JP4257814B2 - 重合性組成物及びその重合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体と、メタクリル酸メチルを50質量%以上含む単量体とを含む重合性組成物の重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタクリル樹脂の耐熱性を向上させる一つの手段として、立体規則性の制御が可能なアニオン重合法や配位アニオン重合法による重合技術が報告されている。アニオンまたは配位アニオン重合法は、工業的に用いられている熱または光ラジカル重合法と比較し、単量体の重合挙動、例えば立体規則性、共重合反応性、重合活性等を精密に制御できる技術である。
【0003】
また、ポリ(メタクリル酸メチル)のシンジオタクティシティーが高いほど耐熱性に優れていることは周知の事実であるが、高価な有機金属化合物を重合開始剤として用いて重合するため、コストが高いという問題があった。また得られた重合体は残存した金属により着色しやすく、特に透明性が特徴であるメタクリル樹脂にとって致命的な欠点となる問題があった。
【0004】
一方、ラジカル重合で立体規則性を制御する方法としては、予め嵩高い置換基で単量体の一部を置換し、重合後置換基を交換する方法が報告されているが、必要となる反応ステップが多くなり、コストが高いという問題があった。
【0005】
同じくラジカル重合を用いた立体規則性の制御に関する技術は、例えば特開平6−287398号公報、特開平7−242705号公報、特開平8−301937号公報に開示されているが、これらの技術は、アイソタクティックポリ(メタクリル酸メチル)を用いてアイソタクティックポリ(メタクリル酸メチル)とシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)からなるステレオコンプレックスを製造するものであり、シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)のみからなる重合体の製造については開示されていない。
【0006】
また、Polymer Preprints,Japan Vol.47,No.7,1291(1998)には、フルオロアルコールをはじめとするプロトン性溶媒中でのメタクリル酸メチルのラジカル重合によって、シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)を重合する方法が報告されているが、この方法は、高価であり、且つ環境に悪影響を与えるフッ素化化合物を溶媒として多量に用いるという問題があった。さらに得られた重合体を再沈殿し、または溶媒を蒸発させて重合体を回収しなければならないため、重合体の製造が容易でないという問題があった。
【0007】
Journal of Polymer Science;Polymer Chemistry Edition,Vol.11,989(1973)には、シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)存在下でメタクリル酸メチルを塊状重合する技術が記載されているが、この技術はアイソタクティックポリ(メタクリル酸メチル)とシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)からなるステレオコンプレックスを製造するものであり、シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)のみからなる重合体の製造については開示されていない。また、ラジカル重合温度が高いため十分な立体規則性の制御ができず、得られた重合部のシンジオタクティシティーは3連子表示(%rr)で60未満と低いものであった。
【0008】
一方、Journal of Polymer Science;Polymer Chemistry Edition,Vol.11,1003(1973)には、シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)存在下でメタクリル酸メチルをジメチルホルムアミド中で重合する技術が記載されているが、この技術もアイソタクティックポリ(メタクリル酸メチル)とシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)からなるステレオコンプレックスを製造するものであり、シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)のみからなる重合体の製造については開示されていない。また、得られるラジカル重合部のシンジオタクティシティーは3連子表示(%rr)で60未満と低いものであった。
【0009】
さらに、Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition,Vol.23,813(1985)には、シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)をメタクリル酸メチル単量体にて膨潤させ、塊状でラジカル重合させる技術が記載されている。この技術もアイソタクティックポリ(メタクリル酸メチル)とシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)からなるステレオコンプレックスを製造するものであり、シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)のみからなる重合体の製造については開示されていない。また、この技術において膨潤させるシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)のシンジオタクティシティーは、3連子表示(%rr)で75と低いものであった。また、ステレオコンプレックス形成のために、膨潤させるシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)は重合性組成物中に58〜77質量%と多量に含有させることが必要であるが、得られるポリ(メタクリル酸メチル)のシンジオタクティシティーは3連子表示(%rr)で55以下と低いものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、従来は3連子表示(%rr)で60以上のシンジオタクティシティーを有するシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体を安価で、且つ簡便なラジカル重合法で得ることは困難であった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、3連子表示(%rr)で76以上のシンジオタクティシティーを有するシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体0.001〜60質量%と、メタクリル酸メチルを50質量%以上含む単量体40〜99.999質量%とを含み、JIS K 7117に準拠して測定したSVI値が1.3以上である重合性組成物を、重合開始剤存在下、85℃以下で重合する工程を少なくとも含む、3連子表示(%rr)で65以上のシンジオタクティシティーを有するシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体の重合方法にある。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の重合性組成物を構成する重合体は、3連子表示(%rr)で76以上のシンジオタクティシティーを有するシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む。シンジオタクティシティーは3連子表示(%rr)で85以上であることが好ましい。その連鎖単位部の重量平均分子量は特に限定されないが、1000以上であることが好ましい。連鎖単位部を含む重合体の組成はメタクリル酸メチル単位単独でもよく、メタクリル酸メチル単位の他に、アクリル酸エステル等の共重合可能な単量体単位を含んでいてもよい。重合体中のメタクリル酸メチル単位の含有量は、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、100質量%、即ち重合体がシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)であることが最も好ましい。
【0015】
重合体中のシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位部は、公知の方法、例えば特公平6−89054号公報、特開平3−263412公報に開示されているアニオン重合法、配位アニオン重合法あるいは低温ラジカル重合法によって製造することができる。アニオン重合法および配位アニオン重合法の場合、通常−100〜100℃の間で重合されるが、重合温度は50℃以下が好ましく、0℃以下がより好ましい。
【0016】
本発明の重合性組成物中の重合体含有量は0.001〜60質量%であり、0.01〜40質量%が好ましい。又、本発明の重合体組成物中のシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位部の含有量は、0.001〜50質量%が好ましく、0.01〜30質量%がより好ましく、0.1〜20質量%が更に好ましい。
【0017】
本発明の重合性組成物を構成するメタクリル酸メチル(以下、適宜「MMA」という)を50質量%以上含む単量体とは、MMA単独、または50質量%以上のMMAと、MMAと共重合可能な他の単量体との単量体混合物である。MMAと共重合可能な他の単量体としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸テトラフルオロエチル、メタクリル酸ペンタフルオロエチル等のMMA以外のメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類などが挙げられる。更にスチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、無水マレイン酸、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン等脂環式オレフィン誘導体;(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン等分子内に重合可能な官能基を2個以上有する単量体も挙げられる。これらは2種類以上を併用することができる。
【0018】
これらの各単量体は、溶解性パラメーターが12〜30MPa1/2で、且つ25℃におけるモル体積が60〜250cm3/molであるものが好ましい。本発明の重合性組成物を重合して得られるシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体のシンジオタクティシティーを高くするためには、溶解性パラメーターが15〜25MPa1/2で、且つ25℃におけるモル体積80〜150cm3/molである単量体がより好ましい。より好ましい単量体としては、MMA、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。
【0019】
本発明の重合性組成物は、JIS K 7117に準拠して測定したSVI値が1.3以上である。このSVI値とは、回転数6min-1での粘度η1と回転数60min-1での粘度η2との比(η1/η2)のことである。SVI値が1.3未満であると重合性樹脂組成物のゾル・ゲル転移が不充分で好ましくない。SVI値は3.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。
【0020】
また、本発明の重合性組成物には、重合性官能基を分子内に有しない有機化合物であって、溶解性パラメーターが12〜30MPa1/2で、且つ25℃におけるモル体積が60〜250(cm3/mol)である有機化合物をさらに含むことができる。有機化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物や、アセトン、ジエチルケトン、クロロアセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのカルボニル化合物などが挙げられる。これらは2種類以上を併用することができる。溶解性パラメーターが15〜25MPa1/2で、且つ25℃におけるモル体積が80〜150cm3/molである有機化合物がより好ましく、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素化合物が最も好ましい。
【0021】
本発明の重合性組成物は、MMAを50質量%以上含む単量体又は、これと有機化合物との混合物に、シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体を、溶解または膨潤させたものであることが好ましい。この重合性組成物は、予め重合しておいたシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体を、MMA又は、これと有機化合物との混合物に加熱溶解させたものであってもよい。またアニオン重合法あるいは配位アニオン重合法によってメタクリル酸メチルを主成分とする単量体または単量体混合物中で重合して得られたシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体溶液をそのまま本発明の重合性組成物として用いることもできる。さらに本発明の重合方法の実施後は、その実施により得られたシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体を本発明の重合性組成物を構成するシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体として使用することもできる。
【0022】
本発明の重合性組成物の重合は、公知の重合開始剤を用いて重合することができる。重合開始剤としてはラジカル重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルへキサノエート等の有機過酸化物類、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)等のアゾ化合物類、さらには公知のレドックス系開始剤、光ラジカル重合用開始剤等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、単量体100質量部に対して0.001〜1質量部程度が好ましい。さらに、必要に応じて、公知の添加剤、例えば連鎖移動剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、染料、顔料等を添加することもできる。
【0023】
本発明の重合性組成物の重合方法は、立体規則性の制御の点から、85℃以下で重合する工程を少なくとも含むことが好ましい。また、最終的に重合体中に残存する単量体を低減させるために85℃よりも高い温度で重合する工程が含まれていてもよいが、重合温度が高くなると、得られる重合体のシンジオタクティシティーが低下するので、その工程は短時間であることが好ましい。
【0024】
重合方法は特に限定されないが、ラジカル重合を行うことのできる公知の方法が好ましく、例えば塊状重合法や、重合性組成物を水に分散させて重合する懸濁重合法、乳化重合法等を用いることができる。
【0025】
本発明の重合性組成物は、温度応答的にゾル・ゲル転移が起こり、それは粘度や弾性率の変化として測定することができる。これはシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体と、単量体や有機化合物との間においてコンプレックスが形成されるために起こる現象である。その現象は、示差熱分析(DSC)、レオメーター、NMR、粘度計などによって測定することができる。例えばDSCを用いた場合、単量体や有機化合物を含まないシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体はガラス転移温度しか測定されないが、物理ゲルを形成した際には昇温過程においてゲルの融解温度、降温過程においてゲル化温度をそれぞれ測定することができる。
【0026】
本発明の重合方法で得られたシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体は、耐熱性が高く、従来のメタクリル樹脂が使用されてきた用途のみならず、より高い耐熱性が要求されるヘッドランプ、導光板及び光ファイバー等の自動車積載用途にも使用できる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の各種評価は、以下の方法で実施した。
(1)重量平均分子量(Mw)・分子量分布(Mw/Mn)
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)、溶媒はクロロホルムを用いて35℃で測定し、GPC法によりポリメタクリル酸メチル換算で求めた。
(2)タクティシティー・重合体転化率
プロトン核磁気共鳴スペクトル測定装置(日本電子(株)製EX−270)、溶媒は重クロロホルムを用い50℃で測定した。タクティシティーは3連子表示(%rr)で示した。
【0028】
得られた重合体の重量測定及びプロトン核磁気共鳴スペクトル測定によって、重合性組成物中に予め含有されていたシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)を除いた重合体、即ち本発明の重合方法によって重合された重合体の含有率:F1質量%、及び3連子表示(%rr)のシンジオタクティシティー:S1を以下の計算式によって求めた。
【0029】
なお、重合性組成物中のシンジオタクチックポリ(メタクリル酸メチル)の含有率をF0質量%、シンジオタクティシティーをS0、得られた重合体中のシンジオタクチックポリ(メタクリル酸メチル)の含有率をF2質量%、シンジオタクティシティーをS2とした。
【0030】
F1=F2−F0
S1=(F2×S2−F0×S0)÷(F2−F0)
また、重合体転化率はF1を重合性組成物中の単量体含有質量%で除して求めた。
(3)ゲルの融解温度及びゲル化温度
示差熱分析装置((株)島津製作所製)、JIS K 7121に従って、物理ゲルの融解温度(以下「Tm」という)およびゲル化温度(以下「Tg」という)を測定した。
(4)SVI値
JIS K−7117に準拠した方法で測定した。
【0031】
[実施例1]
ガラスアンプルの中で、Mwが56,000、Mw/Mnが1.08、3連子表示(%rr)が89であるシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)10質量%を、単量体として脱気窒素置換したMMA90質量%に加熱溶解した。さらに単量体100質量部に対して2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)を1000ppm、n−オクチルメルカプタンを3000ppm加えて、重合性組成物を得た。この重合性組成物を0℃で3時間放置し物理ゲルのTmおよびTgと、SVI値とを測定した。その後、25℃で24時間重合し重合体を得た。なお、MMAの溶解性パラメーターは18.0MPa1/2、25℃におけるモル体積は106.1cm3/molであった。重合体の測定結果を表1に示した。
【0032】
[実施例2]
シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)を5質量%、MMAを95質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、重合体を得、測定結果を表1に示した。
【0033】
[実施例3]
シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)を1質量%、MMAを99質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、重合体を得、測定結果を表1に示した。
【0034】
[実施例4]
シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)として、Mwが110,000、Mw/Mnが1.08、3連子表示(%rr)が91であるシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、重合体を得、測定結果を表1に示した。
【0035】
[実施例5]
シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)として、Mwが430,000、Mw/Mnが1.08、3連子表示(%rr)が90であるシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、重合体を得、測定結果を表1に示した。
【0036】
[実施例6]
25℃で24時間重合する代わりに、60℃で2時間重合し、さらに130℃で2時間重合したこと以外は実施例5と同様にして、重合体を得、測定結果を表1に示した。
【0037】
[実施例7]
MMA95質量%の代わりに、MMA57質量%とp−キシレン38質量%としたこと以外は実施例2と同様にして、重合体を得、測定結果を表1に示した。なおp−キシレンの溶解性パラメーターは18.0MPa1/2、25℃におけるモル体積は122.6cm3/molであった。
【0038】
[比較例1]
シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)として、Mwが98,000、Mw/Mnが1.54、3連子表示(%rr)が50であるシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、重合体を得、測定結果を表1に示した。
【0039】
[比較例2]
シンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)を0質量%として、MMAを100質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、重合体を得、測定結果を表1に示した。
【0040】
[比較例3]
25℃で24時間重合する代わりに、60℃で2時間重合し、さらに130℃で2時間重合したこと以外は比較例1と同様にして、重合体を得、測定結果を表1に示した。
【表1】
【0041】
【発明の効果】
本発明の重合方法によって3連子表示(%rr)で60以上のシンジオタクティシティーを有するシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体が安価で、且つ簡便なラジカル重合法で得られる。また本発明の重合性組成物を重合することによって、前記のシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体を容易に得ることができる。
Claims (1)
- 3連子表示(%rr)で76以上のシンジオタクティシティーを有するシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体0.001〜60質量%と、メタクリル酸メチルを50質量%以上含む単量体40〜99.999質量%とを含み、JIS K 7117に準拠して測定したSVI値が1.3以上である重合性組成物を、
重合開始剤存在下、85℃以下で重合する工程を少なくとも含む、3連子表示(%rr)で65以上のシンジオタクティシティーを有するシンジオタクティックポリ(メタクリル酸メチル)連鎖単位を含む重合体の重合方法。
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