以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像読取装置を備えたMFP(Multi Function Peripheral)の斜視図である。図1を参照して、MFPは、原稿画像を読取るための画像読取装置10と、画像読取装置10の下部に設けられた画像形成装置20とを含む。MFPは、画像読取装置10で読取られた画像を紙などの記録媒体に形成する。また、MFPは、フアクシミリ装置、ローカルエリアネットワーク(LAN)、公衆回線などのネットワークと接続するための通信インターフェースを備える。
図2は画像読取装置10の内部構成の概略を示す図である。画像読取装置10は、原稿を自動的に原稿読取り位置に搬送するための自動原稿搬送装置(ADF)101と、本体部103とを含む。自動原稿搬送装置101は、原稿読取位置付近において原稿の搬送をガイドするための上部規制板203と、原稿を原稿読取り位置に搬送するためのタイミングローラ対201と、読取り位置を通過した原稿を搬送するためのローラ対202とを備える。
本体部103は、透明な部材から構成された原稿台205と、原稿の搬送経路の一部を形成する通紙ガイド207と、原稿を読取り位置で照射するための光源206と、光源からの光を反射させる反射部材208と、3つのラインセンサが副走査方向に配列された読取部213と、原稿からの反射光を反射して読取部213に導くための反射ミラー209と、反射ミラー209からの反射光を読取部213上に結像させるためのレンズ211と、読取部213が出力する電気信号を処理するための画像処理部215と、原稿台205を移動させるためのモータ219と、画像処理部215からの制御信号に基づいてモータ219の駆動を制御するモータ制御部217とを含む。
原稿200は、タイミングローラ対201により、原稿台205と上部規制板203との間を矢印D1の方向に搬送される。そして、搬送されながら読取位置Lにおいて、読取部213によりその画像が逐次読取られる。自動原稿搬送装置101によって、原稿が搬送される方向は、読取位置Lにおいて副走査方向である。画像読取動作中、原稿台205は、モータ219により矢印D2の方向に移動させられる。原稿台205の移動方向は副走査方向に実質的に平行である。
上部規制板203の原稿台205側の面は、灰色の無彩色である。
読取部213は、3つのラインセンサを備える。3つのラインセンサそれぞれは、副走査方向と実質的に垂直な主走査方向に複数の光電変換素子が配列されている。3つのラインセンサそれぞれは、互いに分光感度が異なるフィルタを有し、原稿から反射した光をフィルタを介して受光する。具体的には、赤(R)、緑(G)および青(B)の各波長の光を透過するフィルタを有する。このため、赤(R)のフィルタを有するラインセンサは、原稿から反射した光のうち赤色の光の強度を示す電気信号(R信号)を出力し、緑(G)のフィルタを有するラインセンサは、原稿から反射した光のうち緑色の光の強度を示す電気信号(G信号)を出力し、青(B)のフィルタを有するラインセンサは、原稿から反射した光のうち青色の光の強度を示す電気信号(B信号)を出力する。
3つのラインセンサは、副走査方向に所定の距離を隔てて予め定められた順番で配置される。ここでは、原稿の読取ラインに換算して3ライン分の距離を隔てて原稿の搬送方向で赤、緑、青の順に配置されている。なお、ラインセンサを配置する間隔および順番は、これらに限定されるものではない。
3つのラインセンサは、3ライン分の距離を隔てて赤、緑、青の順に配置されるので、3つのラインセンサは、同じタイミングで原稿の異なる位置で反射した光を受光する。したがって、原稿のある位置で反射した光は、まず、赤の光を受光するラインセンサで受光され、その後緑の光を受光するラインセンサで受光され、最後に青の光を受光するラインセンサで受光される。この遅れは、後述する画像処理部215で調整される。
なお、本実施の形態においては、読取部213に3つのラインセンサを設けるようにしたが、4つ以上のラインセンサを設けるようにしてもよい。
図3は、原稿台を移動させるための機構を示す斜視図である。図3を参照して、原稿台205は、原稿台ホルダ221により保持される。原稿台ホルダ221は、ガイド220により副走査方向に摺動可能に保持される。ガイド220は、画像読取装置10の本体に固定される。原稿台ホルダ221の1つの面に2つのアーム222が接合されている。アーム222の他端は円形の穴を有する。
軸224には、2つのアーム222に対応する位置に2つのカム223が取付けられる。また、軸224の一端にギア225が取付けられる。ギア225は、モータ219の駆動軸とベルトで接合されたギア226と噛み合うように配置される。モータ219が回転すると、その回転がベルトを介してギア226に伝えられ、ギア226が回転する。ギア226の回転に伴って、ギア225および軸224が回転する。
カム223は、アーム222の円形の穴の中に配置される。このため、軸224の回転に伴う2つのカム223の回転運動が、原稿台ホルダ221の往復運動に変換される。
なお、原稿台205を移動させるための機構はこれに限定されることなく、例えば、電磁石、空気圧、油圧等を利用したピストン等の直線運動を生じさせる駆動源を用いた機構としてもよい。
原稿台205は、副走査方向と平行に移動させられる。原稿台205が原稿の搬送方向と逆方向に移動している間は、原稿台205と、原稿とは逆方向に移動するため、原稿台205のラインセンサ213R,213G,213Bに対する相対速度と、原稿のラインセンサ213R,213G,213Bに対する相対速度とが異なる。なお、本実施の形態においては、原稿の読取中に原稿台205を原稿の搬送方向と逆方向に移動させるようにしたが、原稿台205を原稿の搬送方向に移動させるようにしても良い。この場合、原稿台205の速度と、原稿の搬送速度とは方向が同じである。速さを異ならせるようにするのが好ましい。なお、ここでは、原稿台205を副走査方向と平行に移動させるようにしたが、方向はこれに限定されない。
ここで、本実施の形態における画像読取装置10が、原稿台205に付着したゴミにより発生するノイズを、読取った画像から検出する原理について説明する。図4は、読取った画像からゴミを読取ることにより発生するノイズを検出する原理を説明するための図である。ここでは、原稿および原稿台205は図中矢印方向に搬送され、原稿台205の移動速度は、原稿の搬送速度と方向が同じで2倍の速さとしている。また、3つのラインセンサは、赤の光を受光するラインセンサ、緑の光を受光するラインセンサ、青の光を受光するラインセンサの順に、原稿の搬送方向に3ラインの距離を隔てて配置されているものとする。なお、赤の光を受光するラインセンサの出力をR、緑の光を受光するラインセンサの出力をG、青の光を受光するラインセンサの出力をBで示している。
図4(A)は、ライン間補正を説明するための図である。原稿の一部の画像は、まず、原稿の搬送方向の最も上流に配置された赤の光を受光するラインセンサで読取られる。そして、その原稿の画像が4ライン分の距離だけ搬送されて、緑の光を受光するラインセンサで読取られる。さらに、その原稿の画像が4ライン分の距離だけ搬送されて、青の光を受光するラインセンサで読取られる。
このように、原稿の同じ位置の画像が、3つのラインセンサで異なるタイミングで読取られるため、3つのラインセンサが出力する信号にタイミングのずれが生じる。ライン間補正では、各信号が原稿の同じ位置となるように3つのラインセンサが出力する信号のタイミングを合わせる。具体的には、出力Rを8ライン分遅延させ、出力Gを4ライン分遅延させる。
ライン間補正した出力R,出力G、出力Bを合成した合成出力は、原稿の同じ位置で読取った出力R,出力G、出力Bを合成した出力となる。
図4(B)は、原稿台に付着したゴミを読取った場合に出力される合成出力を説明するための図である。原稿台205に付着したゴミは、まず、原稿の搬送方向の最も上流に配置された赤の光を受光するラインセンサで読取られる。そして、そのゴミが4ライン分の距離だけ搬送されて、緑の光を受光するラインセンサで読取られる。ここで、原稿台205は、原稿の搬送速度に対して2倍の速さで同一方向に移動するため、ラインセンサが原稿を2ライン分読取るだけの時間でゴミは4ライン分を移動する。このため、赤のラインセンサでゴミを読取った時点と、緑のラインセンサでゴミを読取る時点とでは、2ライン分を読取る時間だけずれる。さらに、そのゴミが4ライン分の距離だけ搬送されて、青の光を受光するラインセンサで読取られる。原稿台205は、原稿の搬送速度に対して2倍の速さで同一方向に移動するため、緑のラインセンサでゴミを読取った時点と、青のラインセンサでゴミを読取る時点とでは、2ライン分を読取る時間だけずれる。
そして、ライン間補正により、赤の光を受光するラインセンサがゴミを読取って出力する出力Rは8ライン分遅延され、緑の光を受光するラインセンサがゴミを読取って出力する出力Gは4ライン分遅延される。このため、ライン間補正した出力R,出力G、出力Bを合成した合成出力では、ゴミを読取った出力Rと、ゴミを読取った出力Gと、ゴミを読取った出力Bとが同じタイミングとならず、2ライン分ずれる。
なお、図では、紙粉などの白色のゴミが原稿台205に付着しており、黒色の原稿を読取る場合の合成出力を示している。この場合、白色のゴミを読取ったにもかかわらず、合成出力では、白色ではなく、3つのラインに分かれた青、緑、赤の出力となる。
図4(C)は、原稿台に付着したゴミを読取った場合に出力される合成出力を説明するための別の図である。図4(C)では、副走査方向に10ライン分の大きさのゴミを読取る場合を例に示している。原稿台205は、原稿の搬送速度に対して2倍の速さで同一方向に移動するため、ゴミは、5ライン分の大きさとして読取られる。
原稿台205に付着したゴミは、まず、原稿の搬送方向の最も上流に配置された赤の光を受光するラインセンサで読取られる。そして、そのゴミが4ライン分の距離だけ搬送されて、緑の光を受光するラインセンサで読取られる。赤のラインセンサでゴミを読取った時点と、緑のラインセンサでゴミを読取る時点とでは、2ライン分を読取る時間だけずれる。さらに、そのゴミが4ライン分の距離だけ搬送されて、青の光を受光するラインセンサで読取られる。緑のラインセンサでゴミを読取った時点と、青のラインセンサでゴミを読取る時点とでは、2ライン分を読取る時間だけずれる。
そして、ライン間補正により、赤の光を受光するラインセンサがゴミを読取って出力する出力Rは8ライン分遅延され、緑の光を受光するラインセンサがゴミを読取って出力する出力Gは4ライン分遅延される。このため、ライン間補正した出力R,出力G、出力Bを合成した合成出力では、ゴミを読取った5ライン分の出力Rと、ゴミを読取った5ライン分の出力Gと、ゴミを読取った5ライン分の出力Bとは、同じタイミングとならず、2ライン分ずれる。なお、図では、紙粉などの白色のゴミが原稿台205に付着しており、黒色の原稿を読取る場合の合成出力を示している。この場合、白色のゴミを読取ったにもかかわらず、合成出力では、青、青緑、白、黄、赤の順に色が変化する出力となる。
このように、原稿台205に付着したゴミは、画像中で複数のラインに分断される。この分断されたラインを各色ごとに特徴点として抽出することにより、ノイズを検出するのである。また、分断されることによってゴミを読取ることにより生じるノイズも少なくなる。
図5は、原稿台を裏面から見た平面図である。図5を参照して、原稿台205は、一端にマーク205Aを有する。マーク205Aは、主走査方向の長さが副走査方向の位置により異なる形状であり、単色である。ここでは、マーク205Aは、三角形の形状で、黒色としている。また、マーク205Aの一辺が原稿台205の一辺と平行に配置される。
読取部213を用いて、または、読取部213とは別に設けられ、本体部103に固定されたセンサを用いて、マーク205Aの主走査方向の長さを検出することにより、原稿台205の読取部213に対する相対的な位置を検出することが可能となる。
図6は、読取部213で読取られる原稿台205上の位置を示す図である。読取部213は、赤(R)のフィルタを有するラインセンサ213Rと、緑(G)のフィルタを有するラインセンサ213Gと、青(B)のフィルタを有するラインセンサ213Bとが、原稿の搬送方向D1に、ラインセンサ213R、213G、213Bの順に配列されている。
ラインセンサ213Rは、原稿台205の領域205Rを透過した光を受光する。ラインセンサ213Gは、原稿台205の領域205Gを透過した光を受光する。ラインセンサ213Bは、原稿台205の領域205Bを透過した光を受光する。領域205R,205G,205Bは、3ライン分の間隔を有するようにラインセンサ213R,213G,213Bが配置される。原稿は、まず領域205Rを通過し、次に領域205Gを通過し、最後に領域205Bを通過する。したがって、原稿のある位置で反射した光は、まず、赤の光を受光するラインセンサ213Rで受光され、その後緑の光を受光するラインセンサ213Gで受光され、最後に青の光を受光するラインセンサ213Bで受光される。このように、ラインセンサ213R,213G,213Bは、3ライン分の距離を隔てて配置されるので、ラインセンサ213R,213G,213Bは、同時に原稿の同じ位置で反射した光を受光することはない。
ここで、原稿台205上に最大長さが4ライン以下のゴミ300が付着しているとする。この場合、原稿台205が副走査方向に平行に移動するので、ゴミ300は領域205R,205G,205Bの2つ以上に同時に存在することはない。図6では、ゴミ300が領域205Gに存在する場合を示している。この場合には、ゴミ300で反射した光は、ラインセンサ213Gでのみ受光され、ラインセンサ213R,213Bでは受光されない。
また、原稿台205が移動することにより、ゴミ300が存在することとなる領域は、原稿台205が原稿の搬送方向D1に移動しているときは、初めに領域205R、次に領域205G、最後に領域205Bの順に変化する。逆に、原稿台205が原稿の搬送方向D1と逆に移動しているときは、初めに領域205B、次に領域205G、最後に領域205Rの順に変化する。
したがって、ゴミ300で反射した光が受光される順序は、原稿台205を原稿の搬送方向D1に移動させる場合には、初めにラインセンサ213R、次にラインセンサ213G、最後にラインセンサ213Bである。また、原稿台205を原稿の搬送方向D1と逆に移動させる場合には、初めにラインセンサ213B、次にラインセンサ213G、最後にラインセンサ213Rである。
図7は、本実施の形態における画像読取装置の画像処理部の構成を示すブロック図である。図7を参照して、画像処理部215には、読取部213からR信号、G信号、B信号が入力される。画像処理部215は、読取部213から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するためのアナログデジタル変換部(A/D変換部)251と、光源206の照明ムラ等を補正するためのシェーディング補正部253と、R信号、G信号およびB信号が原稿の同一ラインとなるように同期させるためのライン間補正部255と、レンズ211による主走査方向の歪を補正するための色収差補正部257と、原稿の読取前に原稿台205を読取って原稿台205に付着したゴミを検出するための読取前検出部271と、R信号、G信号、B信号のそれぞれからノイズを検出するためのノイズ検出処理部259と、ノイズ画素を補正する処理を実行するノイズ補正部260と、画像処理部215の全体を制御するための制御部263と、画像を画像形成装置20に出力するためのプリンタインタフェース261とを備える。
制御部263には、原稿台205の位置を検出するための位置検出部265と、モータ制御部217と、ADF101の原稿の搬送を制御するためのADF制御部273とが接続されている。位置検出部265は、原稿台205が有するマーク205Aの主走査方向の長さを検出する。
モータ制御部217は、原稿台205を移動させるための駆動源であるモータ219を制御することにより、原稿台205の移動を制御する。モータ制御部217は、通常は原稿台205を初期位置に待機させる。初期位置とは、ここでは原稿台205を原稿の搬送方向と逆方向に移動させるので、原稿台205を最も原稿の搬送方向に移動させた位置である。
原稿台205は、読取部213で原稿が読取られている間は、予め定められた速度で移動させられる。このため、モータ制御部は、原稿台205を停止状態から予め定められた移動速度にまで加速する必要がある。モータ制御部217は、この加速度を変動させることが可能であり、制御部263から入力される加速度で原稿台205を加速させる。
モータ制御部217は、制御部263から移動開始を指示する信号と加速度とが入力される。モータ制御部217は、移動開始指示信号の入力に応じて、入力された加速度で原稿台205を予め定められた速度にまで加速させる。これにより、原稿台205は原稿搬送方向と逆方向に予め定められた速さで移動する。
ADF制御部273は、タイミングローラ対201を制御することにより、原稿の搬送を制御する。ADF制御部273は、通常は原稿を初期位置に待機させる。初期位置とは、原稿がタイミングローラ対201によって挟持された位置であり、読取位置Lから所定の距離だけ原稿の搬送方向とは逆方向に離れた位置である。
ライン間補正部255は、R信号を8ライン分遅延させ、G信号を4ライン分遅延させることにより、R信号、G信号およびB信号が原稿の同一ラインとなるように同期させる。上述したように、ラインセンサ213R,213G,213Bは、副走査方向に3ライン分の距離を隔てて配列されていたためである。
読取前検出部271は、色収差補正部257よりR信号、G信号およびB信号が入力され、制御部263から原稿台205の位置が入力される。読取前検出部271は、原稿台205に付着したゴミを検出する。読取前検出部271が原稿台205に付着したゴミを検出する時期は、原稿を読取る前であればいつでも良い。例えば電源投入時、電源投入後の任意の時、または、原稿の読取開始を指示するためのスタートボタンがユーザにより押下された時などであればよい。
読取前検出部271は、制御部263からの指示に基づいて原稿台205に付着したゴミを検出する処理を実行する。原稿台205に付着したゴミを検出する際、画像読取装置10は、次の処理を実行する。
(1)制御部263がモータ制御部217に移動開始信号を出力して、原稿台205を初期位置から移動させる。この原稿台205が移動している間に、読取部213において、原稿台205の全体を読取る。
(2)読取ったデータから原稿台205に付着したゴミの大きさを検出する。原稿台205は、透明であるため原稿台205にゴミが付着していなければ上部規制板203で反射した光が読取部213で受光される。原稿台205にゴミが付着していれば、そのゴミで反射した光が読取部213で受光される。上部規制板203で反射した光を受光して得られる画素値と、ゴミで反射した光を受光して得られる画素値とは異なる。読取前検出部271では、ゴミで反射した光を受光して得られる画素値の連続する数からゴミの大きさを検出する。
(3)原稿台205に付着した原稿台205上のゴミの位置を検出する。読取前検出部271は、制御部263から原稿台205の位置が常に入力される。このため、読取前検出部271では、読取部213から出力される信号からゴミが検出された時点の原稿台205の位置を検出する。
(4)読取前検出部271は、原稿台205のゴミの大きさおよび位置から原稿台205のうちから実際の読取に使用するための使用領域を決定し、その使用領域を制御部263に出力する。
制御部263は、原稿を読取る際に、モータ制御部217およびADF制御部273を制御して、読取前検出部271から入力される使用領域を用いて原稿を読取るように、原稿を搬送させ、原稿台205を移動させる。この制御については後述する。
ノイズ検出処理部259は、色収差補正部257よりR信号、G信号およびB信号が入力され、制御部263から原稿台205の位置と、原稿台205の移動方向とが入力される。ノイズ検出処理部259は、色収差補正部257から入力されたR信号、G信号およびB信号ごとに、ノイズ画素を検出する。そして、ノイズ画素を「1」とし他の画素を「0」とする論理信号をノイズ補正部260と制御部263とに出力する。その詳細については後述する。
ノイズ補正部260には、色収差補正部257よりR信号、G信号およびB信号が入力され、ノイズ検出処理部259からは、ノイズ画素を「1」とし他の画素を「0」とする論理信号がR信号、G信号およびB信号ごとに入力される。
ノイズ補正部260は、R信号、G信号およびB信号それぞれに対応する論理信号からノイズ画素とされる画素の色を判定する。この際、副走査方向に連続するノイズ画素の色を判定する。また、ノイズ画素が副走査方向に連続しない場合には、2つのノイズ画素の間にある画素の色を判定する。そして、主走査方向に同じ位置で、副走査方向の色の変化が、次の順となるときに、それらの画素の全てをノイズ画素とする。
(1)CBMRYまたはYRMBC
(2)CBKRYまたはYRKBC
(3)RYGCBまたはBCGYR
(4)RYWCBまたはBCWYR
ただし、Rは赤、Gは緑、Bは青、Cは青緑、Mは赤紫、Yは黄、Kは黒、Wは白を示す。なお、ここでは色の変化の順番を示したのみで、同じ色の画素が2つ以上連続してもよい。たとえば、CCBBMMRRYYと色が変化する場合でもよい。
これにより、ゴミが、複数のラインセンサにより同時に読取られる大きさ、ここでは4ライン分以上の大きさであっても、そのゴミを読取ることにより生じるノイズを検出することができる。
また、ノイズ補正部260は、R信号、G信号およびB信号それぞれについて、対応する論理信号に基づいて、ノイズ画素とされた画素値を周辺のノイズ画素でない画素の画素値に置換える。周辺のノイズ画素でない複数の画素の平均値、最大値または最小値に置換えるようにすればよい。ノイズ補正部260は、ノイズ画素を周辺の画素で置換したR信号、G信号およびB信号をプリンタインターフェースに出力する。
制御部263では、位置検出部265から原稿台205の位置が入力され、ノイズ検出処理部259からノイズ画素を「1」とし他の画素を「0」とする論理信号が入力される。制御部263は、これらの信号から、原稿台205上のゴミの位置を特定する。より具体的には、原稿台205の位置と論理信号のライン番号とから原稿台205の副走査方向の位置を特定し、論理信号のノイズ画素の位置から原稿台205の主走査方向の位置を特定する。
図8は、読取前検出部の概略構成を示すブロック図である。図8を参照して、読取前検出部271は、入力されるR信号、G信号およびB信号からピーク値を検出するためのピーク値検出部291と、ゴミのサイズを検出するためのゴミサイズ検出部292と、検出されたゴミのサイズと原稿台205の位置を関連付けて記憶するためのゴミ情報記憶メモリ293と、ゴミのサイズと原稿台205の位置とから原稿台205の位置ごとの汚れ度を算出するための汚れ度算出部294と、算出された汚れ度から原稿台205の一部の領域であって読取部213で読取に用いる使用領域を決定するための使用領域決定部295とを含む。
ピーク値検出部291は、1ラインごとにRGB信号が入力される。ピーク値検出部291は、入力された1ラインのRGB信号について画素ごとに次の処理を実行する。
(1)RGB信号のうちから最大値と最小値とを選択する。
(2)最大値が黒色のゴミを検出するためのしきい値以下の場合、その画素をゴミが読取られた画素と判断する。
(3)最小値が白色のゴミを検出するためのしきい値以上の場合、その画素をゴミが読取られた画素と判断する。
(4)ゴミが読取られた画素とされた画素の値を「1」、ゴミが読取られた画素でないとされた画素の値を「0」とする論理信号を、ゴミサイズ検出部292に出力する。
ゴミサイズ検出部292は、ピーク値検出部291からゴミが読取られた画素の値を「1」とする論理信号が入力される。ゴミサイズ検出部292は、ゴミが読取られた画素が連続する数からゴミのサイズを検出する。たとえば、値「1」が3つ連続すれば、ゴミのサイズを3画素とする。そして、検出したゴミのサイズと原稿台205の位置とを関連付けてゴミ情報記憶メモリ293に記憶する。ゴミ情報記憶メモリ293は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)等の不揮発性の半導体メモリを用いればよい。ゴミ情報記憶メモリ293には、原稿台205を副走査方向に移動可能な範囲の全てを読取部231で読取って得られるゴミのサイズと原稿台205の位置とを関連付けたゴミ情報が記憶される。
汚れ度算出部294は、重付係数テーブル296を予め記憶している。重付係数テーブル296は、原稿台205の位置ごとに汚れ度を算出するために用いられ、ゴミのサイズに応じた重付係数を定義する。汚れ度算出部294は、ゴミ情報記憶メモリからゴミ情報を読出して、原稿台205の位置ごとに汚れ度を算出する。汚れ度は、重付係数にゴミの数を乗じた値で定義される。そして、汚れ度算出部294は、原稿台205の位置ごとに算出された汚れ度を、使用領域決定部295に出力する。
図9は、重付係数テーブルの一例を示す図である。重付係数は、ゴミのサイズが大きいほど、大きな値である。ゴミのサイズが1〜9画素(dot)に対して、重付係数はゴミのサイズの二乗が定義され、ゴミのサイズが10画素(dot)以上に対して重付係数は「255」が定義される。
図8に戻って、使用領域決定部295は、原稿台205の位置ごとの汚れ度から読取に最適な領域を使用領域として決定する。具体的には、原稿のサイズに応じて定まる副走査方向の長さで原稿台205を分割し、分割した複数の領域のうちから汚れ度の総和が最も小さくなる領域を使用領域とする。本実施の形態における画像読取装置10では、原稿台205は、原稿のサイズに関係なく、原稿を読取る間は同じ速度で移動する。このため、原稿のサイズが小さければ、それを読取る間に原稿台205が読取位置Lを通過する領域は、原稿台205の一部となる。
例えば、原稿台205の副走査方向の長さをLとし、この画像読取装置10で読取り可能な最大の原稿を読取るのに必要な原稿台205の副走査方向の長さをLTとする。副走査方向の長さがLTの原稿を読取る場合、原稿の読取時に使用される原稿台205の副走査方向の長さはLとなり、副走査方向の長さがLT/3の原稿を読取る場合、原稿の読取時に使用される原稿台205の副走査方向の長さはL/3となる。ここでは、副走査方向の長さがL/3に対応する使用領域について説明するが、全ての原稿のサイズごとに使用領域を決定しておくようにすればよい。
図10は、原稿台を副走査方向に3分割した領域を示す図である。図中の矢印は原稿台移動方向を示している。ここでは、原稿台205を原稿台移動方向に3分割した3つの領域を、最も先に読取位置に移動する領域を前領域281Aといい、次の領域を中領域281Bといい、最後の領域を後領域281Cという。
なお、ここでは、原稿台205を原稿台移動方向に等しい長さで分割する例を示したが、例えば、原稿台205の位置ごとに算出された汚れ度の分布から使用領域を決定するようにしてもよい。具体的には、副走査方向の長さがLT/3の原稿に対して原稿台移動方向にL/3の長さの前領域281Aで汚れ度の総和を算出し、前領域281Aを原稿台移動方向と逆方向に1ライン分平行移動した領域で汚れ度の総和を算出する。前領域281Aを原稿台205の最後まで1ラインずつ平行移動するごとに汚れ度の総和を算出する。そして、汚れ度の総和が最も小さくなる平行移動量の領域を使用領域とする。
また、使用領域のサイズを、原稿のサイズにより定めるのではなく、予め定められた長さとしてもよいし、原稿台205の位置ごとに算出された汚れ度の分布から定めるようにしてもよい。原稿台205の位置ごとに算出された汚れ度の分布から使用領域のサイズを定める場合には、例えば、汚れ度が所定の値以下のラインが連続する領域のうち連続するライン数が最大の領域とすればよい。この場合には、使用領域のサイズが原稿のサイズにより定まらないが、原稿台205を移動させる速さを、原稿のサイズに応じて定めるようにすればよい。例えば、原稿台移動方向の長さがLTの原稿を読取る場合の原稿台205の移動する速さをVとした場合、使用領域の原稿台移動方向の長さがLT/2とされた場合、原稿台205を速さV/2で移動させればよい。
<読取前検出部の変形例>
図11は、読取前検出部の概略構成を示す別のブロック図である。図11を参照して、変形された読取前検出部271Aは、上述した読取前検出部271におけるゴミサイズ検出部292をゴミ明度検出部292Aに置換え、汚れ度算出部294および重付係数テーブル296を変更したものである。その他の構成は同じであるので、ここでは異なる点を主に説明する。
ゴミ明度検出部292Aは、ピーク値検出部291からゴミが読取られた画素の値を「1」とする論理信号と、RGB信号とが入力される。ゴミ明度検出部292Aは、ゴミが読取られた画素の明度の平均明度を検出する。たとえば、倫理信号で値「1」が3つ連続すれば、それら3つの画素の平均明度を算出する。そして、算出したゴミの領域の平均明度と原稿台205の位置とを関連付けたゴミ情報をゴミ情報記憶メモリ293に記憶する。ゴミ情報記憶メモリ293には、原稿台205の全て位置におけるゴミの平均明度が記憶される。
汚れ度算出部294Aは、重付係数テーブル296Aを予め記憶している。重付係数テーブル296Aは、原稿台205の位置ごとに汚れ度を算出するために用いられ、ゴミの明度に応じた重付係数を定義する。汚れ度算出部294Aは、ゴミ情報記憶メモリ293からゴミ情報を読出して、原稿台205の位置ごとに汚れ度を算出する。汚れ度は、重付係数にゴミの数を乗じた値で定義される。そして、汚れ度算出部294Aは、原稿台205の位置ごとに算出された汚れ度を、使用領域決定部295に出力する。
図12は、重付係数テーブルの一例を示す別の図である。重付係数は、ゴミの明度が中間のものが最も小さく、明度がそれより大きいほど、または、明度がそれより小さいほど、大きな値である。ゴミの明度が、「100〜179」に対して、重付係数は「36」が定義され、ゴミの明度が「60から99」および「180〜209」に対して重付係数は「49」が定義され、ゴミの明度が「30から59」および「210〜229」に対して重付係数は「64」が定義され、ゴミの明度が「10から29」および「230〜249」に対して重付係数は「81」が定義され、ゴミの明度が「0から9」および「250〜255」に対して重付係数は「255」が定義される。
本実施の形態における画像読取装置10では、原稿を読取る前の段階で、原稿台205の読取前検出部271において使用領域を決定する。そして、決定された使用領域を用いて原稿の読取を行う。このため、画像読取装置10は、ADF制御部273とモータ制御部217を制御して、原稿が読取位置Lを搬送されている間、原稿台205の使用領域が読取位置を移動するようにする。ここでは、制御部263によるADF制御部273とモータ制御部217の制御を読取制御という。
図13は、時間の経過とともに変動する原稿と原稿台との位置を示す図である。図では、横軸が時間の経過を示し、左側の縦軸が原稿台の移動する距離を示し、右側の縦軸が原稿の搬送される距離を示す。太線401は原稿の搬送方向先端の位置を示し、細線402Aは使用領域が前領域の場合における原稿台205の移動方向先端の位置を示し、細線402Bは使用領域が中領域における原稿台205の移動方向先端の位置を示し、細線402Cは使用領域が後領域における原稿台205の移動方向先端の位置を示す。時刻t0で、原稿の読取を指示する信号がユーザにより入力されたとする。ここでは、原稿の読取を指示する信号がユーザにより入力された時刻t0を特に時刻TA1という。
時刻t0で、原稿の搬送が開始される。時刻t0〜時刻t1の間が原稿を読取位置に搬送するまでの準備期間であり、時刻t1〜時刻t2の間が原稿を読取る読取期間である。
原稿を読取る直前の段階では、原稿は初期位置L0に配置され、原稿台205は初期位置l0に配置される。初期位置L0は、原稿がタイミングローラ対201によって挟持された位置であり、読取位置Lから所定の距離だけ原稿の搬送方向とは逆方向に離れた位置である。初期位置l0は、原稿台205を最も原稿の搬送方向に移動させた位置である。
制御部263が、ADF制御部273に原稿の搬送指示を出力すると、ADF制御部273は、原稿を所定の加速度で時刻t1まで加速して読取速度とする。時刻t1において原稿の搬送方向先端は読取位置Lに到達する。ADF制御部273は、時刻t1〜時刻t2の読取期間では、一定の読取速度で原稿を搬送する。ADF制御部273が原稿を加速させる加速度は、予め定められており、時刻t1において原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する加速度である。なお、ここでは、時刻t1まで加速しつづける例を示すが、時刻t1に達するまでに読取速度に到達してもよい。要するに、時刻t1において原稿の搬送方向先端が読取位置Lとなればよく、時刻t1は、原稿が初期位置から読取位置Lに搬送されるまでの時間として定まる。
制御部263は、時刻TB1で、モータ制御部217に原稿台205の移動の開始を指示する移動指示信号と、加速度とを出力する。制御部263は、使用領域が前領域281Aの場合には加速度a1を、使用領域が中領域281Bの場合には加速度a2を、使用領域が後領域281Cの場合には加速度a3をモータ制御部217に出力する。モータ制御部217は、移動指示信号の入力に応じて、時刻TB1から時刻t1までの間に、原稿台205を入力された加速度で加速して所定の速度とする。時刻TB1は、原稿の搬送が開始される時刻TA1を基準にして定まる時刻であり、時刻TA1から予め定められた期間経過後の時刻である。
時刻t1では、加速度によって原稿台205の移動方向先端の位置が異なる。すなわち、加速度a1の場合には、原稿台205の移動方向先端、すなわち前領域281Aの移動方向先端が読取位置Lとなる。また、加速度a2の場合には、中領域281Bの移動方向先端が読取位置Lとなる。また、加速度a3の場合には、後領域281Cの移動方向先端が読取位置Lとなる。
モータ制御部217は、時刻t1〜時刻t2の読取期間では、原稿台205を予め定められた移動速度で移動させる。ここでは、使用領域の全体が読取位置Lを通過するように移動速度が定められている。
なお、ここでは時刻t1まで加速しつづける例を示すが、時刻t1に達する前に移動速度に到達するようにしてもよい。要するに、時刻t1において原稿台の使用領域の移動方向先端が読取位置Lとなればよい。
図14は、本実施の形態における制御部263で実行される読取制御処理の流れを示すフローチャートである。図を参照して、制御部263は、原稿の読取の開始を指示するためのスタートボタンがユーザにより押下されたか否かが判断される(ステップS01)。押下された場合にはステップS02へ進み、そうでない場合には待機状態となる。すなわち、読取制御処理は、ユーザが原稿の読取の開始を指示することを条件に実行される処理である。
そして、読取前検出部271で検出された使用領域が判断される(ステップS02)。使用領域に前領域281Aが検出されている場合にはステップS03に進み、加速度a1が設定される。使用領域に中領域281Bが検出されている場合にはステップS04に進み、加速度a2が設定される。使用領域に後領域281Cが検出されている場合にはステップS05に進み、加速度a3が設定される。
そして、時刻TA1に原稿搬送指示がADF制御部273に出力される(ステップS06)。これにより、時刻t1に原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する。
次に、時刻TB1に原稿台205の移動の開始を指示するための移動指示と、設定された加速度とが、モータ制御部217に出力される(ステップS07)。加速度は、ステップS03〜ステップS05のいずれかで設定された加速度である。これにより、時刻t1に使用領域の移動方向先端が読取位置Lに到達する。
そして、時刻t1〜時刻t2の読取期間に原稿が読取られる(ステップS08)。この読取期間では、原稿は読取速度で搬送され、原稿台205は予め定められた移動速度で移動される。
<読取制御処理の第1の変形例>
読取制御処理の第1の変形例では、原稿を読取速度にまで加速する加速度を変更する。
図15は、時間の経過とともに変動する原稿と原稿台との位置を示す別の図である。図では、横軸が時間の経過を示し、左側の縦軸が原稿台の移動する距離を示し、右側の縦軸が原稿の搬送される距離を示す。太線401Aは使用領域が前領域の場合における原稿の搬送方向先端の位置を示し、太線401Bは使用領域が中領域における原稿の搬送方向先端の位置を示し、太線401Cは使用領域が後領域における原稿の搬送方向先端の位置を示す。細線402は原稿台205の移動方向先端の位置を示す。
原稿を読取る直前の段階では、原稿は初期位置L0に配置され、原稿台205は初期位置l0に配置される。時刻t0で、原稿の読取を指示する信号がユーザにより入力されたとする。ここでは、原稿の読取を指示する信号がユーザにより入力された時刻t0を時刻TA1という。
制御部263は、時刻TA1で、ADF制御部273に原稿の搬送の開始を指示する搬送指示信号と、加速度とを出力する。制御部263は、使用領域が前領域281Aの場合には加速度b1を、使用領域が中領域281Bの場合には加速度b2を、使用領域が後領域281Cの場合には加速度b3をADF制御部273に出力する。
ADF制御部273は、搬送指示信号の入力に応じて、時刻TA1から原稿を入力された加速度で読取速度まで加速する。ADF制御部273により原稿が、時刻TA1から加速度b1で読取速度まで加速されると、原稿の搬送方向先端は時刻t1に読取位置Lに到達する。ADF制御部273により原稿が、時刻TA1から加速度b2で読取速度まで加速されると、原稿の搬送方向先端は時刻t2に読取位置Lに到達する。ADF制御部273により原稿が、時刻TA1から加速度b3で読取速度まで加速されると、原稿の搬送方向先端は時刻t3に読取位置Lに到達する。
なお、図では、読取速度となった時点で原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達することを示しているが、原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する以前に読取速度に到達するようにしてもよい。要するに、時刻t1、時刻t2、または時刻t3に原稿の搬送方向先端が読取位置Lとなればよい。
制御部263は、時刻TB1にモータ制御部217に原稿の搬送指示を出力する。時刻TB1は、原稿の搬送が開始される時刻TA1を基準にして定まる時刻であり、時刻TA1から予め定められた期間経過後の時刻である。モータ制御部217は、搬送指示の入力に応じて、原稿台205を所定の加速度で時刻t1まで加速する。時刻t1において原稿台205の移動方向先端は読取位置Lに到達する。モータ制御部217は、時刻t1以降は、原稿台205を一定の移動速度で移動させる。モータ制御部217が原稿台205を加速させる加速度は、予め定められており、時刻t1において原稿台205の前領域281Aの移動方向先端が読取位置Lに到達する加速度である。これにより、時刻t2においては、原稿台205の中領域281Bの移動方向先端が読取位置Lに到達し、時刻t3においては、原稿台205の後領域281Cの移動方向先端が読取位置Lに到達する。すなわち、時刻t1〜時刻t2の間は、原稿台205の前領域281Aが読取位置Lを通過し、時刻t2〜時刻t3の間は、原稿台205の中領域281Bが読取位置Lを通過し、時刻t3〜時刻t4の間は、原稿台205の後領域281Cが読取位置Lを通過する。
なお、ここでは、時刻t1まで加速しつづける例を示すが、時刻t1に達する前に移動速度に到達するようにしてもよい。要するに、時刻t1において原稿台205の前領域281Aの移動方向先端が読取位置Lとなればよい。
時刻t0〜時刻t1の間は準備期間であり、時刻t1〜時刻t2の間は使用領域が前領域の場合における原稿を読取る読取期間であり、時刻t2〜時刻t3の間は使用領域が中領域の場合における原稿を読取る読取期間であり、時刻t1〜時刻t2の間は使用領域が後領域の場合における原稿を読取る読取期間である。
図16は、本実施の形態における制御部263で実行される読取制御処理の別の流れを示すフローチャートである。図を参照して、制御部263は、原稿の読取の開始を指示するためのスタートボタンがユーザにより押下されたか否かが判断される(ステップS11)。押下された場合にはステップS12へ進み、そうでない場合には待機状態となる。すなわち、読取制御処理は、ユーザが原稿の読取の開始を指示することを条件に実行される処理である。
そして、読取前検出部271で検出された使用領域が判断される(ステップS12)。使用領域に前領域281Aが検出されている場合にはステップS13に進み、加速度b1が設定される。使用領域に中領域281Bが検出されている場合にはステップS14に進み、加速度b2が設定される。使用領域に後領域281Cが検出されている場合にはステップS15に進み、加速度b3が設定される。
そして、時刻TA1に原稿の搬送指示と設定された加速度とがADF制御部273に出力される(ステップS16)。加速度は、ステップS13〜ステップS15のいずれかで設定された加速度である。これにより、使用領域が前領域281Aの場合、原稿は時刻TA1から加速度b1で読取速度まで加速されて、時刻t1に原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する。使用領域が中領域281Bの場合、原稿は時刻TA1から加速度b2で読取速度まで加速されて、時刻t2に原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する。使用領域が後領域281Cの場合、原稿は時刻TA1から加速度b3で読取速度まで加速されて、時刻t3に原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する。
次に、時刻TB1において原稿台205の移動の開始を指示するための移動指示が、モータ制御部217に出力される(ステップS17)。これにより、原稿台205は、時刻t1まで所定の加速度で加速されて、その後移動速度で移動させられる。その結果、時刻t1において前領域281Aの移動方向先端が読取位置Lに到達し、時刻t2において中領域281Bの移動方向先端が読取位置Lに到達し、時刻t3において後領域281Cの移動方向先端が読取位置Lに到達する。
そして、読取前検出部271で検出された使用領域が判断される(ステップS18)。使用領域に前領域281Aが検出されている場合にはステップS19に進み、時刻t1で読取が開始される。使用領域に中領域281Bが検出されている場合にはステップS20に進み、時刻t2で読取が開始される。使用領域に後領域281Cが検出されている場合にはステップS21に進み、時刻t3で読取が開始される。
<読取制御処理の第2の変形例>
読取制御処理の第2の変形例では、原稿の搬送を開始する時期を変更する。
図17は、時間の経過とともに変動する原稿と原稿台との位置を示すさらに別の図である。図では、横軸が時間の経過を示し、左側の縦軸が原稿台の移動する距離を示し、右側の縦軸が原稿の搬送される距離を示す。太線403Aは使用領域が前領域の場合における原稿の搬送方向先端の位置を示し、太線403Bは使用領域が中領域における原稿の搬送方向先端の位置を示し、太線403Cは使用領域が後領域における原稿の搬送方向先端の位置を示す。細線402は原稿台205の移動方向先端の位置を示す。
原稿を読取る直前の段階では、原稿は初期位置L0に配置され、原稿台205は初期位置l0に配置される。時刻t0で、原稿の読取を指示する信号がユーザにより入力されたとする。ここでは、原稿の読取を指示する信号がユーザにより入力された時刻t0を特に時刻TA1という。
制御部263は、使用領域が前領域281Aの場合には時刻TA1にADF制御部273に原稿の搬送指示を出力し、使用領域が中領域281Bの場合には時刻TA2にADF制御部273に原稿の搬送指示を出力し、使用領域が後領域281Cの場合には時刻TA3にADF制御部273に原稿の搬送指示を出力する。
ADF制御部273は、搬送指示の入力に応じて、原稿を所定の加速度で読取速度まで加速する。ADF制御部273により原稿が、時刻TA1から搬送が開始されると、原稿の搬送方向先端は時刻t1に読取位置Lに到達する。ADF制御部273により原稿が、時刻TA2から搬送が開始されると、原稿の搬送方向先端は時刻t2に読取位置Lに到達する。ADF制御部273により原稿が、時刻TA3から搬送が開始されると、原稿の搬送方向先端は時刻t3に読取位置Lに到達する。
なお、図では、読取速度となった時点で原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達することを示しているが、原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する以前に読取速度に到達するようにしてもよい。要するに、時刻t1、時刻t2、または時刻t3に原稿の搬送方向先端が読取位置Lとなればよい。
制御部263は、時刻TB1にモータ制御部217に原稿の搬送指示を出力する。モータ制御部217は、搬送指示の入力に応じて、原稿台205を所定の加速度で時刻t1まで加速する。時刻t1において原稿台205の移動方向先端は読取位置Lに到達する。モータ制御部217は、時刻t1以降は、原稿台205を一定の移動速度で移動させる。モータ制御部217が原稿台205を加速させる加速度は、予め定められており、時刻t1において原稿台205の前領域281Aの移動方向先端が読取位置Lに到達する加速度である。これにより、時刻t2においては、原稿台205の中領域281Bの移動方向先端が読取位置Lに到達し、時刻t3においては、原稿台205の後領域281Cの移動方向先端が読取位置Lに到達する。すなわち、時刻t1〜時刻t2の間は、原稿台205の前領域281Aが読取位置Lを通過し、時刻t2〜時刻t3の間は、原稿台205の中領域281Bが読取位置Lを通過し、時刻t3〜時刻t4の間は、原稿台205の後領域281Cが読取位置Lを通過する。
なお、ここでは、時刻t1まで加速しつづける例を示すが、時刻t1に達する前に移動速度に到達するようにしてもよい。要するに、時刻t1において原稿台205の前領域281Aの移動方向先端が読取位置Lとなればよい。
時刻TB1は、原稿の搬送を開始する時刻TA1、時刻TA2または時刻TA3に基づき定まるタイミングである。即ち、スタートボタンを押下した時刻t0に基づき、時刻TA1,TA2,TA3が定まり、これらのいずれかから時刻TB1が定まる。
時刻t0〜時刻t1の間は準備期間であり、時刻t1〜時刻t2の間は使用領域が前領域の場合における原稿を読取る読取期間であり、時刻t2〜時刻t3の間は使用領域が中領域の場合における原稿を読取る読取期間であり、時刻t1〜時刻t2の間が使用領域が後領域の場合における原稿を読取る読取期間である。
図18は、本実施の形態における制御部263で実行される読取制御処理のさらに別の流れを示すフローチャートである。図を参照して、制御部263は、原稿の読取の開始を指示するためのスタートボタンがユーザにより押下されたか否かが判断される(ステップS31)。押下された場合にはステップS32へ進み、そうでない場合には待機状態となる。すなわち、読取制御処理は、ユーザが原稿の読取の開始を指示することを条件に実行される処理である。
そして、読取前検出部271で検出された使用領域が判断される(ステップS32)。使用領域に前領域281Aが検出されている場合にはステップS33に進み、使用領域に中領域281Bが検出されている場合にはステップS36に進み、使用領域に後領域281Cが検出されている場合にはステップS39に進む。
ステップS33では、時刻TA1にADF制御部273に原稿の搬送指示が出力される。次のステップS34で、時刻TB1にモータ制御部217に原稿台205の移動指示が出力される。これにより、原稿は時刻TA1から所定の加速度で読取速度まで加速されて、時刻t1に原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する。また、原稿台205は、時刻TB1から所定の加速度で時刻t1まで加速されて、時刻t1後は所定の移動速度で移動させられる。その結果、時刻t1には、原稿台205の前領域281Aの移動方向先端が読取位置Lに到達する。
ステップS35では、時刻t1に原稿の読取が開始される。このため、時刻t1〜時刻t2の間で、原稿台205の前領域281Aを用いて原稿が読取られる。
また、ステップS36では、時刻TB1にモータ制御部217に原稿台205の移動指示が出力される。次のステップS37では、時刻TA2にADF制御部273に原稿の搬送指示が出力される。これにより、原稿は時刻TA2から所定の加速度で読取速度まで加速されて、時刻t2に原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する。また、原稿台205は、時刻TB1から所定の加速度で時刻t1まで加速されて、時刻t1後は所定の移動速度で移動させられる。その結果、時刻t2には、原稿台205の中領域281Bの移動方向先端が読取位置Lに到達する。
ステップS38では、時刻t2に原稿の読取が開始される。このため、時刻t2〜時刻t3の間で、原稿台205の中領域281Bを用いて原稿が読取られる。
ステップS39では、時刻TB1にモータ制御部217に原稿台205の移動指示が出力される。次のステップS40では、時刻TA3にADF制御部273に原稿の搬送指示が出力される。これにより、原稿は時刻TA3から所定の加速度で読取速度まで加速されて、時刻t3に原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する。また、原稿台205は、時刻TB1から所定の加速度で時刻t1まで加速されて、時刻t1後は所定の移動速度で移動させられる。その結果、時刻t3には、原稿台205の後領域281Cの移動方向先端が読取位置Lに到達する。
ステップS41では、時刻t3に原稿の読取が開始される。このため、時刻t3〜時刻t4の間で、原稿台205の後領域281Cを用いて原稿が読取られる。
<読取制御処理の第3の変形例>
読取制御処理の第3の変形例では、原稿台の移動を開始する時期を変更する。
図19は、時間の経過とともに変動する原稿と原稿台との位置を示すさらに別の図である。図では、横軸が時間の経過を示し、左側の縦軸が原稿台の移動する距離を示し、右側の縦軸が原稿の搬送される距離を示す。太線404は原稿の搬送方向先端の位置を示す。細線405Aは使用領域が前領域の場合における原稿の搬送方向先端の位置を示し、細線405Bは使用領域が中領域における原稿の搬送方向先端の位置を示し、細線405Cは使用領域が後領域における原稿の搬送方向先端の位置を示す。
原稿を読取る直前の段階では、原稿は初期位置L0に配置され、原稿台205は初期位置l0に配置される。時刻t0で、原稿の読取を指示する信号がユーザにより入力されたとする。ここでは、原稿の読取を指示する信号がユーザにより入力された時刻t0を時刻TA1という。
制御部263は、使用領域が前領域281Aの場合には時刻TB1にモータ制御部217に原稿台205の移動指示を出力し、使用領域が中領域281Bの場合には時刻TB2にモータ制御部217に原稿台205の移動指示を出力し、使用領域が後領域281Cの場合には時刻TB3にモータ制御部217に原稿台205の移動指示を出力する。
モータ制御部217は、移動指示の入力に応じて、原稿台205を所定の加速度で所定の移動速度まで加速する。モータ制御部217により原稿が、時刻TB1から移動が開始されると、原稿台205の前領域281Aの搬送方向先端は時刻t3に読取位置Lに到達する。モータ制御部217により原稿台205が、時刻TB2から移動が開始されると、原稿台205の中領域281Bの移動方向先端は時刻t3に読取位置Lに到達する。モータ制御部217により原稿台205が、時刻TB3から移動が開始されると、原稿台205の後領域281Cの移動方向先端は時刻t3に読取位置Lに到達する。
なお、ここでは、時刻t1、時刻t2または時刻t3まで加速しつづける例を示すが、時刻t1時刻t2または時刻t3の前に移動速度に到達するようにしてもよい。要するに、時刻t1、時刻t2または時刻t3において原稿台205の前領域281Aの移動方向先端が読取位置Lとなればよい。
制御部263は、時刻TA3にADF制御部273に原稿の搬送指示を出力する。時刻TA3は、時刻TA1を基準にして定まる時刻であり、時刻TA1から予め定められた期間経過後の時刻である。ADF制御部273は、搬送指示の入力に応じて、原稿を所定の加速度で読取速度まで加速する。時刻t3において原稿の搬送方向先端は読取位置Lに到達する。ADF制御部273は、時刻t3以降は、原稿を一定の読取速度で搬送する。ADF制御部273が原稿を加速させる加速度は、予め定められている。このため、時刻t3において原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達するように、時刻TA3が定められる。
なお、図では、読取速度となった時点で原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達することを示しているが、原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する以前に読取速度に到達するようにしてもよい。要するに、時刻t3に原稿の搬送方向先端が読取位置Lとなればよい。
時刻TB1,TB2,TB3は、原稿の搬送を開始する時刻TA3に基づき定まるタイミングである。即ち、スタートボタンを押下した時刻TA1に基づき、時刻TA3が定まり、これから時刻TB1,TB2,TB3が定まる。
図20は、本実施の形態における制御部263で実行される読取制御処理のさらに別の流れを示すフローチャートである。図を参照して、制御部263は、原稿の読取の開始を指示するためのスタートボタンがユーザにより押下されたか否かが判断される(ステップS51)。押下された場合にはステップS52へ進み、そうでない場合には待機状態となる。すなわち、読取制御処理は、ユーザが原稿の読取の開始を指示することを条件に実行される処理である。
そして、読取前検出部271で検出された使用領域が判断される(ステップS52)。使用領域に前領域281Aが検出されている場合にはステップS53に進み、使用領域に中領域281Bが検出されている場合にはステップS55に進み、使用領域に後領域281Cが検出されている場合にはステップS56に進む。
ステップS53では、時刻TB3にモータ制御部217に原稿台の移動指示が出力される。次のステップS54で、時刻TA3にADF制御部273に原稿の搬送指示が出力される。これにより、原稿台205は、時刻TB3から所定の加速度で時刻t3まで加速されて、時刻t3後は所定の移動速度で移動させられる。その結果、時刻t3には、原稿台205の前領域281Aの移動方向先端が読取位置Lに到達する。原稿は時刻TA3から所定の加速度で読取速度まで加速されて、時刻t3に原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する。
次のステップS58では、時刻t3に原稿の読取が開始される。このため、時刻t3〜時刻t4の間で、原稿台205の前領域281Aを用いて原稿が読取られる。
また、ステップS55では、時刻TB2にモータ制御部217に原稿台205の移動指示が出力される。次のステップS54では、時刻TA3にADF制御部273に原稿の搬送指示が出力される。これにより、原稿台205は、時刻TB2から所定の加速度で時刻t2まで加速されて、時刻t2後は所定の移動速度で移動させられる。その結果、時刻t3には、原稿台205の中領域281Bの移動方向先端が読取位置Lに到達する。原稿は時刻TA3から所定の加速度で読取速度まで加速されて、時刻t3に原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する。
次のステップS58では、時刻t3に原稿の読取が開始される。このため、時刻t3〜時刻t4の間で、原稿台205の中領域281Bを用いて原稿が読取られる。
また、ステップS56では、時刻TA3にADF制御部273に原稿の搬送指示が出力される。ステップS57では、時刻TB1にモータ制御部217に原稿台の移動指示が出力される。これにより、原稿台205は、時刻TB1から所定の加速度で時刻t1まで加速されて、時刻t1後は所定の移動速度で移動させられる。その結果、時刻t3には、原稿台205の後領域281Cの移動方向先端が読取位置Lに到達する。原稿は時刻TA3から所定の加速度で読取速度まで加速されて、時刻t3に原稿の搬送方向先端が読取位置Lに到達する。
次のステップS58では、時刻t3に原稿の読取が開始される。このため、時刻t3〜時刻t4の間で、原稿台205の後領域281Cを用いて原稿が読取られる。
このように本実施の形態における画像読取装置10は、原稿を読取る前の段階で、原稿台の位置ごとに汚れを検出し、原稿台のゴミが少ない使用領域を用いて原稿を読取るので、ノイズが減少する。その結果、原稿台に存在するゴミにより画像に発生するノイズを減少させることができる。
次に、読取られた画像から原稿台のゴミが原因で発生するノイズの検出について説明する。
次にノイズ検出処理について具体的に説明する。図6で説明したように、ラインセンサ213R,213G,213Bは、同じタイミングで原稿の異なる位置を読取ることになる。ライン間補正部255で、R信号、G信号およびB信号のラインを同期させることにより、原稿の同じ位置を読取ったR信号、G信号およびB信号が得られる。
したがって、原稿の同じ位置を読取ったR信号、G信号およびB信号は、原稿台205にゴミが付着している場合は、いずれか1つの信号が影響される。
図21は、読取部が出力するRGB信号の一例を示す図である。図21(A)は、黒色のゴミが原稿台のラインセンサ213Rに対応する領域205Rに付着しており、原稿の白色の領域を読取った場合の一例を示している。ラインセンサ213Rが黒色のゴミを読取った時点の原稿の領域が、ラインセンサ213G,213Bに対応する領域205G,205Bに移動した時点では、ゴミはラインセンサ213G,213Bに対応する領域205G,205Bには存在しない。原稿と原稿台205とが異なる速度で移動するからである。このため、ラインセンサ213G,213Bでは、原稿の白色の領域を読取ることになる。その結果、ラインセンサ213Rが出力するR信号だけが明度が低くなり、ラインセンサ213G,213Bが出力するG信号、B信号は明度が高い。なお、ここでは、反射光に応じた3つのラインセンサ213R,213G,213Bの出力値を明度という。
図21(A)に示すRGB信号の組合せは、ゴミのない状態で原稿を読取った場合に出力されることは希である。最も近い組合せは、赤の補色である青緑の領域を読取った場合である。図21(B)は、原稿の青緑の領域を読取った場合に読取部213が出力するRGB信号を示す図である。R信号は明度が大きく下がるがG信号およびB信号の明度も下がる。このため、明度が大きく下がるR信号の明度の変化を、しきい値Ref1(R)を用いて検出することができる。
図21(A)に示すRGB信号と図21(B)に示すRGB信号とではB信号とG信号が影響を受けるか受けないかの大きな違いがある。この違いを検出することにより、青緑の線を誤ってノイズとして検出することなく、黒色のゴミをノイズとして検出することができる。したがって、B信号の明度の変化をしきい値Ref2(B)を用いて検出する。しきい値Ref2(B)は、次の値のうち最も小さな値とすればよい。以下では、しきい値Ref2(R),Ref2(G),Ref2(B)を示している。
(1)明度の高い無彩色のゴミを検出する場合
青緑の線をノイズとして誤って検出することがないように、赤の補色である青緑を読取った場合に、ラインセンサ213R以外のラインセンサ213G,213Bのいずれか一方が出力する明度と明度の最大値(255)との差Ref2(G),Ref2(B)とすればよい。赤紫の線をノイズとして誤って検出することがないように、緑の補色である赤紫を読取った場合に、ラインセンサ213G以外のラインセンサ213R,213Bのいずれか一方が出力する明度と最大明度(255)との差Ref2(R),Ref2(B)とすればよい。黄の線をノイズとして誤って検出することがないように、青の補色である黄を読取った場合に、ラインセンサ213B以外のラインセンサ213R,213Gのいずれか一方が出力する明度と最大明度(255)との差Ref2(R),Ref2(G)とすればよい。
(2)明度の低い無彩色のゴミを検出する場合
赤の線をノイズとして誤って検出することがないように、赤を読取った場合に、ラインセンサ213R以外のラインセンサ213G,213Bのいずれか一方が出力する明度と明度の最小値(0)との差Ref2(G),Ref2(B)とすればよい。緑の線をノイズとして誤って検出することがないように、緑を読取った場合に、ラインセンサ213G以外のラインセンサ213R,213Bのいずれか一方が出力する明度と最小値(0)との差Ref2(R),Ref2(B)とすればよい。青の線をノイズとして誤って検出することがないように、青を読取った場合に、ラインセンサ213B以外のラインセンサ213R,213Gのいずれか一方が出力する明度と最小値(0)との差Ref2(R),Ref2(G)とすればよい。
このようにして、しきい値Ref2(R),Ref2(G),Ref2(B)は、複数求まるが、それらの最小値を用いればよい。
ここでは、黒色のゴミをノイズとして検出することを説明するが、黒色でなくても無彩色のゴミであれば検出することが可能である。無彩色のゴミであれば、R信号、G信号およびB信号の全てに影響を与えるからである。
また、ここでは白色の原稿を読取る場合を例に説明するが、原稿の色は白色に限定されることなく、どのような色であってもよい。
図22は、本実施の形態における画像読取装置のノイズ検出処理部の構成を示すブロック図である。図22を参照して、ノイズ検出処理部259は、入力されるR信号、G信号、B信号それぞれから所定の特徴を有する領域を抽出するための第1明度差検出部301R、301G,301Bおよび第2明度差検出部302R,302G,302Bと、第2明度差検出部302R、302G,302Bで抽出された領域を周辺に拡張するための検出結果拡張処理部303R,303G,303Bと、否定論理和素子305R,305G,305Bと、論理積素子307R,307G,307Bと、検出エリア拡張処理部309R,309G,309Bとを含む。
R信号、G信号、B信号が1ラインずつ順にノイズ検出処理部259に入力される。なお、R信号、G信号、B信号は、複数ラインまとめて入力されてもよく、画像全体でまとめて入力されてもよい。
第1明度差検出部301Rは、R信号としきい値Ref1(R)とが入力される。第1明度差検出部301Rは、R信号から第1レベルの所定の特徴を有する領域を抽出する。第1レベルの所定の特徴を有する領域とは、明度の変化が少ない領域であって、周辺の領域と明度の差がしきい値Ref1(R)以上の領域である。そのような領域は、1画素以上の大きさであればよい。ここでは、第1レベルの所定の特徴を有する領域に含まれる画素を第1特徴画素という。
第1レベルの所定の特徴を有する領域は、エッジ抽出フィルタを用いて抽出するようにしてもよい。エッジ抽出フィルタは、エッジ領域のサイズごとに複数準備され、フィルタ処理の結果得られる値としきい値Ref1(R)とが比較される。そして、しきい値Ref1(R)との条件を満たす画素がエッジ領域の中心画素とされ、その条件をみたしたエッジ抽出フィルタからエッジ領域のサイズが求められる。
図23は、エッジ抽出フィルタの一例を示す図である。図23(A)は、R信号が1ラインずつ入力される場合に1画素のサイズのエッジ領域を検出するために用いられるエッジ抽出フィルタを示す。図23(B)は、R信号が複数ラインまとめて入力される場合に1画素のサイズのエッジ領域を検出するために用いられるエッジ抽出フィルタを示す。
図23(C)は、R信号が1ラインずつ入力される場合に3画素のサイズのエッジ領域を検出するために用いられるエッジ抽出フィルタを示す。図23(D)は、R信号が複数ラインまとめて入力される場合に3画素のサイズのエッジ領域を検出するために用いられるエッジ抽出フィルタを示す。
図23(E)は、R信号が1ラインずつ入力される場合に5画素のサイズのエッジ領域を検出するために用いられるエッジ抽出フィルタを示す。図23(F)は、R信号が複数ラインまとめて入力される場合に5画素のサイズのエッジ領域を検出するために用いられるエッジ抽出フィルタを示す。これらのエッジ抽出フィルタの成立条件は、次のようになる。
(1)明度が高いエッジ領域の判定条件は、画素Aと画素Bの明度の平均から画素Cの明度の平均を減算した値がしきい値Ref1(R)以上の場合である。
平均(画素Aと画素B)−平均(画素C)>Ref1(R)
この場合の中心画素は、画素Aと画素Bと画素Cのうち明度が最大の画素である。
(2)明度が低いエッジ領域の判定条件は、画素Cの明度の平均から画素Aと画素Bの明度の平均を減算した値がしきい値Ref1(R)以上の場合である。
平均(画素C)−平均(画素Aと画素B)>Ref1(R)
この場合の中心画素は、画素Aと画素Bと画素Cのうち明度が最小の画素である。
G信号、B信号についても、R信号に用いられるのと同様のエッジ抽出フィルタを用いることができる。
第1明度差検出部301R,301G,301Bでは、上述したエッジ抽出フィルタで算出された値と、しきい値Ref1(R),Ref1(G),Ref1(B)とが比較される。
図22に戻って、第1明度差検出部301Rで抽出された第1特徴画素を「1」とし、そうでない画素を「0」とした論理信号が、論理積素子307Rに出力される。
第2明度差検出部302Rは、R信号としきい値Ref2(R)とが入力される。第2明度差検出部302Rは、R信号から第2レベルの所定の特徴を有する領域を抽出する。第2レベルの所定の特徴を有する領域とは、明度の変化が少ない領域であって、周辺の領域と明度の差がしきい値Ref2(R)以上の領域である。そのような領域は、1画素以上の大きさであればよい。ここでは、第2レベルの所定の特徴を有する領域に含まれる画素を第2特徴画素という。しきい値Ref2(R)は、しきい値Ref1(R)よりも小さな値である。
第2レベルの所定の特徴を有する領域は、エッジ抽出フィルタを用いて抽出するようにしてもよい。エッジ抽出フィルタは、エッジ領域のサイズごとに複数準備され、フィルタ処理の結果得られる値としきい値Ref2(R)とが比較される。そして、しきい値Ref2(R)との条件を満たす画素がエッジ領域の中心画素とされ、その条件をみたしたエッジ抽出フィルタからエッジ領域のサイズが求められる。
第2明度差検出部302R,302G,302Bでは、上述したエッジ抽出フィルタで算出された値と、しきい値Ref2(R),Ref2(G),Ref2(B)とが比較される。
第2明度差検出部302Rで抽出された第2特徴画素を「1」とし、そうでない画素を「0」とした論理信号が、検出結果拡張処理部303Rに出力される。
検出結果拡張処理部303Rは、第2明度差検出部302Rで抽出された第2特徴画素の周辺の画素を第2特徴画素とすることにより、第2レベルの所定の特徴を有する領域を拡張する。すなわち、第2明度差検出部302Rから入力される論理信号の値が「1」の画素の周辺にある値が「0」の画素の値を「1」に変更する。これにより、ノイズ検出の精度を向上させることができる。領域を拡張した論理信号は、否定論理和素子305G、305Bに出力される。
第1明度差検出部301Gは、G信号としきい値Ref1(G)とが入力される。第1明度差検出部301Gは、G信号から第1レベルの所定の特徴を有する領域を抽出する。第1レベルの所定の特徴を有する領域とは、明度の変化が少ない領域であって、周辺の領域と明度の差がしきい値Ref1(G)以上の領域である。
第1レベルの所定の特徴を有する領域は、エッジ抽出フィルタを用いて抽出するようにしてもよい。エッジ抽出フィルタは、エッジ領域のサイズごとに複数準備され、フィルタ処理の結果得られる値としきい値Ref1(G)とが比較される。そして、しきい値Ref1(G)との条件を満たす画素がエッジ領域の中心画素とされ、その条件をみたしたエッジ抽出フィルタからエッジ領域のサイズが求められる。
第1明度差検出部301Gで抽出された特徴画素を「1」とし、そうでない画素を「0」とした論理信号が、論理積素子307Gに出力される。
第2明度差検出部302Gは、G信号としきい値Ref2(G)とが入力される。第2明度差検出部302Gは、G信号から第2レベルの所定の特徴を有する領域を抽出する。第2レベルの所定の特徴を有する領域とは、明度の変化が少ない領域であって、周辺の領域と明度の差がしきい値Ref2(G)以上の領域である。そのような領域は、1画素以上の大きさであればよい。ここでは、第2レベルの所定の特徴を有する領域に含まれる画素を第2特徴画素という。しきい値Ref2(G)は、しきい値Ref1(G)よりも小さな値である。
第2レベルの所定の特徴を有する領域は、エッジ抽出フィルタを用いて抽出するようにしてもよい。エッジ抽出フィルタは、エッジ領域のサイズごとに複数準備され、フィルタ処理の結果得られる値としきい値Ref2(G)とが比較される。そして、しきい値Ref2(G)との条件を満たす画素がエッジ領域の中心画素とされ、その条件をみたしたエッジ抽出フィルタからエッジ領域のサイズが求められる。
第2明度差検出部302Gで抽出された第2特徴画素を「1」とし、そうでない画素を「0」とした論理信号が、検出結果拡張処理部303Gに出力される。
検出結果拡張処理部303Gは、第2明度差検出部302Gで抽出された第2特徴画素の周辺の画素を第2特徴画素とすることにより、第2レベルの所定の特徴を有する領域を拡張する。領域を拡張した論理信号は、否定論理和素子305R、305Bに出力される。
第1明度差検出部301Bは、B信号としきい値Ref1(B)とが入力される。第1明度差検出部301Bは、B信号から第1レベルの所定の特徴を有する領域を抽出する。第1レベルの所定の特徴を有する領域とは、明度の変化が少ない領域であって、周辺の領域と明度の差がしきい値Ref1(B)以上の領域である。
第1レベルの所定の特徴を有する領域は、エッジ抽出フィルタを用いて抽出するようにしてもよい。エッジ抽出フィルタは、エッジ領域のサイズごとに複数準備され、フィルタ処理の結果得られる値としきい値Ref1(B)とが比較される。そして、しきい値Ref1(B)との条件を満たす画素がエッジ領域の中心画素とされ、その条件をみたしたエッジ抽出フィルタからエッジ領域のサイズが求められる。
第1明度差検出部301Bで抽出された特徴画素を「1」とし、そうでない画素を「0」とした論理信号が、論理積素子307Bに出力される。
第2明度差検出部302Bは、B信号としきい値Ref2(B)とが入力される。第2明度差検出部302Bは、B信号から第2レベルの所定の特徴を有する領域を抽出する。第2レベルの所定の特徴を有する領域とは、明度の変化が少ない領域であって、周辺の領域と明度の差がしきい値Ref2(B)以上の領域である。そのような領域は、1画素以上の大きさであればよい。ここでは、第2レベルの所定の特徴を有する領域に含まれる画素を第2特徴画素という。しきい値Ref2(B)は、しきい値Ref1(B)よりも小さな値である。
第2レベルの所定の特徴を有する領域は、エッジ抽出フィルタを用いて抽出するようにしてもよい。エッジ抽出フィルタは、エッジ領域のサイズごとに複数準備され、フィルタ処理の結果得られる値としきい値Ref2(B)とが比較される。そして、しきい値Ref2(B)との条件を満たす画素がエッジ領域の中心画素とされ、その条件をみたしたエッジ抽出フィルタからエッジ領域のサイズが求められる。
第2明度差検出部302Bで抽出された第2特徴画素を「1」とし、そうでない画素を「0」とした論理信号が、検出結果拡張処理部303Bに出力される。
検出結果拡張処理部303Bは、第2明度差検出部302Bで抽出された第2特徴画素の周辺の画素を第2特徴画素とすることにより、第2レベルの所定の特徴を有する領域を拡張する。領域を拡張した論理信号は、否定論理和素子305R、305Gに出力される。
否定論理和素子305Rには、検出結果拡張処理部303G,303Bそれぞれから領域を拡張した論理信号が入力される。否定論理和素子305Rは、入力された2つの論理信号の論理和を反転した論理信号を論理積素子307Rに出力する。すなわち、G信号およびB信号のいずれでも第2特徴画素でない画素を「1」とし、少なくとも一方で第2特徴画素である画素を「0」とする論理信号が出力される。
論理積素子307Rは、第1明度差検出部301Rから入力される論理信号と、否定論理和素子305Rから入力される論理信号の論理積を、検出エリア拡張処理部309Rに出力する。すなわち、R信号で第1特徴画素であって、B信号およびG信号のいずれでも拡張された第2特徴画素でない画素を「1」とし、他の画素を「0」とする論理信号が出力される。この論理信号で値が「1」の画素はノイズ画素を示す。したがって、否定論理和素子305Rと論理積素子307Rとにより、R信号から抽出された第1特徴画素のうちから、G信号およびB信号のいずれでも第2特徴画素として抽出されなかった画素がノイズ画素として判定される。
検出エリア拡張処理部309Rは、論理積素子307Rから入力される論理信号で「1」とされる画素の周辺の画素を「1」とすることにより、ノイズ画素の範囲を拡張する。これは、ノイズ画素の補正の精度を向上させるためである。範囲が拡張されたノイズ画素を「1」とする論理信号が、ノイズ補正部260に出力される。
否定論理和素子305Gには、検出結果拡張処理部303R,303Bそれぞれから領域を拡張した論理信号が入力される。否定論理和素子305Gは、入力された2つの論理信号の論理和を反転した論理信号を論理積素子307Gに出力する。すなわち、R信号およびB信号のいずれでも第2特徴画素でない画素を「1」とし、少なくとも一方で第2特徴画素である画素を「0」とする論理信号が出力される。
論理積素子307Gは、第1明度差検出部301Gから入力される論理信号と、否定論理和素子305Gから入力される論理信号の論理積を、検出エリア拡張処理部309Gに出力する。すなわち、G信号で第1特徴画素であって、R信号およびB信号のいずれでも拡張された第2特徴画素でない画素を「1」とし、他の画素を「0」とする論理信号が出力される。この論理信号で値が「1」の画素はノイズ画素を示す。したがって、否定論理和素子305Gと論理積素子307Gとにより、G信号から抽出された第1特徴画素のうちから、R信号およびB信号のいずれでも第2特徴画素として抽出されなかった画素がノイズ画素として判定される。
検出エリア拡張処理部309Gは、論理積素子307Gから入力される論理信号で「1」とされる画素の周辺の画素を「1」とすることにより、ノイズ画素の範囲を拡張する。これは、ノイズ画素の補正の精度を向上させるためである。範囲が拡張されたノイズ画素を「1」とする論理信号が、ノイズ補正部260に出力される。
否定論理和素子305Bには、検出結果拡張処理部303R,303Gそれぞれから領域を拡張した論理信号が入力される。否定論理和素子305Bは、入力された2つの論理信号の論理和を反転した論理信号を論理積素子307Bに出力する。すなわち、R信号およびG信号のいずれでも第2特徴画素でない画素を「1」とし、少なくとも一方で第2特徴画素である画素を「0」とする論理信号が出力される。
論理積素子307Bは、第1明度差検出部301Bから入力される論理信号と、否定論理和素子305Bから入力される論理信号の論理積を、検出エリア拡張処理部309Bに出力する。すなわち、B信号で第1特徴画素であって、R信号およびG信号のいずれでも拡張された第2特徴画素でない画素を「1」とし、他の画素を「0」とする論理信号が出力される。この論理信号で値が「1」の画素はノイズ画素を示す。したがって、否定論理和素子305Bと論理積素子307Bとにより、B信号から抽出された第1特徴画素のうちから、R信号およびG信号のいずれでも第2特徴画素として抽出されなかった画素がノイズ画素として判定される。
検出エリア拡張処理部309Bは、論理積素子307Bから入力される論理信号で「1」とされる画素の周辺の画素を「1」とすることにより、ノイズ画素の範囲を拡張する。これは、ノイズ画素の補正の精度を向上させるためである。範囲が拡張されたノイズ画素を「1」とする論理信号が、ノイズ補正部260に出力される。
以上説明したように、画像読取装置10のノイズ検出処理部259は、3つのラインセンサ213R,213G,213Bが出力するR信号、G信号およびB信号それぞれから第1特徴画素および第2特徴画素を抽出する。そして、次の画素をノイズ画素とする。
(1)R信号から抽出された第1特徴画素であって、G信号およびB信号において該第1特徴画素と原稿の同じ位置を読取った画素の全てが第2特徴画素でない画素。
(2)G信号から抽出された第1特徴画素であって、R信号およびB信号において該第1特徴画素と原稿の同じ位置を読取った画素の全てが第2特徴画素でない画素。
(3)B信号から抽出された第1特徴画素であって、R信号およびG信号において該第1特徴画素と原稿の同じ位置を読取った画素の全てが第2特徴画素でない画素。
このため、原稿を読取った画像から原稿台に存在するゴミにより発生するノイズを検出することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 画像読取装置、20 画像形成装置、101 自動原稿搬送装置、103 本体部、200 原稿、201 タイミングローラ対、202 ローラ対、203 上部規制板、205 原稿台、205A マーク、206 光源、207 通紙ガイド、208 反射部材、209 反射ミラー、211 レンズ、213 読取部、213R,213G,213B ラインセンサ、215 画像処理部、217 モータ制御部、219 モータ、253 シェーディング補正部、255 ライン間補正部、257 色収差補正部、259 ノイズ検出処理部、261 プリンタインタフェース、263 制御部、271 読取前検出部、273 ADF制御部、291 ピーク値検出部、292 ゴミサイズ検出部、292A ゴミ明度検出部、293 ゴミ情報記憶メモリ、294,294A 汚れ度算出部、295 使用領域決定部、296,296A 重付係数テーブル、301R,301G,301B 第1明度差検出部、302R,302G,302B 第2明度差検出部、303R,303G,303B 検出結果拡張処理部、305R,305G,305B 否定論理和素子、307R,307G,307B 論理積素子、309R,309G,309B 検出エリア拡張処理部。