JP4264689B2 - 酸の分離方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水、アンモニアなどに対して不安定な有機酸フロライド(RCOF)に混在するHF、HCl、HBrなどの酸を選択的に除去する方法に関する。さらに詳しく言えば、COF2、CF3COFなどを分解させることなく効率的に酸分除去する目的に有用な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機酸フロライドは種々の有機含フッ素化合物、特に樹脂やエラストマーの共重合モノマーとして重要なパーフルオロビニルエーテルの原料として使用されている。この際、重要な反応として下記式に示されるヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)とのオリゴメリ反応が挙げられる。
【0003】
RCOF + n(HFPO) → RCF2O(CF(CF3)CF2O)n-1CF(CF3)COF
この反応の生成物は前述のパーフルオロビニルエーテルの前駆体および含フッ素エーテル、含フッ素アルコールなどの原料として重要である。反応条件は非プロトン性極性有機溶媒中、触媒としてアルカリ金属ハライド、アルキル尿素、4級アンモニウムハライドなどを用いることが知られている。ところが、原料に微量のフッ化水素、塩化水素などの酸性ガスや水分、カルボン酸などが存在すると、高価な触媒が失活する現象が起こる。水分が存在するとRCOF型の化合物はRCOOHとHFに分解するため、不注意による乾燥不足などが原因で酸が混在しやすく、触媒が失活する現象は容易に起こりうる。例えば、ヘキサフルオロプロピレンを酸素で酸化してヘキサフルオロプロピレンオキサイドを製造する際にCOF2が副生する。このCOF2をオリゴメリ反応原料に有効利用する場合、COF2と酸(HF)とが混在し、上述したような問題が発生する。このような背景から、触媒失活を防止する目的でRCOFと混在する酸分を除去する方法の出現が要望されていた。
【0004】
また、有機酸フロライドの中でもCOF2は、半導体の製造工程で使用される地球温暖化のおそれのないエッチャントガス及びチャンバークリーニングガスとしても有望である。しかしながら、上述のようにCOF2を製造する際に酸分が混在する場合が多く、酸分の存在により設備や輸送容器への腐食を起こすなどの問題がある。最近このような目的でも酸分を除去する方法の出現が強く要望されてきている。
【0005】
ところが、先に述べた通りRCOFは水に対して不安定な為、一般のアルカリ水溶液はもちろん、Al2O3、SiO2などHFとの反応で水を発生する脱酸剤は使用できない。また、アンモニアおよび1級、2級アミンを含有する脱酸剤とはRCOFとアミドを形成し、原料まで吸着されるため、使用できない。
【0006】
一方、HFを吸着しても水を発生しない脱酸剤としてフッ化ナトリウム、フッ化カリウムなどが知られているが、脱酸効率が低く、上記反応の使用に耐えるレベルまでHFを除去するには大規模な処理装置を必要とすることや、吸着した酸を加熱脱着し、再利用する為には350℃以上の高温を必要とするため多大なエネルギーを消費するなどの欠点がある。
【0007】
また、脱酸剤を使用しない方法として精溜が挙げられるが、例えばCOF2とHFは沸点差が100℃以上あるにも関わらず、通常の精溜では分離されにくく、適当な方法ではない。
【0008】
以上のように、触媒失活を防止する目的や半導体ガスとして使用する場合に設備や輸送容器への腐食を防ぐ目的でRCOF中の酸分を除去する方法として有用な方法がないのが現状であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特に水などに対して不安定な有機酸フロライドに混在するHF、HCl、HBrなどの酸を選択的に除去する方法、及び該方法によって得られ、混入した酸の濃度が100mass ppm以下である有機酸フロライドの提供を目的とする。さらに詳しく言えば、COF2、CF3COFなどを分解させることなく効果的に酸分除去する目的に有用な方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、脱酸剤として、50℃以上の沸点を有し、ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環化合物類を使用することにより、有機酸フロライドを分解させることなく、有機酸フロライドに混在する酸を分離することができること、並びにこの分離により混入した酸の濃度が100mass ppm以下である有機酸フロライドを製造できることを見出した。また、酸の分離に使用された脱酸剤を加熱脱着又はアルカリ脱着させることにより容易に再生することができることも見出した。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の酸の分離方法、有機酸フロライド及び脱酸剤の再生方法を提供するものである。
項1. 式(I)
RCOF (I)
(式中、Rは、フッ素原子、あるいはヘテロ原子を含んでも良い、炭素数1〜20の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基あるいは炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基を示す)
で表される有機酸フロライドと酸とが混在する系から酸を分離する方法において、脱酸剤として、50℃以上の沸点を有し、ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環化合物類を使用することを特徴とする、酸の分離方法。
項2. 酸がHF、HCl及びHBrからなる群から選択される少なくとも1種の酸である項1に記載の酸の分離方法。
項3. 酸がHFである項1に記載の酸の分離方法。
項4. 脱酸剤が、ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環基を有するポリマーである項1に記載の酸の分離方法。
項5. 脱酸剤が、ピリジル基を有するポリマーである項1に記載の酸の分離方法。
項6. 脱酸剤が、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリ(2-ビニルピリジン)、ビニルピリジンをスチレン、ジビニルベンゼン又はメタクリル酸ブチルと共重合させた共重合体からなる群から選択される少なくとも1種のポリマーである項1に記載の酸の分離方法。
項7. 有機酸フロライドが、COF2、CH3COF、CF3COF、C2H5COF、C2F5COF、C3H7COF、C3F7COF、CF3OCF(CF3)COF、CF3OCF2COF及びC6H5COFからなる群から選択される少なくとも1種のフロライドである項1に記載の酸の分離方法。
項8. 有機酸フロライドが、COF2である項1に記載の酸の分離方法。
項9. 有機酸フロライドと酸とが混在する系が、有機酸フロライドの製造系であることを特徴とする項1に記載の酸の分離方法。
項10. 有機酸フロライドと酸とが混在する系が、ヘキサフルオロプロピレンを酸素により酸化するヘキサフルオロプロピレンオキシドの製造において副生物として得られるフッ化カルボニルとHFとの混合系であることを特徴とする項1に記載の酸の分離方法。
項11. 項1に記載の酸の分離方法によって得られ、混入した酸の濃度が100mass ppm以下である有機酸フロライド。
項12. 項1に記載の酸の分離方法によって得られ、混入した酸の濃度が100mass ppm以下であるCOF2
項13. 脱酸剤として使用されたピリジル基を有するポリマーを、加熱脱着又はアルカリ脱着により再生する方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は気体または液体状の有機酸フロライド(RCOF)にフッ酸などのプロトン酸が含まれると好ましくない場合の処理法として好適に適用できる。式中、Rは、フッ素原子、あるいはヘテロ原子を含んでも良い、炭素数1〜20の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基あるいは炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基を示す。ハロゲン化アルキル基及びハロゲン化アリール基のハロゲンとしてはフッ素が好ましい。また、ヘテロ原子を含む炭素数1〜20のアルキル基又はハロゲン化アルキル基としては、CF3OCF(CF3)COF、CF3OCF2COF、下記式(II)で表される化合物が例示される。
【0013】
R1−X−CR2−COF (II)
(式中、R1は炭素数1〜19の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、又は炭素数1〜5のアルキル基若しくはハロゲン化アルキル基を示し、Xは酸素原子又はNF基を示す)
好ましい有機酸フロライドとしては、COF2、CH3COF、CF3COF、C2H5COF、C2F5COF、C3H7COF、C3F7COF、CF3OCF(CF3)COF、CF3OCF2COF、C6H5COFなどが挙げられる。さらに好ましくは、COF2、CF3COF、C3F7COFなどが挙げられる。本発明において、有機酸フロライドは液体又は気体状の化合物が使用可能である。
【0014】
本発明において、有機酸フロライドと酸とが混在する系とは、COF2、CH3COF等の有機酸フロライドとHF等の酸とが共存する限り特に制限されないが、例えば、有機酸フロライドの製造において製造されたRCOFが水分と反応してRCOOHとHFに分解し(製造物がCOF2の場合はCOF2が水分と反応してCO2とHFに分解)、有機酸フロライドとHFとが混在する場合、有機酸フロライドの製造において有機酸クロライドとHFまたは有機酸ブロマイドとHFを反応させて、有機酸フロライドとHClまたはHBrが混在する場合等である。
【0015】
具体的には、ヘキサフルオロプロピレンを酸素で酸化し、ヘキサフルオロプロピレンオキシドを製造する場合に、副生物として得られるフッ化カルボニルとHFの混合系が挙げられる。
【0016】
また、本発明において、酸は特に制限されないが、具体的には、HF、HCl、HBr等が例示される。
【0017】
本発明において、脱酸剤は、50℃以上の沸点を有し、ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環化合物類である。
【0018】
上記ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環化合物類は、芳香族複素環を構成する元素の少なくとも1つが窒素原子である。例えば、イミダゾール、ピリジン、キノリン、アクリジン、フェナントリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、フェナジン、トリアゾール、トリアジン等である。
【0019】
また、上記芳香族複素環化合物類は、ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環基を有するポリマーも包含する。該ポリマーは、ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環基をイオン交換基とする陰イオン交換樹脂を包含する。該イオン交換基は、例えば、ピリジル基、イミダゾール基、キノリン基、アクリジン基、フェナントリジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、ピラジン基、シンノリン基、フタラジン基、キナゾリン基、キノキサリン基、フェナジン基、トリアゾール基、トリアジン基等である。
【0020】
上記のイオン交換基を有するイオン交換樹脂は、例えば、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリ(2-ビニルピリジン)等のホモポリマーもしくはビニルピリジンをスチレン、ジビニルベンゼン、メタクリル酸ブチル等と共重合させたコポリマー等のピリジル基を有するポリマーなどである。好ましくは、ピリジル基を有するポリマー、さらに好ましくはビニルピリジンとジビニルベンゼンとのコポリマーである。
【0021】
上記の脱酸剤は、酸を分離するため、有機酸フロライドと酸とが混在する系に使用される。例えば、有機酸フロライドと酸とが混在する系において、上記脱酸剤を用いて、−10〜50℃、好ましくは0〜40℃で気液接触させた後に、同伴した脱酸剤を蒸留にて分離する
脱酸剤が固体の場合、接触方法は、特に限定されないが、脱酸剤を充填した反応管に、RCOFを好ましくは一定流速で通過させることにより行われる。接触時間は、流速にもよるが、比較的短時間で良いものの、十分な効率を得るには20秒以上が好ましい。反応管の材質は耐酸性のものであれば特に制限されず、例えばステンレス、樹脂、ガラスが使用できる。ただしHFの脱酸用途にガラス容器は適さない。脱酸剤を加熱再生する場合は耐熱性の点からステンレス製が好ましい。
【0022】
脱酸剤の量は目的に応じて任意に設定できるが、反応管内でガス流体を接触させる場合、圧力損失が大きくなるため一反応管あたりの長さは20cm以下が好ましい。
【0023】
脱酸温度は−10〜120℃の範囲で行い、好ましくは0〜80℃である。120℃を超えると吸着したプロトン酸が脱着されるため、期待した脱酸効果が得られないことがある。
【0024】
処理圧力は減圧、常圧、加圧のいずれも可能であるが、接触効率の点から常圧以上が好ましい。
【0025】
有機酸フロライド中に混在するプロトン酸の濃度は任意であるが、高濃度のものは吸着の発熱が大きいため30モル%以下が好ましい。十分な接触時間が与えられれば任意の割合でプロトン酸を含有する有機酸フロライドから、酸濃度を10ppm前後まで脱酸処理することが可能である。
【0026】
吸着容量は文献(George A. Olah, Xing-Ya Li, Qi Wang, G.K.Surya Prakash, Synthesis, 1993, 693-699)で公知であるが、有機酸フロライドに含有されるHFの量は、使用する脱酸剤のピリジル基当たり3倍モル以下であることが好ましい。HF以外のプロトン酸の場合は1倍モル以下が好ましい。
【0027】
以上の有機酸フロライド、酸及び脱酸剤の組み合わせにより、有機酸フロライドと脱酸剤との接触による脱酸処理を行うと、脱酸剤の窒素原子が塩基として作用し、有機酸フロライドを分解させることなく選択的にプロトン酸を除去することができる。また、イオン交換樹脂を脱酸剤として使用した場合、処理後の脱酸剤は加熱やアルカリ水溶液処理などで容易に再生することが可能である。
【0028】
イオン交換樹脂の再生方法としては、アルカリ脱着では後に乾燥工程が必要となることから、加熱脱着が好ましい。加熱脱着では、100〜165℃、好ましくは120〜155℃に加熱するだけでも再生が可能である。165℃を超えて加熱すると吸着能力が低下するため好ましくない。加熱時間は、使用する脱酸剤及び該脱酸剤に吸着した酸の種類と量に応じて適宜決めればよい。アルカリ脱着では、脱酸剤のピリジル基等のイオン交換基がプロトン酸塩になっているため、より強いアルカリ、例えばNaOH水溶液、KOH水溶液などとの接触で容易に再生が可能である。
【0029】
本発明の酸の分離方法によって得られる有機酸フロライドは、COF2、CH3COF、CF3COF、C2H5COF、C2F5COF、C3H7COF、C3F7COF、CF3OCF(CF3)COF、CF3OCF2COF及びC6H5COFからなる群から選択される少なくとも1種のフロライドである。混入した酸の濃度が100mass ppm以下であるものが好ましい。また、好ましい有機酸フロライド種はCOF2である。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、有機酸フロライド(RCOF)を分解することなく、有機酸フロライドと酸とが混在する系から酸を分離することが可能である。また、イオン交換樹脂を脱酸剤として用いる場合、酸の分離に使用された脱酸剤は、加熱脱着又はアルカリ脱着によって容易に再生することができる。したがって、本発明を用いると有機酸フロライドにヘキサフルオロプロピレンオキシドをオリゴメリ反応させる際に不要かつ有害な酸分を、脱酸剤による前処理で除去することが可能になる。さらに脱酸剤は加熱によって容易に再生可能であるため、脱酸剤を入れ替える必要がなく、安価な脱酸プロセスとして利用が可能である。
【0031】
また、酸分の除去により、酸分の存在により引き起こされる製造設備や輸送容器への腐食等の問題が緩和されるので、半導体の製造工程で使用される地球温暖化のおそれのないエッチャントガス及びチャンバークリーニングガスとして利用可能な有機酸フロライドを提供できる。
【0032】
【実施例】
実施例1
図1に示した装置を使用し、媒体中のフッ化水素濃度をFTIR(大塚電子(株)製IGA-2000型)で測定した。IRのセル材質はニッケルで、長さは10cmのものを用いた。検出器は液体窒素冷却型MCTを用いた。
【0033】
媒体ガスにはCOF2ガス、脱酸剤には(4-ビニルピリジン)−2%ジビニルベンゼンコポリマー(粒径60メッシュ、Acros Organics社製)を使用した。脱酸剤は3.2g(約5.4cc)を用い、3/8インチステンレス管に充填し(充填長12cm)、予備乾燥として真空下150℃で2時間加熱した。常温まで冷却した後、HF 1050ppm(mol)を含むCOF2ガスを50〜70cc/分の流速で流し、脱酸剤を経由してFTIRセルへ導入した。測定結果、HF濃度が2〜11ppmまで脱酸され、そのまま約50分間ガスを流し続けても11ppm以下を維持した。
【0034】
実施例2
図2に示した装置(材質は全てステンレス製)の反応管(直径2cm、長さ25cm)に(4-ビニルピリジン)−2%ジビニルベンゼンコポリマー14.4gに7.5gのHFを吸着させたもの(計21.9g)を充填し、窒素ガスを80ml/min.の速度で流しながら、ヒーターで外部温度155℃、内部温度130〜150℃に加熱することにより10時間かけて脱酸剤の再生処理した。窒素ガス出口に設けた水酸化カリウム水溶液でHFをトラップし、重量増加を測定したところ6.15gのHFを回収した。また、ポリマーは15.6g回収された。このポリマーは新品同様に使用することが出来た。
【0035】
比較例1
脱酸剤として(4-ビニルピリジン)−2%ジビニルベンゼンコポリマーの代わりにフッ化ナトリウム6.5g(充填長15cm)を用いた以外は実施例1と同様にしてHF濃度を測定した結果、200〜300ppmの範囲であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において使用された反応装置を示す。
【図2】実施例2において使用された反応装置を示す。なお、FICは、Flow Indicator Controlを省略したもので、マスフローコントローラという機械でガス流量を一定に保つように制御している。

Claims (13)

  1. 式(I)
    RCOF (I)
    (式中、Rは、フッ素原子、あるいはヘテロ原子を含んでも良い、炭素数1〜20の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基あるいは炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基を示す)で表される有機酸フロライドと酸とが混在する系から酸を分離する方法において、脱酸剤として、50℃以上の沸点を有し、ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環化合物類を使用することを特徴とする、酸の分離方法。
  2. 酸がHF、HCl及びHBrからなる群から選択される少なくとも1種の酸である請求項1に記載の酸の分離方法。
  3. 酸がHFである請求項1に記載の酸の分離方法。
  4. 脱酸剤が、ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環基を有するポリマーである請求項1に記載の酸の分離方法。
  5. 脱酸剤が、ピリジル基を有するポリマーである請求項1に記載の酸の分離方法。
  6. 脱酸剤が、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリ(2-ビニルピリジン)、ビニルピリジンをスチレン、ジビニルベンゼン又はメタクリル酸ブチルと共重合させた共重合体からなる群から選択される少なくとも1種のポリマーである請求項1に記載の酸の分離方法。
  7. 有機酸フロライドが、COF2、CH3COF、CF3COF、C2H5COF、C2F5COF、C3H7COF、C3F7COF、CF3OCF(CF3)COF、CF3OCF2COF及びC6H5COFからなる群から選択される少なくとも1種のフロライドである請求項1に記載の酸の分離方法。
  8. 有機酸フロライドが、COF2である請求項1に記載の酸の分離方法。
  9. 有機酸フロライドと酸とが混在する系が、有機酸フロライドの製造系であることを特徴とする請求項1に記載の酸の分離方法。
  10. 有機酸フロライドと酸とが混在する系が、ヘキサフルオロプロピレンを酸素により酸化するヘキサフルオロプロピレンオキシドの製造において副生物として得られるフッ化カルボニルとHFとの混合系であることを特徴とする請求項1に記載の酸の分離方法。
  11. 請求項1に記載の酸の分離方法によって得られ、混入した酸の濃度が100mass ppm以下である有機酸フロライド。
  12. 請求項1に記載の酸の分離方法によって得られ、混入した酸の濃度が100mass ppm以下であるCOF2
  13. 式(I)
    RCOF (I)
    (式中、Rは、フッ素原子、あるいはヘテロ原子を含んでも良い、炭素数1〜20の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基あるいは炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基を示す)で表される有機酸フロライドと酸とが混在する系から酸を分離する方法において、脱酸剤として、50℃以上の沸点を有し、ピリジル基を有するポリマーを使用し、脱酸剤として使用されたピリジル基を有するポリマーを、加熱脱着又はアルカリ脱着により再生する工程を含むことを特徴とする、酸の分離方法。
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