JP2017083501A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境の変化や現像剤の耐久状態の変化によって現像剤の嵩密度が変化してもトナー濃度の誤検知を防止する画像形成装置を提供する。【解決手段】現像剤容器に設けられ、現像剤容器内に現像剤が補給されることにより余剰となった現像剤を排出する排出口から排出された現像剤のトナー濃度を検知するインダクタンス検知センサ45と、インダクタンス検知センサ45の検知結果に基づいて画像形成装置の画像形成条件を制御するプリンタ制御部と、を有することを特徴とする。【選択図】図9
Description
本発明は、電子写真複写機やレーザビームプリンタ等の像担持体上に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像装置を備えた画像形成装置に関するものである。特に、トナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤を使用する現像装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式や静電記録方式を採用する画像形成装置、特に電子写真方式によってフルカラーやマルチカラー画像を形成するカラー画像形成装置では以下の通りである。発色性や混色性といった観点から殆どの現像装置がトナーと磁性キャリアを混合した二成分現像剤を使用している。
一定体積内の現像剤に含まれる磁性キャリアの見かけの透磁率μの変化を検知するインダクタンス検知方式のトナー濃度検知センサでは以下の問題がある。現像剤自体の嵩密度が変化することにより現像剤のトナー濃度が変化していないにもかかわらず、インダクタンス検知センサの出力が変化して正確にトナー濃度制御ができなくなる。
例えば、一定のトナー濃度の現像剤について高湿度環境下でインダクタンス検知センサを用いると、高湿度環境下では現像剤の磁性キャリアの電荷保持量が減少し、磁性キャリア同士の反発力も減少する。このため磁性キャリア同士の間隔が短くなり、現像剤中の単位体積当たりの磁性キャリアの個数が増加する。これにより単位体積当たりの透磁率が増加する。そのためインダクタンス検知センサは、トナー濃度が減少したと誤検知する。
一方、低湿度環境下では現像剤の磁性キャリアの電荷保持量が増加し、磁性キャリア同士の反発力も増加する。このため磁性キャリア同士の間隔が広くなり、現像剤中の単位体積当たりの磁性キャリアの個数が減少する。これにより単位体積当たりの透磁率が減少する。そのためインダクタンス検知センサは、トナー濃度が増加したと誤検知する。
このような現像剤の嵩密度の変化に伴うインダクタンス検知センサの誤検知の問題に対して、特許文献1では、以下のような方法を提案している。即ち、インダクタンス検知センサは、高周波電圧により磁界を形成し、この磁界を二成分現像剤の一部に及ぼし、現像剤の単位体積当たりの透磁率の変化を検知する。これによりトナー濃度を検知する。このとき形成する磁界の強度を制御する制御電圧Vcを湿度の変化に応じて所定の電圧ΔVcだけ変化させることでインダクタンス検知センサの誤検知を防ぐものである。
図15は、検知する二成分現像剤のトナー濃度を8.0%に固定したときの湿度と、インダクタンス検知センサの出力電圧Vとの関係を示した図である。図15の実線で示す曲線aは、インダクタンス検知センサの磁界の強度を制御する制御電圧Vcを5.0Vに固定したときの湿度と、インダクタンス検知センサの出力電圧Vとの関係を示す。図15の点線で示す曲線bは、インダクタンス検知センサの磁界の強度を制御する制御電圧Vcを5.5Vに固定したときの湿度と、インダクタンス検知センサの出力電圧Vとの関係を示す。
図15の横軸は湿度を示し、縦軸はインダクタンス検知センサの出力電圧Vを示す。図15に示すように、トナー濃度が8.0%の一定で、インダクタンス検知センサの磁界の強度を制御する制御電圧Vcが5.0V、或いは、5.5Vの一定であっても現像剤の湿度の変化によってインダクタンス検知センサの出力電圧Vが変化することが分かる。
図16は、検知する二成分現像剤のトナー濃度を8.0%に固定したときのインダクタンス検知センサの磁界の強度を制御する制御電圧Vcと、インダクタンス検知センサの出力電圧Vとの関係を示す図である。
図16の横軸はインダクタンス検知センサの磁界の強度を制御する制御電圧Vcを示し、縦軸はインダクタンス検知センサの出力電圧Vを示す。図16に示すように、インダクタンス検知センサはセンサ自身の特性として、インダクタンス検知センサの磁界の強度を制御する制御電圧Vcが大きくなると発生する磁界の強度が大きくなる。このためトナー濃度が8.0%の一定であってもインダクタンス検知センサの磁界の強度を制御する制御電圧Vcが大きくなると、インダクタンス検知センサの出力電圧Vが大きくなることが分かる。
例えば、図15に示すように、湿度が40%の環境下で、トナー濃度が8.0%の現像剤を図15の曲線aで示す磁界の強度を制御する制御電圧Vcが5.0Vのインダクタンス検知センサで検知する。すると、インダクタンス検知センサの出力電圧Vが2.2Vとなる。
ここで、現像剤の湿度環境が変化して湿度が20%になった場合を考慮する。すると、図15の曲線aで示すように、インダクタンス検知センサの出力電圧Vが1.9Vに変化する。
例えば、インダクタンス検知センサの出力電圧Vの感度をトナー濃度の1%分が0.3Vであったとする。すると、トナー濃度が8.0%の現像剤を湿度が40%の環境下から湿度が20%の環境下に変化したとき、トナー濃度が8.0%の現像剤は、トナー濃度が7.0%であると誤検知してしまう。
湿度が40%の環境下から湿度が20%の環境下に変化したとき、インダクタンス検知センサの出力電圧Vは2.2Vから1.9Vに低下する。その電圧差は0.3V(=2.2V−1.9V)である。インダクタンス検知センサの出力電圧Vの−0.3V分がトナー濃度の−1%分に相当するから湿度が20%の環境下ではトナー濃度が7.0%(=8.0%−1.0%)であると誤検知してしまう。実際の現像剤のトナー濃度は8.0%で変化していない。
そこで、湿度が40%から湿度が20%への変化に応じてインダクタンス検知センサの磁界の強度を制御する制御電圧Vcを図15の曲線aで示す5.0Vから曲線bで示す5.5Vに変更する。ここで、湿度が40%の曲線aで示す磁界の強度を制御する制御電圧Vcが5.0Vのインダクタンス検知センサの出力電圧Vを考慮する。更に、湿度が20%の曲線bで示す磁界の強度を制御する制御電圧Vcが5.5Vのインダクタンス検知センサの出力電圧Vを考慮する。すると、何れも2.2Vとなって一致する。これによりトナー濃度の誤検知を防ぐことができる。
しかしながら、現像剤の嵩密度の変化は、環境の変化だけでなく、現像剤の耐久状態によっても起こる。例えば、現像装置が現像する画像デューティ(Duty)が低いときは、新しい現像剤の補給が少ない状態で現像装置の空回転が続く。このため現像剤中のトナーの外添剤の剥がれや外添剤の埋め込みによって現像剤の凝集度が高くなり嵩密度が小さくなる。
一方、現像装置が現像する画像デューティ(Duty)が高いときは、新しい現像剤の補給が多くなる。このため現像装置内の劣化トナーは順次入れ替わり、新しいトナーの割合が増えてくる。これにより現像剤の凝集度が低くなり嵩密度が大きくなる。
また、現像剤のトナー濃度が同一で環境条件が同一であっても現像剤の耐久状態によって磁性キャリアがトナーに付加する電荷量(トリボ)が異なる。これにより現像剤の嵩密度が異なる場合もある。
例えば、耐久末期の現像剤の磁性キャリアはトナーのスペント(付着)や磁性キャリアのコートの剥がれ等でトナーへの電荷付与能力が落ちてくる。このためトナー濃度が同一で環境条件が同一であっても磁性キャリアがトナーに付加する電荷量(トリボ)が低下して現像剤の嵩密度が大きくなる。
このように、環境条件の変化だけでなく現像剤の耐久状態の変化によっても現像剤の嵩密度が変化し、インダクタンス検知センサによるトナー濃度の誤検知の要因となっている。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、現像剤の耐久状態の変化によるトナー濃度の誤検知を防止する画像形成装置を提供するものである。
前記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体上の静電潜像をトナー像に現像する現像装置と、を有し、現像装置は、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を収容する現像剤容器と、前記現像剤容器に設けられ、該前記現像剤容器内に現像剤が補給されることにより余剰となった現像剤を排出する排出口と、を有する画像形成装置において、前記排出口から排出された現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、前記トナー濃度検知手段の検知結果に基づいて前記画像形成装置の画像形成条件を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、排出口から排出された現像剤のトナー濃度を検知することで現像剤の耐久状態の変化によるトナー濃度の誤検知を防止することできる。
図により本発明に係る画像形成装置の一実施形態を具体的に説明する。
先ず、図1〜図11を用いて本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成について説明する。
トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を用いた現像法は、磁性キャリアとトナーとの摩擦帯電によりトナーに電荷を付与し、電荷が付与されたトナーを潜像に対して静電的に付着させることによって画像を形成する方法である。
このような二成分現像方式において、高耐久、高安定を満足した画像を提供していくためには、安定したトナー帯電量(以下「トリボ」という)を付与していくことが重要である。そのためには磁性キャリアの帯電付与能力が耐久前後で安定していることが必要である。
しかし、実際には、トナーは随時、現像動作により消費されていくのに対して、磁性キャリアは消費されずに現像装置内に残る。そのため、耐久(長時間使用)していくと磁性キャリアはトナーとともに長時間撹拌され、表面がトナーの外添剤やトナーの付着により汚染される。その結果、磁性キャリアのトリボ付与能力が下がってくるためトリボが低下し、飛散かぶり等の画像劣化が生じる。
従来は、このような問題に対して、耐久寿命を過ぎた劣化した現像剤を定期的なメンテナンス時にサービスマンにより新しい現像剤に交換する方法がとられていた。このため現像剤寿命がサービスマンによるメンテナンス間隔となっていた。
サービスマンへの負担、コスト、更には画像形成装置のダウンタイムという観点からもサービスマンによるメンテナンス間隔は長い方が好ましい。そのため耐久寿命を延ばす現像剤の開発や現像剤を劣化させない画像形成プロセスの開発が行なわれているが、現状では、3万枚から5万枚の記録材に画像形成すると現像剤寿命となるのが実際である。
そこで、現像装置内に磁性キャリアを補給することにより帯電性能の劣化を抑制出来る画像形成装置が提案されている。
このような画像形成装置では、現像装置内に新しい現像剤または磁性キャリアの補給装置を設ける。そして、この補給装置による新しい現像剤または磁性キャリアの補給よって過剰になった現像装置内の余剰現像剤を現像装置の壁面に設けられた排出口から溢れ出るようにオーバーフローさせて排出し、回収する。以下、この方式をオート・磁性キャリア・リフレッシュ方式(ACR方式)という。
このような画像形成装置では、新しい現像剤または磁性キャリアの補給と、現像剤の排出とが逐次繰り返される。これにより現像装置内の劣化した現像剤は、新たに供給されるトナー及び磁性キャリアに置換されていく。これにより現像装置内の現像剤の現像特性が一定に維持され、現像剤の帯電特性を維持して、画質の低下を抑制することが可能となる。その結果、現像剤の交換頻度が低減できる。
また、二成分現像剤を用いた画像形成装置では、現像剤のトナー濃度であるT/D比(磁性キャリア粒子重量Cと非磁性トナー粒子重量Tとの合計重量Dに対する非磁性トナー粒子重量Tの割合)は、画像品質を安定化させる上で極めて重要な要素になっている。
現像剤のトナー粒子は現像時に消費され、トナー濃度は変化する。このため、現像剤濃度制御装置(ATR)を使用して適時現像剤のトナー濃度を正確に検知し、その変化に応じてトナー補給を行い、トナー濃度を制御して、画像品質を維持する必要がある。
このように現像プロセスにより現像装置内の現像剤のトナー濃度が変化するのを補正する(現像装置内に補給するトナー量を制御する)ために、現像剤容器中のトナー濃度の検知及びトナー濃度制御は、従来から種々の方式が提案されて実用化されている。
例えば、現像剤担持体となる現像スリーブ、或いは、現像剤容器の現像剤搬送経路に近接してトナー濃度センサが設けられる。例えば、現像スリーブの表面上に搬送された現像剤、或いは、現像剤容器内の現像剤に光を当てる。そのときの光の反射率がトナー濃度により異なることを利用してトナー濃度を検知して制御する現像剤濃度制御装置が使用される。
或いは、現像装置の側壁に磁性キャリアと、非磁性トナーとの混合比率による見かけの透磁率を検知して電気信号に変換するインダクタンスヘッドを設ける。そして、該インダクタンスヘッドからの検出信号によって現像装置内の現像剤の実際のトナー濃度を検知する。そして、基準値との比較によりトナーを補給するインダクタンス検知方式の現像剤濃度制御装置が使用される。
また、感光ドラムの表面に対向した位置に光源が設けられる。その光源から出射した光を感光ドラムの表面上に形成したパッチ画像に照射する。その反射光をセンサにより受けて光度を読み取り、アナログ−ディジタル変換器でディジタル信号に変換する。その後、CPU(Central Processing Unit;中央演算装置)に送り、該CPUで初期設定値と比較して、読み取ったパッチ画像の濃度が該初期設定値よりも高い場合は、該初期設定値に戻るまでトナー補給が停止される。該初期設定値よりも読み取ったパッチ画像の濃度が低い場合は、該初期設定値に戻るまで強制的にトナーが補給される。その結果、トナー濃度が間接的に所望の値に維持される方式等がある。
しかし、現像スリーブの表面上に搬送された現像剤、或いは、現像剤容器内の現像剤に光を当てたときの反射率からトナー濃度を検知する方式は、トナー飛散等により検知手段が汚れてしまった場合、正確にトナー濃度を検知できない等の問題がある。
また、パッチ画像濃度から間接的にトナー濃度を制御する方式は、画像形成装置の小型化に伴い、パッチ画像を形成するスペースや検知手段を設置するスペースが確保できない等の問題がある。
これに対し、インダクタンス検知方式は、センサ単体のコストも安価なことに加えてスペースの確保が容易で、トナー飛散による汚れの影響を受けない。このため低コストで小スペースの画像形成装置に最適なトナー濃度検知方式といえる。
インダクタンス検知方式の現像剤濃度制御装置(以下、「インダクタンス検知方式ATR」という。)は、初期の現像剤のトナー濃度に対するインダクタンス検知方式ATRの検出信号を現像剤のトナー濃度制御の基準値に設定する。その基準値に対して検出信号が高く、現像剤の見かけの透磁率が大きいと検知された場合は以下の通りである。一定体積内で現像剤中の磁性キャリア粒子が占める割合が多くなりトナー濃度が低くなったことを意味するためトナー補給を開始する。
逆に基準値に対して検出信号が低く、現像剤の見かけの透磁率が小さくなったと検知された場合は以下の通りである。一定体積内で現像剤中の磁性キャリアが占める割合が少なくなりトナー濃度が高くなったことを意味するためトナー補給を停止する。これによりトナー濃度を制御する。
或いは、後述するビデオカウント値と、パッチ画像濃度の信号値を通常のトナー補給制御に用いながらも、初期の現像剤のトナー濃度に対するインダクタンス検知方式ATRの検出信号を現像剤のトナー濃度制御の基準値に設定する。その基準値に対して検出信号が所定の値よりも大きいか、或いは、小さい場合には、トナー補給を停止するか、或いは、強制的にトナー補給を行なう。このように、インダクタンス検知センサ45をトナー補給制御のリミッターとして利用する場合もある。
<画像形成装置>
先ず、図1を用いて本発明に係る画像形成装置の構成について説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面説明図である。図1において、本実施形態の画像形成装置12は、図1の矢印c方向に回転駆動され、静電潜像が形成される像担持体となる感光ドラム1を有する。
先ず、図1を用いて本発明に係る画像形成装置の構成について説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面説明図である。図1において、本実施形態の画像形成装置12は、図1の矢印c方向に回転駆動され、静電潜像が形成される像担持体となる感光ドラム1を有する。
感光ドラム1の周囲には、該感光ドラム1の表面を一様に帯電する帯電手段となる一次帯電器2が設けられている。一次帯電器2によって一様に帯電された感光ドラム1の表面には、図4に示す像露光手段となるレーザスキャナ3から出射される画像情報に応じたレーザ光3aが照射される。これにより感光ドラム1の表面上に静電潜像が形成される。
レーザスキャナ3により感光ドラム1の表面上に形成された静電潜像に対して以下の通りである。現像手段となる現像装置4に設けられた現像剤担持体となる現像スリーブ24の表面にトナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が担持される。そして、該二成分現像剤が図1の矢印c方向に回転する感光ドラム1の表面に磁気ブラシとなって接触する。そして、感光ドラム1の表面上(像担持体上)の静電潜像に現像剤が供給されてトナー像として現像される。
現像装置4により感光ドラム1の表面上に形成されたトナー像は、転写手段となる転写帯電器5により搬送部により搬送シート6上を搬送される記録材7に転写される。
転写帯電器5により記録材7上に転写された未定着トナー像は、定着手段となる定着装置8に設けられた定着ローラと加圧ローラとにより挟持搬送される間に加熱及び加圧されて未定着トナー像が熱溶融して記録材7に熱定着される。その後、トナー像が定着された記録材7は図示しない排出部により機外に排出される。
転写後に感光ドラム1の表面上に残留した転写残トナーは、クリーニング手段となるクリーニング装置9に設けられたクリーニングブレード9aにより掻き取られて除去される。
クリーニングブレード9aにより転写残トナーが除去された感光ドラム1の表面は、除電手段となる前露光ランプ10により露光されて該感光ドラム1の表面上の電位が消去される。これにより感光ドラム1は再び画像形成に供される。尚、前露光ランプ10は、無くても良い。
<現像装置>
次に、図2及び図3を用いて本実施形態の現像装置4の構成について説明する。本実施形態の現像装置4は、現像剤容器20を有する。現像剤容器20内には現像剤としてトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤が収容されている。
次に、図2及び図3を用いて本実施形態の現像装置4の構成について説明する。本実施形態の現像装置4は、現像剤容器20を有する。現像剤容器20内には現像剤としてトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤が収容されている。
また、現像剤容器20内には、該現像剤容器20の枠体に回転可能に設けられ、該現像剤容器20に設けられた開口13から感光ドラム1の表面に対向して設けられた現像剤担持体となる現像スリーブ24を有する。
更に、現像スリーブ24の表面上に担持された現像剤の穂を規制する穂切り部材としての規制ブレード25を有している。
本実施形態の現像剤容器20の内部は、その略中央部が隔壁23によって現像室21aと撹拌室21bとに区画されている。現像剤は、現像室21a及び撹拌室21b内に収容されている。
現像室21a及び撹拌室21bには、現像剤を撹拌しながら搬送する現像剤搬送手段となる第1、第2の搬送スクリュー22a,22bがそれぞれ配置されている。
第1の搬送スクリュー22aは、図2に示す現像室21aの底部に現像スリーブ24の軸方向に沿って略平行に配置されている。第1の搬送スクリュー22aが回転することにより現像室21a内の現像剤を該第1の搬送スクリュー22aの軸線方向(図3の左方向)に沿って一方向に搬送する。
また、第2の搬送スクリュー22bは、図2に示す撹拌室21b内の底部に第1の搬送スクリュー22aと略平行に配置されている。第2の搬送スクリュー22bが回転することにより撹拌室21b内の現像剤を第1の搬送スクリュー22aとは反対方向(図3の右方向)に沿って一方向に搬送する。
各現像室21a及び撹拌室21bにそれぞれ設けられた第1、第2の搬送スクリュー22a,22bの回転により現像剤が図3に示す隔壁23の両端部に設けられた開口からなる連通部26,27を介して現像室21aと撹拌室21bとの間で循環搬送される。
本実施形態では、図2及び図3に示すように、現像室21aと撹拌室21bとは水平方向に並設された一例である。他に、現像室21aと撹拌室21bとが上下方向に配置された現像装置であっても良いし、他の種々の配置形態の現像装置にも適用可能である。
図2に示すように、本実施形態の現像剤容器20の枠体の感光ドラム1に対向した現像領域Gに相当する位置には開口13が設けられている。現像スリーブ24は、開口13から感光ドラム1に向かって一部露出するように回転可能に設けられている。
本実施形態の現像スリーブ24の外径直径は20mmに設定される。また、感光ドラム1の外径直径は80mmに設定される。また、図2に示す現像領域Gにおける現像スリーブ24と感光ドラム1との間の最近接距離は約400μmに設定される。
これにより現像スリーブ24の表面上に担持された現像剤が該現像スリーブ24の矢印d方向の回転により現像領域Gに到達する。すると、図1の矢印c方向に回転する感光ドラム1の表面に現像剤が磁気ブラシとなって接触した状態で該感光ドラム1の表面に形成された静電潜像にトナーが付与されてトーナ像として現像される。
本実施形態の現像スリーブ24は、アルミニウムやステンレスのような非磁性材料で構成される。現像スリーブ24の内部には、図2に示すように、磁界形成手段となるマグネットローラ24mが非回転状態で設けられている。
現像スリーブ24は、現像時に図2に示す矢印d方向に回転する。現像スリーブ24の表面上に担持された二成分現像剤は、規制ブレード25による磁気ブラシの穂切りによって層厚が規制される。
現像スリーブ24は、規制ブレード25により層厚が規制された現像剤を感光ドラム1と対向した現像領域Gに搬送する。そして、感光ドラム1の表面上に形成された静電潜像に現像剤を供給してトナー像として現像する。
このとき、現像効率となる静電潜像へのトナーの付与率を向上させる。そのために現像スリーブ24には、図示しない現像電源から直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアス電圧が印加される。
本実施形態の現像バイアス電圧は、−500Vの直流電圧と、ピーク間(ピーク・ツウ・ピーク)の電圧Vppが1800V、周波数fが12kHzの交流電圧とを重畳した。しかし、直流電圧の値や交流電圧の波形等は、これに限定されるものではない。
一般に、二成分現像剤を用いた磁気ブラシ現像法においては、現像バイアス電圧として交流電圧を印加すると、現像効率が増す。これにより現像されたトナー像は、高品位になる。その反面、カブリが発生し易くなる。
このため現像スリーブ24に現像バイアス電圧として印加する直流電圧と、感光ドラム1の表面の帯電電位(白地部電位)との間に電位差を設ける。これによりカブリを防止することができる。
規制ブレード25は、現像スリーブ24の長手方向(軸線方向)に沿って延在したアルミニウム等で形成された板状の非磁性部材により構成される。規制ブレード25は、図2に示す現像領域Gよりも図2の矢印d方向で示す現像スリーブ24の回転方向上流側に設けられている。
規制ブレード25の先端部25aと、現像スリーブ24の表面との間を二成分現像剤のトナーと磁性キャリアとの両方が通過して感光ドラム1の表面が対向する現像領域Gへと送られる。
規制ブレード25の先端部25aと、現像スリーブ24の表面との間隙を調整する。これにより現像スリーブ24の表面上に担持した二成分現像剤からなる磁気ブラシの穂切り量が規制される。これにより現像スリーブ24の表面に担持された現像領域Gに搬送される現像剤量が調整される。
本実施形態では、規制ブレード25により現像スリーブ24の表面上の単位面積当りの現像剤コート量を30mg/cm2に規制している。
尚、規制ブレード25の先端部25aと、現像スリーブ24の表面との間隙は、200μm〜1000μmの範囲で設定すれば良く、好ましくは、300μm〜700μmである。本実施形態では、規制ブレード25の先端部25aと、現像スリーブ24の表面との間隙を500μmに設定した。
図2に示す現像領域Gにおいて、現像装置4に設けられた現像スリーブ24は、図2の矢印c方向に回転する感光ドラム1の移動方向に対して順方向となる図2の矢印d方向に回転して移動する。
本実施形態の現像スリーブ24の表面の周速度は、感光ドラム1の表面の周速度に対して1.75倍に設定されている。現像スリーブ24の表面の周速度は、感光ドラム1の表面の周速度に対して3.0倍以下に設定される。
好ましくは、現像スリーブ24の表面の周速度は、感光ドラム1の表面の周速度に対して0.5倍〜2.0倍の間に設定すれば良い。感光ドラム1の表面の周速度に対する現像スリーブ24の表面の周速度の倍率(以下、「移動速度比」という)は、大きくなればなるほど現像効率は向上する。しかし、移動速度比が、あまり大き過ぎると、トナーの飛散や現像剤の劣化等の問題点が発生する。このため前述の範囲内で移動速度比を設定することが好ましい。
<二成分現像剤>
次に、本実施形態で用いられるトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤について説明する。
次に、本実施形態で用いられるトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤について説明する。
トナーは、結着樹脂、着色剤、そして、必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子と、コロイダルシリカ微粉末等の外添剤が外添されている着色粒子とを有している。
トナーは、負帯電性のポリエステル系樹脂であり、体積平均粒径は4μm以上、10μm以下が好ましい。より好ましくは、8μm以下である。
また、磁性キャリアは、例えば、表面酸化、或いは、未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属、及びそれらの合金、或いは、酸化物フェライト等が好適に使用可能である。これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。
磁性キャリアは、重量平均粒径が20μm〜60μmに設定される。好ましくは、30μm〜50μmである。電気抵抗率は、1×107Ωcm以上に設定される。好ましくは、1×108Ωcm以上である。本実施形態では、磁性キャリアの電気抵抗率が1×108Ωcmのものを用いた。
尚、本実施形態で用いられるトナーの体積平均粒径は、以下に示す測定装置及び測定方法により測定した。測定装置としては、ベックマン・コールター株式会社製のコールターカウンターTA−II型、個数平均分布、体積平均分布を出力するための日科機バイオス株式会社製のインターフェース等を使用した。電解水溶液として、一級塩化ナトリウムを用いて調製した1%NaCl水溶液を使用した。
測定方法は、前述した電解水溶液の100ml〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml加え、更に、0.5mg〜50mgの測定試料を加える。
測定試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1分〜3分間の分散処理を行なう。そして、前述のコールターカウンターTA−II型により100μmのアパーチャーを用いて2μm〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布を求める。こうして求めた体積平均分布から体積平均粒径を得る。
本実施形態で用いられる磁性キャリアの電気抵抗率は、測定電極面積が4cm2、電極間間隔が0.4cmのサンドイッチタイプのセルを用いて測定した。片方の電極に1kgの重量(9.8N)の加圧下で、両電極間に電界の強さE(V/cm)を形成する電圧を印加して、回路に流れた電流から磁性キャリアの電気抵抗率を得る方法によって測定した。
<現像剤の補給方法>
次に、図2及び図3を用いて本実施形態における現像剤の補給方法について説明する。
次に、図2及び図3を用いて本実施形態における現像剤の補給方法について説明する。
図2に示すように、現像装置4の撹拌室21bの上部には、トナーと磁性キャリアを混合した補給用二成分現像剤を収容する現像剤補給手段となるホッパー31が設けられている。
ホッパー31の下部には、補給スクリュー32が設けられた補給経路14が設けられている。補給スクリュー32の長手方向の一端部(図3の右端部)は、現像装置4の前端部に設けられた補給口30の位置まで延びている。
画像形成によって消費された分のトナーは、補給スクリュー32の回転力と、現像剤の重力によりホッパー31から補給経路14を介して補給口30まで搬送され、該補給口30を通過して現像剤容器20の撹拌室21b内に補給される。
ホッパー31から現像装置4に補給される補給現像剤の補給量は、補給スクリュー32の回転数により概ね定められる。補給スクリュー32の回転数は、現像剤補給量制御手段を兼ねるプリンタ制御部300によって以下の通り制御される。
図4に示すビデオ信号カウント部214によりカウントされたビデオカウント値を考慮する。更に、感光ドラム1の表面上に形成した基準の静電潜像を現像したときのトナー像(パッチ画像)の濃度を検知する図1に示すパッチ濃度センサ11の検知結果を考慮する。更に、図2及び図3に示す排出口43に設けられた排出経路46に設けられたインダクタンス検知センサ45の検知結果を考慮する。これらの検知結果に基づいて、現像剤補給量制御手段を兼ねるプリンタ制御部300によって駆動源となるモータ37が駆動制御されて補給スクリュー32の回転数が制御される。
<ビデオカウント値>
次に、図4を用いてビデオカウント値について説明する。図4は、本実施形態の画像形成装置12の画像処理ユニットの構成を示すブロック図である。図4において、213は外部入力インタフェース(外部入力I/F)である。
次に、図4を用いてビデオカウント値について説明する。図4は、本実施形態の画像形成装置12の画像処理ユニットの構成を示すブロック図である。図4において、213は外部入力インタフェース(外部入力I/F)である。
画像形成装置12は、外部入力インタフェース213を介して必要に応じて原稿スキャナ、コンピュータ(情報処理装置)等の図示しない外部装置からRGB画像データとしてカラー画像データを入力する。ここで、RGBとは、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の三原色をいう。
LOG(対数)変換部204は、ROM(Read Only Memory;リードオンリメモリ)210に格納されているデータ等により構成されるルックアップテーブル(LUT;Look-Up-Table)に基づいて以下の通りである。入力されたRGB画像データの輝度データをCMYの濃度データ(CMY画像データ)に変換する。ここで、CMYとは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色である。
205はマスキングUCR部である。ここで、UCRとは「Under Color Removal」(下色除去)のことである。カラー原稿を4色分解するときに、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)の3色が重なった部分にはグレーの成分が発生する。その成分をスミ版(ブラック版)に置き換えるときの方式で、ある程度以上の濃さのグレー成分をスミ版に置き換えてトータルの画像データ量を減らすことを目的としている。
CMY画像データからK(ブラック)成分データを抽出し、記録色材の色濁りを補正すべく、CMKY画像データにマトリクス演算を施す。ここで、CMKYとは、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(ブラック)、Y(イエロー)の各色である。
206はルックアップテーブル部(LUT部)であり、画像データをプリンタ部の理想的な階調特性に合わせるためにガンマルックアップテーブル(γルックアップテーブル)を用いて入力されたCMYK画像データの各色毎に濃度補正を施す。
尚、γルックアップテーブルは、RAM(Randon Access Memory;ランダムアクセスメモリ)211上に展開されたデータに基づいて作成される。そのテーブル内容はCPU209によって設定される。
207はパルス幅変調部であり、LUT部206から入力された画像データ(画像信号)のレベルに対応するパルス幅のパルス信号を出力する。このパルス信号に基づいてレーザドライバ102がレーザスキャナ3を駆動し、感光ドラム1の表面上にレーザ光3aを照射することで静電潜像が形成される。
ビデオ信号カウント部214は、LUT部206に入力された画像データの600dpi(ドット/インチ)の1画素毎のレベル(0〜255レベル)を画像の1面分を積算する。この画像データ積算値を、ビデオカウント値という。
このビデオカウント値は、出力画像の全面が255レベルだった場合に、最大値の1023となる。尚、回路の構成上、制限があるときは、ビデオ信号カウント部214の代わりにレーザ信号カウント部215を用いてレーザドライバ102からの画像信号を同様に計算する。これによりビデオカウント値を求めることが可能である。
<現像剤の排出方法>
次に、図2及び図3を用いて本実施形態における現像剤の排出方法について説明する。
次に、図2及び図3を用いて本実施形態における現像剤の排出方法について説明する。
現像装置4の現像剤容器20の壁面には、該現像剤容器20内(現像剤容器内)にトナーを補給する補給装置となるホッパー31により該現像剤容器20内に現像剤が補給されることにより余剰となった現像剤を排出する排出口43が設けられている。
現像装置4内で劣化した現像剤15dが排出口43から排出経路46を図3の矢印h方向に排出される。
ホッパー31からの現像剤の補給工程により現像装置4内の現像剤が増加する。すると、補給された現像剤の増加量に応じて、現像装置4内の現像剤は、排出口43から溢れ出るように排出される。
排出口43から排出された現像剤15dは、排出経路46に設けられた搬送部材となる回収スクリュー44の回転により図示しない回収容器に搬送される。
<二成分現像剤のトナー濃度の測定方法>
次に、排出口43から排出された現像剤15dのトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段となるインダクタンス検知センサ45を用いた二成分現像剤のトナー濃度の測定方法について説明する。
次に、排出口43から排出された現像剤15dのトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段となるインダクタンス検知センサ45を用いた二成分現像剤のトナー濃度の測定方法について説明する。
<インダクタンス検知センサ>
先ず、本実施形態の特徴となるインダクタンス検知センサ45は以下の通りである。図2、図3、及び図5に示すように、現像剤容器20の外側に設けられた初期の磁性キャリアと、耐久に使用された磁性キャリアとが入れ替わるACR(Auto Carrier Refresh)の排出経路46に設けられる。更に、インダクタンス検知センサ45は、排出口43の直下に設けられている。
先ず、本実施形態の特徴となるインダクタンス検知センサ45は以下の通りである。図2、図3、及び図5に示すように、現像剤容器20の外側に設けられた初期の磁性キャリアと、耐久に使用された磁性キャリアとが入れ替わるACR(Auto Carrier Refresh)の排出経路46に設けられる。更に、インダクタンス検知センサ45は、排出口43の直下に設けられている。
ここで、インダクタンス検知方式の自動トナー補給(ATR;Auto Toner Replenishment)では、二成分現像剤は、磁性キャリアと、非磁性トナーとを主成分としている。
現像剤のトナー濃度となるT/D(磁性キャリア粒子重量Cと、非磁性トナー粒子重量Tとの合計重量Dに対する非磁性トナー粒子重量Tの割合)が変化する。すると、磁性キャリアと非磁性トナーとの混合比率による見かけの透磁率が変化する。
トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤の見かけの透磁率をインダクタンス検知センサ45によって検知し、電気信号に変換して出力電圧Vとする。インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vは以下の通りである。現像剤15dの嵩密度が一定で該インダクタンス検知センサ45の磁界の強度を制御する制御電圧Vcを一定(本実施形態では5.0V)にした場合は、図6の直線pで示す通りである。図6の横軸で示すトナー濃度の変化に応じて、図6の縦軸で示すインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vは略直線的に変化する。
即ち、インダクタンス検知センサ45からの出力電圧Vは、現像剤容器20内に充填された二成分現像剤の実際のトナー濃度に比例する。
図7は、本実施形態のインダクタンス検知センサ45からの出力電圧Vの時間変化の様子を示す図である。
本実施形態では、図2、図3、及び図5に示すように、現像剤容器20の外側に設けた排出経路46において、排出口43の直下にインダクタンス検知センサ45を設けた。この場合、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vは、図7に示すような時間変化を見せる。
ここで、排出口43から排出された現像剤15dを搬送して回収する搬送部材となる回収スクリュー44は回転していない場合を考慮する。更に、現像スリーブ24、現像室21aに設けられた第1の搬送スクリュー22a、撹拌室21bに設けられた第2の搬送スクリュー22bは、それぞれ回転して通常の画像形成を行なっている場合を考慮する。
図7の横軸は、現像スリーブ24、第1の搬送スクリュー22a、及び第2の搬送スクリュー22bが同時に回転し始めてからの経過時間を示す。図7の縦軸は、経過時間とともに変化するインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vを示す。現像剤15dのトナー濃度(T/D比)は8%である。
即ち、回収スクリュー44が回転していない場合、排出口43から排出経路46に排出される劣化した現像剤15dはインダクタンス検知センサ45のセンサ面上に降り積もっていく。
図7に示す曲線iで示すように、先ず、現像スリーブ24等が回転し始める寸前までは、排出口43からインダクタンス検知センサ45のセンサ面上に排出される劣化した現像剤15dは全く無い。
このためインダクタンス検知センサ45により検知する透磁率は、略「0」となり、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vも略0Vとなる。
次に、排出口43から劣化した現像剤15dの排出が始まると、インダクタンス検知センサ45のセンサ面上に徐々に劣化した現像剤15dが降り積もっていく。
このためインダクタンス検知センサ45が検知する透磁率は、徐々に大きくなり、出力電圧Vも大きくなっていく。更に、排出口43からの劣化した現像剤15dの排出が続くと、図5に示すように、インダクタンス検知センサ45のセンサ面上は、劣化した現像剤15dで覆われる。
インダクタンス検知センサ45のセンサ面上の劣化した現像剤15dは、新たに排出口43から排出されて降り積もってくる劣化した現像剤15dの自重により押し潰されて該センサ面上の劣化した現像剤15dの嵩密度が大きくなる。
これに伴ってインダクタンス検知センサ45が検知する透磁率は大きくなり、図7に示すようにインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vも大きくなっていく。
インダクタンス検知センサ45のセンサ面上の劣化した現像剤15dの嵩密度の変化は、新たなに降り積もる劣化した現像剤15dの重さによって押し潰される最大の嵩密度に至ると飽和する。これに伴ってインダクタンス検知センサ45が検知する透磁率も飽和し、出力電圧Vも飽和する。
<第一実験>
ここで、以下のような第一実験を行なった。インダクタンス検知センサ45の磁界の強度を制御する制御電圧Vcを一定(本実施形態では5.0V)とする。環境条件を温度が23℃、湿度が50%に固定した状態でトナー濃度(T/D比)が6%、8%、10%の現像剤をそれぞれ現像剤容器20内に十分に充填する。
ここで、以下のような第一実験を行なった。インダクタンス検知センサ45の磁界の強度を制御する制御電圧Vcを一定(本実施形態では5.0V)とする。環境条件を温度が23℃、湿度が50%に固定した状態でトナー濃度(T/D比)が6%、8%、10%の現像剤をそれぞれ現像剤容器20内に十分に充填する。
そして、現像スリーブ24、第1の搬送スクリュー22a、第2の搬送スクリュー22bをそれぞれ通常の画像形成時と同じ条件で回転させる。そして、排出口43から現像剤15dを溢れ出させて該排出口43の直下に設けたインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vの時間変化を調べた。その結果を図8に示す。
図8に示す曲線j,i,mは、それぞれトナー濃度(T/D比)が6%、8%、10%の現像剤のインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vの時間変化を示す。図8に示す曲線j,i,mは、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vがそれぞれ3.1V、2.5V、1.9Vに向かって飽和していく。
これは、図6に示すように、インダクタンス検知センサ45は、トナー濃度(T/D比)が高いほど、見かけ上の透磁率が小さくなり、出力電圧Vが小さくなる性質があるからである。
また、図8において、トナー濃度(T/D比)が6%、8%、10%の現像剤のインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vが飽和する時間は異なっている。
ここで、単位時間当たりのインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vの変化が0.002V以下になったときをインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vが飽和した時間と定める。
すると、トナー濃度(T/D比)が6%、8%、10%の現像剤のインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vが飽和する時間は、図8の曲線j,i,mで示すように、それぞれ70秒、45秒、25秒となる。
これは、トナー濃度が低く、トリボ(帯電量/トナー重量)が高いときの方が以下の通りである。インダクタンス検知センサ45のセンサ面上の現像剤15dが直上の排出口43から排出されて新たに降り積もる現像剤15dの自重によって押し潰され難く、嵩密度が飽和し難いからだと考えられる。
本実施形態では、図9に示すフローチャートに従ってインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vをトナー濃度(T/D比)に変換した。
先ず、ステップS101において、インダクタンス検知センサ45の検知制御動作を開始する。ステップS102において、制御手段となるプリンタ制御部300は、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vを検知する。その検知した出力電圧VをA値として記憶手段となるメモリ16に記憶して格納する。
次に、ステップS103において、プリンタ制御部300は、前記ステップS102でA値を測定した時刻から経過する時間を時間測定手段となるタイマ17により測定する。
プリンタ制御部300は、前記ステップS102でA値を測定した時刻からタイマ17によりX秒が測定された時刻(X秒後)に検知したインダクタンス検知センサ45の出力電圧VをB値としてメモリ16に記憶して格納する。
次に、ステップS104において、プリンタ制御部300は、以下の数1式で示す不等式を計算する。
[数1]
(B−A)/X<0.002(V/秒)
(B−A)/X<0.002(V/秒)
次に、ステップS105において、プリンタ制御部300は、前記数1式で示す不等式の不等号が成立するか否かを判断する。
インダクタンス検知センサ45のセンサ面上に排出口43から排出されて降り積もっている現像剤量が十分でなければ、図8の曲線j,i,mの左側に示すように、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vは変化している途中にある。このため前記数1式で示す不等式の不等号は成立しない。
この場合は、前記ステップS102に戻って、前記ステップS102〜S105を繰り返す。即ち、前記ステップS103において再びX秒後にインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vを測定する。
一方、インダクタンス検知センサ45のセンサ面上に排出口43から排出された現像剤15dが十分に降り積もっている場合を考慮する。そして、現像剤15dの自重によりインダクタンス検知センサ45のセンサ面上の現像剤15dの嵩密度が飽和している場合を考慮する。
その場合は、図8の曲線j,i,mの右側に示すように、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vは飽和している。このとき前記数1式で示す不等式の不等号は成立する。
次に、ステップS106に進んで、プリンタ制御部300は、前記ステップS103で検知したインダクタンス検知センサ45の出力電圧VのB値をインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vとして確定する。そして、図6に示す直線pを用いてトナー濃度(T/D比)に換算する。
プリンタ制御部300は、前記ステップS106で換算したトナー濃度(T/D比)を現像剤容器20内の現像剤のトナー濃度検知結果とする。
プリンタ制御部300は、ステップS106で換算したトナー濃度(T/D比)を現像剤容器20内の現像剤のトナー濃度検知結果としてトナー補給量制御にフィードバックする。
その後、ステップS107において、前記ステップS103で検知したB値を前記ステップS106でトナー濃度(T/D比)に変換した後、プリンタ制御部300は、駆動源となるモータ18を回転駆動して回収スクリュー44を回転させる。そして、トナー濃度を検知し終わった現像剤を回収して、次のトナー濃度検知に備える。
即ち、制御手段となるプリンタ制御部300は、インダクタンス検知センサ45の出力電圧V(検知結果)に基づいて画像形成装置12の画像形成条件を制御する。プリンタ制御部300は、インダクタンス検知センサ45により第1の検知タイミングで検知した第1の検知結果を考慮する。更に、該第1の検知タイミングから所定時間が経過した第2の検知タイミングで検知した第2の検知結果を考慮する。これらの検知結果の関係が所定の変化率よりも小さくなったときの該第2の検知結果に基づいて画像形成装置12の画像形成条件を制御する。
具体的には、インダクタンス検知センサ45により第1の検知タイミングで検知した出力電圧V(第1の検知結果)をA(V)とする。更に、該第1の検知タイミングから所定時間X秒が経過した第2の検知タイミングで検知した出力電圧V(第2の検知結果)をB(V)とする。すると、前記数1式を満たすときプリンタ制御部300は、第2の検知結果であるB(V)に基づいて画像形成装置12の画像形成条件を制御する。
<検出間隔>
ここで、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vの検出間隔のX秒について説明する。例えば、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vの検出間隔を1秒に固定した場合を考慮する。
ここで、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vの検出間隔のX秒について説明する。例えば、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vの検出間隔を1秒に固定した場合を考慮する。
この場合、排出口43から排出される現像剤15dの排出量が十分ある場合は良いが、現像剤15dの排出量が少ない場合には以下の通りである。一定時間後のインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vが殆ど変わらずに、現像剤15dの自重による圧縮で嵩密度が飽和する前の状態で以下の通りである。つまり未だ現像剤15dの嵩密度が小さい状態におけるインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vをトナー濃度に変換してしまう。このためインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vの検出間隔のX秒は、排出口43から排出される現像剤15dの排出量によって変更する必要がある。
<現像剤排出特性>
ここで、本実施形態の現像装置4の現像剤排出特性について説明する。現像装置4の現像剤排出特性は、排出口43の大きさや位置、或いは、現像剤搬送部材である第1、第2の搬送スクリュー22a,22bの螺旋状羽根22a2,22b2の大きさや回転速度等で決まる搬送能力によって異なる。
ここで、本実施形態の現像装置4の現像剤排出特性について説明する。現像装置4の現像剤排出特性は、排出口43の大きさや位置、或いは、現像剤搬送部材である第1、第2の搬送スクリュー22a,22bの螺旋状羽根22a2,22b2の大きさや回転速度等で決まる搬送能力によって異なる。
本実施形態では、排出口43は、縦(図5の上下方向の幅)が15mmで、横(図3の左右方向で示す撹拌室21b内の現像剤搬送方向に略平行な長さ)が10mmの長方形の穴により構成される。
また、排出口43の位置は、図2に示す排出口43の下方端部が第2の搬送スクリュー22bの回転軸22b1の回転中心から5mm上方に配置される。更に、排出口43の撹拌室21b内の現像剤搬送方向の上流側端部が図3に示す連通部26側の隔壁23の端部から撹拌室21b内の現像剤搬送方向の上流側に5mmの位置に設定される。
一方、第1の搬送スクリュー22aと、第2の搬送スクリュー22bとは、同様に構成される。外径直径が8mmの回転軸22a1,22b1に、軸方向に沿ってピッチが30mmで、外径直径が28mmの螺旋状羽根22a2,22b2が設けられている。
第1、第2の搬送スクリュー22a,22bは、図4に示すの駆動源となる共通のモータ19により回転駆動される。第1、第2の搬送スクリュー22a,22bの回転速度は、300rpm(rotation per minute)〜400rpmの間で可変である。現像スリーブ24の駆動源となるモータ28は、第1、第2の搬送スクリュー22a,22bの駆動源となるモータ19とは個別に設けられる。
ここで、本発明者らは本実施形態の現像装置4の現像剤排出特性を調べるために以下のような第二実験を行った。
<第二実験>
任意の現像剤量を現像剤容器20内に入れ、1分間、現像スリーブ24と、第1、第2の搬送スクリュー22a,22bとを回転させる。これにより現像剤の剤面を安定させる。
任意の現像剤量を現像剤容器20内に入れ、1分間、現像スリーブ24と、第1、第2の搬送スクリュー22a,22bとを回転させる。これにより現像剤の剤面を安定させる。
その後、更に1分間、現像スリーブ24と、第1、第2の搬送スクリュー22a,22bとを回転させる。その間に排出口43から溢れ出てくる現像剤15dの重量を測定した。
現像スリーブ24の回転速度は、350rpmに固定し、第1、第2の搬送スクリュー22a,22bの回転速度を400rpmに設定して排出口43から溢れ出てくる現像剤15dの重量を測定した。
また、現像剤容器20内の現像剤の非磁性トナー粒子重量Tと、該非磁性トナー粒子重量Tと磁性キャリア粒子重量Cとの合計重量DとのT/D比は、8/92(T/D比=8.69%)とした。
実際の画像形成装置12の使用時には、T/D比は約6%〜12%の範囲で変動する。本第二実験では、代表としてT/D比が8.69%の現像剤を用いて実験を行った。
本実施形態の現像装置4の現像剤排出特性は、図10の曲線nで示す現像剤量と排出量との関係で表わされる。図10の横軸は、現像剤容器20内の現像剤量である。図10の縦軸は以下の通りである。本実施形態の画像形成装置12がA3サイズの1枚の記録材7の片面あたりに必要とする現像スリーブ24と、第1、第2の搬送スクリュー22a,22bの回転時間の間に以下の通りである。排出口43から排出される現像剤の重量(mg/A3サイズの片面)を排出量として示す。
本実施形態では、画像形成装置12に使用される最大サイズであるA3サイズの記録材7に換算して1分間に40枚の印刷を行なう。
このため現像スリーブ24と、第1、第2の搬送スクリュー22a,22bの回転時間は1.5秒(=60秒/40枚)である。そして、1.5秒の間に排出口43から排出される現像剤の重量(mg/A3サイズの片面)を排出量とした。
図10の曲線nで示すように、現像剤排出特性は、現像剤容器20内の現像剤量が少ないと、排出口43から排出される現像剤15dの排出量が少なくなる。また、現像剤容器20内の現像剤量が増えると、排出口43から排出される現像剤15dの排出量が急激に増える傾向がある。
次に、現像剤の補給量と、排出量とのバランスによる現像剤量の変動、及び現像剤排出特性の制御方法について説明する。
<混合比率>
先ず、補給現像剤のトナーと磁性キャリアとの混合比率について説明する。本実施形態において、現像剤容器20に補給される補給現像剤は、トナーと磁性キャリアとが混合された現像剤である。
先ず、補給現像剤のトナーと磁性キャリアとの混合比率について説明する。本実施形態において、現像剤容器20に補給される補給現像剤は、トナーと磁性キャリアとが混合された現像剤である。
この補給現像剤の補給量は、図4のビデオ信号カウント部214から出力されるビデオカウント値と、パッチ濃度センサ11の検知結果とに基づいてプリンタ制御部300により制御される。
短期的な視点から見ると、出力画像及び制御用のパッチ画像で消費されたトナー量に対して、同じ量だけトナーを含むように、補給現像剤を補給すれば良い。従って、補給現像剤のトナーと磁性キャリアとの混合比率によって、必要な補給量は異なる。
即ち、磁性キャリアの混合比率が高い程、必要な補給量が増えてコストが増大する。その反面、新しい磁性キャリアが大量に補給されるため常に安定した帯電量をトナーに付与することができるメリットがある。
一方、磁性キャリアの混合比率が低い程、必要な補給量が減ってランニングコストが削減できる。その反面、現像剤容器20内の現像剤に含まれる劣化した磁性キャリアの比率が増える。
このためトナーに付与する帯電量が不安定になり、長期に渡る画質の安定が困難になるデメリットがある。補給現像剤におけるトナーと磁性キャリアとの混合比率は、磁性キャリアの混合比率が0%〜20%程度で使用される。本実施形態における、補給現像剤のトナーと磁性キャリアとの混合比率は9:1である。
次に、現像剤の補給量と排出量とがどのようにバランスするかについて説明する。補給量については、短期的な視点から見ると、出力画像及び制御用のパッチ画像で消費されたトナー量に対して、同じ量だけトナーを含むように、補給現像剤を補給すれば良い。
例えば、出力画像がA3サイズの片面の全面で255レベルの画像だった場合(ビデオカウント値は1023)、このときの出力画像に使用するトナー消費量は約900mgである。
従って、同じ混合比率でトナーを含むように補給現像剤を補給する必要がある。その補給量は、トナーと磁性キャリアとの混合比率が9:1である。これによりトナーが900mgと磁性キャリアが100mgとで合計で1000mgの補給現像剤を補給することになる。
例えば、出力画像がA3サイズの片面の全面で0レベルの画像(即ち、トナー像を形成しない)だった場合(ビデオカウント値は0)、このときの出力画像に使用するトナー消費量は、A3サイズの片面全面でのカブリトナー量に相当し、約8mgである。
ただし、本実施形態の画像形成装置12では、感光ドラム1の表面上の基準潜像を現像してそのトナー像の濃度を検知するパッチ濃度センサ11を用いて画像濃度の安定制御を行っている。
このためパッチ画像を形成するために少量のトナー(A3サイズの記録材7の片面で1枚あたり約1mg)を消費している。これにより出力画像がA3サイズの片面の全面で0レベルの画像だった場合、このときの出力画像とパッチ画像との合計のトナー消費量は約9mgである。
従って、同じ混合比率でトナーを含むように補給現像剤を補給する必要があり、その補給量は、トナーと磁性キャリアとの混合比率が9:1である。これによりトナーが9mgと、磁性キャリアが1mgとで合計で10mgの補給現像剤を補給することになる。
尚、ビデオカウント値が1023の場合では、出力画像によるトナー消費量が多いためパッチ画像形成によるトナー消費に関しては無視できる。
図11は、出力画像に依存するトナー及び磁性キャリアについての補給量と、消費量との関係を示す。
図11に示すように、例えば、現像剤容器20内の現像剤量が200gの時点からビデオカウント値が1023の画像を出力した場合を考える。このとき、現像剤容器20内からは、トナーが900mg消費される。
一方、補給現像剤が1000mg補給される。このためトータルで考えると、現像剤容器20内の現像剤量は、補給現像剤に含まれる磁性キャリアの量が100mg分増加する。
従って、ビデオカウント値が1023の画像を連続で出力し続けると、100mgづつ現像剤容器20内の現像剤量が増え続ける。しかし、図10に示す現像剤排出特性の曲線nから分かるように、逆に現像剤容器20内の現像剤量が増加していけば排出口43から排出される現像剤15dの排出量も増えていく。
例えば、図10に示すように、第1、第2の搬送スクリュー22a,22bの回転速度が400rpmのときには、現像剤量が360gまで増加すると、A3サイズの記録材7の片面で1枚あたりに100mgの現像剤15dを排出口43から排出する。
従って、ビデオカウント値が1023の画像を連続で出力し続けていると、現像剤容器20内の現像剤量が360gまで増加したところで以下の通りである。現像剤容器20内に補給される補給現像剤の量(1000mg)に対して、出力画像により消費されるトナー量(900mg)と、排出口43から排出される現像剤15dの排出量(100mg)との和(1000mg)がバランスして現像剤量の増加は止まる。
次に、現像剤容器20内の現像剤量が360gの時点からビデオカウント値が0の画像を出力した場合を考える。このとき、現像剤容器20内からトナーが9mg消費される。
一方、補給現像剤が10mg補給される。更に、図10に示すように、第1、第2の搬送スクリュー22a,22bの回転速度が400rpmのときは、現像剤容器20内の現像剤量が360gの時点で排出口43から100mgの現像剤15dが排出される。
このためトータルで考えると、現像剤容器20内の現像剤量は、99mg(=10mg−9mg−100mg)減ることになる。
従って、ビデオカウント値が0の画像を連続で出力し続けると、現像剤容器20内の現像剤量は、99mgづつ減り続ける。しかし、図10に示す現像剤排出特性の曲線nから分かるように、逆に現像剤容器20内の現像剤量が減少していけば排出口43から排出される現像剤15dの排出量も減っていく。
例えば、図10の曲線nで示すように、第1、第2の搬送スクリュー22a,22bの回転速度が400rpmのときには以下の通りである。現像剤容器20内の現像剤量が260gまで減少すると、A3サイズの記録材7の片面で1枚あたりに1mgの現像剤15dが排出口43から排出される。
従って、ビデオカウント値が0の画像を連続で出力し続けていると、現像剤容器20内の現像剤量が260gまで減少したところで以下の通りである。現像剤容器20内に補給される補給現像剤の量(10mg)に対して、出力画像により消費されるトナー量(9mg)と、排出口43から排出される現像剤15dの排出量(1mg)の和(10mg)がバランスして現像剤量の減少は止まる。
このように、現像剤容器20内の現像剤量と、排出口43から排出される現像剤15dの排出量は、出力画像のトナー消費量が多いほど(即ち、ビデオカウント値が大きいほど)現像剤容器20内の現像剤量は増加する。そして、排出口43から排出される現像剤15dの排出量も多くなる。
また、出力画像のトナー消費量が少ないほど(即ち、ビデオカウント値が小さいほど)現像剤容器20内の現像剤量は減少し、排出口43から排出される現像剤15dの排出量も少なくなる。
従って、本実施形態におけるインダクタンス検知センサ45の検出間隔のX秒は、排出口43から排出される現像剤15dの排出量によって変える値である。
排出口43から排出される現像剤15dの排出量は画像デューティ(Duty)により予想できる。本実施形態では、インダクタンス検知センサ45の検出間隔のX秒は、以下の数2式で示す条件に設定した。
[数2]
X=500/画像デューティ(Duty)(%)
X=500/画像デューティ(Duty)(%)
例えば、100%の画像デューティ(Duty)であれば以下の通りである。前記数2式からインダクタンス検知センサ45の検出間隔(所定時間)X秒を5秒に1回(A3サイズの記録材7の片面で約4枚に1回)インダクタンス検知センサ45の出力電圧VのB値を検知してメモリ16に記憶して格納する。そして、図9に示すフローチャートに従ってトナー濃度(T/D比)を検知する。
図9のステップS101でインダクタンス検知センサ45の検知制御動作を開始し、ステップS102においてインダクタンス検知センサ45により出力電圧Vを検知し、その出力電圧VをA値としてメモリ16に記憶してデータベース36に格納する。
ステップS103では、前記ステップS102においてインダクタンス検知センサ45により出力電圧Vを検知した時刻からX秒後に再度、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vを検知する。そして、その出力電圧VをB値としてメモリ16に記憶してデータベース36に格納する。
ステップS104では、インダクタンス検知センサ45により検知した出力電圧Vの時間変化を前記数1式で示す不等式に入力し、インダクタンス検知センサ45の検出間隔(所定時間)Xとの関係を比較するための演算を行なう。
ステップS105では、プリンタ制御部300は、前記数1式で示す不等式の不等号が成立するか以下かを判断する。前記数1式で示す不等式の不等号が成立しない場合には、インダクタンス検知センサ45の検知に十分な現像剤量がないと判断して前記ステップS102に戻る。
前記数1式で示す不等式の不等号が成立する場合は、ステップS106に進む。そして、前記ステップS103で検知したB値をインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vとして確定する。そして、図6に示すインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vと現像剤のトナー濃度(T/D比)との関係を示す直線pを用いて現像剤のトナー濃度(T/D比)に換算する。
ステップS107では、回収スクリュー44を駆動回転させてインダクタンス検知センサ45の近傍に溜まった現像剤15dを搬送して除去する。ステップS108でインダクタンス検知センサ45の検知制御動作を終了する。
<トナー濃度検知方法>
本実施形態におけるトナー濃度(T/D比)の検知方法は以下の通りである。
本実施形態におけるトナー濃度(T/D比)の検知方法は以下の通りである。
本実施形態の最大の特徴として、インダクタンス検知センサ45は、図2、図3及び図5に示すように、現像剤容器20から排出口43を介して外側に設けた排出経路46において該排出口43の直下にセンサ面が設けられている。
インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vは、図7に示す曲線iのような時間変化を見せる。即ち、回収スクリュー44が回転していない場合は以下の通りである。排出口43から排出される劣化した現像剤15dがインダクタンス検知センサ45のセンサ面上に降り積もっていき、該インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vが急激に上がっていく。
そして、インダクタンス検知センサ45のセンサ面上が現像剤15dで十分に覆われると以下の通りである。図7に示す曲線iのように、時間の経過とともにインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vの増加は次第に緩やかになっていく。そして、排出口43から排出された現像剤15dが自重により十分に圧縮されて嵩密度の増大が飽和する。これによりインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vの増加も飽和する。
図7に示す曲線iのように、時間の経過とともにインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vの増加が飽和したところで検知されたインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vを現像剤容器20内の現像剤のトナー濃度(T/D比)として検知する。これにより現像剤15dの嵩密度の変化によるインダクタンス検知センサ45の測定誤差を防ぐことができる。
インダクタンス検知センサ45による検知制御動作は図9に示す通りである。即ち、図9のステップS102において、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vを検知してA値として格納した後、ステップS103において、A値を検知したX秒毎に検知したインダクタンス検知センサ45の出力電圧VをB値として格納する。
そして、A値からB値への変化の割合が所定の値(0.002V/sec)よりも小さくなったときを以下の通り判断する。インダクタンス検知センサ45のセンサ面上の現像剤15dの嵩密度が飽和して図7に示す曲線iのように、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vの増加が飽和したポイントと判断する。
ここで、図9のステップS104に示すインダクタンス検知センサ45の検出間隔(所定時間)X秒は、排出口43から排出される現像剤15dの排出量に依存する係数である。
排出口43から排出される現像剤15dの排出特性は、図10の曲線nで表わされる。記録材7に印刷するトナー像の画像デューティ(Duty)が高い時ほど多くの現像剤が現像剤容器20内に補給されて該現像剤容器20内の現像剤量が多くなる。その結果、図10の曲線nで示すように、排出口43から排出される現像剤15dの排出量も多くなる。
従って、図9のステップS104に示すインダクタンス検知センサ45の検出間隔(所定時間)X秒は、記録材7に印刷するトナー像の画像デューティ(Duty)にも依存する。これにより本実施形態では、インダクタンス検知センサ45の検出間隔のX秒は、前記数2式で示す条件に設定した。
ここで、記録材7に印刷するトナー像の画像デューティ(Duty)が低い場合には、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vを見に行く頻度が減る。画像デューティ(Duty)が低いときは、現像剤のトナー消費量も少なく、現像剤容器20内に補給されるトナー量も少ない。
このため現像剤容器20内のトナー濃度(T/D比)の変動も小さく、実際の画像形成動作には特に問題は無い。
また、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vをトナー濃度(T/D比)の上下限の制御に用いる場合は、検知結果の正確さが重要になる。
本実施形態では、排出口43からインダクタンス検知センサ45のセンサ面上に排出された劣化した現像剤15dの嵩密度の変化によるインダクタンス検知センサ45によるトナー濃度の誤検知を防止することができる。
これにより環境変化や現像剤の耐久変化によって現像剤の嵩密度が変化してもインダクタンス検知センサ45によるトナー濃度の誤検知を防止することができる。
これにより良好な画像形成動作を行なうことができる画像形成装置12を提供することができる。
次に、図12及び図13を用いて本発明に係る画像形成装置の第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
前記第1実施形態では、図5に示すように、現像剤容器20の外側に排出口43を介して設けた排出経路46において、該排出口43の直下にインダクタンス検知センサ45のセンサ面を設けた。
そして、排出口43から排出される現像剤15dによりインダクタンス検知センサ45のセンサ面上が十分に覆われる。そして、排出された現像剤15dが自重により十分に圧縮されて嵩密度の増大が飽和する状態まで待ってから検知されたインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vをトナー濃度(T/D比)に換算した。
しかし、前記第1実施形態の画像形成装置12において、形成される画像が低デューティ(Duty)から高デューティ(Duty)まで混載された印刷ジョブを実施する場合がある。その場合は、排出口43から排出された現像剤15dが自重により十分に圧縮されて嵩密度の増大が飽和するまで待ってからインダクタンス検知センサ45により検知する。すると、検知タイミングが遅れてしまい、画像濃度の変動が起きてしまう場合があった。
本実施形態では、排出口43から排出された現像剤15dの嵩密度が飽和した状態を現像剤15dの自重のみにより行なう構成ではない。現像剤15dの自重に加えて該現像剤15dの嵩密度を飽和させる圧縮手段を用いる。これによりインダクタンス検知センサ45による検知タイミングを早めてよりリアルタイムに近づけるものである。
本実施形態におけるインダクタンス検知センサ45の特性、本実施形態が適用できる画像形成装置12の構成、本実施形態が適用できる画像形成装置12に設けられた現像装置4の構成等は、前記第1実施形態と略同様であるため重複する説明は省略する。
図12は本実施形態の現像装置4におけるインダクタンス検知センサ45の周辺部の構成を示す断面説明図である。本実施形態におけるインダクタンス検知センサ45は、現像剤容器20の外側に設けられた第一排出経路47において、撹拌室21bに設けられた排出口43の直下に設けられている。
第一排出経路47には、現像剤15dの搬送方向を図12の左右方向に切り替えることができる圧縮手段であって搬送部材となる第一回収スクリュー48が設けられている。第一回収スクリュー48は、制御手段となるプリンタ制御部300によりモータ29の回転方向を正方向と逆方向に切り替えることで正逆方向に回転駆動される。
第一排出経路47には、開口33を介して第二排出経路49が接続されている。第二排出経路49には、現像剤15dを一定の搬送方向(図12の左方向)に搬送する第二回収スクリュー50が設けられている。第二回収スクリュー50はプリンタ制御部300により駆動制御されるモータ34により回転駆動される。
排出口43から排出された劣化した現像剤15dは、インダクタンス検知センサ45のセンサ面上に落下して次第に第一排出経路47内に蓄積される。プリンタ制御部300は、モータ29を逆回転させて圧縮手段であって搬送部材となる第一回収スクリュー48により現像剤15dを図12の右方向に搬送する方向に該第一回収スクリュー48を回転する。
これにより排出口43から排出されてインダクタンス検知センサ45のセンサ面上に落下した現像剤15dは以下の通りである。第一回収スクリュー48により通常の搬送方向とは逆方向(図12の右方向)に搬送して該排出口43近傍(排出口近傍)の現像剤容器20の隔壁35の壁面に対して現像剤15dを圧縮することで嵩密度が増大する。
インダクタンス検知センサ45によりトナー濃度(T/D比)が検知された後は、プリンタ制御部300は、モータ29を正回転させて第一回収スクリュー48により現像剤15dを図12の左方向に搬送する方向に該第一回収スクリュー48を回転する。
第一排出経路47から開口33を介して第二排出経路49内に落下した現像剤15dは、プリンタ制御部300により駆動制御されるモータ34により回転駆動される第二回収スクリュー50により搬送されて図示しない回収容器内に回収される。
次に、図13を用いて本実施形態の特徴であるインダクタンス検知センサ45のセンサ面上での現像剤15dの嵩密度を大きくして飽和させる方法について説明する。図13は、本実施形態の画像形成装置12の現像装置4におけるインダクタンス検知センサ45の検知制御動作を示すフローチャートである。
図13のステップS201においてインダクタンス検知センサ45の検知制御動作を開始する。ステップS202において、プリンタ制御部300は、モータ29を逆回転させて第一回収スクリュー48を図12の左から右方向に現像剤15dを搬送する方向(通常の回収容器への搬送方向とは逆方向)に回転させる。
これにより排出口43から排出された劣化した現像剤15dは、インダクタンス検知センサ45のセンサ面の近傍に搬送される。つまり、前記第1実施形態と同様に、現像スリーブ24、第1、第2の搬送スクリュー22a,22bをそれぞれ通常の画像形成時と同じ条件で回転させて撹拌室21bに設けられた排出口43から現像剤15dを溢れ出させる。
第一排出経路47に溢れ出した現像剤15dは、第一回収スクリュー48により図12の左から右方向(通常の回収容器への搬送方向とは逆方向)に搬送される。このため現像剤15dは、現像剤容器20の隔壁35の壁面との間で圧縮されて嵩密度が大きくなる。
本実施形態では、前記第1実施形態のように現像剤15dの自重のみによって嵩密度が増大する時間よりも短い時間で排出口43から排出された現像剤15dの嵩密度を飽和するまで増大させることができる。
次に、ステップS203において、プリンタ制御部300は、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vを検知し、その出力電圧VをA値としてメモリ16に記憶してデータベース36に格納する。
次に、ステップS204において、プリンタ制御部300は、前記ステップS203でA値を検知した時刻からタイマ17によりX秒がカウントされた時点でインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vを再度検知する。そして、その出力電圧VをB値としてメモリ16に記憶してデータベース36に格納する。
次に、ステップS205において、プリンタ制御部300は、インダクタンス検知センサ45の出力電圧VのA値からB値への検出間隔(所定時間)Xを用いて前記数1式で示す不等式を計算する。
次に、ステップS206において、プリンタ制御部300は、前記数1式で示す不等式で不等号が成立するか否かを判断する。前記ステップS206において、前記数1式で示す不等式で不等号が成立しない場合は以下の通りである。プリンタ制御部300は、インダクタンス検知センサ45による検知に十分な現像剤量がないと判断して前記ステップS203に戻り、前記ステップS203〜S206を繰り返す。
前記ステップS206において、前記数1式で示す不等式で不等号が成立する場合は、ステップS207に進む。前記ステップS207において、プリンタ制御部300は、前記ステップS204において検知したB値をインダクタンス検知センサ45の出力電圧Vとして確定する。そして、前記第1実施形態と同様に、図6の直線pを用いてインダクタンス検知センサ45の出力電圧V(B値)を現像剤のトナー濃度(T/D比)に換算する。
次に、ステップS208において、プリンタ制御部300は、モータ29を正回転させて第一回収スクリュー48を回転させる。これによりインダクタンス検知センサ45の近傍に溜まった現像剤15dを図12の左方向に搬送する。その後、ステップS209に進んでインダクタンス検知センサ45の検知制御動作を終了する。
本実施形態では、前記ステップS207において、インダクタンス検知センサ45により現像剤15dのトナー濃度(T/D比)の検知を終えた後、以下の通りである。ステップS208において、図12に示す排出口43から第一排出経路47内に排出された現像剤15dを図12の右から左方向(通常の回収容器への搬送方向)に搬送する方向に第一回収スクリュー48を回転させる。
すると、インダクタンス検知センサ45によりトナー濃度(T/D比)の検知を終えた現像剤15dは、開口33を介して第二排出経路49に搬送される。
更に、第二排出経路49内に設けられた第二回収スクリュー50により図示しない回収容器に搬送されて回収される。
尚、第二回収スクリュー50は、現像剤15dを回収容器に搬送する方向に常時回転していても良い。
本実施形態によれば、インダクタンス検知センサ45の検知タイミングは、前記第1実施形態と変わらない。しかし、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vが飽和する時間が早くなる。
このためインダクタンス検知センサ45によりトナー濃度(T/D比)の検知結果が得られる頻度が前記第1実施形態よりも高くなる。
本実施形態では、第一排出経路47内に設けられた第一回収スクリュー48を逆回転することにより現像剤15dを隔壁35の壁面に押し付けて強制的に圧縮する。これにより前記第1実施形態のように現像剤15dの自重のみにより圧縮する場合と比べて現像剤15dがより圧縮される。
これによりインダクタンス検知センサ45のセンサ面上の現像剤15dの嵩密度を一定にした状態で現像剤15dのトナー濃度(T/D比)の測定を行なうことができる。
現像装置4内では、現像剤を圧縮すると、該現像剤が劣化して凝集塊等の発生が懸念される。本実施形態では、劣化により回収する現像剤15dであるので圧縮しても問題は生じない。
更に、インダクタンス検知センサ45により現像剤15dのトナー濃度(T/D比)をより正確に測定するために該インダクタンス検知センサ45の近傍に現像剤15dの嵩密度を安定させるための蓋のような加圧機構を設けることもできる。
また、インダクタンス検知センサ45の近傍に電磁石を設け、該インダクタンス検知センサ45により現像剤15dのインダクタンスを検知するとき以外は、該電磁石をONしておく。これにより該電磁石の磁力により現像剤15dを引き付けて該現像剤15dの嵩密度を安定化させることもできる。
インダクタンス検知センサ45により現像剤15dのインダクタンスを検知するときは、電磁石をOFFし、嵩密度が安定した現像剤15dのインダクタンスを検知することもできる。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
次に、図14を用いて本発明に係る画像形成装置の第3実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
前記各実施形態では、インダクタンス検知センサ45により現像剤15dのトナー濃度(T/D比)をより正確に測定する構成とした。
本実施形態では、インダクタンス検知センサ45により検知した現像剤15dのトナー濃度(T/D比)に基づいて、現像装置4内の現像剤量を推測する構成である。
オート・磁性キャリア・リフレッシュ方式(ACR方式)の現像装置4では、図10の曲線nで示すように、現像剤量と排出量とに相関関係がある。
しかし、トナーを消費せずに現像装置4が連続駆動すると、想定よりも現像剤の流動性が大きく変わってしまう場合がある。その場合、本来は現像剤を排出しない現像剤量であっても現像剤の流動性が悪いため嵩密度が大きくなって現像剤を排出してしまう場合がある。
その場合、現像装置4の内部の現像剤量は、徐々に減少し、現像スリーブ24の表面に現像剤を十分にコートすることができなくなってしまう。
現像スリーブ24の表面に現像剤を十分にコートすることができないと、感光ドラム1の表面上に形成された静電潜像に供給する現像剤が不足する。このためトナー濃度薄や画像欠けといった問題が生じる。
一旦、このような状態になってしまうと、現像スリーブ24の表面に現像剤を十分にコートすることができるように回復させるためには、現像装置4を交換するしかなくなる。
排出口43から排出される現像剤15dのトナー濃度(T/D比)をインダクタンス検知センサ45により検知することにより単位時間当たりに排出される現像剤量を検知することもできる。
つまり、インダクタンス検知センサ45により現像剤15dのインダクタンスが安定して測定できるようになる状態は、一定量以上の現像剤15dがインダクタンス検知センサ45の近傍に排出されて溜まっていることを示している。
インダクタンス検知センサ45により現像剤15dのインダクタンスの測定が安定するために必要な該現像剤15dの量は実験的に求めることが出来る。これにより所定の時間当たりに排出口43から排出される現像剤量が分かる。
また、排出口43から排出される現像剤量は、図2に示す補給装置となるホッパー31から現像剤容器20内(現像剤容器内)に補給するトナー補給量に応じて排出されることが分かっている。これにより所定期間における現像装置4へのトナー補給量と、トナー消費量とが分かれば、排出口43から排出される現像剤量H1が予測できる。
一方、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vからも排出口43から排出された現像剤量H2を予測することができる。
そして、それぞれに予測された排出口43から排出される現像剤量H1,H2を比較する。これにより現像装置4から排出される劣化した現像剤15dの排出量が異常であるか否かが判断できる。
図14は、本実施形態の現像装置4において排出された現像剤量より現像装置4の状態を判断するインダクタンス検知センサの検知制御動作を示すフローチャートである。
先ず、ステップS301において、画像形成装置12の画像形成動作を開始する。画像形成動作が開始して、トナー補給量をメモリ16に記憶する。その後、ステップS302において、プリンタ制御部300は、その時のトナー補給量と、トナー消費量とから予測される排出口43から排出される現像剤15dの現像剤量H1を演算(算出)し、メモリ16に記憶する。
この際、現像剤15dの現像剤量H1は、現像装置4の使用した画像比率と枚数、使用環境に応じて図4に示す記憶手段となるデータベース36に記憶された各種情報に基づいてプリンタ制御部300により計算される。
次に、ステップS303において、インダクタンス検知センサ45により検知を行い、プリンタ制御部300は、その検出値に基づいて現像剤15dの現像剤量H2を演算(算出)し、メモリ16に記憶する。
この際も現像剤15dの現像剤量H2は、現像装置4の使用した画像比率と枚数、使用環境に応じて図4に示す記憶手段となるデータベース36に記憶された各種情報に基づいてプリンタ制御部300により計算される。
次に、ステップS304において、プリンタ制御部300は、計算した現像剤15dの現像剤量H1,H2が正常な関係であるか否かを予め設定した閾値Yを用いて以下の数3式により判断する。
[数3]
H2−H1>Y
H2−H1>Y
ここで、現像剤15dの現像剤量H1,H2が正常な関係であるか否かを判断する閾値Yは、現像装置4の使用した画像比率と枚数、使用環境に応じて図4に示す記憶手段となるデータベース36に記憶された各種情報に基づいて決定される値である。本実施形態では、閾値Yを0.5(g)に設定した。
前記ステップS304において、プリンタ制御部300は、前記数3式を満たす場合に現像剤15dの現像剤量H1,H2が正常な関係であると判断する。その場合は、現像スリーブ24の表面に担持される現像剤のコート量が不安定になることにより不良画像が発生する可能性は低いと判断し、ステップS306に進んで引き続き画像形成動作を継続する。
前記ステップS304において、プリンタ制御部300は、前記数3式を満たさない場合に現像剤15dの現像剤量H1,H2が正常な関係でないと判断する。その場合は、インダクタンス検知センサ45の出力電圧Vから予想される排出口43から排出される現像剤15dの現像剤量H2が、トナー補給量と、トナー消費量とから予測される排出口43から排出される現像剤15dの現像剤量H1よりも大きい。このため現像装置4内の現像剤量が低下する傾向にある。
これにより本来、排出口43から排出されるはずがないのに現像剤15dが排出されている可能性がある。この状態が続くと、現像装置4内の現像剤量が低下し、現像スリーブ24に供給される現像剤量が不十分であるため現像スリーブ24の表面に担持される現像剤のコート量が不安定になることにより不良画像が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態では、ステップS305に進んで、現像装置4内の回収スクリュー44の回転速度を変更する。
即ち、制御手段となるプリンタ制御部300は、ホッパー31の動作履歴情報に基づいて排出口43から排出される現像剤15dの現像剤量H1を考慮する。更に、インダクタンス検知センサ45の出力電圧V(検知結果)に基づいて排出口43から排出される現像剤15dの現像剤量H2を考慮する。そして、現像剤量H1,H2の比較結果に応じて画像形成装置12の画像形成条件を制御する。
具体的には、現像剤量H1(g)と、現像剤量H2(g)との比較結果が前記数3式で閾値Yを0.5(g)に設定して該数3式を満たすときにプリンタ制御部300は、画像形成装置12の画像形成条件を制御する。
ここで、補給装置となるホッパー31による新しい現像剤または磁性キャリアの補給よって過剰になった現像装置4内の余剰現像剤を現像装置4の壁面に設けられた排出口43から溢れ出るようにオーバーフローさせて排出させて回収する。これをオート・磁性キャリア・リフレッシュ方式(ACR方式)という。
ACR方式による現像剤の排出は、図5に示す第2の搬送スクリュー22bの回転に伴って行なわれる。該第2の搬送スクリュー22bの回転速度を調整することにより排出口43近くの現像剤面高さを調整すれば、ACR方式により排出口43から排出される現像剤の現像剤量を調整することができる。
特に、図4に示すように、現像スリーブ24と、現像装置4内の第1、第2の搬送スクリュー22a,22bとが別駆動の場合は以下の通りである。現像スリーブ24と、第1、第2の搬送スクリュー22a,22bとの回転速度を変更しても該現像スリーブ24の回転速度を同一のままで第1、第2の搬送スクリュー22a,22bの回転速度のみを変更することができるため有効な対策となる。
また、ACR方式により現像剤の排出量が調整できる現像装置4であれば、図14のステップS304において以下の通りである。排出口43から排出される現像剤15dの現像剤量H1,H2の比較結果に応じて排出口43から排出される現像剤の現像剤量を調整すれば良い。
ステップS306において、現像装置4内の現像剤のバランスを整えたうえで、引き続き画像形成動作を行なう。次に、ステップS307において、プリンタ制御部300は、画像形成装置12の画像形成動作を終了するか否かを判断し、引き続き画像形成動作を行なう場合は、前記ステップS302に戻って前記ステップS302〜ステップS307の制御動作を行なう。
前記ステップS307において、画像形成装置12の画像形成動作を終了すると判断した場合には、ステップS308に進んで画像形成装置12の画像形成動作を終了する。
前記ステップS304において、プリンタ制御部300は、前記数3式を満たさない場合に現像剤15dの現像剤量H1,H2が正常な関係でないと判断する。
その場合は、現像装置4内の現像剤量が低下していることが予想される。このため現像装置4内の現像剤量を調整することもできる。具体的には、強制的に現像装置4内へのトナー補給とトナー消費を行う。
現像装置4の排出口43から排出される現像剤の現像剤量が想定よりも増加しているのは、現像剤が想定よりも劣化しているためである。現像剤を劣化状態から回復させるために現像装置4内のトナーを消費し、新しいトナーを補給する。
これにより現像装置4内の現像剤をリフレッシュさせることができる。このような現像装置4内の現像剤のリフレッシュ動作により該現像装置4内の現像剤の状態を劣化状態から回復させる。
これによりACR方式による現像剤の排出量が正常に戻れば、現像スリーブ24の表面に担持される現像剤のコート量が不安定になることによる不良画像の発生を防止することができる。
また、必要に応じて、前記ステップS305における撹拌設定の変更と併用すれば、より不具合を防止することができる。
以上のように、ACR方式による現像剤の排出量をインダクタンス検知センサ45により検知した出力電圧Vから予測することにより現像スリーブ24の表面に担持される現像剤のコート量が不安定になることによる不良画像の発生を防止することができる。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
12…画像形成装置
15d…劣化した現像剤
43…排出口
45…インダクタンス検知センサ(トナー濃度検知手段)
300…プリンタ制御部(制御手段)
15d…劣化した現像剤
43…排出口
45…インダクタンス検知センサ(トナー濃度検知手段)
300…プリンタ制御部(制御手段)
Claims (8)
- 静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体上の静電潜像をトナー像に現像する現像装置と、
を有し、
現像装置は、
トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を収容する現像剤容器と、
前記現像剤容器に設けられ、該前記現像剤容器内に現像剤が補給されることにより余剰となった現像剤を排出する排出口と、
を有する画像形成装置において、
前記排出口から排出された現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、
前記トナー濃度検知手段の検知結果に基づいて前記画像形成装置の画像形成条件を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記トナー濃度検知手段により第1の検知タイミングで検知した第1の検知結果と、前記第1の検知タイミングから所定時間が経過した第2の検知タイミングで検知した第2の検知結果との関係が所定の変化率よりも小さくなったときの前記第2の検知結果に基づいて前記画像形成装置の画像形成条件を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記トナー濃度検知手段により第1の検知タイミングで検知した第1の検知結果をA(V)、前記第1の検知タイミングから所定時間X(秒)が経過した第2の検知タイミングで検知した第2の検知結果をB(V)とすると、
(B−A)/X<0.002(V/秒)
を満たすとき前記制御手段は、前記第2の検知結果に基づいて前記画像形成装置の画像形成条件を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。 - 静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体上の静電潜像をトナー像に現像する現像装置と、
を有し、
現像装置は、
トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を収容する現像剤容器と、
前記現像剤容器に設けられ、該前記現像剤容器内に現像剤が補給されることにより余剰となった現像剤を排出する排出口と、
を有する画像形成装置において、
前記排出口から排出された現像剤を圧縮する圧縮手段と、
前記排出口から排出され、前記圧縮手段により圧縮された現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、
前記トナー濃度検知手段の検知結果に基づいて前記画像形成装置の画像形成条件を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記圧縮手段は、前記排出口から排出された現像剤を搬送する搬送部材を有し、該搬送部材により前記排出口から排出された現像剤を通常の搬送方向とは逆方向に搬送して前記排出口近傍の前記現像剤容器の壁面に対して前記現像剤を圧縮することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記現像剤容器内にトナーを補給する補給装置を有し、
前記制御手段は、前記補給装置の動作履歴情報に基づいて前記排出口から排出される現像剤量H1と、前記トナー濃度検知手段の検知結果に基づいて前記排出口から排出される現像剤量H2と、を算出し、前記現像剤量H1と、前記現像剤量H2との比較結果に応じて前記画像形成装置の画像形成条件を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記現像剤量H1(g)と、前記現像剤量H2(g)との比較結果が
H2−H1>0.5(g)
を満たすとき、前記制御手段は、前記画像形成装置の画像形成条件を制御することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記トナー濃度検知手段は、トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤の見かけの透磁率を検知することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015208499A JP2017083501A (ja) | 2015-10-23 | 2015-10-23 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015208499A JP2017083501A (ja) | 2015-10-23 | 2015-10-23 | 画像形成装置 |
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JP2017083501A true JP2017083501A (ja) | 2017-05-18 |
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ID=58710766
Family Applications (1)
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JP2015208499A Pending JP2017083501A (ja) | 2015-10-23 | 2015-10-23 | 画像形成装置 |
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JP (1) | JP2017083501A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019028221A (ja) * | 2017-07-28 | 2019-02-21 | コニカミノルタ株式会社 | 現像装置および画像形成装置 |
-
2015
- 2015-10-23 JP JP2015208499A patent/JP2017083501A/ja active Pending
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