JP4851104B2 - ポリプロピレン系樹脂発泡成形体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂からなる射出発泡成形体およびその製造方法に関する。
ポリプロピレン系樹脂の射出成形において、軽量化、コストダウン、成形体の反り・ヒケ防止を目的に発泡を行ういわゆる射出発泡成形が従来から行われてきた(例えば特許文献1)。しかし、ポリプロピレン系樹脂は結晶性でメルトテンション(溶融張力)が低く、気泡が破壊されやすい。その結果、成形体表面にシルバーストリーク(またはスワールマーク)と呼ばれる外観不良が発生しやすかったり、さらには内部にボイドが発生しやすく、発泡倍率を高くすることが困難であった。また、気泡が不均一で大きいために得られた成形体の剛性も十分でなかった。なお、本件でいうボイドとは内部の気泡が連通化するなどして生じる粗大な気泡で、実質その径が1.5mmを越える気泡のことをいう。
発泡性を改良する方法として、架橋剤やシラングラフト熱可塑性樹脂を添加してポリプロピレン系樹脂のメルトテンションを高める方法が提案されている(例えば特許文献2、特許文献3)。しかし、この方法では高発泡倍率の発泡成形体が得られるものの溶融時の粘度が上がりすぎ、射出成形が困難となるとともに、得られた成形体の表面性も悪いものであった。
放射線照射により長鎖分岐を導入することで、通常の線状ポリプロピレン系樹脂に比べてメルトテンションが高く、さらに溶融物の延伸歪みの増加に伴い粘度が上昇する、いわゆる歪硬化性を示すポリプロピレン系樹脂がサンアロマー社よりHMS−PP(ハイ・メルトストレングス・ポリプロピレン)として市販されている(特許文献4)。このようなHMS−PPを基材樹脂として射出発泡成形に使用することで発泡成形体が得られることは知られている(特許文献5)。通常、剛性を維持した上で大幅な軽量化を達成するには、軽量化前の非発泡射出成形体に対して射出充填時の金型キャビティ・クリアランス厚み(発泡前厚み)を大幅に薄くし、高発泡させることが必要になる。しかし、ここで使用されているHMS−PPはメルトフローレートが4g/10分程度しかなく、溶融時の流動性が低いために、大幅な薄肉化、例えば1〜2mm程度の薄肉部分を有する成形においてはショートショットになりやすい問題があった。一方、メルトフローレートが高いHMS−PP(30g/10分)も知られているが、歪硬化性は示すものの、メルトテンションが0.3cN程度しかなく、高発泡倍率の発泡成形体を得ることは困難であった。しかも、これらのHMS−PPの製造は高価な放射線設備を使用しているため、製造されるHMS−PPも高価となり、それから得られる製品を安価に提供することは困難である。
また、特定の極限粘度を有するポリエチレンが混合されたメルトフローレートおよびメルトテンションがいずれも高いポリプロピレン系樹脂(特許文献6)や、多段重合により特定の極限粘度を有する成分を含有する高メルトテンションのポリプロピレン系樹脂と高メルトフローレートのポリプロピレン系樹脂との混合物(特許文献7)を射出発泡成形に使用する方法も提案されている。しかし、このようなポリプロピレン系樹脂は、前記長鎖分岐を有するHMS−PPのような顕著な歪硬化性を示さないため、発泡倍率が2倍越えるような高発泡倍率の場合には気泡が破壊され、内部ボイドが発生しやすい傾向になり、高度な剛性、軽量化のニーズに応えることができなかった。
一方、二段階で金型を開く発泡工程を含む方法で2倍以上の高発泡倍率を有する射出発泡成形体を得る方法が知られている(特許文献8、特許文献9、特許文献10)。とくに、特許文献8に記載の方法は、充填完了後の所定時間後に第一次金型拡大工程を行い、次いで所定時間キャビティの拡大を停止した後に、キャビティを最終拡大幅まで拡大する方法であり、高発泡倍率が得られやすい点で好ましい。しかし、ここで使用される基材樹脂は前記長鎖分岐を有するHMS−PPで、流動性が悪いため3mm未満の薄肉キャビティに射出充填することは困難であり、大幅な軽量化は期待できない。また、射出充填後に所定時間充填時の形状を保持し、第一次金型拡大工程におけるキャビティ拡大速度を2〜5mm/秒のような低速で行うために、薄肉で射出充填する場合には、金型内での樹脂温度が発泡に適正な温度以下になってしまうために、高発泡化を行うことが困難であり、得られた成形体も表面平滑性に劣る。とくに、発泡成形体が箱形状のものである場合には、底面部にボイドが発生しやすい問題点があった。
以上のように、これまでは射出発泡成形性が良好で、高発泡倍率で大幅な軽量化が可能であり、表面平滑性、剛性に優れた射出発泡成形体を安価に得ることは困難であった。
特開平6−198668号公報 特開昭61−152754号公報 特開平7−109372号公報 特開昭62−121704号公報 特開2001−26032号公報 特開2003−128854号公報 特開2003−268145号公報 特開2001−341154号公報 特開平7−88878号公報 特開平4−73114号公報
本発明の目的は、薄肉射出充填が可能で高発泡倍率であるがために軽量性、剛性、表面平滑性に優れた、とくに箱形状の発泡成形体を容易に、安価に得られる製造方法を提供することである。
本発明者らは、特定のポリプロピレン系樹脂を基材樹脂に用いること、および2段階で金型キャビティを特定の金型開速度で開くことで、高発泡倍率で大幅な軽量化が可能であり、かつ剛性、表面平滑性に優れ、とくにこれまで製造することが困難であった箱形状の発泡成形体が安価に得られることを見出し本発明の完成に至った。
すなわち本発明の第1は、ポリプロピレン系樹脂と発泡剤を含んでなるポリプロピレン系樹脂組成物の溶融物を金型内に射出して発泡成形体を製造する方法において、前記ポリプロピレン系樹脂が(A)メルトフローレートが10g/10分以上100g/10分以下、メルトテンションが2cN以下である線状ポリプロピレン系樹脂40重量部以上95重量部以下と、(B)メルトフローレートが0.1g/10分以上10g/10分未満、メルトテンションが5cN以上で、かつ歪硬化性を示す改質ポリプロピレン系樹脂5重量部以上60重量部以下(ただし、線状ポリプロピレン系樹脂(A)と改質ポリプロピレン系樹脂(B)の合計は100重量部)とからなり、金型が固定型と前進および後退が可能な可動型とから構成され、最終製品の形状位置に相当する金型キャビティ・クリアランスt2よりも小さい金型キャビティ・クリアランスt0を有する金型キャビティ中に前記溶融混合物を射出充填する射出工程、その直後にt2よりも小さく、t0よりも大きい金型キャビティ・クリアランスt1まで可動型を後退させる第一段発泡工程、次いでt1のクリアランスを所定の設定時間保持した後に、さらに最終製品の形状位置に相当する金型キャビティ・クリアランスt2まで可動型を後退させる第二段発泡工程を含むことを特徴とする射出発泡成形体の製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、
(1)前記改質ポリプロピレン系樹脂(B)が、線状ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合開始剤、共役ジエン化合物を溶融混合して得られたものであること、
(2)前記第一段発泡工程における金型開速度が7mm/秒以上100mm/秒以下であること、
(3)前記第二段発泡工程における金型開速度が0.5mm/秒以上20mm/秒以下であること、
(4)前記t0、t1、t2の関係が次式で示されること、
Figure 0004851104
Figure 0004851104
ここで、t0は0.5mm以上3mm未満である。
(5)前記第二段発泡工程における金型キャビティ・クリアランスt1を保持する設定時間が1秒以上20秒以下であること、
を特徴とする前記記載の射出発泡成形体の製造方法に関する。
本発明の第2は前記記載の方法により製造される発泡成形体に関し、好ましい態様としては、
(1)平均気泡径が500μm以下の発泡層と、該発泡層の少なくとも片側の表面に形成される厚み10μm以上1000μm以下の非発泡層とを有する、発泡倍率が2倍以上10倍以下であることであること、
(2)次式で示される軽量化率(L)が20%以上であること、
Figure 0004851104
ここで、WSは同じ剛性を有する非発泡射出成形体の重量、WEは前記発泡成形体の重量である。
(3)前記発泡成形体が底面部と、該底面部と一体的に成形された立壁部とからなる箱形状であること、
を特徴とする前記記載の発泡成形体に関する。
本発明の射出発泡成形体の製造方法は、溶融時の流動性が高く、且つ、メルトテンションも高いポリプロピレン系樹脂を使用することにより、大幅な軽量化に必要な薄肉射出充填が可能であり、溶融状態にある前記ポリプロピレン系樹脂を金型キャビティに射出充填後すぐに、二段階で特定の速度で可動型を後退させて発泡させることによって、高発泡倍率であるがために軽量性、剛性、表面平滑性に優れた発泡成形体が得られる。この効果は、特に箱形状の発泡成形体において顕著に現われる。
本発明のポリプロピレン系樹脂射出発泡成形体の製造方法の第一の特徴は、メルトフローレートおよびメルトテンションがそれぞれ異なる二種類のポリプロピレン系樹脂(A)、(B)を使用することである。
本発明で使用するポリプロピレン系樹脂は、線状ポリプロピレン系樹脂(A)と改質ポリプロピレン系樹脂(B)とからなる。
線状ポリプロピレン系樹脂(A)は、メルトフローレートが10g/10分以上100g/10分以下、好ましくは30g/10分以上60g/10分以下であり、メルトテンションが2cN以下、好ましくは1cN以下である。メルトフローレートが10g/10分以上100g/10分以下の範囲であると、射出発泡成形体を製造する際に、金型キャビティのクリアランスが0.5mm以上3mm未満程度の薄肉部分を有する成形においてもショートショットになりにくく、連続して安定した成形が行える。また、高発泡倍率であり、且つ、発泡時に気泡が破壊されにくいため、表面外観美麗な発泡成形体が得られる。また、メルトテンションが2cN以下であれば、金型面への転写性が良好であり、表面外観美麗な発泡成形体が得られる。
メルトフローレートとは、ASTM D−1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重下で測定したものを言い、メルトテンションとは、メルトテンション測定用アタッチメントを付けたキャピログラフ(東洋精機製作所製)を使用して、230℃でφ1mm、長さ10mmの孔を有するダイスから、ピストン降下速度10mm/分で降下させたストランドを1m/分で引き取り、安定後に40m/分2で引き取り速度を増加させたとき、破断したときのロードセル付きプーリーの引き取り荷重を言う。
ここでいう線状ポリプロピレン系樹脂(A)とは、線状の分子構造を有しているポリプロピレン系樹脂であり、通常の重合方法、例えば担体に担持させた遷移金属化合物と有機金属化合物から得られる触媒系(例えばチーグラー・ナッタ触媒)の存在下の重合で得られる。具体的には、プロピレンの単独重合体、ブロック共重合体およびランダム共重合体であって、結晶性の重合体があげられる。プロピレンの共重合体としては、プロピレンを75重量%以上含有しているものが、ポリプロピレン系樹脂の特徴である結晶性、剛性、耐薬品性などが保持されている点で好ましい。共重合可能なα−オレフィンは、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数2または4〜12のα−オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロ[6,2,11,8,13,6]−4−ドデセンなどの環状オレフィン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのビニル単量体などが挙げられる。これらのうち、エチレン、1−ブテンが耐寒脆性向上、安価等という点で好ましい。
本発明で使用する改質ポリプロピレン系樹脂(B)は、メルトフローレートが0.1g/10分以上10g/10分未満、好ましくは0.3g/10分以上5g/10分以下であり、メルトテンションが5cN以上、好ましくは8cN以上で、かつ歪硬化性を示すものである。メルトフローレートが0.1g/10分以上10g/10分未満であると、線状ポリプロピレン系樹脂(A)への分散性が良好であり、高発泡倍率であり気泡が均一の、表面性が良い本発明の発泡成形体が得られる。また、金型面への転写性が良好で、美麗な表面外観が得られる。また、メルトテンションが5cN以上の場合には2倍以上の均一微細な気泡の発泡成形体が得られる。
ここでいう歪硬化性は、溶融物の延伸歪みの増加に伴い粘度が上昇することとして定義され、通常は特開昭62−121704号公報に記載の方法、すなわち市販のレオメーターにより測定した伸長粘度と時間の関係をプロットすることで判定することができる。また、例えばメルトテンション測定時の溶融ストランドの破断挙動からも歪硬化性を判定できる。すなわち、引き取り速度を増加させたときに急激にメルトテンションが増加し、切断に至るときは歪硬化性を示す場合である。改質ポリプロピレン系樹脂(B)が歪硬化性を示し、メルトテンションが高い場合に発泡倍率が2倍以上の高発泡倍率の発泡成形体が得られ、射出成形時の溶融樹脂流動先端部で破泡しやすくなることによっておこるシルバーストリークが出にくくなる等の理由から表面平滑性に優れた発泡成形体が得られる。
このような改質ポリプロピレン系樹脂(B)としては、例えば線状ポリプロピレン系樹脂に放射線を照射するか、または線状ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合開始剤、共役ジエン化合物を溶融混合するなどの方法により得られる分岐構造あるいは高分子量成分を含有する改質ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。これらの中で、本発明においては、線状ポリプロピレン樹脂、ラジカル重合開始剤、共役ジエン化合物を溶融混合して得られる改質ポリプロピレン系樹脂が、高価な設備を必要としない点から安価に製造できる点から好ましい。この改質ポリプロピレン系樹脂(B)の製造に用いられる原料ポリプロピレン系樹脂としては、前記線状ポリプロピレン系樹脂(A)と同じものが例示できる。
前記共役ジエン化合物としては例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ヘプタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエンなどがあげられるが、これらを単独または組み合わせ使用してもよい。これらの中では、ブタジエン、イソプレンが安価で取り扱いやすく、反応が均一に進みやすい点からとくに好ましい。
前記共役ジエン化合物の添加量としては、線状ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上20重量部以下が好ましく、0.05重量部以上5重量部以下がさらに好ましい。0.01重量部未満では改質の効果が得られにくい場合があり、また20重量部を越える添加量においては効果が飽和してしまい、経済的でない場合がある。
前記共役ジエン化合物と共重合可能な単量体、たとえば塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリルなどのメタクリル酸エステルなどを併用してもよい。
ラジカル重合開始剤としては、一般に過酸化物、アゾ化合物などが挙げられるが、ポリプロピレン系樹脂や前記共役ジエン化合物からの水素引き抜き能を有するものが好ましく、一般にケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステルなどの有機過酸化物が挙げられる。これらのうち、とくに水素引き抜き能が高いものが好ましく、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンなどのジアルキルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの1種または2種以上が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の添加量としては、線状ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上10重量部以下が好ましく、0.05重量部以上2重量部以下がさらに好ましい。0.01重量部未満では改質の効果が得られにくい場合があり、また10重量部を越える添加量では、改質の効果が飽和してしまい経済的でない場合がある。
線状ポリプロピレン系樹脂、共役ジエン化合物、およびラジカル重合開始剤を反応させるための装置としては、ロール、コニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー、単軸押出機、2軸押出機などの混練機、2軸表面更新機、2軸多円板装置などの横型撹拌機、ダブルヘリカルリボン撹拌機などの縦型撹拌機、などが挙げられる。これらのうち、混練機を使用することが好ましく、とくに押出機が生産性の点から好ましい。
線状ポリプロピレン系樹脂、共役ジエン化合物、およびラジカル重合開始剤を混合、混練(撹拌)する順序、方法にはとくに制限はない。線状ポリプロピレン系樹脂、共役ジエン化合物、およびラジカル重合開始剤を混合したのち溶融混練(撹拌)してもよいし、ポリプロピレン系樹脂を溶融混練(撹拌)したのち、共役ジエン化合物あるいはラジカル開始剤を同時にあるいは別々に、一括してあるいは分割して混合してもよい。混練(撹拌)機の温度は130〜300℃が、線状ポリプロピレン系樹脂が溶融し、かつ熱分解しないという点で好ましい。またその時間は一般に1〜60分が好ましい。
このようにして、本発明に用いる改質ポリプロピレン系樹脂(B)を製造することができる。
ポリプロピレン系樹脂(A)、(B)の形状、大きさに制限はなく、ペレット状でもよい。
本発明で使用する線状ポリプロピレン系樹脂(A)と改質ポリプロピレン系樹脂(B)の合計100重量部中、線状ポリプロピレン樹脂(A)は、40重量部以上95重量部以下であり、好ましくは50重量部以上80重量部以下である。改質ポリプロピレン系樹脂(B)は5重量部以上60重量部以下であり、好ましくは10重量部以上50重量部以下である。前記配合量であれば、均一微細な気泡を有する、発泡倍率が2倍以上の発泡成形体が得られる。また、薄肉部分を有する成形でショートショットが起こらず、連続して安定した生産が行えるほか、表面平滑性に優れた発泡成形体を安価に提供することが出来る。
本発明で使用する射出発泡成形用ポリプロピレン系樹脂は、線状ポリプロピレン系樹脂(A)と改質ポリプロピレン系樹脂(B)を混合することで得ることが出来る。混合方法は特に限定はなく、公知の方法で行うことが出来、例えば、ペレット状の樹脂をブレンダー、ミキサー等を用いてドライブレンドする、溶融混合する、溶剤に熔解して混合する等の方法が挙げられる。本発明においてはドライブレンドした上で射出発泡成形に供する方法が、熱履歴が少なくて済み、メルトテンションの低下が少なくなる為、好ましい。
本発明における発泡成形体の製造方法の第二の特徴は、前記射出発泡成形用ポリプロピレン系樹脂と発泡剤を含んでなるポリプロピレン系樹脂組成物の溶融物を金型キャビティに射出充填後すぐに、二段階で特定の速度で可動型を後退させて発泡させることである。
前記射出発泡成形用ポリプロピレン系樹脂は、発泡剤を含んだ状態で射出成形機へ供給される。本発明で使用できる発泡剤は、化学発泡剤、物理発泡剤など射出発泡成形に通常使用できるものであればとくに制限はない。化学発泡剤は、前記樹脂と予め混合してから射出成形機に供給され、シリンダ内で分解して炭酸ガス等の気体を発生するものである。化学発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の無機系化学発泡剤や、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタテトラミン等の有機系化学発泡剤があげられる。物理発泡剤は、成形機のシリンダ内の溶融樹脂にガス状または超臨界流体として注入され、分散または溶解されるもので、金型内に射出後、圧力開放されることによって発泡剤として機能する物である。物理発泡剤としては、プロパン、ブタン等の脂肪族炭化水素類、シクロブタン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素類、クロロジフルオロメタン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、窒素、炭酸ガス、空気等の無機ガスがあげられる。これらは単独または2種以上混合して使用してよい。
これらの発泡剤の中では、通常の射出成形機が安全に使用でき、均一微細な気泡が得られやすいものとして、化学発泡剤としては無機系化学発泡剤、物理発泡剤としては窒素、炭酸ガス、空気等の無機ガスが好ましい。これらの発泡剤には、発泡成形体の気泡を安定的に均一微細にするために必要に応じて、例えばクエン酸のような有機酸等の発泡助剤やタルク、炭酸リチウムのような無機微粒子等の造核剤を添加してもよい。通常、上記無機系化学発泡剤は取扱性、貯蔵安定性、ポリプロピレン系樹脂への分散性の点から、10〜50重量%濃度のポリオレフィン系樹脂のマスターバッチとして使用されるのが好ましい。
上記発泡剤の使用量は、最終製品の発泡倍率と発泡剤の種類や成形時の樹脂温度によって適宜設定すればよい。例えば、通常無機系化学発泡剤の場合は、本発明のポリプロピレン系樹脂100重量部に対して好ましくは、0.5重量部以上20重量部以下、さらに好ましくは1重量部以上10重量部以下の範囲で使用される。この範囲で使用することにより、経済的に発泡倍率が2倍以上、且つ均一微細気泡の発泡成形体が得られやすい。
さらに必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を併用してもよい。必要に応じて用いられるこれらの添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で使用されるのはもちろんであるが、一般に本発明のポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは0.01重量部以上10重量部以下使用される。
以下に述べる本発明の射出発泡成形体の製造方法においては、金型が箱形状の場合には、各キャビティ・クリアランスt0、t1、t2は底面部のキャビティ・クリアランスを示す。
発泡剤と前記射出発泡成形用ポリプロピレン系樹脂を含んでなる射出発泡成形用樹脂組成物は、射出成形機シリンダ内で溶融混練された後に、金型が、固定型と前進および後退が可能な可動型とから構成され、最終製品の形状位置に相当する金型キャビティ・クリアランスt2よりも小さい金型キャビティ・クリアランスt0を有する金型キャビティ中に射出充填される(射出工程)。ここで、t0は0.5mm以上、3mm未満であることが好ましい。t0が0.5mm未満の場合には本発明の基材樹脂を用いても安定的に射出充填することが困難な場合があり、また2倍以上の高発泡化も難しい傾向がある。また、t0が3mm以上の場合には軽量化の効果が得られにくい傾向がある。
射出工程の直後に、前記t2よりも小さく、t0よりも大きい金型キャビティ・クリアランスt1まで可動型を後退させる(第一段発泡工程)。ここで、「射出充填工程の直後に」とは、充填完了と略同時に可動型を後退、すなわち金型キャビティを開くことをいう。充填完了してから金型キャビティを開くまでの設定保持時間としては、好ましくは0.5秒未満、さらに好ましくは0.3秒未満である。充填完了してから金型キャビティを開く時間が0.5秒以上になる場合は、本発明のような薄肉キャビティ内に射出充填すると金型キャビティ内の樹脂温度が発泡適性温度を下まわる傾向にあり、2倍以上の高発泡倍率を成形体の一部または全体において得ることが困難になる傾向にある。また、第一段発泡工程における可動型後退後の金型キャビティ・クリアランスt1は、前記t0、t2と次式の関係であることが好ましい。
Figure 0004851104
Figure 0004851104
1が、この範囲内にある場合は、内部ボイドが少なく、表面平滑性の優れた高発泡成形体が得られやすい。
前記第一段発泡工程における金型開速度は、7mm/秒以上100mm/秒以下が好ましく、10mm/秒以上70mm/秒以下であることがさらに好ましい。金型開速度が7mm/秒未満の場合は、気泡が不均一になり、成形体内部にボイドが発生しやすくなるため剛性が低下する傾向にある。金型開速度が100mm/秒を越える場合は、基材樹脂の発泡が金型開速度に追従しにくくなるために表面平滑性が劣る傾向がある。
第1発泡工程の後、可動型を停止させて、前記最終製品の形状位置に相当する金型キャビティ・クリアランスt2よりも小さく、射出充填時の金型キャビティ・クリアランスt0よりも大きい金型キャビティ・クリアランスt1に所定の設定時間保持した後に、最終製品の形状位置に相当する金型キャビティ・クリアランスt2まで可動型を後退させる(第二段発泡工程)。
ここで、前記金型キャビティ・クリアランスt1を保持する設定時間は、好ましくは1秒以上20秒以下、さらに好ましくは3秒以上10秒以下である。t1を保持する設定時間が1秒未満の場合は、成形体内部のボイドが発生しやすく、20秒を越える場合には高発泡化が困難となり、表面平滑性が悪くなる傾向がある。
さらに、第二段発泡工程における金型開速度は、0.5mm/秒以上20mm/秒以下であることが好ましく、1mm/秒以上10mm/秒以下であることがさらに好ましい。金型開速度が1mm/秒未満の場合は、発泡不良となり高発泡化が困難になる場合がある。また、20mm/秒を越える場合には、基材樹脂の発泡が金型開速度に追従しにくくなる場合があり、表面平滑性が劣る場合がある。
その他の成形条件は、各ポリプロピレン系樹脂のMFR、発泡剤の種類、成形機の種類あるいは金型の形状によって適宜調整すればよい。通常、樹脂温度170〜250℃、金型温度10〜100℃、成形サイクル1〜60分、射出速度10〜300mm/秒、射出圧力10〜100MPa等の条件で行われる。
このようにして得られる本発明の発泡成形体は、平均気泡径が好ましくは500μm以下、さらに好ましくは200μm以下の発泡層と、該発泡層の少なくとも片側の表面に形成される厚みが好ましくは10μm以上1000μm以下、さらに好ましくは100μm以上500μm以下の非発泡層とを有する。発泡層の平均気泡径が500μmを越える場合は優れた剛性が得られない場合がある。非発泡層の厚みが10μm未満では外観美麗な表面にならず、剛性も低下する傾向があり、1000μmを越える場合は軽量性が得られにくい恐れがある。
また、本発明の発泡成形体の発泡倍率は、好ましくは2倍以上10倍以下、さらに好ましくは2.5倍以上6倍以下である。発泡倍率が2倍未満では軽量性が得られ難く、10倍を越える場合には剛性の低下が著しくなる傾向がある。発泡倍率は、射出発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物を発泡剤を添加しない以外は発泡成形体と同条件で射出成形した非発泡成形体との比重の比から得られた値である。
さらに、本発明の発泡成形体の次式で示される軽量化率Lは、好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以上である。
Figure 0004851104
ここで、WSは同じ剛性を有する非発泡射出成形体の重量、WEは前記発泡成形体の重量である。軽量化率が20%未満の場合には本発明の特徴である大幅な軽量化が得られない。
本発明における射出発泡成形体の製造方法は、種々の発泡成形体を製造することが可能であるが、とくに底面部と一体的に成形された立壁部とからなる箱形状の発泡成形体を創造する場合に効果を発揮する。通常、箱形状の高発泡成形体を金型キャビティ・クリアランスを拡大させて製造する場合には、底面部にボイドが発生しやすく、剛性低下の原因となることが多かった。本発明の製造方法によれば、箱形状の発泡成形体であっても、2倍を越えるような高発泡化が可能である。
以下に実施例によって本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
実施例および比較例において、各種の評価方法に用いられた試験法および判定基準は次の通りである。
(1)メルトフローレート:ASTM1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgで測定した。
(2)メルトテンション:メルトテンション測定用アタッチメントを付けたキャピログラフ(東洋精機製作所製)を使用した。230℃でφ1mm、長さ10mmの孔を有するダイスから、ピストン降下速度10mm/分で降下させたストランドを1m/分で引き取り、安定後に40m/分2で引き取り速度を増加させたとき、破断したときのロードセル付きプーリーの引き取り荷重をメルトテンションとした。
(3)歪硬化性:上記メルトテンション測定時、引き取り速度を増加させたときに急激に引き取り荷重が増加し、破断に至った場合を「歪硬化性を示す」、そうでない場合を「歪硬化性を示さない」とした。
(4)射出発泡成形性:連続して20ショット成形したときにショートショットになった個数(不良個数)を求めて、次の3段階で評価した。
不良個数が0個・・・・・・・○
不良個数が1〜2個・・・・・△
不良個数が3個以上・・・・・×
(5)表面平滑性:発泡成形体の表面凹凸の程度を次の3段階で評価した。
表面凹凸のほとんどないもの・・・○
表面凹凸が若干あるもの・・・・・△
表面凹凸が多いもの・・・・・・・×
(6)発泡倍率:発泡成形体の底面部から表面の非発泡層も含めた試片を切り出し、別途作製した肉厚3mmの非発泡成形体(参考例1)の底面部との比重の比から求めた。
(7)平均気泡径、非発泡層厚み:発泡成形体の底面部を厚み方向に切断した断面の顕微鏡写真より求めた。平均気泡径については任意に選んだ20個の平均値とした。非発泡層は可動型側と固定型側の平均値とした。
(8)内部ボイド:発泡成形体の底面部を厚み方向に切断した断面を観察し、発泡層中の大きさ1mm以上のボイドの有無をしらべた。
内部ボイドがほとんどないもの・・・・・○
有るもの・・・・・・・・・・・・・・・×
(9)剛性:JIS−K6911に準拠して試片の長手方向が射出樹脂流れ方向に直角になるように、発泡成形体の底面部から10mm巾に切り出した試片について測定した曲げ弾性率(E)と断面二次モーメント(I)から、次式を用いて曲げ剛性(G)を求めた。
Figure 0004851104
ここで断面二次モーメント(I)は、試片の巾(b)および厚み(h)から次式で表される。
Figure 0004851104
(10)軽量化率:軽量化率を求める発泡成形体の重量をWE、後述の参考例にしたがって作製した、これと同じ剛性Gを有する非発泡射出成形体の重量をWSを予め図1から求めておき、式3から軽量化率Lを計算した。
Figure 0004851104
次に、実施例、比較例で使用したポリプロピレン系樹脂、発泡剤を以下に示す。
(A)線状ポリプロピレン系樹脂
PP−1:プロピレン・エチレン・ブロックコポリマー、メルトフローレート45g/10分、メルトテンション1cN以下
PP−2:プロピレン・エチレン・ブロックコポリマー、メルトフローレート30g/10分、メルトテンション1cN以下
PP−3:プロピレン・エチレン・ブロックコポリマー、メルトフローレート5g/10分、メルトテンション1cN以下
(B)改質ポリプロピレン系樹脂
MP−1:線状ポリプロピレン系樹脂としてメルトフローレート4g/10分のポリプロピレン・ホモポリマー100重量部と、ラジカル重合開始剤としてt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.4重量部の混合物を、ホッパーから50kg/時で46mmφ二軸押出機(L/D=40)に供給してシリンダ温度200℃で溶融混練し、途中に設けた圧入部よりイソプレンモノマーを定量ポンプを用いて0.3kg/時の速度で供給し、ストランドを水冷、細断することにより得た改質ポリプロピレン系樹脂(メルトフローレート0.5g/10分、メルトテンション16cN、歪硬化性を示す)
MP−2:線状ポリプロピレン系樹脂としてメルトフローレート15g/10分のポリプロピレン・ホモポリマー、ラジカル重合開始剤の混合量として0.7重量部、イソプレンモノマーの供給量を1kg/時とした以外はMP−1と同様にして得た改質ポリプロピレン系樹脂(メルトフローレート3g/10分、メルトテンション14cN、歪硬化性を示す)
MP−3:チッソ社製FH6000(ホモポリマー、メルトフローレート0.5g/10分、メルトテンション7cN、歪硬化性を示さない)
(C)発泡剤
BA−1:化学発泡剤マスターバッチ(永和化成社製ポリスレンEE275、分解ガス量40ml/g)
BA−2:炭酸ガス(純度99%以上)
(実施例1〜7)
線状ポリプロピレン系樹脂(A)、改質ポリプロピレン系樹脂(B)、発泡剤(C)を表1に示す組成比でドライブレンドし、射出発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
宇部興産機械(株)製「MD350S−IIIDP型」(シャットオフノズル仕様)の射出成形機で、樹脂温度200℃、背圧5MPaで前記発泡剤を含む樹脂組成物を溶融混練した後、40℃に設定された、φ2mmのピンゲートを有し、固定型と前進および後退が可能な可動型とから構成される、縦330mm×横230mm×高さ100mmの箱形状のキャビティ(立壁部:傾斜10度、クリアランス3mm、底面部:クリアランスt0)を有する金型中に、射出速度100mm/秒で射出充填した(射出工程)。射出充填完了直後に(設定保持時間が0秒)、底面部の金型キャビティ・クリアランスt1まで可動型を後退させ、キャビティ内の樹脂を発泡させた(第一段発泡工程)。
次に、前記金型底面部のクリアランスt1の状態で所定の設定時間保持した後、さらに最終製品の形状位置に相当する底面部の金型キャビティ・クリアランスt2まで可動型を後退させて再度発泡を行った(第二段発泡工程)。発泡完了後60秒間冷却してから発泡成形体を取り出した。
このときの各工程におけるそれぞれの金型底面部のクリアランス、可動型の後退速度、設定保持時間を表2に示す。また、射出発泡成形性、得られた発泡成形体の剛性および軽量化率を表3に示す。
本発明のポリプロピレン系樹脂は流動性に優れていることから、射出充填時の金型キャビティ・クリアランスが2mm以下においても、連続成形時のショートショットが起こりにくく、射出発泡成形性が良好である。また、このような成形方法によって得られた箱形状の発泡発泡成形体は、表面凹凸がほとんどなく表面平滑性に優れたものであり、発泡倍率2.4〜4.8倍の範囲内にあり、高発泡倍率のものである。平均気泡径は150μm以下で200〜400μmの非発泡層(スキン層)を有しており、成形体内部のボイドもほとんどなかった。この結果、箱形状の発泡成形体にもかかわらず、同等の剛性を有する非発泡成形体に対して、27〜41%の軽量化率を達成した。
(参考例)
実施例において、改質ポリプロピレン系樹脂、発泡剤を使用せず射出充填し、60秒間冷却した後に非発泡成形体を取り出した。このとき、初期の金型底面部のクリアランスを変えることにより、底面部の肉厚の異なる成形体が得られた。
(比較例1)
キャビティ拡大による発泡を一段階で行った以外は、実施例6と同様にして実施した。結果を表3に示す。発泡倍率が成形体内部にボイドが発生し、表面平滑性、剛性が低下した。
(比較例2)
第二段発泡工程の設定保持時間が無かった以外は、実施例6と同様にして実施した。結果を表3に示す。発泡倍率が成形体内部にボイドが発生し、表面平滑性、剛性が低下した。
(比較例3)
改質ポリプロピレン系樹脂を使用しなかった以外は、実施例6と同様にして実施した。結果を表3に示す。発泡倍率が2倍程度しか得られず、成形体内部にボイドが発生し、表面平滑性も悪かった。剛性が著しく低下したため、軽量化率も20%未満であった。
(比較例4)
改質ポリプロピレン系樹脂がMP−3(本発明の歪硬化性を示さない)を使用した以外は、実施例6と同様にして実施した。結果を表3に示す。発泡倍率が2倍程度しか得られず、成形体内部にボイドが発生し、表面平滑性も悪かった。剛性が著しく低下したため、軽量化率も20%未満であった。
(比較例5)
線状ポリプロピレン系樹脂がPP−3(メルトフローレートが本発明の範囲外)を使用した以外は、実施例6と同様にして実施した。結果を表3に示す。連続成形において20ショット中、2ショットにショートショットが発生し、射出発泡成形性に劣ることが判明した。
(比較例6)
線状ポリプロピレン系樹脂を使用しなかった以外は、実施例6と同様にして実施した。結果を表3に示す。連続成形において20ショット中、5ショットにショートショットが発生し、射出発泡成形性に劣ることが判明した。
(実施例8〜10)
線状ポリプロピレン系樹脂(A)、改質ポリプロピレン系樹脂(B)に発泡造核剤として前記化学発泡剤マスターバッチB−1を表4に示す組成比でドライブレンドし、射出発泡成形用ポリプロピレン系樹脂混合物を得た。
実施例1〜7で使用した射出成形機をベントタイプ仕様に変え、さらに旭エンジニアリング(株)製「炭酸ガス供給装置MAC−100」を用いて炭酸ガスを圧力一定で供給できるようにした。溶融樹脂に対する炭酸ガス溶解量は、表4に示すように炭酸ガス供給圧力で制御した。成形条件を表5に示す。その他の成形条件は実施例1〜7と同様にした。
このときの射出発泡成形性、得られた発泡成形体の剛性および軽量化率を表6に示す。本発明のポリプロピレン系樹脂は流動性に優れていることから連続成形時のショートショットが起こりにくく、射出発泡成形性が良好である。また、このような成形方法によって得られた箱形状の発泡発泡成形体は、表面凹凸がほとんどなく表面平滑性に優れたものであり、発泡倍率2.5倍〜3.1倍であり、高発泡倍率のものである。平均気泡径は160μm以下で300〜400μmの非発泡層(スキン層)を有しており、成形体内部のボイドもほとんどなかった。この結果、箱形状の発泡成形体にもかかわらず、同等の剛性を有する非発泡成形体に対して、27〜41%の軽量化率を達成した。
(比較例7)
キャビティ拡大による発泡を一段階で行った以外は、実施例8と同様にして実施した。結果を表6に示す。発泡倍率が成形体内部にボイドが発生し、表面平滑性、剛性が低下した。
(比較例8)
改質ポリプロピレン系樹脂を使用しなかった以外は、実施例8と同様にして実施した。結果を表6に示す。発泡倍率が2倍程度しか得られず、成形体内部にボイドが発生し、表面平滑性も悪かった。剛性が著しく低下したため、軽量化率も20%未満であった。
Figure 0004851104
Figure 0004851104
Figure 0004851104
Figure 0004851104
Figure 0004851104
Figure 0004851104
本発明の射出発泡成形体の製造方法は、溶融時の流動性が高く、且つ、メルトテンションも高いポリプロピレン系樹脂を使用することにより、大幅な軽量化に必要な薄肉射出充填が可能である。また、得られた発泡成形体は、高発泡倍率であるがために軽量性、剛性、表面平滑性に優れている。さらに、本発明の製造方法によれば、箱形状の発泡成形体で効果を発揮することからことから、ラゲージボックス、コンソールボックス、ツールボックス等の自動車内装材をはじめ、食品包装用容器、家電ハウジング、日用雑貨品のボックス類等に広く使用できる。
参考例における非発泡射出成形体の成形体重量と底面部から切り出した試片の剛性との関係を示した図である。 参考例、実施例において、箱形状金型にポリプロピレン系樹脂を射出充填した状態である。 実施例において、箱形状金型の可動型を移動させてキャビティを拡大し、充填された樹脂を発泡させた状態である。
符号の説明
1 可動型
2 固定型
3 ゲート
4 射出成形機のノズル先端部
5 底面部
6 立壁部
7 金型キャビティ内に射出充填された樹脂
8 発泡成形体

Claims (6)

  1. ポリプロピレン系樹脂と発泡剤を含んでなるポリプロピレン系樹脂組成物の溶融物を金型内に射出して発泡成形体を製造する方法において、
    前記ポリプロピレン系樹脂が(A)メルトフローレートが10g/10分以上100g/10分以下、メルトテンションが2cN以下である線状ポリプロピレン系樹脂40重量部以上95重量部以下と、(B)メルトフローレートが0.1g/10分以上10g/10分未満、メルトテンションが5cN以上で、かつ歪硬化性を示す改質ポリプロピレン系樹脂5重量部以上60重量部以下(ただし、線状ポリプロピレン系樹脂(A)と改質ポリプロピレン系樹脂(B)の合計は100重量部)とからなり、
    金型が固定型と前進および後退が可能な可動型とから構成され、最終製品の形状位置に相当する金型キャビティ・クリアランスtよりも小さい金型キャビティ・クリアランスt(ただし、tは0.5mm以上2mm以下である)を有する金型キャビティ中に前記溶融混合物を射出充填する射出工程、
    射出充填完了後、金型キャビティを開くまでの設定保持時間を0.3秒未満とし、設定保持後にtよりも小さく、tよりも大きい金型キャビティ・クリアランスtまで可動型を後退させる第一段発泡工程、
    次いでtのクリアランスを所定の設定時間保持した後に、さらに最終製品の形状位置に相当する金型キャビティ・クリアランスtまで可動型を後退させる第二段発泡工程
    を含むことを特徴とする射出発泡成形体の製造方法。
  2. 前記改質ポリプロピレン系樹脂(B)が、線状ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合開始剤、共役ジエン化合物を溶融混合して得られたものであることを特徴とする請求項1記載の射出発泡成形体の製造方法。
  3. 前記第一段発泡工程における金型開速度が7mm/秒以上100mm/秒以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の射出発泡成形体の製造方法。
  4. 前記第二段発泡工程における金型開速度が0.5mm/秒以上20mm/秒以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の射出発泡成形体の製造方法。
  5. 前記t、t、tの関係が次式で示されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の射出発泡成形体の製造方法。
    Figure 0004851104
    Figure 0004851104
  6. 前記第二段発泡工程における金型キャビティ・クリアランスtを保持する設定時間が1秒以上20秒以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の射出発泡成形体の製造方法。
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