JP4969313B2 - 希土類元素の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、希土類元素を含有するスラリーから希土類酸化物を回収する方法、特に、廃研磨剤スラリーから高精度研磨加工用の原料として再利用できる高品質の希土類酸化物を回収する安価なプロセスに関する。
セリウム、ランタンを主成分とする希土類系研磨剤(以下、単に「研磨剤」とも称する。)は、ハードディスク等の磁気記録媒体用ガラス基板、光学レンズ、液晶ディスプレイのガラス基板、フォトマスク用ガラス基板等各種ガラス材料研磨用の研磨剤として広く用いられている。
前述した研磨剤による各種ガラス材料の研磨に際しては、微粒化した当該研磨剤を水系分散剤に分散させた研磨剤スラリーとして、このスラリーを被研磨材であるガラス材料と研磨パッドとの間を流動させることにより研磨作業を行っている。
通常、研磨剤スラリーは研磨プロセスにおいてリサイクル使用するが、研磨されたガラス成分の蓄積により研磨特性が徐々に低下していくので、フレッシュな研磨剤スラリーと断続的に置換することで研磨効率の維持を図っている。
通常、研磨プロセスから抜き出された廃研磨剤スラリーは、ポリ塩化アルミニウムや塩化第二鉄、高分子凝集剤等を添加して沈降させ、濾過分離した後の湿りケーキは、産業廃棄物と同等の扱いで処理されている。しかしながら、当該廃棄物には、セリウム以外にも、ランタン、プラセオジム、ネオジム等の貴重なレアアースが多く含有されているものである。したがって、これらを産業廃棄物として単に廃棄することなく、回収再使用することは、希土類研磨剤原料の安定的な確保や資源の有効利用の観点から極めて意義のあることである。このようにして、使用済み廃研磨剤スラリーから希土類成分を回収して再利用する、低コストの回収技術の開発が切望されている。
使用済み研磨剤をリサイクルする方法として、高温での再焙焼加工法が従来から知られているが、コスト的にも実用的でない。
これを改善する方法として、例えば特許文献1〜特許文献3に記載されているように酸処理を行い、研磨剤原料となる希土類元素を回収する方法や、また特許文献4〜特許文献5記載のようにアルカリ処理を行い、研磨剤として再生する方法が提案されている。しかしながら、(i)いずれの方法も稀土類元素の回収は可能であるが、アンモニアを含む多量の廃水や副産廃棄物を産出すること、(ii)回収された希土類元素中に溶存する鉄成分やアルミニウム成分の完全分離が難しい等の品質面での問題があった。
特に、廃研磨剤を酸に溶解して回収する際、中和剤として重炭酸アンモニウムを用いると、濾過性の良好な炭酸希土として回収することができ、好ましいが、当該方法では、高価な重炭酸アンモニウムを使用することや高濃度のアンモニアを含む廃液が副生し、この無害化処理等で大幅なコストがかかるという問題がある。
特許第3615943号公報(特許請求の範囲(請求項1〜請求項5))。 特開2004−175652号公報(特許請求の範囲(請求項1〜請求項23)) 特開2003−211356号公報((特許請求の範囲(請求項1〜請求項5)) 特許第3134189号公報(特許請求の範囲(請求項1〜2)) 特開2003−205460号公報(特許請求の範囲(請求項1〜請求項9))
本発明の目的は、上記従来法の問題点を解決し、希土類元素を含有する廃研磨剤スラリーから高品質な希土類酸化物を効率良く回収する安価なプロセスを提供することである。
本発明者らは、かかる点に鑑み鋭意検討した結果、中和剤として重炭酸アンモニウムを用いる方法において、反応で副生する炭酸ガスとアンモニウム塩水溶液からCO2とNH3を分離し、これを重炭酸アンモニウムとしてリサイクル使用するとともに、また、炭酸希土類(以下、「炭酸希土」ともいう。)の分離・回収に際し、過酸化水素の存在下、予め特定のpHで固液分離することにより、溶解共存している鉄イオン等の不純物を選択的に沈殿除去でき、高純度の炭酸希土類を容易に製造することが可能であることを見いだし、本発明を完成した。
本発明に従えば、以下の重炭酸アンモニウムの再利用を伴う希土類元素の回収方法が提供される。
〔1〕
次の工程(1)〜(5)からなる第一の工程〔I〕において、希土類元素の酸化物を含む廃研磨剤スラリーから当該希土類酸化物を回収し、次いで工程(6)〜(7)からなる第二の工程〔II〕において、第一の工程〔I〕で炭酸希土の沈殿剤として用いられる重炭酸アンモニウムを再生し、当該再生重炭酸アンモニウムを前記第一の工程〔I〕で再利用することを特徴とする重炭酸アンモニウムの再利用を伴う希土類元素の回収方法。
ここで、第一の工程〔I〕は、
(1)希土類酸化物を含有するスラリーを撹拌条件下で酸化・還元剤および酸と混合して加熱溶解し、(工程(1))
(2)得られた希土類元素溶液のpHを適正条件に調節した後、固液分離手段により不溶解成分を分離し、(工程(2))
(3)この溶液に重炭酸アンモニウムを加えて炭酸希土を析出させ、(工程(3))
(4)得られた炭酸希土含有スラリーから炭酸希土を分離し、(工程(4))、及び
(5)これを焼成して希土類酸化物とし、生成した希土類元素を回収する、(工程(5))
からなり、また、
第二の工程〔II〕は、
(6)炭酸希土を分離したアンモニウム塩水溶液に強アルカリ剤を添加してアンモニアを発生させ、これを凝縮してアンモニア水溶液として回収し、(工程(6))、及び
(7)次いでプロセスから発生する炭酸ガスを接触させて重炭酸アンモニウムの溶液またはスラリーを形成させ、得られた重炭酸アンモニウムの溶液またはスラリーを炭酸希土を形成させる沈殿剤として再利用する、(工程(7))からなる。
〔2〕
工程(1)が、希土類元素の酸化物を含有するスラリー、酸、及び酸化・還元剤とを混合および加熱してスラリー中の当該希土類元素を溶解する工程であることを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔3〕
工程(1)における酸が、塩酸または硫酸であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔4〕
工程(1)における酸化・還元剤が、過酸化水素であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕
工程(1)の加熱温度が50℃以上であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕
工程(2)のpH条件が5〜6であり、pH調節剤が可溶性のアルカリ金属塩であることを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔7〕
工程(2)における未溶解成分の固液分離手段が濾過によることを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔8〕
工程(3)で添加される、重炭酸アンモニウムの形態が溶液またはスラリー状であることを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔9〕
工程(4)において、生成した炭酸希土を濾過、洗浄して分離、精製することを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔10〕
工程(5)の焼成において、空気雰囲気中で温度が300〜1200℃であることを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔11〕
工程(6)において、強アルカリ剤が水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化カルシウムであることを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔12〕
工程(6)において、空気をアンモニウム塩水溶液に吹き込み発生アンモニアをストリッピングさせることを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔13〕
工程(6)において、凝縮されたアンモニア水溶液の濃度が1〜5質量%であることを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔14〕
工程(7)における、接触温度が10〜40℃であることを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔15〕
工程(7)における重炭酸アンモニウムの濃度が5〜25質量%で、その形態が溶液あるいはスラリーであることを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔16〕
研磨剤を研磨に用い、生じる廃研磨剤スラリーから〔1〕〜〔15〕のいずれかに記載の方法により希土類元素を回収し、得られた希土類元素を再び研磨剤の原料として用いることを特徴とする希土類元素の回収方法。
以下に詳述するように、本発明によれば、研磨速度が大幅に低下し通常は廃棄されているセリウム等の希土類元素を含有する廃研磨剤スラリーからの希土類元素の回収方法が提供されるものであって、当該廃研磨剤スラリーに対し、酸と酸化・還元剤を用いて酸化希土成分を選択的に溶解せしめることができ、また、溶解酸化希土成分を、炭酸希土として分離・回収するに際し、過酸化水素の存在下、予め特定のpHで固液分離することにより、溶解共存している鉄イオン等の不純物を選択的に不要固体成分として、分離することによって、研磨剤原料として再利用可能な高純度の炭酸希土を得、これを焼成して容易に酸化希土を回収することができる。
さらに本発明によれば、酸を用いて酸化希土成分を選択的に溶解せしめたその酸性水溶液に、重炭酸アンモニウムを加えて反応させ、炭酸希土を生成、晶析させるが、さらに、当該反応工程で副生するアンモニウム塩中のアンモニアを、この反応薬剤として用いる重炭酸アンモニウムとして回収、再利用するので、高価な重炭酸アンモニウムをリサイクル使用できるとともに、工程廃液の無害化処理が容易である。
以下、本発明を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の特徴である重炭酸アンモニウムのリサイクル工程を含む希土類元素の回収工程を示すフロー図である。ここで廃研磨剤スラリー10が回収処理の対象になる出発スラリーである。
廃研磨剤スラリー10には、主成分である酸化希土、フッ化希土のほかに、研磨されたガラス成分であるケイ素やアルミニウム化合物、砕かれたガラスカレット、パッド繊維、その他の異物が混入している。廃研磨剤スラリーの成分は、使用するプロセス条件によっても変化するが、通常、固形分濃度約5〜50%の状態で研磨工程9から排出される。その組成は、乾燥品基準の希土類酸化物換算量TREO(=(全希土酸化物質量/全酸化物質量)×100))が82質量%程度(この内、約25質量%がフッ化希土成分)、ケイ素化合物が約5質量%、アルミニウム化合物や鉄化合物が約1質量%、その他ガラス粉やパット繊維などの異物が混入している。
廃研磨剤スラリー10は、研磨工程9において、循環させながら繰り返し使用した研磨剤スラリーを、最終的に重力沈降法による濃縮により、酸化希土成分換算(TREO)で約30質量%のスラリーとして調製したものである。
なお、当該スラリーの重力沈降法による濃縮に際しては、当該廃研磨剤スラリー単独で行ってもよいが、市販されている高分子凝集剤を併用した方がより効果的に当該沈降濃縮が行われる。これが工程(1)で処理される廃研磨剤スラリーの出発原料となる。
(工程(1))
(廃研磨剤スラリー中の希土類元素を溶解して、希土類溶液を得る工程)
まず、反応容器に廃研磨剤スラリー10を採取し、これに所定量の酸20と過酸化水素等の酸化・還元剤30を添加して撹拌しながら加熱、反応せしめ、スラリーを溶解33する。
反応容器としては、特に限定するものではないが、少なくとも撹拌手段、廃研磨剤スラリー、酸、酸化・還元剤等の導入手段、加熱手段等を備えた撹拌槽型のものが好ましい。
ここで用いる酸20としては、スラリー10に含まれる希土類元素を溶解可能な鉱酸であればよく、塩酸、硫酸および硝酸の中から選ばれるが、排水処理の観点から塩酸または硫酸が好ましく、特に好ましくは塩酸である。
酸の濃度は特に限定するものではないが、たとえば塩酸を用いる場合は、工業的には35質量%の濃塩酸を用いることができる。また、その酸の添加量は、廃研磨剤スラリー100部に対して、40〜60部、好ましくは50部程度を添加する。添加量が40部未満では希土類元素の不溶解分が多くなり、また添加量が60部を超えると、それ以上の効果が奏されるものではなく、単に無駄に消費される薬剤(酸)量が多くなるのみであるため、好ましくない。
また、酸化・還元剤30としては、過酸化水素を用いることが好ましい。過酸化水素は希土類元素や不純物成分に対して、酸化剤あるいは還元剤として作用することが知られている。例えば、セリウム元素に対しては還元剤として作用して、塩酸や硫酸等の鉱酸に溶解性の低いCe(IV)の形成を抑制する。一方、ネオジムや鉄に対しては酸化剤として作用し、Nd(III)、Fe(III)が形成する。すなわち、ネオジムは酸化されることで鉱酸に対して溶解性を増し、鉄は酸化されることで後の工程(2)において不溶性の水酸化物を形成し、希土類元素との分離が容易になる。
このように過酸化水素は、希土類元素の溶解性向上や鉄等不純物の溶解性低減を目的として添加するものであるが、その添加量は、廃研磨剤スラリー100部に対して30質量%濃度換算で5〜6部の範囲であることが好ましい。
かくして、稀釈した廃研磨剤スラリー10に塩酸等の酸と過酸化水素等の酸化・還元剤を加えて撹拌しながら加熱することにより希土類成分のうち酸化希土成分のみが選択的に溶解33されるが、同時に、鉄成分のほぼ全量とシリカ、アルミナ成分の一部も溶解した高粘性スラリー35が形成される。
加熱温度は、上記反応による酸化希土成分の溶解が十分速く、かつ、形成されるスラリーの粘性が取り扱い易い範囲に保持できるものであれば、特に限定するものではないが、50℃〜還流温度(約100℃)の範囲が好ましく、特に50〜70℃の範囲がより好ましく採用される。
撹拌手段としては、スラリー中の固体粒子を十分浮遊させて固液反応をスムースに行わせうるものであれば特に限定するものではないが、通常は撹拌翼が採用される。撹拌翼としてはパドルやアンカー翼が好ましく、回転速度としては、翼周速度0.1〜1m/秒、好ましくは0.3〜0.6m/秒の条件が採用される。
反応時間は、反応温度によっても変わりうるが、通常2時間〜20時間、好ましくは3〜10時間程度である。なお、還流温度(約100℃)で反応を実施する場合は、撹拌条件下で4時間以上、好ましくは5時間程度撹拌処理することにより、上記酸化希土成分の溶解反応が完結する。
(工程(2))
(希土類元素の酸性溶液からSi,Al,Fe,未溶解希土残渣の分離工程)
工程(1)の終了した上記スラリー(酸性スラリー)35に、pH調節剤40として、可溶性のアルカリ成分を添加し、pHを調節43し、pHを高めることにより、溶解している鉄(Fe),シリカ(Si),アルミニウム(Al)成分のみを選択的に析出させることができる。
このpH調節の際のpH条件としては、好ましくはpH5〜6、さらに好ましくはpH5.3〜5.6の範囲、最も好ましくはpH5.5となるように制御する。pH5未満では、Fe,Si,Al成分の全量が完全に析出せず、また、pH6を超えると、Al、Si成分の再溶解や希土類元素の析出が起こってしまうので好ましくない。
pH調節剤40である可溶性のアルカリ成分としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またアンモニウム塩であれば良いが、沈殿物の濾過性の観点からアルカリ金属の炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウム(重炭酸ソーダ)や炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)を用いるのが好ましい。例えば、NaHCO3、Na2CO3、NH4HCO3、NaOH等が好ましく使用される。
なお、酸性のスラリー35にpH調節剤として炭酸ナトリウム溶液を添加する場合は、反応により二酸化炭素ガス(炭酸ガス)が生成、放出され、溶液は見掛け上沸騰状態になる。したがって反応器には、好ましくは還流コンデンサーを設置し、放出炭酸ガス(及び同伴水蒸気)を冷却して、水蒸気のみを凝縮後、後記する工程(7)における炭酸ガス吸収装置に導入・回収することが好ましい。
以上のようにして、pH調節後、スラリーを撹拌しながら冷却し、40〜50℃程度の温度の条件下で沈殿した鉄、シリカ、アルミナ成分、フッ化希土を主成分とする溶解残渣等を固体不要成分53として濾過等の固液分離手段50により分離する。基本的には、シリカ、アルミナ成分の水酸化物は難濾過性であるが、炭酸塩として析出させること、及び、研磨剤の溶解残渣が濾過助剤となって、効率よく濾過等により固液分離される。濾過等の温度は、必ずしも上記範囲に限定されるものではないが、温度があまり高すぎると、作業環境上好ましくないので40℃前後で操作するのが好ましい。
固液分離手段として、濾過による場合、濾過装置としては、フィルタープレス、ドラムフィルター、または、ポンプ加圧式ラインフィルター等が用いられるが、安全性の観点から、配管ラインに設置されたラインフィルター内をポンプ循環させて処理するのが好ましい。また、濾過分離の場合、処理量や、固体の濾過性等に応じて、濾布、セラミックフィルター、濾紙等適当な濾布を使用することができる。
かくして、工程(2)において、固体不純物(固体不要成分)53が除去され、希土類元素が溶解した酸性水溶液60が取り出される。
(工程(3))
(希土類酸性水溶液から炭酸希土を生成させる工程)
かくして得られた希土類元素の酸性水溶液60を適当な反応器に導入し、重炭酸アンモニウム70を添加して、炭酸希土として生成・晶析80させると同時に、炭酸ガス90を放散する。重炭酸アンモニウムを晶析剤として用いることにより濾過性の良好な炭酸希土の結晶をうることができる。
反応容器としては、酸性水溶液60及び重炭酸アンモニウム70の導入手段、撹拌手段、加熱手段等を備えた撹拌槽型反応器が好ましい。添加する重炭酸アンモニウム70の形態や濃度はなんら限定されるものではなく、水溶液やスラリー状態で添加しても良いが、特にハンドリングの観点から、濃度5〜10%範囲の重炭酸アンモニウムの水溶液として使用することが好ましい。
重炭酸アンモニウム70の添加量は、酸性水溶液60の酸性分を中和するに必要十分な量であれば良く、その量は、工程(1)の廃研磨剤量100部あたり、乾燥品基準で10〜20部を添加するのが好ましく、さらに好ましくは12〜15部である。
重炭酸アンモニウム70の酸性溶液60への添加は、反応で生成した炭酸ガス90を、よりスムースに系から放散させるために、できるだけ高温下で行うのが好ましい。通常は、例えば加熱手段である反応器のジャケットに、80℃前後の温水を循環し、加熱しながら撹拌条件下に、2〜3時間かけて重炭酸アンモニウムの分割添加を実施する。
(工程(4))
(炭酸希土の分離工程)
上記炭酸希土含有スラリー83を、60℃以下、好ましくは40〜50℃まで冷却してから、固液分離100、例えば濾過することにより、炭酸希土85と、アンモニウム塩水溶液95とを分離する。分離された炭酸希土85は、さらに質量で1〜3倍量程度の水で洗浄することにより、付着母液として同伴される廃研磨剤スラリー中の不純物の再混入を抑制することが好ましい。なお、より充分に洗浄するため、分離した炭酸希土のケーキを再度水に分散(リパルプ)させてスラリーとして、固液分離操作を行う操作を繰り返してもよい。このようにして、工程(4)において、生成した炭酸希土は濾過、洗浄することにより、分離、精製されるものであり、ここにいう固液分離100は、濾過・洗浄を含む操作である。
(工程(5))
(酸化希土の回収)
工程(4)で固液分離100された炭酸希土85を乾燥・焼成110して、酸化希土とする。乾燥は、40〜200℃程度で行われる。乾燥装置としては、箱形乾燥器、バンド乾燥器、真空乾燥器等任意のものが使用される。また、焼成は炭酸希土85を、大気雰囲気中、300〜1200℃、好ましくは400〜1100℃、さらに好ましくは500〜1000℃で、1〜3時間程度、好ましくは1.5〜2時間程度行う。焼成装置としては箱型炉、回転炉、トンネル炉等の通常の焼成炉が使用される。
焼成して得られた希土類酸化物(酸化希土)88は、回収酸化希土として、解砕後に通常の研磨剤製造ラインの微粒化処理工程に投入され研磨剤の原料として再利用される。
以上が第一の工程〔I〕である。すなわち、工程〔I〕において、工程(1)〜(5)が実施され、希土類元素の酸化物を含む廃研磨剤スラリーから当該希土類酸化物が回収される。
次に、第二の工程〔II〕について述べる。工程〔II〕においては、以下の工程(6)〜(7)が実施され、第一の工程〔I〕で炭酸希土の沈殿剤として用いられた重炭酸アンモニウムを再生し、当該再生重炭酸アンモニウムが前記第一の工程〔I〕で再利用される。
(工程(6))
(アンモニアの回収)
上記した工程(3)においては、次式の反応により、投入した重炭酸アンモニウム70と等モルの塩化アンモニウムあるいは1/2モル量の硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩95と、1/2モル量の炭酸ガス90が、副生する。
図1のフローシートに示すように、塩化アンモニウムや硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩は、母液中に溶解して塩化アンモニウム水溶液や硫酸アンモニウム水溶液のようなアンモニウム塩水溶液95として留まり、生成炭酸ガス90は、反応槽上部からガスとして系外に排出される。
ここで、酸性分が塩酸の場合と硫酸の場合、反応は以下のとおりである。

(1)酸性分が塩酸の場合(Ln:希土類元素)

2LnCl3+6NH4HCO3=Ln2(Co33+6NH4Cl↓+3H2O+3CO2
(2)酸性分が硫酸の場合

Ln2(SO43+6NH4HCO3
=Ln2(CO33↓+3(NH4)2SO4+3CO2
(アンモニア回収方法)
以下に酸性分が塩酸である場合を例にとって、アンモニアの回収方法を説明する。
約0.6モル/L濃度の塩化アンモニウム水溶液95に、可溶性の強アルカリ剤97を添加してアンモニア98を遊離させる。
ここで言う、可溶性の強アルカリ剤としては、ナトリウム、カリウム、カルシウムの水酸化物が挙げられるが、特には水酸化ナトリウムが好ましい。
すなわち、塩化アンモニウム水溶液95のpHが10以上、好ましくはpH12〜13になるように、水酸化ナトリウム等の強アルカリ剤97を添加することにより、次式により、ほぼ定量的にアンモニア98が遊離されるのである。

NaOH+NH4Cl+H2O=NaCl+H2O+NH3
次いで、この水溶液95に少量の空気を吹き込みながら高温下でアンモニアをストリッピング120して、この揮発したアンモニアと水蒸気を含むストリッピングガス98の温度を下げ、アンモニア水溶液135を凝縮させ回収130する。
当該ストリッピング120は、バッチ操作で実施してもよいが、気液の接触が良好な濡れ壁塔や棚段あるいは充填塔方式が採用され、予め加温された塩化アンモニウム水溶液95を、これらの濡れ壁塔などの塔上部から供給し、塔下部から、熱空気と、必要に応じて水蒸気を供給し、上方から液を流下させ、下方より熱空気を上昇させ、塔内で向流接触せしめて、ストリッピングする方式が好ましい。
具体的には、当該ストリッピング120の温度は、70〜100℃、好ましくは85〜95℃が採用される。この温度及びpH条件下で、塔頂から供給される塩化アンモニウム水溶液95を、例えば100kg/時の速度で導入した場合、これに対し、塔底から、空気を、1〜15kg/時、好ましくは3〜10kg/時、さらに好ましくは4〜6kg/時の速度で導入する。
ここで導入する空気量(空気流量)がアンモニア水溶液量に対してあまり多すぎると、ストリッピングされるアンモニアに同伴される水蒸気量が非常に多くなること、また次の凝縮工程でのアンモニアの回収率が低下することになり、好ましくなく、一方、導入空気量があまり少なすぎると、アンモニアのストリッピング効率が低下するため、上記範囲の流量を採用し、制御することが好ましい。
次いで、このストリッピングガス(アンモニア蒸気、水蒸気)98を、30℃以下、好ましくは20〜35℃まで冷却するアンモニア凝縮・回収工程130に導入し、塔頂から放出されたアンモニアガスの95%以上をアンモニア水溶液135として回収する。なお、当該水溶液135は、必要に応じて、プロセス水で稀釈し、1〜5質量%、好ましくは1.5〜2質量%のアンモニウム水溶液として回収される。
なお、アンモニウム塩水溶液95において、アンモニアガス98をストリッピング120した残りの水溶液(釜残)99については、無害の塩(NaCl、Na2SO4等)を含むだけであるから過剰のアルカリを酸(pH調整剤)142で中和140した後、中和液を問題なく放流145することができる。
(工程(7))
(炭酸ガスの回収および重炭酸アンモニウムの合成)
反応器から排出された炭酸ガス90は、上記工程(6)で回収されたアンモニア水溶液135により反応吸収され、次式により重炭酸アンモニウム70として回収される。

NH3+H2O+CO2=NH4HCO3
反応吸収の液温度は10〜40℃、好ましくは20〜30℃の範囲で制御する。
この炭酸ガス90を吸収し重炭酸アンモニウム70を形成させる装置は、通常の吸収塔方式でも良いが、局部的に濃縮された重炭酸アンモニウムが析出する場合もあるので撹拌槽形式が好ましい。すなわち、反応吸収を行う反応容器Rとしては、図2に示したような、炭酸ガス導入手段1、撹拌手段2、温度調節手段3、コンデンサー4、向流接触式吸収塔5を備えた撹拌式吸収装置が好ましい。なお、6は、アンモニア水溶液135を濃度調節した反応吸収用アンモニア水である。そして、前段にかかる撹拌式吸収装置を、後段に棚段塔や充填塔、濡れ壁塔などの向流接触方式吸収塔と組み合わせて使用すれば好適である。なお、必要に応じてフレッシュな炭酸ガス138や希釈水を供給して液中の重炭酸アンモニウムの濃度を飽和溶解度以下である5〜25質量%、好ましくは8〜10質量%の範囲で制御する。当該濃度があまり低すぎると吸収装置の設備負荷が高くなり、また濃度があまり高すぎると、重炭酸アンモニウムスラリーが形成されるので、この範囲内で制御するのが好ましい。
撹拌式吸収装置としては、撹拌翼付回分式、連続式いずれを採用してもよく、アンカー、タービン、パドル、フルゾーン翼等を装備した槽型吸収装置でも良いが、市販されている撹拌式ガス吸収設備から適宜選択することができる。
アンモニア水溶液135(反応吸収用アンモニア水6)との反応吸収で生成した重炭酸アンモニウム70の溶液は、一旦中間タンクにストックされた後、工程(3)の炭酸希土形成工程に供給され、炭酸希土類を生成させる晶析剤として好適に再利用される。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし、これらは単なる実施の態様の一例であり、本発明の技術的範囲がこれらによりなんら限定的に解釈されるものではない。なお、%とあるものは、とくに断りなき限り、質量%である。
〔実施例1〕
(1)(廃研磨剤スラリーの希土類元素を溶解して、希土類溶液(スラリー)生成、工程(1))
処理操作は、図1のフローシートに従って行った。
出発原料の廃研磨剤スラリー10は以下のようにして調整したものである。すなわち、
ガラスディスクの研磨により生成した廃研磨剤スラリーを採取し重力沈降処理して、乾燥基準での固形分濃度が約30質量%のスラリーを調整した。
なお、このスラリーの一部を採取し、空気中100℃の条件下で1昼夜乾燥させた粉体について蛍光X線法で求めた成分元素の量は表1に示す結果であった。
Figure 0004969313
まず上記廃研磨剤スラリー10を、酸20と酸化・還元剤30と加熱・溶解する操作を行った。当該スラリー1kgを、翼径60mmφのパドル型撹拌翼、還流コンデンサーを備えた、内径150mmφ、内容積約3.5Lのセパラブルフラスコ(恒温水槽内に設置)に採取して、35質量%塩酸水溶液510g、30質量%過酸化水素水溶液50g、を添加した。次いで約150rpmの速度で撹拌しながら加温し、液温80〜85℃の条件下で4時間保持して希土類化合物の大半を溶解させた。
(2)(希土類元素の酸性溶液(スラリー)からSi,Al,Fe,未溶解残渣の分離、工程(2))
次いで、この酸性溶液(スラリー)35に、pH調節剤40として、10%濃度の炭酸ソーダ溶液を添加してpH5.5にpH調節43した。
この際、中和反応で生成した炭酸ガスが、水蒸気を伴って放散され、溶液は見掛け上沸騰状態になるので、還流コンデンサーで冷却して水蒸気を凝縮後、後記する工程(7)における炭酸ガス吸収装置に導入してアンモニアで反応吸収させ、その大半を重炭酸アンモニウムとして回収した。
pH調節後、120rpmの撹拌条件下で約1時間かけて40℃まで冷却した後に撹拌を停止して内容物を抜き出した。
次いで、内径300mmφのヌッチェ式吸引濾過器で、No5A濾紙(アドバンテック東洋社製)を用いて未溶解成分を固体不要成分53として固液分離50し、希土類元素が溶解した塩酸酸性水溶液60を回収した。
濾別した固形分(固体不要成分)の乾燥品基準の質量は30.5gで、蛍光X線法による分析から、その成分は、鉄、アルミニウム、シリカ、フッ化希土であることが確認された。
(3)(希土類溶液からの炭酸希土を生成・晶析:工程(3))
濾別された希土類元素が溶解した酸性水溶液60の全量を、2Lセパラブルフラスコに採取し、この溶液を120rpmの速度で撹拌しながら約60℃まで加温した。次いで、約9質量%濃度の重炭酸アンモニウム70の溶液1300gを逐次添加して、下記の反応を逐次行わしめ、炭酸希土の結晶を生成・析出80させた。

2LnCl3+6NH4HCO3 (Ln:希土類元素)
→Ln2(CO33↓+6NH4Cl+3CO2
添加した重炭酸アンモニウム70は、上式に示されているように、塩化希土と反応して炭酸希土が生成するとともに、炭酸ガスを放出する。重炭酸アンモニウム添加後約20分で炭酸ガスの発生がなくなり反応の終息が確認できたので、40℃まで冷却して撹拌を停止した。なお、反応で副生した炭酸ガスは反応器上部の還流コンデンサーで冷却した後、工程(7)における炭酸ガス吸収装置に導入してアンモニアと反応させ重炭酸アンモニウムとして回収した。
(4)(炭酸希土の分離、工程(4))
上記炭酸希土含有スラリー83を、内径200mmφのヌッチェ式吸引濾過器でNo.5A濾紙(アドバンテック東洋社製)を用いて濾過100し、濾別後100gの純水で3回洗浄して回収し、空気中100℃の温度条件下で一昼夜乾燥し240gの炭酸希土85の乾燥ケーキを得た。
回収した炭酸希土85のICP発光分析法(島津製作所製)による分析値を表2に示す。表から明らかなように、研磨および研磨剤スラリー濃縮工程で混入した微量不純物成分(コンタミ)である、シリカ、アルミナ、鉄成分は99%以上除去されており、純度的には工業的に入手したものと遜色なく、酸化希土成分換算での回収率は約70%であった。

Figure 0004969313
(5)(酸化希土の回収及び研磨特性)
上記のごとくして回収された炭酸希土85を、温度400℃、500℃、及び600℃の各温度条件で熱処理して酸化希土88とした後、所定の条件下で粉砕し、同時に粉砕処理調整されたフッ化希土と所定条件で調合、混合、焼成、粉砕、分級、スラリー化(約15質量%濃度)処理して再利用し、TAMI産業社製6B型研磨器を用いて研磨特性を評価した。
回収炭酸希土の熱処理温度がそれぞれ、400℃、500℃、600℃で得られた酸化希土について、研磨速度、表面状態を評価した結果を表3に示す。
表3から明らかなように、回収炭酸希土を500℃及び600℃で熱処理したものは通常の原料(フレッシュな原料)で製造した研磨剤と同等の研磨特性が得られることがわかった。
Figure 0004969313
(6)(アンモニアの回収)
工程(4)において、炭酸希土スラリー83から炭酸希土の分離作業を行い得られた濾液(アンモニウム塩水溶液95)の約2900gを、撹拌翼付5Lセパラブルフラスコに仕込み外部加熱により液温度を95℃にコントロールした。
次いで、撹拌条件下、約1L/分の空気をバブリングしながら強アルカリ剤97である25%の苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を、約1時間かけて連続添加して溶液のpHを13まで高めた。
苛性ソーダの添加に伴い、アンモニウム塩から弱アルカリであるアンモニア98が遊離する。発生したアンモニアガス98と水蒸気は、吹きみ空気でストリッピングされ、空気同伴で撹拌槽上部から抜き出した後、コンデンサーで15〜20℃まで冷却して凝縮130せしめ、アンモニア凝縮液(アンモニア水溶液)135を約360g回収した。回収凝縮液中のアンモニア濃度は約6.4質量%であり、濾液中(アンモニア水溶液中)に溶解していた塩化アンモニウムの約88%がアンモニアとして回収できたことがわかった。
(7)(炭酸ガスの回収及び重炭酸アンモニウムの合成、工程(7))
工程(7)を、図2に示したような、炭酸ガス導入手段(導入管)1、撹拌手段2、温度調節手段3、コンデンサー4、向流接触式吸収塔5を備えた撹拌式吸収装置(コンデンサー付撹拌槽)R(内径φ120mm×槽高h150mm、パドル式撹拌翼(10H×60W)付)により実施した。すなわち、このコンデンサー付撹拌槽Rに、上記回収した、6.4質量%のアンモニア水溶液135の全量と、25%の試薬アンモニア水15g、及び760gの水を添加した反応吸収用アンモニア水6を仕込んだ。
これを150rpmの速度で撹拌しながら、外部ジャケット3に冷水を流して内温を20℃に、上部コンデンサー4を10℃まで冷却した。
次いで、この撹拌槽の炭酸ガス導入管1より、炭酸ガス90(酸性希土類水溶液60に、重炭酸アンモニウム70を添加し炭酸希土を生成させた際に発生した反応生成ガス)を、吸収用アンモニア水6にバブリングさせ、炭酸ガスを反応吸収させ、重炭酸アンモニウムを生成させた。
反応吸収により合成した回収重炭酸アンモニウム水溶液の一部を採取して蒸発乾固法より求めた固形分濃度は9.2質量%であり、これから計算した重炭酸アンモニウムの生成量は115gであった。
これは炭酸希土生成工程(炭酸希土晶析工程)で発生したと推定される炭酸ガス90の約93%が重炭酸アンモニウム70として回収されたことを意味しており、この水溶液に必要に応じてフレッシュな重炭酸アンモニウムや水分を追加して、そのまま炭酸希土生成・晶析工程80にリサイクルして炭酸希土合成(工程(3))の原料として再利用することができることが示された。
本発明によれば、研磨速度が大幅に低下し通常は廃棄されている希土類元素を含有する廃研磨剤スラリーから高品質の希土類酸化物を効率良く回収し、これを再び高い研磨速度を有する研磨剤として使用することを可能にする安価なプロセスが提供される。
また本発明によれば、鉱酸を用いて酸化希土成分を選択的に溶解せしめたその酸性水溶液に、重炭酸アンモニウムを加えて反応させ、炭酸希土を生成、晶析させるが、さらに、当該反応工程で副生するアンモニウム塩中のアンモニアを、この反応薬剤として用いる重炭酸アンモニウムとして回収、再利用するので、高価な重炭酸アンモニウムをリサイクル使用できるとともに、工程廃液の無害化処理が容易である。
さらに本発明によれば、溶解炭酸希土成分を炭酸希土として分離・回収するに際し、過酸化水素の存在下、予め特定のpHで固液分離することにより、溶解共存している鉄イオン等の不純物を選択的に沈殿除去でき、高純度の炭酸希土類を容易に製造し、回収することができるものであるから、その産業上の利用可能性はきわめて大きい。
本発明の重炭酸アンモニウムのリサイクル工程を含む希土類元素の回収工程を示すフロー図である。 炭酸ガスをアンモニア水で反応吸収せしめ重炭酸アンモニウムを形成させる反応容器を示す説明図である。
符号の説明
1 ノズル等の炭酸ガス導入手段
2 撹拌手段
3 冷却ジャケット等の温度調節手段
4 コンデンサー
5 向流接触式吸収塔
6 反応吸収用アンモニア水
9 研磨工程
10 廃研磨剤スラリー
20 酸
30 過酸化水素等の酸化・還元剤
33 加熱・溶解工程
35 高粘性スラリー
40 pH調節剤
43 pH調節工程
50 固液分離手段
53 固体不要成分
60 希土類元素が溶解した酸性水溶液
70 重炭酸アンモニウム
80 炭酸希土生成・晶析工程
83 炭酸希土含有スラリー
85 炭酸希土
88 希土類酸化物(酸化希土)
90 炭酸ガス
95 アンモニウム塩水溶液
97 強アルカリ剤
98 アンモニアまたはストリッピングガス(アンモニア蒸気、水蒸気)
99 ストリッピング後の水溶液(釜残)
100 固液分離手段(濾過、洗浄)
110 乾燥・焼成工程
120 ストリッピング
135 アンモニア水溶液
138 フレッシュな炭酸ガス
140 中和工程
142 酸(pH調整剤)
145 中和液放流工程

Claims (16)

  1. 次の工程(1)〜(5)からなる第一の工程〔I〕において、希土類元素の酸化物を含む廃研磨剤スラリーから当該希土類酸化物を回収し、次いで工程(6)〜(7)からなる第二の工程〔II〕において、第一の工程〔I〕で炭酸希土の沈殿剤として用いられる重炭酸アンモニウムを再生し、当該再生重炭酸アンモニウムを前記第一の工程〔I〕で再利用することを特徴とする重炭酸アンモニウムの再利用を伴う希土類元素の回収方法。
    ここで、第一の工程〔I〕は、
    (1)希土類酸化物を含有するスラリーを撹拌条件下で酸化・還元剤および酸と混合して加熱溶解し、(工程(1))
    (2)得られた希土類元素溶液のpHを適正条件に調節した後、固液分離手段により不溶解成分を分離し、(工程(2))
    (3)この溶液に重炭酸アンモニウムを加えて炭酸希土を析出させ、(工程(3))
    (4)得られた炭酸希土含有スラリーから炭酸希土を分離し、(工程(4))、及び
    (5)これを焼成して希土類酸化物とし、生成した希土類元素を回収する、(工程(5))
    からなり、また、
    第二の工程〔II〕は、
    (6)炭酸希土を分離したアンモニウム塩水溶液に強アルカリ剤を添加してアンモニアを発生させ、これを凝縮してアンモニア水溶液として回収し、(工程(6))、及び
    (7)次いでプロセスから発生する炭酸ガスを接触させて重炭酸アンモニウムの溶液またはスラリーを形成させ、得られた重炭酸アンモニウムの溶液またはスラリーを炭酸希土を形成させる沈殿剤として再利用する、(工程(7))からなる。
  2. 工程(1)が、希土類元素の酸化物を含有するスラリー、酸、及び酸化・還元剤とを混合および加熱してスラリー中の当該希土類元素を溶解する工程であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 工程(1)における酸が、塩酸または硫酸であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程(1)における酸化・還元剤が、過酸化水素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 工程(1)の加熱温度が50℃以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 工程(2)のpH条件が5〜6であり、pH調節剤が可溶性のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 工程(2)における未溶解成分の固液分離手段が濾過によることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 工程(3)で添加される、重炭酸アンモニウムの形態が溶液またはスラリー状であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 工程(4)において、生成した炭酸希土を濾過、洗浄して分離、精製することを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 工程(5)の焼成において、空気雰囲気中で温度が300〜1200℃であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 工程(6)において、強アルカリ剤が水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 工程(6)において、空気をアンモニウム塩水溶液に吹き込み発生アンモニアをストリッピングさせることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 工程(6)において、凝縮されたアンモニア水溶液の濃度が1〜5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. 工程(7)における、接触温度が10〜40℃であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 工程(7)における重炭酸アンモニウムの濃度が5〜25質量%で、その形態が溶液あるいはスラリーであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 研磨剤を研磨に用い、生じる廃研磨剤スラリーから請求項1〜15のいずれかに記載の方法により希土類元素を回収し、得られた希土類元素を再び研磨剤の原料として用いることを特徴とする希土類元素の回収方法。
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