JP4244809B2 - 発泡射出成形方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は発泡性プラスチック組成物の射出成形方法に関する。さらに詳しくは、微細で均一な高発泡構造を有する、軽量で優れた断熱性、剛性を有する発泡プラスチック成形品を製造する発泡射出成形方法に関する。本発明の第一の態様は、成形品の表面が緻密な気泡構造から構成される発泡プラスチック成形品を製造する発泡射出成形方法に関する。第二の態様は、表皮層の表面が高級感を有する表皮材から構成される発泡プラスチック成形品を製造する発泡射出成形方法に関して、特に、厚手の表皮材を使用し、金型を開いた状態で樹脂を射出する、射出プレスタイプの成形方法に関する。第三の態様は、表皮層の表面が高級感を有する表皮材から構成される発泡プラスチック成形品を製造する発泡射出成形方法に関し、特に、比較的薄手の表皮材を使用し、金型を閉じた状態で樹脂を射出する、射出圧縮タイプの成形方法に関する。
背景技術
発泡プラスチックの射出成形方法の先行技術としては、特開昭62−246710号公報、特開平4−214311号公報、特開平7−9487号公報、特開平8−300392号公報、特開平10−156884号公報、特開平11−147235号公報等がある。
例えば、成形品の内部が緻密な気泡構造から構成される発泡プラスチック成形品を製造する発泡射出成形方法に関する従来技術としては、特開昭62−246710号公報開示されているものが知られている。この公報には、射出成形機の射出口に結合される成形型を固定型とその固定型に対して進退する可動型とで構成し、それらの間に成形されるキャビティを可動型の進退によって拡大縮小可能となし、射出成形機から成形型内へ発泡剤が射出される以前に可動型を後退させてキャビティを所定の大きさまで拡大する発泡樹脂の射出成形方法が開示されている。
また、気泡構造から構成される発泡プラスチック成形品を製造する発泡射出成形方法としては、特開平4−214311号公報には、互いにはまりあってキャビテイ容積を拡大又は縮小する方向に相対移動可能な金型を、所定のキャビテイ容積縮小位置に位置させ、キャビテイ内に発泡性溶融樹脂を発泡しない樹脂圧力に維持した状態で注入しながら金型をキャビテイ容積拡大方向に移動させ、次に金型をキャビテイ容積縮小方向に移動させることにより樹脂を圧縮し、これの表面を冷却して固化させ、次に金型を再びキャビテイ容積拡大方向に移動させることにより発泡を開始する樹脂圧力まで低下させて内部の樹脂を発泡させ、冷却した後成形品を取出す射出圧縮成形法が開示されている。この方法は、特に、射出成形機の型締位置を制御することにより、発泡倍率を制御することを目的とする成形方法である。
更に、気泡構造から構成される発泡プラスチック成形品を製造する発泡射出成形方法を開示するものとしては、特開平8−300392号公報も知られている。この方法においては、シリンダ内で発泡剤混合の樹脂を融点以上でかつ発泡剤の熱分解温度以下に加熱制御することにより、発泡に起因する体積変化や流動性変化等の問題をなくして、流動性を良好に保っているとされている。シリンダと金型との間、例えばノズル部で加熱されるが、この加熱制御により発泡剤が熱分解温度以上となり、発泡剤の種類によっては、一部熱分解を開始し、微量ながら発泡し始めることもあるが、ほとんどの溶融樹脂は未発泡に近い状態である。次に、金型内のゲートからキャビティに射出充填されるが、金型に接触する溶融樹脂、あるいは金型に設置された薄い表皮材に接触する溶融樹脂は金型により融点以下まで急冷され、未発泡あるいは極一部発泡の樹脂で、スキン層を形成する。一方、急冷されないキャビティ内部の溶融樹脂は発泡し、コアを形成する。この際、コア部の発泡により生じる発泡圧でスキン層は金型内壁面あるいは表皮材内面に押しつけられ、スキン層はヒケ等を生ずることがなく、また適度な発泡圧により、表皮材表面の変形や変色等の品質低下も起こらないという。かくして、取り出し後の成形品は高級感のある表面品質を有する表皮材と、ヒケ等がなく高表面品質でかつ充分な強度を有するスキン層および発泡して軽量であるコアからなる樹脂基材とが良い接着状態にある積層体を得ることが記載されている。
この方法は、換言すれば、発泡性樹脂の射出途中又は射出直後に金型キャビティを縮小して、発泡性樹脂で金型キャビティを完全に充填すると共に、金型キャビティ面に接触する固化層と内部の溶融層が混在する状態まで冷却し、次いで金型キャビティを成形品容積まで拡大するという発泡射出成形方法に関するものである。
しかしながら、特開昭62−246710号公報に開示された技術では、射出と同時にキャビティーの容積を拡大するため、成形品の表面部分で気泡の破裂が起こり、無発泡又は低発泡で緻密な気泡構造を持った表面(スキン層)が得られない。また、キャビティ空間が大きくなっているのでゲートより離れた位置に薄肉部(流動抵抗が大きい箇所)がある金型を用いた場合、完全な充填が困難となる。
一方、特開平4−214311号公報に開示された技術においては、射出充填開始時にキャビティ内の樹脂圧力を発泡しない程度に高くするためにキャビティ空間容積を縮小しているので流動抵抗が大きくなり、充填時間が長くなる。更に、射出充填中にキャビティの拡大と縮小を行って成形品表面を冷却・固化してスキン層を形成した後に、再びキャビティを拡大させて発泡させている。この方法では、成形サイクルタイムが長くなり、生産効率が低下するとともに、樹脂温度が低下して溶融粘度が上昇するので、発泡制御が困難になっていた。
また、特開平8−300392号公報に記載された技術においては、射出充填中にキャビティ容積を縮小して一定時間保持した後にキャビティを拡大して発泡させている。従って、成形サイクルが長くなるとともに、射出充填時間やスクリュ前端樹脂溜り部での発泡防止に対する配慮がなされていない。従って、次サイクルにおいてスクリュ前端樹脂溜り部で発生した発泡核が成形品への混入が発生するだけではなく、射出充填時間を長くせざるを得ない場合には、溶融樹脂の温度低下による粘度上昇のため発泡制御が困難となるという問題がある。
一方、従来から発泡成形品を製造する成形方法として、発泡剤を混合した樹脂を金型内にショートショットの状態で射出し、その後金型内で樹脂を発泡させることによって成形するショートショット法や、発泡剤を混合した樹脂を金型内にフルショットの状態で射出し、その後金型を開きながら樹脂を発泡させて成形するフルショット法の射出発泡成形方法が一般的に知られている。
ここで、前記フルショット法に代表されるキャビティ容積を拡大し樹脂を発泡させる射出発泡成形方法は、発泡中に金型を開くことができない従来の一般的な射出発泡成形装置によって実施することができない。
そのため、キャビティ容積を拡大して樹脂を発泡させる射出発泡成形には特殊な型締装置を有した射出発泡成形装置を用いる必要があって、そのような特殊な機能を備えた成形装置として、従来から特開昭48−650号公報、特開昭48−22164号公報、及び特開昭48−56270号公報等に開示される射出発泡成形装置が知られている。
これらの公報に開示された射出発泡成形装置の型締装置は、何れの装置も直圧型と呼ばれるタイプの型締装置であって、油圧シリンダに取付けられた可動盤を固定盤に向けて前後進させることによって固定盤と可動盤との間に配した金型を自在に開閉する型締装置である。このような射出発泡成形装置は、前記直圧型の型締装置によって、金型の型開閉を行うことによって、キャビティ容積を拡大して樹脂を発泡させることが可能なように構成されている。
しかし、前記した従来のショートショット法による射出発泡成形方法は、溶融樹脂に含まれる発泡剤が、キャビティ内に充填中に発泡して破裂する(破泡と称することもある)という現象が発生しやすく、破泡が発生した発泡成形品は、スワルマークと呼ばれる表面の荒れが問題となる。
それに比較して、前記した従来のフルショット法による射出発泡成形方法は、成形した成形品の表面の荒れも少なく、きれいな表面の成形品を得ることが可能である。しかし、キャビティ容積を拡大して樹脂を発泡させるフルショット法の射出発泡成形方法は、金型の微妙な開き方の違いにより、例えば型開開始タイミング、型開速度、また型開量の違いによって、成形した発泡成形品の発泡倍率、セル径、スキン層厚等に大きな違いが生じる可能性が高いといった問題を有しており、直圧型の型締装置に用いた油圧シリンダは、使用する油温度等によって、その作動特性に影響を受けやすく、動作の再現性に問題があるため、安定して良品を製造しつづけることが非常に困難であった。
このような直圧型型締装置の動作再現性を改善するために、油圧シリンダの位置をフィードバック制御したとしても、その精度が油圧シリンダの動作精度を超えることは困難であることから、フルショット法の射出発泡成形方法を精度よく実施できる成形装置、および、同装置を使用したフルショット法の射出発泡成形方法における精度のよい制御方法の開発が望まれていた。
また、フルショット法は通常の射出成形と同様に、充填完了直後の金型内の樹脂に圧力をかける場合が多く、射出シリンダ内のスクリュー先端部に樹脂を残す必要性がある。しかし、射出シリンダ内のスクリュー先端部に残した樹脂は、次、工程の計量動作移行時の圧力低下により、スクリュー先端部で脱泡あるいは破泡することによって、次ショットで成形した成形品における発泡倍率の低下、表面の荒れ、成形不良などを引き起こすという問題がある。
さらに、フルショット法により高い圧力で金型内に充填された樹脂は、ゲート部から最終充填位置にかけて圧力勾配を有しており、その内部に大きな圧力の偏り(圧力差)を生じている。圧力の偏りを有した状態で充填した樹脂は、ゲート近傍と遠隔位置では、その密度に違いが生じ、部分的に密度の違いのある樹脂をそのまま発泡させた場合は、スキン層の厚さや発泡倍率の違いをまねくといった問題を有していた。
発明の開示
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、高発泡層を有し、軽量で、優れた外観、剛性を有する、所望により表皮材を含んでいてもよい発泡プラスチック成形品を、短縮した成形サイクルで、より効率的に得る発泡射出成形方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明者等は、種々検討の結果、型開可能に保持された金型内のキャビテイに発泡剤を含む溶融樹脂を射出した後、金型を開くことにより前記空間を拡大して樹脂を発泡させ発泡成形品を得る発泡射出成形方法において、
i)発泡樹脂を含む溶融樹脂の射出充填完了直後に金型キャビティとスクリュ前端に位置する樹脂溜り部とを遮断する工程と、
ii)射出充填完了直後から次の射出用の発泡樹脂を含む溶融樹脂の計量開始まで該樹脂溜り部を計量背圧以上の加圧状態に保持し、次いで、計量背圧まで減圧した後、計量を開始する工程と、
を採用することにより、上記の課題が解決されることを見出して、本発明を完成させてものである。
即ち、このような工程を設けることにより、金型の動作を一方向とすることができるので、成形サイクルを短縮できるだけでなく、射出発泡成形機のスクリュ前端に位置する樹脂溜り部近傍に残存する発泡剤を含む樹脂が、圧力開放に従って、発泡し、粗大発泡セルが形成され、かくして形成された粗大発泡セル次の溶融樹脂射出の際に、その溶融樹脂と共にキャビティ内に射出充填されることが無くなるので、成型不良の発生が著しく改善されるという効果を奏するものである。
なお、この方法においては、金型キャビティ内への発泡剤を含む溶融樹脂の必要量の射出充填を3秒以内に完了することが好ましい。また、金型のキャビティへの溶融樹脂の充填工程においては、型締力が成形品の表面に溶損が残存しないような圧力で型締するように型開制御装置を制御し、樹脂の充填完了後の発泡工程においては、少なくとも発泡工程完了時には、金型が所望の型開量まで開くよう型開制御装置を制御することも好ましい。
型開制御装置の駆動源として電動サーボモーターを使用することが好ましい。
本発明には、充填樹脂量から冷却固化収縮分を差し引いた樹脂量に相当するキャビティ容積を有する金型キャビティ内に発泡剤を含む溶融樹脂の必要量を射出充填する工程と、発泡剤を含む溶融樹脂を射出した後、金型を開くことにより前記空間を拡大して樹脂を発泡させると共に、金型表面側により冷却固化されたスキン層を形成させる工程とを含む射出発泡成形方法を含む。なお、この態様を第一の態様という。
対向する一対の金型からなる金型キャビティ空間内に発泡剤を含む溶融樹脂を射出するに際して、該金型の間に表皮材を介在させて型締した後、該表皮材と該両金型とで形成されるキャビティ内に該溶融樹脂を充填してもよい。溶融樹脂を充填する際のキャビティの容量は、以下に説明する第二の態様、第三の態様により異なる。
第二の態様においては、発泡剤を含む溶融樹脂を射出するに際しての表皮材と金型とで形成されるキャビティの容積は、樹脂射出後の無発泡状態における最終型閉状態での金型のキャビティ容積に相当する空間容積に樹脂の冷却固化収縮分の容積(成形温度から常温までの収縮分)を加算した容積に相当する量とする。なお、この態様においては、第一の型閉位置が型開量5〜50mmに相当する位置であることが好ましい。また、射出充填完了直後、第一回の型閉位置から金型の最終型締め位置までの型締速度が20〜70mm/秒であることが好ましい。
第三の態様においては、発泡剤を含む溶融樹脂を射出する表皮材と金型とで形成されるキャビティが、充填樹脂量から冷却固化収縮分を差し引いた樹脂量に相当するように調整する。この場合には、表皮材が加飾面を少なくとも一部に有する表皮材であるものを使用することも好ましい。また、該表皮材が成形品の一部を覆うに充分な大きさを有するものであることも好ましい。
ところで、上述のことから、明からかなように、本発明においては、大別して、3つの態様があり、第一の態様は、型開可能に保持された金型内の空間に発泡剤を含む溶融樹脂を射出した後、金型を開くことにより前記空間を拡大して樹脂を発泡させる際に、金型の表面側から溶融樹脂が冷却固化されていわゆるスキン層を形成し、このスキン層と発泡剤の発泡に伴い形成される発泡層とが密着した発泡成形品を得る発泡射出成形方法に関するものである。即ち、この態様は、成形品の表面層が発泡樹脂から構成された発泡成形品に関する成形方法で、しばしば、「通常射出発泡方法」と称される成形方法である。
第二の態様は、対向する一対の金型からなる金型キャビティ空間内に発泡剤を含む溶融樹脂を射出するに際して、該金型の間に表皮材を介在させて、所定の位置まで型閉動作を行い、その位置で金型を一時的に保持する工程、該表皮材と該金型とで形成されるキャビティ内に該溶融樹脂を充填する工程とを含む、樹脂と表皮材とが一体的に成形された発泡貼合成形品を得る発泡成形方法で、しばしば、「射出プレスタイプの発泡方法」と称される成形方法に関するものである。この態様は、表皮材、特に厚手の表皮材を使用する発泡成形品の成形に好適に使用されるいわゆる射出プレスタイプの成形方法に関するものである。
第三の態様は、一対の金型の間に表皮材を介在させて型締した後、該表皮材と該両金型とで形成される金型キャビティ空間内に発泡剤を含む溶融樹脂を射出した後、金型を開くことにより前記空間を拡大して樹脂を発泡させて、発泡層を有する樹脂と表皮材とが一体的に成形された発泡貼合成形品を得る発泡成形方法において、溶融樹脂を充填するに際して、キャビティの容量を予め、充填樹脂量から冷却固化収縮分を差し引いた樹脂量に相当する容積に調整し、このキャビテイ内に発泡剤を含む溶融樹脂の必要量射出充填する工程を含む、成形方法で、しばしば、射出圧縮発泡タイプの成形方法と称される。この態様も、表皮材を使用するが、この態様は、比較的薄手の表皮材を使用して、発泡成形品を製造する際に好適に使用される成形方法である。なお、この態様においては、表皮材が、成形品の表面全体を覆う必要は必ずしも無い。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、何れの態様においても、金型キャビティとスクリュ前端樹脂溜り部との間に、同間を遮断するための遮断機構、例えば、シャットオフノズルやバルブゲート、及び射出充填完了時点から計量開始までの間、スクリュ前端樹脂溜り部の圧力を所定の圧力に保持するため圧力保持機構、例えば、射出シリンダや電動サーボ機構等を備えた、射出発泡成形に使用する射出発泡成形機(以下単に射出成形機または成形機と称することもある)を使用し、金型キャビティとスクリュ前端樹脂溜り部との間を遮断すると共に、圧力保持機構を作動させ、スクリュ前端樹脂溜り部の圧力を計量背圧以上に保持することを特徴とする成形方法である。
金型キャビティとスクリュ前端樹脂溜り部との間の遮断は、溶融樹脂の射出充填操作完了後、直ちにバレル前端部に配設したシャットオフノズルまたは金型内に組込まれているバルブゲートを閉止状態にし、このバルブ操作により行う。このように、金型キャビティとスクリュ前端樹脂溜り部とを遮断することにより、スクリュ前端樹脂溜り部の樹脂圧力を所望とする圧力に自由に制御し、計量中の樹脂が発泡飛散したり、金型内へ流動していくのを防ぐことができる。
射出充填が完了した後、直ちにスクリュ前端樹脂溜り部の樹脂圧力の制御を行う。この制御方法には、以下に記述するように二通りの方法があり、いずれかの方法により、スクリュ前端樹脂溜り部の樹脂圧力を計量時の背圧に保持する。この状態で、計量を開始するためにスクリュを回転駆動する。所定の計量値に達するとスクリュの回転を停止する。
即ち、樹脂圧力(計量背圧を含む)の制御を以下の二つのパターンで行うことができる。
(1)射出充填完了時に生じるパック圧(金型キャビティ内のピーク圧)から計量背圧の設定値まで直ちに下げて計量工程に入る。
(2)射出充填完了時に生じるパック圧(金型キャビティ内のピーク圧)に相当する樹脂圧力を計量開始まで保持して、計量開始と同時に樹脂圧力を計量背圧の設定値まで下げる。
このような機構を設けた成形機を使用する理由は、下記のような現象を回避するためである。即ち、通常の射出成形においては、スクリュ前端樹脂溜り部の樹脂圧力は射出充填完了時点から可塑化計量工程に入るために、一旦ゼロまで下げている。この状態においては、バレル内のスクリュ前端樹脂溜り部や金型のホットランナー部では圧力封入されている発泡ガスが圧力の開放に伴って発泡し、粗大発泡セルとなる。このようにして発生したスクリュ前端樹脂溜り部での粗大発泡セルが次サイクル時に、金型キャビティ内に射出充填されて成形品に混入して成形不良の原因になることが知られている。
即ち、上述のような機構を設けた成形機を使用することにより、以下に詳述するように、このような成形不良を回避することができることを見出して本発明を完成したものである。
以下本発明について、各態様毎に具体的に説明することとする。
先ず、第一の態様は、型開可能に保持された金型内の空間に発泡剤を含む溶融樹脂を射出した後、金型を開くことにより前記空間を拡大して樹脂を発泡させ、金型表面側で冷却固化され形成されたスキン層と金型内部側で発泡剤の発泡により形成された発泡層よりなる発泡成形品を得る発泡射出成形方法において、上記の工程i)と工程ii)に加えて、次の工程a)〜d)を含む方法である:
a)充填樹脂量から冷却固化収縮分を差し引いた樹脂量に相当するキャビティ容積を有する金型キャビティ内に発泡剤を含む溶融樹脂の必要量を予め設定した時間内に射出充填する工程、
b)上記の射出充填完了直後に予め設定した型開量位置まで連続して型開動作を行う工程、
c)予め設定した型開量位置で所定の時間だけ金型を保持する工程、および
d)冷却時間経過後に型開の上、成形品を取出す工程。
この態様においては、充填樹脂量から冷却固化収縮分を差し引いた樹脂量に相当するキャビティ容積を有する金型キャビティ内に、発泡剤を含む溶融樹脂の必要量を射出充填するに際して、3秒以内に射出充填を完了することが好ましい。
以下順次、上記工程a)〜d)について個別に説明する。
工程a)について。
本発明の第一の態様においては、射出充填時は通常の射出成形を基本としている。即ち、射出充填時に金型を開いておく射出プレス成形や充填された樹脂圧力で金型が開くように小さな型締力を負荷する射出圧縮成形ではなく、充填した樹脂圧力では金型が開かない程度の型締力を負荷しておく。このことが「充填樹脂量から冷却固化収縮分を差し引いた樹脂量に相当するキャビティ容積を有する金型キャビティ内に発泡剤を含む溶融樹脂の必要量を射出充填する」ということである。これにより、射出充填完了時にはパック圧(射出充填完了時のピーク圧)をたてることができる。
更に、予め設定した時間内に射出充填を完了するとは、高速射出を意味するものである。高速射出の定義は金型のキャビティ容積が一定であれば射出率(単位時間内に射出充填できる樹脂量)で定義できるが、現実の成形用金型サイズは千差万別である。型締力を350〜2000トンの範囲に限定すれば、射出率は300〜1200g/secとなる。それ故、本発明において、高速射出とは、例えば、成形機のサイズで、350トン、スクリュ径φ52mm、射出速度160mm/s以上で、金型キャビティ内の充填時間が、少なくとも0.1秒、好ましくは、0.2秒〜3秒であることを意味する。勿論、成形機が大型化するに従い、速度は、より3秒に近い数値となることは容易に理解されるところであろう。なお、成形機の大きさが上記の範囲内であれば、通常は、0.2秒〜3秒で射出可能である。また、この高速射出は、本発明の第一の態様に限定されることなく、第三の態様においても採用される射出方法である。
ここで、本発明でいう高速射出とは、食品収納用容器、例えば、カップヌードルと称される即席食品用容器等の射出発泡成形用小型成形機、例えば、特開2001−198943号公報などに開示されている小型成形機とは、大きさが桁違いに違い、これらの成形機を使用して、射出する際のいわゆる「高速射出」とは、その実施の困難性において、著しく異なることは容易に理解されよう。
発泡成形において、高速射出が必要となる理由は射出充填中にフローフロントから溶融樹脂内部に含まれる発泡ガスが放出されるのを防止するためである。この高速射出により、発泡ガスの放出量を低減させ、射出充填された樹脂温度の低下を低く抑えるとともに、結果としてスキン層の厚みを薄くすることができる。なお、この態様において、スキン層とは、溶融樹脂が金型表面と接触することにより、冷やされて、発泡成形品の表面に形成される薄い表面層をいう。
工程b)について。
射出充填完了後に直ちに、型開動作に移る。予め設定した型開量位置とは成形品の発泡倍率を考慮した成形品の最終寸法となる位置をいう。この最終型開位置まで連続的に型開動作を行う。この型開速度は速いほうがよいが、溶融樹脂の粘度や溶融張力や発泡倍率により異なってくる。即ち、溶融樹脂粘度が高い場合には、発泡核の成長が遅くなるので、型開速度が速すぎるとスキン層と金型キャビティ面の間で剥離が生じる。また、発泡倍率が大きい場合には発泡の最終段階においては、発泡のガス圧力が低くなるので発泡の速度が遅くなる。この発泡速度より型開速度が速くなるとスキン層と金型キャビティ面の間で剥離が生じる。このようなスキン層と金型キャビティ面間の剥離が生じない範囲で型開速度を速くする。
なお、樹脂の溶融張力が低い場合には、型開速度が速すぎると発泡ガス圧力に対して樹脂の隔壁形成力(張力)が低いために発泡セル同志が連なって巨大発泡セルが形成されるという問題が発生することがある。一方、型開速度が遅い場合には、金型に接した樹脂は直ちに冷却固化するために無発泡状態となり、発泡倍率の低下や成形品表面にヒケなどの欠陥が発生することがある。そのため、型開速度を所望の範囲内で制御することが必要である。
工程c)と工程d)について。
工程cは冷却工程であり、予め設定した冷却時間が経過した後に、工程dに移行する。工程dは成形品の取りだし工程であり、型開の上、成形品押出し装置(エジェクター)により成形品を取出す。
以上の工程をタイムチャートで表示すると、図1のようになる。ここで、図1に基づいて本発明の第一の態様における発泡射出成形方法について説明する。
(1)型開き限の状態(A点)より、型締めを行い所定の型締力を負荷した状態(通常の射出成形と同じ状態)(B点)に保持する。
(2)高速射出充填を開始する。この射出充填時間は1〜3秒となるように条件設定を行う。
(3)射出充填完了後(C点)、直ちに型開動作に移る。型開速度はスキン層が金型キャビティ面より剥離しない範囲で、できるだけ高速で行い、D点で型開を停止する(発泡工程)。型開量は発泡倍率(成形品寸法)を考慮して決定する。
(4)D点からE点までは冷却期間であり、所定の冷却時間経過後型開(F点)を行い、成形品を取出す。
なお、この間に、上述の工程i)とii)を所定のタイミングで実施する。先ず、金型キャビティとスクリュ前端樹脂溜り部との遮断方法について説明する。射出充填完了後(C点)、直ちにシャットオフノズル(バルブゲート)を操作して金型キャビティとスクリュ前端樹脂溜り部とを遮断する。
ついで、金型キャビティへの樹脂の射出充填が完了して計量を開始するまでの間、スクリュ前端樹脂溜り部の樹脂圧力を計量時の圧力にスクリュー前進動作をさせることにより保持する。スクリュを回転して計量を開始し、所定の計量値に達するとスクリュの回転を停止する。
図1に示したように、射出充填完了時(C点)で、金型キャビティ内では、樹脂圧力には、パック圧(ピーク圧力)が発生する。この圧力により、フローフロントでの発泡を防止することができ、成形品の表面性を良好に保つことができる。
次に、型開−型締操作を精密に制御可能な型開制御装置について説明する。
本発明の第一の態様から第三の態様において、使用可能な型開制御装置としては、クロスヘッドに連結された複数個のトグルアームからなるトグル式型締機構が挙げられる。通常、この機構は、射出成形機に一部に取り付けられており、射出成形機に設けられている金型のキャビティ中に樹脂を充填する充填工程において該型締力が一定となるようクロスヘッドの位置を所定の信号に基づき制御し、次いで、樹脂の充填完了後の発泡工程において金型が所望の型開量まで開くようクロスヘッドの位置を制御することにより、所望とする位置の制御が達成される。クロスヘッドの制御は、例えばスクリュが射出により所定位置まで前進、到達した時点で、金型が所望の型開量まで開くようにクロスヘッドの位置を制御することで行うことが可能である。
このような、制御装置を備えた射出成形機について、添付の図4に基づき説明する。このような装置の例としては、クロスヘッドに連結された複数個のトグルアームからなるトグル式型締機構と、該クロスヘッドを介してトグル式型締機構を駆動するリンク駆動機構とを有し、トグル式型締機構の一端に取り付けられた可動盤を固定盤に向けて前後進させることによって固定盤と可動盤との間に配した金型を自在に開閉する型締装置を備えた射出発泡成形機において、該金型の型開量を検出するための型開量センサ、該型締装置の型締力を検出するための型締力センサ、及び該クロスヘッドの位置を検出するための位置センサの出力信号が入力されて、該金型の型閉動作により型締圧力が上昇開始する際のクロスヘッドの位置を該型締力センサにより金型タッチ点として検出するとともに、該金型タッチ点にあるクロスヘッドを前後に移動させた際に測定された型開量と型締力とを該クロスヘッドの位置に対応する金型の型開量と型締力のデータとして記憶する制御装置を備え、該記憶したデータに基づいて金型の型開量及び樹脂充填前の金型の型締力をクロスヘッドの位置で制御する射出発泡成形機が挙げられる。
この成形機においては、樹脂充填中に金型が開いた際に、前記型開量センサによる測定値から増加した型締力を算出するとともに、前記記憶したクロスヘッドの位置に対応する金型の型締力のデータから増加した型締力を減少させるに必要なクロスヘッドの移動距離を算出することによって、型締力が樹脂充填前の金型の型締力で一定となるようクロスヘッドの位置を制御することができる。なお、上記のリンク駆動機構はその駆動源として電動サーボモータが用いられていることが好ましい。
この制御装置は、本発明において、特に、第二の態様、および第三の態様において、型締力が成形品の表面に溶損が残存しないような圧力で型締するように型開制御可能な装置として使用可能である。
本発明において使用可能な装置である射出発泡成形機は、上述の如く、クロスヘッドに連結された複数個のトグルアームからなるトグル式型締機構と、該クロスヘッドを介してトグル式型締機構を駆動するリンク駆動機構とを有し、トグル式型締機構の一端に取り付けられた可動盤を固定盤に向けて前後進させることによって固定盤と可動盤との間に配した金型を自在に開閉する型締装置を備えた射出発泡成形機において、該金型の型開量を検出するための型開量センサ、該型締装置の型締力を検出するための型締力センサ、及び該クロスヘッドの位置を検出するための位置センサの出力信号が入力されて、該金型の型閉動作により型締圧力が上昇開始する際のクロスヘッドの位置を該型締力センサにより金型タッチ点として検出するとともに、該金型タッチ点にあるクロスヘッドを前後に移動させた際に測定された型開量と型締力とを該クロスヘッドの位置に対応する金型の型開量と型締力のデータとして記憶する制御装置を備えており、該記憶したデータに基づいて金型の型開量及び金型の型締力をクロスヘッドの位置で制御する。
この射出発泡成形機を作動させるに際しては、樹脂充填中に金型が開いた際おいて、前記型開量センサによる測定値から増加した型締力を算出するとともに、前記記憶したクロスヘッドの位置に対応する金型の型締力のデータから増加した型締力を減少させるに必要なクロスヘッドの移動距離を算出することによって、型締力が樹脂充填前の金型の型締力で一定となるようクロスヘッドの位置を制御することができる。
その際、上述の如く、リンク駆動機構の駆動源を電動サーボモータとすることが好ましい。
以下、図面に基づいて更に、この射出成形機の作動について詳細に説明する。図4は本発明の射出発泡成形方法に使用可能な射出発泡成形機の全体構成図であり、図5は本発明の射出発泡成形方法に使用可能な他の射出成形発泡機の全体構成図である。図6は、この成形機を使用するに際しての、クロスヘッドの位置に対応する型開量と型締力のデータを記憶するためのティーチング動作の手順を説明するフローチャートである。
図4に示した実施形態の射出発泡成形機100は、型締装置20、射出装置30、および型締装置20と射出装置30を制御する制御装置60とを備えており、金型装置10(金型10と称することもある)を型締装置20に取付けて成形を行う。
以下、本発明に使用可能な金型装置10の構成について説明する。
金型装置10は、図4に示すように固定型3と可動型4とを備えており、雌型である固定型3(固定金型3と称することもある)と雄型である可動型4(固定金型4と称することもある)とがくいきり構造の嵌合部で嵌め合わされ、該嵌め合わされた状態で、固定型3に形成されたキャビティ面と可動型4に形成されたキャビティ面とが組み合わされて、金型キャビティを形成する構造となっており、該くいきり構造の嵌合部(くいきり部と称することもある)は金型キャビティの全周にわたって形成されている。金型装置10はくいきり部にて金型キャビティに充填した樹脂が、該金型装置10から漏れ出すことを防止する。
また、金型装置10には、固定型1に対して、反金型キャビティ面から金型キャビティ面に向かって熱電対が挿入できる図示しない穴をあけ、金型キャビティ面から5mm離れた所に温度センサ80を配設した。金型装置10は、温度センサ80によって、金型キャビティ部近傍の温度を測定することができ、測定された金型キャビティ部近傍の温度は制御装置60に入力される構成となっている。
温度センサ80を配設する目的は、充填された樹脂の表面温度の変化を検出することである。本発明者は、金型キャビティ部近傍の金型温度が充填された樹脂の温度変化を反映して変化することに着目し、金型キャビティ部近傍の金型温度を測定することにより充填された樹脂の表面温度の変化を予測しようとするものである。従って、図4に示す射出成形機では、金型キャビティ部近傍の温度を測定する温度センサ80を配設したが、本発明に適用できる温度センサ80の種類や配設方法はこれに限らず、上記の目的を逸脱しない範囲において、センサの種類や取付位置を変更して良く、さらに言えば、成形品の表面温度を直接測定することが可能であれば、成形品の表面温度を直接測定しても良い。
なお、図4に示す金型装置10は、金型キャビティ内に充填した樹脂が金型を所定の距離開いても外に漏れ出すことがないくいきり構造の金型としたが、本発明に適用できる金型装置はこれに限るものではなく、発泡成形に適用可能であればそれ以外のパーティング構造を有する構造の金型を用いても良い。
射出発泡成形機100に備えた型締装置20は、可動盤2と固定盤1と電動サーボモータ25A(サーボモータと称することもある)を駆動源とするリンク駆動機構25と、リンク駆動機構25に駆動されるトグル式型締機構8(トグルリンク式型諦機構と称することもある)と、電動サーボモータ25Aを駆動するサーボモータ制御用ドライバとを備え、可動盤2は固定盤1とエンドプレート5との間に架設したタイバー7に案内されて、トグル式型締機構8により可動金型4とともに前後進できるよう構成されている。なお、駆動源としては、サーボモータ以外に、油圧モータを使用することもある。
そして、図5に示した射出成形機では、リンク駆動機構25のクロスヘッド駆動軸25bに、クロスヘッド8dの位置を測定するための位置センサとしてストロークセンサ74が取付けられており、ストロークセンサ74によってクロスヘッド8dの位置を正確に検出することができる。
なお、図5に示した射出成形機では、クロスヘッド8dの位置を測定するための位置センサとしてストロークセンサ74を配する構成としたが、クロスヘッド8dの位置を測定するための位置センサの形態がこれに限らないことは勿論であり、クロスヘッド8d直接センサを取付けて位置を測定する方式等であっても良い。
また、射出発泡成形機100は、型締力を計る型締力測定センサとしてタイバー7の一端に型締力検出部75を備え、型締力検出部75はタイバー7の伸び量を測定することによって、型締力を検出する構成となっている。
さらに、射出発泡成形機100は、型開量を測定する型開量センサとして、可動盤位置センサ71を備えている。前記可動盤位置センサ71は可動盤2の位置を測定し、その測定値を後述する制御装置によって演算することによって金型装置10の型開量を算出することができる。
なお、図5に示した射出成形機では、上記のような構成の型締力センサと型開量センサを使用したが、本発明に適用できる前記2つのセンサの形態がこれに限らないことは勿論であり、例えば、型締力センサとしてタイバー以外の伸びを計ることにより型締力を算出する型締力センサを用いても良く、また型開量センサとして、金型装置10の型開量を直接測定するセンサを取付ける方式等であっても良い。
射出発泡成形機100の動作を制御する制御装置60は、金型装置10の型開量を検出する可動盤位置センサ71、型締装置20の型締力を検出する型締力検出部75、及びクロスヘッド8dの位置を測定するストロークセンサ74の測定値が入力されて、金型装置10の型閉動作により型締圧力が上昇開始する際のクロスヘッド8dの位置を型締力検出部75により金型タッチ点として検出するとともに、該金型タッチ点にあるクロスヘッド8dを前後に移動させた際に測定された型開量と型締力とをクロスヘッド8dの位置に対応する金型の型開量と型締力のデータとして記憶する制御装置60を備えている。
図4に示したトグル式型締機構8は、クロスヘッド8dに連結具8c等を介して連結された複数個のトグルアーム(8a,8b等)からなり、クロスヘッド8dに取付けられたリンク駆動機構25の駆動軸25bを回転させることで、トグルアーム8bを移動することにより可動盤2の移動と型締力を制御する方式である。
なお、図4に示すような電動式のトグルリンクタイプの型締装置20を使用しても、また、それに代えて油圧タイプの型締装置を使用してもよい。
次に、射出発泡成形機100に用いた射出装置30の構成について説明する。射出装置30は、バレル32とバレル32に内装されスクリュフライトを有するスクリュ34と、バレル32内にコア材樹脂を供給するホッパ38と、該スクリュ34を前後進させる射出シリンダ40と、該スクリュ34を回転させる油圧モータ42と、射出シリンダ40と油圧モータ42に所望の油圧を供給する油圧源を備え、前記バレル32外周面には、図示しないヒータが取付けられている。
そして、射出装置30は、油圧モータ42によってスクリュ34が回転することにより、ホッパ38からペレット形状のコア材樹脂がバレル内に供給される構造となっており、該供給されたペレット形状のコア材の樹脂は、バレル32に取付けられたヒータによって加熱され、また、スクリュ34の回転によって混練圧縮作用を受けることによって溶融し、スクリュ前方に送られる。なお、前述の油圧モータ42に代えて電動サーボモータを使用してもよい。
スクリュ34の前方に送られたコア材の溶融樹脂は、射出シリンダ40により前進するスクリュ34によって、バレル32の先端部にあるノズル39から射出することができる。
この場合に、バレル先端部の樹脂圧力を計量開始まで背圧以上に保持する方法として、スクリュを前進させることによりバレル先端部とシャットオフノズル44の間に滞留する樹脂を押圧して積極的に圧力を負荷する上述の様な方法もあるが、それに限らず、例えば、射出直後から計量開始まで、射出直後のスクリュ位置を保持することによって、前記滞留する樹脂に負荷された射出時の高い樹脂圧力を極力下げないようにする方法であってもよい。
なお、この制御装置60は、型締装置を制御する型締制御部61と型締条件を設定する型締条件設定器、および、射出装置を制御する射出制御部63と射出条件を設定する射出条件設定器とを備えている。
以下、本発明の第一の態様ないし第三の態様において、型開量制御に利用可能な射出発泡成形機の使用例について以下に説明する。
まず最初に、成形前の準備工程として、クロスヘッド8dの位置に対応する金型装置10の型開量と型締力を検出して記憶するティーチング工程を行う。
ティーチング工程は、金型装置10を交換した際に実施されるものであり、型締装置20に取付けられた金型装置10の厚みなどによって変化するクロスヘッド8dの位置に対応する金型装置10の型開量と型締力を制御装置60に記憶するために実施するものである。
図6にクロスヘッド8dの位置に対応する型開量と型締力のデータを測定するためのティーチング動作の手順を示す。
まず、クロスヘッド8dを可動盤2側に移動(前進動作と称することもある)させて金型装置10を任意の型締力で型締めした状態から、クロスヘッド8dを反可動盤2側に移動(後進動作と称することもある)させて型開動作を行う。型開動作によって金型装置10が、予め規定されたティーチングのための型開量まで型開きしたら、型開動作を停止する。
次に、型締力検出部75で型締力を検出しながら、クロスヘッド8dを前進させて、金型を再度低速・低圧で型閉動作する。金型装置10が型閉されると、型締力が発生して、タイバー7が伸び始めるために、型締力検出部75からの出力信号に変化が現れる。制御装置60は、制御装置60に入力された出力信号を演算することによって型締力として検出するとともに、型締力が上昇し始める点を金型タッチ点として検出して制御装置60に備えた型締制御部76に内蔵した記憶部(メモリと称することもある)に記憶する。
なお、実際の作業においては、微小な型締力を検出して型締力が上昇し始める点と特定することは難しい。装置の精度などを勘案すれば、型締力が上昇し始める点を、予め設定したわずかな型締力を超えた時点とすることが好ましく、3tonf(約29400N)以下の型締力を予め設定して、それを超える時点を金型タッチ点として検出することが好ましい。
なお、タイバー7の伸び量から型締力を検出する型締力検出部75の測定精度と装置の摺動抵抗を勘案して、前記型締力が2tonf(約19600N)になった時を金型タッチ点として検出してもよい。ここで、図1〜図3において示されている金型タッチ点とは、この位置よりも上側では金型が開いているという意味する位置を示すものである。
検出した金型タッチ点における可動盤位置センサ71の出力信号、及びストロークセンサ74の出力信号は、制御装置で記憶するとともに、該金型タッチ点における出力信号を基準として、該金型タッチ点にあるクロスヘッド8dを前後に移動させた際に測定された型開量と型締力とを該クロスヘッドの位置に対応する金型の型開量と型締力のデータとして制御装置60のメモリ順次記憶する。
そして、射出発泡成形の際に必要な範囲のデータが測定できた時点でティーチング動作を終了する。
この金型装置10の場合には、わずかに開いた状態であっても、固定型3と可動型4の間に形成したくいきり構造の嵌合部によりシールされており、金型キャビティ内の溶融樹脂が金型装置10の外に漏れ出すことはない。
また、樹脂の充填完了後の発泡工程においては、金型装置10が所望の型開量まで開くようティーチング動作で記憶したクロスヘッド8dの位置に対応する金型装置10の型開量のデータに基づいて、クロスヘッドの位置を制御して、所望の発泡倍率の発泡成形品を得る。
ここで、金型装置10が金型タッチする直前のクロスヘッド移動ストロークに対する可動盤2の移動ストロークはおおよそ10:1の比率となり、リンク移動速度に対する可動盤2の速度もおおよそ10:1の挙動を示す。
言いかえれば、トグル式機構の型締装置20によりクロスヘッド8dの位置を制御すれば、可動盤2はクロスヘッド位置の制御精度の10倍の精度で制御され、高精度な型開動作制御を行うことが可能である。
キャビティ容積を拡大して樹脂を発泡させる射出発泡成形方法は、金型の微妙な開き方の違いによって成形した発泡成形品の発泡倍率等に違いが生じるいった問題を有しているが、本発明は高精度な位置検出装置や速度制御装置を用いなくとも、前述した理由によって高精度な型開動作制御を行うことが可能であるので、キャビティ拡大方法による良好な発泡成形品を得ることができる。
なお、この金型装置では、クロスヘッド8dの駆動源として油圧シリンダを用いたとしても、油圧シリンダの制御精度の10倍の精度で制御され良好な発泡成形品を得ることが可能である。
しかし、電動サーボモータ25Aを使用するリンク駆動機構25を用いた実施形態の方が、油温度等といった外部環境に影響を受けにくい点で油圧シリンダを用いた実施形態よりも好ましく、さらに高精度に制御を行える。
型開量の制御には優れているという特性を有するものの、樹脂充填の際に型締力を一定に制御できないといった欠点を有している従来から使用されているトグル式型締装置を用いた射出発泡成形機では、前述したように行えなかった制御が可能となり、より精密な制御が可能となる。
即ち、この射出発泡成形機の場合には、クロスヘッドの位置に対応する金型の型開量と型締力のデータをティーチング動作によって予め制御装置60に記憶させ、該記憶したデータに基づいて型締装置20を制御することにより、上記の問題の克服が可能となったものである。
なお、第一の態様において、トグル式型締機構を用いて可動盤2の移動ストローク及び速度を高精度に制御し、発泡倍率を可動型4の移動ストロークの制御により調整することにより、また、スキン層厚み及びセルサイズを前記切替えタイミングと移動速度によって調整することによって、従来成形が困難であった2mm以下の発泡成形品を成形可能となる。
以上説明したように、溶融樹脂の充填工程において、上述のように型開制御装置を制御することにより、スワルマークと呼ばれる表面の荒れを防止して、きれいな表面の成形品を得ることが可能である。また、発泡前の成形品のゲート部から最終充填位置にかけて圧力勾配が小さいので、スキン層の厚さや発泡倍率が均一の発泡成形品を得ることが可能である。さらに、射出シリンダ内のスクリュー先端部に樹脂を残さなくても、金型を型締力一定で締めつけることによって、金型内の樹脂が発泡工程に入るまで金型内の樹脂に圧力をかけることができる。従って射出シリンダ内のスクリュー先端部に残した樹脂がスクリュー先端部で破泡する等といった従来技術の問題が生じないという優れた効果を有する。
特に、金型キャビティ部近傍に配した温度センサの測定信号を用いて、充填工程から発泡工程に切りかえることにより、樹脂の可塑化状態の変化等により発生する樹脂温度の違いによって生じるスキン層形成時間の違いに対応することができるので、連続成形を安定して行うことができるという優れた効果を発揮する。
また、クロスヘッドの位置に対応する金型の型開量と型締力のデータをティーチング動作により予め制御装置に記憶させて、該記憶したデータに基づいて型締装置を制御することにより、従来技術の問題点である金型の微妙な開き方の違いによって生じる、発泡成形品の発泡倍率、セル径、スキン層厚等に大きな違いが生じるいった問題を防止して、キャビティ拡大方法による良好な発泡成形品を得ることができる。
特に、油温度等に影響を受けない電動サーボモータをリンク駆動機構に用いた射出発泡成形機を使用すれば、さらに安定して発泡成形品を成形することが可能である。
第二の態様は、対向する一対の金型の間に表皮材を介在させて第一の型閉位置まで型閉した後、該表皮材と該一対の金型とで形成される金型キャビテイ内の空間に発泡剤を含む溶融樹脂を射出し、最終型閉位置まで型締めした後、金型を開くことにより前記空間を拡大して樹脂を発泡させ、発泡層を有する樹脂と表皮材とが一体的に整形された発泡成形品を得る発泡射出成形方法において、上記の工程i)と工程ii)に加えて、次の工程a)〜g)を含む、いわゆる射出プレスタイプの方法である:
a)対向する左右一対または上下一対の金型の一方に表皮材を固定する工程、
b)型閉途中の所定の位置まで型閉動作を行い、その位置に金型を保持する工程、
c)表皮材と金型とで形成される金型キャビティ内に発泡剤を含む溶融樹脂を射出充填する工程、
d)上記の射出充填完了直後に最終型締位置まで所定の型締速度で型締を行い、成形品を賦形する工程、
e)予め設定した第一の型開量位置まで連続して型開動作を行い、所定の時間だけ金型を保持する工程、
f)上記の第一の型開量位置での金型保持工程完了後に予め設定した第二の型開量位置まで型開動作を行い、所定の時間だけ金型を保持する工程、および
g)型開の上、成形品を取出す工程。
工程b)において、金型を保持する所定の位置としては、型開量5〜50mmとなる位置とすることが好ましく、また、射出充填完了直後から最終型締め位置までの型締速度を20〜70mm/秒とすることも好ましい。
先ず、上記工程a)〜g)について個別に説明する前に、第2の態様における金型の位置制御(型締力と型開量制御)と発泡・貼合わせ成形の関係及び本態様における各工程の概要(射出プレスタイプの発泡貼合わせ射出成形方法)につき、本発明をタイムチャートで表示した図2に基づいて説明する。
(1)型開き限の状態(A点)より、一対の金型の一方に表皮材を固定する。この表皮材の固定は、必ずしも型開き限の状態で行う必要はなく、型閉途中でも行うことができる。
(2)型閉途中の所定の位置まで型閉動作を行い、その位置(B’点)に金型を保持する。この型開終了位置が、第一の型開位置である。
(3)型開き状態の金型と表皮材とで形成される金型キャビティ内に発泡剤を含む溶融樹脂を射出充填する。大気圧下での発泡を少なくするために、射出充填時間は出来るだけ短くする。
(4)上記の射出充填完了直後に最終型締位置(D’点)まで所定の型締速度で型締を行い、成形品を賦形し(プレス成形)、所定の時間だけ型締状態を保持する(D’点からE’点までを賦形時間という)。
(5)予め設定した第一の型開量位置(F’点)まで連続して型開動作を行い、所定の時間だけ金型を保持する。F’点からG’点までは一次冷却期間であり、所定の冷却時間経過後、空気断熱層形成のための微少型開(H’点)を行う。
(6)G’点からH’点までは第二の型開工程であり、空気断熱層形成のための微少型開を行う。この微小型開終了位置が、第2の型開位置である。
(7)H’点からI’点までは表皮材再加熱と二次冷却期間であり、所定時間経過後、型開(J’点)を行う。
(8)I’点からJ’点までは型開工程であり、型開の上、成形品押出し装置(エジェクター)により成形品を取出す。
次に、本態様における各工程の詳細について、図2に基づいて説明する。
工程a)〜c)について。
工程a)は型開状態で一対の金型の一方に表皮材を取付ける工程であり、工程b)は所定の型閉位置まで型閉動作を行い、この位置で金型を保持する工程である。ここで、所定の型閉位置について説明する。この態様においては、型開状態の金型の一方に表皮材を固定して、型開状態で発泡剤を含む溶融樹脂を射出する、所謂射出プレス成形方法を採用している。射出充填時にゲート部付近の表皮材に加わる熱的負荷と機械的負荷(荷重)を小さくして、表皮材を溶損等の回復できない損傷から保護するものである。この目的にあった型開量は各種のテスト結果から判断して5〜50mmの範囲が適している。なお、これを第一の型閉位置ともいう。
次に、工程c)について説明する。この工程において、金型キャビティに射出する樹脂量は、無発泡状態における最終型閉状態での金型キャビティ空間容積に樹脂の冷却固化収縮分(成形温度から常温までの収縮分)を加算した値(ジャストパック状態)である。
工程d)〜工程e)について。
工程d)は射出充填完了後に直ちに、最終型締め位置まで高速で型締めを行い、この状態で溶融樹脂を賦形し型開を行っても形状が崩れない程度まで冷却する工程である。射出充填開始から最終型締め状態に達するまでに要する時間が重要であり、このために、高速射出と高速型締が不可欠となる。従って、射出完了を待たずに、射出途中より型締めを開始してもよい。
一方、型締速度は出来るだけ高速が良いが、現実的には20〜70mm/秒の範囲が適切であり、より好ましくは30〜70mm/秒の範囲である。高速側の上限値は現在の技術と機械のコストを考慮して決めたものであり、技術的に問題がなければ、これ以上の高速となってもよい。
次に工程e)について説明する。予め設定した第一の型開量位置とは成形品の発泡倍率を考慮した成形品の最終寸法となる位置をいう。この最終型開位置まで連続的に型開動作、即ち、コアバック時の型開速度の制御を行う。この型開速度は表皮材の断熱効果とスキン層の形成状態を考慮して以下のようにする。なお、ここでいうスキン層とは、コア材樹脂が金型や表皮材に触れて固化層が形成された未発泡層をいう。勿論、以下に述べる、第三の態様におけるスキン層も、この態様におけるスキン層と実質的には、同義である。
表皮材の断熱効果により、スキン層の形成に時間がかかるので、型開パターンは、図2のE’からF’の間に実線で示す放物線状のパターンとなる。このパターンを採用する理由は、型開動作の初期においては型開速度を遅くしてスキン層の成形を促進する。一方、発泡可能な溶融樹脂の粘度範囲にある間に発泡を完了させる必要があり、このために型開動作の終期には型開速度を早くする必要がある。
また、工程e)は一次冷却期間でもあり、第一の型開量位置で所定の時間だけこの状態を保持する。ここで、所定の時間について説明する。
本工程e)においては特開平11−147235号等に開示されている公知技術が採用される。
即ち、コア材樹脂の充填完了後は、コア材樹脂の冷却固化の進行に応じて表皮材も冷却される。しかし、空気断熱層としての隙間を設けることにより表皮材はコア材樹脂の熱量により再加熱されて表皮材温度は再上昇する。ここで、断熱層を設けることにより表皮材のゴム状弾性を示す温度領域内(融点Tm〜ガラス転移点Tg)の所定の温度に達するであろう温度にコア材樹脂の温度が達するまでの所要時間については、予め成形条件設定のための試し打ちを行い、その際に調査・確認しておく。
表皮材への負荷力を0とすると同時に、回復スペースのための隙間を設けることにより、表皮材から金型への伝熱が遮断されるため、たとえ表皮材の温度がガラス転移点Tg以下に冷却されていたとしても、コア材樹脂の熱量により、表皮材は融点Tm〜ガラス転移点Tgのゴム状弾性を示す温度領域に再加熱される。この状態で規定時間保持することにより、成形中の外力で変形した表皮材の表面層は弾性力により回復し、成形後においても表皮材の風合いが確保される。この際、コア材樹脂の融点T’mが表皮材のガラス転移点Tgよりも大きいために、コア材樹脂は十分に冷却固化されている。
この所定の時間が経過した後、微少型開を行う工程fに移行する。
微少型開を行うことにより、表皮材と金型キャビティ面との間に隙間(空気断熱層)を形成する。この隙間が内部のコア樹脂より金型キャビティ面への熱伝達を遮蔽する空気断熱層として機能する。これにより、表皮材の温度はコア樹脂の潜熱により再加熱されて表皮材のガラス転移転以上になる。前述した隙間と再加熱による表皮材の温度上昇により、工程d)の期間中に損傷した表皮材は樹脂固有の弾性力により自己回復する。このように、表皮材は成形前の風合いを有することになる。
工程g)は成形品の取りだし工程であり、型開の上、成形品押出し装置(エジェクター)により成形品を取出す。
なお、上記i)工程及びii)工程は、何れに態様においても共通であることから、本態様における説明においても、その詳細な説明は省略する。
第三の態様は、対向する一対の金型の間に表皮材を介在させて型締した後、該表皮材と該一対の金型とで形成される金型キャビティ空間内に発泡剤を含む溶融樹脂を射出した後、金型を開くことにより前記空間を拡大して樹脂を発泡させて、発泡層を有する樹脂と表皮材とが一体的に成形された発泡成形品を得る発泡射出成形方法において、上記i)およびii)の工程に加え、以下のa)〜h)の工程を含む、いわゆる射出圧縮タイプの成形方法である:
a)対向する左右一対または上下一対の金型の一方に表皮材を固定する工程と、
b)所定の型締位置まで型締動作を行う工程、
c)充填樹脂量から冷却固化収縮分を差し引いた樹脂量に相当するキャビティ容積を有する金型キャビティ内に発泡剤を含む溶融樹脂の必要量を予め設定した時間内に射出充填する工程、
d)上記の射出充填完了直後に予め設定した第一の型開量位置まで連続して型開動作を行う工程、
e)予め設定した第一の型開量位置で所定の時間だけ金型を保持する工程、
f)上記の金型保持工程完了後に予め設定した第二の型開量位置まで型開動作を行う工程、
g)表皮材の損傷回復のための第二の型開量位置で所定の時間だけ金型を保持する工程、および
h)型開の上、成形品を取出す工程。
この態様においては、上記c)工程である、充填樹脂量から冷却固化収縮分を差し引いた樹脂量に相当するキャビティ容積を有する金型キャビティ内に発泡剤を含む溶融樹脂の必要量を3秒以内に射出充填を完了することが好ましい。また、表皮材として、成形品表面の少なくとも一部分を加飾できるものを使用することが好ましい。
先ず、この態様における金型の位置制御(型締力と型開量制御)と発泡・貼合わせ成形の関係及びその各工程の概要(射出圧縮タイプの発泡貼合わせ射出成形方法)につき、本態様の工程をタイムチャートで表示した図3に基づいて説明する。
(1)型開き限の状態(A点)で、一対の金型の一方に表皮材を固定する。この表皮材の固定は、必ずしも型開き限の状態で行う必要はなく、型締め途中でも行うことができる。
(2)表皮材を固定後、型閉を行い所定の型締力を負荷した状態(通常の射出成形と同じ状態)(B点)に保持する。
(3)高速射出充填を開始する。この射出充填時間は1〜3秒となるように条件設定を行う。
(4)射出充填完了後(C点)、直ちに第一の型開動作に移る。この型開動作完了時の型開位置を、第一の型開量位置という。型開速度については、以下の工程d)につての説明の項で詳述する。
(5)D’’点からE’’点までは一次冷却期間であり、所定の時間の間、第一の型開量位置に保持する。
(6)E’’点からF’’点までは第二の型開工程であり、一次冷却期間経過後、空気断熱層形成のための微少型開(F’’点)を行う。この微小型開動作完了時の型開位置を、第一の型開量位置という。
(7)F’’点からG’’点までは表皮材再加熱と二次冷却期間であり、所定時間経過後、型開(H’’点)を行う。
(8)G’’点からH’’点までは、製品取り出しのための型開工程であり、型開の上、成形品押出し装置(エジェクター)により成形品を取出す。
次に、本態様における各工程の詳細について、図3に基づいて説明する。
工程a)〜c)について。
工程a)は型開き状態で一対の金型の一方に表皮材を取付ける工程であり、工程bは後述する所定の型締位置まで型締動作を行う工程である。
次に、工程c)について説明する。この工程においては、充填樹脂量から冷却固化収縮分を差し引いた樹脂容量に相当するキャビティ容積となるように、所定の型閉位置まで閉じた一対の金型と表皮材とで形成された金型キャビテイ内に発泡剤を含む溶融樹脂を充填する。なお、この際充填した樹脂圧力では金型が開かない程度の型締力を予め負荷しておく。
前記の型締位置が「充填樹脂量から冷却固化収縮分を差し引いた樹脂量に相当するキャビティ容積を有する金型キャビティ内に」ということであり、このキャビティ空間に発泡剤を含む溶融樹脂の必要量を射出充填する。これにより、射出充填完了時にはパック圧(射出充填完了時のピーク圧)をたてることができる。
更に、予め設定した時間内に射出充填を完了するとは高速射出を意味するものである。高速射出の定義は金型のキャビティ容積が一定であれば射出率(単位時間内に射出充填できる樹脂量)で定義できるが、現実の成形用金型サイズは千差万別である。型締力を350〜2000トンの範囲に限定すれば、射出率は300〜1200g/secとなる。本態様においても、金型サイズに影響されない高速射出の定義としては、金型キャビティ内への充填に要する時間で規定した。
発泡成形において、高速射出が必要となる理由は射出充填中にフローフロントから溶融樹脂内部に含まれる発泡ガスの放出を防止するためである。この高速射出により、発泡ガスの放出量を低減し、樹脂温度の低下も少なくなるとともにスキン層の厚みを薄くすることができる。
工程d)〜工程e)について。
工程d)は射出充填完了後に直ちに、第一の型開量位置まで型開を行う工程である。予め設定した第一の型開量位置とは成形品の発泡倍率を考慮した成形品の最終寸法となる位置をいう。この最終型開位置まで連続的に型開動作の制御、即ち、コアバック時の型開速度の制御を行う。この型開速度は表皮材の断熱効果とスキン層の形成状態を考慮して以下のようにする。
表皮材の断熱効果により、スキン層の形成に時間がかかるので、型開パターンは図3に示す放物線状のパターンとなる。このパターンを採用する理由は、型開動作の初期においては型開速度を遅くしてスキン層の成形を促進する。一方、発泡可能な溶融樹脂の粘度範囲にある内に発泡を完了させる必要があり、このために型開動作の最期には型開速度を早くする必要がある。
次に、工程e)について説明する。工程e)は一次冷却期間であり、第一の型開量位置で所定の時間だけこの状態を保持する。ここで、所定の時間について説明する。
この工程においては特開平10−156884号等に開示されている公知技術が採用されることは、上記の態様2の場合と同様である。
即ち、コア材樹脂の充填完了後は、コア材樹脂の冷却固化の進行に応じて表皮材も冷却される。しかし、空気断熱層としての隙間を設けることにより表皮材はコア材樹脂の熱量により再加熱されて表皮材温度は再上昇する。ここで、断熱層を設けることにより表皮材のゴム状弾性を示す温度領域内(融点Tm〜ガラス転移点Tg)の所定の温度に達するであろう温度にコア材樹脂の温度が達するまでの所要時間を成形トライ等の成形条件設定のための試し打ちの時に調査・確認しておく。
前述した状態に達すると、表皮材への負荷力を0とするとともに回復スペースのための隙間を設ける。これにより、表皮材から金型への伝熱が遮断されるため、たとえ表皮材起毛層の温度がガラス転移点Tg以下に冷却されていたとしても、コア材樹脂の熱量により、表皮材起毛層は融点Tm〜ガラス転移点Tgのゴム状弾性を示す温度領域に再加熱される。この状態で規定時間保持することにより、成形中の外力で変形した起毛層は樹脂固有の弾性力により自己回復し、成形後においても表皮材の風合いが確保される。この際、コア材樹脂の融点T’mが表皮材起毛層のガラス転移点Tgよりも大きいために、コア材樹脂は十分に冷却固化されている。
このようにして所定の時間が経過した後、微少型開を行う工程f)に移行する。微少型開を行うことにより、表皮材と金型キャビティ面との間に隙間(空気断熱層)を形成する。この隙間が内部のコア樹脂より金型キャビティ面への熱伝達を遮蔽する空気断熱層として機能する。これにより、表皮材の温度はコア樹脂の潜熱により再加熱されて表皮材のガラス転移転以上になる。前述した隙間と再加熱による表皮材の温度上昇により、工程c)〜工程e)の期間中に損傷した表皮材は樹脂固有の弾性力により自己回復する。このようにして、表皮材は成形前の風合いを有することになる。
工程h)は成形品の取りだし工程であり、型開の上、成形品押出し装置(エジェクター)により成形品を取出す。
i)及びii)工程については、上記と同様であるので詳細な説明は省略する。
以下、本発明に付き、各態様毎に順を追って、実施例により、説明することとする。勿論、本発明は、これらの実施例により、何ら限定的に取り扱わられるべきものではない。
[実施例]
第一の態様について、実施例により更に説明することとする。最初に、この態様において、各実施例及び比較例において共通して使用された成形条件について説明する。
(1)成形材料(使用した樹脂)
ポリプロピレン樹脂(MFR=40g/10分)に炭酸水素ナトリウム系の発泡剤マスターバッチを3%ドライブレンドした樹脂材料を使用した。
(2)射出成形機
宇部興産機械株式会社製 MD350DP電動射出成形機でエア駆動式ニードルシャットオフノズルを成形機ノズルに装着して使用した。
(3)金型
本成形金型の成形体サイズは200×200mmであり、平板テストプレート型を使用した。この金型のゲート構造としては成形体サイド1点ダイレクトゲートを採用している。
実施例1の成形条件
成形樹脂温度:200℃、金型温度:40℃
射出速度:150mm/秒、射出圧力:100MPa
射出時間:1秒
発泡型開タイミング:射出完了直後(遅延時間 0秒)
発泡倍率:2倍(射出時のキャビティクリアランスが1.5mmで、発泡型開量1.5mmであり、製品肉厚は3mmとなる)
射出完了から計量開始までの圧力制御:射出完了時の圧力100MPaを計量開始まで保持し、計量開始時に背圧設定値10MPaまで降下。
実施例2の成形条件
射出完了から計量開始までの圧力制御:射出完了時の圧力100MPaから計量開始時の背圧設定値10MPaまで降下し、計量開始まで保持した。これ以外は実施例1と同じである。
比較例1の成形条件(射出充填時間の確認テスト)
射出速度が30mm/秒で、射出時間が5秒である。これ以外は実施例1と同じである。
比較例2の成形条件(発泡型開タイミングの確認テスト)
発泡型開タイミングとして、射出完了後3秒後に発泡型開を開始した。それ以外は実施例1と同じである。
比較例3の成形条件(射出完了から計量開始までの圧力制御の確認テスト)
射出完了から計量開始までの圧力制御として、射出完了時の圧力100MPaを完了後ただちに圧抜きを行い、圧力を0にしたのち計量を開始した。計量時の背圧設定値10MPaまで上昇。それ以外は実施例1と同じである。
第一に態様に関する実施例と比較例のテスト結果を表1に示す。
Figure 0004244809
実施例1と2においては、スキン層の厚みも薄く、発泡セルの大きさも微細であり、成形品表面も良好であった。射出完了から計量開始までのスクリュ前端樹脂溜り部の圧力を計量背圧以上に保持すれば、その圧力制御パターンに関係なく、良好な発泡成形品を得ることができる。
なお、比較例1の結果から明らかなように、射出充填時間が成形品に及ぼす影響は大きく、射出充填時間が長くなればスキン層が厚くなり、発泡セルのサイズも大きくなるとともに成形品表面にはシルバーが発生した。
発泡型開開始を射出充填完了後3秒後に行なうと、スキン層が更に厚くなり、発泡セルのサイズも実施例に比較して大きくなっており、成形品表面にもシルバーが発生した。樹脂溜り部の圧力制御の影響について確認のために行った、比較例5においては、射出完了時の圧力100MPaを完了後ただちに圧抜きを行い、圧力を0にしたのちに計量を開始したが、このような条件下では、発泡セルのサイズが極端に大きくなるとともに成形品表面の状態も極めて悪くなった。
本発明の第一の態様によれば、金型キャビティとスクリュ前端樹脂溜り部とを遮断すること及び高速射出を行うことにより、表面に無発泡又は低発泡層を有し内部に高発泡層を有し、表面性の優れた成形品を製造できる成形方法が提供できる。また、金型の動作が一方向であるので、成形サイクルタイムの短縮が可能となり、効率的な生産が可能となる。このような方法で得られた成形品は表面性状が良好で、軽量でもあり、剛性の大きな断熱性の優れた成形品を得ることができる。
次に、第2の態様における各実施例及び比較例に共通した成形条件を説明する。
(1)成形材料(使用した樹脂)
ポリプロピレン樹脂(MFR=40g/10分)に炭酸水素ナトリウム系の発泡剤マスターバッチを3%ドライブレンドした樹脂材料を使用した。
(2)表皮材
TPO発泡層(発泡倍率20倍)が裏打ちされたレザー調表皮材、厚さ2.5mmを使用した。
(3)射出成形機
宇部興産機械株式会社製 MD350DP電動射出成形機でエア駆動式ニードルシャットオフノズルを成形機ノズルに装着して使用した。
(4)金型
本成形金型の成形体サイズは200×200mmであり、平板テストプレート型を使用した。この金型のゲート構造としては成形体サイド1点ダイレクトゲートを採用している。
(5)成形条件
型開状態で射出を行う、いわゆる射出プレスによる発泡貼り合せ射出成形方法の各実施例と各比較例の成形条件を下記に示す。
実施例3:
型開量10mmの位置まで型閉して停止し、溶融樹脂を射出した。射出完了直後に金型を型締力1000kN、型締速度50mm/秒で型締した。
成形樹脂温度は200℃、金型温度は40℃、射出速度は150mm/秒、射出時間は1秒、射出圧力は100MPaとし、発泡型開(コアバック)タイミングは型閉後1秒とした(賦形時間を1秒とした)。
発泡倍率は2倍(型開前のキャビティクリアランスが1.5mm、発泡型開量が1.5mmである。従って、製品肉厚は3mmとなる)とした。
1.5mm発泡型開(コアバック)を行った後、5秒後(一次冷却期間が5秒)に第二の型開(型開量が2mm)を行い、成形品が取出せる温度まで十分に冷却を行った後、金型を開いて、成形品を取出した。
なお、射出完了から計量開始までのスクリュ前端樹脂溜り部の圧力制御は「射出完了時の圧力100MPaを計量開始まで保持し、計量開始時に背圧設定値10MPaまで降下」させた。
実施例4:
射出完了から計量開始までのスクリュ前端樹脂溜り部の圧力制御を「射出完了時の圧力100MPaから計量開始時の背圧設定値10MPaまで降下して計量開始まで保持」した。これ以外の成形条件は実施例3と同じである。
比較例4:
型開量2mmの位置まで型閉して停止し、溶融樹脂を射出した。これ以外の成形条件は実施例3と同じである。
比較例5:
再型締速度(賦形時の型締速度)を10mm/秒とした。これ以外の成形条件は実施例3と同じである。
比較例6:
射出完了から計量開始までのスクリュ前端樹脂溜り部の圧力制御を「射出完了時の圧力100MPaを完了後ただちに圧抜きを行い、圧力を0にした後に計量を開始し、計量時の背圧設定値10MPaまで上昇」した。これ以外の成形条件は実施例3と同じである。
比較例7:
1.5mm発泡型開(コアバック)を行った後は第二の型開を行わずに製品取出しまで第一の型開量位置に保持した。これ以外の成形条件は実施例3と同じである。
各実施例と各比較例のテスト結果を表2に示す。
Figure 0004244809
実施例3と4においては、スキン層の厚みも薄く、発泡セルの大きさも微細で成形品表面も良好であった。更に、表皮材の厚みも2.2mmであり、略表皮材の原形を留めていた。
比較例4は射出時の型開量の影響確認テストである。本比較例では射出時の型開量が少なく、発泡層の溶損による厚みの減少が発生した。
比較例5は再型締速度の影響確認テストである。本比較例では、樹脂がキャビティ全体に充填しないでショートショットとなった。また、スキン層が厚く、発泡状態も悪くなった。
比較例6は射出完了から計量開始までのスクリュ前端樹脂溜り部の圧力制御の確認テストである。本比較例においては、前述した通り、スクリュ前端樹脂溜り部での発泡が起こり、巨大な発泡セルの発生と成形品表面の不良が目立った結果となった。
比較例7は損傷回復工程の効果の確認テストである。本比較例においては、表皮材の損傷回復工程がないため、表皮材の厚みが1.5mmとかなり押しつぶされた結果となった。
本態様によれば、金型キャビティとスクリュ前端樹脂溜り部との間の遮断及び射出プレス成形とその後の高速型締めによる賦形を行う表皮一体貼合せ発泡成形により、成形品の表面が無発泡又は低発泡で緻密な気泡構造であるとともに表皮材にて加飾されており、かつ内部に高発泡層を有し、軽量で高い剛性を有する優れた外観と高剛性を持つ発泡貼合わせ成形品を効率的(成形サイクルを短縮して)に得ることができる。特に、射出充填時の溶融樹脂による熱的・機械的負荷に弱い表皮材を使用する場合には効果が大きい。
また、射出時の型開量と賦形のための型締速度を本発明のように実施することにより、上記の効果がより顕著になる。
次に、射出圧縮貼合せ発泡による第三の態様についての各実施例及び比較例に共通した成形条件を説明する。
(1)成形材料(使用した樹脂)
ポリプロピレン樹脂(MFR=40g/10分)に炭酸水素ナトリウム系の発泡剤マスターバッチを3%ドライブレンドした樹脂材料を使用した。
(2)表皮材
ポリエステル系繊維の起毛表皮材で、厚さ2mmのものを使用した。
(3)射出成形機
宇部興産機械株式会社製 MD350DP電動射出成形機でエア駆動式ニードルシャットオフノズルを成形機ノズルに装着して使用した。
(4)金型
本成形金型の成形体サイズは200×200mmであり、平板テストプレート型を使用した。この金型のゲート構造としては成形体サイド1点ダイレクトゲートを採用している。
(5)成形条件
本態様にかかる発泡貼り合せ射出成形方法による各実施例と一部条件が本態様にかかる発泡貼り合せ射出成形方法による条件を満たさない例である各比較例の成形条件を下記に示す。
実施例5:
型締力2000kNで型締後、発泡剤入りの溶融樹脂を射出する。成形樹脂温度は200℃、金型温度は40℃、射出速度は150mm/秒、射出時間は1秒、射出圧力は100MPaとし、発泡型開(コアバック)タイミングは射出充填完了直後とした(遅延時間はない)。
発泡倍率は2倍(型開前のキャビティクリアランスが1.5mm、発泡型開量が1.5mmである。従って、製品肉厚は3mmとなる)とした。
1.5mm発泡型開(コアバック)を行った後、5秒後(一次冷却期間が5秒)に第二の型開(型開量が2mm)を行い、成形品が取出せる温度まで十分に冷却を行った後、金型を開いて、成形品を取出した。
なお、射出完了から計量開始までのスクリュ前端樹脂溜り部の圧力制御は「射出完了時の圧力100MPaを計量開始まで保持し、計量開始時に背圧設定値10MPaまで降下」させた。
実施例6:
射出完了から計量開始までのスクリュ前端樹脂溜り部の圧力制御を「射出完了時の圧力100MPaから計量開始時の背圧設定値10MPaまで降下して計量開始まで保持」した。これ以外の成形条件は実施例5と同じである。
実施例7:
表皮材として成形品表面を部分的に覆う形状にしたこと以外は実施例5と同じ条件である。
比較例8:
射出速度を30mm/秒、射出時を5秒とした。これ以外の成形条件は実施例5と同じである。
比較例9:
発泡型開(コアバック)開始タイミングを射出充填完了後3秒とした。これ以外の成形条件は実施例5と同じである。
比較例10:
射出完了から計量開始までのスクリュ前端樹脂溜り部の圧力制御を「射出完了時の圧力100MPaを完了後ただちに圧抜きを行い、圧力を0にした後に計量を開始し、計量時の背圧設定値10MPaまで上昇」した。これ以外の成形条件は実施例5と同じである。
比較例11:
1.5mm発泡型開(コアバック)を行った後は第二の型開を行わずに製品取出しまで第一の型開量位置に保持した。これ以外の成形条件は実施例5と同じである。
比較例12:
射出速度を30mm/秒、射出時間を5秒とした。これ以外の成形条件は比較例10と同じ
比較例13:
発泡型開(コアバック)開始タイミングを射出完了後3秒とした。これ以外の成形条件は比較例10と同じである。
各実施例のテスト結果を表3に、各比較例のテスト結果を表4に示す。
Figure 0004244809
Figure 0004244809
実施例5と6においては、スキン層の厚みも薄く、発泡セルの大きさも微細で成形品表面も良好であった。更に、起毛の毛倒れも少なく、略表皮材の原形を留めていた。
実施例7は成形品表面を部分的に表皮材で覆ったものである。本実施例においては、表皮材のない部分(成形品表面の中の樹脂のみよるなる部分)にもシルバーが発生せず、スキン層の厚み、発泡セルの大きさ、表皮材の起毛感は実施例1と同じ程度であった。
比較例8は射出速度の影響を確認したものである。射出時間が長いため、溶融樹脂の流動先端で発泡が始まり、シルバーが発生しており、また、スキン層も厚く、発泡セルの径も大きくなっていた。
比較例9はコアバックのタイミングの影響を確認したものである。コアバックを遅らせたので、スキン層が厚くなるとともに発泡セルの径も大きくなった。更に、成形品表面にシルバーが発生した。また、再加熱のための潜熱が少なくなったためか起毛感がなくなっていた。
比較例10は射出完了から計量開始までのスクリュ前端樹脂溜り部の圧力制御の効果を確認するための例である。本比較例においては、前述した通り、スクリュ前端樹脂溜り部での発泡が起こり、巨大径を有する発泡セルの発生と成形品表面の不良が目立った結果となった。また、キャビティ側の圧力が高くなり、圧抜き時にスクリューが後退した。
比較例11は第二の型開工程の効果の確認を行ったものである。この例では、第二の型開工程を省略しているので、表皮材の損傷回復がなく、起毛は完全に毛倒れ状態になっていた。
比較例12は射出速度を遅くするとともに、第二の型開工程をなくした例である。比較例8と同様に、成形不良が発生し、起毛倒れが見られた。
比較例13はコアバックのタイミングを遅らすとともに第二の型開工程をなくした例である。比較例11同様に、起毛倒れが見られた。
本態様においても、金型キャビティとスクリュ前端樹脂溜り部と間の遮断及び高速射出による表皮一体貼合わせ発泡成形により、成形品の表面が無発泡又は低発泡で緻密な気泡構造であるとともに表皮材にて加飾されており、かつ内部に高発泡層を有し、軽量で高い剛性を有する外観の優れた発泡貼合わせ成形品を効率的(成形サイクルを短縮して)に得ることができる。特に、表皮材が部分的に貼合わされた成形品においては、表皮材で覆われていない部分では樹脂成形品の表面状態が重要となるので、本発明の効果がより大きくなる。
産業上の利用可能性
本発明によれば、発泡剤を含む溶融樹脂を射出成形するに際して、該溶融樹脂を射出後、一時的に金型キャビティとスクリュ前端樹脂溜り部との間を遮断することによりスクリュ前端樹脂溜り部での粗大発泡セルの発生を防止すると共に、高速射出を行うことにより発泡前の発泡ガスの放出を押さえことにより、軽量で高い剛性を有する外観の優れた射出発泡成形品を効率的、即ち、短縮された成形サイクルで成形することができるという効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第一の実施態様における成形サイクル中の射出動作、型開動作及び樹脂圧力の関係を示したものである。
図2は、本発明の第二の実施態様における成形サイクル中の射出動作及び型開動作の関係を示したものである。
図3は、本発明の第三の実施態様における成形サイクル中の射出動作、型開動作及び樹脂圧力の関係を示したものである。
図4は、本発明の実施に際して使用可能な射出発泡成形機の全体構成図である。
図5は、本発明の実施に際して使用可能な他の射出発泡成型機の全体構成図である。
図6は、ティーチング動作の手順を説明するフローチャートである。
なお、添付した図面中の符号は、それぞれ以下のことを意味する。
A 型開き限位置
B 型締め位置
C 射出充填完了時点
D 発泡工程完了位置(冷却工程開始時点)
E 冷却完了時点
F 型開き限位置(A点と同じ)
P バック圧(射出充填時のピーク圧)
Q シャットオフバルブ(バルブゲート)閉止完了時点
B’ 射出充填開始時点(第一の型閉位置)
D’ 最終型締め位置(賦形工程金型位置)
E’ 賦形完了時点
F’ 発泡工程完了位置(一次冷却工程開始時点)
G’ 一次冷却完了時点(微少型開開始時点)
H’ 微少型開完了時点(二次冷却開始時点)
I’ 表皮材再加熱・二次冷却完了時点
J’ 型開き限位置(A点と同じ)
D’’ 発泡工程完了位置(一次冷却工程開始時点)
E’’ 一次冷却(賦形)完了時点(微少型開開始時点)
F’’ 微少型開完了時点(二次冷却開始時点)
G’’ 表皮材再加熱・二次冷却完了時点
H’’ 型開き限位置(A点と同じ)
1 固定盤
2 可動盤
3 固定型
4 可動型
7 タイバー
8 トグル式型締機構
8a トグルアーム
8b トグルアーム
8d クロスヘッド
10 金型装置
20 型締装置
30 射出装置
25 リンク駆動機構
44 シャットオフノズル(バルブゲート)
60 制御装置
71 可動盤位置センサ
74 ストロークセンサ
80 温度センサ
75 型締力検出部
100 射出発泡成形機

Claims (11)

  1. 型開可能に保持された金型内のキャビティに発泡剤を含む溶融樹脂を射出した後、金型を開くことにより前記空間を拡大して樹脂を発泡させ発泡成形品を得る発泡射出成形方法において、
    i)発泡樹脂を含む溶融樹脂の射出充填完了直後に金型キャビティとスクリュ前端に位置する樹脂溜り部とを遮断する工程と、
    ii)射出充填完了直後から次の射出用の発泡樹脂を含む溶融樹脂の計量開始まで該樹脂溜り部を計量背圧よりも高い圧力で加圧状態に保持し、次いで、計量背圧まで減圧した後、計量を開始する工程と、
    を含む射出発泡成形方法。
  2. 金型キャビティ内への発泡剤を含む溶融樹脂の必要量の射出充填を3秒以内に完了する請求項1に記載の射出発泡成形方法。
  3. トグル式型締機構を備えた型締装置を用いて、該樹脂の充填圧力により発生する最大型開力よりも小さい型締力で型閉した後、該型締力が一定となるように該装置のクロスヘッドの位置を制御し、樹脂の充填完了後の発泡工程において金型が所望の型開量まで開くようクロスヘッドの位置を制御する請求項1または2に記載の射出発泡成形方法。
  4. 型開制御装置の駆動源として電動サーボモーターを用いて制御する請求項3に記載の射出発泡成形方法。
  5. 充填樹脂量から冷却固化収縮分を差し引いた樹脂量に相当するキャビティ容積を有する金型キャビティ内に発泡剤を含む溶融樹脂の必要量を射出充填する工程と、発泡剤を含む溶融樹脂を射出した後、金型表面側により冷却固化されたスキン層を形成させると共に、金型を開くことにより前記空間を拡大して樹脂を発泡させる工程とを含む請求項1〜4の何れか1項に記載の射出発泡成形方法。
  6. 対向する左右一対又は上下一対の金型の間に表皮材を介在させて型締した後、該表皮材と該両金型とで形成される金型キャビティ空間内に発泡剤を含む溶融樹脂を射出した後、金型を開くことにより前記空間を拡大して樹脂を発泡させて、発泡層を有する樹脂と表皮材とが一体成形された発泡貼合わせ成形品を得る発泡貼合わせ射出成形方法において、
    a)対向する左右一対又は上下一対の金型の一方に表皮材を固定する工程と、
    b)型閉途中の所定の位置まで型閉動作を行い、その位置に金型を保持する工程と、
    c)表皮材と金型とで形成される金型キャビティ内に発泡剤を含む溶融樹脂を射出充填する工程と、
    d)上記の射出充填完了直後に最終型締め位置まで所定の型締速度で型締めを行い、成形品を賦形する工程と、
    e)予め設定した第一の型開き量位置まで連続して形開き動作を行い、所定の時間だけ金型を保持する工程と、
    f)上記の第一の型開き量位置での金型保持工程完了後に予め設定した第二の型開き量位置まで型開き動作を行い、所定の時間だけ金型を保持する工程と、
    g)型開きの上、成形品を取り出す工程と、
    h)発泡樹脂を含む溶融樹脂の射出充填完了直後に金型キャビティとスクリュ前端に位置する樹脂溜り部とを遮断する工程と、
    i)射出充填完了直後から次の射出用の発泡樹脂を含む溶融樹脂の計量開始まで該樹脂溜り部を計量背圧よりも高い圧力で加圧状態に保持し、次いで、計量背圧まで減圧した後、計量を開始する工程と、
    を含む発泡貼合わせ射出成形方法。
  7. 第一の型閉位置が型開量5〜50mmに相当する位置である請求項6に記載の発貼合わせ射出成形方法。
  8. 射出充填完了直後、第一の型閉位置から金型の最終型締め位置まで、型締速度20〜70mm/秒で型締する請求項6に記載の発貼合わせ射出成形方法。
  9. 対向する左右一対又は上下一対の金型の間に表皮材を介在させて型締した後、該表皮材と該両金型とで形成される金型キャビティ空間内に発泡剤を含む溶融樹脂を射出した後、金型を開くことにより前記空間を拡大して樹脂を発泡させて、発泡層を有する樹脂と表皮材とが一体成形された発泡貼合わせ射出成形方法において、
    a)対向する左右一対又は上下一対の金型の一方に表皮材を固定する工程と、
    b)所定の型締位置まで型締動作を行う工程と、
    c)充填樹脂量から冷却固化収縮分を差し引いた樹脂量に相当するキャビティ容積を有する金型キャビティ内に発泡剤を含む溶融樹脂の必要量を予め設定した時間内に射出充填する工程と、
    d)上記の射出充填完了直後に予め設定した第一の型開き量位置まで連続して型開き動作を行う工程と、
    e)予め設定した第一の型開き量位置で所定の時間だけ金型を保持する工程と、
    f)上記の金型保持工程完了後に予め設定した第二の型開き量位置まで型開き動作を行う工程と、
    g)第二の型開き量位置で所定の時間だけ金型を保持する工程と、
    h)型開きの上、成形品を取り出す工程と、
    i)発泡樹脂を含む溶融樹脂の射出充填完了直後に金型キャビティとスクリュ前端に位置する樹脂溜り部とを遮断する工程と、
    j)射出充填完了直後から次の射出用の発泡樹脂を含む溶融樹脂の計量開始まで該樹脂溜り部を計量背圧よりも高い圧力で加圧状態に保持し、次いで、計量背圧まで減圧した後、計量を開始する工程と、
    を含む発泡貼合わせ射出成形方法。
  10. 該表皮材が加飾面を少なくとも一部に有する表皮材である請求項9に記載の発貼合わせ射出成形方法。
  11. 該表皮材が成形品の一部を覆うに充分な大きさを有するものである請求項9または10に記載の発貼合わせ射出成形方法。
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