JP4248937B2 - 希土類元素を含有する廃液から希土類酸化物を回収する方法 - Google Patents

希土類元素を含有する廃液から希土類酸化物を回収する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、希土類元素を含有する液から希土類酸化物を回収する方法、特に、希土類元素を含有する研磨廃液から、高精度研磨加工用の研磨材として再利用できる高品質の希土類酸化物を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、希土類元素を含有する研磨材は様々な分野に用いられている。特にセリウム系の研磨材は、ガラス材料や水晶の研磨に多用されている。例えば、光ディスクや磁気ディスク用のガラス基板、薄膜トランジスタ(TFT)型液晶ディスプレイ(LCD)やねじれネマティック(TN)型液晶ディスプレイ(LCD)などの液晶ディスプレイ用ガラス基板、液晶テレビ(TV)用カラーフィルタ、TV用などのブラウン管(CRT)、眼鏡レンズ、光学レンズ、LSIフォトマスク用ガラス基板、網入り板硝子、水晶振動子用基板などの研磨に用いられている。
【0003】
ここで、希土類元素を含有する研磨材とは、セリウム(Ce)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)などの希土類元素の酸化物の微粉末を含有する研磨材を指す。
希土類元素を含有する研磨材の原料となる鉱石は、例えば、バストネサイトやモナザイトとして中国、米国などで産出されている。
【0004】
バストネサイトやモナザイトなどの鉱石から希土類酸化物を製造するには、通常、以下に挙げる1)〜9)の処理が順次施される。
1)ロータリーキルン中で、鉱石に硫酸を徐々に加え、混和、乾燥する。
2)500℃〜600℃に温度を上げて焙焼する。
3)焙焼鉱を水で浸出し、希土類含有物を水に溶出させる。
4)シックナーで濃縮し、BaSO、CaSO、SiOなどの不純物を濾別し、R(SOを得る。なお、式中、Rは希土類元素である。
5)R(SOに硫酸ナトリウムを加えてFe、Ca、リン酸などを分離し、希土類元素の硫酸複塩を得る。
6)希土類元素の硫酸複塩に水酸化ナトリウムを加え、希土類元素の水酸化物を析出させる。
7)希土類元素の水酸化物に塩酸を加え、希土類元素の塩化物とする。
8)希土類元素の塩化物に炭酸水素アンモニウムを加えて希土類炭酸塩とする。
9)希土類炭酸塩を焼成し、希土類酸化物とする。
【0005】
ところで、希土類元素を含有する研磨材の原料となる鉱石の埋蔵量には限界があり、また、最近、希土類元素を含有する研磨材の需要が増大していることと相俟って、原料となる鉱石の不足が問題となっている。従って、希土類元素を含有する研磨廃液から、研磨材として再利用するための希土類酸化物を回収することが要望されている。
【0006】
しかも、希土類酸化物微粉末を主体とする研磨材の使用分野では、加工物の高精度化に対する要求が高まっており、その研磨材として具備すべき品質として、粗大粒子の低減、および異物の低減が高度に求められている。しかしながら、希土類元素を含有する研磨廃液から、高精度研磨加工用の研磨材として再利用できる高品質の希土類酸化物を回収することは困難である。
【0007】
特に、セリウムを多く含むセリウム系研磨材は、水、分散剤、界面活性剤などと混合してスラリー化して調製したものをガラスや水晶などの研磨に用いている。よって、希土類元素を含有する研磨廃液は、少なくとも、研磨材、水、分散剤、界面活性剤、ガラスなどの研磨屑、研磨パッド屑などを含んでいる。しかも、希土類元素を含有する研磨廃液は、希土類元素を含有する鉱石と比較すると、希土類元素の含有量、それぞれの希土類元素の含有比率、希土類元素以外の含有物、これらの含有物の含有比率など、多くの差異がある。そのため、セリウムその他の希土類元素を含有する研磨廃液から、研磨材として再利用できる高品質の希土類酸化物を回収することは、その処理コストが極めて高く、実用的ではなかった。
【0008】
希土類元素を含有する研磨材を用いて研磨した際に副生する研磨廃液から希土類酸化物の微粉末を含有する研磨材を回収する方法としては、既に多くの提案がなされている。例えば、研磨廃液をアルカリ洗浄した後、ごみなどの不要物と研磨材を篩い分けする方法(例えば、特許文献1参照)、研磨廃液を硫酸で溶解した後、蓚酸塩とし、その後アルカリ中和により希土類水酸化物として回収する方法(例えば、特許文献2参照)、研磨廃液中のガラス屑を弗酸で溶解して希土類元素を回収する方法(例えば、特許文献3参照)、研磨廃液を凝集処理した後、固液分離して希土類元素を回収する方法(例えば、特許文献4参照)などが提案されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−90825号公報 (第2−5頁)
【特許文献2】
特開2000−87154号公報 (第3−5頁)
【特許文献3】
特開平11−319755号公報 (第2−3頁、第1図)
【特許文献4】
特開平10−280060号公報
【0010】
しかしながら、従来提案された希土類酸化物の回収方法では、異物除去が不充分であり、高精度研磨加工用の研磨材として再使用できる高品質の希土類酸化物を工業的有利に得ることはできなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような状況に鑑み、本発明の目的は、希土類元素を含有する液から、高品質の希土類酸化物を、効率よく、しかも十分に高い純度で回収することが可能な方法、特に、希土類元素を含有する研磨廃液から、高精度研磨加工用の研磨材として再利用できる高品質の希土類酸化物を工業的に有利に回収する方法を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、特定の精製方法を組合せることによって(例えば、(1)希土類元素を含有する液と酸とを混合および加熱して液中の希土類元素を溶解し、(2)上記(1)で得られた希土類元素の溶液から未溶解物を除去し、(3)上記(2)で得られた希土類元素の溶液に、可溶性の炭酸塩もしくは炭酸水素塩、または蓚酸を加えて該溶液中の希土類元素を炭酸希土または蓚酸希土とし、(4)上記(3)で得られた炭酸希土または蓚酸希土を含むスラリーから炭酸希土または蓚酸希土を分離し、(5)分離された炭酸希土または蓚酸希土を焼成して、希土類酸化物とし、次いで(6)生成した希土類酸化物を回収する。)、希土類元素を含有する研磨廃液から、高精度研磨加工用の研磨材として再利用できる高品質の希土類酸化物を工業的に有利に回収できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0013】
かくして、本発明によれば、下記の希土類酸化物の回収方法、研磨材の製造方法および再利用方法、ならびに研磨方法が提供される。
1. 次の工程(1)〜(6)を含むことを特徴とする希土類元素を含有する液から希土類酸化物を回収する方法。
(1)希土類元素を含有する液と酸とを混合および加熱して液中の希土類元素を溶解し、得られる混合液を還流下、沸騰石の存在下に加熱して、気泡を発生させながら濃縮し、該混合液に含まれる未溶解固形分を液面に浮上させ、
(2)工程(1)で得られた希土類元素の溶液から未溶解物を除去し、
(3)工程(2)で得られた希土類元素の溶液に、可溶性の炭酸塩もしくは炭酸水素塩、または蓚酸を加えて該溶液中の希土類元素を炭酸希土または蓚酸希土とし、
(4)工程(3)で得られた炭酸希土または蓚酸希土を含むスラリーから炭酸希土または蓚酸希土を分離し、
(5)分離された炭酸希土または蓚酸希土を焼成して、希土類酸化物とし、次いで
(6)生成した希土類酸化物を回収する。
【0014】
2. 工程(1)が、希土類元素を含有する液と酸と過酸化水素とを混合および加熱して廃液中の希土類元素を溶解する工程である前項1に記載の方法。
3. 工程(1)における酸が、塩酸である前項1または2に記載の方法。
4. 工程(1)における酸が、硝酸である前項1または2に記載の方法。
. 工程(2)において、未溶解物を濾過によって除去する前項1〜4のいずれかに記載の方法。
【0015】
. 工程(3)において、希土類元素の溶液のpH値を1〜7に調整後、この液に可溶性の炭酸塩もしくは炭酸水素塩、または蓚酸を加えて該溶液中の希土類元素を炭酸希土または蓚酸希土とする前項1〜5のいずれかに記載の方法。
. 工程(3)において、アンモニアを用いてpH値を1〜7に調節する前項に記載の方法。
. 工程(3)における可溶性の炭酸塩もしくは炭酸水素塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩である前項1〜6のいずれかに記載の方法。
. 工程(4)において、炭酸希土または蓚酸希土を、濾過によって分離する前項1〜8のいずれかに記載の方法。
【0016】
10.次の工程(i)〜(vi)を含む方法によって、希土類元素を含有する液から希土類水酸化物を回収し、回収された希土類水酸化物を水に懸濁し、得られたスラリーを、工程(1)において、希土類元素を含有する液として用いる前項1〜9のいずれかに記載の方法。
(i) 希土類元素を含有する液と硫酸を混合および加熱して液中の希土類元素を硫酸希土とし、
(ii) 該硫酸希土と水とを混合して硫酸希土を溶解し、
(iii) 得られた硫酸希土溶液から未溶解物を除去し、
(iv) 得られた溶液に硫酸ナトリウムを加えて希土類元素の複塩を形成し、さらに複塩を溶液から分離し、
(v) 該複塩を水に懸濁し、pH値を8〜13として希土類元素の複塩を水酸化希土とし、次いで
(vi)水酸化希土を分離し、回収する。
【0017】
11. 工程(iii)において、未溶解物を濾過によって除去する前項10に記載の方法。
12. 工程(v)において、アルカリ、アンモニア水またはアンモニアガスを加えることによって、懸濁液のpH値を8〜13とする前項10に記載の方法。
13. 工程(i)において、希土類元素を含有する液に、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムまたは高分子凝集剤を加えて希土類元素を含有する固形物を沈降させ、該沈降物を分離回収し、次いで該回収物に硫酸を加える前項10に記載の方法。
14. 工程(i)において、希土類元素を含有する液に硫酸を混合した後に、過酸化水素水を加える前項10〜13のいずれかに記載の方法。
【0018】
15. 希土類元素を含有する液が、研磨材を研磨に用い生じる廃液である前項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【0019】
16. 前項1〜15のいずれか1項に記載の方法により希土類酸化物を回収することを含む、希土類酸化物からなる研磨材の製造方法。
17. 研磨材を研磨に用い生じる廃液から前項1〜15のいずれか1項に記載の方法により希土類酸化物を回収し、希土類酸化物からなる研磨材を得ることを含む研磨材の再利用方法。
18. 研磨材を研磨に用い、生じる廃液から前項1〜15のいずれか1項に記載の方法により希土類酸化物を回収し、回収された希土類酸化物からなる研磨材を用いて再び研磨することを特徴とする研磨方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って、希土類元素を含有する研磨廃液から高品質の希土類酸化物を回収する方法を、例示しながら、工程を追って説明する。
なお、本発明の回収方法においては、通常、複数種の希土類元素を含有する研磨廃液から複数種の希土類酸化物が回収される。しかしながら、特定の希土類元素(例えば、セリウム)を極めて高い相対的割合で含有する研磨廃液から該希土類元素を極めて高い相対的割合で含有する希土類酸化物を回収することもでき、出発原料および得られる酸化物、それぞれに含まれる希土類元素の組成は格別限定されるものではない。
【0021】
工程(1)(廃液中の希土類元素を溶解し、希土類溶液を得る工程)
まず、反応容器に希土類元素を含有する研磨廃液を貯留し、この研磨廃液に、酸を、または酸と過酸化水素を加え、加熱する。
ここで用いる酸としては、含まれる希土類元素を溶解可能な酸であればよく、好ましくは塩酸、硝酸および硫酸の中から選ばれる。より好ましくは塩酸および硝酸であり、特に好ましくは塩酸である。
加熱は、少なくとも廃液中の希土類元素(通常、酸化希土の形態である)が十分溶解するまで行う。例えば、酸として塩酸を用いる場合、加熱温度は90℃〜120℃の範囲が好ましい。より好ましくは、攪拌しながら90℃〜120℃の範囲内で5時間〜72時間、環流下に加熱し、さらに濃縮する。
【0022】
研磨廃液に添加する塩酸の濃度は任意であるが、一般に、15〜45質量%、好ましくは20〜35質量%のものが好ましく、例えば濃度35質量%の濃塩酸を用いることができる。塩酸の添加量は、研磨廃液中の固形分100質量部に対し35質量%塩酸に換算して200〜500質量部の範囲であることが好ましい。
研磨廃液に添加する硝酸の濃度も任意であるが、一般に、62〜98質量%のものが好ましく用いられる。硝酸の添加量は、研磨廃液中の固形分100質量部に対して112〜177質量部の範囲であることが好ましい。
【0023】
硝酸や硫酸など還元性のない酸を添加する場合は、希土類の酸化を抑制し、生成する硝酸希土や硫酸希土の価数をなるべく低くし、その溶解性を改善するために過酸化水素などの還元性を有する物質を併用することが好ましい。また、過酸化水素の併用によって、研磨廃液中に存在する有機物が分解除去される効果も得られる。過酸化水素の使用量は、例えば、硝酸100質量部に対して9〜27質量部の範囲であることが好ましい。塩酸を添加する場合であっても、有機物の分解などのために、所望により、過酸化水素を併用してもよい。
【0024】
酸を、または酸と過酸化水素を加え加熱することにより、希土類の酸化物が溶解され、例えば、塩化希土や硝酸希土などを含有する希土類元素の酸性水溶液が得られる。このとき、研磨廃液中に含まれるガラス磨耗粉は珪酸ゾルになり、その後ゲル化が進み、最終的に珪酸ゲルになる。
ここで、この珪酸ゲル、研磨パッド屑などの未溶解物は、このまま濾過分離してもよいが、希土類元素の酸性水溶液を抱き込んでいるために、希土類元素の酸性水溶液を高効率で回収するために、以下に説明するように濃縮を行うことが好ましい。
【0025】
上記の希土類元素の酸性水溶液をさらに加熱し、濃縮すると、該酸性水溶液の比重(濃度)が高くなり、したがって、この水溶液中に含まれる珪酸ゲルが相対的に軽くなり、未溶解物とともに液面上に浮上し、次の工程(2)での該酸性水溶液の分離が容易になる。
【0026】
酸性水溶液をさらに加熱し濃縮すると、液面が低下するために、この液面上に浮上した珪酸ゲルおよび未溶解物は、反応容器の内壁に付着し固定する。珪酸ゲルおよび未溶解物が反応容器の内壁の面積に比べ多い場合は、内壁の面積を増大させるために仕切り板などを反応容器内部に設けてもよい。この付着固定した珪酸ゲルおよび未溶解物は、さらに温度が上昇すると、その体積が収縮し、珪酸ゲルと未溶解物に抱き込まれていた希土類元素の酸性水溶液を放出する。そのため、内壁および仕切り板などの温度は、体積収縮が起こりやすいように、液温以上に保つことが好ましい。濃縮は、体積が加熱前の約25%〜75%になるまで行うことが好ましく、約40〜60%が特に好ましい。加熱濃縮により、珪酸ゲルおよび未溶解物と、希土類元素の酸性水溶液との分離が進行し、次の工程(2)における希土類元素の酸性水溶液の回収率が向上する。
【0027】
希土類元素の酸性水溶液を濃縮する際、沸騰石の存在下に気泡を発生させながら濃縮する。沸騰石を投入した水溶液を加熱すると、加熱により沸騰石を起点として気泡の発生が盛んになるとともに、発生する気泡が細かく、かつ一様になる。この気泡とともに珪酸ゲルおよび未溶解物が液面上に浮上する。そのため、工程(2)における珪酸ゲルおよび未溶解物と、希土類元素の酸性水溶液との分離が促進される。
なお、使用する沸騰石としては、この熱溶液に対して溶解しないガラスなどのセラミックス、あるいはプラスチックなどを選ぶことができ、気泡の起点となる沢山の突起を有する形状物が好ましい。
【0028】
工程(2)(希土類元素の酸性水溶液の分離工程)
次いで、反応容器から希土類元素の酸性水溶液を抜き出し、液中に残存している珪酸ゲルおよび研磨パッド屑などの未溶解物を分離して除去する。分離除去する方法は、特に限定されないが、濾過や遠心分離などが適用できる。操作が簡単なことから濾過が好ましい。かくして、未溶解物を除去した希土類元素の酸性水溶液を取り出す。
【0029】
工程(3)(希土類元素の溶液から炭酸希土または蓚酸希土を生成する工程)次いで、希土類元素の酸性水溶液に、可溶性の炭酸塩または可溶性の炭酸水素塩、または蓚酸を加えて、該水溶液中の希土類元素を炭酸希土または蓚酸希土とする。
可溶性の炭酸塩または可溶性の炭酸水素塩としては、工程(3)における溶液(酸性溶液)に可溶性の塩であればよい。好ましくは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩である。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどが用いられるが、ナトリウムおよびカリウムが好ましい。アルカリ土類金属としては、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが用いられる。アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムの炭酸塩および炭酸水素塩の中でも、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムが好ましく、炭酸水素アンモニウムが特に好ましい。
【0030】
所望により、これらの炭酸塩、炭酸水素塩、または蓚酸を加えるに先立って、粒径制御を目的として、希土類元素の酸性水溶液を水で希釈することができる。通常、希釈するほど得られる粒子の粒径は大きくなる。
また、希土類元素の酸性水溶液のpH値を1〜7、より好ましくは1〜3に調整した後、炭酸水素アンモニウムまたは蓚酸を加えることが好ましい。pH値の調整は、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ成分を添加することにより行えるが、アルカリ成分の除去がし易いことからアンモニア水を用いることが好ましい。例えば、アンモニア水を用いる場合、その濃度は何ら限定されることはなく、通常5〜28質量%の範囲で選ばれる。
【0031】
アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムの炭酸塩および炭酸水素塩は、固体または水溶液の形態で加えることができるが、水溶液の形態が好ましい。
これらの炭酸塩および炭酸水素塩の水溶液、および蓚酸の濃度は格別限定されることはなく、5質量%〜97質量%の範囲で適宜選定できる。
アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムの炭酸塩または炭酸水素塩、および蓚酸の添加量は、希土類元素100質量部に対し193〜540質量部の範囲が好ましい。
上記の炭酸塩もしくは炭酸水素塩、または蓚酸を加えることにより、希土類元素を含有する酸性水溶液は、炭酸希土または蓚酸希土を含有するスラリーとなる

【0032】
工程(4)(炭酸希土または蓚酸希土を分離する工程)
次いで、炭酸希土含有スラリーまたは蓚酸希土含有スラリーを、例えば濾過することにより炭酸希土または蓚酸希土を分離する。所望により、分離された炭酸希土または蓚酸希土は、水洗し、再度濾過する。
【0033】
工程(5)(炭酸希土または蓚酸希土の焼成工程)
次いで、分離された炭酸希土または蓚酸希土を焼成して希土類酸化物とする。焼成は、炭酸希土または蓚酸希土を、大気中、600〜1200℃、好ましくは800〜1100℃にて0.5〜3時間程度、好ましくは0.5〜2時間程度行う。
焼成装置としては、箱型炉、回転炉、トンネル炉など、通常の焼成炉を使用することができる。
【0034】
工程(6)(希土類酸化物の回収工程)
焼成して得られた希土類酸化物は、回収し、粉砕して粒度(粒径およびその分布)を整え、精密研磨用の研磨材として再利用される。一般に、元の研磨材粒子の粒径と同じでもよいが、変えてもよい。例えば、平均粒径は0.1〜2μmの範囲にすることもできる。
【0035】
上記希土類酸化物の回収方法によれば、精密研磨用の研磨材として再利用できる高品質の希土類酸化物が得られるが、上記工程(1)に先立って、次の工程(i)〜(vi)を含む前処理を行い、次いで、得られた水酸化希土含有スラリーを上記工程(1)の希土類元素を含有する液として用い、上記工程(1)〜(6)を行うことによって、より純度が高く高品質の希土類酸化物を得ることができる。
【0036】
(i) 希土類元素を含有する液と硫酸を混合および加熱して液中の希土類元素を硫酸希土とし、
(ii) 該硫酸希土を含む液と水とを混合して硫酸希土を溶解し、
(iii) 得られた硫酸希土溶液から未溶解物を除去し、
(iv) 得られた溶液に硫酸ナトリウムを加えて希土類元素の複塩を形成し、さらに複塩を分離し、
(v) 該複塩を水に懸濁し、pH値を8〜13として希土類元素の複塩を水酸化希土とし、次いで
(vi)水酸化希土を分離し、回収する。
【0037】
以下、上記工程(i)〜(vi)を含む前処理について説明する。
工程( i (廃液中の希土類を硫酸希土とする工程)
希土類元素を含有する研磨廃液に硫酸を加え加熱する。
硫酸の濃度は格別限定されることはなく、例えば、濃度95質量%〜99質量%の濃硫酸を用いる。硫酸の量は、研磨廃液中の固形分100質量部に対して、80質量部〜450質量部加えることが好ましい。
【0038】
加熱は、90℃〜120℃で10分〜1時間加熱する。
硫酸を加えた液に過酸化水素を添加し、有機物成分、例えば、研磨パッド屑が分解した遊離炭素を炭酸ガスとして除去してもよい。過酸化水素を添加した後に、この液を200℃〜600℃で1分〜1時間再加熱し、液中の希土類元素を硫酸希土とする。好ましくは、デカンテーションまたは濾過などの方法により硫酸希土を分離する。
【0039】
工程 (ii) (硫酸希土に水を加えて硫酸希土を溶解する工程)
次いで、分離された硫酸希土、または硫酸希土含有液に水を加えて、硫酸希土を溶解または希釈する。それによって、次の濾過工程(iii)において、ガラス屑や研磨パッド屑などを効率よく取り除くことができる。
溶解または希釈に用いる水の量は、硫酸希土固形分100質量部に対して525質量部〜1900質量部の範囲で選ばれる。
【0040】
工程 (iii) (希釈された硫酸希土溶液から未溶解物を除去する工程)
希釈された硫酸希土溶液を、例えば濾過などの方法により、ガラス屑や研磨パッド屑などを取り除く。
【0041】
工程 (iv) (濾液に硫酸ナトリウムを加えて希土類元素の複塩を形成する工程)
希釈された硫酸希土溶液を濾過した後、濾液に、硫酸ナトリウムを加えて希土類元素の複塩を形成する。
硫酸ナトリウムは、固形状態のまま、または水溶液として加える。すなわち、濃度が5質量%〜100質量%の硫酸ナトリウムまたはその水溶液を、濾液100質量部に対して、1.25〜95質量部、好ましくは12.5〜80質量部加えて、希土類元素の複塩、例えば、R2(SO43・Na2SO4・2H2O(Rは、希土類元素)のスラリーを得る。スラリーを濾過などの方法により分離操作に付し、溶液を分離除去し、複塩を得る。
【0042】
工程 (v) (複塩にアルカリを加えて希土類元素の複塩を水酸化希土とする工程)
前工程(iv)で得られた複塩に水を加え、pH値を8〜13とし、希土類元素の複塩を水酸化希土とする。pH調整には、アルカリ、アンモニア水またはアンモニアガスを加えてpH値を8〜13とすることが好ましい。より好ましくは12〜13である。pH値をこの範囲内にすることにより、次工程での溶解性が改善し、希土類元素の回収率が改善する。
【0043】
アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが用いられる。アルカリは、固形状態のまま、または水溶液として加える。通常、濃度が10〜95質量%のアルカリ水溶液を、複塩100質量部の溶液に対して33〜322質量部加える。アンモニア水またはアンモニアガスの添加量は、アンモニア(NH)換算で、一般に3〜30質量部の範囲である。
【0044】
工程 (vi)(水酸化希土を回収する工程)
水酸化希土を含有する液を、例えば濾過して水酸化希土の沈殿を回収する。この回収した水酸化希土は、水に懸濁して、上記工程(1)以下の処理工程に供する。
【0045】
なお、変更態様として、工程(vi)において回収された水酸化希土を、上記工程(1)以下の処理工程に供することなく、大気中、600℃〜1400℃で焼成して水酸化希土を酸化希土類とすることができる。この変更態様に従って得られる酸化希土類は、研磨材として再利用可能ではあるが、上記工程(1)〜工程(6)を経て得られる酸化希土類と比較すると、その品質はやや劣る。
【0046】
また、本発明においては、上記工程(i)において、硫酸を加えるに先立って、希土類元素を含有する廃液に、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムまたは高分子凝集剤を加えて希土類元素を含有する固形物を沈降させ、該沈降物を分離回収する予備処理を行うことができる。予備処理の後に、該回収物に硫酸を加える。
硫酸アルミニウムおよびポリ塩化アルミニウムは、いずれも固体で、または、水溶液(通常、濃度10質量%以上)として用いることができる。本発明に用いることができる高分子凝集剤としては、例えば、クリフロック(クリタ工業(株)製)、オルフロック(オルガノ(株)製)などの市販品が例示できる。
【0047】
上記工程(1)〜工程(6)を経て回収された希土類酸化物は、粉砕して粒度(粒径およびその分布)を整えた後、精密研磨用の研磨材として再利用される。その研磨材としての利用は、当初の原鉱石から製造したセリウム(Ce)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)などの希土類元素の酸化物の微粉末からなる研磨材と同様である。
【0048】
研磨材の利用分野としては、例えば、光ディスクや磁気ディスク用のガラス基板、薄膜トランジスタ(TFT)型液晶ディスプレイ(LCD)やねじれネマティック(TN)型液晶ディスプレイ(LCD)などの液晶ディスプレイ用ガラス基板、液晶テレビ(TV)用カラーフィルタ、TV用などのブラウン管(CRT)、眼鏡レンズ、光学レンズ、LSIフォトマスク用ガラス基板、網入り板硝子、水晶振動子用基板などの研磨が挙げられる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例4以外の実施例は、参考例である。
【0050】
実施例1(研磨廃液からの希土類酸化物の回収)
ガラスディスクの研磨により生成した研磨廃液として表1に示す固形分組成の研磨廃液から希土類を回収した。
研磨廃液1リットルに、濃度20質量%の硫酸アルミニウム38gと高分子凝集剤(クリフロック;クリタ工業(株)製)0.2gを添加、混合して固形分を凝集沈降させ分離回収した。
回収した固形物100gを、濃度95質量%の濃硫酸262gの入ったビーカーに入れ、5分間撹拌した。ビーカーを100℃に加熱して、熱硫酸の脱水作用で有機物を分解して黒色の液状にした。次に過酸化水素水を20g滴下して遊離炭素を炭酸ガスとして除去した。 この処理により、希土類元素を含む研磨廃液に含まれる有機物を除去した。
【0051】
ビーカーを再度、300℃に加熱して、黄色固形物の硫酸希土とした。
この硫酸希土を5℃の冷水に溶かして、褐色透明の硫酸酸性水溶液とした。
この硫酸希土の硫酸酸性水溶液を濾過して、ガラス屑等の未溶解物を除去した。この処理により、未溶解物としてのガラス以外に、炭化物等も除去した。
濾液に濃度10質量%のNa2SO4水溶液413gを入れて撹拌し、複塩を生成した。
この複塩を濾過回収後、純水1500gを加えてスラリー化したのち、濃度20質量%の水酸化ナトリウム水溶液851gを添加、撹拌して塩基性の水酸化希土スラリーとした。この水酸化希土スラリーを濾過して、水酸化希土の固形物を約110g回収した。なお、この処理の際のpH値は、11.7であった。
【0052】
回収した固形物と純水1500gとを混合してスラリー化したのち、95℃に過熱し、濃度35質量%の塩酸182gを加えて固形物を溶解し塩化希土水溶液とした。この際の塩化希土水溶液は、黄色透明液若しくは緑色透明液として得られた。
この塩化希土水溶液を濾過して未溶解物を除去した。
この塩化希土水溶液に、濃度10質量%の炭酸水素アンモニウム水溶液1653gを添加、撹拌して炭酸希土の白色沈殿を得た。
この沈殿物を濾過、洗浄して得られた固形物を磁製容器に入れ、1000℃で1時間焼成して酸化希土類93gを得た。
酸化希土類として得られた回収物の組成を表1に示す
【0053】
実施例2(研磨廃液からの希土類酸化物の回収)
ガラスフィルターの研磨により生成した研磨廃液として表1に示す固形分組成の研磨廃液から希土類を回収した。
濃度98質量%の硫酸245gの入ったSUSビーカーに、100gの回収粉を入れ、SUSスパチラで撹拌し、時計皿で蓋をした。このビーカーをヒーターにのせ、600Wで30分間加熱したのち放置冷却した。
【0054】
得られた黄色固形物(硫酸希土)を乳鉢に移し、乳棒で解砕した。氷水で囲んだビーカーに1リットルの冷水を入れ撹拌した。この冷水に前記解砕物を徐々に入れて混合し、硫酸希土の硫酸酸性水溶液(褐色透明液)とした。
この硫酸希土の硫酸酸性水溶液を濾紙(No.5C、東洋濾紙(株))を用いて濾過し、濾液を回収した。
濾液に濃度15質量%の硫酸ナトリウム水溶液276gを添加し撹拌した。さらに濃度20質量%の水酸化ナトリウム水溶液約769gを添加撹拌して、pH値を6とし、複塩を生成させた。
【0055】
この複塩を濾紙(No.5C、東洋濾紙(株))で濾過して、固形分約217gをビーカーに回収した。回収した固形分に水を加えて攪拌し、約1.5リットルのスラリーとした。さらにこのスラリーに20質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加撹拌して、pH値を12とし、水酸化希土のスラリーとした。水酸化希土のスラリーを、濾紙(No.5C、東洋濾紙(株))で濾過して固形分約120gを回収した。
回収した固形物に水を加えて1リットルのスラリーとしたのち、撹拌しながら加熱して液温を95℃とした。この液に濃度35質量%の塩酸182gを添加し、さらに濃度30質量%の過酸化水素水21gを添加して固形分を溶解し、黄色透明若しくは緑色透明の塩化希土水溶液を得た。
【0056】
この液を濾紙(No.5C、東洋濾紙(株))で濾過して濾液をビーカーに回収した。
回収した濾液を撹拌しながら、濃度5質量%のアンモニア水を滴下して、pH値を1〜2に調整した。この液に濃度20質量%の炭酸水素アンモニウム水溶液833gを添加撹拌して、炭酸希土スラリーとした。
この炭酸希土スラリーを濾紙(No.5C、東洋濾紙(株))で濾過して固形分約197gを回収した。回収した固形分に純水1.5リットルを加えて撹拌したのち、濾紙(No.5C、東洋濾紙(株))で濾過して固形分を回収した。この作業はpH値が6〜8の中性スラリーになるまで繰り返した。
回収した固形分を1000℃で1時間、焼成して酸化希土類約95gを得た。酸化希土類として得られた回収物の組成を表1に示す。
【0057】
実施例3(希土類酸化物の回収)
ハードディスク用ガラス基板の研磨工程から排出された表1に示す固形分組成を有する研磨廃液から下記の手順によって希土類酸化物を回収した。
100g相当の固形分を含有する研磨廃液0.5リットルと、濃度35質量%の塩酸250gを、水冷管付のフラスコに収容し、その後加熱し、このフラスコ内の溶液の温度を103℃に保持した。この際、加熱により発生する蒸気を水冷管で液化してフラスコ内に戻すことにより、液面の低下を防止した。48時間加熱後、研磨廃液は緑色の希土類塩化物含有酸性水溶液と、白色の珪酸ゲルと、研磨パッド屑などの未溶解物の混合液となった。
【0058】
次いで、フラスコより水冷管を外し、その後上記の混合液を加熱し濃縮して、容量を半量とした。この加熱濃縮により、珪酸ゲルおよび未溶解物は、希土類塩化物含有酸性水溶液の液面上に浮上した。
その後、この濃縮液をフラスコから抜き取り、濾紙(NO.5C:アドバンテック東洋株式会社製)を用いて濾過し、希土類塩化物含有酸性水溶液から未溶解物を分離・除去した。
加熱濃縮操作により、希土類塩化物含有酸性水溶液から大部分の珪酸ゲルが除去されたために、濾紙による濾過分離時間が約1時間から約10分間に大幅に短縮された。また、加熱濃縮操作により珪酸ゲルに抱き込まれる希土類塩化物含有酸性水溶液がほとんどないため、加熱濃縮操作をしない場合に較べて、希土類塩化物含有酸性水溶液の収率が最終の希土類酸化物換算で82%から98%に向上した。
【0059】
また、加熱濃縮の際に発生する蒸気を水冷管付きフラスコに導入して液化させ、塩酸として回収した。この塩酸は原料として再利用することができる。
次いで、濾過操作により回収した希土類塩化物含有酸性水溶液を水で希釈して全量を1リットルとし、この溶液に、濃度10質量%の炭酸水素アンモニウム水溶液1653gを添加し、その後撹拌し、希土類炭酸塩の白色の沈殿物を得た。この沈殿物を含む水溶液を濾紙(NO.5C:アドバンテック東洋株式会社製)を用いて濾過し、その後洗浄した。
得られた固形物を磁製容器に収容し、大気中にて1000℃で1時間、焼成し、希土類酸化物98gを得た。
得られた希土類酸化物の組成を表1に示す。
【0060】
実施例4(希土類酸化物の回収)
液晶ディスプレイ(LCD)用ガラス基板の研磨工程から排出された表1に示す固形分組成を有する研磨廃液から下記の手順によって希土類酸化物を回収した。
100g相当の固形分を含む研磨廃液0.5リットルと、濃度35質量%の塩酸250gを、水冷管付のフラスコに収容した後、加熱し、103℃に保持した。48時間加熱した後、この研磨廃液は緑色の希土類塩化物含有酸性水溶液と、白色の珪酸ゲルと、研磨パッド屑などの未溶解物の混合液となった。
【0061】
次いで、フラスコより水冷管を外し、その後上記の混合液に沸石を投入した後、加熱し濃縮して、容量を半量とした。加熱により、この混合液中に沸石を起点とする細かい気泡が発生し、これに伴って珪酸ゲルが研磨パッド屑などの未溶解物とともに溶液の液面上に浮上した。さらに、これら浮上した珪酸ゲルおよび未溶解物は、気泡によりフラスコの内壁側に移動し、また、蒸発による液面低下によりフラスコ内壁に付着した。このフラスコの内壁に付着した珪酸ゲルは、フラスコ内壁によりさらに熱せられるために体積収縮が起こり、抱き込んでいた希土類塩化物含有酸性水溶液を放出した。この加熱濃縮操作がない場合の希土類塩化物含有酸性水溶液の収率は最終の希土類酸化物換算で73%であったが、この加熱濃縮操作により、希土類塩化物含有酸性水溶液の収率は95%に向上した。
【0062】
その後、この濃縮液を濾紙(NO.5C:アドバンテック東洋株式会社製)を用いて濾過し、残存している未溶解物を希土類塩化物含有酸性水溶液から分離し除去した。なお、上記の加熱濃縮操作により、希土類塩化物含有酸性水溶液から大部分の珪酸ゲルが除去されたために、濾紙による濾過分離時間が約3時間から約10分間に大幅に短縮された。
次いで、この希土類塩化物含有酸性水溶液を水で希釈して2リットルの水溶液とした。その後、この水溶液に濃度10質量%の蓚酸水溶液450gを添加し、撹拌して、希土類蓚酸塩の白色沈殿物を得た。
【0063】
この沈殿物を含む水溶液を濾紙(NO.5C:アドバンテック東洋株式会社製)を用いて濾過し、その後洗浄し、沈殿物を得た。
得られた沈殿物を磁製容器に収容し、大気中にて1000℃で1時間、焼成し、希土類酸化物95gを得た。
得られた希土類酸化物の組成を表1に示す。
【0064】
実施例5(希土類酸化物の回収)
実施例3と同様にして得られた希土類塩化物含有酸性水溶液を水で希釈して全量を1リットルとし、この溶液に、濃度10質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液1098gを添加し、その後撹拌し、希土類炭酸塩の白色の沈殿物を得た。
この沈殿物を含む水溶液を濾紙(NO.5C:アドバンテック東洋株式会社製)を用いて濾過し、その後洗浄し、得られた固形物を磁製容器に収容し、大気中にて1000℃で1時間、焼成し、希土類酸化物92gを得た。
得られた希土類酸化物の組成を表1に示す。
【0065】
実施例6(回収された希土類酸化物研磨材の再利用)
実施例5に記載の方法を繰り返し、回収された希土類酸化物を用い、下記の操作によって研磨材として再利用し、その研磨性能を評価した。
(i) 実施例5を繰り返して得られた希土類酸化物5kgに水を加えて濃度50質量%のスラリーにした後、さらに150gの分散剤(ポリアクリル酸ナトリウム)を加え、高分散処理機(ULTRA-TURRAXTM、T50basic、IKA-WERKE社)にかけてスラリーにした。
(ii) 次に、媒体型粉砕機(ビーズミル)にかけて湿式粉砕し、さらに湿式淘汰管分級して研磨用のスラリーを得た。分級の結果、研磨用スラリーとしなかった粗粒を含むスラリーおよび微粒を含むスラリーがそれぞれわずかに得られた。次回処理時に、粗粒を含むスラリーについては粉砕工程に戻し、微粒を含むスラリーについては研磨廃液に混合し、再利用した。
(iii) この研磨用のスラリーを用いてガラスディスクの研磨加工を実施し、そのときの研磨廃液を採取した。研磨加工に際し用いた洗浄水によって、研磨廃液の固形分濃度は10質量%となった。
【0066】
(iv) この研磨廃液をポリエチレン槽に入れ攪拌機で攪拌しながら、濃度35質量%の塩酸を加えてpH5とした後攪拌機を停止して懸濁スラリーを静置沈降させた後上澄み液を除去して濃度28質量%のスラリーを得た。
(v) このスラリー3.5kgを第1のガラス製セパラブルフラスコに入れた。さらに、8.4kgの濃度20質量%の塩酸を加えた。
(vi) セパラブルフラスコに、水冷管および棒温度計、二方コックを付けた三つ口セパラブルフラスコカバーをした後、マントルヒーターに入れて加熱した。このとき発生する蒸気は水冷管で冷却してセパラブルフラスコ内に戻した。
(vii) 液温120℃で3時間加熱した後、ニ方コックと水冷管付き第2のフラスコをチューブで接続し、第1のセパラブルフラスコの水冷管を閉じた後、ニ方コックを開けて、蒸気を水冷管付き第2のフラスコに導き入れ冷却して余剰の塩酸を回収した。この塩酸は次回の溶解の際に再使用した。
【0067】
(viii) この操作により第1のセパラブルフラスコ内の塩化希土水溶液が濃縮して、未溶解物および珪酸ゲルが浮上して容器内壁に付着した。
(ix) マントルヒーターの加熱を停止した後、棒温度計を外してガラス管をセパラブルフラスコ底部に挿入し、塩化希土水溶液を吸引回収した。
(x) 上記(v) から(ix)の操作を繰り返して得られた塩化希土水溶液をフィルター濾過したのち、炭酸水素アンモニウムを加えて炭酸希土スラリーを得た。次に、遠心脱水機で固液を分離して、炭酸希土の固形物を得た。次に、焼成して希土類酸化物を得た。 得られた希土類酸化物の組成を表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0004248937
【0069】
実施例7(研磨試験)
実施例5および実施例6で得られた研磨材、および実施例3において研磨廃液を得たハードディスク用ガラス基板の研磨に用いる研磨材について、それぞれ実施例6の(i),(ii)の操作をして研磨スラリーとした。これらのスラリーを用いて下記に示す被加工物の研磨を行った。ただし、研磨機として4ウエイタイプ両面研磨機(不二越機械工業(株)製「5B型」)を用い、研磨パッドとしてスウエードタイプのパッド(ロデール製「ポリテックスDG」)を用いた。また、スラリー供給量は60ml/min、下定盤回転数は90rpm、加工圧力は75g/cm、研磨時間は10minで研磨を実施した。研磨後、ガラス基板を研磨機より取出し、純水を用いて超音波洗浄を行い、その後乾燥させて以下の評価を行った。その結果を表2に示す。
なお、被加工物としては、予め市販の酸化セリウム系研磨材(「SHOROXH−1」、東北金属化学(株)製)で研磨しておいた磁気デ゛イスク用の径2.5インチのアルミノシリケートを主成分とするガラス基板(表面粗さRa=9オングストローム)を用いた。
【0070】
被加工物の評価
(1)除去速度
研磨前後におけるガラス基板の質量変化から除去速度(μm/min)を求めた。
(2)表面粗さRa
原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、ガラス基板表面の表面粗さRaを測定した。
(3)表面欠陥
微分干渉顕微鏡を用いてガラス基板表面を観察し、表面の付着状態、ビット、スクラッチの発生の有無などを調べた。スクラッチの評価は、ガラス基板表面に発生したスクラッチの本数で示し、表面欠陥の評価は、3段階の相対的な評価で行い、ピットの発生が殆どなく表面状態が良好である場合には「A」、ややピットの発生があり、実用上問題がある場合を「B」、表面状態が非常に悪い場合を「C」で示した。
【0071】
【表2】
Figure 0004248937
注:比較例1は、実施例3において研磨廃液を得たハードディスク用ガラス基板の研磨に用いる研磨材のスラリー
【0072】
表2から明らかなように、実施例5および実施例6の研磨材スラリーを用いて研磨した場合には、比較例1の通常の研磨材スラリーと同等の除去速度、表面粗さが得られるだけでなく、スクラッチの発生数の少ない良好な研磨表面を実現することができた。
【0073】
【発明の効果】
本発明の希土類元素を含有する廃液からの希土類酸化物の回収方法によれば、希土類元素を含有する廃液から、研磨材などとして再利用が可能な高品質の希土類酸化物を簡単なプロセスで、効率よく、しかも十分に高い純度で回収することができる。

Claims (18)

  1. 次の工程(1)〜(6)を含むことを特徴とする希土類元素を含有する液から希土類酸化物を回収する方法。
    (1)希土類元素を含有する液と酸とを混合および加熱して液中の希土類元素を溶解し、得られる混合液を還流下、沸騰石の存在下に加熱して、気泡を発生させながら濃縮し、該混合液に含まれる未溶解固形分を液面に浮上させ、
    (2)工程(1)で得られた希土類元素の溶液から未溶解物を除去し、
    (3)工程(2)で得られた希土類元素の溶液に、可溶性の炭酸塩もしくは炭酸水素塩、または蓚酸を加えて該溶液中の希土類元素を炭酸希土または蓚酸希土とし、
    (4)工程(3)で得られた炭酸希土または蓚酸希土を含むスラリーから炭酸希土または蓚酸希土を分離し、
    (5)分離された炭酸希土または蓚酸希土を焼成して、希土類酸化物とし、次いで
    (6)生成した希土類酸化物を回収する。
  2. 工程(1)が、希土類元素を含有する液と酸と過酸化水素とを混合および加熱して廃液中の希土類元素を溶解する工程である請求項1に記載の方法。
  3. 工程(1)における酸が、塩酸である請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程(1)における酸が、硝酸である請求項1または2に記載の方法。
  5. 工程(2)において、未溶解物を濾過によって除去する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 工程(3)において、希土類元素の溶液のpH値を1〜7に調整後、この液に可溶性の炭酸塩もしくは炭酸水素塩、または蓚酸を加えて該溶液中の希土類元素を炭酸希土または蓚酸希土とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 工程(3)において、アンモニアを用いてpH値を1〜7に調節する請求項に記載の方法。
  8. 工程(3)における可溶性の炭酸塩もしくは炭酸水素塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩である請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 工程(4)において、炭酸希土または蓚酸希土を、濾過によって分離する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 次の工程(i)〜(vi)を含む方法によって、希土類元素を含有する液から希土類水酸化物を回収し、回収された希土類水酸化物を水に懸濁し、得られたスラリーを、工程(1)において、希土類元素を含有する液として用いる請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
    (i) 希土類元素を含有する液と硫酸を混合および加熱して液中の希土類元素を硫酸希土とし、
    (ii) 該硫酸希土と水とを混合して硫酸希土を溶解し、
    (iii) 得られた硫酸希土溶液から未溶解物を除去し、
    (iv) 得られた溶液に硫酸ナトリウムを加えて希土類元素の複塩を形成し、さらに複塩を溶液から分離し、
    (v) 該複塩を水に懸濁し、pH値を8〜13として希土類元素の複塩を水酸化希土とし、次いで
    (vi)水酸化希土を分離し、回収する。
  11. 工程(iii)において、未溶解物を濾過によって除去する請求項10に記載の方法。
  12. 工程(v)において、アルカリ、アンモニア水またはアンモニアガスを加えることによって、懸濁液のpH値を8〜13とする請求項10または11に記載の方法。
  13. 工程(i)において、希土類元素を含有する液に、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムまたは高分子凝集剤を加えて希土類元素を含有する固形物を沈降させ、該沈降物を分離回収し、次いで該回収物に硫酸を加える請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 工程(i)において、希土類元素を含有する液に硫酸を混合した後に、過酸化水素水を加える請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
  15. 工程(1)または工程(i)において用いる希土類元素を含有する液が、研磨材を研磨に用い生じる廃液である請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法により希土類酸化物を回収することを含む、希土類酸化物からなる研磨材の製造方法。
  17. 研磨材を研磨に用い、生じる廃液から請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法により希土類酸化物を回収し、希土類酸化物からなる研磨材を得ることを含む研磨材の再利用方法。
  18. 研磨材を研磨に用い、生じる廃液から請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法により希土類酸化物を回収し、回収された希土類酸化物からなる研磨材を用いて再び研磨することを特徴とする研磨方法。
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