JP2002332817A - 4サイクルエンジンの潤滑装置 - Google Patents

4サイクルエンジンの潤滑装置

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JP2002332817A
JP2002332817A JP2001139566A JP2001139566A JP2002332817A JP 2002332817 A JP2002332817 A JP 2002332817A JP 2001139566 A JP2001139566 A JP 2001139566A JP 2001139566 A JP2001139566 A JP 2001139566A JP 2002332817 A JP2002332817 A JP 2002332817A
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Japan
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oil
chamber
valve
engine
valve chamber
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JP2001139566A
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English (en)
Inventor
Shigemitsu Ayusawa
重光 鮎沢
Toshio Hirabayashi
敏生 平林
Kenji Yokoyama
憲司 横山
Masatake Tanimoto
正剛 谷本
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IHI Shibaura Machinery Corp
Original Assignee
IHI Shibaura Machinery Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンがどのように傾いても、動弁室に溜
まるオイルを少なくし、オイル消費量の増大、排気口か
らの白煙の排気、オイルの早期劣化などを防止し、確実
にエンジン各部を潤滑できるようにする。 【解決手段】 ピストン11の往復動によるクランク室
6の圧力変動に伴なう吸排気の交番作用を利用して動弁
室27を含むエンジン各部にオイル貯留室のオイルを送
油して再びオイル貯留室に還流する4サイクルエンジン
において、クランク室6と動弁室27とを接続する油還
流路の動弁室27側の一端に、動弁室27の底部であっ
て吸気弁28及び排気弁29の近傍に近接して開口する
オイル吸入管61,62を設けた。したがって、エンジ
ンの傾きにより動弁室27の底面が傾いた場合にも、動
弁室27に溜まるオイルをオイル吸入管61,62から
吸引して速やかにオイル貯留室に戻すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に携帯用作業機
等に用いられる4サイクルエンジンの潤滑装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、チェンソー、芝刈り機、草刈り
機等の携帯用作業機に用いられる駆動用エンジンには、
構造が簡単でしかも軽量である等の理由から2サイクル
エンジンが採用されるのが一般的である。ところが、2
サイクルエンジンの場合、大気に放出される排気ガス中
の炭化水素量が多いという問題があり、これが排気ガス
浄化、環境保全を図る上でネックとなっている。これに
対し、4サイクルエンジンの場合は2サイクルエンジン
に比べて排気ガス中の炭化水素量が少なく、大気汚染経
の影響を回避する点で有利である。また低騒音であるこ
とにより作業環境の点でも有利である。このため、最近
では、チェンソー、草刈り機等の携帯用作業機において
も、4サイクルエンジンの採用が検討されている。
【0003】携帯用作業機に搭載される4サイクルエン
ジンの潤滑装置として、特開平11-280446号公報記載の
発明が提案されている。同公報には、エンジンを倒立さ
せたときには動弁室の天井部に溜まったオイルミストを
クランク室に発生する負圧で吸入することが記載されて
いる。しかし、エンジンを倒立まで至らない程度に傾け
た状態では、動弁室の底部における吸気弁及び排気弁の
回りにオイルが溜まることがある。ここに溜まったオイ
ルは吸気弁及び排気弁を閉弁方向に付勢するスプリング
の伸張時にそのスプリングにより跳ね上げられ、吸気弁
及び排気弁とこれらを嵌合支持するバルブガイドとの隙
間からシリンダ内に吸入されてオイル消費量の増大を招
くと共に、これに伴ないオイルが燃焼するために排気口
から白煙が排気され、さらに、排気弁近傍に溜まったオ
イルは高温になりオイルの劣化が早くなる不具合や、エ
ンジン姿勢が急激に変化した時には、溜まったオイルが
ブリーザ装置内に一気に入り、オイルとブローバイガス
とが分離しきれずにブリーザ装置からのオイルの異常吐
出の発生等の不具合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】チェンソー、草刈り機
等は、その用途からして作業姿勢が大きく変化し、これ
に伴いエンジン姿勢も前後、左右、上下逆さまに大きく
変動することになる。よってエンジンがどのように傾い
ても運転可能な4サイクルエンジンが求められる。
【0005】本発明の目的は、エンジンがどのように傾
いても、動弁室内に溜まるオイルを少なくし、オイル消
費量の増大、排気口からの白煙の排気、オイルの早期劣
化、ブリーザ装置からのオイルの異常吐出などを防止
し、確実にエンジン各部を潤滑できる潤滑装置を簡単な
構造で実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
オイルを貯留するオイル貯留室と、クランク軸を収容す
るクランク室と、前記クランク軸に連結されて往復駆動
されるピストンが設けられたシリンダと、前記シリンダ
に設けられた吸気弁及び排気弁を収容する動弁室と、前
記ピストンの往復動による前記クランク室の圧力上昇に
伴なう排気作用により前記動弁室を含むエンジン各部に
前記オイル貯留室のオイルを供給する供給流路と、前記
吸気弁及び前記排気弁の近傍であって前記動弁室の底部
に近接して開口するオイル吸入管が一端に設けられ前記
ピストンの往復動による前記クランク室の圧力低下に伴
なう吸気作用により前記動弁室を含むエンジン各部から
オイルを前記クランク室に還流する油還流路と、を具備
する。
【0007】したがって、エンジンの傾きにより動弁室
の底面が傾いた場合にも、動弁室に溜まるオイルをオイ
ル吸入管から吸引して速やかにオイル貯留室に戻すこと
が可能となる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記オイル吸入管は前記動弁室の底部の周
縁に近接して開口されている。
【0009】したがって、動弁室に溜まるオイルは底部
周縁と側壁とが交わる隅部に集まり易くなるため、オイ
ルをオイル貯留室に効率よく戻すことが可能となる。
【0010】請求項3記載発明は、請求項1又は2記載
発明において、前記動弁室にはブリーザ装置が設けられ
ている。
【0011】したがって、動弁室に溜まるオイルは少量
となることによってブリーザ装置からのオイルの異常吐
出が防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面に基
づいて説明する。図1は4サイクルエンジンの縦断側面
図、図2は4サイクルエンジンの縦断側面図、図3は図
1におけるA−A線部における縦断正面図、図4は図2
におけるB−B線部の縦断側面図、図5は図1における
C−C線部における縦断正面図、図6は動弁室の内部を
示す水平断面図、図7及び図8はブリーザ装置及び動弁
室の内部を示す水平断面図である。
【0013】4サイクルエンジンのエンジン本体1は、
クランクケース2と、その上部に固定されたシリンダブ
ロック3と、このシリンダブロック3に一体に形成され
たシリンダヘッド4と、このシリンダヘッド4の上部に
は取り付けられたロッカーカバー5とを有する。クラン
クケース2は、後述するシリンダ10の中心を境として
クランク軸9の軸心方向に2分割されており、その2分
割された分割クランクケース2a,2bを液状ガスケッ
トを介して一体に結合することにより形成されている。
これらの分割クランクケース2a,2bに囲まれた部分
はクランク室6である。
【0014】このクランク室6内には、軸受7と、片側
をシールした軸受8とにより軸支されたクランク軸9が
設けられ、このクランク軸9には、シリンダブロック3
内に形成されたシリンダ10内を往復摺動するピストン
11がコネクティングロッド12を介して連結されてい
る。さらに、分割クランクケース2bには片側をシール
した軸受8と仕切壁13によりカム室14が形成されて
いる。クランク軸9にはクランクギヤ15が固定されて
いる。また、クランク軸9はその両端部がクランク室6
外へ突出され、クランク軸9が分割クランクケース2
a,2bを貫通する部分にはオイルシール16,17が
取り付けられている。クランク軸9の一端には空冷用冷
却フィン18を有するフライホイール19が固定され、
他端にはエンジン始動用のリコイルスタータプーリ20
が取り付けられている。
【0015】カム室14にはクランクギヤ15に噛合さ
れたカムギヤ21が設けられ、このカムギヤ21には吸
気カムと排気カムを兼ねるカム22が一体に設けられて
いる。カム室14は、シリンダブロック3、分割クラン
クケース2b、カム室カバー23とにより形成されてい
る。カムギヤ21はシリンダブロック3に軸支されたカ
ム軸24により回転自在に支承されている。また、カム
22の回転に同期して回動する一対のカムフォロア25
a,25b(図2、図3参照)がシリンダブロック3に
軸支されたカムフォロア軸26により揺動可能に支持さ
れている。
【0016】シリンダヘッド4の上部におけるロッカー
カバー5により覆われた空間は動弁室27で、この動弁
室27内には、シリンダヘッド4に支持された吸気弁2
8及び排気弁29と、これらを閉弁方向へ付勢するスプ
リング30と、吸気弁28及び排気弁29を開弁方向へ
押圧するロッカーアーム31a,31bとが収納されて
いる(図2ないし図4参照)。
【0017】カム室14と動弁室27とはオイルを供給
する供給流路としての機能を有するプッシュロッド通路
33a,33bにより連通されている。これらのプッシ
ュロッド通路33a,33bには、一端をロッカーアー
ム31a,31bに当接させるとともに他端をカムフォ
ロア25a,25bに当接させたプッシュロッド32
a,32bが収納されている。シリンダヘッド4には、
シリンダ10内の燃焼室へ混合気を供給するための吸気
ポート34と、燃焼室内からの排気ガスを排気するため
の排気ポート35とが形成されている(図5参照)。吸
気ポート34の先端部には気化器36とエアクリーナ3
7とが順次接続され、排気ポート35の先端部にはマフ
ラ38が接続されている(図2参照)。また、シリンダ
10にはスパークプラグ39が取り付けられている。カ
ウリング40は部品を覆い、空冷用冷却フィン18から
発生する冷却風を案内し各部品を冷却するように設けら
れている。
【0018】クランクケース2の下方には、オイルタン
ク41が固定されており、図1、図3に示すように、オ
イルタンク41内には潤滑用のオイルを貯留するオイル
貯留室42が形成されている。このオイル貯留室42と
カム室14との問は、オイル貯留室42内で生成したオ
イルミストをカム室14へ供給する供給流路43により
接続されている。この供給流路43は、一端がオイル貯
留室42内に挿入されている供給流路44に接続され、
他端がカム室14のカム22の摺動面(外周面)22a
の近傍で開口部45として開口されている。
【0019】オイル貯留室42内に挿入された供給流路
44の先端部はオイル貯留室42内の略中央部に配置さ
れている。そして、支軸46が供給流路44とオイルタ
ンク41のキャップ47との間で回動自在に取り付けら
れている。この支軸46には、オイル貯留室42内の空
気をカム室14に供給する空気供給口48と、この空気
供給口48の近傍位置で内径寸法を小さくした絞り部4
9とが形成されている。また、支軸46には、可撓性を
有する可撓性パイプ50が取り付けられ、この可撓性パ
イプ50に接続された通路51は絞り部49と連通さ
れ、この絞り部49で空気とオイルを混合してオイルを
ミスト化するように構成されている。
【0020】可撓性パイプ50の先端部にはオイル吸入
口52が形成され、このオイル吸入口52の外周部には
錘53が固定されている。すなわち、エンジン本体1の
傾きが変化するのに伴って錘53を変位させることによ
り、支軸46を回動させて可撓性パイプ50を撓ませ、
これにより、オイル吸入口52は鉛直方向の最下部とな
るオイル貯留室42の底部に常に移動するので、絞り部
49で生成されたオイルミストが、供給流路43を通り
カム室14に圧送供給されるように構成されている。
【0021】図3に示すように、カム室14側の供給流
路43の開口部45はカム22の摺動面22aに向かっ
て開口され、分割クランクケース2aに設けられたオイ
ル案内壁54とシリンダブロック3に設けられたオイル
案内壁55とで、オイルを案内する壁をカムフォロア2
5a,25bの近傍まで延ばしたことにより、オイル案
内壁54,55とカムフォロア25a,25bとにより
略閉じられた空間56が形成されている。
【0022】そして、カム室14内に供給されたオイル
ミストが、カム室14内の各部を潤滑した後、プッシュ
ロッド通路33a,33bを通り動弁室27に送られる
ものと、カム室14とクランク室6を連通する油還流路
としてのバイパス通路57にと送られるものとに分流さ
れるように構成されている。このときのオイルミストの
流れを図3に矢印で示す。
【0023】具体的には、図4、図5に示すように、動
弁室27とクランク室6との間には、動弁室27内に供
給されたオイルミストを、ブリーザ装置58を介してク
ランク室6内に還流する油還流路59が設けられてい
る。この油還流路59はシリンダブロック3とクランク
ケース2とにより形成され、シリンダ10に連通したシ
リンダ開口部60に接続されている。また、吸気弁28
及び排気弁29の近傍には、ブリーザ装置58から動弁
室27の略底部まで延出したオイル吸入管61,62が
設けられている。具体的には、図5に示すように、吸気
弁28及び排気弁29は動弁室27の底部から突出する
筒状のバルブガイド28a,29aにより摺動自在に嵌
合され、オイル吸入管61,62の下端にはバルブガイ
ド28a,29aの上端より低く動弁室27の底面近く
で開口する開口部61a,62aが形成されている。こ
れらのオイル吸入管61,62は油還流路59に連通さ
れている。
【0024】シリンダ開口部60は、ピストン11の下
降により閉塞され、ピストン11の上昇によりクランク
室6内が負圧となるときに開口される位置に形成されて
いる。そして、このシリンダ開口部60とピストン11
とにより、オイルミストが動弁室27からクランク室6
内に送油されることのみを許容するチェック弁の働きを
する。
【0025】図3に示すように、カム室14とクランク
室6とを連通するバイパス通路57は、カム室14の上
部でプッシュロッド通路33a,33bに接続された開
口部63を一端に有し、他端は油還流路59と同様にシ
リンダ開口部60に連通されている(図4参照)。
【0026】また、カム室14にはカムギヤ21の外周
に沿うオイル案内壁64が設けられ、カム室14のバイ
パス通路57の開口部63と案内壁65とを結ぶオイル
案内通路66が設けられている。案内壁65はカムギヤ
21の略接線方向に沿って設けられている。
【0027】クランク室6とオイルタンク41のオイル
貯留室42との間は、クランク室6内のオイルをオイル
貯留室42内に回収するための回収流路67a,67b
とにより接続されている。これらの回収流路67a,6
7bは、図5に示すように、クランクケース2の上部と
下部の2カ所に形成されている。これらの回収流路67
a,67bは、クランク室6内の圧力変動により開閉
し、オイルミストとクランク室6で発生したブローバイ
ガスとがクランク室6からオイル貯留室42に向けて送
油されることのみを許容するリード弁68を介して接続
されている。このリード弁68は、クランク室6内の圧
力の上昇に伴い開く構造である。オイル貯留室42内に
接続された回収流路67bの先端部はオイル貯留室42
内の略中央部に位置し、この先端部には回収したオイル
ミストをオイル貯留室42内へ戻す戻し孔69(図1、
図3参照)が形成されている。
【0028】オイル貯留室42において、オイルミス
ト、ブローバイガスは常時、油面70より上の空間部に
吐出される。ここで、オイル貯留室42内のオイル量を
規定量以下にすることで、オイル貯留室42内の略中央
部に位置している戻し孔69と空気供給口48とは、エ
ンジン本体1がどのように傾斜しても油面70に浸漬さ
れることがないように構造されている。これにより、エ
ンジン内部を潤滑したオイルの逆流やオイルのみが供給
流路44に侵入することがなく、常にオイルミストの濃
度は一定にすることができる。また、エンジン内部を潤
滑したオイルはオイル貯留室42内に戻され、新たなオ
イルが供給されることになり、オイル交換が良好に行え
る。
【0029】ブリーザ装置58は、ロッカーカバー5の
内部に設けられ、仕切板71とブリーザ72とブリーザ
パイプ73とを有する。ブリーザパイプ73はロッカー
カバー5に設けられ、その一端はブリーザ装置58に接
続され、他端は図2に示すようにエアクリーナ37に接
続されている。排出されたブローバイガスは、エアクリ
ーナ37、気化器36を通り再び燃焼される。
【0030】図1及び図7に示すように、ブリーザ72
は中央部にブローバイガスとオイルを分離する気液分離
室74を有する。この気液分離室74の隅部には、図7
に示すように複数の孔75が開口されている。また、ブ
リーザ72に設けた溝72aと仕切板71とにより複数
の通路76が形成され、これらの通路76は隅部に延出
されて仕切板71に開けられた複数の孔77に通じてい
る。通路76は全てクランク室6に連通する油還流路5
9に連通されている。
【0031】また、ブリーザ72の仕切板71とロッカ
ーカバー5との間には、エンジン本体1を倒立したとき
にオイルを溜める天井部室78が形成されている。この
天井部室78にもオイルを流す複数の溝79が形成され
(図8参照)、これらの溝79も仕切板71に開けられ
た複数の孔77によりブリーザ72に通じている。
【0032】このような構成において、4サイクルエン
ジンの運転時には、ピストン11の上昇に伴ってクラン
ク室6内は強い負圧が発生し、シリンダ開口部60が開
口される。これにより、動弁室27内のブリーザ装置5
8からオイルミストが油還流路59内を通り、シリンダ
開口部60、シリンダ10を経てクランク室6内に吸入
される。また、カム室14の開口部63(図3参照)か
らもバイパス通路57を通りオイルミストがシリンダ開
口部60、シリンダ10を経てクランク室6内に吸入さ
れる。このときのオイルミストの流れを図5において矢
印で示す。
【0033】ピストン11の下降行程において、その下
降に伴ってクランク室6内の圧力が上昇したときには、
リード弁68が開弁し、クランク室6からオイルミスト
が回収流路67a,67bを通ってオイル貯留室42に
吐出されオイルが回収される。この回収流路67a,6
7bは、クランク室6の上部と下部の2カ所に設けられ
ており、エンジン本体1が倒立状態でも回収流路67
a,67bから回収でき、クランク室6内にオイルが溜
まらないようにしている。同時にオイル貯留室42の圧
力が上昇するため、オイル貯留室42内の空気が支軸4
6の絞り部49を通ることで絞り部49に負圧が発生
し、可撓性パイプ50からオイルが吸い上げられ、絞り
部49で空気とオイルとが混合されオイルをミスト化す
る。生成されたオイルミスト及びブローバイガスは、供
給流路43,44を通じてカム室14に圧送供給され
る。
【0034】カム室14に圧送供給されたオイルミスト
及びブローバイガスは、図3に矢印をもって示すよう
に、カム22、カムギヤ21、クランクギヤ15を潤滑
しプッシュロッド通路33a,33bを通り動弁室27
内に供給される。動弁室27内に供給されたオイルミス
トは動弁室27内の各部を潤滑した後、ピストン11の
上昇によってクランク室6に強い負圧が発生し、チェッ
ク弁として機能するシリンダ開口部60が開いたとき
に、図5に矢印をもって示すように、オイルミストはブ
リーザ装置58、油還流路59、シリンダ開口部60、
シリンダ10を経由してクランク室6に吸入される。こ
の時一部のオイルミストは、カム室14、バイパス通路
57、シリンダ開口部60、シリンダ10を経由してク
ランク室6内へ供給される。以上がエンジン全体のオイ
ルミストの流れである。
【0035】ここで、動弁室27内のオイルミストの流
れを説明する。ピストン11の上昇によってクランク室
6に強い負圧が発生したとき、前述のようにシリンダ開
口部60が開き、油還流路59、ブリーザ装置58に負
圧がかかる。ブリーザ装置58に連通されている通路7
6及び溝79、オイル吸入管61,62にも負圧がかか
る。動弁室27内に供給されたオイルミストの一部は動
弁室27内の各部を潤滑して液化し、動弁室27底部に
溜まる。また一部のオイルミストはブローバイガスと共
に孔75を通り気液分離室74に入り、ここでブローバ
イガスとオイルとに分離される。分離されたブローバイ
ガスはブリーザパイプ73を通りエアクリーナ37へと
排出される。負圧が働いている動弁室27の略底部まで
延出したオイル吸入管61,62が、動弁室27の底部
に溜まったオイルを吸入し油還流路59に吸い上げられ
る。ブリーザ装置58の複数の通路76は動弁室27に
向けて開口しているが、クランク室6の負圧が充分に大
きいこと、総開口面積を調整することで複数の通路76
から吸い上げが可能となる。
【0036】エンジンが左右に傾斜した場合、その傾斜
加減によりオイルは天井部室78に流出する。この場
合、天井部室78内のオイルは隅に開けられた孔77か
ら吸い上げられる。
【0037】さらに、本実施の形態ではオイル吸入管6
1,62は動弁室27の底部の周縁に近接して開口され
ているので、動弁室27に溜まるオイルは底部周縁と側
壁とが交わる隅部に集まり易くなるため、オイル貯留室
に効率よく戻すことができる。
【0038】エンジン本体1が倒立状態の時を説明する
と、オイルは最下部の天井部室78に流れ落ちて溜まる
が、仕切板71の孔77の最下部に位置した孔77から
吸い上げられ通路76に入り油還流路59からクランク
室6に吸い上げられる。以上によりエンジン本体1がど
のように傾斜しても、動弁室27にはオイルが大量に溜
まることがなくなる。
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、クランク
室の圧力低下に伴なう吸気作用により動弁室を含むエン
ジン各部からオイルをクランク室に還流する油還流路
は、吸気弁及び排気弁の近傍であって動弁室の底部に近
接して開口するオイル吸入管が一端に設けられているの
で、エンジンの傾きにより動弁室の底面が傾いた場合に
も、動弁室に溜まるオイルをオイル吸入管から吸引して
速やかにクランク室に戻すことができるため、動弁室に
溜まるオイルは少量となり、エンジン姿勢が前後左右に
傾いても、オイル消費量の増大、排気口からの白煙の排
気、オイルの早期劣化を防止することを満足した上で、
確実にエンジン各部を潤滑してオイルをオイル貯留室に
戻すことができる。
【0040】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明において、オイル吸入管は動弁室の底部の周縁
に近接して開口されているので、動弁室に溜まるオイル
は底部周縁と側壁とが交わる隅部に集まり易くなるた
め、オイルをオイル貯留室に効率よく戻すことができ、
したがって、さらに動弁室に溜まるオイルは少量とな
る。
【0041】請求項3記載発明によれば、請求項1又は
2記載発明において、動弁室にはブリーザ装置が設けら
れているので、動弁室に溜まるオイルは少量となること
によってブリーザ装置からのオイルの異常吐出を防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における4サイクルエン
ジンの縦断側面図である。
【図2】4サイクルエンジンの縦断側面図である。
【図3】図1におけるA−A線部における縦断正面図で
ある。
【図4】図2におけるB−B線部の縦断側面図である。
【図5】図1におけるC−C線部における縦断正面図で
ある。
【図6】動弁室の内部を示す水平断面図である。
【図7】ブリーザ装置及び動弁室の内部を示す水平断面
図である。
【図8】ブリーザ装置及び動弁室の内部を示す水平断面
図である。
【符号の説明】
6 クランク室 9 クランク軸 10 シリンダ 11 ピストン 27 動弁室 28 吸気弁 29 排気弁 33a,33b 供給流路 42 オイル貯留室 57 油還流路 58 ブリーザ装置 59 油還流路 61,62 オイル吸入管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 憲司 長野県松本市石芝1丁目1番1号 石川島 芝浦機械株式会社松本工場内 (72)発明者 谷本 正剛 長野県松本市石芝1丁目1番1号 石川島 芝浦機械株式会社松本工場内 Fターム(参考) 3G013 AA04 AB03 BA04 BB12 BC11 BD02 BD04 BD46 BD47 CA01 CA05 3G015 AA04 AB03 BD11 BD25 BE05 BE11 BF04 BF08 CA01 CA05 CA06 CA07 DA10 EA14 EA25

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイルを貯留するオイル貯留室と、 クランク軸を収容するクランク室と、 前記クランク軸に連結されて往復駆動されるピストンが
    設けられたシリンダと、 前記シリンダに設けられた吸気弁及び排気弁を収容する
    動弁室と、 前記ピストンの往復動による前記クランク室の圧力上昇
    に伴なう排気作用により前記動弁室を含むエンジン各部
    に前記オイル貯留室のオイルを供給する供給流路と、 前記吸気弁及び前記排気弁の近傍であって前記動弁室の
    底部に近接して開口するオイル吸入管が一端に設けられ
    前記ピストンの往復動による前記クランク室の圧力低下
    に伴なう吸気作用により前記動弁室を含むエンジン各部
    からオイルを前記クランク室に還流する油還流路と、を
    具備する4サイクルエンジンの潤滑装置。
  2. 【請求項2】 前記オイル吸入管は前記動弁室の底部の
    周縁に近接して開口されている請求項1記載の4サイク
    ルエンジンの潤滑装置。
  3. 【請求項3】 前記動弁室にはブリーザ装置が設けられ
    ている請求項1又は2記載の4サイクルエンジンの潤滑
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007263069A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Makita Numazu Corp 携帯型4サイクルエンジン及びこれを搭載した作業機
JP2012026347A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Makita Corp 4サイクルエンジンの潤滑装置

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JP2007263069A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Makita Numazu Corp 携帯型4サイクルエンジン及びこれを搭載した作業機
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