JP4244898B2 - 画像読取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像読取装置に関し、特に、原稿を搬送しながら読取る画像読取装置に関する。
従来から、デジタル複写機等の画像読取装置においては、いわゆる流し撮りという技術が用いられている。この技術は、固定されたラインセンサに対してラインセンサと直交する副走査方向に原稿を搬送させることにより原稿を読取るというものである。
この画像読取装置では、搬送される原稿の読取位置を固定させるために、原稿とラインセンサとの間に透明な原稿台が設けられている。原稿から反射した光は原稿台を介してラインセンサで受光される。
したがって、ゴミ、紙粉、埃、傷等の異物(以下、これらを総称して「ゴミ」という。)が、原稿台の読取位置に付着しているような場合は、ラインセンサでは搬送される原稿を読取っている間中、常にゴミを読取ることになる。そのため、出力される画像に副走査方向の筋状のノイズが発生するという問題が生じていた。
原稿台ガラスの読取位置に付着したゴミが原因で発生するノイズを、読取った画像から検出するために、原稿台を主走査方向に振動させながら搬送される原稿を読取る画像読取装置が特開2000−278485号公報(特許文献1)に記載されている。この画像読取装置は、画像に現れる特定の波形を、ゴミを読取ったことにより発生したノイズとして検出する。
しかしながら、特開2000−278485号公報に記載の画像読取装置は、画像に現れる特定の波形をパターンマッチングで検出しているため、原稿にそのようなパターンが描かれている場合に、誤って検出してしまうといった問題があった。
特開2000−278485号公報
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、原稿台に存在するゴミにより画像に発生するノイズを検出する精度を向上させた画像読取装置を提供することである。
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面に従う画像読取装置は、分光感度が互いに異なるフィルタを有し、副走査方向に距離を隔てて予め定められた順に配置され、原稿を走査して各々信号を出力する、各々の位置が固定された少なくとも3つのラインセンサと、原稿と少なくとも3つのラインセンサとの間に設けられた原稿台と、原稿を副走査方向に第1速度で搬送する原稿搬送手段と、原稿台を第1速度と異なる第2速度で副走査方向に移動させる移動手段と、少なくとも3つのラインセンサの各々から出力される少なくとも3つの信号を、第1速度に基づいて、原稿の同じ位置を読取った信号となるよう、少なくとも3つの信号の出力のタイミングを合わせるための補正をするライン補正手段と、ライン補正手段で補正後の少なくとも3つの信号に基づいてノイズ画素を検出するノイズ画素検出手段とを含む。ノイズ画素検出手段は、補正後の少なくとも3つの信号のそれぞれから、周辺の領域を走査して出力された信号の出力値を基準値として、基準値からの出力差が第1のしきい値以上の第1信号を抽出し、第1信号に対応する原稿上の画素を第1特徴画素とする第1抽出手段と、補正後の少なくとも3つの信号のそれぞれから、基準値からの出力差が第1のしきい値よりも小さい第2のしきい値以上の第2信号を抽出し、第2信号に対応する原稿上の画素を第2特徴画素とする第2抽出手段と、原稿上の各画素について、補正後の少なくとも3つの信号のうち1つの信号において第1特徴画素として抽出され、かつ残りの2つの信号において第2特徴画素として抽出されない場合に、ノイズ画素として検出する検出手段と、検出手段で検出された各ノイズ画素について、その周辺の画素の少なくとも3つの信号に基づいて周囲色を判定する色判定手段と、周囲色の別に、少なくとも3つの信号のうち副走査方向にノイズ画素として検出されるべき順番である出現順を定めた対応関係を参照して、各ノイズ画素についての出現順を決定する決定手段と、各ノイズ画素について、対応の出現順において1番目に出現すべきであると定められた信号以外の信号が、1番目にノイズ画素として検出された場合に、当該ノイズ画素との検出結果を無効とする判定手段とを含む
この発明の別の局面に従う画像読取装置は、分光感度が互いに異なるフィルタを有し、副走査方向に距離を隔てて予め定められた順に配置され、原稿を走査して各々信号を出力する、各々の位置が固定された少なくとも3つのラインセンサと、原稿と少なくとも3つのラインセンサとの間に設けられた原稿台と、原稿を副走査方向に第1速度で搬送する原稿搬送手段と、原稿台を第1速度と異なる第2速度で副走査方向に移動させる移動手段と、少なくとも3つのラインセンサの各々から出力される少なくとも3つの信号を、第1速度に基づいて、原稿の同じ位置を読取った信号となるよう、少なくとも3つの信号の出力のタイミングを合わせるための補正をするライン補正手段と、ライン補正手段で補正後の少なくとも3つの信号に基づいてノイズ画素を検出するノイズ画素検出手段とを含む。ノイズ画素検出手段は、補正後の少なくとも3つの信号のそれぞれから、周辺の領域を走査して出力された信号の出力値を基準値として、基準値からの出力差が第1のしきい値以上の第1信号を抽出し、第1信号に対応する原稿上の画素を第1特徴画素とする第1抽出手段と、補正後の少なくとも3つの信号のそれぞれから、基準値からの出力差が第1のしきい値よりも小さい第2のしきい値以上の第2信号を抽出し、第2信号に対応する原稿上の画素を第2特徴画素とする第2抽出手段と、原稿上の各画素について、補正後の少なくとも3つの信号のうち1つの信号において第1特徴画素として抽出され、かつ残りの2つの信号において第2特徴画素として抽出されない場合に、ノイズ画素として検出する検出手段と、検出手段で検出された各ノイズ画素について、その周辺の画素の少なくとも3つの信号に基づいて周囲色を判定する色判定手段と、周囲色の別に、少なくとも3つの信号のうち副走査方向にノイズ画素として検出されるべき順番である出現順を定めた対応関係を参照して、各ノイズ画素についての出現順を決定する決定手段と、ノイズ画素のうち主走査方向における位置を同一にする第1ノイズ画素および第1ノイズ画素の後に検出された第2ノイズ画素について、第1ノイズ画素が対応の出現順において1番目に出現すべきであると定められた信号についてノイズ画素として検出されており、かつ第2ノイズ画素が対応の出現順において2番目に出現すべきであると定められた信号以外の信号についてノイズ画素として検出された場合に、第2ノイズ画素についてのノイズ画素との検出結果を無効とする判定手段とを含む。
好ましくは、決定手段は、周囲色として判定され得る色に対応付けて出現順を予め規定したテーブルを参照して、出現順を決定する。
好ましくは、テーブルは、少なくとも3つのラインセンサに対する原稿台の移動方向の別に出現順が規定されており、決定手段は、少なくとも3つのラインセンサに対する原稿台の移動方向に基づいて、出現順を決定する。
好ましくは、ノイズ画素判定手段は、周辺にある画素の色が変化した場合はノイズ画素を有効とする。
好ましくは、少なくとも3つのラインセンサで原稿を走査する間、原稿を搬送する原稿搬送手段をさらに備える。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像読取装置を備えたMFP(Multi Function Peripheral)の斜視図である。図1を参照して、MFPは、原稿画像を読取るための画像読取装置10と、画像読取装置10の下部に設けられた画像形成装置20とを含む。MFPは、画像読取装置10で読取られた画像を紙などの記録媒体に形成する。また、MFPは、フアクシミリ装置、ローカルエリアネットワーク(LAN)、公衆回線などのネットワークと接続するための通信インターフェースを備える。
図2は画像読取装置10の内部構成の概略を示す図である。画像読取装置10は、原稿を自動的に原稿読取り位置に搬送するための自動原稿搬送装置(ADF)101と、本体部103とを含む。自動原稿搬送装置101は、原稿読取位置付近において原稿の搬送をガイドするための上部規制板203と、原稿を原稿読取り位置に搬送するためのタイミングローラ対201と、読取り位置を通過した原稿を搬送するためのローラ対202とを備える。
本体部103は、透明な部材から構成された原稿台205と、原稿の搬送経路の一部を形成する通紙ガイド207と、原稿を読取り位置で照射するための光源206と、光源からの光を反射させる反射部材208と、3つのラインセンサが副走査方向に配列された読取部213と、原稿からの反射光を反射して読取部213に導くための反射ミラー209と、反射ミラー209からの反射光を読取部213上に結像させるためのレンズ211と、読取部213が出力する電気信号を処理するための画像処理部215と、原稿台205を振動させるためのモータ219と、画像処理部215からの制御信号に基づいてモータ219の駆動を制御するモータ制御部217とを含む。
原稿200は、タイミングローラ対201により、原稿台205と上部規制板203との間を矢印D1の方向に搬送される。そして、搬送されながら読取位置Lにおいて、読取部213によりその画像が逐次読取られる。自動原稿搬送装置101によって、原稿が搬送される方向は、読取位置Lにおいて副走査方向である。画像読取動作中、原稿台205は、モータ219により矢印D2の方向に振動させられている。原稿台205の振動方向と副走査方向とは実質的に平行である。
読取部213は、3つのラインセンサを備える。3つのラインセンサそれぞれは、副走査方向と実質的に垂直な主走査方向に複数の光電変換素子が配列されている。3つのラインセンサそれぞれは、互いに分光感度が異なるフィルタを有し、原稿から反射した光をフィルタを介して受光する。具体的には、赤(R)、緑(G)および青(B)の各波長の光を透過するフィルタを有する。このため、赤(R)のフィルタを有するラインセンサは、原稿から反射した光のうち赤色の光の強度を示す電気信号(R信号)を出力し、緑(G)のフィルタを有するラインセンサは、原稿から反射した光のうち緑色の光の強度を示す電気信号(G信号)を出力し、青(B)のフィルタを有するラインセンサは、原稿から反射した光のうち青色の光の強度を示す電気信号(B信号)を出力する。
3つのラインセンサは、副走査方向に所定の距離を隔てて予め定められた順番で配置される。ここでは、原稿の読取ラインに換算して3ライン分の距離を隔てて原稿の搬送方向で赤、緑、青の順に配置されている。なお、ラインセンサを配置する間隔および順番は、これらに限定されるものではない。
3つのラインセンサは、3ライン分の距離を隔てて赤、緑、青の順に配置されるので、3つのラインセンサは、同じタイミングで原稿の異なる位置で反射した光を受光する。したがって、原稿のある位置で反射した光は、まず、赤の光を受光するラインセンサで受光され、その後緑の光を受光するラインセンサで受光され、最後に青の光を受光するラインセンサで受光される。この遅れは、後述する画像処理部215で調整される。
なお、本実施の形態においては、読取部213に3つのラインセンサを設けるようにしたが、4つ以上のラインセンサを設けるようにしてもよい。
図3は、原稿台を振動させるための機構を示す斜視図である。図3を参照して、原稿台205は、原稿台ホルダ221により保持される。原稿台ホルダ221は、ガイド220により副走査方向に摺動可能に保持される。ガイド220は、画像読取装置10の本体に固定される。原稿台ホルダ221の1つの面に2つのアーム222が接合されている。アーム222の他端は円形の穴を有する。
軸224には、2つのアーム222に対応する位置に2つのカム223が取付けられる。また、軸224の一端にギア225が取付けられる。ギア225は、モータ219の駆動軸とベルトで接合されたギア226と噛み合うように配置される。モータ219が回転すると、その回転がベルトを介してギア226に伝えられ、ギア226が回転する。ギア226の回転に伴って、ギア225および軸224が回転する。
カム223は、アーム222の円形の穴の中に配置される。このため、軸224の回転に伴う2つのカム223の回転運動が、原稿台ホルダ221の往復運動に変換される。
なお、原稿台205を振動させるための機構はこれに限定されることなく、例えば、電磁石、空気圧、油圧等を利用したピストン等の直線運動を生じさせる駆動源を用いた機構としてもよい。
原稿台205は、副走査方向と平行に振動させられる。原稿台205が原稿の搬送方向
と逆方向に移動している間は、原稿台205と、原稿とは逆方向に移動するため、原稿台205のラインセンサ213R,213G,213Bに対する相対速度と、原稿のラインセンサ213R,213G,213Bに対する相対速度とが異なる。一方、原稿台205が原稿の搬送方向に移動している間は、原稿台205の速度と、原稿の搬送速度とは方向が同じである。速さを異ならせるようにするのが好ましい
ここで、本実施の形態における画像読取装置10が、原稿台205に付着したゴミにより発生するノイズを、読取った画像から検出する原理について説明する。図4は、読取った画像からゴミを読取ることにより発生するノイズを検出する原理を説明するための図である。ここでは、原稿および原稿台205は図中矢印方向に搬送され、原稿台205の移動速度は、原稿の搬送速度と方向が同じで2倍の速さとしている。また、3つのラインセンサは、赤の光を受光するラインセンサ、緑の光を受光するラインセンサ、青の光を受光するラインセンサの順に、原稿の搬送方向に3ラインの距離を隔てて配置されているものとする。なお、赤の光を受光するラインセンサの出力をR、緑の光を受光するラインセンサの出力をG、青の光を受光するラインセンサの出力をBで示している。
図4(A)は、ライン間補正を説明するための図である。原稿の一部の画像は、まず、原稿の搬送方向の最も上流に配置された赤の光を受光するラインセンサで読取られる。そして、その原稿の画像が4ライン分の距離だけ搬送されて、緑の光を受光するラインセンサで読取られる。さらに、その原稿の画像が4ライン分の距離だけ搬送されて、青の光を受光するラインセンサで読取られる。
このように、原稿の同じ位置の画像が、3つのラインセンサで異なるタイミングで読取られるため、3つのラインセンサが出力する信号にタイミングのずれが生じる。ライン間補正では、各信号が原稿の同じ位置となるように3つのラインセンサが出力する信号のタイミングを合わせる。具体的には、出力Rを8ライン分遅延させ、出力Gを4ライン分遅延させる。
ライン間補正した出力R,出力G、出力Bを合成した合成出力は、原稿の同じ位置で読取った出力R,出力G、出力Bを合成した出力となる。
図4(B)は、原稿台に付着したゴミを読取った場合に出力される合成出力を説明するための図である。原稿台205に付着したゴミは、まず、原稿の搬送方向の最も上流に配置された赤の光を受光するラインセンサで読取られる。そして、そのゴミが4ライン分の距離だけ搬送されて、緑の光を受光するラインセンサで読取られる。ここで、原稿台205は、原稿の搬送速度に対して2倍の速さで同一方向に移動するため、ラインセンサが原稿を2ライン分読取るだけの時間でゴミは4ライン分を移動する。このため、赤のラインセンサでゴミを読取った時点と、緑のラインセンサでゴミを読取る時点とでは、2ライン分を読取る時間だけずれる。さらに、そのゴミが4ライン分の距離だけ搬送されて、青の光を受光するラインセンサで読取られる。原稿台205は、原稿の搬送速度に対して2倍の速さで同一方向に移動するため、緑のラインセンサでゴミを読取った時点と、青のラインセンサでゴミを読取る時点とでは、2ライン分を読取る時間だけずれる。
そして、ライン間補正により、赤の光を受光するラインセンサがゴミを読取って出力する出力Rは8ライン分遅延され、緑の光を受光するラインセンサがゴミを読取って出力する出力Gは4ライン分遅延される。このため、ライン間補正した出力R,出力G、出力Bを合成した合成出力では、ゴミを読取った出力Rと、ゴミを読取った出力Gと、ゴミを読取った出力Bとが同じタイミングとならず、2ライン分ずれる。
なお、図では、紙粉などの白色のゴミが原稿台205に付着しており、黒色の原稿を読取る場合の合成出力を示している。この場合、白色のゴミを読取ったにもかかわらず、合成出力では、白色ではなく、3つのラインに分かれた青、緑、赤の出力となる。
このように、原稿台205に付着したゴミは、画像中で複数のラインに分断される。このため、原稿台205を移動させずに読取る場合に比べて、ゴミを読取ることにより生じるノイズが少なくなる。
図4(C)は、原稿台に付着したゴミを読取った場合に出力される合成出力を説明するための別の図である。図4(C)では、副走査方向に10ライン分の大きさのゴミを読取る場合を例に示している。原稿台205は、原稿の搬送速度に対して2倍の速さで同一方向に移動するため、ごみは、5ライン分の大きさとして読取られる。
原稿台205に付着したゴミは、まず、原稿の搬送方向の最も上流に配置された赤の光を受光するラインセンサで読取られる。そして、そのゴミが4ライン分の距離だけ搬送されて、緑の光を受光するラインセンサで読取られる。赤のラインセンサでゴミを読取った時点と、緑のラインセンサでゴミを読取る時点とでは、2ライン分を読取る時間だけずれる。さらに、そのゴミが4ライン分の距離だけ搬送されて、青の光を受光するラインセンサで読取られる。緑のラインセンサでゴミを読取った時点と、青のラインセンサでゴミを読取る時点とでは、2ライン分を読取る時間だけずれる。
そして、ライン間補正により、赤の光を受光するラインセンサがゴミを読取って出力する出力Rは8ライン分遅延され、緑の光を受光するラインセンサがゴミを読取って出力する出力Gは4ライン分遅延される。このため、ライン間補正した出力R,出力G、出力Bを合成した合成出力では、ゴミを読取った5ライン分の出力Rと、ゴミを読取った5ライン分の出力Gと、ゴミを読取った5ライン分の出力Bとは、同じタイミングとならず、2ライン分ずれる。なお、図では、紙粉などの白色のゴミが原稿台205に付着しており、黒色の原稿を読取る場合の合成出力を示している。この場合、白色のゴミを読取ったにもかかわらず、合成出力では、青、青緑、白、黄、赤の順に色が変化する出力となる。
このように、原稿台205に付着したゴミは、画像中で複数のラインに分断される。この分断されたラインを各色ごとに特徴点として抽出することにより、ノイズを検出するのである。また、分断されることによってゴミを読取ることにより生じるノイズも少なくなる。
図5は、原稿台を裏面から見た平面図である。図5を参照して、原稿台205は、一端にマーク205Aを有する。マーク205Aは、主走査方向の長さが副走査方向の位置により異なる形状であり、単色である。ここでは、マーク205Aは、三角形の形状で、黒色としている。また、マーク205Aの一辺が原稿台205の一辺と平行に配置される。
読取部213を用いて、または、読取部213とは別に設けられ、本体部103に固定されたセンサを用いて、マーク205Aの主走査方向の長さを検出することにより、原稿台205の読取部213に対する相対的な位置を検出することが可能となる。
図6は、読取部213で読取られる原稿台205上の位置を示す図である。読取部213は、赤(R)のフィルタを有するラインセンサ213Rと、緑(G)のフィルタを有するラインセンサ213Gと、青(B)のフィルタを有するラインセンサ213Bとが、原稿の搬送方向D1に、ラインセンサ213R、213G、213Bの順に配列されている。
ラインセンサ213Rは、原稿台205の領域205Rを透過した光を受光する。ラインセンサ213Gは、原稿台205の領域205Gを透過した光を受光する。ラインセンサ213Bは、原稿台205の領域205Bを透過した光を受光する。領域205R,205G,205Bは、3ライン分の間隔を有するようにラインセンサ213R,213G,213Bが配置される。原稿は、まず領域205Rを通過し、次に領域205Gを通過し、最後に領域205Bを通過する。したがって、原稿のある位置で反射した光は、まず、赤の光を受光するラインセンサ213Rで受光され、その後緑の光を受光するラインセンサ213Gで受光され、最後に青の光を受光するラインセンサ213Bで受光される。このように、ラインセンサ213R,213G,213Bは、3ライン分の距離を隔てて配置されるので、ラインセンサ213R,213G,213Bは、同時に原稿の同じ位置で反射した光を受光することはない。
ここで、原稿台205上に最大長さが4ライン以下のゴミ300が付着しているとする。この場合、原稿台205が副走査方向に平行に振動して移動するので、ゴミ300は領域205R,205G,205Bの2つ以上に同時に存在することはない。図6では、ゴミ300が領域205Gに存在する場合を示している。この場合には、ゴミ300で反射した光は、ラインセンサ213Gでのみ受光され、ラインセンサ213R,213Bでは受光されない。
また、原稿台205が振動することにより、ゴミ300が存在することとなる領域は、原稿台205が原稿の搬送方向D1に移動しているときは、初めに領域205R、次に領域205G、最後に領域205Bの順に変化する。逆に、原稿台205が原稿の搬送方向D1と逆に移動しているときは、初めに領域205B、次に領域205G、最後に領域205Rの順に変化する。
したがって、ゴミ300で反射した光が受光される順序は、原稿台205が原稿の搬送方向D1に移動しているときは、初めにラインセンサ213R、次にラインセンサ213G、最後にラインセンサ213Bであり、原稿台205が原稿の搬送方向D1と逆に移動しているときは、初めにラインセンサ213B、次にラインセンサ213G、最後にラインセンサ213Rである。
原稿台205が原稿の搬送方向に移動している場合は、ゴミを読取ることによるノイズは、最初にラインセンサ213Rが出力するR信号、次にラインセンサ213Gが出力するG信号、最後にラインセンサ213Bが出力するB信号の順に表れる。また、原稿台205が原稿の搬送方向と逆の方向に移動している場合は、ゴミを読取ることによるノイズは、最初にラインセンサ213Bが出力するB信号、次にラインセンサ213Gが出力するG信号、最後にラインセンサ213Rが出力するR信号の順に表れる。すなわち、ゴミを読取ることにより発生するノイズが表れる信号の順番が原稿台205の移動方向により定まる。R信号、G信号、B信号からノイズが検出される順番を判定することで、ノイズを検出する精度を向上させることができる。
図7は、本実施の形態における画像読取装置の画像処理部の構成を示すブロック図である。図7を参照して、画像処理部215には、読取部213からR信号、G信号、B信号が入力される。画像処理部215は、読取部213から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するためのアナログデジタル変換部(A/D変換部)251と、光源206の照明ムラ等を補正するためのシェーディング補正部253と、R信号、G信号およびB信号が原稿の同一ラインとなるように同期させるためのライン間補正部255と、レンズ211による主走査方向の歪を補正するための色収差補正部257と、R信号、G信号およびB信号から注目画素の周辺画素の色を検出する周辺色検出部258と、R信号、G信号、B信号のそれぞれからノイズを検出するためのノイズ検出処理部259と、ノイズ画素を補正する処理を実行するノイズ補正部260と、画像処理部215の全体を制御するための制御部263と、画像を画像形成装置20に出力するためのプリンタインターフェース261とを備える。制御部263には、原稿台205の位置を検出するための位置検出部265が接続されている。位置検出部265は、原稿台205が有するマーク205Aの主走査方向の長さを検出する。
ライン間補正部255は、R信号を8ライン分遅延させ、G信号を4ライン分遅延させることにより、R信号、G信号およびB信号が原稿の同一ラインとなるように同期させる。上述したように、ラインセンサ213R,213G,213Bは、副走査方向に3ライン分の距離を隔てて配列されていたためである。
周辺色検出部258は、R信号と、G信号と、B信号とが入力される。周辺色検出部258は、全ての信号から画素ごとに周辺画素の色を検出する。周辺画素は、処理対象画素に接する画素である。ここでは、処理対象画素を1画素として説明するが、処理対象画素が複数画素の場合も考えられるため、複数画素に外接する画素が周辺画素となる。周辺画素が複数の場合は、周辺画素のR信号、G信号、B信号それぞれの最大値、中間値、最小値または平均値を用いるようにすればよい。
周辺色検出部258は、画素毎に周辺画素の色を検出する。色は、無彩色(K)、赤(R)、赤紫(M)、青(B)、青緑(C)、緑(G)および黄(Y)のいずれかである。ここでは、1ライン分のR信号、G信号およびB信号が入力されるので、1ラインで全ての画素について、その画素の周辺にある画素の色が検出される。検出された色は、1ライン分まとめた色信号としてノイズ検出処理部259に出力される。
ノイズ検出処理部259は、色収差補正部257よりR信号、G信号およびB信号が入力され、制御部263から原稿台205の位置と、原稿台205の移動方向とが入力され、周辺色検出部258から色信号が入力される。ノイズ検出処理部259は、色収差補正部257から入力されたR信号、G信号およびB信号ごとに、ノイズ画素を検出する。そして、ノイズ画素を「1」とし他の画素を「0」とする論理信号をノイズ補正部260と制御部263とに出力する。その詳細については後述する。
ノイズ補正部260には、色収差補正部257よりR信号、G信号およびB信号が入力され、ノイズ検出処理部259からは、ノイズ画素を「1」とし他の画素を「0」とする論理信号がR信号、G信号およびB信号ごとに入力される。
ノイズ補正部260は、R信号、G信号およびB信号それぞれに対応する論理信号からノイズ画素とされる画素の色を判定する。この際、副走査方向に連続するノイズ画素の色を判定する。また、ノイズ画素が副走査方向に連続しない場合には、2つのノイズ画素の間にある画素の色を判定する。そして、たとえば、センサの配置や原稿台の移動方向が図4に示されるものであって、図4に示されるような黒地に白色のゴミを検出する場合、または白地に黒色のゴミを検出する場合、主走査方向に同じ位置で、副走査方向の色の変化が、原稿台の搬送速度と原稿の搬送速度との差分およびラインセンサ間の距離に対するゴミのサイズに応じて次の順となるときに、それらの画素の全てをノイズ画素とする。
(1)白地に黒色のゴミを検出する場合であって、ゴミのサイズがやや大きい場合:CBMRYまたはYRMBC
(2)白地に黒色のごみを検出する場合であって、ゴミのサイズがさらに大きい場合:CBKRYまたはYRKBC
(3)黒地に白色のごみを検出する場合であって、ゴミのサイズがやや大きい場合:RYGCBまたはBCGYR
(4)黒地に白色のごみを検出する場合であって、ゴミのサイズがさらに大きい場合:RYWCBまたはBCWYR
ただし、Rは赤、Gは緑、Bは青、Cは青緑、Mは赤紫、Yは黄、Kは黒、Wは白を示す。なお、ここでは色の変化の順番を示したのみで、同じ色の画素が2つ以上連続してもよい。たとえば、CCBBMMRRYYと色が変化する場合でもよい。
これにより、ゴミが、複数のラインセンサにより同時に読取られる大きさ、ここでは4ライン分以上の大きさであっても、そのゴミを読取ることにより生じるノイズを検出することができる。
また、ノイズ補正部260は、R信号、G信号およびB信号それぞれについて、対応する論理信号に基づいて、ノイズ画素とされた画素値を周辺のノイズ画素でない画素の画素値に置換える。周辺のノイズ画素でない複数の画素の平均値、最大値または最小値に置換えるようにすればよい。ノイズ補正部260は、ノイズ画素を周辺の画素で置換したR信号、G信号およびB信号をプリンタインターフェースに出力する。
制御部263では、位置検出部265から原稿台205の位置が入力され、ノイズ検出処理部259からノイズ画素を「1」とし他の画素を「0」とする論理信号が入力される。制御部263は、これらの信号から、原稿台205上のゴミの位置を特定する。より具体的には、原稿台205の位置と論理信号のライン番号とから原稿台205の副走査方向の位置を特定し、論理信号のノイズ画素の位置から原稿台205の主走査方向の位置を特定する。
図8は、周辺色検出部258の構成の一例を示す図である。図8を参照して、周辺色検出部258は、黄(Y)、赤紫(M)、青緑(C)、青(B)、緑(G)および赤(R)それぞれの色を判定する色判定部258Y,258M,258C,258B,258G,258Rを含む。色判定部258Y,258M,258C,258B,258G,258Rそれぞれには、R信号と、G信号と、B信号と、しきい値Ref(C)とが入力される。しきい値Ref(C)は、予め定められた値であり、たとえばROM等に記憶されている。なお、しきい値Ref(C)は、色判定部258Y,258M,258C,258B,258G,258Rごとに異なる値を用いても良い。
色判定部258Yは、黄色を判定する。このため、G信号とB信号の差分がしきい値Ref(C)よりも大きく、かつ、R信号とB信号との差分がしきい値Ref(C)よりも大きい場合に、黄であることを示す信号を色信号として出力する。
色判定部258Mは、赤紫を判定する。このため、B信号とG信号の差分がしきい値Ref(C)よりも大きく、かつ、R信号とG信号との差分がしきい値Ref(C)よりも大きい場合に、赤紫であることを示す信号を色信号として出力する。
色判定部258Cは、青緑を判定する。このため、B信号とR信号の差分がしきい値Ref(C)よりも大きく、かつ、G信号とR信号との差分がしきい値Ref(C)よりも大きい場合に、青緑であることを示す信号を色信号として出力する。
色判定部258Bは、青を判定する。このため、B信号とG信号の差分がしきい値Ref(C)よりも大きく、かつ、B信号とR信号との差分がしきい値Ref(C)よりも大きい場合に、青であることを示す信号を色信号として出力する。
色判定部258Gは、緑を判定する。このため、G信号とB信号の差分がしきい値Ref(C)よりも大きく、かつ、G信号とR信号との差分がしきい値Ref(C)よりも大きい場合に、緑であることを示す信号を色信号として出力する。
色判定部258Rは、赤を判定する。このため、R信号とB信号の差分がしきい値Ref(C)よりも大きく、かつ、R信号とG信号との差分がしきい値Ref(C)よりも大きい場合に、赤であることを示す信号を色信号として出力する。
周辺色検出部258は、色判定部258Y,258M,258C,258B,258G,258Rのいずれかから出力される色信号を出力する。色判定部258Y,258M,258C,258B,258G,258Rのいずれかからも色信号が出力されない場合には、無彩色の色信号を出力する。
図9は、周辺色検出部258が判定する色の一例を示す図である。図9(A)は黄を検出するための条件を満たす明度の一例を示し、図9(B)は赤紫を検出するための条件を満たす明度の一例を示し、図9(C)は青緑を検出するための条件を満たす明度の一例を示し、図9(D)は青を検出するための条件を満たす明度の一例を示し、図9(E)は緑を検出するための条件を満たす明度の一例を示し、図9(F)は赤を検出するための条件を満たす明度の一例を示す。
次にノイズ検出処理について具体的に説明する。図6で説明したように、ラインセンサ213R,213G,213Bは、同じタイミングで原稿の異なる位置を読取ることになる。ライン間補正部255で、R信号、G信号およびB信号のラインを同期させることにより、原稿の同じ位置を読取ったR信号、G信号およびB信号が得られる。
図10は、読取部が出力するRGB信号の一例を示す図である。図10(A)は、黒色のゴミが原稿台のラインセンサ213Rに対応する領域205Rに付着しており、原稿の白色の領域を読取った場合の一例を示している。ラインセンサ213Rが黒色のゴミを読取った時点の原稿の領域が、ラインセンサ213G,213Bに対応する領域205G,205Bに移動した時点では、ゴミはラインセンサ213G,213Bに対応する領域205G,205Bには存在しない。原稿と原稿台205とが異なる速度で移動するからである。このため、ラインセンサ213G,213Bでは、原稿の白色の領域を読取ることになる。その結果、ラインセンサ213Rが出力するR信号だけが明度が低くなり、ラインセンサ213G,213Bが出力するG信号、B信号は明度が高い。なお、ここでは、反射光に応じた3つのラインセンサ213R,213G,213Bの出力値を明度という。
図10(A)に示すRGB信号の組合せは、ゴミのない状態で原稿を読取った場合に出力されることは希である。最も近い組合せは、赤の補色であるシアンの領域を読取った場合である。図10(B)は、原稿の青緑の領域を読取った場合に読取部213が出力するRGB信号を示す図である。R信号は明度が大きく下がるがG信号およびB信号の明度も下がる。このため、明度が大きく下がるR信号の明度の変化を、しきい値Re1(R)を用いて検出することができる。
図10(A)に示すRGB信号と図10(B)に示すRGB信号とではB信号とG信号が影響を受けるか受けないかの大きな違いがある。この違いを検出することにより、青緑の線を誤ってノイズとして検出することなく、黒色のゴミをノイズとして検出することができる。したがって、B信号の明度の変化をしきい値Ref2(B)を用いて検出する。しきい値Ref2(B)は、次の値のうち最も小さな値とすればよい。以下では、しきい値Ref2(R),Ref2(G),Ref2(B)を示している。
(1)明度の高い無彩色のゴミを検出する場合
青緑の線をノイズとして誤って検出することがないように、赤の補色である青緑を読取った場合に、ラインセンサ213R以外のラインセンサ213G,213Bのいずれか一方が出力する明度と明度の最大値(255)との差Ref2(G),Ref2(B)とすればよい。赤紫の線をノイズとして誤って検出することがないように、緑の補色である赤紫を読取った場合に、ラインセンサ213G以外のラインセンサ213R,213Bのいずれか一方が出力する明度と最大明度(255)との差Ref2(R),Ref2(B)とすればよい。黄の線をノイズとして誤って検出することがないように、青の補色である黄を読取った場合に、ラインセンサ213B以外のラインセンサ213R,213Gのいずれか一方が出力する明度と最大明度(255)との差Ref2(R),Ref2(G)とすればよい。
(2)明度の低い無彩色のゴミを検出する場合
赤の線をノイズとして誤って検出することがないように、赤を読取った場合に、ラインセンサ213R以外のラインセンサ213G,213Bのいずれか一方が出力する明度と明度の最小値(0)との差Ref2(G),Ref2(B)とすればよい。緑の線をノイズとして誤って検出することがないように、緑を読取った場合に、ラインセンサ213G以外のラインセンサ213R,213Bのいずれか一方が出力する明度と最小値(0)との差Ref2(R),Ref2(B)とすればよい。青の線をノイズとして誤って検出することがないように、青を読取った場合に、ラインセンサ213B以外のラインセンサ213R,213Gのいずれか一方が出力する明度と最小値(0)との差Ref2(R),Ref2(G)とすればよい。
このようにして、しきい値Ref2(R),Ref2(G),Ref2(B)は、複数求まるが、それらの最小値を用いればよい。
ここでは、黒色のゴミをノイズとして検出することを説明するが、黒色でなくても無彩色のゴミであれば検出することが可能である。無彩色のゴミであれば、R信号、G信号およびB信号の全てに影響を与えるからである。
また、ここでは白色の原稿を読取る場合を例に説明するが、原稿の色は白色に限定されることなく、どのような色であってもよい。
しかしながら、原稿の青緑色の領域を読取っているときに、ラインセンサ213Rに対応する領域205Rに無彩色の例えば黒色のゴミが存在する場合、図10(B)に示すRGB信号となる。ここで、検出する精度を向上させるために、図4に示すようにライン間補正した出力R,出力G,出力Bの出現順を考慮して、例えばR信号、G信号、B信号の順番でノイズが検出されたときに限って、ノイズであるとの判定を行なうようにした場合、その周辺色を考慮しないと適切な検出ができない。具体的には、図9(C)に示すように、原稿の青緑色の領域を読取っているときには、黒色のゴミの存在にかかわらず、R信号は、ほぼMin(黒レベル)になっている。そのため、最初にノイズが検出されるべきR信号ノイズとして検出されず、その結果、R信号がノイズであるとの検出を条件に判定が行われるG信号、B信号についても、それらについてのノイズとしての検出が無視されてしまう。
すなわち、図9に示すように、原稿の色に応じてラインセンサ213R,213G,213Bの各々がゴミを検出できる感度が異なることになる。
本実施の形態における画像読取装置10は、原稿の色に応じてR信号、G信号、B信号からノイズが検出される信号、および、ノイズが検出される信号の順番を判定するようにする。特に、後述する図15に示すように原稿の周辺色に応じて、ノイズが検出されるべき信号の順番を適切に決定する。これにより、ノイズを検出する精度をさらに向上させることができる。
図11は、本実施の形態における画像読取装置のノイズ検出処理部の構成を示すブロック図である。図11を参照して、ノイズ検出処理部259は、入力されるR信号、G信号、B信号それぞれから所定の特徴を有する領域を抽出するための第1明度差検出部301R、301G,301Bおよび第2明度差検出部302R,302G,302Bと、第2明度差検出部302R、302G,302Bで抽出された領域を周辺に拡張するための検出結果拡張処理部303R,303G,303Bと、否定論理和素子305R,305G,305Bと、論理積素子307R,307G,307Bと、判定部308と、検出エリア拡張処理部309R,309G,309Bとを含む。
R信号、G信号、B信号が1ラインずつ順にノイズ検出処理部259に入力される。なお、R信号、G信号、B信号は、複数ラインまとめて入力されてもよく、画像全体でまとめて入力されてもよい。
第1明度差検出部301Rは、R信号としきい値Ref1(R)とが入力される。第1明度差検出部301Rは、R信号から第1レベルの所定の特徴を有する領域を抽出する。第1レベルの所定の特徴を有する領域とは、周辺の領域と明度の差がしきい値Ref1(R)以上の領域である。そのような領域は、1画素以上の大きさであればよい。ここでは、第1レベルの所定の特徴を有する領域に含まれる画素を第1特徴画素という。
第1レベルの所定の特徴を有する領域は、エッジ抽出フィルタを用いて抽出するようにしてもよい。エッジ抽出フィルタは、エッジ領域のサイズごとに複数準備され、フィルタ処理の結果得られる値としきい値Ref22(R)とが比較される。そして、しきい値Ref1(R)との条件を満たす画素がエッジ領域の中心画素とされ、その条件をみたしたエッジ抽出フィルタからエッジ領域のサイズが求められる。
図12は、エッジ抽出フィルタの一例を示す図である。図12(A)は、R信号が1ラインずつ入力される場合に1画素のサイズのエッジ領域を検出するために用いられるエッジ抽出フィルタを示す。図12(B)は、R信号が複数ラインまとめて入力される場合に1画素のサイズのエッジ領域を検出するために用いられるエッジ抽出フィルタを示す。
図12(C)は、R信号が1ラインずつ入力される場合に3画素のサイズのエッジ領域を検出するために用いられるエッジ抽出フィルタを示す。図12(D)は、R信号が複数ラインまとめて入力される場合に3画素のサイズのエッジ領域を検出するために用いられるエッジ抽出フィルタを示す。
図12(E)は、R信号が1ラインずつ入力される場合に5画素のサイズのエッジ領域を検出するために用いられるエッジ抽出フィルタを示す。図12(F)は、R信号が複数ラインまとめて入力される場合に5画素のサイズのエッジ領域を検出するために用いられるエッジ抽出フィルタを示す。
これらのエッジ抽出フィルタの成立条件は、次のようになる。
(1)明度が高いエッジ領域の判定条件は、画素Aと画素Bの明度の平均から画素Cの明度の平均を減算した値がしきい値Ref1(R)以上の場合である。
平均(画素Aと画素B)−平均(画素C)>Ref1(R)
この場合の中心画素は、画素Aと画素Bと画素Cのうち明度が最大の画素である。
(2)明度が低いエッジ領域の判定条件は、画素Cの明度の平均から画素Aと画素Bの明度の平均を減算した値がしきい値Ref1(R)以上の場合である。
平均(画素C)−平均(画素Aと画素B)>Ref1(R)
この場合の中心画素は、画素Aと画素Bと画素Cのうち明度が最小の画素である。
G信号、B信号についても、R信号に用いられるのと同様のエッジ抽出フィルタを用いることができる。
第1明度差検出部301R,301G,301Bでは、上述したエッジ抽出フィルタで算出された値と、しきい値Ref1(R),Ref1(G),Ref1(B)とが比較される。
図11に戻って、第1明度差検出部301Rで抽出された第1特徴画素を「1」とし、そうでない画素を「0」とした論理信号が、論理積素子307Rに出力される。
第2明度差検出部302Rは、R信号としきい値Ref2(R)とが入力される。第2明度差検出部302Rは、R信号から第2レベルの所定の特徴を有する領域を抽出する。第2レベルの所定の特徴を有する領域とは、周辺の領域と明度の差がしきい値Ref2(R)以上の領域である。そのような領域は、1画素以上の大きさであればよい。ここでは、第2レベルの所定の特徴を有する領域に含まれる画素を第2特徴画素という。しきい値Ref2(R)は、しきい値Ref1(R)よりも小さな値である。
第2レベルの所定の特徴を有する領域は、エッジ抽出フィルタを用いて抽出するようにしてもよい。エッジ抽出フィルタは、エッジ領域のサイズごとに複数準備され、フィルタ処理の結果得られる値としきい値Ref2(R)とが比較される。そして、しきい値Ref2(R)との条件を満たす画素がエッジ領域の中心画素とされ、その条件をみたしたエッジ抽出フィルタからエッジ領域のサイズが求められる。
第2明度差検出部302R,302G,302Bでは、上述したエッジ抽出フィルタで算出された値と、しきい値Ref2(R),Ref2(G),Ref2(B)とが比較される。
第2明度差検出部302Rで抽出された第2特徴画素を「1」とし、そうでない画素を「0」とした論理信号が、検出結果拡張処理部303Rに出力される。
検出結果拡張処理部303Rは、第2明度差検出部302Rで抽出された第2特徴画素の周辺の画素を第2特徴画素とすることにより、第2レベルの所定の特徴を有する領域を拡張する。すなわち、第2明度差検出部302Rから入力される論理信号の値が「1」の画素の周辺にある値が「0」の画素の値を「1」に変更する。これにより、ノイズ検出の精度を向上させることができる。領域を拡張した論理信号は、否定論理和素子305G、305Bに出力される。
第1明度差検出部301Gは、G信号としきい値Ref1(G)とが入力される。第1明度差検出部301Gは、G信号から第1レベルの所定の特徴を有する領域を抽出する。第1レベルの所定の特徴を有する領域とは、周辺の領域と明度の差がしきい値Ref1(G)以上の領域である。
第1レベルの所定の特徴を有する領域は、エッジ抽出フィルタを用いて抽出するようにしてもよい。エッジ抽出フィルタは、エッジ領域のサイズごとに複数準備され、フィルタ処理の結果得られる値としきい値Ref1(G)とが比較される。そして、しきい値Ref1(G)との条件を満たす画素がエッジ領域の中心画素とされ、その条件をみたしたエッジ抽出フィルタからエッジ領域のサイズが求められる。
第1明度差検出部301Gで抽出された特徴画素を「1」とし、そうでない画素を「0」とした論理信号が、論理積素子307Gに出力される。
第2明度差検出部302Gは、G信号としきい値Ref2(G)とが入力される。第2明度差検出部302Gは、G信号から第2レベルの所定の特徴を有する領域を抽出する。第2レベルの所定の特徴を有する領域とは、周辺の領域と明度の差がしきい値Ref2(G)以上の領域である。そのような領域は、1画素以上の大きさであればよい。ここでは、第2レベルの所定の特徴を有する領域に含まれる画素を第2特徴画素という。しきい値Ref2(G)は、しきい値Ref1(G)よりも小さな値である。
第2レベルの所定の特徴を有する領域は、エッジ抽出フィルタを用いて抽出するようにしてもよい。エッジ抽出フィルタは、エッジ領域のサイズごとに複数準備され、フィルタ処理の結果得られる値としきい値Ref2(G)とが比較される。そして、しきい値Ref2(G)との条件を満たす画素がエッジ領域の中心画素とされ、その条件をみたしたエッジ抽出フィルタからエッジ領域のサイズが求められる。
第2明度差検出部302Gで抽出された第2特徴画素を「1」とし、そうでない画素を「0」とした論理信号が、検出結果拡張処理部303に出力される。
検出結果拡張処理部303Gは、第2明度差検出部302Gで抽出された第2特徴画素の周辺の画素を第2特徴画素とすることにより、第2レベルの所定の特徴を有する領域を拡張する。領域を拡張した論理信号は、否定論理和素子305R、305Bに出力される。
第1明度差検出部301Bは、B信号としきい値Ref1(B)とが入力される。第1明度差検出部301Bは、B信号から第1レベルの所定の特徴を有する領域を抽出する。第1レベルの所定の特徴を有する領域とは、周辺の領域と明度の差がしきい値Ref1(B)以上の領域である。
第1レベルの所定の特徴を有する領域は、エッジ抽出フィルタを用いて抽出するようにしてもよい。エッジ抽出フィルタは、エッジ領域のサイズごとに複数準備され、フィルタ処理の結果得られる値としきい値Ref1(B)とが比較される。そして、しきい値Ref1(B)との条件を満たす画素がエッジ領域の中心画素とされ、その条件をみたしたエッジ抽出フィルタからエッジ領域のサイズが求められる。
第1明度差検出部301Bで抽出された特徴画素を「1」とし、そうでない画素を「0」とした論理信号が、論理積素子307Bに出力される。
第2明度差検出部302Bは、B信号としきい値Ref2(B)とが入力される。第2明度差検出部302Bは、B信号から第2レベルの所定の特徴を有する領域を抽出する。第2レベルの所定の特徴を有する領域とは、周辺の領域と明度の差がしきい値Ref2(B)以上の領域である。そのような領域は、1画素以上の大きさであればよい。ここでは、第2レベルの所定の特徴を有する領域に含まれる画素を第2特徴画素という。しきい値Ref2(B)は、しきい値Ref1(B)よりも小さな値である。
第2レベルの所定の特徴を有する領域は、エッジ抽出フィルタを用いて抽出するようにしてもよい。エッジ抽出フィルタは、エッジ領域のサイズごとに複数準備され、フィルタ処理の結果得られる値としきい値Ref2(B)とが比較される。そして、しきい値Ref2(B)との条件を満たす画素がエッジ領域の中心画素とされ、その条件をみたしたエッジ抽出フィルタからエッジ領域のサイズが求められる。
第2明度差検出部302Bで抽出された第2特徴画素を「1」とし、そうでない画素を「0」とした論理信号が、検出結果拡張処理部303Bに出力される。
検出結果拡張処理部303Bは、第2明度差検出部302Bで抽出された第2特徴画素の周辺の画素を第2特徴画素とすることにより、第2レベルの所定の特徴を有する領域を拡張する。領域を拡張した論理信号は、否定論理和素子305R、305Gに出力される。
否定論理和素子305Rには、検出結果拡張処理部303G,303Bそれぞれから領域を拡張した論理信号が入力される。否定論理和素子305Rは、入力された2つの論理信号の論理和を反転した論理信号を論理積素子307Rに出力する。すなわち、G信号およびB信号のいずれでも第2特徴画素でない画素を「1」とし、少なくとも一方で第2特徴画素である画素を「0」とする論理信号が出力される。
論理積素子307Rは、第1明度差検出部301Rから入力される論理信号と、否定論理和素子305Rから入力される論理信号の論理積を、判定部308に出力する。すなわち、R信号で第1特徴画素であって、B信号およびG信号のいずれでも拡張された第2特徴画素でない画素を「1」とし、他の画素を「0」とする論理信号が出力される。この論理信号で値が「1」の画素はノイズ画素を示す。したがって、否定論理和素子305Rと論理積素子307Rとにより、R信号から抽出された第1特徴画素のうちから、G信号およびB信号のいずれでも第2特徴画素として抽出されなかった画素がノイズ画素として判定される。
否定論理和素子305Gには、検出結果拡張処理部303R,303Bそれぞれから領域を拡張した論理信号が入力される。否定論理和素子305Gは、入力された2つの論理信号の論理和を反転した論理信号を論理積素子307Gに出力する。すなわち、R信号およびB信号のいずれでも第2特徴画素でない画素を「1」とし、少なくとも一方で第2特徴画素である画素を「0」とする論理信号が出力される。
論理積素子307Gは、第1明度差検出部301Gから入力される論理信号と、否定論理和素子305Gから入力される論理信号の論理積を、判定部308に出力する。すなわち、G信号で第1特徴画素であって、R信号およびB信号のいずれでも拡張された第2特徴画素でない画素を「1」とし、他の画素を「0」とする論理信号が出力される。この論理信号で値が「1」の画素はノイズ画素を示す。したがって、否定論理和素子305Gと論理積素子307Gとにより、G信号から抽出された第1特徴画素のうちから、R信号およびB信号のいずれでも第2特徴画素として抽出されなかった画素がノイズ画素として判定される。
否定論理和素子305Bには、検出結果拡張処理部303R,303Gそれぞれから領域を拡張した論理信号が入力される。否定論理和素子305Bは、入力された2つの論理信号の論理和を反転した論理信号を論理積素子307Bに出力する。すなわち、R信号およびG信号のいずれでも第2特徴画素でない画素を「1」とし、少なくとも一方で第2特徴画素である画素を「0」とする論理信号が出力される。
論理積素子307Bは、第1明度差検出部301Bから入力される論理信号と、否定論理和素子305Bから入力される論理信号の論理積を、判定部308に出力する。すなわち、B信号で第1特徴画素であって、R信号およびG信号のいずれでも拡張された第2特徴画素でない画素を「1」とし、他の画素を「0」とする論理信号が出力される。この論理信号で値が「1」の画素はノイズ画素を示す。したがって、否定論理和素子305Bと論理積素子307Bとにより、B信号から抽出された第1特徴画素のうちから、R信号およびG信号のいずれでも第2特徴画素として抽出されなかった画素がノイズ画素として判定される。
判定部308には、論理積素子307R,307G,307BからR信号、G信号およびB信号それぞれのノイズ画素を「1」とする論理信号(以下「ノイズ画素信号」という)が1ライン分ずつ順に入力される。また、判定部308には、周辺色検出部258から色信号と、制御部263から原稿台205の移動方向とが入力される。判定部308は、色信号と、原稿台205の移動方向とに基づいて、ノイズ画素信号を補正する。ラインセンサ213R、213G,213Bは、原稿の搬送方向D1に213R、213G,213Bの順に配置されるものであった。また、ゴミの移動する方向、換言すれば、原稿台205の移動方向が制御部263から入力される。このため、ラインセンサ213R、213G,213Bの配置順と、原稿台205の移動方向とから、ノイズ画素が検出されるR信号、G信号、B信号の順が定まる。具体的には、黒色の原稿を読み取る際に、白色のゴミが原稿台205に付着していると、原稿台205の移動方向が原稿の搬送方向D1の場合には、ライン間補正後のB信号、G信号、信号の順にノイズ画素が検出され(図4(B)参照)、原稿台205の移動方向が原稿の搬送方向D1と逆方向の場合には、ライン間補正後のR信号、G信号、信号の順にノイズ画素が検出される。
一方、ラインセンサ213R、213G,213Bは、それぞれ反応する光の波長の範囲が制限されている。したがって、原稿台に付着したゴミが黒色の場合、読取る原稿の位置の色がラインセンサ213R、213G,213Bそれぞれで制限された波長の範囲外の光を反射する色の場合には、ノイズ画素として検出されない。また、原稿台に付着したゴミが白色の場合、読取る原稿の位置の色がラインセンサ213R、213G,213Bそれぞれで制限された波長の範囲内の光を反射する色の場合には、ノイズ画素として検出されない。このため、原稿に表された色によって、R信号、G信号およびB信号のうちノイズ画素が検出されないものがある。
判定部308は、論理積素子307R,307G,307Bから1ライン分ずつ順に入力されるノイズ画素信号でノイズ画素が出現する順を、主走査方向に同じ位置の画素で調べ、定められた出現順に従わないノイズ画素を無効とすることでノイズ画素を補正する。このため、判定部308は、原稿台205の移動方向と周辺の画素の色とから、最初にノイズ画素が検出されるノイズ画素信号(第1データ)を決定する。そして、最初にノイズ画素が検出されると決定されたノイズ画素信号でノイズ画素が出現する前に出現したノイズ画素を無効とする。換言すれば、順に入力されるノイズ画素信号の主走査方向に同じ位置でノイズ画素とされているもののうち、ノイズ画素が最初に検出されると決定されたノイズ画素信号で最初のノイズ画素を含むラインより前のラインにあるノイズ画素を無効とする。そして、無効とされなかったノイズ画素のみを「1」とする論理信号を検出エリア拡張処理部309R,309G,309Bに出力する。
検出エリア拡張処理部309Rは、論理積素子307Rから入力される論理信号で「1」とされる画素の周辺の画素を「1」とすることにより、ノイズ画素の範囲を拡張する。これは、ノイズ画素の補正の精度を向上させるためである。範囲が拡張されたノイズ画素を「1」とする論理信号が、ノイズ補正部260に出力される。
検出エリア拡張処理部309Gは、論理積素子307Gから入力される論理信号で「1」とされる画素の周辺の画素を「1」とすることにより、ノイズ画素の範囲を拡張する。これは、ノイズ画素の補正の精度を向上させるためである。範囲が拡張されたノイズ画素を「1」とする論理信号が、ノイズ補正部260に出力される。
検出エリア拡張処理部309Bは、論理積素子307Bから入力される論理信号で「1」とされる画素の周辺の画素を「1」とすることより、ノイズ画素の範囲を拡張する。これは、ノイズ画素の補正の精度を向上させるためである。範囲が拡張されたノイズ画素を「1」とする論理信号が、ノイズ補正部260に出力される。
図13は、ノイズ検出処理部の判定部で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図13を参照して、判定部308には、論理積素子307R、307G,307Bから1ライン分のノイズ画素信号が入力され(ステップS01)、色信号が入力される(ステップS02)。そして、主走査方向の画素の位置を特定するための変数iが初期化される(ステップS03)。ここでは、変数iに主走方向の最初の画素を特定するための「1」が代入される。
次のステップS04では、制御部263から入力される原稿台205の移動方向に基づいて、原稿台205の移動方向が変化したか否かが判断される。変化した場合にはステップS05に進む、変化していない場合にはステップS05をスキップしてステップS06に進む。ステップS05では、終了フラグE(i)と検出フラグF(i)とをオフに設定することによりリセットする。終了フラグE(i)と検出フラグF(i)とは、主走査方向の画素の位置ごとに設けられる。終了フラグE(i)は、処理対象とされる主走査方向の画素の配列において、周辺の画素の色が変化したことを示すためのフラグであり、ステップS07でオンに設定される。終了フラグE(i)は、後述するノイズ画素判定処理を実行するか否かの判断に用いられる。検出フラグF(i)は、最初にノイズ画素が検出されることが決定されたノイズ画素信号について、ノイズ画素を有するラインが入力されたこと示すためのフラグである。この検出フラグF(i)は、後述するノイズ画素判定処理で使用され、ノイズ画素を無効とするか否かの判断に用いられる。
ステップS06では、主走査方向にi番目の画素の周辺の画素の色(周辺色C(i))に変化があったか否かが判断される。周辺色C(i)の変化は、主走査方向の処理対象となっている画素の位置iごとに判断される。具体的には、一つ前のラインの画素iの周辺色C(i)の値と、現在処理対象となっているラインの画素iの周辺色C(i)の値とが同じか否かで判断される。変化があった場合にはステップS07に進み、変化がない場合にはステップS07をスキップしてステップS08に進む。ステップS07では、終了フラグE(i)をオンに設定する。
ステップS08では、終了フラグE(i)がオンか否かが判定される。終了フラグE(i)がオンの場合にはステップS09をスキップしてステップS10に進む。終了フラグE(i)は、周辺色C(i)に変化があった場合にオンに設定されるため、周辺色C(i)に変化があった場合に、その主走査方向の位置iの画素についてはノイズ画素判定処理の実行を中止させる。これは、周辺色に応じてノイズ画素として検出されるべきノイズ画素信号の順番が変わるからである。
すなわち、たとえば、原稿台に付着したゴミが黒色の場合、周辺色が無彩色(W)であれば、R信号,G信号,B信号、あるいはB信号,G信号,R信号の順番でノイズ画素として検出される。これに対して、周辺色が青緑色(C)であれば、R信号におけるゴミの検出感度は低くなるので、R信号はノイズ画素として検出されず、ノイズ画素して検出される信号の順番は、R信号を除いた、G信号,B信号、あるいはB信号,G信号といった順番となる。
一方、終了フラグ(i)がオンでない場合には、ステップS09に進み、ノイズ画素判定処理が実行される(ステップS09)。
そして、ステップS10では、次に処理対象とするべき画素があるか否かが判断される。処理対象とするべき画素が存在する場合にはステップS11に進み、変数iに1を加算して、処理対象画素を変更し、ステップS06に戻る。そして、変更された処理対象画素について上述したステップS06〜ステップS10までの処理が繰返される。これにより、ステップS01で入力されたラインの主走査方向に配列する全ての画素について処理が実行される。
一方、ステップS10で、処理対象とするべき画素が存在しないと判断された場合にはステップS12に進む。ステップS12では、次に処理対象とするべきラインがあるか否かが判断される。処理対象とするべきラインが存在する場合にはステップS01に戻り、処理対象とするべきラインが存在しない場合には処理を終了する。
図14は、図13のステップS09で実行されるノイズ画素判定処理の流れを示すフローチャートである。ステップS20では、原稿台205の移動方向が判定される。原稿台205の移動方向が原稿の搬送方向D1と同じ方向の場合にはステップS21へ進み、逆方向の場合にはステップS41へ進む。原稿台205の移動方向が原稿の搬送方向D1と同方向の場合には、ゴミは、R信号、G信号、B信号の順に検出され、逆方向の場合にはB信号、G信号、R信号の順に検出される。このように、原稿台205の搬送方向により、ノイズ画素が検出されるノイズ画素信号の順位が異なることに対応するためである。
ステップS21では、R信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号R(i)は、ノイズ画素か否かが判断される。真の場合にはステップS22へ進み、偽の場合にはステップS25に進む。ステップS22では、R信号に対応するノイズ画素信号は、ノイズ画素が検出される1番目の信号か否かが判断される。ステップS22における判断は、判定部308がROM等に予め記憶した判定テーブルを参照することにより決定される。上述したように、原稿台205の移動方向と、処理対象画素の周辺の色(周辺色C(i))とからノイズ画素が検出されるノイズ画素信号の順位が定まる。判定テーブルは、原稿台205の移動方向と、処理対象画素の周辺の色(周辺色C(i))とにより定まるノイズ画素が検出されるノイズ画素信号の順位を定義する。
図15は、判定部が参照する判定テーブルの一例を示す図である。図15を参照して、判定テーブルは、周辺画素の色(周辺色)ごとに、原稿台が原稿の搬送方向と同じ方向に移動している間に黒色のゴミを読取った場合に、ノイズ画素が検出されるノイズ画素信号とその順番とを定義する。また、判定テーブルは、周辺画素の色(周辺色)ごとに、原稿台が原稿の搬送方向と逆方向に移動している間に黒色のゴミを読取った場合に、ノイズ画素が検出されるノイズ画素信号とその順番とを定義する。
なお、図15で示すノイズが検出されるノイズ画素信号の順番は、原稿台205が原稿の搬送方向と同じ方向に移動している場合、原稿台205の移動速度が原稿の移動速度よりも遅い場合を示している。原稿台205の移動速度が原稿の移動速度よりも早い場合には、順番が逆になる。
周辺色は、無彩色()、赤(R)、赤紫(M)、青(B)、青緑(C)、緑(G)および黄(Y)である。図では、無彩色、赤、赤紫、青、青緑、緑および黄を、,Y,M,C,R,G,Bで示し、矢印で順番を示している。例えば、「R→G→B」は、第1番目にノイズ画素が検出されるべきノイズ画素信号がR信号に対応するものであり、第2番目にノイズ画素が検出されるべきノイズ画素信号がG信号に対応するものであり、第3番目にノイズ画素が検出されるべきノイズ画素信号がB信号に対応するものであることを示す。また、「R→B」は、第1番目にノイズ画素が検出されるべきノイズ画素信号がR信号に対応するものであり、第2番目にノイズ画素が検出されるべきノイズ画素信号がB信号に対応するものであり、G信号からはノイズ画素が検出されないことを示している。なお、ここでは、ノイズ画素が検出されないノイズ画素信号の順位は、最も遅い順位が定義される。
図14に戻って、ステップS22で、R信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素が1番目に検出される信号とされた場合には、ステップS23に進み、そうでない場合には、ステップS24に進む。ステップS23では、検出フラグF(i)をオンに設定し、ステップS25に進む。1番目に検出されるべきノイズ画素信号からノイズ画素が検出されたため、2番目以降に検出されるノイズ画素を有効と判断するためである。
一方ステップS24では、R信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号R(i)の値「1」を「0」に変更する。これにより、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としないので、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。 ステップS25では、G信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号G(i)は、ノイズ画素か否かが判断される。真の場合にはステップS26へ進み、偽の場合にはステップS30に進む。ステップS26では、G信号に対応するノイズ画素信号は、ノイズ画素が検出される1番目の信号か否かが判断される。ステップS26における判断は、判定部308がROM等に予め記憶した判定テーブルを参照することにより決定される。ステップS26で、G信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の1番目に検出される信号とされた場合には、ステップS27に進み、そうでない場合にはステップS28に進む。ステップS27では、検出フラグF(i)をオンに設定し、ステップS30に進む。1番目に検出されるべきノイズ画素信号からノイズ画素が検出されたため、2番目以降に検出されるノイズ画素を有効と判断するためである。
一方ステップS28では、検出フラグF(i)がオンに設定されているか否かが判断される。真の場合にはステップS29をスキップしてステップS30に進み、偽の場合にはステップS29に進む。ステップS28に進むのは、G信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の1番目に検出される信号でないとされた場合である。この場合に、ノイズ画素が1番目に検出されるノイズ画素信号は、R信号に対応するノイズ画素信号であるため、そのノイズ画素信号でノイズ画素が既に検出されている場合に限って、G信号に対応するノイズ画素信号のノイズ画素を有効とする。このため、検出フラグF(i)がオンに設定されていない場合、換言すれば、R信号に対応するノイズ画素信号でノイズ画素が未だ検出されていない場合には、G信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号G(i)の値「1」を「0」に変更する(ステップS29)。これにより、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としないので、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。
ステップS30では、B信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号B(i)は、ノイズ画素か否かが判断される。真の場合にはステップS31へ進み、偽の場合には処理を戻す。ステップS31では、B信号に対応するノイズ画素信号は、ノイズ画素が検出される1番目の信号か否かが判断される。ステップS31における判断は、判定部308がROM等に予め記憶した判定テーブルを参照することにより決定される。ステップS31で、B信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の1番目に検出される信号とされた場合には処理を戻し、そうでない場合にはステップS32に進む。
一方ステップS32では、検出フラグF(i)がオンに設定されているか否かが判断される。真の場合にはステップS33をスキップして処理を戻し、偽の場合にはステップS33に進む。ステップS32に進むのは、B信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の1番目に検出される信号でないとされた場合である。この場合に、ノイズ画素が1番目に検出されるノイズ画素信号は、R信号またはG信号に対応するノイズ画素信号であるため、それらのノイズ画素信号でノイズ画素が既に検出されている場合に限って、B信号に対応するノイズ画素信号のノイズ画素を有効とする。このため、検出フラグF(i)がオンに設定されていない場合、換言すれば、R信号またはG信号に対応するノイズ画素信号でノイズ画素が未だ検出されていない場合には、B信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号B(i)の値「1」を「0」に変更する(ステップS33)。これにより、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としないので、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。
一方、ステップS41では、B信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号B(i)は、ノイズ画素か否かが判断される。真の場合にはステップS42へ進み、偽の場合にはステップS45に進む。ステップS42では、B信号に対応するノイズ画素信号は、ノイズ画素が検出される1番目の信号か否かが判断される。真の場合にはステップS43に進み、偽の場合にはステップS44に進む。ステップS43では、検出フラグF(i)をオンに設定し、ステップS45に進む。ステップS44では、B信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号B(i)の値「1」を「0」に変更する。これにより、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としないので、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。
ステップS45では、G信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号G(i)は、ノイズ画素か否かが判断される。真の場合にはステップS26へ進み、偽の場合にはステップS30に進む。ステップS46では、G信号に対応するノイズ画素信号は、ノイズ画素が検出される1番目の信号か否かが判断される。真の場合にはステップS47に進み、偽の場合にはステップS48に進む。ステップS47では、検出フラグF(i)をオンに設定し、ステップS50に進む。ステップS48では、検出フラグF(i)がオンに設定されているか否かが判断される。真の場合にはステップS49をスキップしてステップS50に進み、偽の場合にはステップS49に進む。ステップS49では、G信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号G(i)の値「1」を「0」に変更する。これにより、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としないので、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。
ステップS50では、R信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号R(i)は、ノイズ画素か否かが判断される。真の場合にはステップS51へ進み、偽の場合には処理を戻す。ステップS51では、R信号に対応するノイズ画素信号は、ノイズ画素が検出される1番目の信号か否かが判断される。ステップS51で、R信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の1番目に検出される信号とされた場合には処理を戻し、そうでない場合にはステップS52に進む。ステップS52では、検出フラグF(i)がオンに設定されているか否かが判断される。真の場合にはステップS53をスキップして処理を戻し、偽の場合にはステップS53に進む。ステップS53では、R信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号R(i)の値「1」を「0」に変更する。これにより、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としないので、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。
<ノイズ画素判定処理の変形例>
次に、ノイズ画素判定処理の変形例について説明する。変形例では、判定テーブルに定義されている、ノイズ画素が検出されるノイズ画素信号の順位に従うノイズ画素のみを有効とし、順位に従わないノイズ画素を無効とするものである。
図16は、変形されたノイズ画素判定処理の流れを示すフローチャートである。図16では、図14に示した処理と同じ処理には同一の符号を付してある。ここでは異なる処理を主に説明する。図16を参照して、ステップS26で、G信号に対応するノイズ画素信号が、ノイズ画素が検出される1番目の信号でないと判断された場合、ステップS26Aに進む。ステップS26Aでは、G信号に対応するノイズ画素信号が、ノイズ画素が検出される2番目の信号か否かが判断される。ステップS26Aにおける判断は、判定部308がROM等に予め記憶した判定テーブルを参照することにより決定される。ステップS26Aで、G信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の2番目に検出される信号とされた場合には、ステップS28に進み、そうでない場合にはステップS29に進む。
ステップS28では、検出フラグF(i)がオンに設定されているか否かが判断される。真の場合にはステップS28Aに進み、偽の場合にはステップS29に進む。ステップS28に進むのは、G信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の2番目に検出される信号とされた場合である。この場合に、ノイズ画素が1番目に検出されるノイズ画素信号は、R信号に対応するノイズ画素信号であるため、そのノイズ画素信号でノイズ画素が既に検出されている場合に限って、G信号に対応するノイズ画素信号のノイズ画素を有効とする。このため、検出フラグF(i)がオンに設定されていない場合、換言すれば、R信号に対応するノイズ画素信号でノイズ画素が未だ検出されていない場合には、G信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号G(i)の値「1」を「0」に変更する(ステップS29)。これにより、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としないので、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。
一方、ステップS28Aでは、検出フラグF2(i)をオンに設定する。2番目に検出されるべきノイズ画素信号からノイズ画素が検出されたため、2番目以降に検出されるノイズ画素を有効と判断するためである。
ステップS31で、B信号に対応するノイズ画素信号は、ノイズ画素が検出される1番目の信号でないと判断された場合にはステップS31Aに進む。ステップS31Aでは、B信号に対応するノイズ画素信号が、ノイズ画素が検出される2番目の信号か否かが判断される。ステップS31Aにおける判断は、判定部308がROM等に予め記憶した判定テーブルを参照することにより決定される。ステップS31Aで、B信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の2番目に検出される信号とされた場合には、ステップS32へ進み、そうでない場合にはステップS31Bに進む。ステップS32では、検出フラグF(i)がオンに設定されているか否かが判断される。真の場合にはステップS33をスキップして処理を戻し、偽の場合にはステップS33に進む。
ステップS32に進むのは、B信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の2番目に検出される信号とされた場合である。この場合に、ノイズ画素が1番目に検出されるノイズ画素信号は、R信号またはG信号に対応するノイズ画素信号であるため、それらのノイズ画素信号でノイズ画素が既に検出されている場合に限って、B信号に対応するノイズ画素信号のノイズ画素を有効とする。このため、検出フラグF(i)がオンに設定されていない場合、換言すれば、R信号またはG信号に対応するノイズ画素信号でノイズ画素が未だ検出されていない場合には、B信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号B(i)の値「1」を「0」に変更する(ステップS33)。これにより、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としないので、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。
一方、ステップS31Bでは、B信号に対応するノイズ画素信号が、ノイズ画素が検出される3番目の信号か否かが判断される。ステップS31Bにおける判断は、判定部308がROM等に予め記憶した判定テーブルを参照することにより決定される。ステップS31Bに進むのは、B信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の3番目に検出される信号、または、順番が定義されていない信号の場合である。ステップS31Bで、B信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の3番目に検出される信号とされた場合には、ステップS31Cに進み、順番が定義されていない信号の場合にはステップS33に進む。
ステップS31Cでは、検出フラグF2(i)がオンに設定されているか否かが判断される。真の場合にはステップS33をスキップして処理を戻し、偽の場合にはステップS33に進む。ステップS31Cに進むのは、B信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の3番目に検出される信号とされた場合である。この場合に、ノイズ画素が2番目に検出されるノイズ画素信号は、G信号に対応するノイズ画素信号であるため、そのノイズ画素信号でノイズ画素が既に検出されている場合に限って、B信号に対応するノイズ画素信号のノイズ画素を有効とする。このため、検出フラグF2(i)がオンに設定されていない場合、換言すれば、G信号に対応するノイズ画素信号でノイズ画素が未だ検出されていない場合には、B信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号B(i)の値「1」を「0」に変更する(ステップS33)。これにより、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としないので、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。
さらに、ステップS31Bで、B信号に対応するノイズ画素信号に順番が定義されていないと判断された場合にも、ステップS33に進むので、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としないので、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。
ステップS46で、G信号に対応するノイズ画素信号が、ノイズ画素が検出される1番目の信号でないと判断された場合、ステップS46Aに進む。ステップS46Aでは、G信号に対応するノイズ画素信号が、ノイズ画素が検出される2番目の信号か否かが判断される。ステップS46Aにおける判断は、判定部308がROM等に予め記憶した判定テーブルを参照することにより決定される。ステップS46Aで、G信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の2番目に検出される信号とされた場合には、ステップS48に進み、そうでない場合にはステップS49に進む。
ステップS48では、検出フラグF(i)がオンに設定されているか否かが判断される。真の場合にはステップS48Aに進み、偽の場合にはステップS49に進む。ステップS48に進むのは、G信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の2番目に検出される信号とされた場合である。この場合に、ノイズ画素が1番目に検出されるノイズ画素信号は、B信号に対応するノイズ画素信号であるため、そのノイズ画素信号でノイズ画素が既に検出されている場合に限って、G信号に対応するノイズ画素信号のノイズ画素を有効とする。このため、検出フラグF(i)がオンに設定されていない場合、換言すれば、B信号に対応するノイズ画素信号でノイズ画素が未だ検出されていない場合には、G信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号G(i)の値「1」を「0」に変更する(ステップS49)。これにより、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としないので、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。
一方、ステップS48Aでは、検出フラグF2(i)をオンに設定する。2番目に検出されるべきノイズ画素信号からノイズ画素が検出されたため、2番目以降に検出されるノイズ画素を有効と判断するためである。
ステップS51で、R信号に対応するノイズ画素信号は、ノイズ画素が検出される1番目の信号でないと判断された場合にはステップS51Aに進む。ステップS51Aでは、R信号に対応するノイズ画素信号が、ノイズ画素が検出される2番目の信号か否かが判断される。ステップS51Aにおける判断は、判定部308がROM等に予め記憶した判定テーブルを参照することにより決定される。ステップS51Aで、R信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の2番目に検出される信号とされた場合には、ステップS52へ進み、そうでない場合にはステップS51Bに進む。ステップS52では、検出フラグF(i)がオンに設定されているか否かが判断される。真の場合にはステップS53をスキップして処理を戻し、偽の場合にはステップS53に進む。
ステップS52に進むのは、R信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の2番目に検出される信号とされた場合である。この場合に、ノイズ画素が1番目に検出されるノイズ画素信号は、B信号またはG信号に対応するノイズ画素信号であるため、それらのノイズ画素信号でノイズ画素が既に検出されている場合に限って、R信号に対応するノイズ画素信号のノイズ画素を有効とする。このため、検出フラグF(i)がオンに設定されていない場合、換言すれば、B信号またはG信号に対応するノイズ画素信号でノイズ画素が未だ検出されていない場合には、R信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号R(i)の値「1」を「0」に変更する(ステップS33)。これにより、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としないので、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。
一方、ステップS51Bでは、R信号に対応するノイズ画素信号が、ノイズ画素が検出される3番目の信号か否かが判断される。ステップS51Bにおける判断は、判定部308がROM等に予め記憶した判定テーブルを参照することにより決定される。ステップS51Bに進むのは、R信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の3番目に検出される信号、または、順番が定義されていない信号の場合である。ステップS51Bで、R信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の3番目に検出される信号とされた場合には、ステップS51Cに進み、順番が定義されていない信号の場合にはステップS53に進む。
ステップS51Cでは、検出フラグF2(i)がオンに設定されているか否かが判断される。真の場合にはステップS53をスキップして処理を戻し、偽の場合にはステップS53に進む。ステップS51Cに進むのは、R信号に対応するノイズ画素信号がノイズ画素の3番目に検出される信号とされた場合である。この場合に、ノイズ画素が2番目に検出されるノイズ画素信号は、G信号に対応するノイズ画素信号であるため、そのノイズ画素信号でノイズ画素が既に検出されている場合に限って、R信号に対応するノイズ画素信号のノイズ画素を有効とする。このため、検出フラグF2(i)がオンに設定されていない場合、換言すれば、G信号に対応するノイズ画素信号でノイズ画素が未だ検出されていない場合には、R信号に対応するノイズ画素信号の主走査方向にi番目の信号R(i)の値「1」を「0」に変更する(ステップS53)。これにより、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としないので、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。
さらに、ステップS31Bで、B信号に対応するノイズ画素信号に順番が定義されていないと判断された場合にも、ステップS53に進むので、誤ってノイズ画素とされていたものをノイズ画素としない。このため、ノイズ画素の検出精度を向上することができる。
以上説明したように、画像読取装置10のノイズ検出処理部259は、3つのラインセンサ213R,213G,213Bが出力するR信号、G信号およびB信号それぞれから第1特徴画素および第2特徴画素を抽出する。そして、次の画素をノイズ画素とする。
(1) R信号から抽出された第1特徴画素であって、G信号およびB信号において該第1特徴画素と原稿の同じ位置を読取った画素の全てが第2特徴画素でない画素。
(2) G信号から抽出された第1特徴画素であって、R信号およびB信号において該第1特徴画素と原稿の同じ位置を読取った画素の全てが第2特徴画素でない画素。
(3) B信号から抽出された第1特徴画素であって、R信号およびG信号において該第1特徴画素と原稿の同じ位置を読取った画素の全てが第2特徴画素でない画素。
そして、画像読取装置10は、ノイズ画素が検出されるRGB信号およびその順番を周辺色と原稿台205の移動方向とから決定して、その順番に従って検出されたノイズ画素のみを有効としている。
このため、原稿を読取った画像から原稿台に存在するゴミにより発生するノイズを精度よく検出することができる。
なお、本実施の形態における画像読取装置10では、第2明度差検出部302R,302G,302Bを設けるようにしたが、これらを省略するようにしても良い。この場合には、第1明度差検出部301R,301G,301Bから検出結果拡張処理部303R,303G,303Bに第1特徴画素を「1」とする論理信号が出力され、拡張される。そして、第1特徴画素であって、他のデータで拡張した第1特徴画素でない画素がノイズ画素として検出される。
なお、上述した画像読取装置には、以下の概念も含まれる。
(1) 抽出手段は、前記少なくとも3つのラインセンサが出力する複数のデータそれぞれから所定の特徴を有する第1のレベルの第1特徴画素を抽出する第1抽出手段と、
前記複数のデータそれぞれから前記所定の特徴を有する第2のレベルの第2特徴画素を抽出する第2抽出手段とを含み、
前記検出手段は、複数のデータ間で原稿の同じ位置を読取った画素を比較し、複数のデータのうち1のデータから抽出された第1特徴画素を、他の全てのデータでは第2特徴画素でないことをさらに条件とする、請求項1に記載の画像読取装置。
(2)(1)において、前記第1のレベルは、前記第2のレベルよりも高い。
(3)(1)において、前記第1抽出手段は、前記第1のフィルタを用いてエッジ領域を抽出する第1エッジ抽出手段を含み、前記第1エッジ抽出手段により抽出されたエッジ領域に含まれる画素を前記第1特徴画素として抽出し、
前記第2抽出手段は、前記第1のフィルタよりもエッジ検出特性の低い第2のフィルタを用いてエッジ領域を抽出する第2エッジ抽出手段を含み、前記第2エッジ抽出手段により抽出されたエッジ領域に含まれる画素を前記第2特徴画素として抽出する。
(4)(1)において、前記抽出手段は、前記第2エッジ抽出手段により抽出された第2特徴画素の周辺の画素を第2特徴画素とする拡大手段をさらに含む。
(5)(1)において、前記第1抽出手段は、周辺の領域との明度の差が第1のしきい値以上ある領域を抽出する第1領域抽出手段を含み、前記抽出された領域を前記第1特徴画素として抽出し、
前記第2抽出手段は、周辺の領域との明度の差が前記第1のしきい値より小さい第2のしきい値以上ある領域を抽出する第2領域抽出手段を含み、前記抽出された領域を前記第2特徴画素として抽出する。
(6)(1)において、前記第2抽出手段は、前記抽出された第2特徴画素の周辺の画素を第2特徴画素とする拡大手段をさらに含む。
(7)前記少なくとも3つのラインセンサは、互いに分光感度の異なるフィルタをそれぞれ含み、
原稿から反射した光を前記フィルタを介して受光する、請求項1に記載の画像読取装置。
(8) 主走査方向に同じ位置であって、副走査方向に離れて存在する、前記検出手段でノイズ画素と検出された画素について、第1のノイズ画素の色から第2のノイズ画素までの色の変化に基づいて、前記第1のノイズ画素から前記第2のノイズ画素までの全ての画素をゴミに起因するノイズ画素とする判定手段をさらに備えた、請求項1に記載の画像読取装置。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態の1つにおける画像読取装置を備えたMFPの斜視図である。 画像読取装置の内部構成の概略を示す図である。 原稿台を振動させるための機構を示す斜視図である。 読取った画像からゴミを読取ることにより発生するノイズを検出する原理を説明するための図である。 原稿台を裏面から見た平面図である。 読取部で読取られる原稿台上の位置を示す図である。 本実施の形態における画像読取装置の画像処理部の構成を示すブロック図である。 周辺色検出部の構成の一例を示す図である。 周辺色検出部が検出する色の一例を示す図である。 読取部が出力するRGB信号の一例を示す図である。 本実施の形態における画像読取装置のノイズ検出処理部の構成を示すブロック図である。 エッジ抽出フィルタの一例を示す図である。 ノイズ検出処理部の判定部で実行される処理の流れを示すフローチャートである。 図13のステップS09で実行されるノイズ画素判定処理の流れを示すフローチャートである。 判定部が参照する判定テーブルの一例を示す図である。 変形されたノイズ画素判定処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10 画像読取装置、20 画像形成装置、101 自動原稿搬送装置、103 本体部、200 原稿、201 タイミングローラ対、202 ローラ対、203 上部規制板、205 原稿台、205A マーク、206 光源、207 通紙ガイド、208 反射部材、209 反射ミラー、211 レンズ、213 読取部、213R,213G,213B ラインセンサ、215 画像処理部、217 モータ制御部、219 モータ、253 シェーディング補正部、255 ライン間補正部、257 色収差補正部、258 周辺色検出部、259 ノイズ検出処理部、261 プリンタインターフェース、263 制御部、301R,301G,301B 第1明度差検出部、302R,302G,302B 第2明度差検出部、303R,303G,303B 検出結果拡張処理部、305R,305G,305B 否定論理和素子、307R,307G,307B 論理積素子、308 判定部、309R,309G,309B 検出エリア拡張処理部。

Claims (5)

  1. 分光感度が互いに異なるフィルタを有し、副走査方向に距離を隔てて予め定められた順に配置され、原稿を走査して各々信号を出力する、各々の位置が固定された少なくとも3つのラインセンサと、
    前記原稿と前記少なくとも3つのラインセンサとの間に設けられた原稿台と、
    前記原稿を副走査方向に第1速度で搬送する原稿搬送手段と、
    記原稿台を前記第1速度と異なる第2速度で副走査方向に移動させる移動手段と、
    前記少なくとも3つのラインセンサの各々から出力される少なくとも3つの前記信号を、前記第1速度に基づいて、前記原稿の同じ位置を読取った信号となるよう、前記少なくとも3つの信号の出力のタイミングを合わせるための補正をするライン補正手段と、
    前記ライン補正手段で補正後の前記少なくとも3つの信号に基づいてノイズ画素を検出するノイズ画素検出手段とを備え、
    前記ノイズ画素検出手段は、
    前記補正後の少なくとも3つの信号のそれぞれから、周辺の領域を走査して出力された信号の出力値を基準値として、前記基準値からの出力差が第1のしきい値以上の第1信号を抽出し、前記第1信号に対応する前記原稿上の画素を第1特徴画素とする第1抽出手段と、
    前記補正後の少なくとも3つの信号のそれぞれから、前記基準値からの出力差が前記第1のしきい値よりも小さい第2のしきい値以上の第2信号を抽出し、前記第2信号に対応する前記原稿上の画素を第2特徴画素とする第2抽出手段と、
    前記原稿上の各画素について、前記補正後の少なくとも3つの信号のうち1つの信号において前記第1特徴画素として抽出され、かつ残りの2つの信号において前記第2特徴画素として抽出されない場合に、ノイズ画素として検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出された各ノイズ画素について、その周辺の画素の前記少なくとも3つの信号に基づいて周囲色を判定する色判定手段と、
    前記周囲色の別に、前記少なくとも3つの信号のうち副走査方向に前記ノイズ画素として検出されるべき順番である出現順を定めた対応関係を参照して、前記各ノイズ画素についての前記出現順を決定する決定手段と、
    前記各ノイズ画素について、対応の前記出現順において1番目に出現すべきであると定められた信号以外の信号が、1番目に前記ノイズ画素として検出された場合に、当該ノイズ画素との検出結果を無効とする判定手段とを含む、画像読取装置。
  2. 分光感度が互いに異なるフィルタを有し、副走査方向に距離を隔てて予め定められた順に配置され、原稿を走査して各々信号を出力する、各々の位置が固定された少なくとも3つのラインセンサと、
    前記原稿と前記少なくとも3つのラインセンサとの間に設けられた原稿台と、
    前記原稿を副走査方向に第1速度で搬送する原稿搬送手段と、
    記原稿台を前記第1速度と異なる第2速度で副走査方向に移動させる移動手段と、
    前記少なくとも3つのラインセンサの各々から出力される少なくとも3つの前記信号を、前記第1速度に基づいて、前記原稿の同じ位置を読取った信号となるよう、前記少なくとも3つの信号の出力のタイミングを合わせるための補正をするライン補正手段と、
    前記ライン補正手段で補正後の前記少なくとも3つの信号に基づいてノイズ画素を検出するノイズ画素検出手段とを備え、
    前記ノイズ画素検出手段は、
    前記補正後の少なくとも3つの信号のそれぞれから、周辺の領域を走査して出力された信号の出力値を基準値として、前記基準値からの出力差が第1のしきい値以上の第1信号を抽出し、前記第1信号に対応する前記原稿上の画素を第1特徴画素とする第1抽出手段と、
    前記補正後の少なくとも3つの信号のそれぞれから、前記基準値からの出力差が前記第1のしきい値よりも小さい第2のしきい値以上の第2信号を抽出し、前記第2信号に対応する前記原稿上の画素を第2特徴画素とする第2抽出手段と、
    前記原稿上の各画素について、前記補正後の少なくとも3つの信号のうち1つの信号において前記第1特徴画素として抽出され、かつ残りの2つの信号において前記第2特徴画素として抽出されない場合に、ノイズ画素として検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出された各ノイズ画素について、その周辺の画素の前記少なくとも3つの信号に基づいて周囲色を判定する色判定手段と、
    前記周囲色の別に、前記少なくとも3つの信号のうち副走査方向に前記ノイズ画素として検出されるべき順番である出現順を定めた対応関係を参照して、前記各ノイズ画素についての前記出現順を決定する決定手段と、
    前記ノイズ画素のうち主走査方向における位置を同一にする第1ノイズ画素および前記第1ノイズ画素の後に検出された第2ノイズ画素について、前記第1ノイズ画素が対応の前記出現順において1番目に出現すべきであると定められた信号について前記ノイズ画素として検出されており、かつ前記第2ノイズ画素が対応の前記出現順において2番目に出現すべきであると定められた信号以外の信号について前記ノイズ画素として検出された場合に、前記第2ノイズ画素についての前記ノイズ画素との検出結果を無効とする判定手段とを含む、画像読取装置。
  3. 前記決定手段は、前記周囲色として判定され得る色に対応付けて前記出現順を予め規定したテーブルを参照して、前記出現順を決定する、請求項1または2に記載の画像読取装置。
  4. 前記テーブルは、前記少なくとも3つのラインセンサに対する前記原稿台の移動方向の別に前記出現順が規定されており、
    前記決定手段は、前記少なくとも3つのラインセンサに対する前記原稿台の移動方向に基づいて、前記出現順を決定する、請求項3に記載の画像読取装置。
  5. 前記決定手段は、前記原稿台の移動方向が変化するごとに前記出現順を決定する、請求項に記載の画像読取装置。
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