JP4458727B2 - ハンドヘルド型四サイクルエンジンのブリーザ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,主としてトリマその他の携帯型作業機の動力源として使用されるハンドヘルド型四サイクルエンジンに関し,特に,シリンダヘッドに結合されて,それとの間に動弁機構を収容する動弁室を画成するヘッドカバーに,動弁室から導入したオイルを含むブローバイガスの気液分離を行って,そのオイルを油溜めに戻すと共に,ブローバイガスを外部に導出するブリーザ室を形成したハンドヘルド型四サイクルエンジンのブリーザ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝるエンジンのブリーザ装置は,例えば特開平5−33637号公報に開示されるように,既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
エンジンのブリーザ装置において,ブリーザ室の気液分離機能を高めるには,ブリーザ室の容積を拡大することが有効であるが,従来のブリーザ装置でブリーザ室の容積を拡大しようとすると,ヘッドカバー自体を大型化する必要があり,エンジンの肥大化を招くことになる。
【0004】
本発明は,かゝる点に鑑みてなされたもので,ヘッドカバーの大型化を伴うことなく,気液分離機能を向上させ得るようにした,前記エンジンのブリーザ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,シリンダヘッドに結合されて,それとの間に動弁機構を収容する動弁室を画成するヘッドカバーに,動弁室から導入したオイルを含むブローバイガスの気液分離を行って,そのオイルを油溜めに戻すと共に,ブローバイガスを外部に導出するブリーザ室を形成した,ハンドヘルド型四サイクルエンジンのブリーザ装置において,ブリーザ室(の下方の動弁室内にプリブリーザ室を配設し,このプリブリーザ室を第1連通孔を介してブリーザ室に,また第2連通孔を介して動弁室にそれぞれ連通し,ブリーザ室及びプリブリーザ室間に,エンジンの運転中ブリーザ室及び動弁室よりも低圧に保たれる油溜めに連通するオイル回収室を設け,このオイル回収室を,ブリーザ室の天井面近傍に開口するオリフィスとブリーザ室の底面に開口するオリフィスとを介してブリーザ室に連通すると共に,動弁室の天井面に開口するオリフィスと動弁室の底面近傍に開口するオリフィスとを介して動弁室に連通したことを第1の特徴とする。
【0006】
この第1の特徴によれば,動弁室内のブローバイガスを,プリブリーザ室及びブリーザ室での2段階に亘る膨張作用をもって効果的に気液分離して,オイルを殆ど含まないブローバイガスを外部に導出することができ,したがって,オイルの無用な消費を抑えることができる。しかも,プリブリーザ室は,ブリーザ室下方の動弁室に配設されることで,ヘッドカバー内のブリーザ室の容積を拡大せずに済み,ヘッドカバーの大型化を回避することができる。
【0007】
また,エンジンの運転中ブリーザ室及び動弁室よりも低圧に保たれる油溜めに連通するオイル回収室を,ブリーザ室の天井面近傍に開口するオリフィスとブリーザ室の底面に開口するオリフィスとを介してブリーザ室に連通すると共に,動弁室の天井面に開口するオリフィスと動弁室の底面近傍に開口するオリフィスとを介して動弁室に連通しているので,エンジンが正立状態で運転されるときは,ブリーザ室で液化してその底部に溜まったオイルや動弁室の底部に溜まったオイルを,ブリーザ室の底面に開口するオリフィスや動弁室の底面近傍に開口するオリフィスを介してオイル回収室へ吸い上げ,エンジンEが倒立状態で運転されるときは,ブリーザ室や動弁室の天井側に溜まったオイルを,ブリーザ室の天井面近傍に開口するオリフィスや動弁室の天井面に開口するオリフィスを介してオイル回収室へ吸い上げて,それぞれ油溜めに還流させることができる。
【0008】
また本発明は,第1の特徴に加えて,動弁室に吸気及び排気弁を開閉駆動する吸気及び排気ロッカアームと,この該吸気及び排気ロッカアームを支持する吸気及び排気ロッカ軸とを収容し,該吸気及び排気ロッカ軸を互いに離間して配置して,それらの間にプリブリーザ室を配設したことを第2の特徴とする。
【0009】
この第2の特徴によれば,動弁機構の吸気及び排気ロッカ軸間のデッドスペースをプリブリーザ室の配設に有効に利用することができる。
【0010】
尚,前記動弁室,動弁機構の構成部材,油溜めは,後述する本発明の実施例中の第2動弁室21b,ロッカ軸31i,31e,オイルタンク40にそれぞれ対応する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明のハンドヘルド型四サイクルエンジンの一使用例を示す斜視図,図2は上記四サイクルエンジンの縦断側面図,図3は図2の3−3線断面図,図4は図2の4−4線断面図,図5は図2の要部拡大断面図,図6は図5の要部分解図,図7は図4の7−7線断面図,図8は図4の8−8線断面図,図9は図5の9−9矢視図,図10は図8の10−10線断面図,図11は図5の11−11線断面図,図12は上記エンジンの潤滑経路図,図13は上記エンジンの倒立状態を示す,図4との対応図,図14は同エンジンの横倒し状態を示す,図4との対応図である。
【0013】
図1に示すように,ハンドヘルド型四サイクルエンジンEは,例えば動力トリマTの動力源として,その駆動部に取付けられる。動力トリマTは,その作業状態によりカッタCを色々の方向に向けて使用されるので,その都度エンジンEも大きく傾けられ,あるいは逆さにされ,その運転姿勢は一定しない。
【0014】
先ず,このハンドヘルド型四サイクルエンジンEの外周りの構造について図2及び図3により説明する。
【0015】
ハンドヘルド型四サイクルエンジンEのエンジン本体1には,その前後に気化器2及び排気マフラ3がそれぞれ取付けられ,気化器2の吸気道入口にはエアクリーナ4が装着される。またエンジン本体1の下面には合成樹脂製の燃料タンク5が取付けられる。クランク軸13は,エンジン本体1と,このエンジン本体1の一側に隣接したオイルタンク40との両外側方に両端部を突出させており,その一端部に固着した被動部材84に伝動,連結可能なリコイル式スタータ42がオイルタンク40の外側面に取付けられる。
【0016】
クランク軸13の他端部にはフライホイールを兼ねる冷却ファン43が固着される。この冷却ファン43の外側面には,複数の取付けボス46(図2には,そのうちの1個を示す)が形成されており,この各取付けボス46に遠心シュー47が揺動自在に軸支される。この遠心シュー47は,後述する駆動軸50に固着されるクラッチドラム48と共に遠心クラッチ48を構成するもので,クランク軸13の回転数が所定値を超えると,遠心シュー47が,それ自体の遠心力によりクラッチドラム48の内周壁に圧接して,クランク軸13の出力トルクを駆動軸50に伝達するようになる。この遠心クラッチ48よりも,冷却ファン43は大径になっている。
【0017】
エンジン本体1及び,燃料タンク40を除く付属機器を覆うエンジンカバー51は,エンジン本体1の適所に固着され,このエンジンカバー51と燃料タンク5との間に冷却風取り入れ口19が設けられる。したがって,冷却ファン43の回転により,この冷却風取り入れ口19から外気が取り入れられ,エンジンE各部の冷却に供される。
【0018】
エンジンカバー51には,クランク軸6と同軸に並ぶ円錐台状の軸受ホルダ58が固着され,この軸受ホルダ58は,前記カッタCを回転駆動する駆動軸50をベアリング59を介して支持する。
【0019】
而して,エンジン本体1を間に置いて,一側にオイルタンク40及びスタータ42,他側に冷却ファン43及び遠心クラッチ49がそれぞれ配置されるので,エンジンEの左右の重量バランスが良好で,エンジンEの重心をエンジン本体1の中心部に近づけることができ,エンジンEの取り回し性が良好となる。
【0020】
またエンジン本体1と遠心シュー47との間において,遠心シュー47より大径の冷却ファン43がクランク軸13に固着されるので,冷却ファン43によるエンジンEの大型化を極力回避することができる。
【0021】
次に,エンジン本体1及びオイルタンク40の構造について説明する。
【0022】
図2〜図5において,エンジン本体1は,クランク室6aを有するクランクケース6,一つのシリンダボア7aを有するシリンダブロック7,並びに燃焼室8a及び該室8aに開口する吸,排気ポート9,10を有するシリンダヘッド8からなっており,シリンダブロック7及びシリンダヘッド8の外周には多数の冷却フィン38が形成される。
【0023】
クランク室6aに収容されるクランク軸13は,クランクケース6の左右両側壁にボールベアリング14,14′を介して回転自在に支承される。その際,左側のボールベアリング14はシール付きとされ,右側のボールベアリング14′の外側にはオイルシール17が隣接して配設される。クランク軸13には,従来普通のように,シリンダボア7aに嵌装されたピストン15がコンロッド16を介して連接される。
【0024】
クランクケース6の左側壁には,その外側に隣接するオイルタンク40が一体に連設され,このオイルタンク40をクランク軸13のシール付きボールベアリング14側の端部が貫通するように配置される。そして,クランク軸13に貫通される,オイルタンク40の外側壁にはオイルシール39が装着される。
【0025】
オイルタンク40の天井壁には,それを貫通するように上下に延びると共に上下両端を開放した偏平断面のベルト案内筒86が一体に連設される。このベルト案内筒86の下端は,オイルタンク40内のクランク軸13近傍まで延びており,またその上端部は,シリンダヘッド8と隔壁85を共有するように,シリンダヘッド8に一体に連設される。シリンダヘッド8及びベルト案内筒86の上端周縁には,一連の環状シールビード87が形成され,隔壁85は,このシールビード87より上方に突出している。
【0026】
一方,図6,図9及び図11に示すように,ヘッドカバー36の下端面には,上記シールビード87に対応する環状シール溝88aが,また該カバー36の内面には,環状シール溝88aの両側部間を連通する線状シール溝88bがそれぞれ形成され,環状シール溝88aには環状パッキン89aが装着され,線状シール溝88bには,環状パッキン89aと一体成形された線状パッキン89bが装着される。そして,環状パッキン89aにはシールビード87が,線状パッキン89bには隔壁85がそれぞれ圧接するように,ヘッドカバー36はシリンダヘッド8にボルト37により結合される。
【0027】
而して,ベルト案内筒86とヘッドカバー36の一半部とで第1動弁室21aが,またシリンダヘッド8とヘッドカバー36の他半部とで第2動弁室21bがそれぞれ画成され,両動弁室21a,21bは前記隔壁85によって仕切られる。
【0028】
再び図2〜図5において,エンジン本体1及びオイルタンク40は,クランク軸13の軸線を通り且つシリンダボア7aの軸線と直交する平面で,上部ブロックBaと下部ブロックBbとに2分割される。即ち,上部ブロックBaは,クランクケース6の上半部,シリンダブロック7,シリンダヘッド8,オイルタンク40の上半部及びベルト案内筒86を一体に連ねて構成され,下部ブロックBbは,クランクケース6の下半部と,オイルタンク40の下半部とを一体に連ねて構成されるもので,これら上部及び下部ブロックBa,Bbは個別に鋳造され,各部を加工された後,複数のボルト12(図4参照)により相互に結合される。
【0029】
シリンダヘッド8には,吸気ポート9及び排気ポート10をそれぞれ開閉する吸気弁18i及び排気弁18eがシリンダボア7aの軸線と平行に設けられ,また点火栓20が,その電極を燃焼室8aの中心部に近接させて螺着される。
【0030】
次に,上記吸気弁18i及び排気弁18eを開閉駆動する動弁機構22について,図3〜図7により説明する。
【0031】
動弁機構22は,オイルタンク40内から前記第1動弁室21aにわたり配設される調時伝動装置22aと,前記第1動弁室21aから第2動弁室21bにわたり配設されるカム装置22bとで構成される。
【0032】
調時伝動装置22aは,オイルタンク40内のクランク軸13に固設した駆動プーリ23と,ベルト案内筒86の上部に回転自在に軸支される被動プーリ24と,これら駆動及び被動プーリ23,24間に巻き掛けたタイミングベルト25とからなっており,被動プーリ24の,隔壁85側の端面には,カム装置22bの一部をなすカム26が一体に結合されている。駆動及び被動プーリ23,24は歯付きであり,駆動プーリ23はベルト25を介して被動プーリ24を2分の1の減速比をもって駆動するようになっている。
【0033】
ベルト案内筒86の外側壁には,環状のシールビード87の内側で起立してヘッドカバー36の内面に当接もしくは近接する支持壁27が一体に形成されており,この支持壁27に設けた貫通孔28aと,隔壁85に設けた底付き孔28bにより支軸29の両端部が回転自在に支持され,この支軸29の中間部で前記被動プーリ24及びカム26が回転自在に支承される。支軸29は,ヘッドカバー36の取り付け前に,貫通孔28aから,被動プーリ24及びカム26の軸孔35,底付き孔28bへと挿入されるもので,その挿入後,ヘッドカバー36をシリンダヘッド8及びベルト案内筒86に接合すると,ヘッドカバー36の内面が支軸29の外端に対向して,その抜け止めを果たすようになっている。
【0034】
隔壁85には,シリンダヘッド8から第2動弁室21b側に起立して支軸29と平行に延びる一対の軸受ボス30i,30eの各一端が一体に結合されており,これら軸受ボス30i,30eによってカム装置22bの吸気ロッカ軸31i及び排気ロッカ軸31eがそれぞれ回転自在に支承される。即ち,カム装置22bは,前記カム26と,上記吸気ロッカ軸31i及び排気ロッカ軸31eと,第1動弁室21aでこれらロッカ軸31i,31eの一端にそれぞれ固着されてカム26の下面に先端を摺接させる吸気カムフォロワ32i及び排気カムフォロワ32eと,第2動弁室21bで吸気及び排気ロッカ軸31i,31eの他端にそれぞれ固着されて先端部を吸気弁18i及び排気弁18eの上端に当接させる吸気ロッカアーム33i及び排気ロッカアーム33eと,吸気弁18i及び排気弁18eにそれぞれ装着されて,それらを閉弁方向に付勢する吸気ばね34i及び排気ばね34eとから構成される。
【0035】
而して,クランク軸13の回転時,それと共に回転する駆動プーリ23がベルト25を介して被動プーリ24及びカム26を回転すると,そのカム26が吸気及び排気カムフォロワ32i,32eを適時揺動させ,それらの揺動は,各対応するロッカ軸31i,31eを介して吸気及び排気ロッカアーム33i,33eに伝達して,それらを揺動させるので,吸気及び排気ばね34i,34eとの協働により,吸気及び排気弁18i,18eを適時開閉することができる。
【0036】
調時伝動装置22aにおいて,被動プーリ24及びカム26は支軸29に回転自在に支承され,またその支軸29も第1動弁室21aの両側壁に回転自在に支承されるので,被動プーリ24及びカム26の回転中は,摩擦により引きずられて支軸29も回転することなり,被動プーリ24及びカム26と支軸29との回転速度差が減少し,回転摺動部の摩耗の低減を図ることができ,耐久性の向上に寄与し得る。
【0037】
次に,図3〜図14によりエンジンEの潤滑系及びブリーザ系について説明する。
【0038】
図4及び図5において,オイルタンク40には,給油口40aから注入された規定量の潤滑用オイルOが貯留される。このオイルタンク40内において,クランク軸13には,前記駆動プーリ23を挟んで軸方向に並ぶ一対のオイルスリンガ56a,56bが圧入等により固着される。これらオイルスリンガ56a,56bは,互いに正反対の半径方向を向くと共に,互いに先端を軸方向に離反させるように屈曲しており,クランク軸13により回転駆動されると,エンジンEの如何なる運転姿勢でも,両オイルスリンガ56a,56bの少なくとも一方がオイルタンク40内に貯留オイルOを攪拌,飛散させ,オイルミストを生成するようになっている。このとき,発生したオイル飛沫は,第1動弁室21aからオイルタンク40内に露出した調時伝動装置22aの一部に振り掛かったり,第1動弁室21aに進入したりして,調時伝動装置22aを直接潤滑するようになっており,これが一つの潤滑系統である。
【0039】
もう一つの潤滑系統は,図3〜図5及び図12に示すように,オイルタンク40の内部とクランク室6aとの間を連通すべくクランク軸13に設けられた通孔55と,クランク室6aから第2動弁室21bにオイルミストを誘導するオイル送り導管60と,第2動弁室21bに溜まった油滴を吸い上げるべくシリンダヘッド8に設けられるオイル回収室74と,このオイル回収室74を第1動弁室21aを介してオイルタンク40に連通すべくシリンダヘッド8及びオイルタンク40間に形成されるオイル戻し通路78と,クランク室6aの下部に設置されてクランク室6aからオイル送り導管60への一方向のみオイルミストの流れを許容する一方向弁61とを備える。
【0040】
前記通孔55のオイルタンク40内への開口端55aは,エンジンEの如何なる姿勢でも,常に,オイルタンク40内のオイルOの液面上に露出しているように,該タンク40内の中心部もしくはその近傍に配置される。クランク軸13の固着される駆動プーリ23と一方のオイルスリンガ56aは,上記開口端55aを塞がないように,開口端55aを間に置いて配置される。
【0041】
前記一方向弁61(図3参照)は,図示例ではリード弁から構成され,ピストン15の往復運動に伴いクランク室6aが負圧になったとき閉弁し,正圧になったとき開弁するようになっている。
【0042】
オイル送り導管60の下端部は,クランクケース6の外側面に突設された下部接続管62a(図3参照)に,またその上端部は,シリンダヘッド8の外側面に突設された上部接続管62b(図4及び図8参照)にそれぞれ嵌め込まれて接続される。上部接続管62bの内部は,シリンダヘッド8の連通路63(図8及び図10参照)を介して第2動弁室21bに連通する。
【0043】
図5,図6,図9及び図11に示すように,ヘッドカバー36に仕切り体65が配設される。この仕切り体65は,ヘッドカバー36の天井面との間にブリーザ室69を画成する合成樹脂製の上部仕切り板65aと,この上部仕切り板65aの下面に溶着又は接着により接合されて,それとの間に偏平なオイル回収室74を画成する合成樹脂製の下部仕切り板65bとで構成される。この仕切り体65のヘッドカバー36への取り付けに当たっては,上部仕切り板65aの周縁部をヘッドカバー36内周面の段部に当接させると共に,上部仕切り板65aを貫通する,ヘッドカバー36の突起66にクリップ67を係止して,上部仕切り板65aを押さえる。上記ブリーザ室69での気液分離を促進するために,迷路壁72がヘッドカバー36の天井壁内面に突設される。
【0044】
下部仕切り板65bと,シリンダヘッド8の上面との間にプリブリーザ室69′が設けられる。即ち,プリブリーザ室69′の底壁及び天井壁はシリンダヘッド8及び下部仕切り板65bで構成され,その4面の側壁は,一方の軸受ボス30i又は30eと,前記隔壁85と,シリンダヘッド8の上面から立ち上がって上記軸受ボス30i又は30e及び隔壁85に連結するL字状の隔壁98とで構成される。その際,プリブリーザ室69′の容積を極力広くすべく下部仕切り板65bの下面のプリブリーザ室69′に臨む部分に凹部99が形成される。またこの凹部99の開口周縁部には,プリブリーザ室69′の内周面に嵌合する位置決め壁94が形成される。こうしてプリブリーザ室69′は,ブリーザ室69の直下の第2動弁室21bにおいて,動弁機構22の構成部材たる一対のロッカ軸31i,31e間に配設される。
【0045】
このプリブリーザ室69′は,隔壁98に設けられた切欠き状の第1連通孔71aを介して第2動弁室21bと連通すると共に,上部及び下部仕切り板65a,65bを貫通する第2連通孔71bを介してブリーザ室69と連通する。一方,ブリーザ室69はブリーザパイプ70を介して前記エアクリーナ4内に連通される。
【0046】
下部仕切り板65bには,互いに離れた箇所で前記オイル回収室74に連通する複数本(図示例では2本)の吸い上げ管75が一体に突設される。これら吸い上げ管75は,各先端を第2動弁室21bの底面近傍まで延ばしており,それらの各先端開口部がオリフィス75aとなっている。
【0047】
また上部仕切り板65aにも,互いに離れた箇所でオイル回収室74に連通する複数本(図示例では3本)の吸い上げ管76が一体に突設される。これら吸い上げ管76は,各先端をブリーザ室69の天井面近傍まで延ばしており,それらの先端開口部がオリフィス76aとなっている。
【0048】
さらに動弁室21bの天井面となる下部仕切り板65b及びブリーザ室69の底面となる上部仕切り板65aには,第2動弁室21b及びブリーザ室69をそれぞれオイル回収室74に連通させる複数のオリフィス80,83がそれぞれ穿設される。
【0049】
このようにしてオイル回収室74は,ブリーザ室69の天井面近傍に開口するオリフィス76aとブリーザ室69の底面に開口するオリフィス83とを介してブリーザ室69に連通し,動弁室21bの天井面に開口するオリフィス80と動弁室21bの底面近傍に開口するオリフィス75aとを介して動弁室21bに連通する。
【0050】
下部仕切り65bには,オイル回収室74に開口する1本の戻し管81が一体に突設される。この戻し管81の先端部はプリブリーザ室69′を貫通して,シリンダヘッド8に設けられた前記オイル戻し通路78の入口78aにグロメット82を介して嵌合され,オイル回収室74に回収されたオイルをオイル戻し通路78へ誘導するようになっている。
【0051】
また戻し管81には,プリブリーザ室69′の下部に連通するオリフィス状の戻し孔90が穿設され,プリブリーザ室69′に溜まったオイルもオイル戻し通路78へ流出するようになっている。
【0052】
さて,上記潤滑系及びブリーザ系の作用について説明する。ブリーザ室69は,ブリーザパイプ70を介してエアクリーナ4内に連通しているので,エンジンEの運転中でもブリーザ室69の圧力は,略大気圧に保たれ,このブリーザ室69に第2連通孔71bを介して連通するプリブリーザ室69′も,また,このプリブリーザ室69′に第2連通孔71bを介して連通する第2動弁室21bもブリーザ室69と略同圧となる。
【0053】
クランク室6aは,エンジンEの運転中,ピストン15の昇降により生ずる圧力脈動の正圧成分のみを一方向弁61からオイル送り導管60に吐出することから,クランク室6aは平均的に負圧状態となり,上記正圧を第2動弁室21bが受ける。クランク室6aの負圧は,クランク軸13の通孔55を経てオイルタンク40に伝達し,更にオイル戻し通路78を介してオイル回収室74に伝達するので,オイル回収室74は,第2動弁室21bやプリブリーザ室69′,ブリーザ室69よりも低圧,オイルタンク40及び第1動弁室21aはオイル回収室74よりも低圧となる。
【0054】
したがって,図12に示すように,クランク室6aの圧力をPc,オイルタンク40の圧力をPo,第1動弁室21aの圧力をPva,第2動弁室21bの圧力をPvb,オイル回収室74の圧力をPs,プリブリーザ室69′の圧力をPb1,ブリーザ室69の圧力をPb2とすると,その大小関係は次式で表すことができる。
【0055】
Pb2=Pb1=Pvb>Ps>Pva=Po>Pcその結果,ブリーザ室69及び第2動弁室21bの圧力は吸い上げ管75,76やオリフィス80,83を通してオイル回収室74へ,またプリブリーザ室69′の圧力は戻し孔90を介して戻し管81へと移り,そしてそれら圧力はオイル戻し通路78を通してオイルタンク40,クランク室6aへと移る。
【0056】
エンジンEの運転中,オイルタンク40内において,クランク軸13に回転されるオイルスリンガ56a,56bが潤滑油Oを攪拌,飛散させることによりオイルミストが生成される。そのとき発生したオイルの飛沫は,ベルト案内筒86からオイルタンク40内に露出した調時伝動装置22aの一部,即ち駆動プーリ23及びタイミングベルト25の一部に振り掛かり,あるいは第1動弁室21aに進入して,調時伝動装置22aを直接潤滑することは既に述べた通りである。
【0057】
オイルタンク40で生成されたオイルミストは,前述の圧力の流れに従って,クランク軸13の通孔55を通してクランク室6aに吸入され,クランク軸13ピストン15周りを潤滑する。次いでピストン15の下降によりクランク室6aが正圧になると,一方向弁61の開弁により上記オイルミストはオイル送り導管60を上って,連通路から第2動弁室21bに供給され,該室21b内のカム装置22bの各部,即ち吸気及び排気ロッカアーム33i,33e等を効果的に滑する。
【0058】
ところで,クランク室6aで発生したブローバイガスは,上記オイルミストと同じ経路を辿って第2動弁室21bに達する。したがって,ブローバイガスにはオイルミストが多分に含まれる。第2動弁室21bに達したブローバイガスは,先ず第1連通孔71aを通してプリブリーザ室69′に移り,次いで第2連通孔71bを通してブリーザ室69へと移行し,プリブリーザ室69′及びブリーザ室69での2段階に亘る膨張作用による気液分離により,ブローバイガスからオイルが効果的に分離されるため,ブリーザ室69からブリーザパイプ70へは,オイルを殆ど含まないブローバイガスが排出されることになり,オイルの無用な消費を抑えることができる。そして,そのブローバイガスは,エアクリーナ4を順次経由してエンジンEに吸入され,燃焼処理されたとき,エンジンの排ガスを汚すこともない。
【0059】
エンジンEが正立状態で運転されるとき,ブリーザ室69で液化して溜まったオイルは,上部仕切り板65aの上面に溜まるか,第2連通孔71bを流下してプリブリーザ室69′に移る。而して,プリブリーザ室69′の底部に溜まったオイルは,戻し孔90を通して戻し管81からオイル戻し通路78を通ってオイルタンク40に還流する。またブリーザ室69の底部に溜まったオイルは,オリフィス83によってオイル回収室74へと吸い上げられる。一方,動弁機構22の潤滑を終えて第2動弁室21bの底部に溜まったオイルも,吸い上げ管75によってオイル回収室74へと吸い上げられ,これらオイルは,戻し管81からオイル戻し通路78を通ってオイルタンク40に還流する。
【0060】
エンジンEが倒立状態で運転されるときは,ブリーザ室69や第2動弁室21bの天井側にオイルが溜まることになるので,その場所に待機する吸い上げ管76やオリフィス80によってオイル回収室74へと吸い上げられ,以後は正立時と同様に戻し管81からオイル戻し通路78を通ってオイルタンク40に還流する。
【0061】
この場合,図示例のように,オイル戻し通路78を第2動弁室21bを介してオイルタンク40に連通させると,オイル戻し通路78を出たオイルが調時伝動装置22aに振り掛かり,その潤滑にも寄与することになり,好都合である。
【0062】
ところで,プリブリーザ室69′は,ブリーザ室69の直下の第2動弁室21bにおいて,動弁機構22の構成部材たる一対のロッカ軸31i,31e間に配設されるので,ロッカ軸31i,31e間のデッドスペースをプリブリーザ室69′の配設に利用することになり,プリブリーザ室69′及びブリーザ室69の協働によりブローバイガスに対する気液分離効果を高めることができる。したがって,ヘッドカバー36内のブリーザ室69の容積を拡大せずに済むので,ヘッドカバー36の大型化を回避することができる。
【0063】
またブリーザ室69は,ヘッドカバー36の天井面と,ヘッドカバー36の内壁に取り付ける上部仕切り板65aとの間に画成され,前記オイル回収室74は,上部仕切り板65aと,それに接合される下部仕切り板65bとの間に画成されるので,ヘッドカバー36の天井壁を分割することなく,ヘッドカバー36にオイル回収室74及びブリーザ室69を設けることができる。しかも,これらブリーザ室69及びオイル回収室74は,共にヘッドカバー36内に存在することから,両室69,74から多少のオイル漏れがあったとしても,そのオイルは第2動弁室21bに戻るだけで何等の支障も生ぜず,両室69,74周りの油密検査は不要となり,製作コストの低減を図ることができる。
【0064】
またオイル回収室74は,上部仕切り板65a及び下部仕切り板65bの接合と同時に形成されるので,その形成を簡単に行うことができる。
【0065】
さらにオイル吸い上げ管75,76は,下部仕切り板65b及び上部仕切り板65aにそれぞれ一体に成形されるので,オイル吸い上げ管75,76の形成をも簡単に行うことができる。
【0066】
一方,オイルタンク40では,エンジンEが図13に示すように,倒立状態にされた場合,貯留オイルOが該タンク40の天井側,即ち第1動弁室21a側に移動するが,第1動弁室21aのオイルタンク40内への開口端は,ベルト案内筒86によって,貯留オイルOの液面より高い位置を占めるように設定されており,したがって,第2動弁室21bへの貯留オイルOの流入を許さず,調時伝動装置22aの過剰給油を防ぐことができると共に,オイルタンク40内に所定量のオイル量を確保して,オイルスリンガ56a,56bによるオイルミストの生成の継続が可能となる。
【0067】
またエンジンEが図14に示すように,横倒し状態にされた場合には,貯留オイルOは該タンク40の側面側に移動するが,第1動弁室21aのオイルタンク40内への開口端は,ベルト案内筒86によって,貯留オイルOの液面より高い位置を占めるように設定されており,したがって,この場合も第2動弁室21bへの貯留オイルOの流入を許さず,調時伝動装置22aの過剰給油を防ぐことができると共に,オイルタンク40内に所定量のオイル量を確保して,オイルスリンガ56a,56bによるオイルミストの生成の継続が可能となる。
【0068】
かくして,動弁機構22の潤滑系統は,オイルタンク40内の飛散オイルでオイルタンク40及び第1動弁室21a内の調時伝動装置22aとカム装置22bの一部を潤滑する系統と,第2動弁室21bに移送されたオイルミストにより第2動弁室21b内のカム装置22bの残りの部分を潤滑する系統との2系統に分けられるので,各潤滑系統の負担が軽減することになって,動弁機構22全体を万遍なく潤滑することができる。しかもオイルの飛沫やオイルミストの使用により,エンジンの如何なる運転姿勢においても,エンジンの各部を確実に潤滑することができる。
【0069】
またオイルタンク40内でミスト化されたオイルを,クランク室6aの圧力脈動と,一方向弁61の一方向移送機能を利用して循環させるようにしたので,オイルミストの循環のための専用のオイルポンプは不要であり,構造の簡素化を図ることができる。
【0070】
またオイルタンク40のみならず,クランク室6a及び第2動弁室21b間を結ぶオイル送り導管60は,エンジン本体1外側に配設されるので,エンジン本体1の薄肉化及びコンパクト化を何ら妨げず,エンジンEの軽量化に大いに寄与することができる。特に,外部配置のオイル送り導管60は,エンジン本体1から熱影響を受け難く,しかも放熱し易いので,これを通るオイルミストの冷却を促進することができる。
【0071】
またオイルタンク40はエンジン本体1の一外側に配設されるので,エンジンEの全高の大幅低下をもたらすことができ,しかも調時伝動装置22aの一部がオイルタンク40に収められるので,エンジンEの横幅の増加を極力抑えることができて,コンパクト化を図ることができる。
【0072】
本発明は,上記実施例に限定されるものではなく,その要旨の範囲を逸脱することなく種々の設計変更が可能である。例えば,オイル吸い上げ管75,76や吸い上げ用オリフィス80,83の個数及び設置場所は自由に選定されるものである。また一方向弁61に代えて,クランク軸13に連動して,オイル送り導管60をピストン15の下降時に導通し,その上昇時に遮断するように作動するロータリバルブを設けることもできる。
【0073】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,シリンダヘッドに結合されて,それとの間に動弁機構を収容する動弁室を画成するヘッドカバーに,動弁室から導入したオイルを含むブローバイガスの気液分離を行って,そのオイルを油溜めに戻すと共に,ブローバイガスを外部に導出するブリーザ室を形成した,エンジンのブリーザ装置において,ブリーザ室の下方の動弁室内に,ブリーザ室及び動弁室と第1及び第2連通孔をそれぞれ介して連通するプリブリーザ室を配設したので,動弁室のブローバイガスを,プリブリーザ室及びブリーザ室での2段階に亘る膨張作用をもって効果的に気液分離して,オイルを殆ど含まないブローバイガスを外部に導出することができ,したがって,オイルの無用な消費を抑えることができる。しかも,プリブリーザ室は,ブリーザ室下方の動弁室に配設されることで,ヘッドカバー内のブリーザ室の容積を拡大せずに済み,ヘッドカバーの大型化を回避することができる。
【0074】
また,エンジンの運転中ブリーザ室及び動弁室よりも低圧に保たれる油溜めに連通するオイル回収室を,ブリーザ室の天井面近傍に開口するオリフィスとブリーザ室の底面に開口するオリフィスとを介してブリーザ室に連通すると共に,動弁室の天井面に開口するオリフィスと動弁室の底面近傍に開口するオリフィスとを介して動弁室に連通しているので,エンジンが正立状態で運転されるときは,ブリーザ室で液化してその底部に溜まったオイルや動弁室の底部に溜まったオイルを,ブリーザ室の底面に開口するオリフィスや動弁室の底面近傍に開口するオリフィスを介してオイル回収室へ吸い上げ,エンジンEが倒立状態で運転されるときは,ブリーザ室や動弁室の天井側に溜まったオイルを,ブリーザ室の天井面近傍に開口するオリフィスや動弁室の天井面に開口するオリフィスを介してオイル回収室へ吸い上げて,それぞれ油溜めに還流させることができる。
【0075】
また本発明の第2の特徴によれば,第1の特徴に加えて,動弁室に吸気及び排気弁を開閉駆動する吸気及び排気ロッカアームと,この該吸気及び排気ロッカアームを支持する吸気及び排気ロッカ軸とを収容し,該吸気及び排気ロッカ軸を互いに離間して配置して,それらの間にプリブリーザ室を配設したので,動弁機構の吸気及び排気ロッカ軸間のデッドスペースをプリブリーザ室の配設に有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハンドヘルド型四サイクルエンジンの一使用例を示す斜視図。
【図2】上記ハンドヘルド型四サイクルエンジンの縦断側面図。
【図3】図2の3−3線断面図。
【図4】図2の4−4線断面図。
【図5】図2の要部拡大断面図
【図6】図5の要部分解図。
【図7】図4の7−7線断面図。
【図8】図4の8−8線断面図。
【図9】図5の9−9矢視図。
【図10】図8の10−10線断面図。
【図11】図5の11−11線断面図。
【図12】上記エンジンの潤滑経路図。
【図13】上記エンジンの倒立状態を示す,図4との対応図。
【図14】同エンジンの横倒し状態を示す,図4との対応図。
【符号の説明】
E・・・・・・エンジン
8・・・・・・シリンダヘッド
18i・・・・吸気弁
18e・・・・排気弁
21b・・・・動弁室(第2動弁室)
22・・・・・動弁機構
31i,31e・・・ロッカ軸
33i,33e・・・ロッカアーム
36・・・・・ヘッドカバー
40・・・・・油溜め(オイルタンク)
69′・・・・プリブリーザ室
69・・・・・ブリーザ室
71a・・・・第1連通孔
71b・・・・第2連通孔
74・・・・・オイル回収室
75a・・・・オリフィス
76a・・・・オリフィス
80・・・・・オリフィス
83・・・・・オリフィス
Claims (2)
- シリンダヘッド(8)に結合されて,それとの間に動弁機構(22)を収容する動弁室(21b)を画成するヘッドカバー(36)に,動弁室(21b)から導入したオイルを含むブローバイガスの気液分離を行って,そのオイルを油溜め(40)に戻すと共に,ブローバイガスを外部に導出するブリーザ室(69)を形成した,ハンドヘルド型四サイクルエンジンのブリーザ装置において,
ブリーザ室(69)の下方の動弁室(21b)内にプリブリーザ室(69′)を配設し,このプリブリーザ室(69′)を第1連通孔(71a)を介してブリーザ室(69)に,また第2連通孔(71b)を介して動弁室(21b)にそれぞれ連通し,
ブリーザ室(69)及びプリブリーザ室(69′)間に,エンジン(E)の運転中ブリーザ室(69)及び動弁室(21b)よりも低圧に保たれる油溜め(40)に連通するオイル回収室(74)を設け,このオイル回収室(74)を,ブリーザ室(69)の天井面近傍に開口するオリフィス(76a)とブリーザ室(69)の底面に開口するオリフィス(83)とを介してブリーザ室(69)に連通すると共に,動弁室(21b)の天井面に開口するオリフィス(80)と動弁室(21b)の底面近傍に開口するオリフィス(75a)とを介して動弁室(21b)に連通したことを特徴とする,ハンドヘルド型四サイクルエンジンのブリーザ装置。 - 請求項1記載のハンドヘルド型四サイクルエンジンのブリーザ装置において,
動弁室(21b)に吸気及び排気弁(18i,18e)を開閉駆動する吸気及び排気ロッカアーム(33i,33e)と,この該吸気及び排気ロッカアーム(33i,33e)を支持する吸気及び排気ロッカ軸(31i,31e)とを収容し,該吸気及び排気ロッカ軸(31i,31e)を互いに離間して配置して,それらの間にプリブリーザ室(69′)を配設したことを特徴とする,ハンドヘルド型四サイクルエンジンのブリーザ装置。
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