JP4250153B2 - 熱膨張性塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、熱膨張性を有する塩化ビニル系樹脂組成物に関し、具体的には、従来と同等の耐火性を有し、膨張性および膨張後の形状保持性に優れ、かつ押出成形、カレンダー成形等での連続製造が容易な熱膨張性塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形体に関する。
建築材料の分野においては、従来から耐火性能が重要視されている。近年、様々な樹脂を利用して、耐火性能をもつ樹脂材料が開発されている。耐火性能としては、樹脂材料自体が燃焼しにくいだけでなく、断熱層を形成して火炎と煙を遮断することも必要とされている。断熱層を形成するものとしては、例えば、発泡剤として熱膨張性黒鉛を使用し、エポキシ樹脂をベース樹脂に使用したもの(特許文献1)、加硫ゴムをベース樹脂に使用したもの(特許文献2)等が提案されている。しかし、これらの方法はプレス成形等のバッチ式生産法が主で、押出成形等の連続生産には適しておらず、生産性に乏しい。また、ポリ塩化ビニル系樹脂の持つ難燃性と成形性とを利用したもの(特許文献3)も提案されている。これはポリ塩化ビニル系樹脂に、熱膨張性黒鉛、無機充填剤およびリン化合物を添加するもので、耐火性能は良好であるが、無機充填剤等の添加剤を多量に使用しなければならず、またポリリン酸アンモニウム等のリン化合物が加工時に金属(例えば、金型)に粘着するため成形が困難であり、生産性に劣る。
特開2003−64209号公報 特開2003−226772号公報 特開平10−95887号公報
本発明は上記問題を解決し、膨張性および膨張後の形状保持性を良好に維持しつつ、押出成形、カレンダー成形等での連続製造が容易である熱膨張性塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のリン化合物を用い、組成物の構成成分の配合割合を調整することにより問題を解決するに至った。
即ち、本発明は第一に、
(A)塩化ビニル系樹脂: 100質量部、
(B)可塑剤: 10〜100質量部、
(C)滑剤: 0.1〜5質量部、
(D)無機充填剤: 5〜200質量部、
(E)熱膨張性黒鉛: 10〜300質量部、ならびに
(F)下記一般式(1):
HO(HPO3)nH (1)
(式中、nは2以上の整数である。)
で表されるポリリン酸とメラミンとの塩、および/または前記一般式(1)で表されるポリリン酸とピペラジンとの塩: 10〜300質量部
を含有してなる熱膨張性塩化ビニル系樹脂組成物、
を提供する。
本発明は第二に、前記組成物を加熱溶融成形してなる成形体、を提供する。
本発明の組成物は、膨張性および膨張後の形状保持性を良好に維持しつつ、押出成形、カレンダー成形等での連続製造が容易であるものである。また、連続製造時のプレートアウト性にも優れるものである。したがって、組成物から成形体を容易に製造することが可能である。さらに、成形体を膨張させて得られる構造体は、従来と同等の耐火性を有し、火災と炎を遮断するのに必要な機械的強度を有するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「高級アルコール」とは炭素原子数が6以上のアルコール、「低級アルコール」とは炭素原子数が5以下のアルコールを意味する。また、「高級脂肪酸」とは炭素原子数が12以上の脂肪酸、「低級脂肪酸」とは炭素原子数が5以下の脂肪酸を意味する。
<(A)塩化ビニル系樹脂>
(A)成分の塩化ビニル系樹脂は、(1)塩化ビニル単独重合体、(2)塩化ビニルおよび塩化ビニルと共重合可能な不飽和結合を有する単量体の共重合体であって、塩化ビニルを50質量%以上含有する塩化ビニル系共重合体である。
塩化ビニルと共重合可能な不飽和結合を有する単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル;エチレン、プロピレン等のオレフィン;アクリロニトリル;スチレン等の芳香族ビニル;塩化ビニリデン等が挙げられる。
(A)成分の塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、通常、400〜3,000であり、好ましくは700〜1,300である。平均重合度が小さすぎると、得られる成形体の機械的特性が劣ることがある。平均重合度が大きすぎると、成形時における塩化ビニル系樹脂の溶融粘度が高くなり、成形が困難になることがある。なお、溶融粘度を低下させるために成形温度を上昇させると、塩化ビニル系樹脂が分解を起こしてしまい良好な成形物を得ることが困難となる。
(A)成分の塩化ビニル系樹脂は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<(B)可塑剤>
(B)成分の可塑剤としては、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、高級アルコールの混合フタル酸エステル等のフタル酸誘導体(特にはフタル酸エステル);トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ(n−オクチル)トリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート等のトリメリット酸誘導体(特にはトリメリット酸エステル);ビス(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、高級アルコールの混合アジピン酸エステル等のアジピン酸誘導体(特にはアジピン酸エステル);ビス(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジ−(n−ヘキシル)アゼレート等のアゼライン酸誘導体(特にはアゼライン酸エステル);ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジイソオクチルセバケート等のセバシン酸誘導体(特にはセバシン酸エステル);フェノール系アルキルスルホン酸エステル等のスルホン酸誘導体(特にはスルホン酸エステル);エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油等のエポキシ誘導体(特にはエポキシ化エステル)等の可塑剤;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸等のジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の2価アルコールとの重合型エステルであるポリエステル系可塑剤等が例示される。これらの可塑剤の中でも、移行性、抽出性、ブリード性等の面から高分子量の可塑剤が好ましく、特にトリメリット酸誘導体系、ポリエステル系等の可塑剤が好ましい。なお、(B)成分の可塑剤は一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(B)成分の可塑剤の添加量は、(A)成分100質量部に対して10〜100質量部であり、好ましくは20〜80質量部である。この添加量が10質量部未満の場合には、組成物の成形時の溶融粘度が高く成形性が悪くなることがあり、また成形体が脆くて壊れ易くなる。この添加量が100質量部を超える場合には、成形体の難燃性が低下するとともに、燃焼時の発煙量が多くなる。
<(C)滑剤>
(C)成分の滑剤は、組成物に金属(例えば、金型)に対する滑り性を付与し、成形性および成形体の表面平滑性を向上させるとともに、組成物の金型等の金属面に対する粘着性を抑え、プレートアウトを抑制する効果を有する成分である。
(C)成分の滑剤としては、炭素原子数が20〜70程度のパラフィンワックス類;分子量が1000〜5000程度のポリエチレンワックス類等の炭化水素系滑剤;ミリスチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、パルチミン酸、アラギニン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸系滑剤;ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸の低級および高級アルコールエステル類、高級脂肪酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等とのエステル類、モンタン酸高級アルコールステル類等のエステル系滑剤;ステアリルアミド、パルチミルアミド、オレイルアミド、ベヘンアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスラウリルアミド等の脂肪酸アミド系滑剤;ステアリルアルコール、ココナッツアルコール、セシルアルコール、メリシルアルコール等の高級アルコール系滑剤;ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸と、マグネシウム、カルシウムバリウム、亜鉛、アルミニウム等金属の金属セッケン等が例示される。(C)成分の滑剤は一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(C)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜5質量部であり、好ましくは0.5〜4質量部である。この添加量が0.1質量部未満の場合には、成形加工時に組成物の金属への粘着性が認められることがあり、5質量部を超える場合には、組成物の滑性が強すぎて成形加工が困難である。
<(D)無機充填剤>
(D)成分の無機充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、タルク、クレー等が例示される。(D)成分の無機充填剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。これら無機充填剤は、熱容量増大による難燃性向上の役割を果たすものである。
(D)成分の無機充填剤の添加量は、(A)成分100質量部に対して5〜200質量部であり、好ましくは10〜100質量部である。この添加量が5質量部未満の場合には、難燃性向上の効果が現れないことがあり、200質量部を超える場合には、成形加工時の組成物の溶融粘度が高くなり、成形が困難となることがある。
<(E)熱膨張性黒鉛>
(E)成分の熱膨張性黒鉛は、成形体の発泡成分となるものである。熱膨張性黒鉛は、天然に産出される鱗片状黒鉛の層間に化合物を挿入して中和したもので、熱によって含有している化合物がガスを発生し、その結果、鱗片状の黒鉛が膨張する。
天然に産出される鱗片状黒鉛の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理することが好ましい。
前記処理した黒鉛は、例えば、アンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で、中和処理することが好ましい。
脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
(E)成分の熱膨張性黒鉛は、平均粒径が100〜600μmの範囲であるものが好ましく、120〜500μmの範囲であるものがより好ましい。平均粒径がかかる範囲を満たすと、膨張性、作業性および形状保持性が良好なものとなる。
(E)成分の熱膨張性黒鉛の添加量は、(A)成分100質量部に対して10〜300質量部であり、好ましくは20〜200質量部である。この添加量が10質量部未満の場合には膨張による難燃効果を得られないことがあり、300質量部を超える場合には組成物の成形加工が困難になるとともに、発泡(膨張)した際の形状保持性が悪くなることがある。
なお、(E)成分の熱膨張性黒鉛は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<(F)ポリリン酸とメラミンとの塩、ポリリン酸とピペラジンとの塩>
(F)成分のポリリン酸とメラミンとの塩、およびポリリン酸とピペラジンとの塩は、難燃性を高めると共に、燃焼・膨張時に炭化層を形成することにより形状保持性を高める役割をするものである。(F)成分は、前記一般式(1)で表されるポリリン酸とメラミンとの塩、および/または前記一般式(1)で表されるポリリン酸とピペラジンとの塩であり、例えば、下記一般式(2):
[HO(HPO3)nH][X]m (2)
(式中、nは2以上、好ましくは2〜4の整数であり、mは0<m≦n+2を満たす整数であり、Xはメラミンまたはピペラジンである。)
で代表されるものである。
ポリリン酸の具体例としては、ピロリン酸、トリポリリン酸、ペンタポリリン酸等が挙げられる。
前記ポリリン酸とメラミンとの塩としては、例えば、ピロリン酸メラミン、トリポリリン酸メラミン、ペンタポリリン酸メラミン等が挙げられ、特に上記一般式(2)においてnが2、mが2であるピロリン酸メラミンが好ましい。
例えば、ピロリン酸メラミンは、ピロリン酸ナトリウムとメラミンとを任意の反応比率で塩酸を加えて反応させ、水酸化ナトリウムで中和して得られる。特に、ピロリン酸ナトリウムとメラミンとを等モルの比率で塩酸を加えて反応させ、水酸化ナトリウムで中和して得られるピロリン酸メラミンが好ましい。
前記ポリリン酸とピペラジンとの塩としては、例えば、ピロリン酸ピペラジン、トリポリリン酸ピペラジン、ペンタポリリン酸ピペラジン等が挙げられ、上記一般式(2)においてnが2、mが1のピロリン酸ピペラジンが好ましい。
例えば、ピロリン酸ピペラジンは、ピロリン酸とピペラジンとを水中またはメタノール水溶液中で反応させて、水難溶性の沈殿として容易に得られる。特に、ピロリン酸とピペラジンとを等モルの比率で水中で反応させて得られるピロリン酸ピペラジンが好ましい。
(F)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(F)成分は、一般的に用いられるポリリン酸アンモニウムと比較して、得られる成形体は同等以上の難燃性、形状保持性を有すると共に、金属との粘着性が低い。
(F)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して10〜300質量部であり、好ましくは20〜200質量部である。この添加量が10質量部未満の場合には、難燃効果、膨張時の形状保持効果が現れないことがあり、300質量部を超える場合には、組成物の成形加工が困難であると共に、膨張率が低くなることがある。
<その他の任意成分>
塩化ビニル系樹脂組成物を成形する際には、熱分解を抑制するために熱安定剤を添加することが好ましい。熱安定剤としては、例えば、Pb系、Sn系、Ba/Zn系、Ca/Zn系等の一般的に硬質塩化ビニル系樹脂に用いられるものを使用することができる。これら熱安定剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
この熱安定剤の添加量は、好ましくは(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部であり、好ましくは0.5〜5質量部である。
また、成形性および/または物性を向上させるためにアクリル系の加工助剤、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、アクリル系ポリマー、塩素化ポリエチレン等の改質剤等の添加も可能である。
さらに、発泡性(膨張性)を増すために補助発泡剤として、例えば、アゾジカルボンアミド等のアゾ化合物、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等のヒドラジン化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、炭酸水素ナトリウム等の重炭酸塩等を添加することも可能である。
<組成物の調製方法>
本発明の組成物は、上記の(A)〜(F)成分および場合によっては含まれる任意成分を、例えば、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー等の混練装置を用いて混練することにより得ることができる。混練は、混練装置内の組成物の温度が120〜160℃となるように行うことが好ましい。
<組成物の成形方法>
本発明の組成物を加熱溶融成形することにより所望の成形体を作製することができる。組成物を成形する方法としては、例えば、圧縮成型、押出成形、カレンダー成形等の塩化ビニル系樹脂で一般的に用いられる成形法が適用可能であるが、本発明の主目的の一つである生産性の観点から、連続生産が可能な押出成形およびカレンダー成形が好ましく、特に押出成形が好ましい。
[成形体]
こうして得られた成形体は、例えば、ガスバーナー等による炎、熱風等によって膨張温度(通常、200℃)以上に加熱することにより膨張する。膨張した成形体は、それ自体で形状を保持できるだけでなく、火炎と煙を遮断するのに十分な機械的強度を有する。したがって、この成形体を住宅、ビル等の建物の窓枠(例えば、サッシと壁との間)等に用いることで、火災等の際にも成形体は燃焼せずに窓ガラスを保持し、火炎が裏面に伝播することを防止することができる。その他にも、防火戸等の隙間等の耐火性が必要とされる用途または防火に必要な場所に用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。本実施例中で使用した成分は以下の通りである。
(A)塩化ビニル系樹脂
・ポリ塩化ビニル樹脂(商品名:TK−700、信越化学工業製、平均重合度700)
・ポリ塩化ビニル樹脂(商品名:TK−1,300、信越化学工業製、平均重合度1,300)
(B)可塑剤
・トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート(TOTM、旭電化工業製)
(C)滑剤
・ポリエチレン系滑剤(分子量:2000、商品名:HIWAX 220MP、三井石油化学工業製)
・エステル系滑剤(ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、商品名:EW−100、理研ビタミン製)
(D)無機充填剤
・炭酸カルシウム(商品名:NS−400、日東粉化工業製)
(E)熱膨張性黒鉛
・熱膨張性黒鉛(平均粒径:450μm、商品名:SYZR 322、三洋貿易製)
(F)ポリリン酸とメラミンとの塩、ポリリン酸とピペラジンとの塩
・ピロリン酸メラミン:ピロリン酸ナトリウムとメラミンとを等モルの比率で塩酸を加えて反応させ、水酸化ナトリウムで中和して得たもの。
・ピロリン酸ピペラジン:ピロリン酸とピペラジンとを等モルの比率で水中で反応させて得たもの。
・ピロリン酸メラミンとピロリン酸ピペラジンの混合物(商品名:FP−2100、旭電化工業製)
・ポリリン酸アンモニウム系化合物(商品名:NH−12B、味の素ファインテクノ製)(比較用)
(他)熱安定剤
・Ba/Zn系熱安定剤(商品名:RUP−14、旭電化工業製)
・Ba/Zn系熱安定剤(商品名:AC−186、旭電化工業製)
<実施例1〜6、比較例1〜4>
−塩化ビニル系樹脂コンパウンドの作製−
表1および表2に示した種類・配合量で、上記の(A)〜(F)成分および熱安定剤を、容量20Lのミキサーで撹拌・混合し、ミキサー内の混合物の温度が120℃に達した時点で排出し、得られた混合物を50℃まで冷却して、コンパウンドを得た。
−成形体(押出成形シート)の作製−
上記のコンパウンドを20mmφ単軸押出成形機を用いて混練し、T−ダイ金型を用いて押出成形を行い、押出成形シート(厚さ:約1.7mm)を作製した。金型部温度は170℃であった。
こうして得られた押出成形シート、あるいはこのシートの作製に用いた金型について、以下の項目の評価・試験を行った。その結果を表1および表2に示す。
〔押出性評価〕
得られたシートの目視観察により、押出性を以下の基準で評価した。
エッジ部の形状、および表面の平滑性が非常によい・・・◎
エッジ部の形状、および表面の平滑性がよい・・・○
エッジ部の形状、または表面の平滑性がやや悪い・・・△
エッジ部の形状、または表面の平滑性が悪い・・・×
〔プレートアウト性評価〕
プレートアウト性は、押出終了後の押出機を解体し、金型の組成物との接触金属面を目視観察し、プレートアウト付着物の程度を以下の基準で評価した。
プレートアウト物が全く認められない・・・◎
プレートアウト物が殆ど認められない・・・○
プレートアウト物が少し認められる・・・△
プレートアウト物が多く認められる・・・×
〔膨張試験〕
得られたシートから厚さ約1.7mm、縦・横が各2cmの直方体の試験片を切り出し、この試験片を800℃の電気炉中に放置し、膨張が完全に終了した後取り出した。試験前後の試験片の厚み方向、幅方向の長さを計測し、膨張倍率を算出した。
また、膨張した試験片の形状の壊れにくさ(形状保持性)を観察し、以下の基準で評価した。
形状が保持されている(形状保持性が著しくよい)・・・○
ボロボロの状態になり形が崩れた(形状保持性が著しく悪い)・・・×
Figure 0004250153
(質量部)
Figure 0004250153
(質量部)

Claims (2)

  1. (A)塩化ビニル系樹脂: 100質量部、
    (B)可塑剤: 10〜100質量部、
    (C)滑剤: 0.1〜5質量部、
    (D)無機充填剤: 5〜200質量部、
    (E)熱膨張性黒鉛: 10〜300質量部、ならびに
    (F)下記一般式(1):
    HO(HPO3)nH (1)
    (式中、nは2以上の整数である。)
    で表されるポリリン酸とメラミンとの塩、および/または前記一般式(1)で表されるポリリン酸とピペラジンとの塩: 10〜300質量部
    を含有してなる熱膨張性塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の組成物を加熱溶融成形してなる成形体。
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