JPH1177762A - 射出成形用金型及び射出成形品の製造方法 - Google Patents

射出成形用金型及び射出成形品の製造方法

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JPH1177762A
JPH1177762A JP23848997A JP23848997A JPH1177762A JP H1177762 A JPH1177762 A JP H1177762A JP 23848997 A JP23848997 A JP 23848997A JP 23848997 A JP23848997 A JP 23848997A JP H1177762 A JPH1177762 A JP H1177762A
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JP
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mold
cavity
air
sprue bush
injection
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JP23848997A
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Inventor
Masahiro Kobayashi
昌弘 小林
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/72Heating or cooling
    • B29C45/73Heating or cooling of the mould
    • B29C45/7337Heating or cooling of the mould using gas or steam
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
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    • B29C45/72Heating or cooling
    • B29C45/73Heating or cooling of the mould
    • B29C2045/7375Heating or cooling of the mould heating a mould surface by a heated gas
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/46Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould
    • B29C45/56Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using mould parts movable during or after injection, e.g. injection-compression moulding
    • B29C45/561Injection-compression moulding

Abstract

(57)【要約】 【課題】キャビティ内に溶融樹脂を射出する前にキャビ
ティ表面を短時間で加熱することができ、しかも構造が
簡単な金型を用いて外観品質に優れた射出成形品を提供
する。 【解決手段】スプルブッシュ17は、型閉じ完了状態で
はノズル18に押さえられ、その先端がスプルブッシュ
孔27を塞いでいるが、ノズルの後退に合わせてコイル
バネ20の反発力により後退するので、型開き状態では
スプルブッシュ孔27がキャビティに開口する。金型の
型閉じ完了直前のわずかな量Dの型開き状態で、高温空
気がコアブロック10周囲の型合わせ面5に設けられた
空気供給口25から型合わせ面7での接触により密閉さ
れたキャビティ8内を経て、突き当て面29に突き当て
られる面にある空気排出口30と、スプルブッシュ孔2
7を通じてそれぞれ排出通路32、及び28、31へ排
出されることによりキャビティ表面が加熱される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産性を落とすこ
となく、キャビティの表面温度を均一に上昇させて、外
観品質を向上させる射出成形用金型及び射出成形品の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を射出成形する方法として
は、型閉め状態で内部にキャビティを形成する固定型と
可動型からなる金型を用い、そのキャビティ内に成形機
の加熱シリンダから溶融樹脂を射出充填し、その充填樹
脂を冷却固化した後、型開きを行って成形品を金型外部
へと取り出す方法が一般的である。
【0003】このような射出成形方法において、溶融樹
脂の充填時におけるキャビティの表面温度が低いと、注
入溶融樹脂がキャビティ表面に触れた部分から冷却固化
が始まり、これにより樹脂の粘度が高くなって流動抵抗
が増大する。
【0004】その結果、ウエルドライン、フローマーク
あるいはシルバーストリーク等の成形品の外観不良が発
生する。また、樹脂充填時においてキャビティ表面の温
度が低いと、充填材入りの樹脂の成形品の成形の場合
に、充填材の浮き上がりにより表面外観が平滑な成形品
を得ることが困難になるといった問題もある。
【0005】したがって、溶融樹脂の充填時におけるキ
ャビティの表面温度を高くすれば、キャビティ内への溶
融樹脂の充填を低圧射出で行うことが可能となり、前記
した成形品の外観不良が解消され、また、高圧射出で溶
融樹脂を充填することで賦形時の転写性に優れた光沢の
ある成形品を得ることができる。
【0006】しかし、キャビティの表面温度を高温にす
ると、樹脂の充填が完了した後、成形品が取り出し可能
な温度になるまでの冷却時間が長くなり生産性が悪くな
る。そこで、溶融樹脂の充填時にはキャビティの表面温
度が高く、充填完了後はキャビティの表面温度が急速に
低温となることが理想的であり、これを達成するために
種々の技術が提案されている。
【0007】例えば、特公昭58−40504号公報に
は、高周波誘導加熱により樹脂充填の直前にキャビティ
表面を加熱する方法が開示されている。
【0008】一方、以上のような加熱による方法のほ
か、例えば特開平5−38721号公報及び特開平4−
211912号公報には、キャビティ表面を熱伝導率の
低い材料で被覆することで、キャビティ表面を断熱し、
充填樹脂の温度が急激に低下しないようにするといった
技術が開示されている。
【0009】また、特開平2−160524公報及び特
開平4−265720号公報には、絶縁層を介してキャ
ビティ表面に被覆された電気抵抗体に通電することで、
キャビティ表面を加熱する方法が開示されている。
【0010】また、特開昭51−5362号公報及び特
開昭61−16821号公報には、キャビティの周辺に
熱媒体用流路を形成した金型を用い、その流路に加熱媒
体を供給してキャビティ表面を適温に加熱した状態で溶
融樹脂を充填し、次いで流路に冷却媒体を供給して充填
樹脂の冷却固化の時間を短くするという技術が開示され
ている。
【0011】さらに、特開平8−244072号公報及
び特開平9−109214号公報には、溶融樹脂を充填
する前にキャビティに高温空気を供給してキャビティ表
面を加熱する方法の開示がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0012】ところで、特公昭58−40504号公報
に記載された方法では、高周波発振装置の設備費用が高
価であり、しかもキャビティの形状に合わせて、その都
度、加熱コイルを製作する必要があって汎用性に欠ける
といった問題がある。
【0013】次に、特開平5−38721号公報及び特
開平4−211912号公報あるいは特開平2−160
524公報及び特開平4−265720号公報に記載さ
れたキャビティ表面を被覆する方法では、キャビティ表
面を鏡面状態に仕上げることが難しく、また、被覆の一
部に剥離、欠損、摩耗等が生じたときには、その補修が
困難であるという問題がある。
【0014】また、特開昭51−5362号公報及び特
開昭61−16821号公報に記載された方法は、溶融
樹脂の充填時におけるキャビティの表面温度を適温に設
定でき、充填完了後にキャビティの温度を適温に冷却す
ることが可能であるが、熱媒流体用流路からキャビティ
表面へと熱が伝わるのにかなりの時間を要する。加え
て、キャビティの形状が複雑であると適用できないとい
う問題点もある。
【0015】一方、特開平8−244072号公報及び
特開平9−109214号公報に記載された高温空気に
よる加熱方法では、キャビティ形状が複雑であっても適
用することができ、キャビティ内に大量の高温空気を通
風させることで短時間でキャビティを加熱できることか
らキャビティの加熱方法としては望ましい方法である。
【0016】しかしながら、高温空気は比熱が小さいの
でキャビティに熱量を与えるとただちに温度低下してし
まい、大風量の通風を行わないとキャビティ全体を均一
温度に加熱しにくい。その上、通風方向をゲート付近か
らキャビティ末端方向としているので、もともとキャビ
ティ末端に比べて高温になりがちなゲートに近いキャビ
ティ表面の温度ばかり上昇し、キャビティ末端は温度上
昇しにくいためキャビティ表面温度が不均一になる問題
点がなお存在する。
【0017】本発明は、キャビティ内に溶融樹脂を射出
する前にキャビティ表面を短時間で均一に加熱すること
ができ、しかも構造が簡単な射出成形用金型を提供する
と共に、そのような金型を用いて外観品質に優れた成形
品を成形することを可能とした射出成形品の製造方法を
提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
型閉め状態で内部にキャビティを形成する固定型及び可
動型からなる射出成形用金型において、固定側型板とキ
ャビティブロックから固定型が形成され、可動側型板と
コアブロックから可動型が形成されており、キャビティ
ブロックとコアブロックを型閉じすることにより前記キ
ャビティーが形成され、金型の開閉方向の型合わせ面に
摺動する嵌合部が設けられており、前記キャビティブロ
ックにはスプルブッシュ孔、及び型閉め方向に前進及び
後進することにより当該スプルブッシュ孔を開閉するス
プルブッシュが設けられており、更に、高温空気をキャ
ビティへ供給する空気供給孔が型合わせ面に設けられて
いると共に、高温空気を金型外へ排出するための空気排
出孔として、前記スプルブッシュ孔を介しての排出路、
及び前記キャビティブロックまたは前記コアブロックに
設けられた成形品の開口部を形成する突き当て面もしく
は当該突き当て面に突き当てられる面の少なくともいず
れかに設けられた排出路が設けられていることを特徴と
する射出成形用金型である。
【0019】請求項2記載の発明は高温空気がホットス
タート機能を有するヒーターを用いた高温空気発生装置
から供給されることを特徴とする請求項1記載の射出成
形用金型である。
【0020】請求項3記載の発明は、請求項1に記載の
射出成形用金型を用いて射出成形品を成形する製造方法
であって、固定型と可動型の型閉じ完了直前に型閉め工
程を一時中断し、僅かな型開き状態で、型合わせ面に設
けられた空気供給孔から高温空気をキャビティ内へ供給
し、スプルブッシュ孔を介しての空気排出孔、キャビテ
ィブロックもしくはコアブロックに設けられた突き当て
面もしくは当該突き当て面に突き当てられる面のいずれ
かに設けられた空気排出孔、または、その両方から金型
外へ排出することにより前記キャビティ表面を加熱する
ことを特徴とする射出成形品の製造方法である。
【0021】(作用)型閉じ完了直前の僅かな型開き状
態において、金型開閉方向の型合わせ面は可動側型板と
固定側型板の嵌め合いにより気密が保たれ、空気供給孔
からキャビティへ供給された高温空気はキャビティ表面
を加熱しながらキャビティブロックもしくはコアブロッ
クに設けられた空気排出孔、及び、スプルブッシュ孔を
介しての空気排出孔へ排出される。
【0022】高温空気に接触するキャビティ表面は空気
供給孔に近い部分から昇温されていき所定の時間でキャ
ビティ表面は十分に加熱される。ここで、ゲート付近か
ら高温の溶融樹脂が充填されることから、キャビティ内
はキャビティ末端が低温であり、ゲート付近が高温であ
る。さらに、キャビティ末端は被加熱重量が大きいため
昇温しにくく、ゲート付近は逆に小さいため昇温しやす
い。したがって、キャビティ末端のみが高温にならずに
キャビティ表面温度が均一となるように加熱される。
【0023】型閉じ完了状態において、空気供給孔は固
定側型板により塞がれ高温空気を供給できなくなり、同
時に高温空気発生装置の切換弁が作動し送風を停止す
る。ノズルの前進により押し出されたスプルブッシュに
よりスプルブッシュ孔が塞がれ、キャビティは密閉され
る。
【0024】高温空気により表面を加熱されたキャビテ
ィへ射出された樹脂は、キャビティの末端まで流動性が
維持されたまま充填される。
【0025】冷却工程を終えた成形品の取り出し工程で
ノズルが後退すると、ノズルにより押し出されていたス
プルブッシュが、コイルばねの反発力により後退しスプ
ルブッシュ孔との間に再度、隙間を生じる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の射出成形用金型
の一例を示す断面図であり、型閉じ状態で溶融樹脂が充
填される前の態様を示すものである。
【0027】図1の射出成形用金型は、固定型1と可動
型2を主要部品として構成されている。
【0028】固定側型板3と可動側型板4がそれぞれ固
定型1と可動型2に設けられている。この固定側型板3
と可動側型板4との境界に型合わせ面5、6、7が設け
られ、型合わせ面7が型閉め方向に摺動可能な嵌め合い
構造となっている。
【0029】固定側型板3と可動側型板4の内側には、
キャビティ8を形成するキャビティブロック9とコアブ
ロック10とが設けられ、このキャビティブロック9と
コアブロック10はそれぞれ固定側型板3と可動側型板
4に嵌め込まれて固定されている。
【0030】キャビティブロック9及びコアブロック1
0の材料としては熱伝導率の低いものが望ましく、この
ような材質を使用することにより、キャビティ表面を重
点的に加熱することができ、短時間でキャビティ表面を
必要な温度に昇温できる。
【0031】図5は高温空気から金型への熱伝達率を3
00W/m・K、金型の初期温度70℃の条件で、炭素
鋼(熱伝導率41W/m・K)と、SUS420J2材
(熱伝導率26W/m・K)と、SUS630材(熱伝
導率17W/m・K)の3種類の板厚30mmの板状材
料の表面に280℃の熱風を30秒間吹き付けて片面加
熱した場合の厚み方向の温度勾配をハイスラー線図を用
いて求めた結果を示したもので、金型によく使用される
炭素鋼よりも熱伝導率の低いSUS系材料を用いた方が
表面をより効果的に加熱できることが明らかである。
【0032】したがって、キャビティブロック9とコア
ブロック10は金型本体の型材よりも熱伝導率の低い金
属を使用するのが望ましく、例えばSUS630系もし
くは、SUS420J2系の材料の方がより好ましい型
材である。
【0033】また、キャビティブロック9とコアブロッ
ク10の加熱温度は、ガラス転移点温度以上であること
が成形品の品質面から望ましいが、一方、加熱温度が高
すぎると冷却に時間がかかり過ぎて成形サイクルが長く
なり、生産性に影響がでるので、使用する樹脂の種類ご
とに品質と生産性を加味した上で決めるのが好ましい。
【0034】図2は型閉じ完了直前に型閉め工程を一時
中断した僅かな型開き状態を示す図で、固定型1のほぼ
中央部には、ロケートリング15、空洞40、キャビテ
ィ8に向かってキャビティブロック9を貫通するスプル
ブッシュ孔27、及び、先端をスプルブッシュ孔27と
嵌め合わせることのできる構造になっているスプルブッ
シュ17が設けられている。
【0035】スプルブッシュ孔27の直径は大量の高温
空気を排出できるように太く設けることが好ましく、例
えば直径が20mm〜30mm程度であることが望まし
い。これにより高温空気の通風に際し圧力損失を小さく
でき、大風量でキャビティ8の表面を迅速に加熱でき
る。
【0036】ノズル18は射出成形機側に設けられてお
り、ノズル18内部に溶融樹脂の流路19がある。
【0037】20はスプルブッシュ17の外周に設けら
れたコイルバネであり、スプルブッシュ17が溶融樹脂
の射出後にコイルバネ20の反発力によってノズル18
とともにロケートリング15に突き当たるまで後退でき
るようになっている。したがって、スプルブッシュ17
はノズル18のスライドに合わせて固定側型板3に設け
られた空洞40内を型閉め方向に前進、後退することに
より、スプルブッシュ孔27を開閉することができる。
【0038】可動型2には空気供給口25がコアブロッ
ク10の側面を周回するように、かつ、型合わせ面5で
開口するように設けられており、空気供給口25には金
型外から高温空気を供給する供給経路24が設けられて
いる。そして、空気供給口25と供給経路24から金型
内の高温空気の供給路である空気供給孔が形成されてい
る。
【0039】空気供給口25はコアブロック10を取り
囲むように全周に配置されているので断面積を大きく取
れることから、高温空気の流動抵抗を小さくすることが
できる。なお、図2では可動側型板4に空気供給口25
が設けられているが、型合わせ面に形成された隙間26
に開口していれば空気供給口25は固定側型板3と可動
側型板4のいずれに設けられていてもよい。
【0040】キャビティブロック9とコアブロック10
からなるキャビティ8の形状からは図3に示される成形
品Sが製造される。
【0041】図2に例示されたコアブロック10には、
成形品Sの開口部A1を形成するための突き当て面29
が設けられている。キャビティブロック9側にはこの突
き当て面29に突き当てられる面に空気排出口30が設
けられており、型閉め状態においてキャビティブロック
9と突き当て面29が接触して空気排出口30に溶融樹
脂が流入することを阻止することができる。
【0042】スプルブッシュ孔27には排出経路28、
31が設けられており、空気排出口30には、排出経路
32が設けられている。そして、スプルブッシュ孔27
と排出経路28、31から高温空気の排出路である空気
排出孔が形成され、空気排出口30と排出経路32から
も、同様に空気排出孔が形成されている。固定側型板3
とキャビティブロック9の接触面に空気断熱層11が設
けられており、コアブロック10と可動側型板4の接触
面に空気断熱層12が設けられている。
【0043】空気断熱層を設けることにより高温空気に
よる加熱範囲がキャビティブロック9とコアブロック1
0に限定され、加熱に必要な熱量を節約することができ
る。キャビティブロック9とコアブロック10にはそれ
ぞれ冷却孔13と冷却孔14が設けられており、冷却孔
13と冷却孔14に冷却媒体を供給して、キャビティブ
ロック9とコアブロック10を介してキャビティ8内の
溶融樹脂を冷却する。
【0044】次に、高温空気発生装置について説明す
る。金型内へ供給する高温空気を発生させる装置として
は、ヒーター等の空気加熱装置と金型内に高温空気を供
給できる送風装置を備えたものであればよい。
【0045】しかし、短時間に大量の高温空気を供給す
る必要があるので、キャビティ8内へ送風を開始すると
同時に瞬時に高温空気を供給できるホットスタート機能
を有するヒーターを用いた高温空気発生装置を使用する
のが望ましい。図2に示された22はホットスタート機
能を有する高温空気発生装置であり、内部にヒーター3
8、安全弁37、切換弁36、送風機35を内蔵してい
る。高温空気を瞬時に供給することができるホットスタ
ート機能を有することにより瞬時に高温空気をキャビテ
ィ内へ供給できる。
【0046】なお、この装置を用いて空気温度を250
℃〜400℃まで昇温させることができる。
【0047】次に、本発明の金型を用いた射出成形品の
製造方法に関して、図1及び図2に基づいて説明する。
【0048】本発明の射出成形品の製造方法は、2段階
型閉め方式を採用しており、第1段階の型閉め工程では
図2に示すように隙間Dが設けられた状態、第2段階の
型閉め工程では図1に示すように隙間がなくなり完全に
型閉じ状態となる。
【0049】第1段階の型閉め工程は、型閉め工程にお
ける型締め完了寸前の状態であり、型合わせ面には僅か
の隙間Dが設けられた状態となっている。この状態で
は、型合わせ面7は固定側型板3と可動側型板4同士の
嵌め合いにより摺動するので金型外部に対して気密が保
たれており、また、スプルブッシュ17が後退位置にあ
るため、スプルブッシュ17とスプルブッシュ孔27と
の間に隙間が生じるため、キャビティ8は排出経路28
に開口している。
【0050】高温空気発生装置22から高温空気を流路
23、供給経路24、空気供給口25、型合わせ面に形
成された隙間26を順に通過させ、キャビティ8内に供
給する。ここで、高温空気は型閉じ完了直前の射出開始
前のみ限定して送風され、射出、保圧、冷却等の間は送
風機35を連続運転しながら、切換弁36を切り換えて
送風機35と切換弁36間を循環させる。高温空気によ
る加熱必要時間はキャビティ8表面温度をあらかじめ実
測することで求めておく。なお、キャビティ8表面温
度、キャビティ8の被加熱熱量により加熱時間は決ま
る。
【0051】キャビティ8内を通過した高温空気を空気
排出口30と、スプルブッシュ17とスプルブッシュ孔
27との間に生じた隙間の両方から、それぞれ排出経路
32、及び、28、31を経て大気中に放出する。
【0052】なお、高温空気を空気排出口30、また
は、スプルブッシュ17とスプルブッシュ孔27との間
に生じた隙間のいずれか一方から排出するようにしても
構わないが、両方から排出することにより空気排出口の
断面積をより大きく取ることができ、供給された高温空
気の圧力損失を抑えることができるので好ましい。
【0053】次に、本発明の射出成形品製造方法の成形
サイクルについて、図4の成形工程のフロー図を参照し
て説明する。第1工程の型閉めの後、前記加熱方法によ
り高温空気を吹き込み、キャビティ8の表面が設定され
た温度まで加熱されたら、高温空気発生装置22の切換
弁36を作動させ高温空気の供給を中止する。
【0054】続いて、第2工程の型閉めに入り、型閉め
を完了させて、射出成形機側のノズル18を前進させ、
スプルブッシュ17をコイルバネ20の反発力に抗して
前進させる。この状態で型合わせ面5と突当て面29は
型閉じによる固定型1と可動型2の接触により閉じら
れ、又、スプルブッシュ孔27はスプルブッシュ17に
より塞がれるので、この部分から樹脂がキャビティ8外
へ漏れることはない。
【0055】続いて、キャビティ8に溶融樹脂を射出
後、キャビティブロック9とコアブロック10の冷却孔
13、14に、溶融樹脂の充填完了より成形品の取出し
の開始、或いは終了迄の間だけ冷却媒体を流通させて冷
却を行う。
【0056】この場合、キャビティ8の表面を高温空気
で加熱中は、冷却媒体の流入が中断されているので、キ
ャビティ8の表面温度をより迅速に、効果的に加熱する
ことができる特徴を備えている。
【0057】冷却完了後、ノズル18が後退し、型開き
により成形品を取り出して、1サイクルが完了する。
【0058】本発明の射出成形用金型において、高温空
気の供給路、及び排出路は、本実施の形態においては供
給経路24は1本、空気排出口30は1個所、排出経路
は28、31及び、32の各々1本であるが、キャビテ
ィ8の大きさ、開口部を形成する突き当て面の数に対応
して、増減することもできる。
【0059】なお、以上の実施の形態では、成形対象と
して簡単な形状をもつ成形品Sを例にとって説明した
が、このような形状以外の成形品、例えばパーソナルコ
ンピュータのカバー、TVのフロントカバー、電話機の
ハウジング、自動車のインスツルメントパネル等の成形
にも本発明の製造方法は適している。
【0060】
【発明の効果】型閉じ完了直前の僅かな型開き状態で、
キャビティの内部が空気排出孔及び空気供給孔のみを通
じて外部に連通する構造とするとともに、大きな断面積
の空気流路を確保したので、キャビティ内での高温空気
の圧力損失を小さくしている。
【0061】その結果、大容量の高温空気を供給して、
風速を大きくでき、短時間でキャビティ表面の温度を上
昇させることができるとともに、隅々まで均一に加熱す
ることができる。また、高温空気による加熱はいかなる
金型にも適用が可能であるから薄肉や複雑形状の成形を
容易に行うことができる。
【0062】また、高温空気によりキャビティブロック
とコアブロックの両方を同時に加熱できるので、これら
の温度差による成形品の変形を防止できる。
【0063】本発明の射出成形用金型及び射出成形品の
製造方法においては、キャビティの表面温度を高温にで
きるので、キャビティ内の溶融樹脂の固化が遅れ、流動
が容易となることにより、以下の効果が期待できる。 1)転写性の向上と、成形品の外観品質の向上。 2)大型、薄肉成形品の成形が可能。 3)低圧成形が可能。 4)成形不良−ウェルドライン、フローマーク、シルバ
ーストリーク、補強材の浮上現象の解消。 従って、射出成形用金型及び射出成形品の製造方法とし
て好適に用いられる。
【0064】更に、高温空気発生装置のヒーターにホッ
トスタート機能を付加することにより、空気加熱の欠点
とされる加熱時間を短縮できる。
【0065】また、高温空気を通風する方向をキャビテ
ィ末端からゲートへの方向とすることにより、キャビテ
ィ末端を加熱しやすくして、キャビティの表面温度を高
温、かつ均一にできることから、キャビティ内に注入し
た溶融樹脂の流動性が良好となる。
【0066】さらに、本発明において、射出成形用金型
には空気供給孔と空気排出孔、及び、キャビティ周囲の
型合わせ面に摺動部を設けるだけよく、しかも、空気供
給孔に高温空気を供給するキャビティ加熱方法は各種の
金型に適用可能であるので、安い設備費用で目的を達成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形用金型の型閉じ完了時の構造
を示す断面図
【図2】本発明の射出成形用金型の型閉じ完了直前の構
造を示す断面図
【図3】(a)本発明の射出成形用金型で得られる成形
品の外観形状を示す上面斜視図 (b)本発明の射出成形用金型で得られる成形品の外観
形状を示す下面斜視図
【図4】本発明の射出成形品の製造方法の成形サイクル
を説明するためのフロー図
【図5】金型材料の熱伝導率とキャビティ表面温度の関
係図
【符号の説明】
1 固定型 2 可動型 3 固定側型板 4 可動側型板 5、6、7 型合わせ面 8 キャビティ 9 キャビティブロック 10 コアブロック 11、12 空気断熱層 13、14 冷却孔 17 スプルブッシュ 18 ノズル 20 コイルバネ 22 高温空気発生装置 23 流路 24 供給経路 25 空気供給口 26 型合わせ面に形成された隙間 27 スプルブッシュ孔 29 突き当て面 30 空気排出口 28、31、32 排出経路 35 送風機 36 切換弁 37 安全弁 38 ヒーター 40 空洞

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型閉め状態で内部にキャビティを形成す
    る固定型及び可動型からなる射出成形用金型において、
    固定側型板とキャビティブロックから固定型が形成さ
    れ、可動側型板とコアブロックから可動型が形成されて
    おり、キャビティブロックとコアブロックを型閉じする
    ことにより前記キャビティーが形成され、金型の開閉方
    向の型合わせ面に摺動する嵌合部が設けられており、前
    記キャビティブロックにはスプルブッシュ孔、及び型閉
    め方向に前進及び後進することにより当該スプルブッシ
    ュ孔を開閉するスプルブッシュが設けられており、更
    に、高温空気をキャビティへ供給する空気供給孔が型合
    わせ面に設けられていると共に、高温空気を金型外へ排
    出するための空気排出孔として、前記スプルブッシュ孔
    を介しての排出路、及び前記キャビティブロックまたは
    前記コアブロックに設けられた成形品の開口部を形成す
    る突き当て面もしくは当該突き当て面に突き当てられる
    面の少なくともいずれかに設けられた排出路が設けられ
    ていることを特徴とする射出成形用金型。
  2. 【請求項2】 高温空気がホットスタート機能を有する
    ヒーターを用いた高温空気発生装置から供給されること
    を特徴とする請求項1記載の射出成形用金型。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の射出成形用金型を用い
    て射出成形品を成形する製造方法であって、固定型と可
    動型の型閉じ完了直前に型閉め工程を一時中断し、僅か
    な型開き状態で、型合わせ面に設けられた空気供給孔か
    ら高温空気をキャビティ内へ供給し、スプルブッシュ孔
    を介しての空気排出孔、キャビティブロックもしくはコ
    アブロックに設けられた突き当て面もしくは当該突き当
    て面に突き当てられる面のいずれかに設けられた空気排
    出孔、または、その両方から金型外へ排出することによ
    り前記キャビティ表面を加熱することを特徴とする射出
    成形品の製造方法。
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