JP3084891B2 - ブロモジフルオロアセチルフロライドの精製法 - Google Patents
ブロモジフルオロアセチルフロライドの精製法Info
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- JP3084891B2 JP3084891B2 JP04056758A JP5675892A JP3084891B2 JP 3084891 B2 JP3084891 B2 JP 3084891B2 JP 04056758 A JP04056758 A JP 04056758A JP 5675892 A JP5675892 A JP 5675892A JP 3084891 B2 JP3084891 B2 JP 3084891B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブロモジフルオロアセ
チルフロライドの精製法に関する。更に詳しくは、SO2
を含有する粗製ブロモジフルオロアセチルフロライドの
精製法に関する。
チルフロライドの精製法に関する。更に詳しくは、SO2
を含有する粗製ブロモジフルオロアセチルフロライドの
精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ブロモジフルオロアセチルフロライドBr
CF2COFは、各種の含フッ素化合物製造用の有用な中間体
として知られている。それの合成法としては、例えば C
F2BrCFClBrに発煙硫酸を作用させる方法(特開昭57-4043
3号公報)などが知られている。この反応の際SO2が副生
してくるが、その沸点(-10℃)が生成物の沸点(-2℃)と
非常に近接しているため、蒸留による精製では大きな理
論段数を必要とすることになる。しかも、これらの生成
物および副生物は共に毒性ガスであるため、工業的実施
には多くの問題点がみられる。
CF2COFは、各種の含フッ素化合物製造用の有用な中間体
として知られている。それの合成法としては、例えば C
F2BrCFClBrに発煙硫酸を作用させる方法(特開昭57-4043
3号公報)などが知られている。この反応の際SO2が副生
してくるが、その沸点(-10℃)が生成物の沸点(-2℃)と
非常に近接しているため、蒸留による精製では大きな理
論段数を必要とすることになる。しかも、これらの生成
物および副生物は共に毒性ガスであるため、工業的実施
には多くの問題点がみられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、CF2B
rCFClBrやCF2BrCF2Iなどに発煙硫酸や無水硫酸などを作
用させ、更にそれを熱分解させることにより得られる、
SO2を含有する粗製ブロモジフルオロアセチルフロライ
ドの簡便な精製法を提供することにある。
rCFClBrやCF2BrCF2Iなどに発煙硫酸や無水硫酸などを作
用させ、更にそれを熱分解させることにより得られる、
SO2を含有する粗製ブロモジフルオロアセチルフロライ
ドの簡便な精製法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
臭化カリウムまたは塩化カリウムを分散させたグライム
類中に、SO2を含有する粗製のブロモジフルオロアセチ
ルフロライドを導入し、SO2をグライム類分散液中に吸
着させることによりSO2を除去することにより達成され
る。
臭化カリウムまたは塩化カリウムを分散させたグライム
類中に、SO2を含有する粗製のブロモジフルオロアセチ
ルフロライドを導入し、SO2をグライム類分散液中に吸
着させることによりSO2を除去することにより達成され
る。
【0005】本発明方法を詳細に検討すると、それはSO
2吸着工程とBrCF2COFの回収工程との2工程に分けられ
る。SO2吸着工程では、臭化カリウムまたは塩化カリウ
ムを好ましくは粉砕した上で、エチレングリコールジメ
チルエーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメ
チルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコー
ルジメチルエーテル(テトラグライム)、ポリエチレング
リコールジメチルエーテル(ポリグライム)などのグライ
ム類中、好ましくは溶解・分散性などの点からテトラグ
ライム中に分散させ、その分散液中にSO2を含有する粗
製BrCF2COFが導入させる。SO2吸着温度は、開放系装置
を用いた場合には0℃以下、好ましくは約-20℃以下であ
るが、密閉系装置を用いた場合には室温下でも十分であ
る。この際用いられるカリウム塩は、グライム類に対し
て約1.5〜4.5モル濃度、好ましくは約2〜3.5モル濃度
で、またSO2に対しては等モル以上約4.5倍モル程度迄の
割合で用いられる。
2吸着工程とBrCF2COFの回収工程との2工程に分けられ
る。SO2吸着工程では、臭化カリウムまたは塩化カリウ
ムを好ましくは粉砕した上で、エチレングリコールジメ
チルエーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメ
チルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコー
ルジメチルエーテル(テトラグライム)、ポリエチレング
リコールジメチルエーテル(ポリグライム)などのグライ
ム類中、好ましくは溶解・分散性などの点からテトラグ
ライム中に分散させ、その分散液中にSO2を含有する粗
製BrCF2COFが導入させる。SO2吸着温度は、開放系装置
を用いた場合には0℃以下、好ましくは約-20℃以下であ
るが、密閉系装置を用いた場合には室温下でも十分であ
る。この際用いられるカリウム塩は、グライム類に対し
て約1.5〜4.5モル濃度、好ましくは約2〜3.5モル濃度
で、またSO2に対しては等モル以上約4.5倍モル程度迄の
割合で用いられる。
【0006】このようにしてカリウム塩を分散させたグ
ライム類中に粗製のBrCF2COFを導入することにより、粗
製物中に含有されるSO2はグライム類分散液中に吸着さ
れるので、その後吸着液の温度を約0〜40℃、好ましく
は約10〜30℃とすることにより、沸点-2℃のBrCF2COFは
容易に回収される。BrCF2COFを分離したSO2含有グライ
ム類分散液は、それを約70℃程度迄加熱するとSO2は分
散液から遊離するので、その分散液を再度使用すること
ができる。
ライム類中に粗製のBrCF2COFを導入することにより、粗
製物中に含有されるSO2はグライム類分散液中に吸着さ
れるので、その後吸着液の温度を約0〜40℃、好ましく
は約10〜30℃とすることにより、沸点-2℃のBrCF2COFは
容易に回収される。BrCF2COFを分離したSO2含有グライ
ム類分散液は、それを約70℃程度迄加熱するとSO2は分
散液から遊離するので、その分散液を再度使用すること
ができる。
【0007】
【発明の効果】SO2を含有する粗製ブロモジフルオロア
セチルフロライドを臭化カリウムまたは塩化カリウムを
分散させたグライム類中に導入するだけで、SO2を有効
に分離した高純度のブロモジフルオロアセチルフロライ
ドを容易に得ることができる。
セチルフロライドを臭化カリウムまたは塩化カリウムを
分散させたグライム類中に導入するだけで、SO2を有効
に分離した高純度のブロモジフルオロアセチルフロライ
ドを容易に得ることができる。
【0008】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0009】実施例1 KBr 33.8g(0.284モル)をテトラグライム100ml中に分散
させた分散液を、-20℃迄冷却した後、そこに37.7モル%
のSO2を含有する粗製BrCF2COF 100gを導入し、その温度
を維持したまま30分間撹拌した。その後、徐々に室温迄
戻し、一夜撹拌してから40℃迄加熱し、メタノ-ルを冷
媒とするドライアイス浴によりガスを捕集し、純度(ガ
スクロマトグラフィーにより測定)100モル%のBrCF2COF
70g(収率85%)を得た。
させた分散液を、-20℃迄冷却した後、そこに37.7モル%
のSO2を含有する粗製BrCF2COF 100gを導入し、その温度
を維持したまま30分間撹拌した。その後、徐々に室温迄
戻し、一夜撹拌してから40℃迄加熱し、メタノ-ルを冷
媒とするドライアイス浴によりガスを捕集し、純度(ガ
スクロマトグラフィーにより測定)100モル%のBrCF2COF
70g(収率85%)を得た。
【0010】実施例2 実施例1で用いられたKBrのテトラグライム分散液を70
℃迄加熱してSO2を除去した後、この分散液を用いて粗
製BrCF2COFを精製する操作をくり返して4回行い、次の
ような結果を得た。
℃迄加熱してSO2を除去した後、この分散液を用いて粗
製BrCF2COFを精製する操作をくり返して4回行い、次の
ような結果を得た。
【0011】実施例3 KBr 35.0g(0.294モル)とテトラグライム100mlをオート
クレーブ中に仕込み、撹拌した。この分散液中に、37.7
モル%のSO2を含有する粗製BrCF2COF 100gを室温下で導
入し、一夜撹拌した。オートクレーブを40℃迄加熱し、
メタノ-ルを冷媒とするドライアイス浴によりガスを捕
集し、純度99.3モル%のBrCF2COF 62g(収率76%)を得た。
クレーブ中に仕込み、撹拌した。この分散液中に、37.7
モル%のSO2を含有する粗製BrCF2COF 100gを室温下で導
入し、一夜撹拌した。オートクレーブを40℃迄加熱し、
メタノ-ルを冷媒とするドライアイス浴によりガスを捕
集し、純度99.3モル%のBrCF2COF 62g(収率76%)を得た。
【0012】実施例4 KCl 18.0g(0.242モル)をテトラグライム100ml中に分散
させた分散液を、-20℃迄冷却した後、そこに37.7モル%
のSO2を含有する粗製BrCF2COF 134gを導入し、その温度
を維持したまま30分間撹拌した。その後、徐々に室温迄
戻し、一夜撹拌してから40℃迄加熱し、メタノ-ルを冷
媒とするドライアイス浴によりガスを捕集し、純度97.5
モル%のBrCF2COF 86g(収率76%)を得た。
させた分散液を、-20℃迄冷却した後、そこに37.7モル%
のSO2を含有する粗製BrCF2COF 134gを導入し、その温度
を維持したまま30分間撹拌した。その後、徐々に室温迄
戻し、一夜撹拌してから40℃迄加熱し、メタノ-ルを冷
媒とするドライアイス浴によりガスを捕集し、純度97.5
モル%のBrCF2COF 86g(収率76%)を得た。
【0013】比較例 実施例1において、KBrの代わりにKF 24.5g(0.422モル)
を用いると、BrCF2COFが42.4g(収率48.7%)得られたにす
ぎず、しかもこの中にはSO2を14.8モル%含有していた。
を用いると、BrCF2COFが42.4g(収率48.7%)得られたにす
ぎず、しかもこの中にはSO2を14.8モル%含有していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 53/48 C07C 51/64 CA(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 臭化カリウムまたは塩化カリウムを分散
させたグライム類中に、SO2を含有する粗製のブロモジ
フルオロアセチルフロライドを導入し、SO2をグライム
類分散液中に吸着させることによりSO2を除去すること
を特徴とするブロモジフルオロアセチルフロライドの精
製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04056758A JP3084891B2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | ブロモジフルオロアセチルフロライドの精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04056758A JP3084891B2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | ブロモジフルオロアセチルフロライドの精製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05213812A JPH05213812A (ja) | 1993-08-24 |
JP3084891B2 true JP3084891B2 (ja) | 2000-09-04 |
Family
ID=13036407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04056758A Expired - Fee Related JP3084891B2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | ブロモジフルオロアセチルフロライドの精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3084891B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4264689B2 (ja) | 2001-06-05 | 2009-05-20 | ダイキン工業株式会社 | 酸の分離方法 |
JP4857618B2 (ja) * | 2005-06-22 | 2012-01-18 | ダイキン工業株式会社 | 酸フルオライドの製造方法 |
-
1992
- 1992-02-07 JP JP04056758A patent/JP3084891B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05213812A (ja) | 1993-08-24 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |