧縮される。一方、
クランク室4内はピストン6の上昇に伴って負圧状態と
なるためにリードバルブ28が開弁状態となり、気化器
26内で形成された潤滑油を含んだ混合気が吸気通路2
7内を通ってクランク室4内へ流入する。なお、この圧
縮行程時には、吸気バルブ14と排気バルブとが閉弁状
態となっている。
【0015】つぎに、圧縮された混合気がシリンダ2内
で爆発する爆発行程時においては、吸気バルブ14と排
気バルブとが閉弁状態に維持されると共にピストン6が
下降し、ピストン6の下降に伴ってクランク室4内や動
弁機構収納空間13内及び吸気ポート21内の圧力が上
昇する。なお、クランク室4内の圧力上昇に伴ってリー
ドバルブ28は閉弁状態となり、クランク室4内の高圧
状態となった混合気が気化器26側へ逆流することが防
止される。
で爆発する爆発行程時においては、吸気バルブ14と排
気バルブとが閉弁状態に維持されると共にピストン6が
下降し、ピストン6の下降に伴ってクランク室4内や動
弁機構収納空間13内及び吸気ポート21内の圧力が上
昇する。なお、クランク室4内の圧力上昇に伴ってリー
ドバルブ28は閉弁状態となり、クランク室4内の高圧
状態となった混合気が気化器26側へ逆流することが防
止される。
【0016】燃焼ガスを排出する排気行程時において
は、吸気バルブ14が閉弁状態に維持されると共に排気
バルブが開弁された状態でピストン6が上昇し、シリン
ダ2内の燃焼ガスが排気ポートから大気中へ排出され
る。なお、この爆発行程時においてはピストン6の上昇
に伴ってクランク室4内等が減圧されるが、負圧状態ま
では減圧されないためにリードバルブ28は閉弁状態に
維持される。
は、吸気バルブ14が閉弁状態に維持されると共に排気
バルブが開弁された状態でピストン6が上昇し、シリン
ダ2内の燃焼ガスが排気ポートから大気中へ排出され
る。なお、この爆発行程時においてはピストン6の上昇
に伴ってクランク室4内等が減圧されるが、負圧状態ま
では減圧されないためにリードバルブ28は閉弁状態に
維持される。
【0017】つぎに、吸気バルブ14が開弁されると共
に排気バルブが閉弁されてピストン6が下降する吸入行
程時においては、ピストン6の下降に伴って加圧された
クランク室4内の混合気が混合気通路22と吸気ポート
21とを通ってシリンダ2内へ吸入される。
に排気バルブが閉弁されてピストン6が下降する吸入行
程時においては、ピストン6の下降に伴って加圧された
クランク室4内の混合気が混合気通路22と吸気ポート
21とを通ってシリンダ2内へ吸入される。
【0018】このように、4サイクルエンジンの運転に
伴い、気化器26で形成された潤滑油を含む混合気がク
ランク室4内へ流入すると共に混合気通路22と吸気ポ
ート21とを通ってシリンダ2内へ吸入されるため、ク
ランク室4内の各部や混合気通路22の一部である動弁
機構収納空間13内に収納されている動弁機構19が混
合気中に含まれている潤滑油によって潤滑される。従っ
て、クランク室4内の各部を潤滑するための潤滑油を貯
留するオイルパンが不要となり、この4サイクルエンジ
ンを倒立状態に傾けた場合でも潤滑油の漏れ出しが発生
せず、この4サイクルエンジンを搭載した携帯用作業機
をオールポジションで使用することができる。さらに、
動弁機構19を潤滑するための専用の潤滑機構も不要と
なる。
伴い、気化器26で形成された潤滑油を含む混合気がク
ランク室4内へ流入すると共に混合気通路22と吸気ポ
ート21とを通ってシリンダ2内へ吸入されるため、ク
ランク室4内の各部や混合気通路22の一部である動弁
機構収納空間13内に収納されている動弁機構19が混
合気中に含まれている潤滑油によって潤滑される。従っ
て、クランク室4内の各部を潤滑するための潤滑油を貯
留するオイルパンが不要となり、この4サイクルエンジ
ンを倒立状態に傾けた場合でも潤滑油の漏れ出しが発生
せず、この4サイクルエンジンを搭載した携帯用作業機
をオールポジションで使用することができる。さらに、
動弁機構19を潤滑するための専用の潤滑機構も不要と
なる。
【0019】ここで、潤滑油を貯留するオイルパンが不
要となることにより、この4サイクルエンジンの小型化
と軽量化とを図ることが可能となり、2サイクルエンジ
ンと比較した場合の重量増加が極力抑えられ、メンテナ
ンス等も2サイクルエンジンの場合と同様に簡単にな
る。しかも、オイルパンを設けないためにシリンダ2の
内壁に多量の潤滑油が付着するということがなくなり、
ピストン6にオイルリングを取付けることが不要とな
り、オイルリングが不要となることによってピストン6
の摺動抵抗が低減されると共に出力が向上し、さらに、
往復摺動部の重量低減により振動の発生が低減される。
要となることにより、この4サイクルエンジンの小型化
と軽量化とを図ることが可能となり、2サイクルエンジ
ンと比較した場合の重量増加が極力抑えられ、メンテナ
ンス等も2サイクルエンジンの場合と同様に簡単にな
る。しかも、オイルパンを設けないためにシリンダ2の
内壁に多量の潤滑油が付着するということがなくなり、
ピストン6にオイルリングを取付けることが不要とな
り、オイルリングが不要となることによってピストン6
の摺動抵抗が低減されると共に出力が向上し、さらに、
往復摺動部の重量低減により振動の発生が低減される。
【0020】また、混合気に含まれている潤滑油は少量
ずつがシリンダ2内へ吸入されて燃焼するため、潤滑油
を含んだ混合燃料を使用した2サイクルエンジンの見ら
れるような“吹き抜け”によるマフラからの白煙の発生
が起こらず、排気ガスやスモークの成分はオイルパンを
有する4サイクルエンジンと略同一になる。
ずつがシリンダ2内へ吸入されて燃焼するため、潤滑油
を含んだ混合燃料を使用した2サイクルエンジンの見ら
れるような“吹き抜け”によるマフラからの白煙の発生
が起こらず、排気ガスやスモークの成分はオイルパンを
有する4サイクルエンジンと略同一になる。
【0021】なお、本実施例においては、潤滑油を含ん
だ混合気の形成に関して、潤滑油を混合した液体燃料と
空気とを混合させて形成する場合を例に挙げて説明した
が、気化器26においては燃料と空気とを混合させるこ
とにより潤滑油を含まない混合気を形成し、この混合気
に対して潤滑油を噴霧状に供給することによって潤滑油
を含んだ混合気を形成してもよい。
だ混合気の形成に関して、潤滑油を混合した液体燃料と
空気とを混合させて形成する場合を例に挙げて説明した
が、気化器26においては燃料と空気とを混合させるこ
とにより潤滑油を含まない混合気を形成し、この混合気
に対して潤滑油を噴霧状に供給することによって潤滑油
を含んだ混合気を形成してもよい。
【0022】ついで、本発明の第二の実施例を図2に基
づいて説明する。なお、図1において説明した部分と同
一部分は同一符号で示し、説明も省略する。本実施例
は、気化器26を吸気通路30によって混合気通路22
の一部であるシリンダ2に形成した空間部23に連通さ
せたものである。そして、この吸気通路30と混合気通
路22との接続部には、混合気が気化器26側から混合
気通路22側、即ち、クランク室4側へ流れることのみ
を許容するリードバルブ28とバルブストッパ29とが
取付けられている。
づいて説明する。なお、図1において説明した部分と同
一部分は同一符号で示し、説明も省略する。本実施例
は、気化器26を吸気通路30によって混合気通路22
の一部であるシリンダ2に形成した空間部23に連通さ
せたものである。そして、この吸気通路30と混合気通
路22との接続部には、混合気が気化器26側から混合
気通路22側、即ち、クランク室4側へ流れることのみ
を許容するリードバルブ28とバルブストッパ29とが
取付けられている。
【0023】このような構成において、ピストン6が上
昇する圧縮行程時においては、クランク室4内及び混合
気通路22内が負圧状態となるため、リードバルブ28
が開弁状態となり、気化器26内で形成された潤滑油を
含んだ混合気が吸気通路30内を通って混合気通路22
内及びクランク室4内へ流入する。そして、この潤滑油
を含んだ混合気は、吸気バルブ14が開弁すると共にピ
ストン6が下降する吸入行程時において混合気通路22
と吸気ポート21とを通ってシリンダ2内へ吸入され
る。
昇する圧縮行程時においては、クランク室4内及び混合
気通路22内が負圧状態となるため、リードバルブ28
が開弁状態となり、気化器26内で形成された潤滑油を
含んだ混合気が吸気通路30内を通って混合気通路22
内及びクランク室4内へ流入する。そして、この潤滑油
を含んだ混合気は、吸気バルブ14が開弁すると共にピ
ストン6が下降する吸入行程時において混合気通路22
と吸気ポート21とを通ってシリンダ2内へ吸入され
る。
【0024】従って、混合気中に含まれている潤滑油に
よってクランク室4内の各部や動弁機構19の潤滑を行
なえ、クランク室4内の各部を潤滑する潤滑油を貯留す
るためのオイルパンや、動弁機構19を潤滑するための
専用の潤滑機構が不要となる。
よってクランク室4内の各部や動弁機構19の潤滑を行
なえ、クランク室4内の各部を潤滑する潤滑油を貯留す
るためのオイルパンや、動弁機構19を潤滑するための
専用の潤滑機構が不要となる。
【0025】なお、本実施例においては、気化器26を
混合気通路22の一部であるシリンダ2に形成した空間
部23に連通させた場合を例に挙げて説明したが、シリ
ンダヘッド3に形成した空間部24や動弁機構収納空間
13に連通させてもよく、気化器26の取付位置に関し
て設計の自由度が大きくなる。
混合気通路22の一部であるシリンダ2に形成した空間
部23に連通させた場合を例に挙げて説明したが、シリ
ンダヘッド3に形成した空間部24や動弁機構収納空間
13に連通させてもよく、気化器26の取付位置に関し
て設計の自由度が大きくなる。
【0026】
【発明の効果】請求項1記載の発明は上述のように、ピ
ストンの往復動に伴って圧力が変動するクランク室を有
する4サイクルエンジンにおいて、シリンダ内に連通さ
れた吸気ポートとクランク室とを連通する混合気通路
と、気化器とクランク室又は気化器と混合気通路とを連
通する吸気通路とを設け、クランク室内の圧力変動に伴
って潤滑油を含んだ混合気が吸気通路内を通って気化器
側からクランク室側へ流れることのみを許容するバルブ
を設けたので、ピストンの往復動に伴うクランク室内の
圧力低下時に潤滑油を含んだ混合気が吸気通路内を通っ
てクランク室内へ流入し、さらに、ピストンの往復動に
伴ってクランク室内の圧力が上昇すると共に吸気バルブ
の開弁時にクランク室内の潤滑油を含んだ混合気が混合
気通路内を通って吸気ポートからシリンダ内へ吸入され
るため、混合気中に含まれている潤滑油によってクラン
ク室内の各部の潤滑を行なうことができ、従って、クラ
ンク室内の各部を潤滑するための潤滑油を貯留するオイ
ルパンを設けることが不要になり、この4サイクルエン
ジンを搭載した携帯用作業機をどのような向きに傾けて
も潤滑油の漏れ出しが起こらず、オールポジションで使
用可能な携帯用作業機とすることができ、また、オイル
パンを不要とすることによって4サイクルエンジンの小
型化と軽量化とを図ることができ、しかも、潤滑油に関
するメンテナンスが不要となるために取扱性を向上させ
ることができ、さらに、気化器をクランク室又は混合気
通路のいずれかの箇所に連通させればよく、操作性や設
計上の点で最も有利な箇所に気化器を取付けることがで
きる等の効果を有する。
ストンの往復動に伴って圧力が変動するクランク室を有
する4サイクルエンジンにおいて、シリンダ内に連通さ
れた吸気ポートとクランク室とを連通する混合気通路
と、気化器とクランク室又は気化器と混合気通路とを連
通する吸気通路とを設け、クランク室内の圧力変動に伴
って潤滑油を含んだ混合気が吸気通路内を通って気化器
側からクランク室側へ流れることのみを許容するバルブ
を設けたので、ピストンの往復動に伴うクランク室内の
圧力低下時に潤滑油を含んだ混合気が吸気通路内を通っ
てクランク室内へ流入し、さらに、ピストンの往復動に
伴ってクランク室内の圧力が上昇すると共に吸気バルブ
の開弁時にクランク室内の潤滑油を含んだ混合気が混合
気通路内を通って吸気ポートからシリンダ内へ吸入され
るため、混合気中に含まれている潤滑油によってクラン
ク室内の各部の潤滑を行なうことができ、従って、クラ
ンク室内の各部を潤滑するための潤滑油を貯留するオイ
ルパンを設けることが不要になり、この4サイクルエン
ジンを搭載した携帯用作業機をどのような向きに傾けて
も潤滑油の漏れ出しが起こらず、オールポジションで使
用可能な携帯用作業機とすることができ、また、オイル
パンを不要とすることによって4サイクルエンジンの小
型化と軽量化とを図ることができ、しかも、潤滑油に関
するメンテナンスが不要となるために取扱性を向上させ
ることができ、さらに、気化器をクランク室又は混合気
通路のいずれかの箇所に連通させればよく、操作性や設
計上の点で最も有利な箇所に気化器を取付けることがで
きる等の効果を有する。
【0027】請求項2記載の発明は上述のように、請求
項1記載の発明において、吸気バルブと排気バルブとを
開閉させる動弁機構を収納した動弁機構収納空間を設
け、この動弁機構収納空間を混合気通路の一部としたの
で、混合気中に含まれている潤滑油によって動弁機構の
潤滑を行なうことができ、従って、動弁機構の潤滑を行
なうための専用の潤滑機構を設ける必要がなくなり、4
サイクルエンジンのより一層の小型化と軽量化とを図る
ことができる等の効果を有する。
項1記載の発明において、吸気バルブと排気バルブとを
開閉させる動弁機構を収納した動弁機構収納空間を設
け、この動弁機構収納空間を混合気通路の一部としたの
で、混合気中に含まれている潤滑油によって動弁機構の
潤滑を行なうことができ、従って、動弁機構の潤滑を行
なうための専用の潤滑機構を設ける必要がなくなり、4
サイクルエンジンのより一層の小型化と軽量化とを図る
ことができる等の効果を有する。
【図1】本発明の第一の実施例を示した縦断正面図であ
る。
る。
【図2】本発明の第二の実施例を示した縦断正面図であ
る。
る。
2 シリンダ 4 クランク室 6 ピストン 13 動弁機構収納空間 14 吸気バルブ 19 動弁機構 21 吸気ポート 22 混合気通路 26 気化器 27,30 吸気通路 28 バルブ
Claims (2)
- 【請求項1】 ピストンの往復動に伴って圧力が変動す
るクランク室を有する4サイクルエンジンにおいて、シ
リンダ内に連通された吸気ポートと前記クランク室とを
連通する混合気通路と、気化器と前記クランク室又は気
化器と前記混合気通路とを連通する吸気通路とを設け、
前記クランク室内の圧力変動に伴って潤滑油を含んだ混
合気が前記吸気通路内を通って前記気化器側から前記ク
ランク室側へ流れることのみを許容するバルブを設けた
ことを特徴とする4サイクルエンジンの潤滑装置。 - 【請求項2】 吸気バルブと排気バルブとを開閉させる
動弁機構を収納した動弁機構収納空間を設け、この動弁
機構収納空間を混合気通路の一部としたことを特徴とす
る請求項1記載の4サイクルエンジンの潤滑装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13554093A JPH06346718A (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 4サイクルエンジンの潤滑装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13554093A JPH06346718A (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 4サイクルエンジンの潤滑装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06346718A true JPH06346718A (ja) | 1994-12-20 |
Family
ID=15154175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13554093A Withdrawn JPH06346718A (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 4サイクルエンジンの潤滑装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06346718A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5582145A (en) * | 1995-05-11 | 1996-12-10 | Ishikawajima-Shibaura Machinery Co., Ltd. | Four-stroke-cycle engine |
US5709185A (en) * | 1994-11-29 | 1998-01-20 | Ishikawajima-Shibaura Machinery Co., Ltd. | Lubricating system for four-stroke-cycle engine |
US7096850B2 (en) | 2003-01-14 | 2006-08-29 | Kawasaki Jukogyo Kabushika Kaisha | Four-cycle internal combustion engine |
JP2011231752A (ja) * | 2010-04-30 | 2011-11-17 | Hitachi Koki Co Ltd | 4サイクルエンジンおよびそれを備えたエンジン作業機 |
-
1993
- 1993-06-07 JP JP13554093A patent/JPH06346718A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5709185A (en) * | 1994-11-29 | 1998-01-20 | Ishikawajima-Shibaura Machinery Co., Ltd. | Lubricating system for four-stroke-cycle engine |
US5582145A (en) * | 1995-05-11 | 1996-12-10 | Ishikawajima-Shibaura Machinery Co., Ltd. | Four-stroke-cycle engine |
US7096850B2 (en) | 2003-01-14 | 2006-08-29 | Kawasaki Jukogyo Kabushika Kaisha | Four-cycle internal combustion engine |
JP2011231752A (ja) * | 2010-04-30 | 2011-11-17 | Hitachi Koki Co Ltd | 4サイクルエンジンおよびそれを備えたエンジン作業機 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000905 |