JP3303675B2 - 表皮一体成形方法 - Google Patents

表皮一体成形方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア層樹脂の成形
と同時にコア層樹脂の表面に加飾性ある表皮材を融着一
体化した成形品を得る表皮一体成形方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、家電、建材等に使用され
る樹脂成形部品は、クッション性、装飾性、手触り感等
の付加価値を高めたり、あるいは、成形工程の省工程化
によるコストダウンのため、下記に示すようなコア層樹
脂の表面に加飾性ある表皮材を一体成形する2層成形が
実施されていた。すなわち、 射出成形機を使用して行なう場合 型開された両金型間に表皮材をセットし、型閉して型締
を行ない、その後、表皮材と金型とで形成された金型キ
ャビティ内に、コア材となる溶融樹脂を射出充填する。
そして、射出ユニットを用いて保圧供給を行ない、規定
時間冷却を行ない、型開して製品取出を行なう。この方
法の型締から製品取出までは、通常の射出成形方法の成
形動作となり、射出充填中に樹脂が漏れないように金型
は高圧型締されている。 プレス成形機を使用して行なう方法 型開された両金型間に表皮材をセットし、所定の型開量
に両金型を保持したまま、表皮材と金型とで形成される
空間内に、コア材となる溶融樹脂を射出充填した後、両
金型を型締プレスし、その後、規定時間冷却を行ない、
型開して製品取出を行なう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法では、下記に示すような問題があった。 (1)上記の方法では、コア材の射出時に通常300
kgf/cm2 を超える高圧の樹脂圧の樹脂流動が表皮
材に負荷されるため、表皮材の損傷が激しく、品質ダウ
ンや外観不良を招来する。たとえば、発泡性の表皮材で
は、発泡層の潰れによるクッション性の消失が起こり、
起毛性表皮材では、毛倒れによる手触り感の悪化と高級
感の消失が起こる。 (2)上記の方法では、金型が大きく開いた状態でコ
ア材を射出するので、たとえば、パーティング面がシェ
アエッジ構造などのように、樹脂が漏れない金型構造が
必要になり、金型のコスト高を招き、シェアエッジ部の
摩耗防止のための金型メンテナンスが必要となるうえ
に、生産性が低下する。 (3)また、型開状態で表皮材をセットする必要がある
ため、コア材射出中や型締プレス中に表皮材の保持が必
要であり、金型に工夫を要したり保持機構を別に装備し
たりしなければならず、操作の複雑化やコスト高を招
く。 (4)特に、近年、射出成形品の分野では、軽量化やコ
ストダウンの要望が強く、これを実現するために業界で
は製品の薄肉化で対応する趨勢にあり、表皮一体成形品
にも同様の傾向が見られる。したがって、上記の方法
では、金型キャビティ内のコア材樹脂流動経路が狭くな
るため、樹脂圧のアップが避けられない。また、上記
の方法では、金型の付帯設備の高機能化によるコスト高
は避けられず、コア材樹脂の冷却固化が速く、賦形には
高速・高圧の型締圧力の負荷が必要となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために、本発明においては、第1の発明では、対向
する左右一対または上下一対の金型の間に表皮材を介在
させて型閉した後、該表皮材と該両金型とで形成される
金型キャビティ内にコア材として溶融樹脂を射出充填し
て、該表皮材と該コア材とを一体成形する表皮一体成形
方法において、あらかじめ溶融樹脂の冷却固化収縮量を
算出し、該冷却固化収縮量を加算した溶融樹脂量を射出
充填するとともに、前記金型キャビティ内の樹脂圧を、
射出充填中においては5〜50kgf/cm2 に維持
し、充填完了後には直ちに70〜150kgf/cm2
に増圧し、その後2〜50kgf/cm2 に減圧させて
保持するように型締圧力を制御することとした。また、
第2の発明では、第1の発明における金型キャビティ内
への樹脂の充填完了後の金型キャビティ内樹脂圧の増圧
から減圧への切替えは、金型キャビティの最末端部へコ
ア材溶融樹脂が到達した時点とした。さらに、第3の発
明では、第1や第2の発明において、金型キャビティ内
への樹脂の充填完了後の金型キャビティ内樹脂圧の増圧
から減圧への切替えは、増圧開始から多くとも5秒以内
とした。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明においては、対向する左右
一対または上下一対の金型の間に表皮材を介在させて型
閉した後、該表皮材と該両金型とで形成される金型キャ
ビティ内にコア材として溶融樹脂を射出充填して、該表
皮材と該コア材とを一体成形する表皮一体成形方法にお
いて、あらかじめ溶融樹脂の冷却固化収縮量を算出し、
該冷却固化収縮量を加算した溶融樹脂量を射出充填する
とともに、前記金型キャビティ内の樹脂圧を、射出充填
中においては5〜50kgf/cm2 に維持し、充填完
了後には直ちに70〜150kgf/cm2 に増圧し、
その後2〜50kgf/cm2 に減圧させて保持するよ
うに型締圧力を制御するようにした。その結果、下記の
ような好ましい成形が実施される。 冷却固化収縮量を加算した樹脂量を射出充填し、た
とえば金型キャビティ内樹脂圧を2〜50kgf/cm
2 という低圧に型締圧力制御を行なうことで、樹脂の冷
却固化挙動に応じた型締側からの均一な全面保圧作用が
行なわれ、変形や反りを起こすことなく、表皮材にダメ
ージを与えることなく表皮材のコア材への均一密着性を
図ることができる。 射出充填中の金型キャビティ内樹脂圧は、たとえば
5〜50kgf/cm 2 という低圧に制御され、コア材
射出時の高圧の溶融樹脂流動が防止され、表皮材の損傷
が抑えられる。 型締圧力制御で達成される金型キャビティ内樹脂圧
の低圧化により、コア材射出時の金型の型開動作を招来
する。その結果、ガス抜き効果がアップし金型キャビテ
ィ内樹脂圧の低圧化が促進されるとともに、コア材樹脂
の流動が円滑に行なわれる。なお、この際の型開量は1
mm程度と小さく、表皮材のパーティング面におけるシ
ール効果と相まって樹脂漏れを防止し、シェアエッジ構
造等の特殊な金型を必要としない。 射出充填完了後、直ちに金型キャビティ内樹脂圧を
70〜150kgf/cm2 に増圧してコア材の賦形を
行なうことから、樹脂が溶融状態のまま賦形するため賦
形圧は低圧で十分で、同時に増圧状態を極力短時間に止
めて制御するので表皮材の損傷がほとんど無い。 低圧型締状態で表皮材の周縁部を保持していること
により、表皮材に適度のテンション(引張)を与えつつ
保持し、表皮材の局部的伸展を防止し、均一な表皮材性
能を維持する。
【0006】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図4は本発明の実施例に係り、
図1は本発明に使用する射出成形機の全体構成図、図2
は表皮一体成形工程における金型キャビティ内樹脂圧と
型開量の推移を示すグラフ、図3は表皮一体成形工程に
おける金型キャビティ内樹脂圧と保持時間と表皮材の損
傷度との相関を示すグラフ、図4は表皮一体成形工程の
フローチャートである。
【0007】図1に示すように、本発明における射出成
形機100は、金型装置10と型締装置20と射出装置
30と制御装置60とで構成される。金型装置10は、
固定盤1に取り付けられた固定金型3と可動盤2に取り
付けられた可動金型4とからなり、可動盤2および可動
金型4は型締装置20の型締シリンダ22で前後進でき
るよう構成される。型締装置20は、金型装置10の両
金型2、4の型開、型閉を作動する型締シリンダ22を
備えており、可動金型4が固定金型2に対して図示しな
いタイバーに案内されて前後進する。
【0008】射出装置30は、バレル32内に外周にス
パイラル状に取り付けられたスクリュ羽根36を備えた
スクリュ34が、正逆転油圧モータ42および射出シリ
ンダ40により回転自在で、かつ前後進自在に配設さ
れ、ホッパ38に供給された樹脂ペレットを加熱溶融し
て混練しつつノズル39を経由して、金型2、4間に形
成される金型キャビティ5内へ溶融樹脂を射出する。す
なわち、射出装置30は、ホッパ38内の樹脂原料をバ
レル32内の供給ゾーン、圧縮ゾーンにおいて加熱圧縮
され、計量ゾーンにおいて溶融計量し、射出ゾーンを経
てノズル39を介して金型キャビティ5内へ射出するよ
う構成される。射出シリンダ40および正逆転油圧モー
タ42には、油圧供給源50により供給される作動油が
射出制御部61の操作指令を受けた油圧制御弁52で設
定された一定の圧力で供給され、駆動される。
【0009】一方、制御装置60は、図1に示すよう
に、固定金型3に配置された樹脂圧センサ62で計測さ
れた圧力情報と金型キャビティ5の最末端部〜コア材溶
融樹脂が到達したことを検知する充填検知センサ66の
位置情報を入力する型締制御部64と型締制御部64の
出力信号を受けて作動する型締シリンダ22用の油圧制
御弁69と型締制御部64に接続されるタイマ68と型
締制御部64に接続された射出制御部61とで構成され
る。70は油圧供給源である。なお、本実施例では、直
圧式の型締装置を有する射出成形機を用いたが、トグル
型締装置の射出成形機や、あるいは竪型の射出成形機で
もよい。
【0010】本発明では、このように構成された射出成
形機100において、図2および図4に示す工程にした
がって操業する。まず、金型装置10の両金型3、4を
型開し、金型パーティング面の金型キャビティ5に対向
する所定位置に表皮材Sをセットし周縁部を把持して型
閉して、低圧型締状態にした後、コア材Qを金型キャビ
ティ5内へ射出充填する。なお、表皮材Sをセットする
際に、表皮材Sが弛まないように若干のテンション状態
(引張状態)を保持するのが望ましい。そして、射出充
填中の金型キャビティ5内の樹脂圧を樹脂圧センサ62
で検知して、たとえば5〜50kgf/cm2 の圧力範
囲のあらかじめ設定した圧力に維持するよう型締制御部
64より型締シリンダ22に操作指令を発して型締圧力
制御を行なう。
【0011】ここで、図3は金型キャビティ内樹脂圧と
保持時間と表皮材の損傷度との相関を示すグラフを示し
たものである。図中の(A)は表皮材Sの損傷度が極め
て大きい領域(不成形領域)、(B)は損傷度が極めて
小さい領域(良品域)、(C)は設定条件によっては損
傷の可能性がある不安定領域(境界域)を示す。表皮材
の損傷原因となる要因は大別すると、「温度」、「圧
力」、「時間」の3つであり、いずれもコア材溶融樹脂
から受ける。ここで、損傷を少なくするには、「温
度」、すなわちコア材溶融樹脂温度は低いほどよいが、
低すぎるとコア材樹脂の可塑化・流動不良を招き、成形
不良となる。したがって、樹脂特性に適合した温度条件
を選定することが大切で、たとえばPP樹脂の場合、2
00〜220℃前後とする。
【0012】「圧力」とは、「金型キャビティ内樹脂
圧」を意味し、これも小さいほど表皮材の損傷を少なく
するが、逆に賦形能力不足となり、特にコア材の薄肉化
による軽量化やコストダウンを図る場合に能力不足は顕
著となる。このような場合には、どうしても高圧状態が
必要で表皮材の損傷を招きやすい。以上のことから、上
述の損傷を回避するためには、「圧力」と「時間」を同
時に考慮した制御が必要となる。なお、射出成形機を使
用した従来方法では、図3の領域Aでの操業となるから
表皮材の損傷が大であり、成形不良を回避できない状態
であった。
【0013】ところが、本出願人の種々の研究や検討の
結果、極めて短時間であればかなり高圧状態であっても
表皮材Sの損傷はそれほどでないことが判明し、5秒程
度の短時間であれば、樹脂圧の上限値は150kgf/
cm2 までとすることができる(図3の領域(E))こ
とが判った。しかし、図3からも判るように、時間(保
持時間)の増加とともに表皮材Sの損傷を避ける許容圧
力が急激に低下するので、コア材樹脂の賦形の際の樹脂
圧の上限値を150kgf/cm2 とし、継続可能な時
間は5秒程度とした。また、図3の領域Cでは、樹脂圧
を50kgf/cm2 程度に抑えることにより保持時間
を相当長時間としても表皮材Sの損傷が小さいことが判
った。したがって、射出充填中や保圧工程中は、表皮材
Sの損傷を防止するため、樹脂圧の上限値を50kgf
/cm2 とした。
【0014】また、本発明においては、射出充填に対応
した型開挙動が行なわれる結果、ガス抜きが良好であ
り、これがコア材樹脂の金型キャビティへの充填流動動
作を助長し(特に、薄肉成形の場合に顕著である)、そ
のうえ表皮材の断熱効果と相乗して、樹脂圧の低圧化お
よび短時間充填化を達成する。なお、射出充填中の金型
キャビティ内樹脂圧を5〜50kgf/cm2 の圧力範
囲で行なう本発明の型締圧力制御では、型開量が1mm
程度と微小であるから、金型パーティング面で表皮材S
の周縁部を把持することによる表皮材Sのパーティング
面におけるシール効果と相まって、樹脂漏れがほとんど
無く、シェアエッジ構造の金型も不要となる。ここで金
型キャビティ内樹脂圧の下限値を5kgf/cm2 とし
たのは、これ以上弱くすると型開量が大きくなって樹脂
漏れが始まるからであり、金型キャビティ内樹脂圧の上
限値を50kgf/cm2 としたのは、前述したとおり
表皮材Sの損傷が発生確率が大きくなるからである。
【0015】また、金型パーティング面で表皮材周縁部
を低圧型締保持することから、コア材樹脂の射出充填に
対応した表皮材Sのテンションコントロール(充填の伸
展に伴い表皮材Sが金型パーティング面に沿って滑り移
動する)がなされる。これに対して、従来の射出成形機
による2層成形法では、表皮材はパーティング面で完全
固定であるためテンションコントロールは出来ず、その
結果、表皮材は局部的に伸張され、破れや表面性状の不
均一が生じる。また、従来のプレス成形機による2層成
形法では、表皮材固定の手段が別途に必要となり、煩雑
である。
【0016】射出充填完了後、直ちに金型キャビティ内
の樹脂圧を、樹脂圧センサ62で関知して、たとえば7
0〜150kgf/cm2 の圧力範囲のあらかじめ設定
した圧力に増圧するように型締制御部64より型締シリ
ンダ22に操作指令を発して型締圧力制御を行なう。射
出完了後、直ちに増圧することにより、コア材は未だ高
流動状態にあること、および表皮材Sでの断熱効果と相
乗して、樹脂圧が70〜150kgf/cm2 程度であ
っても十分に賦形可能である。ここで、樹脂圧の下限値
を70kgf/cm2 としたのは、これ以下の圧力では
賦形能力が不足するためで(薄肉化への対応でも考慮し
た値であり)あり、150kgf/cm2 を上限値とし
たのは図3にも示すとおりである。ただし、表皮材Sの
損傷防止の観点から、賦形の圧力負荷時間は極力少なく
するのが望ましく、そのため以下に示す方法で増圧工程
の時間を制御する。
【0017】 金型キャビティ流路の最末端部に設け
た充填検知センサ66で、樹脂充填(賦形)を検知した
後、型締制御部64は型締シリンダ22へ操作指令を発
信して減圧する。こうすることにより、必要最小限の増
圧工程のじたん制御が実現できる。充填検知センサ66
は、樹脂圧センサで代行させたり、温度センサや近接セ
ンサを採用する。また、特殊な例として、金型キャビテ
ィ5へ向けて超音波を照射して樹脂反射波を検知する超
音波センサを使用することも出来る。 増圧開始と同時に起動するタイマ68のタイムアウ
ト信号に基づいて減圧開始の制御を行なう。この際の時
間設定値の上限は5秒とすることにより、表皮材の損傷
防止は確実に行なわれる。なお、上記との手段を組
み合わせて用いてもよい。
【0018】以上のようにして、減圧開始指令を型締制
御部64が受信すると、金型キャビティ内樹脂圧を樹脂
圧センサ62で検知して、たとえば2〜50kgf/c
2の圧力範囲のあらかじめ設定した圧力になるよう
に、型締制御部64より型締シリンダ22へ操作指令を
発して型締圧力制御を行ないこの圧力に保持する。こう
することにより、金型キャビティ内には、あらかじめ計
算された冷却固化収縮量を加算した樹脂量が充填されて
いることから、表皮材Sの断熱効果との相乗作用とし
て、樹脂の冷却固化収縮挙動に対応した型締側から行な
う全面均一な保圧作用が実施され、コア材Qの賦形と同
時に、変形や反りの無いコア材と表皮材の密着作用が実
現する。ここで、樹脂圧の上限値を50kgf/cm2
としたのは、図3に示したとおり、表皮材Sの損傷防止
を考慮しており、下限値を2kgf/cm2 としたの
は、これ以下の圧力では保圧能力不足となるからであ
る。
【0019】コア材Qの冷却固化が終了すると、型開
し、必要に応じて表皮材Sの周縁部のトリミングやゲー
ト、ランナ部のカットを行なってから、製品取出を行な
い、表皮材Sの損傷の無い表皮一体成形品を得る。
【0020】以上述べた一連の成形動作には、前述した
ように、樹脂圧センサ62の検出信号や充填検知センサ
66の検出信号に基づいて型締制御部64で型締圧力の
フィードバック制御を実施する。なお、上記以外に、型
締圧力を所定の圧力範囲に制御することにより、本発明
と類似した成形動作を実現することができる。この場合
は、型開動作により、型締圧力と樹脂圧力がバランスさ
れることを利用する。
【0021】表皮材Sについては、特に制限はなく、要
求される性能に応じて使い分ける。1例を以下に示す
と、質感やソフト感を出すためには、PP樹脂やPE樹
脂等の樹脂シート、皮、布の裏面に発泡PP等の発泡層
を貼り付けた2層シートを使用する。また、手触り感や
高級感を出すためには、PP、PE等の樹脂シートの表
面に、合成繊維や布等の起毛層を有する2層シートを使
い、必要に応じて樹脂シートの裏面に発泡層を設けても
よい。
【0022】コア材Qについては、PP、PE等の熱可
塑性樹脂を使用し、必要に応じてタルク、繊維等を添加
する。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法によれ
ば、下記のような優れた効果が達成される。 (1)表皮材の損傷(発泡性表皮材については、発泡層
の潰れによるソフト感の消失、起毛性表皮材について
は、毛倒れによる手触り感や高級感の消失、局部的伸張
による表皮材表面性状の不均一、破れ、皺の発生等)の
無い、非常に優れた外観性能を有する表皮一体成形品が
安定して得られる。 (2)シェアエッジ構造等の金型、表皮材保持のための
付帯設備が不要となり、低コストと生産性向上が実現で
きる。 (3)コア材の薄肉化による軽量化およびコストダウン
と、表面性状に優れた表皮一体成形品の同時達成が実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る射出成形機の全体構成図
である。
【図2】本発明の実施例に係る表皮一体成形工程におけ
る金型キャビティ内樹脂圧と型開量の推移を示すグラフ
である。
【図3】本発明の実施例に係る表皮一体成形工程におけ
る金型キャビティ内樹脂圧と保持時間と表皮材の損傷度
との相関を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例に係る表皮一体成形工程のフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 固定盤 2 可動盤 3 固定金型 4 可動金型 5 金型キャビティ 10 金型装置 20 型締装置 22 型締シリンダ 30 射出装置 32 バレル 34 スクリュ 36 スクリュ羽根 38 ホッパ 39 ノズル 40 射出シリンダ 42 油圧モータ 50 油圧供給源 52 油圧制御弁 60 制御装置 61 射出制御部 62 樹脂圧センサ 64 型締制御部 66 充填検知センサ 68 タイマ 69 油圧制御弁 70 油圧供給源 100 射出成形機 Q コア材 S 表皮材

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する左右一対または上下一対の金型
    の間に表皮材を介在させて型閉した後、該表皮材と該両
    金型とで形成される金型キャビティ内にコア材として溶
    融樹脂を射出充填して、該表皮材と該コア材とを一体成
    形する表皮一体成形方法において、 あらかじめ溶融樹脂の冷却固化収縮量を算出し、該冷却
    固化収縮量を加算した溶融樹脂量を射出充填するととも
    に、 前記金型キャビティ内の樹脂圧を、射出充填中において
    は5〜50kgf/cm2 に維持し、充填完了後には直
    ちに70〜150kgf/cm2 に増圧し、その後2〜
    50kgf/cm2 に減圧させて保持するように型締圧
    力を制御することを特徴とする表皮一体成形方法。
  2. 【請求項2】 金型キャビティ内への樹脂の充填完了後
    の金型キャビティ内樹脂圧の増圧から減圧への切替え
    は、金型キャビティの最末端部へコア材溶融樹脂が到達
    した時点とした請求項1記載の表皮一体成形方法。
  3. 【請求項3】 金型キャビティ内への樹脂の充填完了後
    の金型キャビティ内樹脂圧の増圧から減圧への切替え
    は、増圧開始から多くとも5秒以内とする請求項1記載
    の表皮一体成形方法。
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