JP5086021B2 - 稀土類元素の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、稀土類元素を含有するスラリーから稀土類酸化物を回収する方法、特に、廃研磨剤スラリーから高精度研磨加工用の原料として再利用できる高品質の稀土類酸化物を回収する安価なプロセスに関する。
セリウム、ランタンを主成分とする稀土類系研磨剤(以下、単に「研磨剤」とも称する。)は、ハードディスク等の磁気記録媒体用ガラス基板、光学レンズ、液晶ディスプレイのガラス基板、フォトマスク用ガラス基板等各種ガラス材料研磨用の研磨剤として広く用いられている。
前述した研磨剤による各種ガラス材料の研磨に際しては、微粒化した当該研磨剤を水系分散剤に分散させた研磨剤スラリーとして、このスラリーを被研磨材であるガラス材料と研磨パッドとの間を流動させることにより研磨作業を行っている。
通常、研磨剤スラリーは研磨プロセスにおいてリサイクル使用するが、研磨されたガラス成分の蓄積により研磨特性が徐々に低下していくので、フレッシュな研磨剤スラリーと断続的に置換することで研磨効率の維持を図っている。
研磨プロセスから抜き出された廃研磨剤スラリーは、ポリ塩化アルミニウムや塩化第二鉄、高分子凝集剤等を添加して沈降させ、濾過分離した後の湿りケーキは、産業廃棄物と同等の扱いで処理されている。しかしながら、当該廃棄物には、セリウム以外にも、ランタン、プラセオジム、ネオジム等の貴重なレアアースが多く含有されているものである。したがって、これらを産業廃棄物として単に廃棄することなく、回収再使用することは、稀土類研磨剤原料の安定的な確保や資源の有効利用の観点から極めて意義のあることである。このようにして、使用済み廃研磨剤スラリーから稀土類成分を回収して再利用する、低コストの回収技術の開発が切望されている。
使用済み廃研磨剤をリサイクルする方法として、例えば特許文献1〜特許文献3に記載されているように酸処理を行い、研磨剤原料となる稀土類元素を回収する方法や、また特許文献4〜特許文献5に記載のようにアルカリ処理を行い、研磨剤として再生する方法が提案されている。しかしながら、(i)いずれの方法も稀土類元素の回収は可能であるが、アンモニアを含む多量の廃水や副産廃棄物を産出すること、(ii)回収された稀土類元素中に溶存する鉄成分やアルミニウム成分の完全分離が難しい等の品質面での問題があった。
特に、廃研磨剤を酸に溶解して回収する際、中和剤として重炭酸アンモニウムを用いると、濾過性の良好な炭酸稀土として回収することができ、好ましいが、当該方法では、高価な重炭酸アンモニウムを使用することや高濃度のアンモニアを含む廃液が副生し、この無害化処理等で大幅なコストがかかるという問題がある。
特許第3615943号公報(特許請求の範囲(請求項1〜請求項5))。 特開2004−175652号公報(特許請求の範囲(請求項1〜請求項23)) 特開2003−211356号公報((特許請求の範囲(請求項1〜請求項5)) 特許第3134189号公報(特許請求の範囲(請求項1〜2)) 特開2003−205460号公報(特許請求の範囲(請求項1〜請求項9))
本発明の目的は、上記従来法の問題点を解決し、稀土類元素を含有する廃研磨剤スラリーから高品質な稀土類酸化物を効率良く回収する安価なプロセスを提供することである。
本発明者らは、かかる点に鑑み鋭意検討した結果、中和剤として重炭酸アンモニウムを用いる方法において、反応で副生する炭酸ガスとアンモニウム塩水溶液からCO2とNH3を分離し、これを重炭酸アンモニウムとしてリサイクル使用するとともに、また、炭酸稀土類(以下、「炭酸稀土」ともいう。)の分離・回収に際し、予め特定のpHで固液分離することにより、溶解共存している鉄イオン等の不純物を選択的に沈殿除去でき、高純度な炭酸稀土類を容易に製造することが可能であることを見いだした。
また、上記方法において、酸化稀土を含有する廃研磨剤スラリーに硫酸アンモニウムを加えることにより、酸化稀土を可溶性の硫酸稀土にしうること、及び廃液として発生する硫酸アンモニウム溶液を回収し、上記反応用にリサイクルすることにより、副産物のほとんど発生しない稀土類元素回収プロセスを構成することができることを見いだした。本発明は、かかる知見にもとづいてなされるに至ったものである。
本発明に従えば、以下の重炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、及び水の再利用を伴う稀土類元素の回収方法が提供される。
〔1〕 次の工程(1)〜(5)からなる第一の工程〔I〕において、稀土類元素の酸化物を含む廃研磨剤スラリーから当該稀土類酸化物を回収し、次いで工程(6)からなる第二の工程〔II〕において、硫酸アンモニウム水溶液を回収し、当該回収硫酸アンモニウム水溶液を前記第一の工程〔I〕(1)の硫酸化合物として再利用することを特徴とする稀土類元素の回収方法。
ここで、第一の工程〔I〕は、
(1)稀土類酸化物を含有するスラリーを硫酸化合物と混合し、加熱焙焼して硫酸稀土とし、これを水に溶解させ、(工程(1))
(2)得られた硫酸稀土溶液のpHを適正条件に調節した後、固液分離手段により不溶解成分を分離し、(工程(2))
(3)この硫酸稀土溶液に沈殿剤を加えて炭酸稀土を晶析させ、(工程(3))
(4)得られた炭酸稀土含有スラリーから炭酸稀土を分離し、(工程(4))、及び
(5)これを焼成して稀土類酸化物とし、生成した稀土類元素を回収する、(工程(5))からなり、また、
第二の工程〔II〕は、
(6)工程(2)におけるpH調節剤、及び工程(3)における沈殿剤がアンモニア水または含アンモニウム塩である場合に、炭酸稀土を分離した硫酸アンモニウム水溶液を濃縮して、高濃度の硫酸アンモニウム水溶液を分離回収し、回収された硫酸アンモニウム水溶液は硫酸稀土を形成させる反応剤として再利用する、(工程(6))からなる。

〔2〕
第一の工程〔I〕で硫酸アンモニウムと共に水を回収し当該第一の工程〔I〕で再利用するものであって、炭酸稀土を分離した硫酸アンモニウム水溶液を濃縮して、高濃度の硫酸アンモニウム水溶液と共に水を分離回収し、回収された水は硫酸稀土を溶解させる溶媒として再利用することを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔3〕
さらに次の工程(7)〜(8)からなる第三の工程〔III〕を実施するものであって、〔1〕又は〔2〕に記載の第一の工程〔I〕の工程(3)の炭酸稀土を形成させる沈殿剤として用いる重炭酸アンモニウムを回収し、前記工程(3)において再利用することを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の稀土類元素の回収方法。
ここで、第三の工程〔III〕は、
(7)加熱焙焼工程で発生するフッ素ガス及びアンモニアガスを水溶液中に回収し、これに沈殿剤を添加してフッ素成分を沈殿させ、これを濾過によって除去することにより、アンモニア水溶液を回収し、(工程(7))
(8)次いで回収されたアンモニア水溶液に、pH調整工程、炭酸稀土晶析工程、及び焼成工程で発生する炭酸ガスを接触させて重炭酸アンモニウムの溶液またはスラリーを形成させ、得られた重炭酸アンモニウムの溶液またはスラリーを、炭酸稀土を形成させる沈殿剤として晶析工程で再利用する、(工程(8))からなる。
〔4〕
工程(1)における硫酸化合物が硫酸アンモニウム、または硫酸水素アンモニウムであることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔5〕
工程(1)の焙焼温度が300℃以上であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔6〕
工程(2)におけるpH条件が4〜7であり、pH調節剤が可溶性のアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアンモニア水であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔7〕
工程(2)における不溶解成分の固液分離手段が濾過によることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔8〕
工程(3)における沈殿剤が、アンモニウム塩、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩または、アルカリ土類金属の炭酸水素塩のうち少なくとも一種類以上であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔9〕
工程(3)における沈殿剤が、重炭酸アンモニウムであることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔10〕
工程(3)で添加される沈殿剤の形態が固体、溶液またはスラリー状であることを特徴とする〔1〕、〔2〕又は〔8〕に記載の方法。
〔11〕
工程(4)において、生成した炭酸稀土を濾過、洗浄して分離、精製することを特徴と
する〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔12〕
工程(5)の焼成において、空気雰囲気中で温度が300〜1200℃であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔13〕
工程(6)における濃縮分離が、蒸留又は蒸発であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔14〕
工程(7)における沈殿剤が、水酸化カルシウムであることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔15〕
工程(8)における、接触温度が10〜40℃であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔16〕
工程(8)における重炭酸アンモニウムの濃度が5〜25質量%で、その形態が溶液あるいはスラリーであることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔17〕
研磨剤を研磨に用い、生じる廃研磨剤スラリーから〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載の方法により稀土類元素を回収し、得られた稀土類元素を再び研磨剤の原料として用いることを特徴とする稀土類元素の回収方法。
以下に詳述するように、本発明によれば、研磨速度が大幅に低下し通常は廃棄されているセリウム等の稀土類元素を含有する廃研磨剤スラリーからの稀土類元素の回収方法が提供されるものであって、当該廃研磨剤スラリーに対し、硫酸アンモニウム等硫酸化合物を反応薬剤として用いて酸化稀土成分を選択的に硫酸稀土として溶解せしめることができ、また、溶解した酸化稀土成分を、炭酸稀土として分離・回収するに際し、特定のpHであらかじめ固液分離することにより、溶解共存している鉄イオン等の不純物を選択的に不要固体成分として分離することによって、研磨剤原料として再利用可能な高純度の炭酸稀土を得、これを焼成して容易に酸化稀土を回収することができる。
さらに本発明によれば、稀土類酸化物を含有するスラリーを反応薬剤である硫酸アンモニウム等の硫酸化合物と混合し、加熱焙焼することにより硫酸稀土とし、これを水に溶解させる。続いて、pH調節剤で特定のpHとし、あらかじめ鉄イオン等の不純物を固液分離後、酸化稀土成分を選択的に溶解せしめた当該酸性水溶液に、沈殿剤として重炭酸アンモニウムを加えて反応させ、炭酸稀土を生成、晶析させるが、ここで用いるpH調節剤及び沈殿剤がアンモニア水またはアンモニウム塩である場合に、当該反応工程で副生する硫酸アンモニウム及び水を、廃棄することなく、上記反応薬剤及び溶媒として回収、再利用することができる。
また、上記、加熱焙焼工程において発生する、アンモニアガスを回収し、pH調整工程、晶析工程、および焼成工程で発生する炭酸ガスと反応させ、重炭酸アンモニウムとすることにより、高価な重炭酸アンモニウムをリサイクル使用できるとともに、工程廃液の無害化処理が容易となる。
以下、本発明を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の特徴である重炭酸アンモニウム等のリサイクル工程及び硫酸アンモニウム等のリサイクル工程を含む稀土類元素の回収工程を示すフロー図である。ここで廃研磨剤スラリー10が回収処理の対象になる出発スラリーである。
廃研磨剤スラリー10には、主成分である酸化稀土、フッ化稀土のほかに、研磨されたガラス成分であるケイ素やアルミニウム化合物、砕かれたガラスカレット、パッド繊維、その他の異物が混入している。廃研磨剤スラリー10の成分は、使用するプロセス条件によっても変化するが、通常、固形分濃度約5〜50%の状態で研磨工程9から排出される。その組成は、乾燥品基準の稀土類酸化物換算量TREO(=(全稀土酸化物質量/全酸化物質量)×100))が82質量%程度(この内、約25質量%がフッ化稀土成分)、ケイ素化合物が約5質量%、アルミニウム化合物や鉄化合物が約1質量%、その他ガラス粉やパット繊維などの異物が混入している。
廃研磨剤スラリー10は、研磨工程9において、循環させながら繰り返し使用した研磨剤スラリーを、最終的に重力沈降法による濃縮により、酸化稀土成分換算(TREO)で約30質量%のスラリーとして調製したものである。
なお、当該スラリーの重力沈降法による濃縮に際しては、当該廃研磨剤スラリー単独で行ってもよいが、市販されている高分子凝集剤を併用した方がより効果的に当該沈降濃縮が行われる。これが工程(1)で処理される廃研磨剤スラリーの出発原料となる。
(工程(1))
(廃研磨剤スラリー中の稀土類元素を溶解して、稀土類溶液を得る工程)
まず、反応容器に廃研磨剤スラリー10を採取し、これに所定量の硫酸アンモニウム等の硫酸化合物(以下「硫酸アンモニウム等」ということがある。)20を反応薬剤として添加して撹拌しながら混合30する。その後これを乾燥工程33、焙焼工程35において、フレーク状の廃研磨剤とする。
反応容器としては、特に限定するものではないが、少なくとも撹拌手段、廃研磨剤スラリー、硫酸アンモニウム等の導入手段を備えた撹拌槽型のものが好ましい。
硫酸アンモニウム等の硫酸化合物の添加量は、廃研磨剤スラリー100部に対して、40〜60部、好ましくは50部程度である。添加量が40部未満では稀土類元素の不溶解分が多くなり、また添加量が60部を超えると、それ以上の効果が奏されるものではなく、単に無駄に消費される薬剤量が多くなるのみであるため好ましくない。なお、硫酸化合物としては硫酸アンモニウムの他に、硫酸水素アンモニウムの使用が可能である。
混合したスラリーはこのまま焙焼工程35に移行しても良いが、高温加熱の際の装置の腐食等を考慮すると、あらかじめ乾燥33して水分を除去しておくことが好ましい。
乾燥設備としては、特に限定するものではないが、箱形乾燥器、バンド乾燥器、真空乾燥器等任意のものが適用される。乾燥温度としては60〜250℃が好ましく、特に90〜200℃が好ましい。乾燥温度が60℃より低いと乾燥効率の面で好ましくなく、また250℃を超えると、硫酸アンモニウムの分解が促され、装置腐食を考慮した事前乾燥としての意味を成さなくなる。
かくして、混合した廃研磨剤スラリーまたはフレークを加熱して焙焼35することにより可溶性の硫酸稀土40を形成する。
加熱焙焼35の装置としては特に限定するものではないが、箱型炉、回転炉、トンネル炉等の通常の焼成炉が適用される。また、後記工程(7)及び(8)において、焙焼工程で発生するアンモニアガスを利用し重炭酸アンモニウムを再生するので、発生するガスを吸収する設備として排ガス吸収槽等を備えていることが好ましい。
加熱焙焼35の温度は、上記反応による硫酸稀土40の形成ができるものであれば、特に限定するものではないが、300℃〜1000℃の範囲が好ましく、特に500〜700℃の範囲がより好ましい。300℃未満であると硫酸稀土の形成反応がスムーズに進行せず、1000℃を超えると反応に必要以上な過剰な温度となりエネルギー効率の観点で好ましくない。
次いで、加熱焙焼35により生成した硫酸稀土40を反応容器(溶解装置)に採取し、水43を加え溶解45する。
反応容器としては、特に限定するものではないが、少なくとも撹拌手段、加熱手段、硫酸稀土の導入手段を備えた撹拌槽型のものが好ましい。同設備で次工程(2)(pH調整工程)を行うようであれば、工程(2)で後記する、pH調節剤の導入手段、及び炭酸ガス回収設備を備えたものが好ましい。
添加する水の量としては、硫酸稀土100部に対し好ましくは2000〜10000部、特に3000〜9000部がより好ましい。
硫酸稀土の水への溶解が悪い場合には、少量の硫酸の添加、もしくは不溶の硫酸稀土分を含有する溶液を加熱することにより、その溶解を促進させることが出来る。また硫酸の添加、溶液の加熱を組み合わせて行っても良い。この際の硫酸の添加量としては、特に限定するものではないが、硫酸稀土100部に対し好ましくは1〜20部、特に5〜10部が好ましい。加熱温度としては好ましくは40〜80℃、特に50〜70℃が好ましい。硫酸稀土の溶解45が終了すると酸性水溶液(以下、「酸性溶液」ともいう。)が得られる。
(工程(2))
(稀土類元素の酸性溶液(スラリー)からSi,Al,Fe、不溶解残渣の分離工程)
工程(1)の終了した上記酸性溶液(酸性スラリー)に、pH調節剤50として、可溶性のアルカリ成分を添加し、pHを調整53し、pHを高めることにより、溶解しているシリカ(Si),アルミニウム(Al),鉄(Fe)成分のみを、残渣(または固体不要成分)63として選択的に析出させることができる。
このpH調節の際のpH条件としては、好ましくはpH4〜7、さらに好ましくはpH
5〜6の範囲、最も好ましくはpH5.5となるように制御する。pH4未満では、Si,Al,Fe成分の全量が完全に析出せず、また、pH7を超えると、Al、Si成分の再溶解や稀土類元素の析出が起こってしまうので好ましくない。
pH調節剤50である可溶性のアルカリ成分としては、特に限定するものではないが、基本的にはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩またはアンモニア(水)等が適用される。このうち特に沈殿物の濾過性の観点からは、炭酸塩、例えばNaHCO3、Na2CO3、NH4HCO3等が好ましく使用される。後記する工程(6)において廃液のリサイクルを行う場合にはアンモニア水またはアンモニウム塩が特に好ましく使用される。
なお、酸性のスラリーにpH調節剤50として炭酸塩の溶液を添加する場合は、反応により二酸化炭素ガス(炭酸ガス)が生成、放出され、溶液は見掛け上沸騰状態になる。したがって反応器には、好ましくは還流コンデンサーを設置し、放出炭酸ガス(及び同伴水蒸気)を冷却して、水蒸気のみを凝縮後、後記する工程(8)における炭酸ガス吸収装置に導入・回収することが好ましい。
以上のようにして、pH調整53を行った後、スラリーを撹拌しながら冷却し、30〜50℃程度の温度の条件下で沈殿したシリカ、アルミナ、鉄成分を主成分とする溶解残渣63等を固体不要成分として濾過等の固液分離手段60により分離し、廃棄65する。基本的には、シリカ、アルミナ成分等の水酸化物は難濾過性であるが、炭酸塩として析出させることで、効率よく濾過等により固液分離される。濾過等の温度は、必ずしも上記範囲に限定されるものではないが、温度があまり高すぎると、作業環境上好ましくないので40℃前後で操作するのが好ましい。
固液分離手段60として、濾過による場合、濾過装置としては、フィルタープレス、ドラムフィルター、または、ポンプ加圧式ラインフィルター等が用いられるが、安全性の観点から、配管ラインに設置されたラインフィルター内をポンプ循環させて処理するのが好ましい。また、濾過分離の場合、処理量や、固体の濾過性等に応じて、濾布、セラミックフィルター、濾紙等適当な濾布を使用することができる。
かくして、工程(2)において、固体不純物(固体不要成分)が不溶解成分(残渣)として除去され、稀土類元素が溶解した酸性水溶液が取り出される。
(工程(3))
(稀土類溶液からの炭酸稀土の生成・晶析工程)
かくして得られた稀土類元素(硫酸稀土)の酸性水溶液70を適当な反応器に導入し、沈殿剤(晶析剤)、例えば重炭酸アンモニウム73を添加して、炭酸稀土として生成・晶析80させ、炭酸稀土含有スラリー83が形成されると同時に、炭酸ガス85を放散する。
沈殿剤としては、基本的に、アンモニウム塩、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、又は、アルカリ土類金属の炭酸水素塩のうち少なくとも一種類以上が使用されるが、特に重炭酸アンモニウムを沈殿剤として用いることにより濾過性、及び洗浄性の良好な炭酸稀土の結晶を得ることができる。従って以下の説明は、重炭酸アンモニウムについて述べるが、その他の沈殿剤についてもそのまま適用される。
反応容器としては、特に限定するものではないが、少なくとも当該酸性水溶液70及び重炭酸アンモニウム73の導入手段、撹拌手段、加熱手段等を備えた撹拌槽型反応器が好ましい。また、反応により二酸化炭素ガス(炭酸ガス)が生成、放出されるので、好ましくは還流コンデンサーを設置し、放出炭酸ガス(及び同伴水蒸気)を冷却して、水蒸気のみを凝縮後、後記する工程(8)における炭酸ガス吸収装置に導入・回収することが好ましい。
添加する重炭酸アンモニウムの形態や濃度はなんら限定されるものではなく、水溶液やスラリー状態で添加しても良いが、特にハンドリングの観点から、濃度5〜10%範囲の重炭酸アンモニウムの水溶液として使用することが好ましい。
重炭酸アンモニウム73の添加量は、酸性水溶液の酸性分を中和するに必要十分な量であれば良く、その量は、工程(1)の廃研磨剤量(又は廃研磨剤中の稀土成分量)100部あたり、乾燥品基準で20〜50部を添加するのが好ましく、さらに好ましくは30〜40部である。
重炭酸アンモニウム73の酸性水溶液70への添加は、反応で生成した炭酸ガスを、よりスムーズに系から放散させるために、できるだけ高温下で行うのが好ましい。通常は、例えば加熱手段である反応器のジャケットに、80℃前後の温水を循環し、加熱しながら撹拌条件下、2〜3時間かけて重炭酸アンモニウムの分割添加を実施する。
(工程(4))
(炭酸稀土の分離工程)
上記で形成された炭酸稀土含有スラリー83を、60℃以下、好ましくは30〜50℃まで冷却してから、固液分離工程87において、例えば濾過することにより、炭酸稀土89と、アンモニウム塩例えば硫酸アンモニウム水溶液(濾液)90とを分離する。分離された炭酸稀土は、さらに質量で1〜3倍量程度の水で洗浄することにより、付着母液として同伴される廃研磨剤スラリー中の不純物の再混入を抑制することが好ましい。なお、より充分に洗浄するため、分離した炭酸稀土のケーキを再度水に分散(リパルプ)させてスラリーとして、固液分離操作を行う操作を繰り返してもよい。このようにして、工程(3)において、生成した炭酸稀土は濾過、洗浄することにより、分離、精製されるものであり、ここにいう固液分離は、濾過・洗浄を含む操作である。
(工程(5))
(炭酸稀土の焼成工程)
工程(4)で固液分離(濾過・洗浄)された炭酸稀土89を乾燥・焼成100して、酸化稀土105とする。
乾燥設備としては、特に限定するものではないが、箱形乾燥器、バンド乾燥器、真空乾燥器等任意のものが適用される。乾燥温度としては60〜250℃が好ましく、特に90〜200℃が好ましい。焼成設備としては、特に限定するものではないが、箱形炉、回転炉、トンネル炉等任意のものが適用される。焼成温度としては、大気雰囲気中300〜1200℃、好ましくは400〜1100℃、さらに好ましくは500〜1000℃で、焼成時間は1〜24時間程度、好ましくは3〜20時間程度行う。なお、ここでは乾燥・焼成を別々に記述してあるが、焼成設備を用いて乾燥・焼成を同時に行ってもなんら問題はない。
なお、焼成の際には反応により二酸化炭素ガス(炭酸ガス)85が放出される。したがって焼成設備には、排ガス吸収設備を併設し、放出炭酸ガスを冷却した後に、後記する工程(8)における炭酸ガス吸収装置に導入・回収することが好ましい。
焼成して得られた稀土類酸化物(酸化稀土)105は、回収酸化稀土として、解砕後に通常の研磨剤製造ラインの微粒化処理工程に投入され研磨剤の原料として再利用される。
以上が第一の工程〔I〕である。すなわち、工程〔I〕において、工程(1)〜(5)が実施され、稀土類元素の酸化物を含む廃研磨剤スラリーから当該稀土類酸化物が回収される。
次に、第二の工程〔II〕について述べる。工程〔II〕においては、以下の工程(6)が実施され、第一の工程〔I〕で硫酸稀土の形成に必要な反応剤として用いられた硫酸化合物、好ましくは硫酸アンモニウムを回収し、当該回収硫酸アンモニウムが前記第一の工程〔I〕で再利用される。また、硫酸アンモニウム回収の際に発生する水についても、所望により回収水として、前記第一の工程〔I〕における硫酸稀土を溶解する溶媒として再利用される。
(工程(6))
(硫酸アンモニウム及び水の回収工程)
上記した工程(3)においては、次式(1)の反応により、投入した重炭酸アンモニウムの1/2モル量の硫酸アンモニウムが副生する。これは工程(4)で炭酸稀土を固液分離した際に、2〜5%濃度の硫酸アンモニウム溶液として濾液中に排出される。この濾液を蒸留等による濃縮分離を行い、高濃度の硫酸アンモニウム溶液と水とに分離回収する。

Ln2(SO43+6NH4HCO3
→Ln2(CO33↓+3(NH4)2SO4+3CO2↑+3H2O (1)

(式(1)において、Lnは稀土類元素を示す。)
上記のごとく炭酸稀土含有スラリー83は、固液分離87により炭酸稀土89と、硫酸アンモニウム水溶液(濾液)90とに分離されるが、この硫酸アンモニウムを含有する濾液90を濃縮分離工程93において、濃縮分離することにより、硫酸アンモニウムと水とをそれぞれ分離・回収する。
濃縮分離93の方法としては、特に限定するものではないが、蒸留濃縮、真空濃縮等が適用される。スプレードライヤー、その他乾燥設備により、完全に乾固させて回収しても良いが、回収した硫酸アンモニウムの使用形態を考慮すると、硫酸アンモニウムは、溶液状で回収した方がエネルギー効率の面でも好ましい。回収硫酸アンモニウム溶液の濃度としては、特に限定するものではないが、好ましくは30〜70質量%、特に40〜60質量%が好ましい。
実際の装置として、好ましくはコンデンサー(凝縮器)を備えた蒸発缶を使用することができる。濾液90は、蒸発缶の釜に供給され、加熱により蒸発した水43cは凝縮されて回収され、工程(2)における硫酸稀土40の溶解のための水(又は少なくともその一部)43として使用することができ、一方当該釜からは濃縮された硫酸アンモニウム溶液20cが回収され、工程(1)における反応薬剤である硫酸アンモニウム20として使用することができる。
次いで、工程〔III〕に付いて述べる。工程〔III〕においては、以下の工程(7)〜(8)が実施され、第一の工程〔I〕で炭酸稀土の沈殿剤として用いられた重炭酸アンモニウム73を再生し、当該再生重炭酸アンモニウムが前記第一の工程〔I〕で再利用される。
(工程(7))
(アンモニアの回収工程)
上記した工程(1)の加熱焙焼工程35において、反応薬剤として添加した硫酸化合物である硫酸アンモニウム20中のアンモニア成分がガス(NH3)として発生する。またこの際に、研磨剤中に含有しているフッ素成分についてもフッ素ガス(F2)として同時に発生する。これらガス(F2/NH3)を排ガス吸収工程112において、水又は水溶液中に回収し、フッ化アンモニウム水溶液とすると共に、これからフッ素成分を沈殿除去して、アンモニア水を回収する。
すなわち、上記のように回収したフッ化アンモニウム水溶液に、沈殿剤110を加えフッ素成分を沈殿させる。加える沈殿剤110としては、特に限定するものではないが、フッ素成分を溶解度の低いカルシウム塩として沈殿・回収することのできるカルシウム成分を持った塩、例えば水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等が好ましく用いられる。かくしてフッ素成分はフッ化カルシウムとして沈殿、濾過115され、残渣117として廃棄119される。一方アンモニア水120が遊離するが、これが次の工程(8)において炭酸ガスの反応吸収(炭酸化反応)130に使用される。
(工程(8))
(炭酸ガスの回収及び重炭酸アンモニウムの合成工程)
工程(2)のpH調整工程53、工程(3)の炭酸稀土生成・晶析工程80、及び工程(5)の焼成工程100において、反応器等から排出された炭酸ガスは、上記工程(7)で回収されたアンモニア水溶液により反応吸収(炭酸化反応)130され、次式(2)により重炭酸アンモニウム73として回収される。

NH3+H2O+CO2→NH4HCO3 (2)
反応吸収の液温度は10〜40℃、好ましくは20〜30℃の範囲で制御する。この炭酸ガスを吸収し重炭酸アンモニウムを形成させる装置は、通常の吸収塔方式でも良いが、局部的に濃縮された重炭酸アンモニウムが析出する場合もあるので撹拌槽形式が好ましい。
すなわち、反応吸収を行う反応容器Rとしては、図2に示したような、炭酸ガス導入手段1、撹拌手段2、温度調節手段3、コンデンサー4、向流接触式吸収塔5を備えた撹拌式吸収装置が好ましい。なお、6はアンモニア水溶液を濃度調節した反応吸収用アンモニア水である。そして、前段にかかる撹拌式吸収装置を、後段に棚段塔や充填塔、濡れ壁塔などの向流接触方式吸収塔と組み合わせて使用すれば好適である。なお、必要に応じてフレッシュな炭酸ガスや希釈水を供給して液中の重炭酸アンモニウムの濃度を飽和溶解度以下である5〜25質量%、好ましくは8〜10質量%の範囲で制御する。当該濃度があまり低すぎると吸収装置の設備負荷が高くなり、また濃度があまり高すぎると、重炭酸アンモニウムスラリーが形成されるので、この範囲内で制御するのが好ましい。
撹拌式吸収装置としては、撹拌翼付回分式、連続式いずれを採用してもよく、アンカー、タービン、パドル、フルゾーン翼等を装備した槽型吸収装置でも良いが、市販されている撹拌式ガス吸収設備から適宜選択することができる。
アンモニア水溶液(反応吸収用アンモニア水6)との反応吸収で生成した重炭酸アンモニウム73の溶液は、一旦中間タンクにストックされた後、工程(3)の炭酸稀土生成・晶析工程80に供給され、炭酸稀土類を生成させる晶析剤として好適に再利用される。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし、これらは単なる実施の態様の一例であり、本発明の技術的範囲がこれらによりなんら限定的に解釈されるものではない。なお、%とあるものは、とくに断りなき限り、質量%である。なお、処理操作は、図1のフローシートに従って行った。
〔実施例1〕
(1)(廃研磨剤スラリー中の稀土類元素を溶解して、稀土類溶液を得る、工程(1))
出発原料の廃研磨剤スラリーは以下のようにして調整したものである。すなわち、ガラスディスクの研磨により生成した廃研磨剤スラリーを採取し、重力沈降処理して、乾燥基準での固形分濃度が約30質量%のスラリーを調整した。
なお、このスラリーの一部を採取し、空気中100℃の条件下で1昼夜乾燥させた粉体について蛍光X線法で求めた成分元素の量は表1に示す結果であった。
Figure 0005086021
まず上記廃研磨剤スラリーを、反応薬剤である硫酸アンモニウムと混合する操作を行った。当該スラリー1kgを、3Lのビーカーに採取して、硫酸アンモニウム426gを添加した。次いで約150rpmの速度で1時間撹拌し混合した。
上記スラリーを箱型乾燥機において空気中90℃の条件下で24時間乾燥し、乾燥物760gを得た。
上記乾燥物を小型電気炉で500℃、6時間加熱焙焼し硫酸稀土520gを得た。
この際発生するフッ素ガス、アンモニアガスは水溶液中にガス吸収してフッ化アンモニウム水溶液とし、後記する工程(7)において、アンモニアは回収し、フッ素成分についてはフッ化カルシウムとして回収・廃棄した。
上記硫酸稀土を20Lの水に溶解させ、稀土類元素の酸性溶液を得た。
(2)(稀土類元素の酸性溶液(スラリー)からのSi、Al、Fe含有不溶解残渣の分離、工程(2))
得られた酸性溶液(スラリー)に、120rpmの撹拌条件下、pH調節剤として10%濃度の重炭酸アンモニウム溶液を添加してpH5.5に調整し、1時間撹拌した。
この際、中和反応で生成した炭酸ガスが、水蒸気を伴って放散され、溶液は見掛け上沸騰状態になるので、還流コンデンサーで冷却して水蒸気を凝縮後、後記する工程(8)における炭酸ガス吸収装置に導入してアンモニアで反応吸収させ、重炭酸アンモニウムとして回収した。
次いで、内径300mmφのヌッチェ式吸引濾過器で、No5A濾紙(アドバンテック東洋社製)を用いて不溶解成分を固体不要成分として固液分離し、稀土類元素が溶解した硫酸酸性水溶液を回収した。
濾別した固形分(残渣)(固体不要成分)の乾燥品基準の質量は75gで、蛍光X線法による分析から、その主成分はシリカ、アルミニウム、鉄であることが確認された。
(3)(稀土類溶液からの炭酸稀土の生成・晶析:工程(3))
濾別された稀土類元素が溶解した酸性水溶液を、120rpmの撹拌条件下、約60℃まで加温した。次いで、約20質量%濃度の重炭酸アンモニウムの溶液2000gを逐次添加して、下記式(1)の反応を逐次行わしめ、炭酸稀土の結晶を生成・晶出させた。

Ln2(SO43+6NH4HCO3
→Ln2(CO33↓+3(NH4)2SO4+3CO2↑+3H2O (1)

(式(1)において、Lnは稀土類元素を示す。)
添加した重炭酸アンモニウムは、上式に示されているように、硫酸稀土と反応して炭酸稀土が生成するとともに、炭酸ガスを放出する。重炭酸アンモニウム添加後約30分で炭酸ガスの発生がなくなり反応の終息が確認できたので、40℃まで冷却して撹拌を停止した。なお、反応で副生した炭酸ガスは反応器上部の還流コンデンサーで冷却した後、工程(8)における炭酸ガス吸収装置に導入してアンモニアと反応(炭酸化反応)を行わしめ、重炭酸アンモニウムとして回収した。
(4)(炭酸稀土の分離、工程(4))
上記炭酸稀土含有スラリーを、内径300mmφのヌッチェ式吸引濾過器でNo.5A濾紙(アドバンテック東洋社製)を用いて濾過し、濾別後500gの純水で3回洗浄して回収し、箱型乾燥機にて空気中90℃の温度条件下で一昼夜乾燥し、320gの炭酸稀土の乾燥ケーキを得た。
(5)(炭酸稀土の焼成、工程(5))
得られた炭酸稀土を、小型電気炉において500℃、5時間焼成して稀土類酸化物235gを回収した。廃研磨剤スラリーからの酸化稀土成分換算での回収率は約95%であった。
また、この際発生する炭酸ガスは、工程(8)における炭酸ガス吸収装置に導入してアンモニアと反応(炭酸化反応)させ重炭酸アンモニウムとして回収した。
(6)(硫酸アンモニウム及び水の回収、工程(6))
工程(4)において、炭酸稀土スラリーから炭酸稀土の分離作業を行い得られた濾液(硫酸アンモニウム水溶液)約25000gを蒸留濃縮(濃縮分離)し、硫酸アンモニウム水溶液2000g、及び水23000gを分離・回収した。硫酸アンモニウム水溶液の一部を採取して蒸発乾固法により求めた固形分濃度は14.5質量%であった。
(7)(アンモニアの回収、工程(7))
工程(1)において、焙焼工程から回収したフッ化アンモニウム水溶液約600gに、沈殿剤として強アルカリ剤である25%の水酸化カルシウム溶液を加えフッ化カルシウムを沈殿させ、これを濾過により取り除き、濾液としてアンモニア水溶液約800gを回収した。回収液中のアンモニア濃度は約6.0質量%であった。
また、溶液中に含まれていたフッ素成分についても水酸化カルシウムを添加することで、不溶性のフッ化カルシウムとなり無害化処理され、濾過洗浄により回収することができた。これは、廃棄してもよいが、再び研磨剤中のフッ素成分として添加することも可能である。
(8)(炭酸ガスの回収及び重炭酸アンモニウムの合成、工程(8))
工程(8)の炭酸化反応を、図2に示したような、炭酸ガス導入手段(導入管)1、撹拌手段2、温度調節手段3、コンデンサー4、向流接触式吸収塔5を備えた撹拌式吸収装置(コンデンサー付撹拌槽)R(内径φ120mm×槽高h150mm、パドル式撹拌翼(10H×60W)付)により実施した。すなわち、このコンデンサー付撹拌槽Rに、上記回収した、6.0質量%のアンモニア水溶液の全量を加え、反応吸収用アンモニア水6として仕込んだ。
これを150rpmの速度で撹拌しながら、外部ジャケット3に冷水を流して内温を20℃、上部コンデンサー4を10℃に冷却した。
次いで、この撹拌槽の炭酸ガス導入管1より、炭酸ガス(稀土類酸性水溶液に、重炭酸アンモニウムを添加し炭酸稀土を生成させた際に発生した反応生成ガス、及び焼成工程で発生した反応生成ガス)を、吸収用アンモニア水6にバブリングさせ、炭酸ガスを反応吸収させ、重炭酸アンモニウムを生成させた。
反応吸収により合成した回収重炭酸アンモニウムスラリーの一部を採取して蒸発乾固法より求めた固形分濃度は約28質量%であり、これから計算した重炭酸アンモニウムの生成量は224gであった。
これは添加した硫酸アンモニウム中の約87%のアンモニアが重炭酸アンモニウムとして回収されたことを意味しており、この水溶液に必要に応じてフレッシュな重炭酸アンモニウムや水分を追加して、そのまま炭酸稀土生成・晶析工程にリサイクルして炭酸稀土合成(工程(3))の原料として再利用することができることが示された。
工程(5)で回収した稀土類酸化物、及び新品の稀土類酸化物のICP発光分析法(島津製作所社製)による分析値を表2に示す。表から明らかなように、研磨および研磨剤スラリー濃縮工程で混入した微量不純物成分である、シリカ、アルミナ、鉄成分は99%以上除去されており、純度的には工業的に入手したものと遜色ないものであった。
Figure 0005086021
回収した稀土類元素の酸化物、及び新品の稀土類元素の酸化物を原料とし、所定の条件下で粉砕し、同時に粉砕処理調整されたフッ化稀土と所定条件で調合、混合、焼成、粉砕、分級し研磨剤を作成した。これをスラリー化(約10質量%濃度)処理して、HAMAI産業社製6B型研磨器を用いて、研磨特性を評価した結果を表3に示す。
Figure 0005086021
表3から明らかなように、回収した原料を用いた研磨剤でも、新品の原料を用いた研磨剤と同等の研磨速度、表面状態が得られることがわかった。
〔実施例2〕
(i)工程(1)において使用する硫酸アンモニウムが、実施例1で回収した硫酸アンモニウム水溶液2000g及び、これに試薬の硫酸アンモニウム150gを追加したものであること、(ii)硫酸稀土の溶解に使用する水が実施例1で回収した水20Lであること、及び(iii)工程(4)において使用する重炭酸アンモニウムが、実施例1で回収した重炭酸アンモニウム水溶液800gに、試薬の重炭酸アンモニウム180gを追加したものであることの(i)〜(iii)以外は、実施例1と同様の方法で稀土類元素の酸化物を回収した。
回収した稀土類酸化物、及び新品の稀土類酸化物のICP発光分析法(島津製作所社製)による分析値を表4に示す。表から明らかなように、研磨および研磨剤スラリー濃縮工程で混入した微量不純物成分である、シリカ、アルミナ、鉄成分は99%以上除去されており、純度的には工業的に入手したものと遜色ないものであった。
Figure 0005086021
回収した稀土類元素の酸化物、及び新品の稀土類元素の酸化物を原料とし、所定の条件下で粉砕し、同時に粉砕処理調整されたフッ化稀土と所定条件で調合、混合、焼成、粉砕、分級し研磨剤を作成した。これをスラリー化(約10質量%濃度)処理して、HAMAI産業社製6B型研磨器を用いて、研磨特性を評価した結果を表5に示す。
Figure 0005086021
表5から明らかなように、回収した原料を用いた研磨剤でも、新品の原料を用いた研磨剤と同等の研磨速度、表面状態が得られることが示された。
本発明によれば、研磨速度が大幅に低下し通常は廃棄されている稀土類元素を含有する廃研磨剤スラリーから高品質の稀土類酸化物を効率良く回収し、これを再び高い研磨速度を有する研磨剤として使用することを可能にする安価なプロセスが提供される。
また本発明によれば、プロセス中から排出されるアンモニアガス、炭酸ガス、硫酸アンモニウム、及び水をすべて回収再利用することができるので、稀土類元素のみならず当該プロセスにおける使用薬剤をもリサイクルすることが可能となり、半永久的なリサイクルプロセスが提供される。
特に、炭酸稀土の生成・晶出に使用する重炭酸アンモニウムは、プロセス中から排出されるアンモニアガス及び炭酸ガスから炭酸化反応により重炭酸アンモニウムを回収して再利用するので、高価な重炭酸アンモニウムをリサイクル使用できる。
また、硫酸稀土の生成に使用する硫酸アンモニウムは、炭酸稀土の生成・晶出による炭酸稀土含有スラリーの濾液から回収して、再び硫酸稀土生成の反応薬剤として使用することができるので、工程廃液の無害化処理が容易である。
さらに本発明によれば、硫酸稀土水溶液を予め特定のpHに調整して固液分離することにより、溶解共存している鉄イオン等の不純物を選択的に沈殿除去でき、高純度な炭酸稀土類を容易に製造し、回収することができる。
以上のごとく本発明の産業上の利用可能性はきわめて大きい。
本発明の重炭酸アンモニウムのリサイクル工程、硫酸アンモニウム、及び水の回収工程を含む稀土類元素の回収工程を示すフロー図である。 炭酸ガスをアンモニア水で反応吸収し重炭酸アンモニウムを形成させる反応容器を示す説明図である。
符号の説明
1 ノズル等の炭酸ガス導入手段
2 撹拌手段
3 冷却ジャケット等の温度調節手段
4 コンデンサー
5 向流接触式吸収塔
6 反応吸収用アンモニア水
9 研磨工程
10 廃研磨剤スラリー
20 硫酸アンモニウム
20c濃縮分離された回収硫酸アンモニウム
30 混合工程
33 乾燥工程
35 焙焼工程
40 硫酸稀土
43 溶解用水
43c濃縮分離された回収水
45 溶解工程
50 pH調節剤
53 pH調整工程
60 固液分離工程
63 残渣(固体不要成分)
65 廃棄工程
70 稀土類元素(酸化稀土)が溶解した酸性水溶液
73 重炭酸アンモニウム
80 炭酸稀土生成・晶析工程
83 炭酸稀土含有スラリー
85 炭酸ガス
87 固液分離工程
89 炭酸稀土
90 濾液
93 濃縮分離工程
100 焼成工程
105 酸化稀土
110 沈殿剤(水酸化カルシウム等)
112 廃ガス吸収工程
115 濾過工程
117 残渣
119 廃棄工程
120 アンモニア水
130 炭酸化反応工程

Claims (17)

  1. 次の工程(1)〜(5)からなる第一の工程〔I〕において、稀土類元素の酸化物を含む廃研磨剤スラリーから当該稀土類酸化物を回収し、次いで工程(6)からなる第二の工程〔II〕において、硫酸アンモニウム水溶液を回収し、当該回収硫酸アンモニウム水溶液を前記第一の工程〔I〕(1)の硫酸化合物として再利用することを特徴とする稀土類元素の回収方法。
    ここで、第一の工程〔I〕は、
    (1)稀土類酸化物を含有するスラリーを硫酸化合物と混合し、加熱焙焼して硫酸稀土とし、これを水に溶解させ、(工程(1))
    (2)得られた硫酸稀土溶液のpHを適正条件に調節した後、固液分離手段により不溶解成分を分離し、(工程(2))
    (3)この硫酸稀土溶液に沈殿剤を加えて炭酸稀土を晶析させ、(工程(3))
    (4)得られた炭酸稀土含有スラリーから炭酸稀土を分離し、(工程(4))、及び
    (5)これを焼成して稀土類酸化物とし、生成した稀土類元素を回収する、(工程(5))からなり、また、
    第二の工程〔II〕は、
    (6)工程(2)におけるpH調節剤、及び工程(3)における沈殿剤がアンモニア水または含アンモニウム塩である場合に、炭酸稀土を分離した硫酸アンモニウム水溶液を濃縮して、高濃度の硫酸アンモニウム水溶液を分離回収し、回収された硫酸アンモニウム水溶液は硫酸稀土を形成させる反応剤として再利用する、(工程(6))からなる。
  2. 第一の工程〔I〕で硫酸アンモニウムと共に水を回収し当該第一の工程〔I〕で再利用するものであって、炭酸稀土を分離した硫酸アンモニウム水溶液を濃縮して、高濃度の硫酸アンモニウム水溶液と共に水を分離回収し、回収された水は硫酸稀土を溶解させる溶媒として再利用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. さらに次の工程(7)〜(8)からなる第三の工程〔III〕を実施するものであって、請求項1又は2に記載の第一の工程〔I〕の工程(3)の炭酸稀土を形成させる沈殿剤として用いる重炭酸アンモニウムを回収し、前記工程(3)において再利用することを特徴とする請求項1又は2に記載の稀土類元素の回収方法。
    ここで、第三の工程〔III〕は、
    (7)加熱焙焼工程で発生するフッ素ガス及びアンモニアガスを水溶液中に回収し、これに沈殿剤を添加してフッ素成分を沈殿させ、これを濾過によって除去することにより、アンモニア水溶液を回収し、(工程(7))
    (8)次いで回収されたアンモニア水溶液に、pH調整工程、炭酸稀土晶析工程、及び焼成工程で発生する炭酸ガスを接触させて重炭酸アンモニウムの溶液またはスラリーを形成させ、得られた重炭酸アンモニウムの溶液またはスラリーを、炭酸稀土を形成させる沈殿剤として晶析工程で再利用する、(工程(8))からなる。
  4. 工程(1)における硫酸化合物が硫酸アンモニウム、または硫酸水素アンモニウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  5. 工程(1)の焙焼温度が300℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  6. 工程(2)におけるpH条件が4〜7であり、pH調節剤が可溶性のアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアンモニア水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  7. 工程(2)における不溶解成分の固液分離手段が濾過によることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  8. 工程(3)における沈殿剤が、アンモニウム塩、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩または、アルカリ土類金属の炭酸水素塩のうち少なくとも一種類以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  9. 工程(3)における沈殿剤が、重炭酸アンモニウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  10. 工程(3)で添加される沈殿剤の形態が固体、溶液またはスラリー状であることを特徴とする請求項1、2又は8に記載の方法。
  11. 工程(4)において、生成した炭酸稀土を濾過、洗浄して分離、精製することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  12. 工程(5)の焼成において、空気雰囲気中で温度が300〜1200℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  13. 工程(6)における濃縮分離が、蒸留又は蒸発であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  14. 工程(7)における沈殿剤が、水酸化カルシウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  15. 工程(8)における、接触温度が10〜40℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  16. 工程(8)における重炭酸アンモニウムの濃度が5〜25質量%で、その形態が溶液あるいはスラリーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  17. 研磨剤を研磨に用い、生じる廃研磨剤スラリーから請求項1〜16のいずれかに記載の方法により稀土類元素を回収し、得られた稀土類元素を再び研磨剤の原料として用いることを特徴とする稀土類元素の回収方法。
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