JP4536446B2 - 熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法および成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法および成形体 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂射出発泡成形体の製法およびこの製法からなる成形体に関する。
熱可塑性樹脂の射出成形において、軽量化、コストダウン、成形体の反り・ヒケ防止を目的に発泡を行ういわゆる射出発泡成形が従来から行われてきた。熱可塑性樹脂を高発泡化させる技術としては、型開き可能に保持された金型の空間内に発泡剤を含む樹脂を射出成形した後、金型を開くことにより前記空間を拡大して樹脂を発泡させる方法がある(例えば特許文献1,2)が、通常単にこの方法を採用するのみでは内部にボイドが発生しやすく、高倍率の成形体を安定的に得ることは困難であった。なお本件でいうボイドとは内部の気泡が連通化するなどして生じる粗大な気泡で、実質その径が1.5mmを越える気泡のことを言う。
この問題を解決する方法として、発泡剤を含む溶融樹脂の充填完了後の所定時間後に、最終キャビティ寸法未満の位置まで型開し、次いで所定時間型開を停止した後に最終キャビティ寸法まで型開する製法が提案されている(特許文献3)。確かにこの方法によれば、高発泡倍率の発泡成形体が得られるものの、射出後に型開までの間にキャビティ内の樹脂温度を特定温度まで下げるべく所定時間放置する必要があり、このため金型と接触する部分の冷却が進行し易く、通常は非発泡層(スキン層)が厚くなる傾向にある。スキン層が厚いと、ある厚みの成形品を成形する場合に内部の発泡層をより高倍率に発泡させることが必要となり、特に射出時の初期キャビティクリアランスが小さい場合には、この問題がより顕在化し、薄肉で高発泡倍率の成形品を得ることは困難であった。射出発泡成形において、軽量化を達成するためには、薄肉での高発泡倍率化が必須であり、これら従来技術では、軽量化のニーズに応えることが困難であった。スキン層形成を軽度に抑える一般的な方策として、金型温度を高く設定することや金型に断熱層を設ける等の方法があり、これらとの併用でスキン層を薄くすることは可能であると考えられるが、これらの方法はそれぞれ冷却時間が長くなることや金型費用が高くなる等の課題を有しており得策ではなかった。
また材料としてポリプロピレン系樹脂を使用する場合、ポリプロピレン系樹脂は結晶性でメルトテンション(溶融張力)が低く発泡時に気泡が破壊し易いことから、成形体表面にシルバーストリーク(またはスワールマーク)と呼ばれる外観不良や内部にボイドが発生し易く、特に発泡倍率を高くすることは困難であった。
樹脂の発泡性を改良する方法として、架橋剤やシラングラフト熱可塑性樹脂を添加してポリプロピレン系樹脂のメルトテンションを高める方法が提案されている(例えば特許文献4、特許文献5)。しかし、この方法では高発泡倍率の発泡成形体が得られるものの溶融時の粘度が上がりすぎ、射出成形が困難となるとともに、得られた成形体の表面性も悪いものであった。
放射線照射により長鎖分岐を導入することで、通常の線状ポリプロピレン系樹脂に比べてメルトテンションが高く、さらに溶融物の延伸歪みの増加に伴い粘度が上昇する、いわゆる歪硬化性を示すポリプロピレン系樹脂がサンアロマー社よりHMS−PP(ハイ・メルトストレングス・ポリプロピレン)として市販されている(特許文献6)。このようなHMS−PPを基材樹脂として射出発泡成形に使用することで発泡成形体が得られることは知られている(特許文献7)。しかし、ここで使用されているHMS−PPはメルトフローレートが4g/10分程度しかなく、溶融時の流動性が低く、金型キャビティのクリアランスが1〜2mm程度の薄肉部分を有する成形においてはショートショットになりやすい問題があった。一方、メルトフローレートが高いHMS−PP(30g/10分)も知られているが、歪硬化性は示すものの、メルトテンションが0.3cN程度しかなく、高発泡倍率の発泡成形体を得ることは困難であった。しかも、これらのHMS−PPの製造は高価な放射線設備を使用しているため、製造されるHMS−PPも高価となり、それから得られる製品を安価に提供することは困難である。
また、特定の極限粘度を有するポリエチレンが混合されたメルトフローレートおよびメルトテンションがいずれも高いポリプロピレン系樹脂(特許文献8)や、多段重合により特定の極限粘度を有する成分を含有する高メルトテンションのポリプロピレン系樹脂と高メルトフローレートのポリプロピレン系樹脂との混合物(特許文献9)を射出発泡成形に使用する方法も提案されている。しかし、このようなポリプロピレン系樹脂は、前記長鎖分岐を有するHMS−PPのような顕著な歪硬化性を示さないため、発泡倍率が2倍を越えるような高発泡倍率の場合には気泡が破壊され、内部ボイドが発生しやすい傾向になり、高度な剛性、軽量化のニーズに応えることができなかった。
特公昭39−22213号公報 特公昭51−8424号公報 特開2001−341154号公報 特開昭61−152754号公報 特開平7−109372号公報 特開昭62−121704号公報 特開2001−26032号公報 特開2003−128854号公報 特開2003−268145号公報
本発明の目的は、薄肉で高発泡倍率を有しかつボイド等による剛性低下がなく、軽量性に優れた発泡成形体を容易に得られる製法を提供することである。
本発明者らは、熱可塑性樹脂を射出発泡成形する製造方法において、射出完了直後に金型を少し開いた後、一端金型を閉じて、次いで最終製品形状まで金型を開くことで、軽量性に優れた発泡成形体を容易にえられることを見出し本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、ポリプロピレン系樹脂と発泡剤との溶融混合物を金型内に射出した後、金型を開くことにより発泡成形体を製造する方法において、ポリプロピレン系樹脂組成物と発泡剤とを射出成形機へ供給し溶融させ金型内に射出充填し、充填が完了した直後に最終製品形状位置未満の所定位置まで金型を開く第1型開工程と、次いで初期キャビティより大きい所定位置まで金型を閉じる途中型閉工程と、次いで最終製品形状位置まで金型を開く第2型開工程を含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法に関する。
前記第1型開工程における型開後のキャビティクリアランスは初期キャビティクリアランスの1.2倍以上3.0倍以下であることが望ましく、前記途中型閉工程における型閉後のキャビティクリアランスは初期キャビティクリアランスの1.1倍以上でかつ第1型開工程後のキャビティクリアランスの0.95倍以下であることが望ましい。また、前記第1型開工程における型開速度は5〜100mm/sec、前記途中型閉工程における型閉速度は0.01〜5mm/sec、前記第2型開工程における型開速度は0.05〜50mm/secであることが望ましい。
さらに前記ポリプロピレン系樹脂は(A)メルトフローレートが10g/10分以上100g/10分以下、メルトテンションが2cN以下である線状ポリプロピレン系樹脂50〜95重量部と、(B)メルトフローレートが0.1g/10分以上10g/10分未満、メルトテンションが5cN以上で、かつ歪硬化性を示す改質ポリプロピレン系樹脂5〜50重量部(ただし、線状ポリプロピレン系樹脂(A)と改質ポリプロピレン系樹脂(B)の合計は100重量部)とからなることが望ましい。また、前記改質ポリプロピレン系樹脂(B)が、線状ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合開始剤、共役ジエン化合物を溶融混合して得られた改質ポリプロピレン系樹脂であることが望ましい。
さらに前記溶融混合物を射出する時の初期キャビティクリアランスが3mm未満で有ることが望ましい。
本発明の第2は、前記製法により製造される発泡成形体に関し、好ましくは平均気泡径が500μm以下でかつ最大気泡径が平均気泡径の3倍以下の発泡層と、該発泡層の少なくとも片側の表面に形成される厚み10μm以上500μm以下の非発泡層とを有する、発泡倍率が2.6倍以上10倍以下である発泡成形体に関する。
本発明の射出発泡成形体の製法によれば、初期キャビティクリアランスが薄い場合でも、高発泡倍率を有する軽量性、剛性に優れた発泡成形体が製造できる。さらに本発明において所定のポリプロピレン系樹脂を使用することで、比較的高価な改質ポリプロピレン系樹脂を安価な線状ポリプロピレン系樹脂で希釈しているために、従来は特に困難であったポリプロピレン系樹脂薄肉高発泡成形体を容易に、安価に提供できる。
本発明の熱可塑性樹脂射出発泡成形体の製造方法の大きな特徴は、1)発泡性熱可塑性樹脂を金型内に射出充填し、充填が完了した直後に金型を開きキャビティクリアランスを増大させ、2)次いで金型を閉めてキャビティクリアランスを減少させ、3)その後再び金型を開きキャビティクリアランスを増大させることにある。
射出充填完了直後に金型を開いてキャビティクリアランスを増大させることで、表面スキン層の形成を最小限に抑えることが出来る。本発明において、充填完了直後とは、出来るだけ速やかに第1型開工程へ移行することを言う。軽量化目的で、初期キャビティクリアランスt0を小さくして成形する場合、スキン層厚みが厚いと極端に内部発泡層の厚みが薄くなる。これに対して、スキン層が薄いとより厚い発泡層を有するため、有る一定の成形品厚みを確保しようとした場合に、スキン層が厚い場合に比べて内部発泡層がより低い発泡倍率となるため、よりボイドが発生し難い傾向になると考えられる。これに加えて、従来のスキン層を薄くする方法として金型温度を高くする方法や、金型表面に断熱層を有する金型を、成形サイクルの長化および金型費用の増大といったデメリットを許容できる範囲で併用することも可能である。
第1型開工程後に金型を閉じることによる効果は定かではないが、以下のように考えられる。第1型開工程においては、成形品厚み方向に温度分布を持っており、金型壁面に接する部分は温度が低く、逆に中心付近は温度が高い状況になっていると考えられ、この状況で金型を開きキャビティクリランスを増大させると、樹脂温度が高い部分は低い部分比べて発泡が進行しやすく、気泡が大きくなる傾向にある。この時点からさらにキャビティクリアランスを増大させると、気泡はさらに成長し、他の部位より成長が進んでいる厚み方向中心部の気泡は破壊されやすく、その結果、僅かのキャビティクリアランスの増大でボイドが発生し易くなってしまう。よって、第1型開工程のキャビティクリアランスt1から一端金型を閉じ、厚み方向中心部の粗大化した気泡を小さくすることで、気泡径を均一化する事が出来ると考えられ、その後に再度型開することで、厚み方向に比較的均等に気泡が成長しながら倍率を高くすることが可能になるものと考えられる。
第1型開工程の型開後のキャビティクリアランスt1は、最終製品形状位置未満であり、内部に気泡が破れて連通化することに起因するボイドが発生しない程度で大きいことが望ましい。この理由は、第1工程後のキャビティクリアランスt1が大きいとこの時のコア層発泡倍率が高くなり、自身が断熱層の役割を果たし金型表面からの冷却を受け難く、後の第2型開工程において、より厚い発泡層の確保に繋がるためであると考えられる。このt1の具体的な値としては、使用する樹脂によって異なるが、一般的には初期キャビティクリアランスの1.2倍以上3.0倍以下で有ることが好ましく、さらには1.5倍以上2.5倍以下であることが好ましい。この範囲内にあることで、ボイドの発生も少なくかつ金型からの冷却を最小限に抑えることが可能である。また第1型開工程における型開速度は5〜100mm/secであることが好ましい。上記範囲内にあることで、スキン層は薄く内部に多くの気泡を発生させる事ができ、かつ表面に凹凸模様が発現し難い。さらにこの傾向が顕著に現れるという観点から、型開速度は10〜70mm/secであることがより好ましい。
なお本発明においては、熱可塑性樹脂と発泡剤との溶融混合物を金型内に射出充填するときの初期キャビティークリアランスt0が、3mm未満であることが、成形品の軽量化および本発明の効果が好適に発揮されるという点から好ましい。
また、途中型閉工程により減少させるキャビティクリアランスtBは、初期キャビティクリアランスt0より大きく第1型開工程時のキャビティクリアランスt1より小さければ良いが、断熱効果を持続するという観点からt0の1.1倍以上さらには1.3倍以上が好ましく、かつ、気泡径を均一化するという観点からt1の0.95倍以下さらには0.9倍以下にすることが好ましい。
途中型閉工程における型閉速度は、遅い方が成形体の気泡径がより均一化され易い傾向にある。その理由は定かではないが、第1型開工程を終了した時点で径の大きい気泡(主に厚み方向中心部付近)と径の小さい気泡(主にスキン層付近)が存在し、圧力の高い部分(小気泡)と低い部分(大気泡)が存在すると考えられ、この様な状況で比較的速い速度で金型を閉じると、キャビティ内の樹脂全体が一気に圧縮され、圧力の高い部分も圧縮され小さい気泡が更に小さくなってしまうのに対して、遅い速度で金型が閉じられると効率よく圧力の低い部分すなわち大気泡のみが圧縮されることで気泡径が均一化され、その後の第2型開工程を経た後でも気泡が均一化し易い傾向に有ると考えられる。途中型閉工程の型閉速度の具体的値としては、0.01〜5mm/secであることが好ましく、さらには0.05〜2.5mm/secで有ることが好ましい。ただし、型閉に要する時間が長いと内部の冷却が進行し、第2型開工程において最終製品形状まで発泡させることが困難となる場合があるため、前記t1およびtBの値にもよるが、型閉に要する時間は15s以内であることが好ましく、この範囲で所望の型閉が終了するように、型閉速度を調節する事が好ましい。なお、必要に応じて、前記途中型閉工程の後に、内部の温度を均一化するという目的で型開を停止する時間を設けても良い。この時間は、次の第2型開工程において最終製品形状まで発泡させることが可能であれば特に制限はないが、概ね10s以内であることが好ましい。
第2型開工程では最終製品形状となるキャビティクリアランスt2まで金型を開くことで、内部の気泡を成長させる。この時の型開速度は0.05〜50mm/secであることが好ましく、さらに0.1〜25mm/secであることが好ましい。この範囲内にあることで、所定の製品厚みを得ることができかつ金型とスキン層の剥離による表面荒れを防止することが出来る。
本発明では、その効果が顕著に発揮できると言う観点から、ポリプロピレン系樹脂を用いる。

さらに本発明においては、線状ポリプロピレン系樹脂(A)と改質ポリプロピレン系樹脂(B)とからなるポリプロピレン系樹脂を使用することが最も好ましい。
線状ポリプロピレン系樹脂(A)は、メルトフローレートが10g/10分以上100g/10分以下であることが好ましく、更に好ましくは15g/10分以上50g/10分以下であり、メルトテンションが好ましくは2cN以下、更に好ましくは1cN以下である。メルトフローレートが10g/10分以上100g/10分以下の範囲であると、射出発泡成形体を製造する際に、金型キャビティのクリアランスが1〜2mm程度の薄肉部分を有する成形においてもショートショットになりにくく、連続して安定した成形が行える傾向にある。また、高発泡倍率であり、且つ、発泡時に気泡が破壊されにくいため、表面外観美麗な発泡成形体が得られる傾向にある。また、メルトテンションが2cN以下であれば、金型面への転写性が良好であり、表面外観美麗な発泡成形体が得られやすい。
メルトフローレートとは、ASTM D−1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重下で測定したものを言い、メルトテンションとは、メルトテンション測定用アタッチメントを付けたキャピログラフ(東洋精機製作所製)を使用して、230℃でφ1mm、長さ10mmの孔を有するダイスから、ピストン降下速度10mm/分で降下させたストランドを1m/分で引き取り、安定後に40m/分2で引き取り速度を増加させたとき、破断したときのロードセル付きプーリーの引き取り荷重を言う。
ここでいう線状ポリプロピレン系樹脂(A)とは、線状の分子構造を有しているポリプロピレン系樹脂であり、通常の重合方法、例えば担体に担持させた遷移金属化合物と有機金属化合物から得られる触媒系(例えばチーグラー・ナッタ触媒)の存在下の重合で得られる。具体的には、プロピレンの単独重合体、ブロック共重合体およびランダム共重合体であって、結晶性の重合体があげられる。プロピレンの共重合体としては、プロピレンを75重量%以上含有しているものが、ポリプロピレン系樹脂の特徴である結晶性、剛性、耐薬品性などが保持されている点で好ましい。共重合可能なα−オレフィンは、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数2または4〜12のα−オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロ[6,2,11,8,13,6]−4−ドデセンなどの環状オレフィン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのビニル単量体などが挙げられる。これらのうち、エチレン、1−ブテンが耐寒脆性向上、安価等という点で好ましい。
本発明で使用する改質ポリプロピレン系樹脂(B)は、メルトフローレートが0.1g/10分以上10g/10分未満であることが好ましく、更に好ましくは0.3g/10分以上5g/10分以下であり、メルトテンションが好ましくは5cN以上、更に好ましくは8cN以上で、かつ歪硬化性を示すものであることが好ましい。メルトフローレートが0.1g/10分以上10g/10分未満であると、線状ポリプロピレン系樹脂(A)への分散性が良好であり、高発泡倍率であり気泡が均一の、表面性が良い本発明の発泡成形体が得られる傾向にある。また、金型面への転写性が良好で、美麗な表面外観が得られやすい。また、メルトテンションが5cN以上の場合には2倍以上の均一微細な気泡の発泡成形体が得られやすい。
ここでいう歪硬化性は、溶融物の延伸歪みの増加に伴い粘度が上昇することとして定義され、通常は特開昭62−121704号公報に記載の方法、すなわち市販のレオメーターにより測定した伸長粘度と時間の関係をプロットすることで判定することができる。また、例えばメルトテンション測定時の溶融ストランドの破断挙動からも歪硬化性を判定できる。すなわち、引き取り速度を増加させたときに急激にメルトテンションが増加し、切断に至るときは歪硬化性を示す場合である。改質ポリプロピレン系樹脂(B)が歪硬化性を示し、メルトテンションが高い場合に発泡倍率が2倍を越える高発泡倍率の発泡成形体が得られ、射出成形時の溶融樹脂流動先端部で破泡しやすくなることによっておこるシルバーストリークが出にくくなるので表面外観美麗な発泡成形体が得られる。
このような改質ポリプロピレン系樹脂(B)としては、例えば線状ポリプロピレン系樹脂に放射線を照射するか、または線状ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合開始剤、共役ジエン化合物を溶融混合するなどの方法により得られる分岐構造あるいは高分子量成分を含有する改質ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。これらの中で、本発明においては、線状ポリプロピレン樹脂、ラジカル重合開始剤および共役ジエン化合物を溶融混合して得られる改質ポリプロピレン系樹脂を用いることが、高価な設備を必要としない点から安価に製造できる点から好ましい。この改質ポリプロピレン系樹脂(B)の製造に用いられる原料ポリプロピレン系樹脂としては、前記線状ポリプロピレン系樹脂(A)と同じものが例示できる。
前記共役ジエン化合物としては例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ヘプタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエンなどがあげられるが、これらを単独または組み合わせ使用してもよい。これらの中では、ブタジエン、イソプレンが安価で取り扱いやすく、反応が均一に進みやすい点からとくに好ましい。
前記共役ジエン化合物の添加量としては、線状ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましく、0.05〜5重量部がさらに好ましい。0.01重量部未満では改質の効果が得られにくい場合があり、また20重量部を越える添加量においては効果が飽和してしまい、経済的でない場合がある。
前記共役ジエン化合物と共重合可能な単量体、たとえば塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリルなどのメタクリル酸エステルなどを併用してもよい。
ラジカル重合開始剤としては、一般に過酸化物、アゾ化合物などが挙げられるが、ポリプロピレン系樹脂や前記共役ジエン化合物からの水素引き抜き能を有するものが好ましく、一般にケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステルなどの有機過酸化物が挙げられる。これらのうち、とくに水素引き抜き能が高いものが好ましく、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンなどのジアルキルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの1種または2種以上が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の添加量としては、線状ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上10重量部以下が好ましく、0.05重量部以上2重量部以下がさらに好ましい。0.01重量部未満では改質の効果が得られにくい場合があり、また10重量部を越える添加量では、改質の効果が飽和してしまい経済的でない場合がある。
線状ポリプロピレン系樹脂、共役ジエン化合物、およびラジカル重合開始剤を反応させるための装置としては、ロール、コニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー、単軸押出機、2軸押出機などの混練機、2軸表面更新機、2軸多円板装置などの横型撹拌機、ダブルヘリカルリボン撹拌機などの縦型撹拌機、などが挙げられる。これらのうち、混練機を使用することが好ましく、とくに押出機が生産性の点から好ましい。
線状ポリプロピレン系樹脂、共役ジエン化合物、およびラジカル重合開始剤を混合、混練(撹拌)する順序、方法にはとくに制限はない。線状ポリプロピレン系樹脂、共役ジエン化合物、およびラジカル重合開始剤を混合したのち溶融混練(撹拌)してもよいし、ポリプロピレン系樹脂を溶融混練(撹拌)したのち、共役ジエン化合物あるいはラジカル開始剤を同時にあるいは別々に、一括してあるいは分割して混合してもよい。混練(撹拌)機の温度は130〜300℃が、線状ポリプロピレン系樹脂が溶融し、かつ熱分解しないという点で好ましい。またその時間は一般に1〜60分が好ましい。
このようにして、本発明に用いる改質ポリプロピレン系樹脂(B)を製造することができる。
ポリプロピレン系樹脂(A)、(B)の形状、大きさに制限はなく、ペレット状でもよい。
本発明で使用する線状ポリプロピレン系樹脂(A)と改質ポリプロピレン系樹脂(B)の合計100重量部中、線状ポリプロピレン樹脂(A)は、50重量部以上95重量部以下であることが好ましく、更に好ましくは60重量部以上90重量部以下である。改質ポリプロピレン系樹脂(B)は5〜50重量部であることが好ましく、更に好ましくは10〜40重量部である。前記配合量であれば、均一微細な気泡を有す、発泡倍率が2倍以上の発泡成形体が得られやすい。また、薄肉部分を有する成形でショートショットが起こらず、連続して安定した生産が行えるほか、表面外観美麗な発泡成形体をに安価に提供することが出来る。
本発明で使用する射出発泡成形用ポリプロピレン系樹脂は、線状ポリプロピレン系樹脂(A)と改質ポリプロピレン系樹脂(B)を混合することで得たものを使用することが好ましい。混合方法は特に限定はなく、公知の方法で行うことが出来、例えば、ペレット状の樹脂をブレンダー、ミキサー等を用いてドライブレンドする、溶融混合する、溶剤に熔解して混合する等の方法が挙げられる。本発明においてはドライブレンドした上で射出発泡成形に供する方法が、熱履歴が少なくて済み、メルトテンションの低下が少なくなる為、好ましい。
本発明で使用できる発泡剤は、化学発泡剤、物理発泡剤など射出発泡成形に通常使用できるものであればとくに制限はない。化学発泡剤は、前記樹脂組成物と予め混合してから射出成形機に供給され、シリンダー内で分解して炭酸ガス等の気体を発生するものである。化学発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の無機系化学発泡剤や、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタテトラミン等の有機系化学発泡剤があげられる。物理発泡剤は、成形機のシリンダー内の溶融樹脂にガス状または超臨界流体として注入され、分散または溶解されるもので、金型内に射出後、圧力開放されることによって発泡剤として機能するものである。物理発泡剤としては、プロパン、ブタン等の脂肪族炭化水素類、シクロブタン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素類、クロロジフルオロメタン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、窒素、炭酸ガス、空気等の無機ガスがあげられる。これらは単独または2種以上混合して使用してよい。
これらの発泡剤の中では、通常の射出成形機が安全に使用でき、均一微細な気泡が得られやすいものとして、化学発泡剤としては無機系化学発泡剤、物理発泡剤としては窒素、炭酸ガス、空気等の無機ガスが好ましい。これらの発泡剤には、発泡成形体の気泡を安定的に均一微細にするために必要に応じて、例えばクエン酸のような有機酸等の発泡助剤やタルク、炭酸リチウムのような無機微粒子等の造核剤を添加してもよい。通常、上記無機系化学発泡剤は取扱性、貯蔵安定性、ポリプロピレン系樹脂への分散性の点から、10〜50重量%濃度のポリオレフィン系樹脂のマスターバッチとして使用されるのが好ましい。
上記発泡剤の使用量は、最終製品の発泡倍率と発泡剤の種類や成形時の樹脂温度によって適宜設定すればよい。例えば、通常無機系化学発泡剤の場合は、本発明のポリプロピレン系樹脂100重量部に対して好ましくは、0.1重量部以上20重量部以下、更に好ましくは0.5重量部以上10重量部以下の範囲で使用される。この範囲で使用することにより、経済的に発泡倍率が2倍以上、且つ均一微細気泡の発泡成形体が得られやすい。
さらに必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を併用してもよい。必要に応じて用いられるこれらの添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で使用されるのはもちろんであるが、一般に本発明のポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは0.01重量部以上10重量部以下使用される。
このようにして得られる本発明の発泡成形体は、平均気泡径が好ましくは500μm以下、更に好ましくは300μm以下であり、かつ最大気泡径が平均気泡径の好ましくは3倍以下、更に好ましくは2.5倍以下の発泡層と、該発泡層の少なくとも片側の表面に形成される厚みが好ましくは10μm以上1000μm以下、更に好ましくは100μm以上500μm以下の非発泡層とを有する。発泡層の平均気泡径が500μmを越える場合は優れた剛性が得られない場合があり、さらに最大気泡径が平均気泡径の3倍を超える場合には、特にその傾向が顕著になる。非発泡層の厚みが10μm未満では外観美麗な表面にならず、剛性も低下する傾向があり、1000μmを越える場合は軽量性が得られにくい恐れがある。なお、本発明において「気泡径」とは気泡が球状である場合はその直径、楕円形である場合は、その長径と短径の平均値とし、平均気泡径とは、発泡成形体を厚み方向に切断した断面の顕微鏡写真において、任意に選んだ20個の平均値であり、最大気泡径とは、この顕微鏡写真において最大の気泡の気泡径を言う。
また、本発明の発泡成形体の発泡倍率は、好ましくは2倍以上10倍以下、更に好ましくは3倍以上6倍以下である。発泡倍率が2倍未満では軽量性が得られにくい場合があり、10倍を越える場合には剛性の低下が著しくなる傾向がある。発泡倍率は、射出発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物を発泡剤を添加しない以外は発泡成形体と同条件で射出成形した非発泡成形体との比重の比から得られた値である。
その他の成形条件は、各ポリプロピレン系樹脂のMFR、発泡剤の種類、成形機の種類あるいは金型の形状によって適宜調整すればよい。通常、樹脂温度170〜250℃、金型温度10〜100℃、成形サイクル1〜60分、射出速度10〜300mm/秒、射出圧力10〜200MPa等の条件で行われる。
以下に実施例によって本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
実施例および比較例において、各種の評価方法に用いられた試験法および判定基準は次の通りである。
(1)メルトフローレート:ASTM1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgで測定した。
(2)メルトテンション:メルトテンション測定用アタッチメントを付けたキャピログラフ(東洋精機製作所製)を使用した。230℃でφ1mm、長さ10mmの孔を有するダイスから、ピストン降下速度10mm/分で降下させたストランドを1m/分で引き取り、安定後に40m/分2で引き取り速度を増加させたとき、破断したときのロードセル付きプーリーの引き取り荷重をメルトテンションとした。
(3)歪硬化性:上記メルトテンション測定時、引き取り速度を増加させたときに急激に引き取り荷重が増加し、破断に至る場合を「歪硬化性を示す」とし、そうでない場合を「歪硬化性を示さない」とした。
(4)射出発泡成形性:連続して40ショット成形したときにショートショットになった個数(不良個数)を求めて、次の3段階で評価した。
不良個数が1個以下・・・・・○
不良個数が2〜4個・・・・・△
不良個数が5個以上・・・・・×
(5)発泡倍率:発泡成形体から表面の非発泡層も含めた試片を切り出し、別途作製した肉厚3mmの非発泡成形体(参考例1)との比重の比から求めた。
(6)平均気泡径、非発泡層厚み:発泡成形体を厚み方向に切断した断面の顕微鏡写真より求めた。非発泡層厚みは可動型側と固定型側の平均値とした。平均気泡径については任意に選んだ20個の平均値とし、次の様に評価した。
平均気泡径が500μm以下・・・・・・・○
平均気泡径が500μmを越えるもの・・・×
(7)気泡均一性:発泡成形体を厚み方向に切断した断面を観察し、発泡層中の一番大きな気泡の径を最大気泡径とし、前記平均気泡径との関係から次の様に評価した。
最大気泡径/平均気泡径≦2.5・・・・・・○
2.5<最大気泡径/平均気泡径≦3・・・・△
3<最大気泡径/平均気泡径・・・・・・・・×
(8)成形体肉厚:厚み方向に切断した断面について、4隅および中央部の5点の平均値とした。
(9)表面平滑性:成形体肉厚測定の5点の測定結果の内、最大値と最小値の差で平滑性を評価した。
差が0.2mm以内のもの・・・○
差が0.2mmを超えるもの・・×
次に、実施例、比較例で使用したポリプロピレン系樹脂、発泡剤を以下に示す。
(A)線状ポリプロピレン系樹脂
PP−1:グランドポリマー社製J708UG(プロピレン・エチレン・ブロックコポリマー、メルトフローレート45g/10分、メルトテンション1cN以下)
PP−2:グランドポリマー社製J707G(プロピレン・エチレン・ブロックコポリマー、メルトフローレート30g/10分、メルトテンション1cN以下)
(B)改質ポリプロピレン系樹脂
MP−1:線状ポリプロピレン系樹脂としてメルトフローレート3g/10分のポリプロピレンホモポリマー100重量部と、ラジカル重合開始剤としてt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.3重量部の混合物を、44mmφ二軸押出機(L/D=38)のホッパーから50kg/時で供給し、途中に設けた導入部よりイソプレンモノマーを定量ポンプを用いて0.25kg/時の速度で供給し、ストランドを水冷、細断することにより得た改質ポリプロピレン系樹脂(メルトフローレート0.5g/10分、メルトテンション12cN、歪硬化性を示す)
MP−2:サンアロマー社製PF814(ホモポリマー、メルトフローレート3g/10分、メルトテンション10cN、歪硬化性を示す)
(C)発泡剤
B−1:化学発泡剤マスターバッチ(永和化成社製ポリスレンEE275、発泡剤濃度27%、分解ガス量40ml/g)
B−2:純度99%以上の二酸化炭素
(実施例1)
射出成形機はシリンダ先端にシャットオフノズル機構を有した宇部興産機械(株)製「MD350S−IIIDP型」を使用し、金型はダイレクトスプルーゲートを有し、縦250mm×横200mmで可動型の位置調整により厚さ可変の平板形状のキャビティを有するものを使用した。成形条件としては、樹脂温度200℃、金型温度50℃、射出速度100mm/秒、背圧5MPa、冷却時間90秒にて発泡成形を実施した。
すなわち、線状ポリプロピレン系樹脂(A)としてPP−1を80重量部、改質ポリプロピレン系樹脂(B)としてMP−2を20重量部、発泡剤としてB−1を5重量部、をドライブレンドして得た射出発泡成形用ポリプロピレン系樹脂混合物を前記射出成形機に供給した。成形機内で可塑化混練した後、初期キャビティクリアランス(t0)1.5mmの金型に射出充填し、充填完了後直ちに第1型開工程により型開速度50mm/secでキャビティクリアランス(t1)を2.5mmまで拡大した。次いで、途中型閉工程により型閉速度0.1mm/secでキャビティクリアランス(tB)を2.0mmまで縮小した後、第2型開工程により型開速度5mm/secでキャビティクリアランスを拡大して、所定の成形品厚みの発泡成形体を得た。
(実施例2)
線状ポリプロピレン系樹脂(A)としてPP−1を70重量部、改質ポリプロピレン系樹脂(B)としてMP−2を30重量部、発泡剤としてB−1を7.5重量部、をドライブレンドして得た射出発泡成形用ポリプロピレン系樹脂混合物を使用し、t1を3.0mmとした以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を得た。
(実施例3)
発泡剤としてB−1を9重量部混合し、途中型閉工程において型閉速度0.05mm/sec、tBを2.5mmとした以外は、実施例2と同様にして発泡成形体を得た。
(実施例4)
発泡剤としてB−1を9重量部混合し、t0を2.0mm、t1を5.0mm、tBを3.0mmとし、さらに第2型開工程において型開速度10mm/secでキャビティクリアランスを拡大した以外は、実施例2と同様にして発泡成形体を得た。
(実施例5)
改質ポリプロピレン系樹脂(B)としてMP−1を使用し、tBを2.5mmとした以外は、実施例2と同様にして発泡成形体を得た。
(実施例6)
途中型閉工程において型閉速度を10mm/secとした以外は実施例2と同様にして発泡成形体を得た。
Figure 0004536446
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(実施例7)
実施例1〜5で使用した射出成形機をベントタイプ仕様(シリンダ中央付近にベント口)に変えてベント部分を二酸化炭素で加圧できるようにした成形機を使用し、さらに旭エンジニアリング(株)製「炭酸ガス供給装置MAC−100」を用いて二酸化炭素を圧力一定で供給することで、溶融樹脂に対する二酸化炭素供給量を制御した。
表3に示す組成比の線状ポリプロピレン系樹脂(A)、改質ポリプロピレン系樹脂(B)に造核剤としてB−1を0.5部加えたものをドライブレンドして得た射出発泡成形用ポリプロピレン系樹脂混合物を前記射出成形機に供給し、発泡剤として二酸化炭素(B−2)を成形機ベント部分の圧力を表3のようにして供給した以外は実施例3と同様にして発泡成形体を得た。
(実施例8)
B−2の供給圧力を3MPa、途中型閉工程において型閉速度0.1mm/sec、tBを2.0mmとした以外は、実施例7と同様にして発泡成形体を得た。
実施例1〜8における成形性、得られた発泡成形体の形状および物性を表2、表4に示す。表2、表4に示すように、実施例1〜8により得られた発泡成形体は射出発泡成形性が良好で、発泡倍率2.6〜4.4倍であり、高発泡倍率で軽量性に優れている。表面には300μmの非発泡層(スキン層)を有しており、内部の気泡も微細でかつ均一性に優れ、表面平滑性も良好であることがわかる。
(参考例1)
実施例において、改質ポリプロピレン系樹脂、発泡剤を使用せず、線状ポリプロピレン系樹脂PP−2のみを初期キャビティクリアランス(t0)3.0mmの金型に射出充填し、射出充填完了後に90秒間冷却して非発泡成形体を取り出した。結果を表2に示す。
(比較例1)
充填完了後に型開速度50mm/secで一段階で型開工程を実施する以外は実施例2と同様にして発泡成形体を得た。結果を表2に示す。厚み方向中心付近の気泡径が大きく不均一な気泡構造を有する発泡体であった。
(比較例2)
充填完了後に1秒間そのままの状態を保持した後、型開速度5mm/secでキャビティクリアランスを3.0mmまで拡大し、その状態で5秒間保持する。次いで型開速度10mm/secで再度キャビティクリアランスを拡大する以外は実施例2と同様にして発泡成形体を得た。結果を表2に示す。非発泡層がやや厚く、厚み方向中心付近の気泡径が大きく不均一な気泡構造を有する発泡体であった。また発泡が所望厚みまで膨らまず部分的に表面に凹凸のある発泡体であった。
(比較例3)
充填完了後に1秒間そのままの状態を保持した後に第1型開工程を実施し、第1型開工程後にその状態を5秒間保持した後、第2型開工程を実施すること以外は実施例2と同様にして発泡成形体を得た。結果を表2に示す。非発泡層がやや厚く、厚み方向中心付近の気泡径が大きく不均一な気泡構造を有する発泡体であった。また発泡が所望厚みまで膨らまず部分的に表面に凹凸のある発泡体であった。
(比較例4)
第1型開工程後にその状態を5秒間保持した後、第2型開工程を実施すること以外は実施例2と同様にして発泡成形体を得た。結果を表2に示す。厚み方向中心付近の気泡径が大きく不均一な気泡構造を有する発泡体であった。
(比較例5)
充填完了後に型開速度50mm/secによる一段階での型開工程を実施する以外は実施例7と同様にして発泡成形体を得た。結果を表4に示す。厚み方向中心付近の気泡径が大きく不均一な気泡構造を有する発泡体であった。
(比較例6)
充填完了後に1秒間そのままの状態を保持した後、型開速度5mm/secでキャビティクリアランスを3.0mmまで拡大し、その状態で5秒間保持する。次いで型開速度10mm/secで再度キャビティクリアランスを拡大する以外は実施例7と同様にして発泡成形体を得た。結果を表4に示す。非発泡層がやや厚く、厚み方向中心付近の気泡径が大きく不均一な気泡構造を有する発泡体であった。また発泡が所望厚みまで膨らまず部分的に表面に凹凸のある発泡体であった。
Figure 0004536446
Figure 0004536446
本発明の熱可塑性樹脂射出発泡成形法は、高倍率化が可能であり、これにより得られた発泡成形体は表面平滑で軽量性にすぐれていることから、各種自動車部材をはじめ、食品包装用容器や家電、建材用途に広く使用できる。

Claims (9)

  1. ポリプロピレン系樹脂と発泡剤との溶融混合物を金型内に射出した後、金型を開くことにより発泡成形体を製造する方法において、ポリプロピレン系樹脂組成物と発泡剤とを射出成形機へ供給し溶融させ金型内に射出充填し、充填が完了した直後に最終製品形状位置未満の所定位置まで金型を開く第1型開工程と、次いで初期キャビティより大きい所定位置まで金型を閉じる途中型閉工程と、次いで最終製品形状位置まで金型を開く第2型開工程を含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法。
  2. 前記第1型開工程における型開後のキャビティクリアランスが初期キャビティクリアランスの1.2倍以上3.0倍以下であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法。
  3. 前記途中型閉工程における型閉後のキャビティクリアランスが初期キャビティクリアランスの1.1倍以上でかつ第1型開工程後のキャビティクリアランスの0.95倍以下であることを特徴とする請求項1または2記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法。
  4. 前記第1型開工程における型開速度が5〜100mm/secであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法。
  5. 前記途中型閉工程における型閉速度が0.01〜5mm/secであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法。
  6. 前記第2型開工程における型開速度が0.05〜50mm/secであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法。
  7. 前記ポリプロピレン系樹脂が(A)メルトフローレートが10g/10分以上100g/10分以下、メルトテンションが2cN以下である線状ポリプロピレン系樹脂50〜95重量部と、(B)メルトフローレートが0.1g/10分以上10g/10分未満、メルトテンションが5cN以上で、かつ歪硬化性を示す改質ポリプロピレン系樹脂5〜50重量部(ただし、線状ポリプロピレン系樹脂(A)と改質ポリプロピレン系樹脂(B)の合計は100重量部)とからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法。
  8. 前記改質ポリプロピレン系樹脂(B)が、線状ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合開始剤、共役ジエン化合物を溶融混合して得られた改質ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法。
  9. 前記溶融混合物を射出する時の初期キャビティクリアランスが3mm未満で有ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法。


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