JP3252728B2 - 表皮一体成形方法 - Google Patents

表皮一体成形方法

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JP3252728B2 JP32247796A JP32247796A JP3252728B2 JP 3252728 B2 JP3252728 B2 JP 3252728B2 JP 32247796 A JP32247796 A JP 32247796A JP 32247796 A JP32247796 A JP 32247796A JP 3252728 B2 JP3252728 B2 JP 3252728B2
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア材の賦形と同
時に、コア材の表面に起毛層を有する加飾性表皮材を融
着一体化した成形品を得る表皮一体成形方法に関するも
のであり、特に、起毛層の毛倒れ等表皮材の風合いを損
なうことなく、高品質な成形品を低コストで提供できる
表皮一体成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、家電、建材等に使用され
る樹脂成形部品は、クッション性、装飾性、手触り感等
の付加価値を高めたり、あるいは、成形工程の省工程化
によるコストダウンのため、下記に示すようなコア層樹
脂の表面に、たとえば起毛性表皮材などの加飾性ある表
皮材を一体成形する2層成形が実施されていた。すなわ
ち、 射出成形機を使用して行なう場合 型開された両金型間に表皮材をセットし、型閉して型締
を行ない、その後、表皮材と金型とで形成された金型キ
ャビティ内に、コア材となる溶融樹脂を射出充填する。
そして、射出ユニットを用いて保圧供給を行ない、規定
時間冷却を行ない、型開して製品取出を行なう。この方
法の型締から製品取出までは、通常の射出成形方法の成
形動作となり、射出充填中に樹脂が漏れないように金型
は高圧型締されている。 プレス成形機を使用して行なう方法 型開された両金型間に表皮材をセットし、所定の型開量
に両金型を保持したまま、表皮材と金型とで形成される
空間内に、コア材となる溶融樹脂を射出充填した後、両
金型を型締プレスし、その後、規定時間冷却を行ない、
型開して製品取出を行なう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法では、下記に示すような問題があった。 (1)コア材の射出時や型締プレス時に、高温高圧の溶
融樹脂が表皮材に負荷されコア材冷却完了まで継続され
るため、表皮材の損傷が激しく、品質ダウンや外観不良
を招来する。たとえば、発泡性の表皮材では、発泡層の
潰れによるクッション性の消失が起こり、起毛性表皮材
では、毛倒れによる風合い(手触り感と高級感)の消失
が起こり、外観不良を起こし品質ダウンする。 (2)そのための一つの対策として、成形後に倒れた起
毛を復元する後工程を追加することも実施されたが、コ
ストアップにつながる難点があるうえ風合いを完全に復
帰させることが困難であった。 (3)また、さらに別の一つの対策として、表皮材のコ
ア材側の面に耐圧、耐熱性を有する保護層を貼り付けて
多層化し、成形時の表皮材への外力負荷を防止すること
も実施されたが、やはりコストアップとなるばかりでな
く、表皮材の損傷を完全に防止することは困難であっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために、本発明においては、第1の発明では、対向
する左右一対または上下一対の金型の間に表面に起毛層
を有する表皮材を介在させて型締した後、該表皮材と該
両金型とで形成される金型キャビティ空間内にコア材と
なる溶融樹脂を射出充填して、該表皮材と該コア材とを
一体成形する表皮一体成形方法において、該表皮材起毛
層は、融点が該コア材の融点より高く、ガラス転移点が
該コア材の融点よりも低い材質を選定し、コア材樹脂の
射出充填後の該コア材樹脂の冷却固化後は、あらかじめ
該表皮材起毛層のガラス転移点と融点との間のゴム状弾
性を示す温度領域内で設定した設定温度に金型キャビテ
ィ内の該コア材樹脂の温度が到達した時点で、該表皮材
起毛層への負荷力を除去するとともに、該表皮材起毛層
の厚さに応じて該表皮材と金型キャビティとの間に隙間
を設けて、所定の設定時間保持するようにした。また、
第2の発明では、第1の発明において、あらかじめ樹脂
の冷却固化収縮量を算出し、該冷却固化収縮量を加算し
た樹脂量を射出充填するとともに、金型キャビティ内の
樹脂圧があらかじめ設定した圧力範囲内になるように型
締圧力を制御し、かつ、該表皮材起毛層の厚さに応じて
該表皮材と金型キャビティとの間に隙間を設けるように
金型位置を制御した。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明においては、対向する左右
一対または上下一対の金型の間に表面に起毛層を有する
表皮材を介在させて型締した後、該表皮材と該両金型と
で形成される金型キャビティ空間内にコア材となる溶融
樹脂を射出充填して、該表皮材と該コア材とを一体成形
する表皮一体成形方法において、該表皮材起毛層は、融
点が該コア材の融点より高く、ガラス転移点が該コア材
の融点よりも低い材質を選定し、コア材樹脂の射出充填
後の該コア材樹脂の冷却固化後は、あらかじめ該表皮材
起毛層のガラス転移点と融点との間のゴム状弾性を示す
温度領域内で設定した設定温度に金型キャビティ内の該
コア材樹脂の温度が到達した時点で、該表皮材起毛層へ
の負荷力を除去するとともに、該表皮材起毛層の厚さに
応じて該表皮材と金型キャビティとの間に隙間を設け
て、所定の設定時間保持するようにしたので、 コア材樹脂の射出充填と同時に、表皮材はコア材樹
脂の熱量により加熱され、コア材樹脂の充填完了後は、
コア材樹脂の冷却固化の進行に応じて表皮材も冷却され
る。ここで、コア材樹脂の温度が、表皮材起毛層のゴム
状弾性を示す温度領域内(融点Tm〜ガラス転移点T
g)の時点で、表皮材起毛層への負荷力を0とすると同
時に、回復スペースを確保した隙間を金型に与えること
によって、表皮材から金型への伝熱が遮断されるため、
たとえ表皮材起毛層の温度がガラス転移点Tg以下に冷
却されていたとしても、コア材樹脂の熱量により、表皮
材起毛層は融点Tm〜ガラス転移点Tgのゴム状弾性を
示す温度領域に再加熱される。この状態で規定時間保持
することにより、成形中の外力で変形した起毛層は弾性
力により回復し、成形後においても表皮材の風合いが確
保される。この際、コア材樹脂の融点T’mが表皮材起
毛層のガラス転移点Tgよりも大きいために、コア材樹
脂は十分に冷却固化されている状態であるので、成形後
の成形品の変形や反りはほとんど無い。また、金型キャ
ビティ内樹脂圧(型締圧)制御を行なうことにより、表
皮材の損傷を極力抑え、完全な弾性力による回復を実現
する。上記の作用は、成形中に自然に行なわれ、後工程
や多層表皮化は不要となり、低コスト化や高品質の成形
品の安定供給が達成される。 冷却固化収縮量を加算した樹脂量を射出充填した後
で、金型キャビティ内樹脂圧(型締圧)制御を行なうこ
とにより、樹脂の冷却固化挙動に応じた型締側からの均
一な全面保圧作用が行なわれ、変形や反りを起こすこと
なく、表皮材のコア材への密着性の均一化を図ることが
できる。同時に、また、射出開始から冷却完了までの表
皮材への圧力負荷を最小化することにより、表皮材の損
傷が低減され、弾性力を利用した回復に要する時間が短
縮されるとともに、成形サイクル短縮化に寄与する。
【0006】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図3は本発明の実施例に係り、
図1は本発明に使用する射出成形機の全体構成図、図2
は表皮一体成形工程のフローチャート、図3は表皮一体
成形工程における表皮材起毛層とコア材樹脂の温度変化
を示すグラフである。
【0007】図1に示すように、本発明における射出成
形機100は、金型装置10と型締装置20と射出装置
30と制御装置60とで構成される。金型装置10は、
固定盤1に取り付けられた固定金型3と可動盤2に取り
付けられた可動金型4とからなり、可動盤2および可動
金型4は型締装置20の型締シリンダ22で前後進でき
るよう構成される。型締装置20は、金型装置10の両
金型3、4の型開、型閉を作動する型締シリンダ22を
備えており、可動金型4が固定金型3に対して図示しな
いタイバーに案内されて前後進する。
【0008】射出装置30は、バレル32内の外周にス
パイラル状に取り付けられたスクリュ羽根36を備えた
スクリュ34が、正逆転油圧モータ42および射出シリ
ンダ40により回転自在で、かつ前後進自在に配設さ
れ、ホッパ38に供給された樹脂ペレットを加熱溶融し
て混練しつつノズル39を経由して、金型3、4間に形
成される金型キャビティ5内へ溶融樹脂を射出する。す
なわち、射出装置30は、ホッパ38内の樹脂原料をバ
レル32内の供給ゾーン、圧縮ゾーンにおいて加熱圧縮
し、計量ゾーンにおいて溶融計量し、射出ゾーンを経て
ノズル39を介して金型キャビティ5内へ射出するよう
構成される。射出シリンダ40および正逆転油圧モータ
42には、油圧供給源50により供給される作動油が射
出制御部61の操作指令を受けた油圧制御弁52で設定
された一定の圧力で供給され、駆動される。
【0009】一方、制御装置60は、図1に示すよう
に、固定金型3に配置された樹脂圧センサ63で計測さ
れた圧力情報と両金型3、4間の型開量を検知する位置
センサ64の位置情報と温度センサ65で計測されたコ
ア材樹脂温度情報とを入力し型締装置20の型締シリン
ダ22に油圧制御弁69を経由して操作信号を与える型
締制御部62と、型締制御部62に接続されたタイマ6
6と、型締制御部62に接続された射出制御部61とで
構成される。70は油圧供給源である。なお、本実施例
では、直圧式の型締装置を有する射出成形機を用いた
が、トグル型締装置の射出成形機や、あるいは竪型の射
出成形機または電動式の型締装置を有する射出成形機を
使用してもよい。
【0010】図2は本発明の表皮一体成形方法の成形工
程の実施例を示したもので、図2に示す工程にしたがっ
て操業する。 (1)まず、金型装置10の両金型3、4を型開し、金
型パーティング面の金型キャビティ5に対向する所定位
置に表皮材Sをセットし、周縁部を把持してから両金型
を低圧型閉する。表皮材Sは、PP(ポリプロピレ
ン)、PE(ポリエチレン)等の樹脂シート表面に合成
繊維の起毛層を形成した2層シートである。なお、樹脂
シートは、成形品表面に起毛層を形成し、かつ、コア材
との融着一体化を図る目的で設けられる。そして、必要
に応じて、樹脂シート裏面にクッション層等を設けても
よい。また、本実施例では、表皮材はシート状のものを
用いたがあらかじめ成形品形状に概略成形したプリ成形
品でもよい。起毛層は、弾性力による回復現象を利用す
るため、融点Tmがコア材樹脂の融点T’mよりも高
く、ガラス転移点Tgがコア材樹脂の融点T’mよりも
低い材質のものを採用する。具体的な例として、たとえ
ば、コア材QにPP(タルク添加でもよい)を使用した
場合、コア材融点T’mは170〜180℃であるから
起毛層にPET(融点Tm=230〜240℃、ガラス
転移点Tg=70〜90℃)を採用する。
【0011】(2)次に、低圧型締状態を保持したま
ま、冷却固化収縮量を加算した樹脂量のコア材Qを金型
キャビティ5内へ射出充填する。コア材Qの射出充填中
は、あらかじめ設定した金型キャビティ内樹脂圧設定値
となるような型締圧制御を行なう。金型キャビティ内樹
脂圧設定値による型締圧制御を行なう理由は、成形中の
表皮材の損傷を極力抑え、弾性力による回復現象を利用
する際に起毛層の完全な回復を実現するためであり、も
う一つの理由は射出充填中のコア材Qの樹脂漏れを防止
するためである。ここで、樹脂圧力(型締圧力)が高す
ぎると、表皮材Sの損傷度が大で、たとえば、従来方法
の射出成形機を利用する場合には、一般に300kgf
/cm2以上の高圧となり、起毛の弾性力による回復に
多大の時間を要するか、場合によっては起毛の完全回復
が出来なかった。これに対して、樹脂圧力が低すぎる
と、射出充填中の金型の型開量が大となり、樹脂漏れを
起こし、これを防止するためには、たとえば、金型パー
ティング面がシェアエッジ構造のような特殊構造の金型
が必要となり、コストアップを招来する。短時間であれ
ば、比較的高圧であっても起毛層の損傷は小さく、たと
えば、樹脂圧が70〜150kgf/cm2 程度で、型
開量が1mm以下となり、この場合は表皮材の周縁をパ
ーティング面保持していることによって樹脂漏れが防止
できる。さらに、型開挙動により、ガス抜き効果による
低圧化短時間充填が達成され、起毛層の損傷低減がより
一層図られるため、起毛層の短時間の完全回復が可能と
なる。
【0012】(3)コア材Qの射出充填が完了すると、
型締保圧工程に入る。型締保圧工程においても、金型キ
ャビティ5内の樹脂圧を樹脂圧センサ63で検知して、
樹脂圧があらかじめ設定した設定圧力範囲内の圧力にな
るように、型締圧力制御する。この際、樹脂の冷却固化
収縮量を加算した樹脂量を金型キャビティ内へ充填して
いることにより、樹脂の冷却固化収縮挙動に対応した型
締側からの比較的低圧の保圧力の負荷でよく、たとえ
ば、樹脂圧を10〜30kgf/cm2 程度とすること
によって全面的、均一化された低圧の保圧作用によっ
て、コア材Qの賦形と同時に変形や反りが無く、表皮材
Sとコア材Qとが均一に密着した良好な表皮一体成形品
が得られる。同時に、表皮材の損傷も極力抑えられるの
で、その後の弾性力による回復の際には、短時間完全回
復が可能となる。
【0013】(4)型締保圧中は、温度センサ65によ
り、コア材Qの温度検出を行ない、あらかじめ設定した
温度T1 に達すると、型締保圧力を除去して(表皮材S
への負荷外力は0となる)、位置センサ64を介して型
開量を計測しつつ設定型開量Wに型開保持し、あらかじ
め設定した時間t1 を経過後(型開保圧完了後)に型開
して、製品を取り出す。
【0014】ここで、コア材Qの賦形の観点からは、型
締保圧力の負荷は長時間継続が望ましいが、表皮材Sの
損傷防止を考慮すると、型締保圧力の負荷は逆に短時間
が望ましく、両者のバランスを取ることが重要である。
成形中の表皮材Sおよびコア材Qの温度変化を図3に示
す。すなわち、コア材Qの射出充填とともに、起毛層を
含む表皮材Sは、コア材Qの熱量により加熱され、たと
えば、本実施例では、表皮材Sの起毛層のガラス転移点
Tgよりも高温の100〜120℃に昇温されることが
確認済みである。このとき、コア材Qは、たとえば、P
P樹脂を用いた場合、通常、200〜240℃に設定さ
れた温度で射出充填される。充填完了後は、金型との伝
熱によりコア材Qおよび表皮材Sは冷却されていく。
【0015】ここで、設定温度T1 は、コア材Qの冷却
固化が十分に進行し(賦形は完了状態に近づいてい
る)、かつ、表皮材Sの起毛層がゴム状弾性を示す温度
領域(Tm〜Tg)に相当するコア材Qの温度で設定す
る(図3のA状態)。したがって、コア材Qの融点T’
mが、表皮材Sの起毛層の融点Tmとガラス転移点Tg
との間にあるようなコア材Q、表皮材Sを選択する。
【0016】なお、設定型開量Wは、起毛層の厚さと同
等か、それ以上とし、起毛層と金型との間に隙間を設け
ることによって起毛層の弾性力による回復スペースを確
保するとともに、起毛層と金型との伝熱を遮断すること
によって、たとえ起毛層の温度がガラス転移点Tgより
も低温に冷却されていたとしても、コア材Qの熱量によ
り表皮材Sの起毛層は、コア材Qと同程度の温度(Tm
〜Tg)のゴム状弾性を示す温度領域に再加熱され、そ
の後、コア材Qと同様な冷却過程を得る。
【0017】設定時間t1 は、弾性力による回復に要す
る時間であり、再加熱された起毛層温度(Tm〜Tg)
により異なるが、極めて短時間でよいことが確認され
た。したがって、本実施例では、コア材QにPP樹脂を
用いた場合、通常、設定されている製品取出温度までの
冷却時間設定を超えることの無い範囲内で設定し、成形
サイクルが長くならないようにした。
【0018】このように、TmとTgの間のゴム状弾性
を示す温度領域内の設定温度T1 で、負荷圧力を0とし
て、設定型開量Wで設定時間t1 保持することにより、
成形中に変形した起毛層は弾性力により回復する。さら
に圧力制御による損傷最小化効果により起毛層は極めて
短時間でほとんど原形を保った状態となる。このよう
に、起毛層の完全な回復が達成され、表皮材Sの風合い
が確保されるばかりでなく、従来、必要としていた後処
理工程、保護シートのラミネート化が不要となり、手触
りや高級感に優れた極めて高品質の表皮一体成形品を低
コストで安定供給できる。また、コア材Qの冷却固化が
十分に進行するまでの型締保圧力の負荷の効果と相乗し
て、型開保持中においても、コア材樹脂は金型キャビテ
ィと完全密着する結果、コア材Qの熱変形が阻止され、
冷却効率もアップしてサイクル短縮が促進される。
【0019】なお、本実施例においては、表皮材Sの保
温とコア材Qの流動性を確保するために、金型は出来る
だけ高温がよいが、サイクルアップの点も考慮して、た
とえば、コア材QにPP樹脂を用いた場合、金型温度を
30〜60℃とした。この場合、成形品の変形抑制やサ
イクル短縮を加味して、コア材Q側の金型温度と表皮材
S側の金型温度との間に必要に応じて差を設けてもよ
い。
【0020】また、本発明においては、上述したよう
に、型締保圧中のコア材Qの温度を検知して保圧工程を
制御したが、数回の成形トライによって射出開始から設
定温度T1 到達時間が計測されるので、この計測時間t
2 を型開設定することにより、タイマ制御(図2の破線
の工程)が可能となり、その結果、操作性がアップする
など制御が容易となり、低コスト、安定供給化のレベル
アップに繋がっている。さらに、たとえば、0.5〜1
mmの型開状態でコア材射出を行なったり、あるいは、
射出時の型開量を0.5〜1mmに制御することによ
り、型締圧制御と場合と同様な効果(ガス抜き、低圧化
充填)を達成できる。また、型締圧を所望の樹脂圧換算
で設定して、型締圧基準で制御することも可能である。
この場合、型開挙動により型締圧と樹脂圧とはバランス
され、また、保圧工程は型締側から作用させるため、樹
脂圧を検知して型締圧力制御にフィードバックさせた本
実施例と同様の制御が達成される。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法によれ
ば、下記のような優れた効果が達成される。 (1)起毛層を有する表皮材の毛倒れによる手触り感、
高級感等の風合いを損なうことなく、非常に優れた外観
性能を有する表皮一体成形品が低コストで安定して得ら
れる。 (2)樹脂の冷却固化収縮挙動に応じた型締側からの全
面均一保圧作用と十分な型締保圧力の負荷の継続によ
り、変形、反りの無い良好な成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る射出成形機の全体構成図
である。
【図2】本発明の実施例の係る表皮一体成形工程(第1
実施例)のフローチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る表皮一体成形工程におけ
る表皮材起毛層およびコア材樹脂温度変化を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 固定盤 2 可動盤 3 固定金型 4 可動金型 5 金型キャビティ 10 金型装置 20 型締装置 22 型締シリンダ 30 射出装置 32 バレル 34 スクリュ 36 スクリュ羽根 38 ホッパ 39 ノズル 40 射出シリンダ 42 油圧モータ 50 油圧供給源 52 油圧制御弁 60 制御装置 61 射出制御部 62 型締制御部 63 樹脂圧センサ 64 位置センサ 65 温度センサ 66 タイマ 69 油圧制御弁 70 油圧供給源 100 射出成形機 Q コア材(コア材樹脂) S 表皮材 P1 設定圧力 P2 設定圧力 Tm 融点(表皮材) T’m 融点(コア材) Tg ガラス転移点(表皮材) T1 設定温度 t1 設定時間 t2 設定時間 W 設定型開量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 9:00 B29L 9:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/16 - 45/70 B29C 105:20 - 105:22 B29L 9:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する左右一対または上下一対の金型
    の間に表面に起毛層を有する表皮材を介在させて型締し
    た後、該表皮材と該両金型とで形成される金型キャビテ
    ィ空間内にコア材となる溶融樹脂を射出充填して、該表
    皮材と該コア材とを一体成形する表皮一体成形方法にお
    いて、 該表皮材起毛層は、融点が該コア材の融点より高く、ガ
    ラス転移点が該コア材の融点よりも低い材質を選定し、 コア材樹脂の射出充填後の該コア材樹脂の冷却固化後
    は、あらかじめ該表皮材起毛層のガラス転移点と融点と
    の間のゴム状弾性を示す温度領域内で設定した設定温度
    に金型キャビティ内の該コア材の温度が到達した時点
    で、該表皮材起毛層への負荷力を除去するとともに、 該表皮材起毛層の厚さに応じて該表皮材と金型キャビテ
    ィとの間に隙間を設けて、所定の設定時間保持したこと
    を特徴とする表皮一体成形方法。
  2. 【請求項2】 あらかじめ樹脂の冷却固化収縮量を算出
    し、該冷却固化収縮量を加算した樹脂量を射出充填する
    とともに、金型キャビティ内の樹脂圧があらかじめ設定
    した圧力範囲内になるように型締圧力を制御し、かつ、
    該表皮材起毛層の厚さに応じて該表皮材と金型キャビテ
    ィとの間に隙間を設けるように金型位置を制御した請求
    項1記載の表皮一体成形方法。
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