JP3603581B2 - 表皮材インサート成形方法及び装置 - Google Patents

表皮材インサート成形方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コア材の賦形と同時に、コア材の表面に加飾用表皮材を融着一体化した成形品を得る表皮材インサート成形方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車、家電、建材等に使用される樹脂成形品は、装飾性、手触り感、クッション性等の付加価値を付けて品質を高めたり、成形工程の省工程化によるコストダウンのために、下記に示すようなコア層樹脂の表面にたとえば起毛状表皮材等の加飾用表皮材を一体成形する、2層成形が実施されていた。すなわち、
▲1▼ 射出成形機を使用して2層成形を行なう方法
型開きされた両金型間に加飾用表皮材をセットし、型閉じして型締力を作用させた後、加飾用表皮材と金型とで形成された金型キャビティ空間内に、射出装置によりコア材となる溶融樹脂を射出充填する。保圧、冷却の完了後、型開きして成形品取出しを行なう。
▲2▼ プレス成形機を使用して2層成形を行なう方法
型開きされた両金型間に加飾用表皮材をセットし、型閉じして両金型間に所定の型開量を保持したまま、加飾用表皮材と金型とで形成された金型キャビティ空間内に、樹脂溶融ユニットによりコア材となる溶融樹脂を吐出する。両金型を型閉じプレスして型締力を作用させ所定時間冷却の後、型開きして成形品取出しを行なう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の方法では、下記に示すような問題があった。(1)コア材となる溶融樹脂の射出充填や型閉じプレス時から冷却完了まで、加飾用表皮材に高温高圧のコア材樹脂が継続して負荷されるため、品質低下や外観不良を招来する。たとえば、ソフト感やクッション性を付与させることを狙って裏面に発泡層をラミネートした加飾用表皮材を使用しても、高温高圧の作用によって発泡層が潰れて期待するソフト感やクッション性が得られないという問題があった。また、手触り感や高級質感を付与させることを狙って表面に起毛層をラミネートした加飾用表皮材を使用しても、高温高圧の作用によって起毛部が毛倒れして期待する手触り感や高級質感が得られないという問題があった。
(2)耐熱耐圧性を有するシート層等の保護層をラミネートして、成形中のコア材溶融樹脂からの熱的および圧力的影響をある程度抑えることは可能であるが、完全な解決策にはならないうえに加飾用表皮材のコストアップにつながる難点があった。
(3)ソフト感、クッション性、手触り感、高級質感等を改善するため、成形後に別工程を追加することも行なわれるが、やはり完全な解決策にはならないうえにコストアップにつながる難点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決するために、本発明においては、第1の発明では、対向する一対の金型の間に加飾層を有する表皮材を介在させて型締した後、該表皮材と該金型とで形成される金型キャビティ空間内にコア材となる溶融樹脂を射出充填して該表皮材と該コア材とを一体成形する表皮材インサート成形方法において、コア材溶融樹脂の射出充填後は、加熱手段を用いて表皮材加飾層のゴム状弾性を示す温度領域内で設定した設定温度に表皮材加飾層を加熱するとともに、表皮材と金型との間に所定の設定型開量を設けて、所定の設定時間保持するようにした。
【0005】
第2の発明では、第1の発明において、表皮材側の金型内部に組込まれた加熱手段によって、直接的あるいは間接的に表皮材加飾層を加熱するようにした。
また、第3の発明では、第1の発明において、金型外部に固定式あるいは金型の型開閉に応じて金型空間内に進退自在に設けられた加熱手段によって、直接的あるいは間接的に表皮材加飾層を加熱するようにした。
さらに、第4の発明では、対向する一対の金型の間に加飾層を有する表皮材を介在させて型締した後、該表皮材と該金型とで形成される金型キャビティ空間内にコア材となる溶融樹脂を射出充填して該表皮材と該コア材とを一体成形する表皮材インサート成形装置において、表皮材加飾層のゴム状弾性を示す温度領域内に表皮材加飾層を加熱させる温度を設定入力する温度条件設定部、ならびに、表皮材加飾層の温度をモニタする温度モニタ部、ならびに、該温度条件設定部の設定値と該温度モニタ部の検出温度を比較して表皮材加飾層を加熱させる加熱手段、ならびに、コア材溶融樹脂射出充填後の型開量および型開保持時間を設定入力する型締条件設定部、ならびに該型締条件設定部の設定値に基づいて型締機構を制御する型締制御部とを有する表皮材インサート成形装置とした。
【0006】
【発明の実施の形態】
以上の第1〜第4の発明を実施することにより、以下のような好ましい成形が実施される。
表皮材を金型内にセットして型締した後、コア材となる溶融樹脂を射出充填する。表皮材とコア材樹脂との融着一体化およびコア材樹脂の賦形が完了した時点で、加熱手段を用いて表皮材加飾層のゴム状弾性を示す温度領域内で設定した設定温度に表皮材加飾層を加熱するとともに、表皮材と金型との間に型開量を設けて表皮材加飾層の回復スペースを確保し、この状態で所定の設定時間保持することによって、成形中に高温高圧のコア材樹脂で損傷変形された表皮材加飾層は弾性力により自己回復し、成形後においても表皮材加飾層本来の風合いが復元される。
このように、加熱手段を用いて、強制的にゴム状弾性を示す温度領域に表皮材加飾層を加熱して弾性力を利用した加飾層の自己回復挙動の採用により、コア材樹脂が十分に冷却固化し完全に賦形が完了するまで、賦形に必要な保圧力の負荷を継続することができる。これにより、表皮材とコア材樹脂との融着一体化およびコア材樹脂の賦形、ならびに、表皮材の損傷防止という相反する命題を同時にかつ安定して達成することができ、成形品全面において表面加飾性に優れた高品質な成形品を、後処理工程および表皮材の多層処理化を必要としないで低コストに安定して提供することができる。
【0007】
【実施例】
以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細について説明する。図1〜図6は本発明の実施例に係り、図1は表皮材インサート成形装置の全体構成図、図2は表皮材インサート成形の成形工程フローチャート、図3および図4は金型内部に組込まれた加熱手段を示す説明図、図5および図6は金型外部の加熱手段を示す説明図である。なお、図3および図4は、第2の発明に係り、図1に示す金型装置10の金型内部に組込まれた加熱手段を示す説明図であり、図5および図6は、第3の発明に係り、図1に示す金型装置10およびその周辺に配設される金型外部の加熱手段を示す説明図である。
【0008】
図1に示すように、本発明による表皮材インサート成形装置100は金型装置10、型締装置20、射出装置30及び制御装置60で構成されている。この他に、図3および図4に示す金型内部に組込まれた加熱手段、あるいは、図5および図6に示す金型外部の加熱手段を用いるが、図1ではこれらの加熱手段の図示を省略している。
金型装置10は、型締装置20の固定盤1に取付けられた固定金型3と、型締装置20の可動盤2に取付けられた可動金型4とからなり、温度センサ8が組付けられている。
型締装置20の可動盤2は図示しないタイバに案内され、型締シリンダ22の駆動によって可動金型4とともに前後進できるよう構成されている。
射出装置30は、スクリュフライト36を備えたスクリュ34がバレル32内に回転自在で、かつ、前後進自在に配設されている。油圧モータ42により駆動されるスクリュ34の回転とともに、ホッパ38に供給された樹脂ペレットはスクリュ前方へ送られる。この間に、バレル32の外周面に取付けられている図示しないヒータによる加熱を受けるとともに、スクリュ回転による混練作用を受けることによって樹脂ペレットは溶融する。スクリュ前方へ送られた溶融樹脂は、射出シリンダ40により駆動されて前進するスクリュ34によってノズル39側へ押出されて、ノズル39を経由して金型3、4間に形成される金型キャビティ5内へ射出充填される。射出シリンダ40及び油圧モータ42には、油圧供給源50から供給される作動油が、射出制御部61の操作指令を受けた電磁リリーフ弁52によって設定された一定の圧力で供給され、スクリュ前進及びスクリュ回転を駆動できるように構成されている。
【0009】
次に、制御装置60について述べる。制御装置60は、図1にその概要を示すように、射出制御部61、型締制御部62、加熱手段制御部63、温度モニタ部64、温度条件設定部65、型締条件設定部66、温度センサ8、図示しない型開量検出部等から構成されている。
温度センサ8で計測された表皮材加飾層の温度情報は、温度モニタ部64を経由して型締制御部62に接続されている。また、型締制御部62は温度条件設定部65および加熱手段制御部63と接続されるとともに、型締条件設定部66ならびに射出制御部61とも接続されている。
【0010】
なお、本実施例では、温度センサ8を表皮材の表面に相当する位置に配設し表面温度を計測するようにしたが、これに限定されるものではなく、表皮材の内部温度を計測するようにしてもよい。さらに、コア材樹脂の温度情報を検知する場合は、コア材樹脂側に温度センサ8が配設される。
また、本実施例では、直圧式の型締機構を有する成形装置を用いたが、トグル式や電動式、あるいは、竪型の型締機構を有する成形装置を使用してもよい。
【0011】
図2は表皮材インサート成形の成形工程フローチャートを示したもので、図2に示す工程にしたがって説明する。
(1)金型装置10の両金型3、4を型開きした状態で、金型キャビティ面の所定位置に、たとえば真空吸引方式や針刺し方式等の手段を用いて表皮材Sをセット保持する。表皮材Sとしては、加飾層がゴム状弾性挙動を示すもので要求される加飾特性に合った加飾層を有したものを用いる。また、必要に応じて、たとえばコア材となる溶融樹脂が表面側にしみだすのを防止する役割およびコア材樹脂との融着一体化促進の役割を兼用した、コア材樹脂と同種同系統の樹脂製のシートを加飾層の裏側にラミネートしたものや、ソフト感を演出する目的でクッション層を設けたものや、その他の目的で着色層や接着層を設けた多層構成の表皮材や、印刷フィルムを表皮材として用いることもできる。なお、本実施例ではシート状の表皮材を用いたが、三次元的な成形品形状に予めプリ成形したものを表皮材として用いてもよい。また、本実施例では一方の面にだけ表皮材を貼合せるようにしたが、コア材樹脂の両面に表皮材を貼合せるようにしてもよい。さらに、本実施例では単一のコア材樹脂としたが、必要に応じてコア材樹脂を多層とするコ・インジェクション等に適用してもよい。
【0012】
(2)表皮材Sをセット保持した状態で型締を行い、コア材となる溶融樹脂の射出充填と保圧負荷を行なう。射出充填中の型締動作制御内容は、成形品の形状、コア材樹脂の種類、表皮材の種類等の組合せに対する最適の型締制御パターンを採用することができる。たとえば、コア材樹脂の金型内充填流動が悪い場合、すなわち、低流動なコア材樹脂を複雑で薄肉の金型キャビティに充填する場合には、予め所定の型開量に保持した状態でコア材樹脂を射出充填し、射出完了時あるいは射出中の任意の時点で発せられるタイミング信号を受けて、型締を行うとともに保圧工程に移行する型締制御パターンを採用する。この場合、所定の型開量に保持することで、金型キャビティの実質流動通路が拡大される効果、ならびに、エアおよびガスの抜け改善効果により、充填のスムーズ化・低圧充填化および特にゲート部近傍の表皮材加飾層の損傷防止効果が達成される。
【0013】
射出充填後の保圧工程は、コア材樹脂の冷却固化に伴う収縮量の補充および賦形、ならびに、表皮材とコア材樹脂との融着一体化を目的とし、成形品の形状、コア材樹脂の種類、表皮材の種類等の組合せに対する最適の保圧制御パターンを採用することができる。たとえば、型締力の多段制御で型締側から保圧力を負荷させるようにした保圧制御パターンを採用した場合は、成形品全面に均一な保圧力が作用するので、変形・反りの少ない成形品を得ることができる。また、射出側から保圧力を負荷させるようにした保圧制御パターンを採用した場合は、通常の射出成形と同様の要領で保圧条件を設定することができる。
【0014】
(3)保圧工程の完了後は、図2の破線で囲まれたAの部分のフローチャート、ならびに、図3および図4に示すように、金型内部に組込まれた加熱手段を用いて直接的または間接的に表皮材加飾層を加熱する。あるいは、図2の破線で囲まれたBの部分のフローチャート、ならびに、図5および図6に示すように、金型の型開閉に応じて進退自在な金型外部の加熱手段を用いて表皮材加飾層を加熱する。
【0015】
金型内部に組込まれた加熱手段による加熱とは、たとえば図3に示すように金型を閉じた状態で金型キャビティ形状に沿って金型内部に配設された通電型発熱体で金型キャビティを加熱し、表皮材加飾層を加熱するものである。加熱と同時に表皮材加飾層の温度を温度センサ8により検出し、表皮材加飾層の温度がゴム状弾性を示す温度領域内で予め設定された設定温度Mに到達した時点で、図4に示すように設定型開量T1に型開きし設定時間tだけ保持する。なお、設定型開量T1に型開きし保持している間も引き続き加熱を継続してもよく、あるいは、型開きし保持している間は加熱しなくてもよい。
上記の加熱方法と異なる加熱方法として、たとえば図4に示すように設定型開量T1に型開きした状態で、金型キャビティからの輻射熱を利用して表皮材加飾層を加熱し、表皮材加飾層の温度がゴム状弾性を示す温度領域内で予め設定された設定温度Mに到達後、設定時間tだけ保持してもよい。また、型開きの動作中に加熱してもよい。
【0016】
金型内部に配設された通電型発熱体による加熱手段の他に、たとえば加熱媒体循環による金型加熱、あるいは、金型キャビティ面に通電加熱薄膜をコーティングした薄膜加熱、あるいは、磁気もしくは高周波等による誘導加熱または誘電加熱を利用した金型加熱、表皮材加飾層に導電性物質を混入させ表皮材加飾層を直接に誘導加熱する、温熱風等を表皮材加飾層に噴射して加熱する等の加熱手段を用いても同様の効果が得られる。
【0017】
金型外部の加熱手段による加熱とは、たとえば図5に示すように設定型開量T2に型開きし保持した状態で、ヒータ、温熱風の吹付け、ハロゲン電球による照射等の加熱手段を、図6に示すように固定金型と可動金型との間に移動させて、表皮材加飾層を加熱するものである。加熱と同時に表皮材加飾層の表面温度を温度センサ8により検出し、表皮材加飾層の表面温度がゴム状弾性を示す温度領域内で予め設定された設定温度Mに到達後、設定時間tだけ保持する。なお、設定時間tだけ保持している間も引き続き加熱を継続してもよく、あるいは、設定時間tだけ保持している間は加熱しなくてもよい。
上記の加熱手段の他に、たとえば固定金型と可動金型との隙間から温熱風を表皮材加飾層に向けて吹付ける、表皮材加飾層に導電性物質を混入させ表皮材加飾層を直接に誘導加熱する、等の加熱手段を用いても同様の効果が得られる。また、加熱手段を表皮材加飾層に直接接触させて加熱し、表皮材加飾層の温度がゴム状弾性を示す温度領域内で予め設定された設定温度Mに到達後、設定時間tだけ保持してもよい。
さらに、金型内部に組込まれた加熱手段と金型外部の加熱手段とを組合わせた加熱方法であってもよい。
【0018】
次に、設定条件について述べる。設定温度Mは、表皮材加飾層の損傷を弾性力により自己回復させる温度条件として、表皮材加飾層がゴム状弾性を示す温度領域内、すなわち、表皮材加飾層のガラス転移点以上の温度に設定する。一方、金型内部に組込まれた加熱手段を採用した場合の設定型開量T1は、表皮材加飾層の損傷を弾性力により自己回復させる回復スペースとして、表皮材加飾層を含む表皮材の厚さと同等あるいはそれ以上に設定する。他方、金型外部の加熱手段による加熱を採用した場合の設定型開量T2は、表皮材加飾層を弾性力により自己回復させる回復スペースに金型外部の加熱手段を進退させるのに必要なスペースを加算した値に設定する。設定時間tは、表皮材加飾層を弾性力により自己回復させるのに要する時間として設定し、たとえば加熱手段によって表皮材加飾層が設定温度Mに到達した時点で起動するタイマ等で設定する。
【0019】
(4)設定時間tの経過後は、型開き動作に続いて成形品(製品)を取出すことで、1サイクルの完了となる。
このように、本発明によれば、表皮材とコア材樹脂との融着一体化およびコア材樹脂の賦形が完全に行われた保圧完了後に、加熱手段を用いて表皮材加飾層を加熱して、表皮材加飾層がゴム状弾性を示す温度領域内の温度条件下で、金型キャビティと表皮材加飾層の間に隙間を与え、設定時間保持することにより、成形中に損傷を受けた表皮材加飾層は弾性力により自己回復する。結果として、成形後においても表皮材本来の風合いが確保される。これにより、表皮材とコア材樹脂との融着一体化およびコア材樹脂の賦形、ならびに、表皮材の損傷防止という相反する命題を同時にかつ安定して達成することができ、成形品全面において表面加飾性に優れた高品質な成形品を、後処理工程および表皮材の多層処理化を必要としないで低コストに安定して提供することができる。
また、本発明は、加熱手段による表皮材加飾層の加熱処理を保圧工程完了後に引き続いて行なうようにしたことにより、一連の成形工程の中で成形サイクルを大幅に延長することなく、表皮材・コア材の融着一体化およびコア材の賦形と表皮材加飾層の損傷防止を同時に達成できる。なお、上記の一連の成形工程の他に、たとえば、保圧工程完了後に一旦成形品を取出してから加熱手段を用いて加熱処理を行なってもよい。また数個の成形品をストックしまとめて加熱処理を行なってもよい。ただしこの場合は、一連の成形工程の他に加熱処理という後工程が加算されることによる成形工程の煩雑化と、一旦常温近くまで冷却された成形品をゴム状弾性を示す温度域まで再加熱することによる加熱ロスは避けられないが、表皮材・コア材の融着一体化およびコア材の賦形と表皮材加飾層の損傷防止の効果は期待できる。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、下記のような優れた効果が得られる。
(1)成形中の表皮材加飾層の損傷によって表皮材本来の風合いを損なうことのない非常に優れた表面加飾性能を有する表皮材インサート成形品を安定して供給できる。
(2)従来必要とされていた成形品の後処理による損傷回復工程の追加や、表皮材加飾層の保護用フィルムのラミネート化処理が不要となり、非常に優れた表面加飾性能を有する表皮材インサート成形品を低コストで供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する表皮材インサート成形装置の全体構成図である。
【図2】本発明の実施例に係る表皮材インサート成形工程のフローチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る金型内部に組込まれた加熱手段の型閉じ状態を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例に係る金型内部に組込まれた加熱手段の型開き状態を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施例に係る金型外部の加熱手段の待機状態を示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施例に係る金型外部の加熱手段の加熱状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 固定盤
2 可動盤
3 固定金型
4 可動金型
5 金型キャビティ
8 温度センサ
10 金型装置
20 型締装置
22 型締シリンダ
30 射出装置
32 バレル
34 スクリュ
36 スクリュフライト
38 ホッパ
39 ノズル
40 射出シリンダ
42 油圧モータ
50 油圧供給源(射出回路)
52 電磁リリーフ弁(射出回路)
60 制御装置
61 射出制御部
62 型締制御部
63 加熱手段制御部
64 温度モニタ部
65 温度条件設定部
66 型締条件設定部
69 電磁リリーフ弁(型締回路)
70 油圧供給源(型締回路)
100 表皮材インサート成形装置
Q コア材(コア材樹脂)
S 表皮材
Tg ガラス転移点(表皮材加飾層)
T1 設定型開量
T2 設定型開量
t 設定型開保持時間
M 設定温度

Claims (4)

  1. 対向する一対の金型の間に加飾層を有する表皮材を介在させて型締した後、該表皮材と該金型とで形成される金型キャビティ空間内にコア材となる溶融樹脂を射出充填して該表皮材と該コア材とを一体成形する表皮材インサート成形方法において、
    コア材溶融樹脂の射出充填後は、加熱手段を用いて表皮材加飾層のゴム状弾性を示す温度領域内で設定した設定温度に表皮材加飾層を加熱するとともに、表皮材と金型との間に所定の設定型開量を設けて、所定の設定時間保持するようにしたことを特徴とする表皮材インサート成形方法。
  2. 表皮材側の金型内部に組込まれた加熱手段によって、直接的あるいは間接的に表皮材加飾層を加熱するようにした請求項1記載の表皮材インサート成形方法。
  3. 金型外部に固定式あるいは金型の型開閉に応じて金型空間内に進退自在に設けられた加熱手段によって、直接的あるいは間接的に表皮材加飾層を加熱するようにした請求項1記載の表皮材インサート成形方法。
  4. 対向する一対の金型の間に加飾層を有する表皮材を介在させて型締した後、該表皮材と該金型とで形成される金型キャビティ空間内にコア材となる溶融樹脂を射出充填して該表皮材と該コア材とを一体成形する表皮材インサート成形装置において、
    表皮材加飾層のゴム状弾性を示す温度領域内に表皮材加飾層を加熱させる温度を設定入力する温度条件設定部、ならびに、表皮材加飾層の温度をモニタする温度モニタ部、ならびに、該温度条件設定部の設定値と該温度モニタ部の検出温度を比較して表皮材加飾層を加熱させる加熱手段、ならびに、コア材溶融樹脂射出充填後の型開量および型開保持時間を設定入力する型締条件設定部、ならびに該型締条件設定部の設定値に基づいて型締機構を制御する型締制御部とを有する表皮材インサート成形装置。
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