近年の高画質化技術の開発によりトナーは小粒径化傾向にあり、平均粒径が8μm以下であって、粒径分布もよりシャープであるトナーが開発されている。これに伴って、キャリアも小粒径化される傾向にある。また、1コピー当たりのトナー消費量を低減するために、従来は5〜6%であったトナー中の顔料の濃度(含有量)を、8〜20%程度と高くすることの検討も行われている。
このように、トナー及びキャリアが小粒径化されることによって、現像剤の単位重量当たりの比表面積が大きくなり、さらに顔料濃度が高くなることによってその分、湿度環境の変化に対する現像剤の挙動の変化が大きくなる。
特許文献1においては、図29に示すように、湿度が高湿度側へ変化したときにはトナー濃度を制御するための基準値V0 がVb と高くなるように補正し、低湿度側へ移動したときにはVc と低くなるように補正している。
特許文献1の画像形成装置は、湿度変化が生じたときに、実際にATCセンサ10の基準出力電圧値の変更を実行するための条件として、予め設定された画像形成条件で感光体ドラム上にトナーパッチ像を形成し、このトナーパッチ像の濃度を検出するフォトセンサ12の濃度検出結果に基づいて、CPU13は画像濃度を一定に保持すべく、現像バイアス電圧値を補正し、補正後の現像バイアス電圧値を記憶して、以後、補正された現像バイアス電圧値が所定値以上に変化したときに、ATCセンサ10の基準出力電圧値の変更を実行するように構成されている。
このトナー濃度の補正方法では、前回の画像濃度補正時に決定された現像バイアス電圧値と今回の画像濃度補正時に決定された現像バイアス電圧値との差が所定値以下である場合が何回も繰り返された場合、湿度環境が変化しているにも関わらず基準出力電圧値の変更が行われず、適切なトナー濃度の補正が実施されないことになる。
図30は、ATCセンサ10の出力電圧値と現像剤撹拌時間との関係を示すグラフである。図30に示すように、たとえトナー濃度が一定であっても、現像装置4内の現像剤は撹拌時間が増加するに従い、ATCセンサ10の出力電圧値が増加する。この現象は、キャリアの周りにトナーが強固に固着する現象(スペントトナー)によって生じると考えられている。このATCセンサ10の出力電圧値の増加分を考慮しないで、トナー濃度の制御を実施してトナーを補給すると、現像剤撹拌時間の増加とともにトナー濃度が上昇することになり、帯電量低下が発生し、トナー飛散、地カブリ及び画像のつぶれ等が発生して画質が低下するという問題が生じる。
特許文献1の画像形成装置では、現像剤の撹拌時間に対応して、ATCセンサ10の基準出力電圧値に、現像剤の劣化状態に対応したATCセンサ10の出力電圧値の変化量に基づく補正値を湿度変化に対応した補正値に上乗せ、基準出力電圧値を変化させることによって、トナー濃度を適正に保持するように制御しているが、上述したスペントトナーによるATCセンサ10の出力電圧値の増加分が考慮されていない。即ち、撹拌時間が長くなっても、湿度が低下すると、スペントトナーの影響を考えずに、基準出力電圧値を低下させるように制御しており、トナー濃度が上昇するという問題があった。
また、ユーザのコピー又はプリントによる画像形成装置の使用頻度によって、単位時間当たりの現像剤の撹拌ストレス差が生じる。この単位時間当たりの現像剤の撹拌ストレス差は、トナーの帯電量の差を生じ、同一のトナー濃度であるにも関わらず、ATCセンサ10の出力電圧値に差が生じる。単位時間当たりの撹拌ストレスが低くなる使用頻度の場合、現像剤のトナー濃度が上昇し、トナーの帯電量が低下して、トナー飛散、地カブリ及び画像のつぶれ等が生じ、画質が低下する。逆に、単位時間当たりの撹拌ストレスが高くなる使用頻度の場合、現像剤のトナー濃度が低下し、トナーの帯電量が上昇して、画像濃度が低下し、例えば文字のかすれ等が発生して画質が低下することとなる。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、画像形成条件の設定値の初期値に対する今回の設定値の補正値に基づき、トナー濃度基準値を補正することにより、湿度の環境変化に確実に対応させて、トナー濃度を適正に保持し、現像性を安定化させて、良好な画像を形成することができる画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、画像形成装置の使用頻度差によるトナー濃度、現像性の変化に対し、トナー濃度基準値を補正することにより、トナー濃度を適正に保持し、現像性を安定化させて、良好な画像を形成することができる画像形成方法を提供することを目的とする。
そして、本発明は、トナーの補給量を減少させるべく補正する場合は一度に補正を実施し、トナーの補給量を増加させるべく補正する場合は段階的に補正を実施することにより、画像形成装置の印字動作の効率低下及び印字画像濃度の急激な変化が発生しない画像形成方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、トナー濃度検出手段が出力した検出値が補正後のトナー濃度基準値に到達したか否かを判断し、検出値が補正後のトナー濃度基準値に到達したと判断した場合に、トナー濃度基準値の補正を実施することにより、過剰のトナー濃度基準値の補正を防止することができる画像形成方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、検出値が補正後のトナー濃度基準値に到達したと判断した場合、画像形成条件の設定値の補正を実施することにより、トナーの補給制御により現像性が最適になった時点で、再度、画像形成条件の設定値の補正を行うので、より良好な画像濃度で、画像形成を行うことができる画像形成方法を提供することを目的とする。
そして、本発明は、現像装置内に収納された現像剤の初期時点からの現像剤撹拌時間を記憶し、記憶した現像剤撹拌時間に対応する補正値を用いて前記トナー濃度基準値を補正することにより、例えば検出値がトナー濃度検出手段が出力する電圧値の場合、現像剤撹拌時間の増加に伴うスペントトナーによる前記電圧値の上昇を考慮した補正を行うことができ、湿度変化、画像形成装置の使用頻度による現像剤の撹拌ストレス、現像剤撹拌時間による現像剤の劣化の全てを考慮した補正を行うことで、トナー濃度をより適正に補正し、現像性を安定化させて、良好な画像を形成することができる画像形成方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、画像形成条件の補正を、静電潜像を現像するために印加する現像バイアス電圧値、感光体を帯電させる帯電電圧値、顕画像を転写体に転写するために印加する転写電圧値、感光体を露光する露光量の1又は複数の補正を行うことで実施することにより、良好な印字画像濃度を得ることができ、画像形成条件の設定値の補正の結果に基づき、補正を必要とする時期に、前記トナー濃度基準値の補正をすることができる画像形成方法を提供することを目的とする。
また、本発明はトナーの平均粒径を、4〜7μmの範囲内にすることにより、高精細で、高画質であり、裏面汚れ及び装置内飛散が少ない状態で、画像形成を行うことができる画像形成方法を提供することを目的とする。
そして、本発明は、トナーの顔料の含有量を8〜20%にすることにより、コピーコストを低くして、定着性が高い画像形成を行うことができる画像形成方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、複数色の現像剤を収納する現像装置を備えることにより、良好なカラーバランスを保持することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を収納する現像手段と、該現像手段内のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、前記現像手段の近傍の湿度情報を検知する湿度検出手段と、トナーを前記現像手段へ補給するためのトナー補給手段と、前記トナー濃度検出手段からの出力値を、記憶手段に記憶しているトナー濃度基準値と比較することによって、前記トナー補給手段を制御するトナー補給制御手段と、所定の画像形成条件の設定値に基づいて基準顕画像を形成し、形成した基準顕画像の濃度を検出して、前記設定値を補正する画像濃度補正制御手段とを備える画像形成装置を用いて画像を形成する画像形成方法において、画像形成条件の設定値が、初期値に対し、予め設定された比較基準値を用いて規定されている所定範囲を超えて補正されたか否かを判断する判断過程と、該判断過程により前記初期値に対する補正値が所定範囲を超えていると判断した場合に、前記湿度検出手段により湿度を検出する湿度検出過程と、該湿度検出過程により検出した湿度に基づき、前記トナー濃度基準値の補正値を決定する補正値決定過程と、該補正値決定過程により決定したトナー濃度基準値の補正値を用いて前記トナー濃度基準値を補正する過程とを有し、前記判断過程は、前記画像形成条件の設定値の初期値に対する補正値が前記比較基準値以上であるか否かを判断する第1判断過程であり、該第1判断過程により前記補正値が前記比較基準値以上でないと判断した場合には、前記補正値が負であり、該補正値の絶対値が前記比較基準値以上であるか否かを判断する第2判断過程を有し、前記湿度検出過程は、前記第1判断過程又は第2判断過程により、前記補正値の絶対値が前記比較基準値以上であると判断した場合に、所定範囲を超えて補正されたとして湿度を検出する過程であり、更に、画像を形成してからの経過時間を計測する過程と、計測した経過時間が所定時間を超えたか否かを判断する過程と、該判断する過程により経過時間が所定時間を超えたと判断した場合には、前記トナー濃度検出手段からの出力値に関わらず、経過時間に基づき、前記トナー濃度基準値の補正値を決定する過程とを有することを特徴とする。
本発明においては、画像形成条件の前回の設定値に対する今回の設定値の補正値ではなく、画像形成条件の設定値の初期値に対する今回の設定値の補正値に基づき、前記トナー濃度基準値を補正するので、湿度の変化に基づいて現像性が徐々に変化し、画像形成条件の前回の設定値に対する今回の設定値の補正値が小さい場合においても、トナー濃度基準値を補正して、現像装置内のトナー濃度を確実に常に適正に保持し、現像性を安定させることができ、安定した高品質の画像を形成することができる。
そして、トナー濃度基準値の湿度変化に対する補正が必要な時期を見逃したり、必要以上に補正をしたりすることを防止することができる。
さらに、トナー及びキャリアの小粒径化、並びに顔料の含有量の増加によって、湿度変化に対する現像性が大きく変化する場合についても確実に対応することができる。本発明においては、画像を形成してからの経過時間が所定時間を超えたと判断した場合に、トナー濃度検出手段からの出力値に関わらず、経過時間に基づいて補正値を決定することにより、現像装置内において、現像剤の沈降及び凝集等の現象が発生して、現像剤の濃度が不均一になり、トナー濃度検出手段が検出した実際の濃度と異なる濃度に基づいて補正値が決定することを防止することができる。
本発明は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を収納する現像手段と、該現像手段内のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、前記現像手段の近傍の湿度情報を検知する湿度検出手段と、トナーを前記現像手段へ補給するためのトナー補給手段と、前記トナー濃度検出手段からの出力値を、記憶手段に記憶しているトナー濃度基準値と比較することによって、前記トナー補給手段を制御するトナー補給制御手段と、所定の画像形成条件の設定値に基づいて基準顕画像を形成し、形成した基準顕画像の濃度を検出して、前記設定値を補正する画像濃度補正制御手段とを備える画像形成装置を用いて画像を形成する画像形成方法において、画像形成条件の設定値が、初期値に対し、予め設定された比較基準値を用いて規定されている所定範囲を超えて補正されたか否かを判断する判断過程と、該判断過程により前記初期値に対する補正値が所定範囲を超えていると判断した場合に、前記湿度検出手段により湿度を検出する湿度検出過程と、該湿度検出過程により検出した湿度に基づき、前記トナー濃度基準値の補正値を決定する補正値決定過程と、該補正値決定過程により決定したトナー濃度基準値の補正値を用いて前記トナー濃度基準値を補正する過程とを有し、前記判断過程は、前記画像形成条件の設定値の初期値に対する補正値が前記比較基準値以上であるか否かを判断する第1判断過程であり、該第1判断過程により前記補正値が前記比較基準値以上でないと判断した場合には、前記補正値が負であり、該補正値の絶対値が前記比較基準値以上であるか否かを判断する第2判断過程を有し、前記湿度検出過程は、前記第1判断過程又は第2判断過程により、前記補正値の絶対値が前記比較基準値以上であると判断した場合に、湿度を検出する過程であり、更に、画像を形成してからの経過時間を計測する過程と、前記トナー濃度検出手段からの以前の出力値及び経過時間に基づき、前記トナー濃度基準値の補正量を決定する過程とを有することを特徴とする。
本発明においては、画像形成条件の前回の設定値に対する今回の設定値の補正値ではなく、画像形成条件の設定値の初期値に対する今回の設定値の補正値に基づき、前記トナー濃度基準値を補正するので、湿度の変化に基づいて現像性が徐々に変化し、画像形成条件の前回の設定値に対する今回の設定値の補正値が小さい場合においても、トナー濃度基準値を補正して、現像装置内のトナー濃度を確実に常に適正に保持し、現像性を安定させることができ、安定した高品質の画像を形成することができる。そして、トナー濃度基準値の湿度変化に対する補正が必要な時期を見逃したり、必要以上に補正をしたりすることを防止することができる。さらに、トナー及びキャリアの小粒径化、並びに顔料の含有量の増加によって、湿度変化に対する現像性が大きく変化する場合についても確実に対応することができる。本発明においては、画像形成処理の開始時等の以前のトナー濃度検出手段からの出力値及び画像を形成してからの経過時間に基づいて補正値を決定することにより、現像装置内において、現像剤の沈降及び凝集等の現象が発生して、現像剤の濃度が不均一可し、トナー濃度検出手段が検出した実際の濃度と異なる濃度に基づいて補正値が決定することを防止することができる。
本発明は、前記比較基準値は、前記画像形成条件の設定値の補正値が正である場合と負である場合とで異なる。
本発明においては、種々の実験に基づき、補正値が正である場合及び負である場合の比較基準値を決定することで、より適切な補正を実行することができ、より安定した、高品質の画像を形成することができる。
本発明は、前記第1判断過程で、前記補正値が前記比較基準値以上であると判断した場合、前記湿度検出過程により検出した湿度が、前回、前記トナー濃度基準値を補正したときの湿度より所定値以上、低く変化したか否かを判断する湿度変化判断過程を有し、該湿度変化判断過程で、湿度が所定値以上、低く変化したと判断した場合、前記補正値決定過程により、変化した値に基づき、トナーの補給量を増加させるべく前記トナー濃度基準値の補正値を決定する。
本発明においては、画像形成条件の画像濃度を上げるための補正を行なった場合に、低湿度側に湿度が変化したときにトナーの補給量を増加させることで、有効に現像装置のトナー濃度を上昇させ、トナー濃度を適正に保持し、現像性を安定化させることができる。
本発明は、前記第1判断過程で、前記補正値が前記比較基準値以上であると判断した場合、前記湿度検出過程により検出した湿度が、前回、前記トナー濃度基準値を補正したときの湿度より所定値以上、低く変化したか否かを判断する湿度変化判断過程を有し、該湿度変化判断過程で、湿度の変化は、所定値以内の変化であると判断した場合、トナーの補給量を増加させるべく前記トナー濃度基準値の補正値を決定する過程を有する。
本発明においては、湿度変化が大きくなく、画像形成装置の使用頻度が単位時間当たりの現像剤の撹拌ストレスが高くなる使用頻度である場合に、トナーの補給量を増加させる使用頻度補正をすることで、トナー濃度の低下を防止して、トナー濃度を適正に保持し、現像性を安定化させることができる。
本発明は、前記湿度変化判断過程は、前記トナー濃度基準値の補正値を、前記画像形成条件の補正値により決定する過程である。
本発明においては、撹拌ストレスの度合を画像形成条件の設定値の補正値により認識し、これに基づき補正するので、より適切に使用頻度補正をすることができる。
本発明は、前記第2判断過程で、前記画像形成条件の補正値が負であり、該補正値の絶対値が比較基準値以上であると判断した場合、前記湿度検出過程により検出した湿度が、前回、前記トナー濃度基準値を補正したときの湿度より所定値以上、高く変化したか否かを判断する湿度変化判断過程を有し、該湿度変化判断過程で、湿度が所定値以上、高く変化したと判断した場合、前記補正値決定過程により、変化した値に基づき、トナーの補給量を減少させるべく前記トナー濃度基準値の補正値を決定する。
本発明においては、画像形成条件の画像濃度を下げるための補正を行なった場合に、高湿度側に湿度が変化したときにトナーの補給量を減少させることで、有効にトナー濃度を低下させ、トナー濃度を適正に保持し、現像性を安定化させることができる。
本発明は、前記第2判断過程で、前記画像形成条件の補正値が負であり、該補正値の絶対値が比較基準値以上であると判断した場合、前記湿度検出過程により検出した湿度が、前回、前記トナー濃度基準値を補正したときの湿度より所定値以上、高く変化したか否かを判断する湿度変化判断過程を有し、該湿度変化判断過程で、湿度の変化は、所定値以内の変化であると判断した場合、トナーの補給量を減少させるべく前記トナー濃度基準値の補正値を決定する過程を有する。
本発明においては、湿度変化が大きくなく、装置の使用頻度が単位時間当たりの現像剤の撹拌ストレスが低くなる使用頻度である場合に、トナーの補給量を減少させる使用頻度補正をすることができ、トナー濃度の上昇を防止して、トナー濃度を適正に保持し、現像性を安定化させることができる。
本発明は、前記湿度変化判断過程は、前記トナー濃度基準値の補正値を、前記画像形成条件の補正値により決定する過程である。
本発明においては、撹拌ストレスの度合を画像形成条件の補正値により認識し、これに基づき補正するので、より適切に使用頻度補正をすることができる。
本発明は、トナーの補給量を減少させるべく補正する場合、補正を一度に実施する。
トナーの補給量を減少させる補正は、トナー濃度を下げる方向性の補正である。例えば前記検出値がトナー濃度検出手段の出力電圧値である場合、印字動作によってトナーが消費されて検出値としての出力電圧値も徐々に上昇するので、本発明においては、一度にトナー濃度基準値の補正を実施することで、印字動作の効率低下及び印字画像濃度の急激な変化を発生させることなく、トナー濃度を適正に保持することができる。
本発明は、トナーの補給量を増加させるべく補正する場合、補正を段階的に実施する。
トナーの補給量を増加させる補正は、トナー濃度を上げる方向性の補正である。例えば前記検出値がトナー濃度検出手段の出力電圧値である場合、印字動作が実行されながらトナーが補給されることで検出値としての出力電圧値が下がる。本発明においては、前記補正を段階的に行うことで、印字動作の効率低下及び印字画像濃度の急激な変化を発生させることなく、トナー濃度を適正に保持することができる。
本発明は、前記トナー濃度基準値が補正された場合、前記トナー濃度検出手段が出力した検出値が補正後のトナー濃度基準値に到達したか否かを判断する過程を有し、該過程により前記検出値が補正後のトナー濃度基準値に到達したと判断した場合、トナー濃度基準値の補正を実施する。
本発明においては、過剰のトナー濃度基準値の補正を防止することができる。
本発明は、前記トナー濃度基準値が補正された場合、前記トナー濃度検出手段が出力した検出値が補正後のトナー濃度基準値に到達したか否かを判断する過程を有し、該過程により前記検出値が補正後のトナー濃度基準値に到達したと判断した場合、前記画像形成条件の設定値の補正を実施する。
本発明においては、トナーの補給制御により現像性が最適になった時点で、再度、画像形成条件の設定値の補正を行うことで、より良好な画像濃度で、画像形成を行うことができる。
本発明は、前記現像装置内に収納された現像剤の初期時点からの現像剤撹拌時間を記憶する過程と、該過程により記憶した現像剤撹拌時間に対応する補正値を用いて前記トナー濃度基準値を補正する過程とを有する。
本発明においては、例えば前記検出値がトナー濃度検出手段の出力電圧値である場合、現像剤撹拌時間の増加に伴うスペントトナーによるトナー濃度検出手段の出力電圧値の上昇を考慮した補正を行うことができ、トナー濃度の上昇、帯電量の低下を防止することができる。
そして、湿度変化、装置の使用頻度差による現像剤の撹拌ストレス、現像剤撹拌時間による現像剤の劣化の全てを考慮した補正を行うことで、トナー濃度をより適正に補正して、良好な画像を形成することができる。
従って、小粒径なトナー及びキャリアから成る2成分現像剤の、長期間に亘る装置の使用環境変化、及びユーザの装置の使用頻度差によって生じる問題を解決することができる。
本発明は、前記画像形成条件の補正は、静電潜像を現像するために印加する現像バイアス電圧値、感光体を帯電させる帯電電圧値、前記顕画像を転写体に転写するために印加する転写電圧値、前記感光体を露光する露光量の1又は複数の補正である。
本発明においては、良好な印字画像濃度を得ることができ、画像形成条件の設定値の補正の結果に基づき、補正を必要とする時期に、確実にトナー濃度基準値の補正をすることができる。
本発明は、トナーの補給を開始してから連続して補給している連続補給時間を計測する過程と、計測している連続補給時間が所定時間を超えるか否かを判断する過程と、該判断する過程により連続補給時間が所定時間を超えると判断した場合、画像の形成を制限する過程とを有することを特徴とする。
本発明においては、連続補給時間が所定時間を超える場合に、画像の形成の一時中断等の処理を行うことにより、黒ベタ等の印字率の高い画像を連続して形成した場合に、トナーの補給が追従できない状態となることを防止することが可能である。
本発明は、トナーを補給して以降の画像の形成処理に要している累積経過時間を計測する過程と、計測している累積経過時間が所定時間を超えるか否かを判断する過程と、該判断する過程により累積経過時間が所定時間を超えると判断した場合には、前記トナー濃度検出手段からの出力値に関わらず、前記トナー補給手段による所定量のトナーの補給を開始する過程とを有することを特徴とする。
本発明においては、トナーを補給して以降の累積経過時間が所定時間を超える場合に、トナー濃度検出手段からの出力値にかかわらず、所定量のトナーを補給することにより、印字率の低い画像を連続印刷した場合に発生する画像濃度の低下を防止することができる。
本発明は、前記トナー濃度検出手段の出力値が前記補正値決定過程により決定した前記トナー濃度基準値に対して所定の値未満である場合、トナー補給は行わず、累積経過時間を初期値に戻す過程を有することを特徴とする。
本発明においては、前記トナー濃度検出手段の出力値が前記補正値決定過程により決定した前記トナー濃度基準値に対して所定の値未満である場合、トナー補給は行わず、累積経過時間を初期値に戻すクリア処理を行うことにより、トナー濃度基準値に近いトナー濃度出力値である場合には、トナー補給を禁止して、累積経過時間がクリア処理されているので、過剰にトナーが補給されることを防止することができる。
本発明は、前記補正値決定過程により決定した前記トナー濃度基準値の補正値が正である場合、累積経過時間を初期値に戻す過程を有することを特徴とする。
本発明においては、補正値決定過程により決定したトナー濃度基準値の補正値が正である場合、累積経過時間の計測を初期値に戻すクリア処理を行うことにより、トナー濃度基準値を正側に補正した場合には、前のトナー濃度基準値に対して高い値となるが、累積経過時間がクリア処理されているので、累積経過時間が所定時間を超えて、過剰にトナーが補給されることを防止することができる。
本発明は、前記補正値決定過程により決定した前記トナー濃度基準値の補正値が正である場合、補正後のトナー濃度基準値に基づき前記トナー補給手段によりトナーを補給した後、前記トナー濃度検出手段が検出したトナー濃度が補正後のトナー濃度基準値に達するまで累積経過時間の計測を中断する過程を有することを特徴とする。
本発明においては、補正値決定過程により決定したトナー濃度基準値の補正値が正である場合、累積経過時間の計測を一時中断することにより、トナー濃度基準値を正側に補正した場合には、前のトナー濃度基準値に対して高い値となるが、累積経過時間が一時中断されているので、累積経過時間が所定時間を超えて、過剰にトナーが補給されることを防止することができる。
本発明は、前記トナーの平均粒径は、4〜7μmの範囲内である。
本発明においては、高精細で、高画質であり、裏面汚れ及び装置内飛散が少ない状態で、画像形成を行うことができる。
本発明は、前記トナーの顔料の含有量は、8〜20%である。
本発明においては、コピーコストを低くして、定着性が高い画像形成を行うことができる。
本発明は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を収納する現像手段と、該現像手段内のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、前記現像手段の近傍の湿度情報を検知する湿度検出手段と、トナーを前記現像手段へ補給するためのトナー補給手段と、前記トナー濃度検出手段からの出力値を、記憶手段に記憶しているトナー濃度基準値と比較することによって、前記トナー補給手段を制御するトナー補給制御手段と、所定の画像形成条件の設定値に基づいて基準顕画像を形成し、形成した基準顕画像の濃度を検出して、前記設定値を補正する画像濃度補正制御手段とを備える画像形成装置において、画像形成条件の設定値が、初期値に対し、予め設定された比較基準値を用いて規定されている所定範囲を超えて補正されたか否かを判断する判断手段と、該判断手段により前記初期値に対する補正値が所定範囲を超えていると判断した場合に、前記湿度検出手段の出力をモニタして湿度変化を検出する検出手段と、該検出手段により検出した湿度変化に基づき、前記トナー濃度基準値の補正値を決定する手段と、該手段により決定した補正値を用いて前記トナー濃度基準値を補正する手段とを備え、前記判断手段は、前記画像形成条件の設定値の初期値に対する補正値が前記比較基準値以上であるか否かを判断する第1判断手段であり、該第1判断手段により前記補正値が前記比較基準値以上でないと判断した場合には、前記補正値が負であり、該補正値の絶対値が前記比較基準値以上であるか否かを判断する第2判断手段を有し、前記湿度検出手段は、前記第1判断手段又は第2判断手段により、前記補正値の絶対値が前記比較基準値以上であると判断した場合に、所定範囲を超えて補正されたとして湿度を検出する手段であり、更に、画像を形成してからの経過時間を計測する手段と、計測した経過時間が所定時間を超えたか否かを判断する手段と、該判断する手段により経過時間が所定時間を超えたと判断した場合には、前記トナー濃度検出手段からの出力値に関わらず、経過時間に基づき、前記トナー濃度基準値の補正値を決定する手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、環境の変化に強く、耐久性があり、画像濃度の変化が少ない。また本発明においては、画像を形成してからの経過時間が所定時間を超えたと判断した場合に、トナー濃度検出手段からの出力値に関わらず、経過時間に基づいて補正値を決定することにより、現像装置内において、現像剤の沈降及び凝集等の現象が発生して、現像剤の濃度が不均一になり、トナー濃度検出手段が検出した実際の濃度と異なる濃度に基づいて補正値が決定することを防止することができる。
本発明は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を収納する現像手段と、該現像手段内のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、前記現像手段の近傍の湿度情報を検知する湿度検出手段と、トナーを前記現像手段へ補給するためのトナー補給手段と、前記トナー濃度検出手段からの出力値を、記憶手段に記憶しているトナー濃度基準値と比較することによって、前記トナー補給手段を制御するトナー補給制御手段と、所定の画像形成条件の設定値に基づいて基準顕画像を形成し、形成した基準顕画像の濃度を検出して、前記設定値を補正する画像濃度補正制御手段とを備える画像形成装置において、画像形成条件の設定値が、初期値に対し、予め設定された比較基準値を用いて規定されている所定範囲を超えて補正されたか否かを判断する判断手段と、該判断手段により前記初期値に対する補正値が所定範囲を超えていると判断した場合に、前記湿度検出手段の出力をモニタして湿度変化を検出する検出手段と、該検出手段により検出した湿度変化に基づき、前記トナー濃度基準値の補正値を決定する手段と、該手段により決定した補正値を用いて前記トナー濃度基準値を補正する手段とを備え、前記判断手段は、前記画像形成条件の設定値の初期値に対する補正値が前記比較基準値以上であるか否かを判断する第1判断手段であり、該第1判断手段により前記補正値が前記比較基準値以上でないと判断した場合には、前記補正値が負であり、該補正値の絶対値が前記比較基準値以上であるか否かを判断する第2判断手段を有し、前記湿度検出手段は、前記第1判断手段又は第2判断手段により、前記補正値の絶対値が前記比較基準値以上であると判断した場合に、所定範囲を超えて補正されたとして湿度を検出する手段であり、更に、画像を形成してからの経過時間を計測する手段と、前記トナー濃度検出手段からの以前の出力値及び経過時間に基づき、前記トナー濃度基準値の補正量を決定する手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、環境の変化に強く、耐久性があり、画像濃度の変化が少ない。また本発明においては、画像形成処理の開始時等の以前のトナー濃度検出手段からの出力値及び画像を形成してからの経過時間に基づいて補正値を決定することにより、現像装置内において、現像剤の沈降及び凝集等の現象が発生して、現像剤の濃度が不均一可し、トナー濃度検出手段が検出した実際の濃度と異なる濃度に基づいて補正値が決定することを防止することができる。
本発明は、複数色の現像剤を収納する現像装置を備える。
本発明においては、良好なカラーバランスを保持することができる。
本発明は、前記トナー補給手段により補給するトナーを収容する着脱可能なトナー収容手段を更に備え、該トナー収容手段は、使用状態に関する情報を記録する記録部を有することを特徴とする。
本発明においては、トナーカートリッジ等のトナー収容手段にICメモリ等の記録部を設け、記録部に未使用、使用中及び使用済み等の使用状態に関する情報を記録することにより、トナーの使用状態を検出することができるので、使用状態に応じた運転を行うことができ、これにより例えばトナー収容手段の交換直後、画像濃度が不安定となることを防止することができ、更には使用済みのトナー収容手段が装着されたまま画像形成が開始されるという状況が発生することを防止することができる。
本発明は、前記トナー補給手段による補給に要した累積時間を計測する手段と、計測した累積時間に基づく使用状態を、前記トナー収容手段が有する記録部に記録させる手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、トナーの使用状態に関する情報として、補給に要した累積時間に基づいて判定した使用状態を記録部に記録することにより、トナーの使用量を精度良く推定することができる。
本発明は、前記トナー収容手段の記録部に記録されている使用状態に関する情報を読み取る手段と、読み取った使用状態に関する情報が、未使用を示す情報である場合に、予め設定される運転条件を変更する手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、トナー収容手段の記録部から読み取った使用状態に関する情報より、当該トナー収容手段が未使用の新品であると判断した場合に、トナー補給手段の条件、例えば駆動周波数を変更することにより、新品のトナー収容手段に起こりがちなブロッキングが発生し、運転時の駆動トルクの不足が懸念される場合でも、自動的に駆動周波数等の運転状況を変更することにより、トルクを向上させ適切な運転を行うことができる。
本発明の画像形成方法による場合は、画像形成条件の設定値の初期値に対する今回の設定値の補正値に基づき、トナー濃度基準値を補正するので、湿度の環境変化に確実に対応させて、トナー濃度を常に適正に保持し、現像性を安定化させて、良好な画像を形成することができる。
本発明の画像形成方法による場合は、画像形成条件の設定値を画像濃度を高くするように補正した場合、湿度が低湿度側に変化したときに、トナーの補給量を増加させるべく補正を行うので、画像形成条件の補正がより有効に働き、現像性を常に安定させ、良好な画像を得ることが可能となる。
本発明の画像形成方法による場合は、画像形成条件の設定値を画像濃度を低くするように補正した場合、湿度が高湿度側に変化したときに、トナーの補給量を減少させるべく補正を行うので、画像形成条件の補正がより有効に働き、現像性を常に安定させ、良好な画像を得ることが可能となる。
本発明の画像形成方法による場合は、装置の使用頻度の差によるトナー濃度、現像性の変化に対し、トナー濃度基準値を補正するので、トナー濃度を適正に保持し、現像性を安定化させて、良好な画像を形成することができる。
本発明の画像形成方法による場合は、トナーの補給量を減少させるべく補正する場合は一度に補正を実行し、トナーの補給量を増加させるべく補正する場合は段階的に補正を実行するので、装置の印字動作の効率低下及び印字画像濃度の急激な変化を発生させずに、画像を形成することができる。
本発明の画像形成方法による場合は、トナー濃度検出手段が出力した検出値が補正後のトナー濃度基準値に到達したか否かを判断し、検出値が補正後のトナー濃度基準値に到達したと判断した場合に、トナー濃度基準値の補正を実施するので、過剰のトナー濃度基準値の補正を防止することができる。
本発明の画像形成方法による場合は、検出値が補正後のトナー濃度基準値に到達したと判断した場合、画像形成条件の設定値の補正を実施するので、トナーの補給制御により現像性が最適になった時点で、再度、画像形成条件の設定値の補正を行うことになり、より良好な画像濃度で、画像形成を行うことができる。
本発明の画像形成方法による場合は、現像装置内に収納された現像剤の初期時点からの現像剤撹拌時間を記憶し、記憶した現像剤撹拌時間に段階的に対応する補正値を用いてトナー濃度基準値を補正するので、例えば検出値がトナー濃度検出手段が出力する電圧値である場合、現像剤撹拌時間の増加に伴うスペントトナーによる前記電圧値の上昇を考慮した補正を行うことができ、湿度変化、装置の使用頻度による現像剤の撹拌ストレス、現像剤撹拌時間による現像剤の劣化の全てを考慮した補正を行うことで、トナー濃度をより適正に補正し、現像性を安定化させて、良好な画像を形成することができる。
本発明の画像形成方法による場合は、画像形成条件の補正を、静電潜像を現像するために印加する現像バイアス電圧値、感光体を帯電させる帯電電圧値、顕画像を転写体に転写するために印加する転写電圧値、感光体を露光する露光量の1又は複数の補正を行うことで実施するので、良好な印字画像濃度を得ることができ、画像形成条件の補正の結果に基づき、補正を必要とする時期に、トナー濃度基準値の補正をすることができる。
本発明の画像形成方法による場合は、画像を形成してからの経過時間が所定時間を超えたと判断したときに、トナー濃度検出手段からの出力値に関わらず、経過時間に基づいて補正値を決定することにより、画像の形成を完了してからの経過時間が長い場合に現像装置内にて、現像剤の沈降及び凝集等の現象が発生して、現像剤の濃度が不均一になり、真のトナー濃度値から外れた値をトナー濃度検出手段が検出し、真の濃度値から外れた値に基づいて補正値が決定されることにより、適正な量のトナーを補給することができなくなるというトラブルを回避することができ、現像性を安定化させて、良好な画像を形成することができる。
本発明の画像形成方法による場合は、画像を形成してからの経過時間を計測し、トナー濃度検出手段からの出力値に関わらず、画像形成処理の開始時等の以前のトナー濃度検出手段からの出力値及び経過時間に基づいて補正値を決定することにより、画像の形成を完了してからの経過時間が長い場合に現像装置内にて、現像剤の沈降及び凝集等の現象が発生して、現像剤の濃度が不均一になり、真のトナー濃度値から外れた値をトナー濃度検出手段が検出し、真の濃度値から外れた値に基づいて補正値が決定されることにより、適正な量のトナーを補給することができなくなるというトラブルを回避することができ、現像性を安定化させて、良好な画像を形成することができる。
本発明の画像形成方法による場合は、トナーの補給を開始してから連続して補給している連続補給時間を計測し、計測している連続補給時間が所定時間を超えると判断したときに、黒ベタ等の印字率の高い画像を連続して形成していると判断して、画像の形成の一時中断等の画像の形成を制限する処理を行うことにより、印字率の高い画像の連続した形成に対してトナーの補給が追従できない状態となることを予測し、画像の形成を制限して、その間にトナーの充分な補給を行うことができるので、トナー補給を行いトナー濃度が復帰した後に、画像形成処理を再開して安定した画質を得ることができる。
本発明の画像形成方法による場合は、トナーを補給して以降の画像の形成処理に要している累積経過時間を計測し、計測している累積経過時間が所定時間を超えると判断したときに、印字率の低い画像を連続して形成していると判断して、トナー濃度検出手段からの出力値に関わらず、トナー補給手段による所定量のトナーの補給を開始することにより、印字率の低い画像を連続印刷することで画像濃度が低下することを予測し、所定量のトナーを補給することができるので、トナー濃度を適正な値に保つことができ、現像性を安定化させて、良好な画像を形成することができる。
本発明の画像形成方法による場合は、補正値決定過程により決定したトナー濃度基準値の補正値が正であるときに、累積経過時間を初期値に戻すクリア処理を行うことにより、トナー濃度基準値を正側に補正したときには、前のトナー濃度基準値に対して高い値となるが、累積経過時間がクリア処理されているので、累積経過時間が所定時間を超えて、過剰にトナーが補給されることを防止することができるため、トナー濃度を適正な値に保つことができ、現像性を安定化させて良好な画質を形成することができる。
本発明の画像形成方法による場合は、補正値決定過程により決定したトナー濃度基準値の補正値が正であるとき、補正後のトナー濃度検出手段が検出したトナー濃度が補正後のトナー濃度基準値に達するまで累積経過時間の計測を中断することにより、トナー濃度基準値を正側に補正したときには、前のトナー濃度基準値に対して高い値となるが、累積経過時間がクリア処理されているので、累積経過時間が所定時間を超えて、過剰にトナーが補給されることを防止することができるため、トナー濃度を適正な値に保つことができ、現像性を安定化させて良好な画質を形成することができる。
本発明の画像形成方法による場合はトナーの平均粒径を、4〜7μmの範囲内にするので、高精細で、高画質であり、裏面汚れ及び装置内飛散が少ない状態で、画像形成を行うことができる。
本発明の画像形成方法による場合は、トナーの顔料の含有量を8〜20%にするので、コピーコストを低くして、定着性が高い画像形成を行うことができる。
本発明の画像形成装置による場合は、画像形成条件の設定値の初期値に対する今回の設定値の補正値に基づき、トナー濃度基準値を補正すべく構成されているので、環境の変化に強く、耐久性があり、画像濃度の変化が少ない。
本発明の画像形成装置による場合は、複数色の現像剤を収納する現像装置を備えるので、良好なカラーバランスを保持することができる。
本発明の画像形成装置による場合は、トナーカートリッジ等のトナー収容手段にICメモリ等の記録部を設け、記録部に未使用、使用中及び使用済み等の使用状態に関する情報を記録することにより、トナーの使用状態を検出することができるので、使用状態に応じた運転を行うことができ、これにより例えばトナー収容手段の交換直後、画像濃度が不安定となることを防止することができ、更には使用済みのトナー収容手段が装着されたまま画像形成が開始されるという状況が発生することを防止することができる。
本発明の画像形成装置による場合は、トナー補給手段による補給に要した累積時間を計測し、補給に要した累積時間に基づいて判定した使用状態を記録部に記録することにより、トナーの使用量を精度良く推定することができる。
本発明の画像形成装置による場合は、トナー収容手段の記録部に記録されている使用状態に関する情報を読み取り、読み取った使用状態に関する情報が、未使用を示す情報であるときに、トナー補給手段の条件を、例えば駆動周波数を変更することにより、新品のトナー収容手段に起こりがちなブロッキングが発生し、運転時の駆動トルクの不足が懸念される場合でも、自動的に駆動周波数等の運転状況を変更することにより、トルクを向上させ適切な運転を行うことができる。
以下、本発明をその実施をするための形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示す断面図である。
この画像形成装置は、感光体ドラム1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、給紙部6、定着装置7、トナーカートリッジ8、クリーニング装置9、ATCセンサ10、湿度センサ11及びフォトセンサ12を備える。
図2は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
制御部を構成するCPU13は、ATCセンサ(トナー濃度センサ)10、湿度センサ11、フォトセンサ12のアナログ出力電圧値をデジタル出力電圧値に変換するA/D変換器14と、帯電器出力駆動回路19、現像バイアス駆動回路20、現像装置駆動モータ18及びトナーカートリッジ駆動モータ21を制御する制御装置15と、記憶装置17と、各センサからの情報及び記憶装置17に記憶されているデータ等を用いて演算する演算装置16とを備える。
ATCセンサ10は、現像装置4内の現像剤中のトナー濃度を検出し、トナー濃度に対応する電圧を検出信号としてCPU13へ出力する。
湿度センサ11は現像装置4の近傍に備えられており、画像形成装置内の相対湿度を検出する。そして、CPU13の記憶装置17内には、図3に示すような相対湿度に対するトナー濃度補正値(ATCセンサ10の基準出力電圧値の補正値)のテーブルデータが予め記憶してあり、CPU13は、このテーブルデータに基づき基準出力電圧値の補正を実施する。
フォトセンサ12は、後述する画像濃度補正において作成されるトナーパッチ像の濃度を検出する。
CPU13は、コピー又は印刷ジョブ中において、ATCセンサ10の検出信号に基づき、トナーカートリッジ駆動モータ21を制御する。また、後述する画像濃度補正時において、帯電器出力駆動回路19及び現像バイアス駆動回路20を制御する。
次に、以上のように構成された画像形成装置の動作を説明する。
まず、感光体ドラム1の表面に、帯電装置2のコロナ放電により単一極性の電荷を帯電させ、露光装置3の照射により感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成させる。
静電潜像が形成された感光体ドラム1の表面に対して現像装置4から現像剤が供給され、静電潜像が現像剤画像に顕像化される。
この現像剤画像は、転写装置5により用紙へ転写される。現像剤画像が転写された用紙は定着装置7へ搬送され、加熱及び加圧により現像剤画像が溶融定着される。現像剤画像の転写を終えた感光体ドラム1の表面は、クリーニング装置9により残留トナーを除去された後、帯電装置2により再度電荷を帯電される。
また、現像装置4内において、非磁性体スリーブ41は感光体ドラム1に対向して回転駆動され、撹拌ローラ42は現像装置4内の現像剤を構成するトナー及びキャリアを撹拌し、トナーに電荷を帯電させる。現像剤は非磁性体スリーブ41内に固定された磁石の作用により搬送され、現像剤中のトナーのみが感光体ドラム1の表面へ移動する。
従って、画像形成プロセスの実行により現像装置4内のトナーのみが消費される。このため、ATCセンサ10により、現像装置4内の現像剤におけるトナー濃度に対応する出力電圧値を検出し、予め記憶装置17に記憶されているトナー濃度基準値としての基準出力電圧値と比較してトナー補給モータが回転され、トナーカートリッジ8内に収納されているトナーが現像装置4へ補給される。即ち、CPU13は、ATCセンサ10が検出した現像装置4内のトナー濃度がトナー濃度基準値に一致するようにトナーの補給量を制御する。
CPU13は、一方、電源オン時及び所定条件下において、定期的に画像形成プロセスを中断し、画像濃度補正(プロセスコントロール)を実行する。この画像濃度補正において感光体ドラム1の表面にトナーパッチ像が形成され、トナーパッチ像の濃度がフォトセンサ12により検出される。上述したように、フォトセンサ12の出力信号はA/D変換器14によりデジタルデータに変換される。CPU13は、フォトセンサ12の出力データに基づいて帯電器出力駆動回路19及び現像バイアス駆動回路20等を制御して画像形成に影響を与えるパラメータの状態を変更する。
即ち、帯電装置2の出力電圧値と現像バイアス電圧値とを変えることによって感光体ドラム1の表面に複数の異なる表面電位の静電潜像を形成し、これを現像装置4により顕像化することにより、複数の異なる濃度のトナーパッチ像を形成し、これらの濃度をフォトセンサ12により検出して基準値に一致したトナーパッチ像に係る現像バイアス電圧値を以後の画像形成プロセスにおける現像バイアス電圧値として採用する。
なお、画像形成プロセスにおける画像形成条件として変更されるのは、トナー濃度と直接的に密接な関係を有する現像バイアス電圧値のみとは限らず、露光手段3の露光量、帯電器出力電圧値及び転写帯電器の転写出力電圧値等であってもよい。
CPU13内の記憶装置17は、現像剤の交換時及び画像形成装置の設置時等の初期状態からのコピー枚数、現像剤の撹拌時間を記憶する。制御装置15は、演算装置16に、記憶装置17が記憶したコピー枚数、現像剤の撹拌時間に対応する補正値を演算させ、基準出力電圧値を制御するとともに、湿度センサ11が検出した湿度の変動に対応させて、演算装置16にATCセンサ10の基準出力電圧値の補正値を演算させ、基準出力電圧値を制御する。
本実施の形態に用いられるトナーは、スチレンアクリル等の樹脂を主樹脂としてカーボン等の着色剤を混合分散させ、粉砕及び分級した非磁性の粉体であり、流動性を向上させるために疎水性アルミナ等の流動化剤を外添しているものであり、その体積平均粒径が4〜7μmであるのが好ましい。体積平均粒径が7μm より大きい場合には、本実施の形態に係る基準出力電圧値の補正方法によって常に適正なトナー濃度に制御されるものの、トナー粒径が大きいことから、特に1200DPI以上の高画質の画像形成には向かず、文字のつぶれ及び解像力の低下が生じる。
一方、体積平均粒径が4μm より小さい場合には、高画質な画像形成が維持されるが、粒径が小さすぎることにより、トナーの装置内飛散による裏面汚れ等が問題となる。さらに、体積平均粒径が4〜7μmである場合と比較して、単位重量当たりの比表面積がさらに大きくなるので、その分、湿度環境の変化に対して現像剤の挙動が大きく変化し、トナー濃度の管理が現像剤のライフ終盤には困難になる。
一方、本実施の形態に用いられるトナー中のカーボン等の着色剤(顔料)の濃度(含有量)は、8〜20%であることが好ましい。顔料の濃度がこれよりも低い場合、1コピー当たりのトナー消費量が大きくなり、コピーの単価が高くなるという問題が生じる。これに対して顔料の濃度が20%を超えると、トナー中の樹脂量が減少するので、紙等の転写材に対する定着性が悪化し、好ましくない。
本実施の形態では、露光した部分にトナー像を形成する反転現像を行っており、従って、感光体ドラム1が負極性であれば、トナーの帯電極性は負である。
なお、トナーの帯電極性は負に限定されず、本発明は正の帯電極性を持つトナーも適用可能である。
また、主樹脂としてはポリエステル、エポキシ、ポリスチレン、アクリル系樹脂等を用いることができる。また、外添剤としてシリカ、酸化チタン等を用いたり、顔料、染料等により着色させてもよい。
さらに、トナーは、粉砕法だけでなく重合法、マイクロカプセル化法によって製造したものであってもよい。さらに定着における離形性を向上させるために、ポリエチレン、ポリプロピレンワックスを添加してもよい。
以下に、上述した画像形成装置において、湿度が変化したときのトナー濃度の湿度補正方法について説明する。
図3は、各湿度範囲における基準出力電圧値の補正値を示すグラフである。例えば湿度が50〜60%の範囲から、80〜90%の範囲に変化した場合、基準出力電圧値に0.3Vを加算した値でトナー補給を制御する。これらの値は、画像形成装置、トナー及びキャリアの特性によって変化するものであり、これに対応する数値をテスト等により決定する。
このグラフに対応するデータはCPU13内の記憶装置17に記憶されており、湿度センサ11の出力電圧値をモニタする度にこのデータに基づき、基準出力電圧値の湿度補正値を求めることができる。
本実施の形態では、予め設定された画像形成条件で感光体ドラム1上にトナーパッチ像を形成し、このトナーパッチ像の濃度を検出するフォトセンサ12の濃度検出結果に基づいて、画像濃度を一定に保持すべく、制御装置15が、現像バイアス電圧値を補正し、画像濃度補正時の現像バイアス電圧値の補正値の絶対値が、画像形成装置の設置初期値に対して所定値以上である場合に、上述した湿度補正を行うように構成されている。
図4は、画像形成装置の使用状況( 現像剤撹拌時間) と湿度との関係を示すグラフであり、図5は、画像形成装置の使用状況( 現像剤撹拌時間) と画像濃度補正制御による現像バイアス電圧値(Vbias)との関係を示すグラフであり、図6は、画像形成装置の使用状況( 現像剤撹拌時間) と基準出力電圧値との関係を示すグラフである。
図5においては、現像バイアス電圧値の初期値は575V、αは110Vに設定されている。また、図6においては基準出力電圧値は、2.5Vに設定されている。これらの値は、各画像形成装置によって、適正な値に設定されることは言うまでもない。
印字動作を行うと、現像撹拌時間が13Ksec を過ぎた時点で、現像バイアス電圧値の初期値を0とした場合のプロセスコントロール動作による補正値が−α以下になる。この時点における湿度は80〜90%の範囲にあるので、図3より補正値0.3Vが基準出力電圧値に加算され、これ以降の基準出力電圧値は2.8Vで制御される。
次に35Ksec を過ぎた時点で、現像バイアス電圧値の補正値が+αを超える。この時点における湿度は、初期の時点と同じく50〜60%の範囲にあるので、図3より補正値は0Vとなり、基準出力電圧値は、2.5Vに再設定される。
次に53Ksec を過ぎた時点で、プロセスコントロール動作の現像バイアス電圧値の補正値が−α以下になる。この時点における湿度は60〜70%の範囲にあるので、図3より補正値0.1Vが基準出力電圧値に加算され、これ以降、基準出力電圧値は2.6Vで制御される。
75Ksec を過ぎた時点で、プロセスコントロール動作の現像バイアス電圧値の補正値が−α以下になる。この時点における湿度は90〜100%の範囲にあるので、図3より補正値0.4Vが基準出力電圧値に加算され、これ以降、基準出力電圧値は2.9Vで制御される。
以下の表1は、湿度補正処理の実行の有無についてまとめたものである。
表1に示したように、湿度範囲が変わらない場合には、プロセスコントロール動作の現像バイアス電圧値の補正値に関わらず、湿度補正は行わない。また、現像バイアス電圧値の補正値が+αから−αの範囲内であるときは、湿度の変化に関わらず、湿度補正は行わない。
一方、湿度が高湿度側の湿度範囲に変化した場合、プロセスコントロール動作の現像バイアス電圧値の補正値によって、制御が異なる。
例えば、プロセスコントロール動作の現像バイアス電圧値の補正値が+αよりも大きい場合に、高湿度側に範囲変化したときは、湿度補正は行わない。プロセスコントロール動作の現像バイアス電圧値を上げる方向の補正は、現在の画像濃度が低いために、これを高くするようにする補正である。しかし、図3に示したように、高湿度側に変化したときの補正は基準出力電圧値を高くする補正であり、これを行うとトナー濃度が下がる方向にトナー濃度の補正が行なわれる。トナー濃度が低下することによって、画像濃度は低下する方向に補正が行なわれることから、プロセスコントロール動作の現像バイアス電圧値の補正による効果が相殺される。このような矛盾を回避するために、この場合には湿度補正は行なわない。
これに対して、プロセスコントロール動作の現像バイアス補正値が−α以下であり、高湿度側に範囲変化したときは湿度補正を行う。現像バイアスを下げる方向の補正は画像濃度が高いために、これを低くするようにする補正である。また、高湿度側に変化したときの補正も基準出力電圧値を高くする補正であり、これを行うとトナー濃度が下がる方向に補正が行われる。トナー濃度の低下は、画像濃度を下げる方向に働き、両者は補正の方針が矛盾していないので、このような場合には湿度補正を行う。
プロセスコントロール動作の現像バイアス補正値が+αと−αとの間にある場合には、上述したように、湿度範囲がどちらに変化しても、湿度補正は行わない。
プロセスコントロール動作の現像バイアス電圧値の補正値が+αよりも大きい場合に、低湿度側に範囲変化したときは、湿度補正を行う。現像バイアス電圧値を上げる方向の補正は画像濃度が低いために、これを高くするようにする補正である。また、低湿度側に変化したときの補正も基準出力電圧値を低くする補正であり、これを行うとトナー濃度が上昇する方向に補正が行われる。トナー濃度の上昇は、画像濃度を高くする方向に働く。両者は補正の方針が矛盾していないので、このような場合には湿度補正を行う。
これに対して、プロセスコントロール動作の現像バイアス電圧値の補正値が−α以下であり、低湿度側に範囲変更したときは、湿度補正は行わない。現像バイアスを下げる方向の補正は画像濃度が高いために、これを低くする補正である。しかし、低湿度側に変化したときの補正は、基準出力電圧値を低くする補正であり、これを行うとトナー濃度が上昇する方向に補正が行われる。トナー濃度の上昇は、画像濃度を高くする方向に働く。従って、プロセスコントロールコン動作の現像バイアス電圧値の補正による効果が、湿度補正によって相殺されるので、このような矛盾を回避するために、この場合には湿度補正は行わない。
図7及び図8は、実施の形態1に係る制御装置15の基準出力電圧値の補正の処理手順を示すフローチャートである。
電源オン等によってスタートすると、まず、画像形成装置のCPU13は、プロセスコントロールの実施時期であるか否かを判断する(ステップS1)。プロセスコントロール実施時期は、電源オン時、電源オン時から所定時間経過後、所定コピー数終了後等の予め設定されたタイミング等のコントロールが必要な時期である。
ステップS1において、プロセスコントロール実施時期でないと判断された場合は、実施時期まで通常のコピー動作が繰り返される(ステップS2)。
ステップS1において、プロセスコントロール実施時期であると判断された場合は、感光体ドラム1上に帯電、露光、現像プロセスが行われ、感光体ドラム1上に、濃度測定用のトナーパッチ像を作成する(ステップS3)。帯電出力電圧値及び現像バイアス電圧値等を変えることによって、感光体ドラム1の表面に複数の異なる表面電位の静電潜像を形成し、これを現像装置4により顕像化することにより、複数の異なる濃度のトナーパッチ像を形成する。
次に、フォトセンサ12により、作成したトナーパッチ像の光学濃度を測定する(ステップS4)。これらの濃度をフォトセンサ12により検出して、基準値に一致したトナーパッチ像に係る現像バイアス電圧値(Vbias)を、以後の画像形成プロセスにおける現像バイアス電圧値として採用する。
次に、採用されたプロセスコントロールの現像バイアス電圧値と、記憶装置17に記憶されていた現像バイアス電圧値の初期値との差、すなわち補正量(ΔVbias)を算出する(ステップS5)。
次に、このΔVbiasが予め定められた所定量+αよりも大きいか否かを判断する(ステップS6)。現像バイアス電圧を上げる方向の補正は画像濃度が低いので、これを高くする補正である。
ステップS6において、ΔVbiasが+αより大きいと判断された場合にはステップS7へ処理を進め、以前、基準出力電圧値が変更された後、ATCセンサ10の出力電圧値が変更された基準出力電圧値に到達していたか否かを判断する。 ステップS7において、基準出力電圧値に到達していないと判断された場合、基準出力電圧値は変更せず、処理をステップS2へ戻し、次のプロセスコントロール実施時期まで、通常のコピー動作を繰り返す。
ステップS7において、基準出力電圧値に到達していたと判断された場合、湿度センサ11の出力電圧値を検出し(ステップS8)、検出した出力電圧値が、低湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化したか否かを判断する(ステップS9)。
ステップS9において、検出した出力電圧値が低湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化していた場合、記憶装置17に記憶された湿度補正テーブルに基づき補正値を決定し(ステップS10)、基準出力電圧値に補正値を加算して、新たな基準出力電圧値を算出し(ステップS11)、処理をステップS2へ戻す。この場合、補正値は負の値であるので、基準出力電圧値を下げる方向に補正される。 ステップS9において、低湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化していなかった場合、処理をステップS2へ戻す。
ステップS6において、ΔVbiasが+αより小さいと判断された場合、処理をステップS12へ進め、このΔVbiasが予め定められた所定値−α以下であるか否かを判断する。
ステップS12において、ΔVbiasが−α以下であると判断された場合、例えば、−αが−100Vと設定されていた場合、ΔVbiasが−110Vであった場合には、処理をステップS13へ進める。
例えばΔVbiasが−90Vであり、+αと−αとの中間にあった場合には、基準出力電圧値は補正せず、処理をステップS2へ戻す。
ステップS13において、以前、基準出力電圧値が変更された後、ATCセンサ10の出力電圧値が変更された基準出力電圧値に到達していたか否かを判断する。
ステップS13において、基準出力電圧値に到達していないと判断された場合、基準出力電圧値は変更せず、処理をステップS2へ戻し、次のプロセスコントロール実施時期まで、通常のコピー動作を繰り返す。
ステップS13において、基準出力電圧値に到達していたと判断された場合、湿度センサ11の出力電圧値を検出し(ステップS14)、検出した出力電圧値が、高湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化したか否かを判断する(ステップS15)。
ステップS15において、検出した出力電圧値が高湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化していたと判断された場合、記憶装置17に記憶された湿度補正テーブルに基づき、補正値を決定し(ステップS16)、基準出力電圧値に湿度補正値を加算して、新たな基準出力電圧値を算出し(ステップS17)、処理をステップS2へ戻す。この場合、補正値は正の値であるので、基準出力電圧値を上げる方向に補正される。
ステップS15において、高湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化していなかったと判断された場合、処理をステップS2へ戻す。
画像濃度補正の実行時に、CPU13は湿度センサ11の出力電圧値を検出し、前回の基準出力電圧値の補正時の湿度と今回の湿度とを比較し、所定範囲以上の湿度変化があったか否かを判断する。所定範囲以上の湿度変化が無かった場合は、当然、湿度補正は実行されない。
湿度変化が高湿度側に変化した場合、通常トナーの帯電量は低下し、現像性は上がる。よって、画像濃度補正は、現像性を下げるために現像バイアス電圧値を下げることになる。
本実施の形態では、この現像バイアス電圧値を初期値に対し−αV以下、下げたとき、湿度補正テーブルで求めた補正値を基準出力電圧値に加算する。しかし、現像バイアス電圧値の補正値が−αV以内であったとき、または現像バイアス電圧値を上げる方向の補正であったときは、湿度補正は実行しない。
湿度変化が低湿度側に変化した場合、通常トナーの帯電量は上昇し、現像性が低下する。よって、画像濃度補正は現像性を上げるために現像バイアス電圧値を上げることになる。
本実施の形態ではこの現像バイアス電圧値を初期値に対し+αV以上、上げたとき、湿度補正テーブルで求めた補正値を基準出力電圧値に加算する。しかし、現像バイアス電圧値の補正値が+αV以内であったとき、または現像バイアス電圧値を下げる方向の補正であったときは湿度補正は実行しない。
本実施の形態では現像バイアス電圧値を初期値に対し−αV以下、下げたとき、又は初期値に対し+αV以上、上げたときに湿度補正を行っている。このαの大きさは種々の実験によって決定されるが、基準出力電圧値を高くする補正と、低くする補正とでαの大きさを変えてもよい。これにより、基準出力電圧値の補正の実施タイミングがより適切になり、安定した、高品質の画像形成が可能になる。
本実施の形態においては、湿度変化による現像性の変化が少しである場合においても、基準出力電圧値の湿度補正を行い、常にトナー濃度を適正値に保持し、画像濃度を一定にして良好な画像を得ることが可能となる。このように構成することで、基準出力電圧値の補正が必要な時期を見逃したり、基準出力電圧値の補正を必要以上に実行したりすることを防止することができる。
本実施の形態においては、基準出力電圧値の補正を一度実施し、基準出力電圧値が変更された場合、ATCセンサ10の出力電圧値が変更された基準出力電圧値に到達するまで、新たに基準出力電圧値の補正を実行しない。ATCセンサ10の出力電圧値が基準出力電圧値に到達する前に、新たな基準出力電圧値の補正を実行した場合、本来の目的であるトナー濃度の適正化、画像濃度の均一化に対し、過剰な補正となり、逆にトナー濃度を不適正にし、画質低下を及ぼすことになる。
上述したように基準出力電圧値の補正を実施した場合、基準出力電圧値は補正分変更されるが、実際のATCセンサ10の出力電圧値は、当然、直ぐには基準出力電圧値には到達しない。
図9は、実施の形態1において、基準出力電圧値を上げる補正が実行された場合のATCセンサ10の出力電圧値と基準出力電圧値との推移を示すグラフである。基準出力電圧値を上げる湿度補正を実行する場合、基準出力電圧値は一度に変更する。
基準出力電圧値を上げる補正は、トナー濃度を下げる方向の補正である。よって、現像剤中のトナーが印字によって消費され、ATCセンサ10の出力電圧値が徐々に上昇する。そして、何枚かの印字が処理された時点で、ATCセンサ10の出力電圧値は補正された基準出力電圧値に到達し、正規のトナー補給制御が行なわれる。
また、ATCセンサ10の出力電圧値が変更された基準出力電圧値に到達した時点で、再度画像濃度補正を実施することにしてもよい。この画像濃度補正によって、変更された現像性になった時点で、最適な印字画像濃度が得られることになる。
図10は、この場合のATCセンサ10の出力電圧値と基準出力電圧値との推移を示すグラフである。
現像剤中のトナーが印字によって消費され、ATCセンサ10の出力電圧値が徐々に上昇し、何枚かの印字が処理された時点でATCセンサ10の出力電圧値が補正された基準出力電圧値に到達し、このとき、再度、画像濃度補正が実施され、最適な画像形成条件に変更される。その後は正規のトナー補給制御が行なわれる。
図11は、実施の形態1において、基準出力電圧値を下げる補正が実行された場合のATCセンサ10の出力電圧値と基準出力電圧値との推移を示すグラフである。
基準出力電圧値を下げる湿度補正を実行する場合、基準出力電圧値は徐々に変更する。
基準出力電圧値を下げる補正は、トナー濃度を上げる方向の補正である。よって、現像剤中にトナーを更に補給することになり、印字動作が実行されながらトナー補給が実施され、ATCセンサ10の出力電圧値は、基準出力電圧値に到達し、正規のトナー濃度補給制御が行なわれる。
また、ATCセンサ10の出力電圧値が変更された基準出力電圧値に到達した時点で、再度画像濃度補正を実施することにしてもよい。この画像濃度補正によって、変更された現像性になった時点で、最適な印字画像濃度が得られることになる。
図12は、この場合のATCセンサ10の出力電圧値と基準出力電圧値との推移を示すグラフである。
印字動作を実行しながらトナーの補給が実施され、ATCセンサ10の出力電圧値は基準出力電圧値に到達し、このとき、再度、画像濃度補正が実施され、最適な画像形成条件に変更される。この後は正規のトナー濃度補給制御が行なわれる。
なお、本実施の形態においては、本発明を単一色の画像形成装置に適用した場合につき説明しているが、カラー画像形成装置のような複数色の現像装置4を有する場合においても本発明は適用可能である。
複数色の現像装置4を備える画像濃度補正機能を有する画像形成装置において、湿度変化に対応して基準出力電圧値の補正を実行する場合、画像濃度補正時に現像バイアス電圧値が初期値に対し全ての色について所定値以上変化したり、全ての色についての現像バイアス電圧値の変化量の平均値が所定値以上である場合にのみ、基準出力電圧値の補正を実行するように構成することができる。
このように構成すれば、実際に基準出力電圧値の補正が必要な場合のみ効果的にトナー濃度補正を実行することが可能となる。従って、複数色の現像剤のうち一部の色のみに軽微な補正が必要である場合に、全色について基準出力電圧値の補正を実行してしまい、無駄な現像剤撹拌及び稼動率低下を招来するのを防止することができる。
また、画像濃度補正機能を有する画像形成装置において、湿度変化に対応して基準出力電圧値の補正を実行する際、全ての色について基準出力電圧値の補正を同時に実行するように構成してもよい。
多色の画像形成装置においては、カラーバランスは重要であり、全ての色について基準出力電圧値の補正を同時に実行することで、良好にカラーバランスを保持することが可能となる。
一方、人の目につきにくい色(例えばY)については基準出力電圧値の補正の回数を低減するように構成してもよく、最低限の基準出力電圧値の補正により最大限の効果を奏し得る。
実施の形態2.
ユーザのコピー又はプリントによる装置の使用頻度によって、所定時間当たりの現像剤への撹拌ストレスに差が生じる。この単位時間当たりの現像剤への撹拌ストレス差は、トナーの帯電量の差を生じさせ、結果として同じトナー濃度であるにも関わらずATCセンサ10の出力電圧値に差が生じ、単位時間当たりの撹拌ストレスが少ない装置の使用頻度の現像剤においてはトナー濃度が上昇し、帯電量が低下し、トナー飛散及び地カブリ、又は画像のつぶれ等が発生して画質が低下する。逆に、単位時間当たりの撹拌ストレスが多い装置の使用頻度の現像剤においてはトナー濃度が低下し、帯電量が上昇し、画像濃度が低下して例えば文字のかすれ等が発生し、画質が低下することとなる。
本実施の形態による場合は、ユーザの装置の使用頻度差によって生じる現像剤の帯電量の差によって発生するトナー濃度の制御不良を解消することができる。
装置の使用頻度の差に基づく基準出力電圧値の補正は、実施の形態1に係る湿度補正と同様に、基準出力電圧値の補正が必要な状況であるか否かを判断するために、予め設定された画像形成条件で感光体ドラム1上にトナーパッチ像を形成し、このトナーパッチ像の濃度をフォトセンサ12により検出した結果に基づいて、画像濃度を一定に保持すべく、制御装置15が現像バイアス電圧値を補正したときに当該現像バイアス電圧値が装置の設置時の初期値に対して、所定値以上変化したか否かを判断する。そして、現像バイアス電圧値が設置時の初期値に対して、所定値以上変化した場合に、基準出力電圧値を所定量、補正する。
図13、14は、実施の形態2に係る制御装置15の湿度変化及び装置の使用頻度の差による基準出力電圧値の補正の処理手順を示すフローチャートである。
電源オン等によってスタートすると、まず、画像形成装置のCPU13は、プロセスコントロールの実施時期であるか否かを判断する(ステップS21)。プロセスコントロール実施時期は、電源オン時、電源オン時から所定時間経過後、所定コピー数終了後等の予め設定されたタイミング等で、コントロールが必要な時期である。
ステップS21において、プロセスコントロール実施時期でないと判断された場合は、実施時期まで通常のコピー動作を繰り返す(ステップS22)。
ステップS21において、プロセスコントロール実施時期であると判断された場合は、感光体ドラム1上に帯電、露光、現像プロセスを行い、感光体ドラム1上に、濃度測定用のトナーパッチ像を作成する(ステップS23)。帯電出力電圧値及び現像バイアス電圧値等を変えることによって、感光体ドラム1の表面に複数の異なる表面電位の静電潜像を形成し、これを現像装置4により顕像化することにより、複数の異なる濃度のトナーパッチ像を形成する。
次に、フォトセンサ12により、作成したトナーパッチ像の光学濃度を測定する(ステップS24)。これらの濃度をフォトセンサ12により検出して、基準値に一致したトナーパッチ像に係る現像バイアス電圧値(Vbias)を、以後の画像形成プロセスにおける現像バイアス電圧値として採用する。
次に、採用されたプロセスコントロールの現像バイアス電圧値と、記憶装置17に記憶されていた現像バイアス電圧値の初期値との差、すなわち補正量(ΔVbias)を算出する(ステップS25)。
次に、このΔVbiasが予め定められた所定量+αよりも大きいか否かを判断する(ステップS26)。現像バイアス電圧値を上げる方向の補正は画像濃度が低いために、これを高くする補正である。
ステップS26において、ΔVbiasが+αより大きいと判断された場合、ステップS27へ処理を進め、以前、基準出力電圧値が変更された後、ATCセンサ10の出力電圧値が変更された基準出力電圧値に到達していたか否かを判断する(ステップS27)。
ステップS27において、基準出力電圧値に到達していないと判断された場合、基準出力電圧値は変更せず、処理をステップS22へ戻し、次のプロセスコントロール実施時期まで、通常のコピー動作を繰り返す。
ステップS27において、基準出力電圧値に到達していたと判断された場合、湿度センサ11の出力を検出し(ステップS28)、検出した出力電圧値が、低湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化したか否かを判断する(ステップS29)。
ステップS29において、検出した出力電圧値が低湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化したと判断された場合、記憶装置17に記憶された湿度補正テーブルに基づき、補正値を決定し(ステップS31)、基準出力電圧値に補正値を加算して、新たな基準出力電圧値を算出し(ステップS32)、処理をステップS22へ戻す。この場合、補正値は負の値であるので、基準出力電圧値を下げる方向に補正される。
ステップS29において、低湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化しなかったと判断された場合、(現在、設定されている基準出力電圧値−A)に基準出力電圧値を変更し(ステップS30)、処理をステップS22へ戻す。このAは、予め種々のエージングテスト等を行い、装置の使用頻度に対応して決定されており、記憶装置17内に記憶されている。
ステップS26において、ΔVbiasが+αより小さいと判断された場合、処理をステップS40へ進め、このΔVbiasが予め定められた所定量−α以下であるか否か判断する。
ステップS40において、ΔVbiasが−α以下であると判断された場合、例えば、−αが−100Vと設定されていた場合に補正値が−110Vであったときには、処理をステップS41へ進める。
ΔVbiasが−90Vであり、+αと−αとの中間にあった場合には、基準出力電圧値は補正せず、処理をステップS22へ戻す。
ステップS41において、以前、基準出力電圧値が変更された後、ATCセンサ10の出力電圧値が変更された基準出力電圧値に到達していたか否か判断する。
ステップS41において、出力電圧値が変更された基準出力電圧値に到達していないと判断された場合、基準出力電圧値は変更せず、処理をステップS22へ戻し、次のプロセスコントロール実施時期まで、通常のコピー動作を繰り返す。 ステップS41において、出力電圧値が変更された基準出力電圧値に到達していたと判断された場合、湿度センサ11の出力を検出し(ステップS42)、検出した出力電圧値が高湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化したか否かを判断する(ステップS43)。
ステップS43において、検出した出力電圧値が高湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化していた場合、記憶装置17に記憶された湿度補正テーブルに基づき、補正値を決定し(ステップS45)、基準出力電圧値に補正値を加算して、新たな基準出力電圧値を算出し(ステップS46)、処理をステップS22へ戻す。この場合、補正値は正の値であるので、基準出力電圧値を上げる方向に補正される。
ステップS43において、高湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化しなかったと判断された場合、(現在、設定されている基準出力電圧値+A)に基準出力電圧値を変更し(ステップS44)、処理をステップS22へ戻す。このAは、予め種々のエージングテスト等を行い、装置の使用頻度に対応させて決定されており、記憶装置17内に記憶されている。
また、αの大きさは、予め、種々のエージングテスト等を行って決定されているが、基準出力電圧値を上げる場合の補正と、下げる場合の補正とで同一にする必要はない。
装置の使用頻度が極端に低い場合、トナーの帯電量は低下し、現像性は高くなっている。このような場合、画像濃度補正で求められた適正な現像バイアス電圧値は、マイナス方向(画像濃度を下げる方向)に、絶対値が初期値に対して所定値以上大きくなる。従って、基準出力電圧値を使用頻度補正としてプラス側に補正し、トナー濃度を下げる方向の補正を実施する。その結果、トナー濃度上昇及びトナー飛散や地かぶりの問題が発生しなくなる。
逆に、装置使用頻度が極端に高い場合、トナーの帯電量は上昇し、現像性は低くなっている。このような場合、画像濃度補正で求められた適正な現像バイアス電圧値は、プラス方向(画像濃度を上げる方向)に、絶対値が初期値に対して所定値以上大きくなる。従って、基準出力電圧値を使用頻度補正としてマイナス側に補正し、トナー濃度を上げる方向の補正を実施する。その結果、トナー濃度低下及び画像かすれの問題は発生しなくなる。
そして、この装置の使用頻度による補正は、湿度補正とは同時には行なわない。このように構成することで、湿度変化が原因による補正ではなく、装置の使用頻度差によって発生する基準出力電圧値補正が必要な時期を見逃したり、必要以上に基準出力電圧値補正を実行することを防止することができる。
また、決定した基準出力電圧値の補正の実行タイミングは、実施の形態1と同様である。
なお、本実施の形態においては、単一色の画像形成装置に適用した場合について説明したが、カラー画像形成装置のような複数色の現像装置4を有する場合についても本発明は適用可能である。複数色の現像装置4を備える画像濃度補正機能を有する画像形成装置で、ユーザの装置使用頻度の差に対応して基準出力電圧値の補正を実行する場合、画像濃度補正の現像バイアス電圧値が初期値に対し全ての色について所定値以上変化したり、全ての色の平均値が所定値以上変化した場合にのみ、基準出力電圧値の補正を実行するように構成してもよい。
実施の形態3.
図15、16及び17は、実施の形態3に係る制御装置15の湿度変化及び装置の使用頻度に基づく基準出力電圧値の補正の処理手順を示すフローチャートである。
電源オン等によってスタートすると、まず、画像形成装置のCPU13は、プロセスコントロールの実施時期であるか否かを判断する(ステップS51)。プロセスコントロール実施時期は、電源オン時、電源オン時から所定時間経過後、所定コピー数終了後等の予め設定されたタイミング等で、コントロールが必要な時期である。
ステップS51において、プロセスコントロール実施時期でないと判断された場合は、実施時期まで通常のコピー動作が繰り返される(ステップS52)。
ステップS51において、プロセスコントロール実施時期であると判断された場合は、感光体ドラム1上に帯電、露光、現像プロセスが行われ、感光体ドラム1上に、濃度測定用のトナーパッチ像を作成する(ステップS53)。帯電電圧値及び現像バイアス電圧値等を変えることによって、感光体ドラム1の表面に複数の異なる表面電位の静電潜像を形成し、これを現像装置4により顕像化することにより、複数の異なる濃度のトナーパッチ像を形成する。
次に、フォトセンサ12により、作成したトナーパッチ像の光学濃度を測定する(ステップS54)。これらの濃度をフォトセンサ12により検出して、基準値に一致したトナーパッチ像に係る現像バイアス電圧値(Vbias)を、以後の画像形成プロセスにおける現像バイアス電圧値として採用する。
次に、採用されたプロセスコントロールの現像バイアス電圧値と、記憶装置17に記憶されていた現像バイアス電圧値の初期値との差、すなわち補正量(ΔVbias)を算出する(ステップS55)。
次に、このΔVbiasが予め定められた所定量+αよりも大きいか否かを判断する(ステップS56)。現像バイアス電圧値を上げる補正は、画像濃度が低いために、これを高くする補正である。
ステップS56において、ΔVbiasが+αより大きいと判断された場合にはステップS57へ処理を進め、以前、基準出力電圧値が変更された後、ATCセンサ10の出力電圧値が変更された基準出力電圧値に到達していたか否かを判断する(ステップS57)。
ステップS57において、出力電圧値が基準出力電圧値に到達していないと判断された場合、基準出力電圧値は変更せず、処理をステップS52へ戻し、次のプロセスコントロール実施時期まで、通常のコピー動作を繰り返す。
ステップS57において、基準出力電圧値に到達していたと判断された場合、湿度センサ11の出力電圧値を検出し(ステップS58)、検出した出力電圧値が、低湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化したか否かを判断する(ステップS59)。
ステップS59において、検出した出力電圧値が低湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化したと判断された場合、記憶装置17に記憶された湿度補正テーブルに基づき、補正値を決定し(ステップS62)、基準出力電圧値に補正値を加算して、新たな基準出力電圧値を算出し(ステップS63)、処理をステップS52へ戻す。この場合、補正値は負の値であるので、基準出力電圧値を下げる方向に補正される。
ステップS59において、低湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化しなかったと判断された場合、ΔVbiasが+α2 より大きいか否か判断する(ステップS60)。
ステップS60において、ΔVbiasが+α2 より大きくないと判断された場合、基準出力電圧値は変更せずに、処理をステップS52へ戻す。
ステップS60において、ΔVbiasが+α2より大きいと判断された場合、(現在、設定されている基準出力電圧値−A)に基準出力電圧値を変更し(ステップS61)、処理をステップS52へ戻す。このAは、予め種々のエージングテスト等を行い、装置の使用頻度に対応して決定されており、記憶装置17内に記憶されている。
ステップS56において、ΔVbiasが+αより小さいと判断された場合、処理をステップS70へ進め、ΔVbiasが予め定められた所定量−α以下であるか否か判断する。
ステップS70において、ΔVbiasが−α以下であると判断された場合、例えば、−αが−100Vと設定されていた場合に補正値が−110Vであったときは、処理をステップS71へ進める。
例えば補正値が−90Vであり、+αと−αとの中間にあった場合には、基準出力電圧値は補正せず、処理をステップS52へ戻す。
ステップS71において、以前、基準出力電圧値が変更された後、ATCセンサ10の出力電圧値が変更された基準出力電圧値に到達していたか否かを判断する。
ステップS71において、出力電圧値が変更された基準出力電圧値に到達していないと判断された場合、基準出力電圧値は変更せず、処理をステップS52へ戻し、次のプロセスコントロール実施時期まで、通常のコピー動作を繰り返す。
ステップS71において、出力電圧値が変更された基準出力電圧値に到達していたと判断された場合、湿度センサ11の出力電圧値を検出し(ステップS72)、検出した出力電圧値が高湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化したか否かを判断する(ステップS73)。
ステップS73において、検出した出力電圧値が高湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化していたと判断された場合、記憶装置17に記憶された湿度補正テーブルに基づき、補正値を決定し(ステップS76)、基準出力電圧値に補正値を加算して、新たな基準出力電圧値を算出し(ステップS77)、処理をステップS52へ戻す。この場合、補正値は正の値であるので、基準出力電圧値を上げる方向に補正される。
ステップS73において、高湿度側の湿度範囲の出力電圧値に変化しなかったと判断された場合、ΔVbiasが−α2 以下であるか否かを判断する(ステップS74)。
ステップS74において、ΔVbiasが−α2以下でないと判断された場合、基準出力電圧値は変更せずに、処理をステップS52へ戻す。
ステップS74において、ΔVbiasが−α2以下であると判断された場合、現在、設定されている基準出力電圧値+A)に基準出力電圧値を変更し(ステップS75)、処理をステップS52へ戻す。このAは、予め種々のエージングテスト等を行い、装置の使用頻度に対応して決定されており、記憶装置17内に記憶されている。
なお、α2の大きさは、予め種々のエージングテスト等を行って決定されるが、基準出力電圧値を上げる場合と、下げる場合とで同一にする必要はない。
本実施の形態においては、撹拌ストレスの度合を画像形成条件の設定値の補正値により認識し、これに基づき補正するので、より適切に使用頻度補正をすることができる。
実施の形態4.
図18は、ATCセンサ10の出力電圧値と現像剤撹拌時間との関係を示すグラフである。
図18に示す現像剤撹拌時間の増加と共にATCセンサ10の出力電圧値が上昇する現象に対して、基準出力電圧値を補正せず、装置を使用していると、現像剤撹拌時間の増加と共にトナー補給によりトナー濃度が上昇し、トナーの帯電量が低下し、トナー飛散及び地かぶり等の問題が発生する。
本実施の形態は、この問題に対し、初期の現像剤における基準出力電圧値に、予め、現像剤撹拌時間に対する基準出力電圧値のライフ補正値として、段階的に補正するテーブルデータをCPU13の記憶装置17に記憶させておき、現時点における現像撹拌時間に対するライフ補正値として参照し、基準出力電圧値に加算する補正を、実施の形態1の湿度変化に基づく補正、実施の形態2又は3の湿度変化及び装置の使用頻度差に基づく補正と並行して行うものである。これによって、スペントトナー等による現像剤の劣化に対し、現像性を安定化させることができる。
従って、基準出力電圧値の制御方法として、湿度変化に対して実施される湿度補正と、装置の使用頻度差に対して実施される使用頻度補正と、現像剤撹拌時間によって実施される現像剤劣化補正とを考慮した補正が基準出力電圧値に対して行なわれる。現像装置4内にトナーの補給を制御する基準出力電圧値は、この3つの補正を全て考慮した合計値である。
近年の高画質化技術の開発によりトナーの小粒径化傾向が進んでおり、平均粒径が8μm以下になり、また、粒径分布もよりシャープなトナーが開発されている。そして、キャリアも小粒径化される傾向にあり、このようにトナー及びキャリアが小粒径化されることによって単位重量当たりの比表面積が大きくなり、その分、湿度環境の変化や装置の使用頻度の差、現像剤撹拌ストレスの差に対して現像剤の挙動が大きく変化する問題に対し、本実施の形態においては3つの変化を全て考慮した補正値により基準出力電圧値を補正するので、常に適正なトナー濃度に制御することが可能になり、高画質な画像形成が維持される。
実施の形態5.
画像を形成する一連の処理の命令である印刷ジョブを前回実行してからの経過時間が長い場合、現像装置4内にて、現像剤の沈降及び凝集等の現象が発生して、現像剤の濃度が不均一になり、真のトナー濃度値から外れた値を検出し、トナー濃度が誤った値に制御されてしまうことがある。
本実施の形態による場合は、印刷ジョブを終了してから長時間経過した場合に、現像剤の沈降及び凝集等の現象が発生して、トナー濃度が誤った値に制御される誤作動を起こすことを防止することができる。
また本実施の形態を実現するにあたり、下記の表2に示す経過時間と誤作動の防止に必要な補正係数との関係を示した誤作動防止テーブルを予め記憶装置17に記憶しておく。
表2に示す様に記憶装置17に記憶された誤動作防止テーブルには、0秒から50秒までの経過時間tに対応する補正係数K(t)が、夫々記録されている。
本実施の形態において、トナー濃度基準値Vref の補正値をTS1とした場合、トナー濃度基準値の補正値TS1は、トナー濃度の以前の出力値、ここでは画像形成装置を起動してから1.5秒後のトナー濃度出力値TS2及び経過時間tに基づき、下記の式1及び式2により決定される。
TS2>Vref の場合
TS1=(TS2−Vref )×K(t)+Vref ……式1
TS2≦Vref の場合
TS1(t)=Vref ……式2
但し、Vref :トナー濃度基準値
TS1:補正値
TS2:トナー濃度の以前の出力値
t :経過時間
K(t):補正係数
次に本実施の形態の処理手順を説明する。図19は、実施の形態5に係る画像形成装置の処理手順を示すフローチャートである。
画像形成装置では、CPU13の制御に基づいて、印刷ジョブの実行を開始し、印刷ジョブの実行に伴い画像の形成を完了した時点で、初期値t=0として経過時間tの計測を開始する(ステップS81)。
そして新たに印刷ジョブを受け付けた場合、前述した実施の形態1乃至4に示した方法により、基準出力電圧値として示されるトナー濃度基準値Vref を検出し(ステップS82)、検出を安定化させるべく1.5秒等の所定の時間待機した後(ステップS83)、トナー濃度の出力値TS2を検出する(ステップS84)。
そして画像形成装置では、計測している経過時間tを読み取り(ステップS85)、読み取った経過時間tが、例えば記憶装置17に予め記憶されている50秒等の所定時間を超えるか否かを判断し(ステップS86)、所定時間を超えないと判定した場合(ステップS86:NO)、ステップS83にて検出したトナー濃度の出力値TS2とトナー濃度基準値Vref とを比較する(ステップS87)。
ステップS87において、トナー濃度の出力値TS2の方がトナー濃度基準値Vref より大きいと判断したとき(ステップS87:YES)、表2として示した誤動作防止テーブルから読み取った経過時間tに対応する補正係数K(t)を読み取り(ステップS88)、前述した式1を用いて、トナー濃度の出力値TS2、トナー濃度基準値、補正係数K(t)及びトナー濃度基準値Vref に基づき、補正値TS1を算出する(ステップS89)。なお算出した補正値TS1は、トナーの補給を行う際の補正値として用いられる。
そして画像形成装置では、新たに受け付けた印刷ジョブを実行し(ステップS90)、全ての印刷ジョブに基づく画像の形成等の処理を完了したか否かを判断して(ステップS91)、印刷ジョブを完了していないと判断した場合(ステップS91:NO)、ステップS85に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS86において、読み取った経過時間tが、所定時間を超えると判断した場合(ステップS86:YES)、画像形成装置では、トナー濃度基準値Vref を補正値TS1とし(ステップS92)、ステップS90へ進み、以降の処理を行う。
ステップS87において、トナー濃度の出力値TS2がトナー濃度基準値Vref 以下であると判断したとき(ステップS87:NO)、画像形成装置では、トナー濃度基準値Vref を補正値TS1とし(ステップS92)、ステップS90へ進み、以降の処理を行う。
ステップS91において、印刷ジョブを完了していると判断した場合(ステップS91:YES)、処理を終了する。
このように本実施の形態では、前回、印刷ジョブの実行に基づき画像を形成してからの経過時間tが、予め所定時間として設定されている50秒以内である場合、誤動作防止テーブルに記録されている経過時間tに対応する補正係数K(t)及び以前に検出したトナー濃度の出力値TS2に基づいて、トナー濃度基準値Vref の補正値TS1を決定する。
また経過時間tが、予め所定時間として設定されている50秒を超えている場合、トナー濃度の出力値TS2に関わらず、経過時間tに基づきトナー濃度の基準値Vref を補正する補正値TS1を決定する。
図20は、実施の形態5における経過時間tと補正されたトナー濃度基準値との関係を示すグラフである。
図20に示すように補正されたトナー濃度基準値は、所定時間である50秒に達するまでは誤動作防止テーブルに記録されている補正係数K(t)に基づき補正されるので段階的に下がる方向で経時的に変化し、所定時間である50秒に達した後は一定値を取る事となる。
実施の形態6.
本実施の形態では、印字率が高い画像を形成する場合に、トナー補給が追従できないために生じる画質の劣化、及び印字率が低い画像を連続して形成する場合に、トナー補給が行われないトナー未補給時間が長時間続いた場合に生じる画質の劣化を防止することを目的としたものである。
図21及び図22は、実施の形態6に係る画像形成装置の処理手順を示すフローチャートである。
画像形成装置では、画像を形成する一連の処理の命令である印刷ジョブを受け付け、受け付けた印刷ジョブに基づく画像形成処理を行う場合に、CPU13の制御に基づいて、検出値を安定化させるために1.5秒間の空転動作を行い、前述した実施の形態1乃至4に示した方法により、出力電圧値として示されるトナー濃度を検出し(ステップS101)、検出したトナー濃度をトナー濃度基準値と比較する(ステップS102)。
ステップS102の比較により、検出したトナー濃度がトナー濃度基準値以下であると判断した場合(ステップS102:YES)、画像形成装置では、トナー残量を示すべく設定されるニア・エンド・フラグをオフとし(ステップS103)、トナーの補給を開始してから連続して補給している連続補給時間を計測するための連続補給時間カウンタを初期化し(ステップS104)、更にトナー濃度がトナー基準値に0.3Vを加えた値以上となる状態の継続回数をカウントするための状態監視カウンタを初期化する(ステップS105)。
画像形成装置では、トナー未補給時間として、前回、トナーを補給して以降の画像の形成処理に要している累積経過時間を、累積経過時間カウンタを用いて計測しており、計測している累積経過時間が所定時間として設定されている30秒以上であるか否かを判断し(ステップS106)、累積経過時間が所定時間以上である判定した場合(ステップS106:YES)、トナー濃度の出力値とトナー濃度基準値から0.1Vを減じた値とを比較し(ステップS107)、トナー濃度の出力値がトナー濃度基準値から0.1Vを減じた値より大きいと判断したとき(ステップS107:YES)、トナーを例えば1秒間補給し(ステップS108)、計測しているトナー未補給時間を計測する累積経過時間カウンタを初期化する(ステップS109)。
ステップS108にてトナーを補給することにより、低印字率での画質劣化を防止することができる。
そして画像形成装置では、印刷ジョブが完了しているか否かを判断し(ステップS110)、印刷ジョブが完了していると判断した場合(ステップS110:YES)、処理を終了する。
なおステップS106において、累積経過時間が所定時間を超えないと判断した場合(ステップS106:NO)、ステップS110へ進み、印刷ジョブが完了しているか否かを判断する。
ステップS107において、トナー濃度の出力値がトナー濃度基準値から0.1Vを減じた値より小さいと判断した場合(ステップS107:NO)、トナーを過剰に補給することを防止することを目的として、トナー補給処理は行わず、ステップS109へ進み、以降の処理を実行する。
ステップS110において、印刷ジョブが完了していないと判断した場合(ステップS110:NO)、ステップS101へ戻り、以降の処理を繰り返す。
またステップS102において、検出したトナー濃度がトナー濃度基準値以上であると判断した場合(ステップS102:NO)、画像形成装置では、トナー濃度の出力値をトナー濃度基準値に0.3Vを加えた値と比較し(ステップS111)、トナー濃度の出力値がトナー濃度基準値に0.3Vを加えた値未満であると判断した場合(ステップS111:YES)、トナーを例えば1秒間補給し(ステップS112)、計測しているトナー未補給時間を計測する累積経過時間カウンタを初期化する(ステップS113)。
そして画像形成装置では、トナー残量を示すべく設定されているニア・エンド・フラグがオンであるか否かを判断し(ステップS114)、ニア・エンド・フラグがオンであると判断した場合(ステップS114:YES)、連続補給時間を計測している連続補給時間カウンタの値が所定時間、例えば3分以上であるか否かを判断する(ステップS115)。
ステップS115において、連続補給時間が3分以上であると判断した場合(ステップS115:YES)、トナーカートリッジ8内のトナー残量が少ない状態であると見なして、印刷ジョブを中断し(ステップS116)、トナーカートリッジの交換による補充を要求するトナーエンプティ処理を行う(ステップS117)。なおトナーエンプティ処理完了後は、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS115において、連続補給時間が3分未満であると判断した場合(ステップS115:NO)、ステップS101へ戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS114において、ニア・エンド・フラグがオフであると判断した場合(ステップS114:NO)、画像形成装置では、連続補給時間カウンタを用いて計測している連続補給時間が所定時間、例えば1分以上である否かを判断し(ステップS118)、1分以上であると判断した場合(ステップS118:YES)、トナー補給が追従していないと見なし、用紙を給送して画像を形成する処理を中断し(ステップS119)、トナーを補給するトナー補給処理を行う(ステップS120)。
ステップS118において、連続補給時間が1分未満であると判断した場合(ステップS118:NO)、ステップS101へ戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS111において、トナー濃度の出力値がトナー濃度基準値に0.3Vを加えた値より大きいと判断した場合(ステップS111:NO)、画像形成装置では、状態監視カウンタの値が3以上であるか否かを判断し(ステップS121)、状態監視カウンタの値が3以上であると判断したとき(ステップS121:YES)、更にニア・エンド・フラグがオンであるか否かを判断し(ステップS122)、ニア・エンド・フラグがオンであると判断したとき(ステップS122:YES)、印刷ジョブを中断し(ステップS123)、トナーエンプティ処理を行う(ステップS124)。なおトナーエンプティ処理完了後は、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS122において、ニア・エンド・フラグがオフであると判断したとき(ステップS122:NO)、画像形成装置では、用紙を給送して画像を形成する処理を中断し(ステップS125)、トナーを補給するトナー補給処理を行う(ステップS126)。
ステップS121において、状態監視カウンタの値が3未満であると判断した場合(ステップS121:NO)、画像形成装置では、状態監視カウンタの値に1を加算して(ステップS127)、ステップS101へ戻り、以降の処理を繰り返す。
次に図22のステップS120及びS126にて実行されるトナー補給処理について説明する。図23及び図24は、実施の形態6に係る画像形成装置のトナー補給処理を示すフローチャートである。
高印字率の画像形成が行われ、トナー補給が追従できないために生じる画像の劣化を防止すべく図22のステップS120及びS126にて実行されるトナー補給処理として、画像形成装置では、CPU13の制御に基づいて、トナー補給処理を実行中であることを示す情報を画像形成装置の外面に配設されている液晶パネル等の表示手段から表示し(ステップS131)、トナーの補給を開始してから連続して補給している連続補給時間を計測している連続補給カウンタを初期化し(ステップS132)、トナー濃度がトナー基準値に0.3Vを加えた値以上となる状態の継続回数をカウントするための状態監視カウンタを初期化する(ステップS133)。
そして画像形成装置では、CPU13の制御に基づいて、現像装置4内の検出値を安定化させるため30秒間の空転を行った後、トナー濃度の出力値を検出し(ステップS134)、検出したトナー濃度の出力値をトナー濃度基準値と比較し(ステップS135)、トナー濃度出力値がトナー濃度基準値以下であれば(ステップS135:YES)、トナー補給処理を終了して、図22のステップS119又はステップS125にて中断していた処理を再開すべく、図21のステップS101へ戻り以降の処理を実行する。
ステップS135において、検出したトナー濃度の出力値がトナー濃度基準値より大きい場合(ステップS135:NO)、画像形成装置は、トナーを例えば1秒間補給し(ステップS136)、トナー未補給時間を計測する累積経過時間カウンタを初期化し(ステップS137)、補給後のトナー濃度の出力値を検出し(ステップS138)、検出したトナー濃度の出力値をトナー濃度基準値に0.1V加えた値と比較して(ステップS139)、補給後に検出したトナー濃度の出力値がトナー濃度基準値に0.1V加えた値より小さい場合(ステップS139:NO)、ステップS136によるトナーの補給時間の累積値が所定時間である2分30秒以上であるか否かを判断し(ステップS140)、累積値が2分30秒未満であるとき(ステップS140:NO)、ステップS135に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS140において、ステップS136によるトナーの補給時間の累積値が2分30秒以上であると判断した場合(ステップS140:YES)、画像形成装置では、検出したトナー濃度の出力値とトナー濃度基準値とを比較して(ステップS141)、検出したトナー濃度の出力値がトナー濃度基準値以下の場合(ステップS141:NO)、トナー補給処理を終了して、図22のステップS119又はステップS125にて中断していた処理を再開すべく、図21のステップS101へ戻り以降の処理を実行する。
ステップ141において、検出したトナー濃度の出力値がトナー濃度基準値より大きい場合(ステップS141:YES)、画像形成装置では、トナー濃度の出力値とトナー濃度基準値に0.3V加えた値とを比較し(ステップS142)、トナー濃度の出力値がトナー濃度基準値に0.3V加えた値未満で有れば(ステップS142:YES)、トナー残量を示すべく設定されるニア・エンド・フラグをオンとし(ステップS143)、トナー補給処理を終了して、図22のステップS119又はステップS125にて中断していた処理を再開すべく、図21のステップS101へ戻り以降の処理を実行する。
なおステップS142において、トナー濃度の出力値がトナー濃度基準値に0.3V加えた値以上である場合(ステップS142:NO)、画像形成装置では、トナーカートリッジの交換による補充を要求するトナーエンプティ処理を行う(ステップS144)。
ステップS139において、補給後に検出したトナー濃度の出力値がトナー濃度基準値に0.1V加えた値より大きい場合(ステップS139:YES)、画像形成装置では、現像装置4内の検出値を安定化させるため30秒間の空転を行った後、トナー濃度の出力値を検出し(ステップS145)、検出したトナー濃度の出力値をトナー濃度基準値と比較し(ステップS146)、トナー濃度出力値がトナー濃度基準値以下である場合(ステップS146:YES)、トナー補給処理を終了して、図22のステップS119又はステップS125にて中断していた処理を再開すべく、図21のステップS101へ戻り以降の処理を実行する。
ステップS146において、検出したトナー濃度の出力値がトナー濃度基準値より大きい場合(ステップS146:NO)、画像形成装置では、トナーを例えば1秒間補給し(ステップS147)、トナー未補給時間を計測する累積経過時間カウンタを初期化し(ステップS148)、ステップS136及びS146によるトナーの補給時間の累積値が所定値である3分以上であるか否かを判断し(ステップS149)、累積値が3分未満であるとき(ステップS149:NO)、ステップS145に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS149において、ステップS136及びS146によるトナーの補給時間の累積値が3分以上であると判断したとき(ステップS149:YES)、ステップS140へ進み、以降の処理を実行する。
ステップS149において、ステップS136及びS146によるトナーの補給時間の累積値が3分未満であると判断したとき(ステップS149:NO)、ステップS145に戻り、以降の処理を繰り返す。
このようにしてトナー濃度基準値の補正値が正である場合、前回トナーを補給して以降の画像の形成処理に要している時間を示すトナー未補給時間を計測する累積経過時間カウンタを初期化することで、過剰にトナー補給が行われることを防止する。
なお累積経過時間カウンタを初期化するのでは無く、トナー濃度基準値に基づきトナーを補給した後、トナー濃度が補正後のトナー濃度基準値に達するまで累積経過時間カウンタによる累積経過時間の計測を中断するようにしてもよい。
なお実施の形態6は、前述した実施の形態1乃至実施の形態5と適宜組み合わせて用いられるものであるため、前述した実施の形態1乃至実施の形態5にて説明した内容と重複する箇所については、前述した実施の形態1乃至実施の形態5を参照するものとし、その説明を省略する。
実施の形態7.
起動時、再起動時、又は待機状態からの復帰時に現像装置4内のトナー濃度が不均一になっている場合があるため、起動時等の直後にトナー濃度を検出して制御を行うと誤動作を招く虞がある。
本実施の形態は、現像装置4内のトナー濃度が不均一になっていることによる誤検出を原因とした誤動作を防止するため、トナー補給を行わない状態で現像装置4の空転動作を行いトナー濃度を均一化するという、プロセスコントロール及びトナー濃度補正の前の準備動作を示したものである。
図25は、実施の形態7に係る画像形成装置の処理手順を示すフローチャートである。
画像形成装置では、起動時、再起動時、又は待機状態からの復帰時に、CPU13の制御に基づいて、現像装置4の近傍に備える湿度センサにより、画像形成装置内の相対湿度を検出し(ステップS151)、検出した湿度に応じて、記憶装置17に記憶されている計算式又は対応表を用いて空転時間を算出し(ステップS152)、算出した空転時間分、トナー補給をせずに現像装置4を空転動作させて(ステップS153)、トナー濃度及び帯電量の均一化を行う。
そして算出した空転時間分の空転動作を行った後、プロセスコントロール補正処理を行い(ステップS154)、更にトナー補正処理を行う(ステップS155)。
これにより印刷ジョブを実行させるための準備動作を完了する。
実施の形態8.
図26は、本発明の実施の形態8における画像形成装置が備えるトナーカートリッジを模式的に示すブロック図である。
図26に示すように本発明の実施の形態8におけるトナーカートリッジ8は、ICメモリ等の記録部81及び記録部81に情報を記録するためのインターフェースとなるインターフェース部82を有しており、記録部81には、当該トナーカートリッジ8の使用状況に関する情報が記録される。
そして画像形成装置内は、トナーカートリッジ8を取着した場合に、インターフェース部82にアクセスして記録部81への情報の記録及び情報の読み取りを行うアクセス部を備えている。
記録部81に記録されるトナーカートリッジ8の使用状況に関する情報とは、未使用、使用中、及び使用済み等の情報であり、取着する前のトナーカートリッジ8の記録部81には、未使用を示す情報が記録されており、取着されたトナーカートリッジ8の使用を開始する時に、使用中を示す情報に書き換えられ、トナーエンプティ処理を実行する時に使用済みを示す情報に書き換えられる。
なお使用状況に関する情報とは、未使用、使用中及び使用済み等の概略的な情報だけでなく、詳細な使用状況を示す情報として、当該トナーカートリッジ8を用いての補給に要した累積時間、具体的にはトナーカートリッジ駆動モータ21の累積駆動時間を計測し、計測により得られた累積駆時間が記録される。
また起動時、再起動時、又は待機状態からの復帰時において、トナーカートリッジ8の使用状況に応じて運転条件を変更する準備動作を行う。
図27は、本発明の実施の形態8における画像形成装置の処理手順を示すフローチャートである。
画像形成装置では、起動時、再起動時、又は待機状態からの復帰時に、CPU13の制御に基づいて、トナーカートリッジ8が有する記録部81に記録されている使用状況に関する情報を示す使用状況情報を読み取り(ステップS161)、読み取った使用状況情報が未使用であるか否かを判断し(ステップS162)、未使用であると判断した場合(ステップS162:YES)、トナー補給手段たるトナーカートリッジ駆動モータ21の駆動電源の駆動周波数が50Hzになるように運転条件を変更し(ステップS163)、使用状況情報を、使用中を示す情報に更新する(ステップS164)。
なおステップS162において未使用ではないと判断した場合(ステップS162:NO)、トナーカートリッジ駆動モータ21の駆動電源の駆動周波数を62.5Hzになるように運転条件を変更する(ステップS165)。
このようにトナーカートリッジ8が未使用である場合に、駆動周波数を下げることにより、トナーカートリッジ駆動モータ21はトルクが向上し、未使用のトナーカートリッジ8の保管中に発生しやすいトナーのブロッキングによるトルク不足を起因とするトラブルを防止することが可能である。
なお使用状況情報としてトナーカートリッジ駆動モータ21の累積駆動時間を記録部81に記録している場合には、累積駆動時間が所定値、例えば120秒以下の場合に未使用のトナーカートリッジ8であると判断する。
累積駆動時間を使用状況情報として用いる場合、画像形成装置は、トナーの補給に要した累積時間を計測し(ステップS166)、計測した累積時間に基づく使用状態、ここでは累積時間を示す情報をトナーカートリッジ8が有する記録部81に記録する(ステップS167)処理を要する。
なお、前記実施の形態1乃至8においては、ATCセンサ10の基準出力電圧値の補正値を加算する場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、ATCセンサ10の基準出力電圧値に補正値を乗算すべく構成してもよい。
さらに、前記実施の形態1乃至8においては、ATCセンサ10の基準出力電圧値をトナー濃度基準値とした場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、トナー濃度をトナー濃度基準値としてもよい。