JP4246541B2 - 電動弁 - Google Patents

電動弁 Download PDF

Info

Publication number
JP4246541B2
JP4246541B2 JP2003129037A JP2003129037A JP4246541B2 JP 4246541 B2 JP4246541 B2 JP 4246541B2 JP 2003129037 A JP2003129037 A JP 2003129037A JP 2003129037 A JP2003129037 A JP 2003129037A JP 4246541 B2 JP4246541 B2 JP 4246541B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid member
stator coil
coil assembly
locking piece
engaging portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003129037A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004332818A (ja
Inventor
尚 平川
峰夫 木下
守男 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saginomiya Seisakusho Inc
Original Assignee
Saginomiya Seisakusho Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saginomiya Seisakusho Inc filed Critical Saginomiya Seisakusho Inc
Priority to JP2003129037A priority Critical patent/JP4246541B2/ja
Publication of JP2004332818A publication Critical patent/JP2004332818A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4246541B2 publication Critical patent/JP4246541B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrically Driven Valve-Operating Means (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動弁に関し、特に、ステッピングモータ駆動の電動弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有底円筒形状のケースの開口端に、当該ケースを密閉に蓋する円盤状の蓋部材(ベースプレート)が固着固定され、ケース内に、弁体、ステッピングモータのロータが配置され、ケースの外周にステッピングモータのステータコイル組立体がはめ込み装着され、蓋部材側に弁ポートが設けられ、ステッピングモータによって弁体を駆動する電動弁は知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
上述のようなステッピングモータ駆動の電動弁では、位相合わせ、反転相合わせ、弁開点位置合わせ等のために、円筒状のステータコイル組立体がケース外周に対して周方向(磁極配置方向)に取付決めされた位置に装着される必要がある。
【0004】
この周方向の位置決め構造としては、ステータコイル組立体に一体的に設けられた位置決め片の先端凸形状部を弁ハウジングの外壁に形成された位置決め凹部に係合させるもの(例えば、特許文献2、3)、ステータコイル組立体に取り付けられた二股状係止片を弁ハウジングに固定の管継手に跨ぎ係合させるもの(例えば、特許文献3)、ステータコイル組立体に取り付けられた二股状係止片を弁ハウジングの外壁に打ち込み装着された位置決めピンに係合させるもの(例えば、特許文献3、4)など、種々、知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−147900号公報
【特許文献2】
特開平8−312823号公報
【特許文献3】
特開2000−74245号公報
【特許文献4】
特開2001−32954号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ステータコイル組立体に設けられた位置決め片の先端凸形状部を弁ハウジング外壁の位置決め凹部に係合させるものは、回転耐力の不足、不安定性があり、充分な取付強度(位置保持強度)を得る構造にすることが難しい。また、この凹凸係合だけで、ステータコイル組立体の抜け止め(軸線方向位置決め)を行おうとしても、充分な抜け止め強度を確保することが難しい。
【0007】
ステータコイル組立体に取り付けられた二股状係止片を弁ハウジングに固定の管継手に跨ぎ係合させるものでは、管継手の位置によってステータコイル組立体の周方向位置が一義的に決まり、ステータコイル組立体のリード線引き出し位置(コネクタ位置)を変更可能な構造にすることができない。また、管継手の取付精度を高めないと、ステータコイル組立体の所要の周方向取付位置精度を得ることができない。
【0008】
また、ステータコイル組立体に取り付けられた二股状係止片を管継手に跨ぎ係合させただけのものや、ステータコイル組立体に取り付けられた二股状係止片を弁ハウジングの外壁に打ち込み装着された位置決めピンの両側に係合させるだけものでは、ステータコイル組立体をケース外周に組み付けた状態でのがた付きをなくすことが難しく、組付精度が悪化し、騒音を生じる原因になる。
【0009】
また、目視しないと誤った周方向位置にステータコイル組立体を挿入できてしまうものや、挿入後に回転させて位置決めするものでは、ステータコイル組立体を誤った位置に固定してしまう可能性があり、タンパプルーフに関して配慮が成されていない。
【0010】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、充分な取付強度を得ることができると共に、ステータコイル組立体を所要の周方向取付位置に、がた付きを生じることなく確実に精度よく固定でき、また、ステータコイル組立体を誤った位置に固定してしまう可能性を排除し、タンパプルーフをなされた電動弁を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による電動弁は、有底円筒形状のケースと、前記ケースの開口端に固着されて当該ケースを密閉に蓋する円盤状の蓋部材とを有し、前記ケース内に、弁体、ステッピングモータのロータが配置され、前記ケースの外周に前記ステッピングモータの円筒形状のステータコイル組立体がはめ込み装着され、前記蓋部材側に弁ポートが設けられ、前記ステッピングモータによって前記弁体を回転駆動して前記弁ポートの連通を切り換える電動弁において、前記蓋部材の外周部にその一部がDカットされて直線部が形成されるとともに該直線部の中心から径方向に突出され、根元部側に凹溝係合部を有する突起部が形成され、前記ステータコイル組立体に、前記突起部の凹溝係合部を両側から挟むように前記突起部に二股係合する二股状係止片と、前記蓋部材の外周部に軸線方向に逆止係合する逆止係合爪を含む逆止係合片と、前記蓋部材の外周部に弾力的に当接する一対のがた付き防止片とが設けられ、前記二股状係止片と前記逆止係合片は、前記ステータコイル組立体の中心軸を挟んで略対向する位置に設けられ、前記一対のがた付き防止片は、前記ステータコイル組立体の中心軸を挟んで略対向するように、前記二股状係止片および前記逆止係合片の間の位置にそれぞれ設けられ、前記凹溝係合部と前記二股状係止片とが前記蓋部材の外周より小さい径方向位置に設けられ、前記二股状係止片は、前記突起部の前記凹溝係合部を受け入れる凹溝状の係合部を含み、当該係合部の入口部の横幅が、前記凹溝係合部の横幅より小さいことを特徴とする
【0012】
この発明による電動弁によれば、ステータコイル組立体に取り付けられた二股状係止片が、蓋部材の外周部にその一部がDカットされて直線部が形成されるとともに該直線部の中心から径方向に突出形成された突起部が根元部側に有する凹溝係合部を両側から挟み込むように突起部に二股係合するから、凹凸係合に比して、ステータコイル組立体がケースと共に本体側をなす蓋部材に充分な取付強度をもって周方向位置決め状態で固定され、しかも、逆止係合片の逆止係合爪が蓋部材の外周部に軸線方向に逆止係合するとともに、二股状係止片は突起部の凹溝係合部を受け入れる凹溝状の係合部を含み、当該係合部の入口部の横幅が凹溝係合部の横幅より小さくされていることにより、凹凸係合だけある場合に比して、ステータコイル組立体の抜け止め(軸線方向位置決め)が確実に行われ、充分な抜け止め強度を確保できる。更に、二股状係止片と逆止係合片がステータコイル組立体の中心軸を挟んで略対向する位置に設けられ、一対のがた付き防止片がステータコイル組立体の中心軸を挟んで略対向するように二股状係止片および逆止係合片の間の位置にそれぞれ設けられ、かつ、対をなすがた付き防止片部材が蓋部材の外周部に弾力的に当接することにより、二股状係止片、逆止係合片と合わせて合計4箇所で、ステータコイル組立体が蓋部材に係合し、がた付きがなくなる。
さらにまた、凹溝係合部と二股状係止片とが蓋部材の外周より小さい径方向位置に設けられていることにより、二股状係止片と凹溝係合部とが二股係合する周方向位置以外では、二股状係止片が蓋部材に衝突し、ステータコイル組立体をケースに対して正規の軸線方向挿入位置まで挿入することができず、タンパプルーフがなされる。
【0014】
この発明による電動弁は、詳細構成として、前記ステータコイル組立体が、本体部と、前記本体部端面部に周方向取付位置を変更可能に取り付けられる環状のブラケット板とを含み、前記二股状係止片と、前記逆止係合片と、前記一対のがた付き防止片が前記ブラケット板に折曲形成されている。
【0015】
この発明による電動弁では、ブラケット板に、二股状係止片、逆止係合片、がた付き防止片の全てが設けられ、ブラケット板の本体部端面部に対する周方向取付位置を変更することにより、ステータコイル組立体より出ているリード線の引き出し位置を中心軸線周りに変更することができ、かつ、ロータの磁極がいくつに分割されているかによって、弁体の全開や全閉時の各磁極の周方向位置が変化するのに合わせて、ステータコイル組立体の周方向位置を調整することができる。
【0019】
この発明による電動弁は、詳細構成として、前記ステータコイル組立体は、本体部と、前記本体部の端面部に周方向取付位置を変更可能に取り付けられる円環状のブラケット板とを含み、前記ブラケット板に前記二股状係止片が折曲形成されている。
【0020】
この発明による電動弁では、ブラケット板に、二股状係止片が設けられ、ブラケット板の本体部端面部に対する周方向取付位置を変更することにより、ステータコイル組立体より出ているリード線の引き出し位置を中心軸線周りに変更することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1〜図8はこの発明による電動弁の一つの実施形態を示している。
【0023】
電動弁は、深絞りによる有底円筒形状(キャン状)のケース10と、円盤板状の蓋部材11とを有している。蓋部材11は、ケース10の開口端10Aに気密に固着されてケース10を密閉に蓋し、ケース10内に、密閉構造の弁室・ロータ室12を画定している。
【0024】
蓋部材11は、ステンレス板材をプレス成形・打ち抜きしたものであり、上面部にはケース10の開口端10Aの内径にほぼ等しい外径の段差部11A(図1参照)が形成されている。段差部11Aにはケース10の開口端10Aが嵌合し、この嵌合部がろう付け、溶接等によって気密接合されている。
【0025】
蓋部材11の所要部位(3ケ所)に、貫通孔11B、11C、11D(図4参照)が打ち抜き形成されている。貫通孔11B、11C、11Dには各々管継手14、15、16の一端部が挿入され、各々リングろうによるろう付けやペーストによるろう付け等によって固定されている。
【0026】
蓋部材11の上面部にはステンレス板材製の中間板17がろう付けによって固定されている。中間板17の上面部にはステンレス薄板製の弁座シート18が取り付けられている。中間板17、弁座シート18には、貫通孔11B、11C、11Dに連通する貫通孔(弁ポート19)や切り欠き20等が設けられている。
【0027】
弁室・ロータ室12内にある弁座シート18の上面が弁座面であり、この弁座面に弁体21が配置されている。弁体21は、中心孔21Aを遊嵌合状態で貫通する中心軸22によって回転中心を設定され、中心軸22に案内されて中心軸線周りに回転し、連通する弁ポートの切り換えによって流路切換を行う。中心軸22は、下端を中間板17より回転可能に支持され、上端をケース10に係合している軸受部材24によって回転可能に支持されている。
【0028】
弁体21は係合部23によってケース10内に設けられているステッピングモータ30のロータ31とトルク伝達関係に連結される。ロータ31は、外周部を多極着磁されたプラスチックスマグネットであり、ボス部に貫通形成された中心孔31Aを遊嵌合状態で貫通する中心軸22によって弁体21と同様に回転中心を設定され、中心軸22に案内されて中心軸線周りに回転し、前述したように、係合部23によって弁体21とトルク伝達関係に連結され、弁体21を回転駆動する。
【0029】
ロータ31のボス部の下端部と弁体21の上面部との間には、圧縮コイルばねによる押さえばね25が挟まれている。押さえばね25は、弁体21の底面を弁座シート18の上面(弁座面)に押し付けて低差圧状態での弁シールの安定性を確保している。
【0030】
ケース10の外周部には、ステッピングモータ30のステータ組立体(ステータユニット)32が位置決め装着されている。ステータ組立体32は、上下の外凾33、上下2段のボビン34およびコイル巻線35、複数個の磁極歯36、電気コネクタ部37等を有し、封止樹脂38によって液密封止されている。ステッピングモータ30は、ステータ組立体32のコイル巻線35に対する通電より、ロータ31を分割回転駆動する。
【0031】
ステータ組立体32は、ケース10の外周に嵌合する円形横断面の中央開口39を有する円筒状をなしている。外凾33の下底面33Aには環状のブラケット板40が係脱可能に取り付けられている。
【0032】
ブラケット板40は、プレス成形品であり、外周形状がロータ31の着磁極数に応じた多角形状(例えば略六角形状)で、内周形状が略円形の環状基部41と、環状基部41より折曲形成された二股状係合片42、逆止係合片43、対をなすがた付き防止片44、45とを一体形成されている。
【0033】
二股状係合片42は、環状基部41より略直角に折曲されて上下反転のY字形をなし、二股奥部に凹溝状の係合部42Aを、その奥部のばね性付与用切欠部42Bを有する。
【0034】
逆止係合片43は、ステータコイル組立体32の中心軸を挟んで二股状係合片42と略対向している。逆止係合片43は、二股状係合片42等の他の片より長く、環状基部41より少し内側に傾斜しており、中間に内側に傾斜起立した逆止係合爪43Aを切り起こし形成され、先端に手操作による逆止解除用の掴み部43Bを有する。
【0035】
逆止係合片43の逆止係合爪43Aは、蓋部材11の外周縁部に軸線方向に逆止係合し(図1参照)、ステータコイル組立体32の抜け止めを行う。
【0036】
がた付き防止片44、45は、ステータコイル組立体32の中心軸を挟んで略対向するように、二股状係止片42および逆止係合片43の間の位置に各々設けられている。
【0037】
がた付き防止片44、45は、環状基部41より少し内側に傾斜するように折曲された折曲基部44A、45Aと、その先端に設けられた外側傾斜のガイド部44B、45Bとを有する。この対をなすがた付き防止片44、45は、各々、蓋部材11の外周面に弾力的に当接し、蓋部材11を径方向両側よりばね性をもってを挟み込む。
【0038】
外凾33の下底面33Aには、各々横転L字形をなす一対の抜き差しガイド部46、47と、差し込み奥部のストッパをなす横転L字形のストッパ係合部48と、差し込み手前側にあって抜け止めを行う逆止形状の抜け止め係合部49とが各々切り起こし形成されている。
【0039】
ブラケット板40は、抜け止め係合部49を乗り越えて一対の抜き差しガイド部46、47間に差し込まれ、抜き差しガイド部46、47に案内されて差し込み先端側がストッパ係合部48に係合するまで押し込まれ、差し込み手前側が抜け止め係合部49に逆止係合することにより、外凾33の下底面33Aに接合状態で固定される。
【0040】
図2に示されているように、ロータ31の着磁極数に応じた多角形状に形成されたブラケット板40の環状基部41の外周部にある6個の直線部41A〜41Fのうち、3組の平行な二つの直線部41Aと41D、42Bと41E、42Cと41Fの各々の平行離間寸法A、B、Cは互いに等しく、これらは、外凾33の抜き差しガイド部46と47の平行離間寸法Dに等しい。
【0041】
これにより、ブラケット板40を外凾33の抜き差しガイド部46、47間に差し込む平行な二つの直線部41A・41D、42B・41E、42C・41Fを選ぶことができる。
【0042】
このことにより、ブラケット板40の外凾33に対する周方向取付位置が、ロータ31の着磁極数に応じて定まる角度間隔で、変更可能になり、ロータ31の磁極がいくつに分割されているかによって、弁体21の全開や全閉時の各磁極の周方向位置が変化するのに合わせて、ステータコイル組立体32の周方向位置を調整することができ、かつ、ステータコイル組立体32より出ているリード線51の引き出し位置を中心軸線周りに変更することが可能になる。
【0043】
蓋部材11は、D字形の外周形状を有し、その直線部11Eに突起部50を打ち抜きプレス成形によって一体形成されている。突起部50は、瓢箪形をなし、根元側に二股状係合片42の係合部42Aと係合する狭隘形状部(凹溝係合部)50Aを有する。
【0044】
二股状係合片42は、突起部50の狭隘形状部50Aを両側から挟み、突起部42を跨ぐようにして突起部50に二股係合するものであり、凹溝状の係合部42Aに隘形状部50Aを受け入れ、これを両側から挟む。これにより、ステータコイル組立体32がケース10に対して所定の周方向位置に回り止め固定される。
【0045】
この回り止め固定構造により、凹凸係合に比して、ステータコイル組立体32がケース10と共に本体側をなす蓋部材11に充分な取付強度をもって周方向位置決め状態で固定される。二股状係止片42が係合する突起部50は、蓋部材11に一体形成されているから、二股状係止片42が弁ハウジングに取り付けられた管継手やスプリングピンに係合する場合に比して、ステータコイル組立体32の周方向取付位置精度を容易に高めることができる。
【0046】
つぎに、各部の最適寸法設定について説明する。
図4、図7に示されているように、蓋部材11は、D字形の外周形状をなしており、Dカット(直線部11E)の中心からの径方向寸法Fは、蓋部材11の通常円弧部11Fの半径Hより小さい(F<H)。突起部50は、Dカットにあるから、狭隘形状部50Aの中心からの径方向寸法Eも、蓋部材11の通常円弧部11Fの半径Hより小さい(E<H)。そして、二股状係合片42の中心からの寸法は狭隘形状部50Aの径方向寸法Eに等しく、誤組み付け防止のために、H≧F+t+αに設定されている。ここで、tはブラケット板40、特に二股状係合片42の板厚、αは余裕(確実性)のための寸法である。
【0047】
上述の寸法設定により、二股状係止片42と突起部50とが二股係合する係合部(狭隘形状部50A)が蓋部材11の外周(通常円弧部11F)より小さい径方向位置に設けられることになり、図8に示されているように、二股状係止片42と突起部50とが二股係合する周方向位置以外では、二股状係止片42が蓋部材11に衝突し、ステータコイル組立体32をケース10に対して正規の軸線方向挿入位置まで挿入することができない。これにより、誤組み付けを未然に防ぐ、タンパプルーフがなされる。
【0048】
図4、図5に示されているように、二股状係止片42の係合部42Aの各部寸法J、K、Lは、蓋部材11の狭隘形状部50Aの幅寸法G、板厚Tを挟み込む下記の寸法設計になっている。
J=G−α、K=T−α、L=G+α
ただし、Jは、二股状係止片42の係合部42Aの入口部の横幅寸法、Kは入口部を除く係合部42Aの深さ寸法、Tは蓋部材の板厚、Lは入口部以外の係合部42Aの横幅寸法である。
【0049】
J=G−αであることにより、係合部42Aの入口部の横幅寸法Jが突起部50の狭隘形状部50Aの横幅寸法Gより小さい。
【0050】
この構造により、差し込み係合時のクリック感が得られ、二股状係止片42と突起部50との係合部でのがた付き防止、挿入抜け止め、挿入後の固定力(上方)が得られる。そして、この係合部において、係合部42Aの奥部のばね性付与用切欠部42Bの存在により、適当なばね性が確保される。
【0051】
また、突起部50の狭隘形状部50Aに二股状係止片42を差し込み易くする目的で、ガイドとして、二股状係止片42が上下反転のY字形(テーパ形状)になっており、突起部50の狭隘形状部50Aの上面角部が、図4中に拡大して示されているように、面取り(面取れ部50B)あるいR加工され、二股状係止片42の挿入、係合を確実、容易としている。
【0052】
がた付き防止片44、45は、ステータコイル組立体32の中心軸を挟んで略対向する位置から、若干内側に傾斜するように曲げ加工してあり、これらがた付き防止片44、45の存在により、蓋部材11を確実にホルードでき、挿入、係合時の安定性が得られる。がた付き防止片44、45の下方先端部の中心からの寸法Mは、蓋部材11のDカット部を除くほぼ円形部の半径Hより大きく、しかも、外側傾斜のガイド部44B、45Bにより、がた付き防止片44、45を挿入し易い形状になっている。
【0053】
がた付き防止片44、45の折曲基部44A、45Aの中心からの寸法Nは寸法Hよりも小さく(N<H)、鉛直方向寸法(長手方向寸法)を蓋部材11の底面までの寸法Oに対して若干大きくすることによって、クリック感と本体部(蓋部材11側)を常に上方にホールドさせる作用力を発生させている。なお、上述の係合位置合せを確実とするために、がた付き防止片44、45の鉛直方向寸法は二股状係止片42よりも、短くしている。
【0054】
逆止係合片43の逆止係合爪43Aは、蓋部材11のDカット部を除くほぼ円形の外周縁を乗り越えてラチエット的(逆止)な機能となる。即ち、挿入時には、たわんでスムーズに蓋部材11の外径部を乗り越えるが、抜き取る方向には引っかかり状態となって通常の引き抜き荷重では、脱着できなくなる。この逆止係合による抜け止めは、凹凸係合だけある場合に比して、充分な抜け止め強度を得ることができる。なお、意識的に、脱着する際には、逆止解除用の掴み部43Bをつかんで先端部を外径方向にたわませ、ラチエット状態を解除することができる。
【0055】
図9、図10はこの発明による電動弁の他の実施形態を示している。なお、図9、図10において、図7、図8に対応する部分は、図7、図8に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0056】
この実施形態では、二股状係止片42が縦方向に屏風状に折曲された形状になっている。この折曲形状により二股状係止片42の剛性が高くなり、図8に示されているように、二股状係止片42と突起部50とが二股係合する周方向位置以外において、二股状係止片42が蓋部材11に衝突している時に、強く押されても、二股状係止片4が径方向外方へ変形することがなく、タンパプルーフ効果が確実に得られるようになる。
【0057】
また、他の実施形態として、図11に示されているように、ブラケット板40に、取付ボルト通し孔52を明けられた弁装置取付用の取付片(マウントブラケット)53を一体的に折曲形成することもできる。これにより、マウントブラケット等の別部品を必要とすることなく、取付片53によって電動弁を使用箇所に取り付けることができ、部品点数の削減を図ることができる。
【0058】
また、逆止係合片43の逆止係合爪43Aは、切り起こし形成以外に、図12に示されているように、ルーバ加工によってルーバ加工形状に形成することもできる。
【0059】
また、ステータコイル組立体32は、図13に示されているような樹脂ポッティング型のものにも同様に適合可能である。なお、図13において、54は樹脂ポッティング部を、55はカバーを各々示している。
【0060】
また、この発明による電動弁は、上述の構造による流路切換弁に限られることはなく、ステッピングモータ駆動の種々の型式の流量制御弁にも同様に適用できる。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による電動弁によれば、ステータコイル組立体に取り付けられた二股状係止片が、蓋部材の外周部にその一部がDカットされて直線部が形成されるとともに該直線部の中心から径方向に突出形成された突起部が根元部側に有する凹溝係合部を両側から挟み込むように突起部に二股係合するから、凹凸係合に比して、ステータコイル組立体がケースと共に本体側をなす蓋部材に充分な取付強度をもって周方向位置決め状態で固定され、しかも、逆止係合片の逆止係合爪が蓋部材の外周部に軸線方向に逆止係合するとともに、二股状係止片は突起部の凹溝係合部を受け入れる凹溝状の係合部を含み、当該係合部の入口部の横幅が凹溝係合部の横幅より小さくされていることにより、凹凸係合だけある場合に比して、ステータコイル組立体の抜け止め(軸線方向位置決め)が確実に行われ、充分な抜け止め強度を確保できる。更に、二股状係止片と逆止係合片がステータコイル組立体の中心軸を挟んで略対向する位置に設けられ、一対のがた付き防止片がステータコイル組立体の中心軸を挟んで略対向するように二股状係止片および逆止係合片の間の位置にそれぞれ設けられ、かつ、対をなすがた付き防止片部材が蓋部材の外周部に弾力的に当接することにより、二股状係止片、逆止係合片と合わせて合計4箇所で、ステータコイル組立体が蓋部材に係合し、がた付きがなくなる。
さらにまた、凹溝係合部と二股状係止片とが蓋部材の外周より小さい径方向位置に設けられていることにより、二股状係止片と凹溝係合部とが二股係合する周方向位置以外では、二股状係止片が蓋部材に衝突し、ステータコイル組立体をケースに対して正規の軸線方向挿入位置まで挿入することができず、タンパプルーフがなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による電動弁の一つの実施形態を示す縦断面図である。
【図2】この発明の一つの実施形態による電動弁のステータコイル組立体とブラケット板との取付構造を示す分解斜視図である。
【図3】この発明の一つの実施形態による電動弁の本体側とブラケット板との取付構造を示す分解斜視図である。
【図4】この発明の一つの実施形態による電動弁の蓋部材の要部を一部拡大して示す斜視図である。
【図5】この発明の一つの実施形態による電動弁の二股係合片の正面図である。
【図6】図3のX矢視図である。
【図7】図3のY矢視図である。
【図8】図3のY矢視図で、誤組み付け状態を示す図である。
【図9】この発明による電動弁の他の実施形態による図3のY矢視相当図である。
【図10】この発明による電動弁の他の実施形態による誤組み付け状態を示す図3のY矢視相当図である。
【図11】この発明の他の実施形態による電動弁のブラケット板の斜視図である。
【図12】この発明の他の実施形態による電動弁のブラケット板の逆止爪部分の斜視図である。
【図13】この発明による電動弁の他の実施形態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 ケース
11 蓋部材
12 弁室・ロータ室
21 弁体
30 スッピングモータ
31 ロータ
32 ステータ組立体
40 ブラケット板
41 環状基部
42 二股状係合片
43 逆止係合片
44、45 がた付き防止片
46、47 抜き差しガイド部
48 ストッパ係合部
49 抜け止め係合部
50 突起部

Claims (2)

  1. 有底円筒形状のケースと、前記ケースの開口端に固着されて当該ケースを密閉に蓋する円盤状の蓋部材とを有し、前記ケース内に、弁体、ステッピングモータのロータが配置され、前記ケースの外周に前記ステッピングモータの円筒形状のステータコイル組立体がはめ込み装着され、前記蓋部材側に弁ポートが設けられ、前記ステッピングモータによって前記弁体を駆動する電動弁において、
    前記蓋部材の外周部にその一部がDカットされて直線部が形成されるとともに該直線部の中心から径方向に突出され、根元部側に凹溝係合部を有する突起部が形成され、
    前記ステータコイル組立体に、前記突起部の凹溝係合部を両側から挟むように前記突起部に二股係合する二股状係止片と、前記蓋部材の外周部に軸線方向に逆止係合する逆止係合爪を含む逆止係合片と、前記蓋部材の外周部に弾力的に当接する一対のがた付き防止片とが設けられ、
    前記二股状係止片と前記逆止係合片は、前記ステータコイル組立体の中心軸を挟んで略対向する位置に設けられ、前記一対のがた付き防止片は、前記ステータコイル組立体の中心軸を挟んで略対向するように、前記二股状係止片および前記逆止係合片の間の位置に各々設けられ、
    前記凹溝係合部と前記二股状係止片とが前記蓋部材の外周より小さい径方向位置に設けられ、
    前記二股状係止片は、前記突起部の前記凹溝係合部を受け入れる凹溝状の係合部を含み、当該係合部の入口部の横幅が、前記凹溝係合部の横幅より小さい
    ことを特徴とする電動弁。
  2. 前記ステータコイル組立体は、本体部と、前記本体部の端面部に周方向取付位置を変更可能に取り付けられる円環状のブラケット板とを含み、前記ブラケット板に前記二股状係止片が折曲形成されていることを特徴とする請求項1記載の電動弁。
JP2003129037A 2003-05-07 2003-05-07 電動弁 Expired - Fee Related JP4246541B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003129037A JP4246541B2 (ja) 2003-05-07 2003-05-07 電動弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003129037A JP4246541B2 (ja) 2003-05-07 2003-05-07 電動弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004332818A JP2004332818A (ja) 2004-11-25
JP4246541B2 true JP4246541B2 (ja) 2009-04-02

Family

ID=33505001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003129037A Expired - Fee Related JP4246541B2 (ja) 2003-05-07 2003-05-07 電動弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4246541B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5725714B2 (ja) * 2010-01-26 2015-05-27 株式会社不二工機 電動弁のコイルユニットの取付装置
CN103307339B (zh) * 2012-03-09 2015-06-10 浙江盾安禾田金属有限公司 空调用电子膨胀阀的阀体与线圈定位连接结构
JP5850799B2 (ja) * 2012-05-24 2016-02-03 株式会社不二工機 電動弁
JP6214241B2 (ja) * 2013-06-28 2017-10-18 株式会社鷺宮製作所 電動弁
JP6194288B2 (ja) * 2014-07-31 2017-09-06 株式会社鷺宮製作所 電動弁のステータコイル及びこれを備えた電動弁
JP7073612B2 (ja) * 2017-10-04 2022-05-24 旭有機材株式会社 連結器及びその取外し具
CN109944975B (zh) * 2017-12-20 2020-10-16 株式会社鹭宫制作所 电动阀用定子以及电动阀
JP6895684B2 (ja) * 2018-02-16 2021-06-30 株式会社不二工機 ステータユニット及びそれを備えた電動弁
CN219317759U (zh) * 2022-12-20 2023-07-07 盾安汽车热管理科技有限公司 卡扣及具有其的阀装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3780348B2 (ja) * 1996-02-27 2006-05-31 株式会社鷺宮製作所 電動弁における電磁コイル
JP3163262B2 (ja) * 1996-12-12 2001-05-08 太平洋工業株式会社 電動弁の構造
JP4390299B2 (ja) * 1998-08-27 2009-12-24 株式会社不二工機 電動弁
JP4142212B2 (ja) * 1999-07-23 2008-09-03 株式会社鷺宮製作所 電動コントロールバルブ
JP2002147900A (ja) * 2000-11-14 2002-05-22 Saginomiya Seisakusho Inc 電動式制御弁
JP2003028332A (ja) * 2001-07-19 2003-01-29 Saginomiya Seisakusho Inc 流量制御弁の防水カバー構造
JP4190751B2 (ja) * 2001-10-12 2008-12-03 株式会社不二工機 電動切換え弁

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004332818A (ja) 2004-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6278684B2 (ja) 弁体駆動装置
JP4246541B2 (ja) 電動弁
JP4684305B2 (ja) 電動弁
KR101165314B1 (ko) 전동밸브
JP4894268B2 (ja) コネクタの封止構造およびこの封止構造を用いた密閉型ブラシレスモータ
JP5972007B2 (ja) ギアユニット
WO2018180776A1 (ja) 電動アクチュエータ
JP5394864B2 (ja) モータ
JP6080498B2 (ja) バルブ装置
JP5710564B2 (ja) 電磁アクチュエータ及びそれを有する電動弁
JP4486802B2 (ja) 電動弁
JP2005246063A (ja) 洗濯機等のための電動機駆動ポンプ
JP6334914B2 (ja) 電動工具
US20150155118A1 (en) Control device with optimized coaxiality
JP2003148644A (ja) 電動弁
JP4098397B2 (ja) 電動流量制御弁
US5620019A (en) Operating device
CN109944975B (zh) 电动阀用定子以及电动阀
CN116348696A (zh) 电动阀及其组装方法
MXPA06010658A (es) Mecanismo de indicacion.
JP2761208B2 (ja) 電動流量制御弁
JP6883008B2 (ja) 電動弁用ステータ及び電動弁
CN114977550A (zh) 电动阀用定子及电动阀
JP4394853B2 (ja) スロットル装置
JP2001037149A (ja) 電動コントロールバルブのコイルカバー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080611

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4246541

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140116

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees