JP4857618B2 - 酸フルオライドの製造方法 - Google Patents

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本発明は、酸フルオライドを簡便でかつ高純度で製造する方法に関する。
酸フルオライドは、種々の含フッ素系有機化合物を製造するための有用な物質であり、例えばオキザリルフルオライドや、パーフルオロアルキルジ酸フルオライドはパーフルオロアルキルビニルエーテル化合物を作るための出発物質として用いられる。
酸フルオライドを製造する方法として、酸クロライドとフッ化水素を用いる方法がある(例えば特許文献1)。しかし、かかる反応に用いられるフッ化水素は沸点が19.5℃と常温で気体になる有毒な物質であるため取り扱いが困難である。
かかる問題を解決すべく、ナトリウムフルオライド(NaF)などのアルカリ金属フッ化物を用いて酸クロライドをアセトニトリルやスルホランといった非プロトン性溶媒中で反応させ、得られた反応生成物を蒸留して酸フルオライドを90%以上の単離収率で分離する方法が提案されている(例えば特許文献2、非特許文献1)。しかしながら、反応生成物中で酸フルオライドと非プロトン性溶媒の間に何らかの相互作用が生じており、酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液を蒸留精製する際、酸フルオライド中に非プロトン性溶媒の一部が混入してしまい、さらに高純度の単離精製は困難となっている。
特開昭54−158396号公報 特開昭63−72645号公報 Journal of Organic Chemistry, p2016, 1960
本発明は、酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液、特にアルカリ金属フッ化物を用いて酸クロライドを非プロトン性溶媒中で反応させて得られる酸フルオライド反応生成物である酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液から実質的に全ての非プロトン性溶媒を簡便に分離可能にし、高純度の酸フルオライドを製造する方法を提供することを課題とする。
酸フルオライドは水やアルコールなどと激しく反応し分解してしまうのであるが、意外にも、酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液に酸を加えた場合、酸フルオライドを分解することなく酸フルオライドと非プロトン性溶媒との相互作用を断ち切ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液を酸で処理したのち酸フルオライドを回収することを特徴とする酸フルオライドの製造方法に関する。
非プロトン性溶媒としては、極性をもつ非プロトン性溶媒であるエーテル類、ケトン類、ニトリル類、アミド類、スルホキシド類、含窒素複素環化合物類、3級アミン類、スルホン類が好ましく、特に25℃での誘電率が16以上70以下であるエーテル類、ニトリル類、アミド類、スルホキシド類、3級アミン類、含窒素複素環化合物類が好ましい。特に誘電率が20以上60以下であるアセトニトリル、スルホラン、ジメチルホルムアミド(DMF)、2−メチルピロリドン(NMP)などが好ましい。
酸としてはルイス酸でもブレンステッド酸でもよく、また無機酸、有機酸のいずれであっても用いることができる。また高分子量の酸でも低分子量の酸でもよく、形態は気体、液体、固体のどの形態でもよい。
酸は特にH+を放出するpKa6以下で−30以上であるブレンステッド型の酸の溶液であることが好ましく、その中でも酸性のプロトン性溶媒として、具体的には硫酸、塩酸、有機スルホン酸化合物、有機カルボン酸化合物などがあげられる。
酸フルオライドとしては、オキザリルフルオライド、パーフルオロアルキルジ酸フルオライド、パーフルオロエーテルジ酸フルオライド、パーフルオロアルキルモノ酸フルオライドまたはパーフルオロエーテルモノ酸フルオライドなどがあげられる。
本発明の製造方法の原料である酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液は、たとえば非プロトン性溶媒中で酸クロライドにアルカリ金属フッ化物を作用させて得られる反応生成物の形態で提供される。
本発明の製造法によれば、非プロトン性溶媒中の酸フルオライドを簡便に分離でき、高純度の酸フルオライドを得ることができる。
まず、本発明の分離方法に使用する酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液について説明する。
酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液としては、前記の特許文献1記載のアセトニトリル中で酸クロライドにフッ化水素を反応させる製法で得られる反応生成物でもよいし、特許文献2または非特許文献1記載の非プロトン溶媒中で酸クロライドにアルカリ金属フッ化物を反応させる製法で得られる反応生成物でもよい。
反応収率がよく取り扱いやすいという点から、後者のアルカリ金属フッ化物を使用する製法で得られた反応生成物が好適である。
酸クロライドとしては、酸クロライド基(COCl)を有する化合物であれば特に限定されない。しかし、フッ素化して得られる酸フルオライドの用途などから、たとえばオキザリルクロライド、パーフルオロアルキルジ酸クロライド、パーフルオロエーテルジ酸クロライドなどのパーフルオロジ酸クロライド類;パーフルオロアルキルモノ酸クロライド、パーフルオロエーテルモノ酸クロライドなどのパーフルオロモノ酸クロライド類;炭化水素を含む酸クロライドなどの炭化水素系酸クロライド類などが例示できる。
オキザリルクロライドはフッ素化剤として、またフルオロエーテル化合物の製造にも有用なオキザリルフルオライドを生成する。
またアルキル酸クロライド類、さらにフルオロアルキル酸クロライド、特にパーフルオロアルキル酸クロライドは、(パー)フルオロエーテルの製造に使用される(パー)フルオロアルキル酸フルオライドの原料として有用である。
アルカリ金属フッ化物としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化ルビジウムなどを用いることができ、好ましくは安価で工業的に入手が容易なフッ化カリウムが用いられる。
非プロトン性溶媒としては、上記のような極性をもつ非プロトン性溶媒であるエーテル類、ケトン類、ニトリル類、アミド類、スルホキシド類、含窒素複素環化合物類、3級アミン類、スルホン類が好ましく、特に誘電率16以上70以下、さらには誘電率が20以上60以下であるエーテル類、ニトリル類、アミド類、スルホキシド類、3級アミン類、含窒素複素環化合物類が好ましい。
具体的には、ジグライム(=ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリグライム(=トリエチレングリコールジメチルエーテル)、テトラグライム(=テトラグライムグリコールジメチルエーテル)、アセトニトリル、アジポニトリル、スルホラン、DMF、NMPなどが用いられる。なかでもアセトニトリル、スルホラン、DMF、NMPが好ましく、特に特殊な溶媒極性と塩基度を有するアセトニトリルが好ましい。
酸クロライドとアルカリ金属フッ化物の反応条件(温度、圧力、非プロトン性溶媒の種類や量など)は、従来の方法と同様でよく、たとえば次の条件が好ましく採用できる。
酸クロライドに対するアルカリ金属フッ化物の割合:
酸クロライド中の酸クロライド基(COCl)に対してアルカリ金属フッ化物中のフッ素イオン量が1.0〜5.0倍、好ましくは1.2〜1.7倍となる量のアルカリ金属フッ化物を使用する。
非プロトン性溶媒の量:
酸クロライドの濃度を5〜80質量%、好ましくは20〜60質量%とする量で使用する。
反応温度:
−20〜50℃、好ましくは0〜30℃。
反応圧力:
1〜2.0MPa、好ましくは1MPa。
反応時間:
1〜24時間、好ましくは3〜8時間。
反応生成物(酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液)中の酸フルオライドの濃度は、30質量%以上、さらには20質量%以上とすることが反応に要するコストの軽減や操作が容易な点から好ましい。酸フルオライドの濃度の上限は、従来の精製物、すなわち反応生成物を蒸留などの分離(単離)処理により精製したもの(非プロトン性溶媒が不純物として混入しているもの)の濃度である。この従来の精製酸フルオライドは、濃度が80質量%を超えないものである。ただ、反応液の濃度が高いと未反応の酸クロライドが残存するため好ましくない。よって精製処理を重ねて行なうことを避けるためには、70質量%以下、さらには60質量%以下の濃度とすることが好ましい。
本発明の方法では、この酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液を酸で処理する。
酸フルオライドとしては、前記酸クロライドの塩素原子がフッ素原子に置き換わった酸フルオライド基(COF)を有する化合物であり、具体的には、たとえばオキザリルフルオライド、パーフルオロアルキルジ酸フルオライド、パーフルオロエーテルジ酸フルオライドなどのパーフルオロジ酸フルオライド類;パーフルオロアルキルモノ酸フルオライド、パーフルオロエーテルモノ酸フルオライドなどのパーフルオロモノ酸フルオライド類;炭化水素基を含む酸フルオライドなどの炭化水素系酸フルオライド類などが例示できる。
酸としては無機酸、有機酸のいずれも用いることができる。ここでいう有機酸および無機酸とは、H+を放出するブレンステッド型の酸とH+を放出しない酸であるルイス酸の双方を含んでいる。また高分子量の酸でも低分子量の酸でもよく、形態は気体、液体、固体のどの形態でもよい。
酸は任意のものであってもよいが、H+を放出するブレンステッド型の酸としては、テトラフルオロホウ酸、タングステン酸、クロム酸、ヘキサフルオロ燐酸、過塩素酸、ヘキサフルオロ砒素酸、硝酸、硫酸、燐酸、フッ酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、チオシアン酸などの無機酸;トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロピルスルホン酸、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、n−ヘキサンスルホン酸、n−オクチルスルホン酸、セチルスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、4−ニトロトルエン−2−スルホン酸、2−スルホ安息香酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホコハク酸、スルホセバシン酸などの有機酸などがあげられる。そのほか、アクリル酸、メタクリル酸、側鎖にカルボン酸を有するスチレン、側鎖にスルホン酸を有するスチレン、ナフィオン(デユポン社の商標)に代表される側鎖にスルホン酸を含有するパーフルオロスルホン酸系高分子化合物、フレミオン(旭硝子(株)の商標)に代表される側鎖にカルボン酸を含有するパーフルオロカルボン酸系高分子化合物、側鎖にリン酸を含有するパーフルオロリン酸系高分子化合物、主鎖または側鎖にスルホニルイミドを含有するパーフルオロイミド系高分子化合物といった固体高分子酸なども例示できる。特にpKa6以下で−30以上であるブレンステッド型の酸が好ましい。
+を放出しない酸であるルイス酸としては、ホウ素、アルミニウム、シリカ、また、遷移金属、たとえばモリブデン、タングステン、アンチモン、クロム、チタン、コバルト、鉄、マンガン、ニッケル、バナジウム、タンタル、オスミウム、銅、亜鉛などの金属酸化物、これらの金属のハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)といった無機酸のほか、m−またはp−ニトロトルエン、ニトロベンゼン、p−ニトロフルオロベンゼン、p−ニトロクロロベンゼン、2,4−ジニトロトルエン、2,4−ジニトロフルオロベンゼン、2,4,6−トリニトロトルエン、2,4,6−トリクロロベンゼンといった有機酸があげられる。
固体の酸(無機酸、固体高分子酸)を用いる場合は揮発性がないため、特に高沸点の酸フルオライドの分離に適している。特に固体高分子酸はイオン交換膜としてよく用いられており、再生可能、反応後の液中から分離が容易な点で望ましい。
+を放出するブレンステッド型の酸としては、生成する酸フルオライドと沸点差の大きい酸が好ましく、この場合、無機酸でも有機酸でもよく、強酸でも弱酸でもよい。また、液状でも気体状でも固体状でもよい。水やアルコールを酸と共存させて用いることもできる。ただし、水、アルコールを共存させる場合には酸フルオライドの種類によっては酸フルオライドを分解する場合もあり、酸フルオライドの種類によって選択する。たとえば長鎖含フッ素アルキル酸フルオライドは水、アルコールが共存しても分解しにくいが、短鎖含フッ素アルキル酸フルオライドは分解してしまうので、水、アルコールの共存は好ましくない。気体状の酸を用いる場合は、気体の沸点が低いため酸フルオライドの種類によっては分離が容易になることもある。
無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸などの強酸が例示できる。また、低沸点の酸フルオライドの場合は沸点の高い硫酸が好ましく、高沸点の酸フルオライドの場合は沸点の低い塩酸での処理が好ましい。
有機酸としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸などの弱酸性のものがあげられ、特に安全性と価格の面で有利な酢酸が好ましい。
酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液を酸性のプロトン性溶媒で処理する方法としては、特に限定されず、酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液中に酸を加えても、また酸に酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液を加えてもよい。
たとえばつぎのような方法が例示できる。
(1)酸フルオライドの沸点が低い場合(たとえばオキザリルフルオライド(沸点0℃)、ヘキサフルオログルタル酸フルオライド(沸点46℃)、ヘプタフルオロブチル酸フルオライド(沸点0℃)などの沸点が約50℃以下の場合)、酸フルオライドの沸点未満(オキザリルフルオライドの場合は−8℃から−0℃未満)に酸を維持しながら、酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液を滴下する。この場合、滴下すると直ちに系内の反応による発熱により酸フルオライドが気化するので、気化した酸フルオライドをドライ−メタノールコールドトラップで捕集する。系の圧力は常圧でよい。
(2)酸フルオライドの沸点が比較的高い(たとえばオクタフルオロアジピン酸フルオライド(沸点72℃)、ベンゾフルオライド(沸点159℃)などの沸点が約50℃を超える場合)場合、酸に酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液を常温(約20〜30℃)にて液状で加える。この場合、得られる混合液は非プロトン性溶媒層と酸性のプロトン性溶媒層に分離する。酸フルオライドは酸性のプロトン性溶媒に移行するので、プロトン性溶媒層を分離し、蒸留により精製する。系の圧力は常圧でよい。
(3)気体状の酸(塩化水素、フッ化水素など)を酸フルオライドの非プロトン性溶媒溶液にバブリングする。この場合、酸フルオライドと非プロトン性溶媒の相互作用は切断され、精製が容易になる。
(4)酸基を有する高分子化合物の膜に関しては、側鎖に−COOHや−SO3Hなどの酸基を有する高分子化合物を用い、高分子化合物に酸フルオライドの非プロトン性溶媒を滴下し、酸フルオライドと非プロトン性溶媒の相互作用を切断することで精製を行う。
かくして分離される酸フルオライドは非プロトン性溶媒との相互作用が断絶されており、精留等の精製処理に供することにより、非プロトン性溶媒の含有量が5質量%未満、さらには検出限界未満(0.1質量%未満)の超高純度(99.9質量%超)の酸フルオライドを得ることができる。
つぎに実施例をあげて本発明の製造法を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本明細書で使用する測定方法および装置、条件はつぎのとおりである。
なお、本発明で採用したNMR測定法は以下のとおりである。
NMR装置:BRUKER社製のAC−300を使用する。
19F−NMR:
測定条件:282MHz(トリクロロフルオロメタン=0ppm)
1H−NMR:
測定条件:300MHz(テトラメチルシラン=0ppm)
実施例1
(1−1)オキザリルフルオライドのアセトニトリル溶液の製造
還流冷却管と攪拌機を備えた容量2Lのフラスコに、粒子径が10〜50μmの範囲にあるフッ化カリウム粒子(森田化学工業(株)製のクロキャットF)240g(4.14mol)と含水率が50ppm以下のアセトニトリル430gを入れた。攪拌下に液温を30℃以下に制御しながらオキザリルクロライド200g(1.58mol)を3時間かけて滴下した。滴下終了後3時間反応を続けたのち、フッ化カリウム粒子を濾過して取り除いた。得られた反応生成物をガスクロマトグラフィで分析したところ、オキザリルクロライドは検出されず、転化率は100%であった。得られたオキザリルフルオライドのアセトニトリル溶液の濃度は23質量%であった。
(ガスクロマトグラフィ検出)
装置:島津製作所製のGC−14A
カラム:SE−30
測定条件:50℃で5分保持した後、250℃まで10℃/minで昇温し250℃で30分保持する。
リテンションタイム:
オキザリルクロライド:2.844min
オキザリルフルオライド:1.007min
アセトニトリル:2.113min
(1−2)オキザリルフルオライドの分離と回収
ドライアイスコールドトラップ、還流冷却管および攪拌機を備えた容量1Lのフラスコに濃硫酸250gを入れた。攪拌下に液温を0℃に保ったまま、上記(1−1)で得られたオキザリルフルオライドの23質量%アセトニトリル溶液250gを3時間かけて滴下した。このとき滴下につれて発熱反応による液温の局所的な上昇によりオキザリルフルオライド(沸点−8℃)が蒸発するので、ドライアイスコールドトラップで捕集した。最終的に59g回収できた(収率84%)。
捕集したオキザリルフルオライドを19F−NMRにより分析したところアセトニトリルは検出されず、超高純度(99.9質量%超)のオキザリルフルオライドであることを確認した。
19F−NMR:19.01ppm(2F)
1H−NMR :測定されず。
実施例2
(2−1)ベンゾフルオライドのアセトニトリル溶液の製造
容量300mlの3つ口フラスコを窒素で充填し、フッ化カリウム粒子(森田化学工業(株)製のクロキャットF)11.71g(202mmol)とアセトニトリル100mlを仕込んで攪拌した。ついでベンゾクロライド14.38g(102mmol)を1時間かけて滴下したところ、発熱は観測されなかった。攪拌を1夜間続けたのち、フッ化カリウム粒子を濾過して取り除いた。得られた反応生成物をガスクロマトグラフィで分析したところ、ベンゾクロライドは検出されず、転化率は100%であった。得られたベンゾフルオライドのアセトニトリル溶液の濃度は10質量%であった。
(ガスクロマトグラフィ検出)
装置:島津製作所製のGC−7A
カラム:CBP5
測定条件:80℃で0分保持した後、250℃まで10℃/minで昇温し250℃で30分保持する。
リテンションタイム:
ベンゾクロライド:5.991min
ベンゾフルオライド:3.834min
アセトニトリル:2.374min
(2−2)ベンゾフルオライドの分離と回収
上記(2−1)で得られたベンゾフルオライドの10質量%アセトニトリル溶液を分液ロートに入れ、1規定の塩酸を用いて洗浄したところ、アセトニトリルが塩酸相に移動し、下層としてオイル状物を得た。
このオイル状物を100mmHgの減圧蒸留に供し、91℃留分を7.78g得た(収率63%)。この留分を19F−NMRおよび1H−NMRにより分析したところ、ベンゾフルオライドであってアセトニトリルを含まない超高純度(99.9質量%超)のベンゾフルオライドであることを確認した。
19F−NMR:7.14ppm(1F)
1H−NMR :7.57〜8.05ppm(5H)

Claims (3)

  1. オキザリルフルオライドまたはベンゾフルオライドアセトニトリル溶液を酸で処理したのち酸フルオライドを回収することを特徴とする酸フルオライドの製造方法。
  2. 酸が、塩酸、硫酸、有機カルボン酸または有機スルホン酸である請求項記載の製造方法。
  3. オキザリルフルオライドまたはベンゾフルオライドが、アセトニトリル中で酸クロライドにアルカリ金属フッ化物を作用させて得られる反応生成物である請求項1または2に記載の製造方法。
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