JPH1181953A - 4サイクルエンジンのオイル供給装置 - Google Patents

4サイクルエンジンのオイル供給装置

Info

Publication number
JPH1181953A
JPH1181953A JP24633697A JP24633697A JPH1181953A JP H1181953 A JPH1181953 A JP H1181953A JP 24633697 A JP24633697 A JP 24633697A JP 24633697 A JP24633697 A JP 24633697A JP H1181953 A JPH1181953 A JP H1181953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
storage chamber
engine
supply
flow path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24633697A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatomi Nijo
正富 二條
Shigemitsu Ayusawa
重光 鮎沢
Toshio Hirabayashi
敏生 平林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Shibaura Machinery Corp
Original Assignee
IHI Shibaura Machinery Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Shibaura Machinery Corp filed Critical IHI Shibaura Machinery Corp
Priority to JP24633697A priority Critical patent/JPH1181953A/ja
Priority to DE69807294T priority patent/DE69807294T2/de
Priority to EP98305015A priority patent/EP0887520B1/en
Priority to US09/105,202 priority patent/US5975042A/en
Publication of JPH1181953A publication Critical patent/JPH1181953A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯用作業機で使用する4サイクルエンジン
において、エンジン内部へ供給するミスト状のオイルを
簡単な構造で生成する。 【解決手段】 オイル貯留室35と、ピストン14の往
復動に伴って圧力が変動するエンジン内部21,6とオ
イル貯留室35との間を連通してオイル貯留室35内の
オイルをエンジン内部21,6へ供給する供給流路36
と、エンジン内部21,6とオイル貯留室35との間を
連通してエンジン内部21,6からオイル貯留室35内
へオイルを回収する回収流路51と、供給流路36に設
けられた空気吸入孔38と、回収流路51に設けられた
戻し孔57と、供給流路36内に設けられて空気吸入孔
38から吸入された空気の流れを絞る絞り部39と、一
端にオイル貯留室35の底部に位置するオイル吸入口4
3が設けられて他端に絞り部39に臨んだオイル吐出口
45が設けられたオイル吸入流路40とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯用作業機に用
いられる4サイクルエンジンのオイル供給装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】草刈機等の携帯用作業機は様々な向きに
傾けたオールポジションで運転されるため、このような
携帯用作業機においては、燃料とオイルとを混合させた
混合燃料を使用する2サイクルエンジンを搭載すること
が一般的である。
【0003】しかし近年では、排気ガス浄化の必要性か
ら、携帯用作業機においてもオイル消費量を少なくでき
る4サイクルエンジンを搭載することが検討されてい
る。携帯用作業機に搭載する4サイクルエンジンでは、
携帯用作業機をどのような向きに傾けた場合でもオイル
の漏れ出しを防止する必要があり、オイルを貯留するた
めの気密性のあるオイル貯留室を設け、このオイル貯留
室内のオイルをクランク室や動弁室などのエンジン内部
へ供給する。
【0004】クランク室や動弁室などのエンジン内部へ
液体状のオイルを直接供給した場合、オイルが過剰供給
され易く、過剰供給されたオイルがエンジン内部の回転
部や摺動部の抵抗になってエンジンの出力が低下する。
そこで、エンジン内部へのオイルの供給を、空気と混合
させてミスト状にして行なうようにした4サイクルエン
ジンが提案されており、例えば、特開平9−17041
7号公報に記載されたものがある。この特開平9−17
0417号公報に記載された4サイクルエンジンは、ク
ランク軸をオイルを貯留したオイル貯留室内に延出さ
せ、このクランク軸に固定したオイルスリンガをオイル
貯留室内で回転させることによりオイルを撹拌してミス
ト状のオイルを生成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平9−1
70417号公報に記載された4サイクルエンジンで
は、クランク軸に固定されたオイルスリンガがオイルを
撹拌するときに大きな抵抗が発生し、その抵抗によって
エンジンの出力が低下する。
【0006】また、オイル貯留室がエンジン本体内にク
ランク室と並んで形成されているため、このエンジンの
クランク軸の軸方向に沿った寸法が大きくなり、エンジ
ンが大型化する。
【0007】そこで本発明は、オイル貯留室からクラン
ク室内や動弁室などのエンジン内部へミスト状のオイル
を供給でき、しかも、このミスト状のオイルを供給する
ことに伴うエンジンの出力低下を防止できる4サイクル
エンジンのオイル供給装置を提供することを目的とす
る。
【0008】また、4サイクルエンジンの小型軽量化を
図ることができる4サイクルエンジンのオイル供給装置
を提供することを目的とする。
【0009】さらに、初期始動時や低温始動時などにお
いてオイルを素早く温めて良好な潤滑を行なうことがで
きる4サイクルエンジンのオイル供給装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の4
サイクルエンジンのオイル供給装置は、オイルを貯留す
るオイル貯留室と、ピストンの往復動に伴って圧力が変
動するエンジン内部と前記オイル貯留室との間を連通し
て前記エンジン内部の圧力変動により前記オイル貯留室
内のオイルを前記エンジン内部へ供給する供給流路と、
前記エンジン内部と前記オイル貯留室との間を連通して
前記エンジン内部の圧力変動により前記エンジン内部か
ら前記オイル貯留室内へオイルを回収する回収流路と、
前記供給流路に設けられて前記オイル貯留室内の略中央
部に位置する空気吸入孔と、前記回収流路に設けられて
前記オイル貯留室内の略中央部に位置する戻し孔と、前
記供給流路内に設けられて前記空気吸入孔から吸入され
た空気の流れを絞る絞り部と、一端に前記オイル貯留室
の底部に位置するオイル吸入口が設けられて他端に前記
絞り部に臨んだオイル吐出口が設けられたオイル吸入流
路とを有する。
【0011】従って、ピストンの摺動に伴ってエンジン
内部の圧力が下がったとき、オイル貯留室内のオイルが
オイル吸入流路を通してオイル吐出口から供給流路内に
吐出し、及び、オイル貯留室内の空気が空気吸入孔から
供給流路内に吸入される。空気吸入孔から吸入された空
気は、絞り部において流速が上昇することによりオイル
吐出口からのオイルの吐出を促進するとともに吐出した
オイルと混合され、ミスト状のオイルが生成される。こ
のミスト状のオイルが供給流路内を通してエンジン内部
に供給され、エンジン内部の回転部や摺動部を潤滑す
る。ピストンの摺動に伴ってエンジン内部の圧力が上が
ったときには、エンジン内部のオイルが空気と共に回収
流路内を通ってオイル貯留室へ送られ、戻し孔から吐出
してオイル貯留室内へ回収される。また、空気吸入孔が
オイル貯留室内の略中央部に位置するため、オイル貯留
室内のオイル量を所定量以下とすることにより、この4
サイクルエンジンをどのような向きに傾けた場合でも空
気吸入孔がオイルに浸漬されず、エンジン内部へのミス
ト状のオイルの供給を良好に行なえる。さらに、戻し孔
がオイル貯留室の略中央部に位置するため、オイル貯留
室内のオイル量を所定量以下とすることにより、この4
サイクルエンジンをどのような向きに傾けた場合でも戻
し孔がオイルに浸漬されない。このため、回収流路内を
オイルと共に流れる空気がオイル内に入ってオイルの液
面を泡立てるということがなく、泡立ったオイルが空気
吸入孔から吸入されるということが防止され、エンジン
内部へ供給されるオイルのミスト濃度が一定に維持され
る。
【0012】ここで、オイル貯留室の底部とは、定まっ
た一定の箇所を意味するものではなく、鉛直方向の最下
部となっている部分を意味し、4サイクルエンジンの傾
き角を変化させることに伴って変化し、この底部は常に
オイルが満たされている。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の4サイクルエンジンのオイル供給装置において、オ
イル貯留室をオイルタンク内に形成し、このオイルタン
クをエンジン本体に取り付けた。従って、エンジン本体
へのオイルタンクの取り付け位置の自由度が大きくな
り、4サイクルエンジンの小型化及び軽量化を図ること
ができる。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明の4サイクルエンジンのオイル供給装置におい
て、供給流路と回収流路との間で熱伝導するように前記
供給流路と前記回収流路とを配置した。従って、エンジ
ン内部で回転部や摺動部を潤滑することにより温度が上
昇したオイルや空気が回収流路を通ってオイル貯留室内
に回収される途中において、このオイルや空気の熱が供
給流路に伝わる。このため、この供給流路内を通って供
給されるミスト状のオイルが温められてオイルの粘度が
低下し、初期始動時や低温始動時などにおいて短時間で
良好な潤滑が開始される。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1、2又は
3記載の発明の4サイクルエンジンのオイル供給装置に
おいて、供給流路と回収流路とを連通するバイパス通路
を設け、このバイパス通路の一端を絞り部と空気吸入孔
との間で前記供給流路に連通した。従って、エンジン内
部で回転部や摺動部を潤滑することにより温度が上昇し
たオイルや空気が回収流路を通ってオイル貯留室内に回
収される途中において、その一部がバイパス通路を通っ
て供給流路内に流入してエンジン内部へ送られる。この
ため、この供給流路内を通って供給されるミスト状のオ
イルが温められてオイルの粘度が低下し、初期始動時や
低温始動時などにおいて短時間で良好な潤滑が開始され
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第一の形態を図1
ないし図5に基づいて説明する。図1は携帯用作業機に
搭載される4サイクルエンジンを示す縦断正面図であ
り、図2は図1におけるA−A線断面図、図3は図2に
おけるB−B線断面図である。この4サイクルエンジン
のエンジン本体1は、クランクケース2の上部にシリン
ダブロック3が取り付けられ、このシリンダブロック3
にはシリンダヘッド4が一体に形成され、シリンダヘッ
ド4の上部にはロッカーカバー5が取り付けられてい
る。前記クランクケース2は、ケース本体2aの側面に
クランクケースカバー2bを取り付けることにより形成
されており、これらのケース本体2aとクランクケース
カバー2bとに囲まれた部分がエンジン内部であるクラ
ンク室6とされている。
【0017】前記クランク室6内には、両端部を軸受
7,8により軸支されたクランク軸9と、一端をケース
本体2aに一体形成された軸受部10に軸支されて他端
をクランクケースカバー2bに一体形成された軸受部1
1により軸支されたカム軸12とが回転自在に設けられ
ている。前記クランク軸9には、前記シリンダブロック
3内に形成されたシリンダ13内を往復摺動するピスト
ン14がコネクティングロッド15を介して連結され、
さらに、クランクギア16が固定されている。また、こ
のクランク軸9はその両端部がケース本体2aとクラン
クケースカバー2bとを貫通してクランク室6外へ突出
しており、クランク軸9がケース本体2aとクランクケ
ースカバー2bとを貫通する部分にはオイルシール17
が取り付けられている。前記カム軸12には吸気カム1
8と排気カム19とが固定され、さらに、前記クランク
ギア16と噛み合ったカムギア20が固定されている。
【0018】前記シリンダヘッド4の上部における前記
ロッカーカバー5により覆われた空間はエンジン内部で
ある動弁室21とされ、この動弁室21内には、前記シ
リンダヘッド4に取り付けられた吸気弁22や排気弁2
3を閉弁方向へ付勢するスプリング24、吸気弁22や
排気弁23を開弁方向へ付勢するロッカーアーム25、
一端をロッカーアーム25に当接させるとともに他端を
タペット26a,26bを介して前記吸気カム18と排
気カム19とに当接させたプッシュロッド27a,27
b等からなる動弁機構28が収納されている。前記シリ
ンダブロック3と前記シリンダヘッド4とには、前記プ
ッシュロッド27a,27bが挿通されるプッシュロッ
ド通路29a,29bが形成され、これらのプッシュロ
ッド通路29a,29bの一端は動弁室21に開口さ
れ、プッシュロッド通路29a,29b同士はその途中
で連通しないように仕切られている。
【0019】前記シリンダヘッド4には、前記シリンダ
13内の燃焼室へ混合気を供給するための吸気ポート3
0と、燃焼室内からの排気ガスを排気するための排気ポ
ート31とが形成されている。吸気ポート30の先端部
には気化器32とエアクリーナ(図示せず)とが接続さ
れ、排気ポート31の先端部にはマフラ33が接続され
ている。
【0020】前記クランクケース2の下方には、オイル
タンク34が固定されており、このオイルタンク34内
には潤滑用のオイルを貯留するオイル貯留室35が形成
されている。このオイル貯留室35と前記動弁室21と
の間は、オイル貯留室35内のオイルを動弁室21へ供
給する供給流路36で連通されている。この供給流路3
6は、一端が前記オイル貯留室35内に挿入されて他端
が前記プッシュロッド通路29bの途中に接続された供
給パイプ37と、前記プッシュロッド通路29bとによ
り形成されている。オイル貯留室35内に挿入された供
給パイプ37の先端部はオイル貯留室35内の略中央部
に位置し、この先端部にはオイル貯留室35内の空気を
吸入する空気吸入孔38が形成されている。また、前記
供給パイプ37の内周面における前記空気吸入孔38か
ら所定寸法離れた位置には、内径寸法を小さくした絞り
部39が形成されている。
【0021】前記オイル貯留室35内には、オイル吸入
流路40が設けられている。このオイル吸入流路40
は、前記供給パイプ37の先端部に一体に形成された小
径のパイプ41と、このパイプ41に接続された可撓性
を有する可撓性パイプ42とにより形成されている。可
撓性パイプ42の先端部にはオイル吸入口43が形成さ
れ、このオイル吸入口43の外周部には重り44が固定
されている。この重り44が固定されることにより、オ
イルタンク34の傾き角を変化させることに伴って可撓
性パイプ42が撓み、オイル吸入口43は鉛直方向の最
下部となるオイル貯留室35の底部に常に移動する。前
記パイプ41の一端には前記供給パイプ37内に位置す
るオイル吐出口45が形成されており、このオイル吐出
口45は、前記絞り部39に臨んで位置している。
【0022】前記動弁室21と前記クランク室6との間
には、動弁室21内に供給されたオイルをクランク室6
内へ送る送油通路46が設けられている。この送油通路
46は、前記プッシュロッド通路29aと、前記シリン
ダブロック3内に形成されて一端を前記プッシュロッド
通路29aに連通して他端が前記クランク室6内に開口
部47により連通された連通路48とにより形成されて
いる。この開口部47は、前記ピストン14の摺動によ
り開閉されるともにピストン14が略上死点位置に上昇
したときに開口される位置に形成されている。そして、
この開口部47と前記ピストン14とにより、オイルが
動弁室21からクランク室6内に送油されることのみを
許容するチェック弁49が形成されている。また、前記
連通路48における開口部47の近傍には連通路48内
の空気の流れを絞る絞り部50が形成されている。
【0023】前記クランク室6と前記オイル貯留室35
との間は、前記クランク室6内のオイルをオイル貯留室
35内へ回収する回収流路51で連通されている。この
回収流路51は、前記クランクケース2の壁部内に前記
クランク軸9の回転方向に沿って形成された溝状流路5
2と、溝状流路52の途中から分岐された分岐流路53
と、分岐流路53に接続されてオイル貯留室35内に挿
入された回収パイプ54とにより形成されている。溝状
流路52は3個の連通孔55によりクランク室6内に連
通されている。また、溝状流路52と前記分岐流路53
との間には、クランク室6内の圧力変動により開閉して
オイルがクランク室6からオイル貯留室35に向けて送
油されることのみを許容するリード弁56が設けられて
いる。
【0024】前記回収パイプ54と前記供給パイプ37
とは、前記オイルタンク34の外周面近傍の部分からオ
イル貯留室35内に入り込んだ部分において、供給パイ
プ37の外周部に回収パイプ54を被せた2重構造とさ
れている。このため、この2重構造の部分においては、
供給流路36と回収流路51との間で熱伝導しやすくな
っている。オイル貯留室35内に挿入された前記回収パ
イプ54の先端部はオイル貯留室35内の略中央部に位
置し、この先端部には回収したオイルをオイル貯留室3
5内へ戻す戻し孔57が形成されている。
【0025】前記シリンダブロック3とシリンダヘッド
4とには、バイパスパイプ58が挿入されている。この
バイパスパイプ58は、一端が前記動弁室21内の天井
部近傍に開口され、他端が前記絞り部50に臨ませて開
口されている。
【0026】また、この4サイクルエンジンには、ブロ
ーバイガスを排気するブローバイガス排気パイプ59が
設けられてい。このブローバイガス排気パイプ59の一
端は、前記絞り部50に臨ませて開口され、ブローバイ
ガス排気パイプ59の他端は、図示しないエアクリーナ
に接続されている。
【0027】このような構成において、この4サイクル
エンジンの運転時には、ピストン14の上昇に伴ってク
ランク室6内の圧力が下がり、ピストン14が略上死点
に達してクランク室6内の圧力が最も下がったときにチ
ェック弁49が開弁され、開口部47が開口される。こ
れにより、動弁室21内のオイルが空気と共に送油通路
46内を通ってクランク室6内へ吸入される。同時に、
オイル貯留室35内のオイルがオイル貯留室35内の空
気と共に供給流路36内を通って動弁室21へ供給され
る。
【0028】ここで、オイル貯留室35から動弁室21
へのオイルの供給について詳しく説明する。動弁室21
内の圧力が下がったとき、オイル貯留室35内のオイル
は可撓性パイプ42のオイル吸入口43から吸入されて
オイル吐出口45から供給パイプ37内に吐出されると
ともに、オイル貯留室35内の空気が空気吸入孔38か
ら吸入されて供給パイプ37内に流入する。そして、空
気吸入孔38から吸入された空気が絞り部39を通過す
るときに流速が上昇し、この流速が上昇した空気がオイ
ル吐出口45からのオイルの吐出を促進するとともにオ
イル吐出口45から吐出されたオイルと混合され、ミス
ト状のオイルが生成される。そして、このミスト状のオ
イルが動弁室21内へ供給される。従って、液体状のオ
イルが直接動弁室21内に供給されるということが防止
され、液体状のオイルを直接供給することに伴って発生
するオイルの過剰供給が防止される。
【0029】動弁室21内に供給されたミスト状のオイ
ルはその一部が動弁室21内で液状化し、ピストン14
の摺動に伴ってクランク室6の圧力が下がるとともに開
口部47が開いたときに、ミスト状のオイルと液状化し
たオイルとが動弁室21からクランク室6内へ供給され
る。
【0030】ミスト状のオイルの生成については、オイ
ル貯留室35内に挿入した供給パイプ37の先端部に空
気吸入孔38と絞り部39とオイル吐出口45とを設
け、クランク室6内の圧力変動を利用してオイルをオイ
ル吐出口45から吐出させるとともに空気を空気吸入孔
38から吸入し、絞り部39において流速が上昇した空
気とオイルとを混合させることにより行なっている。従
って、ミスト状のオイルを簡単な構造で生成することが
できる。しかも、このミスト状のオイルを生成すること
に伴うエンジンの出力低下が起こらない。
【0031】また、空気吸入孔38がオイル貯留室35
の略中央部に位置するため、オイル貯留室35内のオイ
ル量をこの空気吸入孔38がオイルに浸漬されない所定
量以下とすることにより、この4サイクルエンジンをど
のような向きに傾けた場合でも空気吸入孔38からの空
気の吸入が良好に行なわれ、ミスト状のオイルの生成、
及び、生成したミスト状のオイルの動弁室21内やクラ
ンク室6内への供給が良好に行なえる。
【0032】さらに、オイル貯留室35内のオイルを吸
入するために可撓性パイプ42を使用しているため、4
サイクルエンジンをどのような向きに傾けた場合でもオ
イル吸入口43はオイル貯留室35内の底部に移動し、
オイル貯留室35内のオイル量が減少した場合でもオイ
ル吸入口43からのオイルの吸入を常に良好に行なえ
る。
【0033】つぎに、ピストン14の下降に伴ってクラ
ンク室6内の圧力が上昇したときには、リード弁56が
開弁され、クランク室6内のミスト状のオイルと液状化
したオイルとが回収流路51内を通ってオイル貯留室3
5内へ回収される。回収されたオイルは、空気と共に戻
し孔57からオイル貯留室35内に吐出される。ここ
で、戻し孔57がオイル貯留室35の略中央部に位置す
るため、オイル貯留室35内のオイル量をこの戻し孔5
7がオイルに浸漬されない所定量以下とすることによ
り、この4サイクルエンジンをどのような向きに傾けた
場合でも、戻し孔57から吐出した空気がオイル貯留室
35に貯留されているオイル内に入ってオイルの液面を
泡立てるということなく、泡立ったオイルが空気吸入孔
38から吸入されるということが防止され、供給流路3
6を通って動弁室21内に供給されるミスト状のオイル
のミスト濃度が一定に維持される。
【0034】回収流路51内を通ってオイル貯留室35
内へ流入するオイルや空気は、動弁室21内やクランク
室6内の回転部や摺動部を潤滑することにより温度が上
昇している。このように温度が上昇しているオイルや空
気が供給パイプ37と二重構造となっている回収パイプ
54内を流れることにより、回収パイプ54内を流れる
オイルや空気の熱が供給パイプ37に伝わる。このた
め、この供給パイプ37内を通って動弁室21内に供給
されるミスト状のオイルが温められてオイルの粘度が低
下し、初期始動時や低温始動時などにおいて短時間で良
好な潤滑が開始される。
【0035】この4サイクルエンジンを倒立状態で長時
間使用した場合には、液状化したオイルが動弁室21内
の天井部に溜まり易い。しかし、一端を動弁室21の天
井部近傍に開口させて他端を開口部47の近傍に位置す
る絞り部50に臨ませたバイパスパイプ58が設けてあ
り、この絞り部50の箇所では大きな負圧が発生するた
め、動弁室21内の天井部に溜まったオイルは、絞り部
50で発生した負圧によりバイパスパイプ58内を通っ
て吸い出され、クランク室6内へ送油される。このた
め、4サイクルエンジンを略倒立状態で長時間使用した
場合でも、動弁室21内に過剰のオイルが溜まるという
ことが防止される。
【0036】つぎに、本発明の実施の第二の形態を図6
に基づいて説明する。なお、図1ないし図5において説
明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略す
る(以下、同様)。本実施の形態は、ミスト状のオイル
を生成する構造に関するものである。パイプ41の一端
には供給パイプ37内に位置するオイル吐出口45が形
成されており、このオイル吐出口45の外周部には、外
側に向けて膨らんだ絞り部39aが形成されている。
【0037】このような構成において、この4サイクル
エンジンの運転時において、オイル貯留室35内のオイ
ルは可撓性パイプ42のオイル吸入口43から吸入され
てオイル吐出口45から供給パイプ37内に吐出すると
ともに、オイル貯留室35内の空気が空気吸入孔38か
ら吸入されて供給パイプ37内に流入する。そして、空
気吸入孔38から吸入された空気が絞り部39aを通過
するときに流速が上昇し、この流速が上昇した空気とオ
イル吐出口45から吐出されたオイルとが混合されてミ
スト状のオイルが生成され、このミスト状のオイルが動
弁室21内に供給される。従って、絞り部39aをパイ
プ41の一端側外周部に形成しても、ミスト状のオイル
の生成を良好に行なえる。
【0038】つぎに、本発明の実施の第三の形態を図7
に基づいて説明する。本実施の形態は、供給パイプ37
の先端側に、供給流路36と回収流路51とを連通する
バイパス通路60を形成したものである。このバイパス
通路60は、絞り部39と空気吸入孔38との間で供給
流路36に連通されている。
【0039】従って、動弁室21やクランク室6内の回
転部や摺動部を潤滑することにより温度が上昇したオイ
ルや空気が回収流路51を通ってオイル貯留室35内に
回収される途中において、その一部がバイパス通路60
を通って供給流路36内に流入して動弁室21内へ送ら
れる。このため、この供給流路36内を通って供給され
るミスト状のオイルが温められてオイルの粘度が低下
し、初期始動時や低温始動時などにおいて短時間で良好
な潤滑が開始される。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の発明の4サイクルエンジ
ンのオイル供給装置によれば、エンジン内部へ供給する
ミスト状のオイルの生成を簡単な構造で行なうことがで
き、しかも、このミスト状のオイルの生成を、エンジン
の出力を低下させることなく行なうことができる。さら
に、オイル貯留室内に貯留するオイルの量を所定量以下
とすることにより、この4サイクルエンジンをどのよう
な向きに傾けた場合でも空気吸入孔と戻し孔とがオイル
に浸漬されず、ミスト状のオイルの生成を良好に行なう
ことができる。
【0041】請求項2記載の発明の4サイクルエンジン
のオイル供給装置によれば、オイル貯留室をオイルタン
ク内に形成し、このオイルタンクをエンジン本体に取り
付けたので、エンジン本体へのオイルタンクの取り付け
位置の自由度が大きくなり、4サイクルエンジンの小型
化及び軽量化を図ることができる。
【0042】請求項3記載の発明の4サイクルエンジン
のオイル供給装置によれば、供給流路と回収流路との間
で熱伝導するように供給流路と回収流路とを配置したの
で、エンジン内部で回転部や摺動部を潤滑することによ
り温度が上昇したオイルや空気が回収流路を通ってオイ
ル貯留室内に回収される途中において、このオイルや空
気の熱が供給流路に伝わるため、この供給流路内を通っ
て供給されるミスト状のオイルが温められてオイルの粘
度が低下し、初期始動時や低温始動時などにおいて短時
間で良好な潤滑を開始することができる。
【0043】請求項4記載の発明の4サイクルエンジン
のオイル供給装置によれば、供給流路と回収流路とを連
通するバイパス通路を設け、このバイパス通路の一端を
絞り部と空気吸入孔との間で供給流路に連通したので、
エンジン内部で回転部や摺動部を潤滑することにより温
度が上昇したオイルや空気が回収流路を通ってオイル貯
留室内に回収される途中において、その一部がバイパス
通路を通って供給流路内に流入してエンジン内部へ送ら
れため、この供給流路内を通って供給されるミスト状の
オイルが温められてオイルの粘度が低下し、初期始動時
や低温始動時などにおいて短時間で良好な潤滑を開始す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態の4サイクルエンジ
ンを示す縦断正面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】図2におけるB−B線断面図である。
【図4】図1におけるC−C線断面図である。
【図5】4サイクルエンジンを倒立させた状態を示す縦
断正面図である。
【図6】本発明の実施の第二の形態の4サイクルエンジ
ンの一部を示す縦断正面図である。
【図7】本発明の実施の第三の形態の4サイクルエンジ
ンの一部を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体 6,21 エンジン内部 14 ピストン 34 オイルタンク 35 オイル貯留室 36 供給流路 38 空気流入孔 39,39a 絞り部 40 オイル吸入流路 43 オイル吸入口 45 オイル吐出口 51 回収流路 57 戻し孔 60 バイパス通路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイルを貯留するオイル貯留室と、ピス
    トンの往復動に伴って圧力が変動するエンジン内部と前
    記オイル貯留室との間を連通して前記エンジン内部の圧
    力変動により前記オイル貯留室内のオイルを前記エンジ
    ン内部へ供給する供給流路と、前記エンジン内部と前記
    オイル貯留室との間を連通して前記エンジン内部の圧力
    変動により前記エンジン内部から前記オイル貯留室内へ
    オイルを回収する回収流路と、前記供給流路に設けられ
    て前記オイル貯留室内の略中央部に位置する空気吸入孔
    と、前記回収流路に設けられて前記オイル貯留室内の略
    中央部に位置する戻し孔と、前記供給流路内に設けられ
    て前記空気吸入孔から吸入された空気の流れを絞る絞り
    部と、一端に前記オイル貯留室の底部に位置するオイル
    吸入口が設けられて他端に前記絞り部に臨んだオイル吐
    出口が設けられたオイル吸入流路とを有する4サイクル
    エンジンのオイル供給装置。
  2. 【請求項2】 オイル貯留室をオイルタンク内に形成
    し、このオイルタンクをエンジン本体に取り付けたこと
    を特徴とする請求項1記載の4サイクルエンジンのオイ
    ル供給装置。
  3. 【請求項3】 供給流路と回収流路との間で熱伝導する
    ように前記供給流路と前記回収流路とを配置したことを
    特徴とする請求項1又は2記載の4サイクルエンジンの
    オイル供給装置。
  4. 【請求項4】 供給流路と回収流路とを連通するバイパ
    ス通路を設け、このバイパス通路の一端を絞り部と空気
    吸入孔との間で前記供給流路に連通したことを特徴とす
    る請求項1、2又は3記載の4サイクルエンジンのオイ
    ル供給装置。
JP24633697A 1997-06-26 1997-09-11 4サイクルエンジンのオイル供給装置 Pending JPH1181953A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24633697A JPH1181953A (ja) 1997-09-11 1997-09-11 4サイクルエンジンのオイル供給装置
DE69807294T DE69807294T2 (de) 1997-06-26 1998-06-25 Schmierölversorgungsanlage für Viertaktbrennkraftmaschine
EP98305015A EP0887520B1 (en) 1997-06-26 1998-06-25 Oil supply apparatus of a four-stroke-cycle engine
US09/105,202 US5975042A (en) 1997-06-26 1998-06-26 Oil supply apparatus of a four-stroke-cycle engine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24633697A JPH1181953A (ja) 1997-09-11 1997-09-11 4サイクルエンジンのオイル供給装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1181953A true JPH1181953A (ja) 1999-03-26

Family

ID=17147057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24633697A Pending JPH1181953A (ja) 1997-06-26 1997-09-11 4サイクルエンジンのオイル供給装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1181953A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011048848A1 (ja) * 2009-10-21 2011-04-28 株式会社マキタ 4サイクルエンジンの潤滑装置
JP2011214512A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Hitachi Koki Co Ltd エンジン工具
JP5654645B1 (ja) * 2013-07-24 2015-01-14 株式会社工進 エンジンの潤滑装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011048848A1 (ja) * 2009-10-21 2011-04-28 株式会社マキタ 4サイクルエンジンの潤滑装置
US8707928B2 (en) 2009-10-21 2014-04-29 Makita Corporation Lubrication apparatus for four-stroke engine
JP2011214512A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Hitachi Koki Co Ltd エンジン工具
JP5654645B1 (ja) * 2013-07-24 2015-01-14 株式会社工進 エンジンの潤滑装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5960764A (en) Four-stroke internal combustion engine
US6202613B1 (en) Four-stroke cycle internal combustion engine
US6786187B2 (en) Internal combustion engine
JP3701946B2 (ja) 4サイクルエンジン
JP3402568B2 (ja) 4サイクルエンジン
JPH10288019A (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
JPH1181953A (ja) 4サイクルエンジンのオイル供給装置
JP3975046B2 (ja) ハンドヘルド型四サイクルエンジン
US10273843B2 (en) Lubricating structure for four-stroke engine
US6401701B1 (en) Four-stroke cycle internal combustion engine
JP4139247B2 (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
US6484701B1 (en) Four-stroke cycle internal combustion engine
JP3749614B2 (ja) 4サイクルエンジンのオイル供給装置
JP3204643B2 (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
JP4270591B2 (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
JP3718327B2 (ja) 4サイクルエンジンの冷却装置
JP3819666B2 (ja) ハンドヘルド型四サイクルエンジン
JP3216087B2 (ja) 船外機のブリーザ構造
JP3244477B2 (ja) 4サイクルエンジンの潤滑構造
JP2002349227A (ja) 4サイクルエンジン
JPH1136839A (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
JP3819690B2 (ja) 四サイクルエンジン
JP3127352B2 (ja) 四サイクルエンジンの潤滑装置
JPH09228816A (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
JP2002332817A (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040121

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040127

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20040329

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040930