JP4238010B2 - 表面欠陥検査方法及びそれを用いた表面欠陥検査装置 - Google Patents

表面欠陥検査方法及びそれを用いた表面欠陥検査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒状、円柱状の被検査物の表面の緩やかな凹凸状欠陥を検査する方法および、それを用いた装置に関する。例えば、複写機、レーザープリンタ等の画像出力装置で使用される電子写真用感光体ドラム、または、定着装置の定着ローラー等の表面の欠陥を検査する際に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
複写機、レーザープリンタ等に用いられる電子写真用感光体ドラムを浸漬塗布により製造する場合、塗膜の厚さは塗液中に浸漬した電子写真用感光体ドラムの支持基体を塗液から引き出す速度によって調整される。
塗液中から支持基体を引き上げる際に支持基体内に溜まっていた空気が支持基体下部より泡となって液中に出たり、塗工槽周辺の装置の振動が塗工槽に伝わったりすることにより塗液の液面が揺れると部分的に支持基体と液面の相対速度が変わり塗膜のムラとなる。この塗膜のムラが電子写真用感光体ドラムの表面層で発生すると膜厚差約1μmの緩やかな表面凹凸状の欠陥となることがある。
【0003】
表面凹凸状の欠陥の検査方法としては、図1のような斜入射照明光学系や、図2のような同軸落射照明光学系による検査方法が知られている。
図1の斜入射照明光学系を用いる方法は、被検査物(1)の垂線方向から傾いた位置に設けた光源(2)から被検査物(1)の表面に光を照射し、被検査物(1)の表面で反射した光を受光手段(3)で受光する方法であり、平滑な正常面では被検査物(1)の表面からの正反射光を受光せず凹凸状欠陥(16)があった場合に正反射光を受光する位置に受光手段(3)を設置する方法(図1(a))と、正常面で被検査物(1)の表面からの正反射光を受光し、凹凸状欠陥(16)があった場合に正反射光を受光しない位置に受光手段(3)を設置する方法(図1(b))とがあり、凹凸状欠陥があった場合に正常面と受光状態が変化することによって欠陥を検出する。
【0004】
図2の同軸落射照明光学系を用いる方法では、被検査物の接線方向あるいは、軸線方向から光源(2)、レンズ(6)からなる投光手段により光を投光し、ハーフミラー(5)で光を反射し、被検査物(1)に垂直に光を照射する。平滑な正常面では垂直に光が反射し、ハーフミラー(5)を透過して受光手段(3)に受光される(図2(a))。凹凸状の欠陥(16)があった場合には被検査物(1)の表面で反射した光は垂直には反射せず、ハーフミラー(5)および受光手段(3)以外の方向に逃げることにより、正常面と受光状態が変化することによって欠陥を検出する。
しかし、どちらの方法も緩やかな凹凸状の欠陥においては光路の変化が少ないため、正常面と凹凸状欠陥との受光光量の差が現れ難くこの様な欠陥を検出することが困難であった。
【0005】
そこで、この様な緩やかな凹凸状の欠陥を検出するためには目視検査にて、図3の様に検査照明(7)の光を被検査物(1)に対して軸方向から鋭角に照射し、検査員(8)が軸方向の反対側から鋭角に覗き込み、被検査物(1)の表面に写り込んだ光源(2)の輝線の歪みや明暗の差の微妙な変化によって検査している。
この様な緩やかな凹凸状の欠陥を装置により検出する方法として、被検査物に所定のパターンを照射し、そのパターンの境界部が凹凸状欠陥によって歪んで撮影されることにより、欠陥を検出する方法が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、被検査物表面に平行光を照射し、その反射光をCCDカメラで受光し、正常面と比較して暗い部分の有無で欠陥を検出する方法が考案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
更に、平行光束を被検査物の表面に軸方向から鋭角に照射する投光光学系と、平凸型シリンドリカルレンズの拡大光学系、スリットを有する受光マスク板、受光器のCCDラインセンサの受光素子列で構成される受光光学系を持ち、受光マスク板のスリット及び受光素子列の長手方向を受光光学系の光軸に垂直な平面内で感光体ドラムの中心軸の射影成分と平行に配するとともに、平凸シリンドリカルレンズが感光体ドラムの中心軸方向の正反射光を拡大することにより緩やかな凹凸状の欠陥を検出する方法が考案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
また、これに近いものとして、被検査物での回転軸と光の照射方向との角度を鋭角にし、その被検査物に断面が長方形で実質的に均一なレーザー光を照射し、正反射の反射光軸上に位置する平凸型シリンドリカルレンズで拡散した光を収束させ、半透明スクリーン上に反射光による像を投影し、CCDカメラでこの半透明スクリーンの背面から像を撮影することにより欠陥を検出する方法が考案されている(例えば、特許文献4参照。)。
【0009】
しかしながら、目視にて緩やかな凹凸状の欠陥を検査する作業は被検査物の表面に写り込んだ光源の輝線の歪みや明暗の差の微妙な変化にを注視するため、神経を使う過酷な作業で、検査員に大きな負担を与えており、疲労により欠陥を見逃す可能性があった。
また、前述の特許文献1に記載の方法では、被検査物表面に照射されたパターンを評価するため、受光光学系は被検査物表面に常に焦点を合わせる必要があり、被検査物の歪や振れにより被検査物の表面位置が変化すると検査精度が落ちてしまう問題があった。
また、特許文献2に記載の方法では、被検査物に照射された平行光が表面の凹凸により光路が変わり、受光手段に受光される光の量が減少することを利用しているが、緩やかな凹凸状の欠陥では光路の変化が非常に小さいため、受光手段に受光される光の量の変化は微少であり、正常部と欠陥部の判別が困難であった。
また、特許文献3に記載の方法は被検査物の軸方向から鋭角に平行光を照射し、被検査物の表面で反射した光を平凸シリンドリカルレンズで拡大し、光電ラインセンサで受光しているため、平凸シリンドリカルレンズと光電変換センサの位置を合わせることが重要な要素となり、この位置精度の維持管理が非常に難しかった。
また、光電変換センサへの乱反射光の入射を防止し、中心軸と平行な正反射成分の光のみを光電変換センサで受光するためにスリットを設けているが、スリットの長手方向では開口幅が広いため、乱反射光を充分遮ることができず、中心軸と平行な正反射成分以外の光も光電変換センサが受光し、S/N比を低下させることがあった。
また、特許文献4に記載の装置は、被検査物からの反射光を半透明スクリーンに投影し、その半透明スクリーンの裏面からCCDカメラで撮影するため、撮影するのに充分な光量で、半透明スクリーンに反射光の像を結ぶために被検査物に多くの光を照射しなければならない。そのため、被検査物が電子写真用感光体ドラムの様な光によるダメージを受けやすいものであった場合は、必然的に被検査物への照射光量を抑えなくてはならず、反射光の少ない被検査物などでは、撮影に充分な明るさを持った像を半透明スクリーンに結ぶことができなかった。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−63687号公報
【特許文献2】
特開平9−105618号公報
【特許文献3】
特開平11−118449号公報
【特許文献4】
特開平9−304029号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の欠点に対応すべくなされたものであり、簡単な構成および調整方法でも、被検査物表面の緩やかな表面凹凸状の欠陥を精度良く検査できる方法および装置を提供することをその課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
電子写真用感光体ドラムの表面に発生する緩やかな表面凹凸状欠陥は、目視にて確認する場合は、前記のとおり、被検査物に対し光源をほぼ並行に近い状態まで入射角を大きくとって照射し、被検査物からの正反射光を観測すれば比較的容易にその存在を確認することが可能である。
入射角を大きくとって目視観測することで緩やかな表面凹凸状欠陥が見やすくなることは、透過率の極めて高い塗布表面において、入射角を大きくとれば内部に透過することなく、塗布表面で全反射となり、緩やかな表面凹凸状欠陥によって発生する光散乱が見やすくなるためである。
【0013】
光が密な媒質、n=n1から疎の媒質n=n2<n1に伝搬するとき、入射角が大きくなると屈折角θtが大きくなるため、入射角が大きくなると屈折角θtが先に90°に達する。そのときの入射角θi=θcは、
屈折の法則:n1sinθi=n2sinθtより、θ=sin−1(n2/n1)で表わされ、入射角θiがθcより大きくなると入射角は、透過することなく、全反射となって返ってくることになる(図4参照)。
また、フレネルの公式による反射率は、反射面に平行なP偏向成分、反射面に垂直なS偏向成分の偏向に依存して、同様に、
屈折の法則:n1sinθi=n2sinθtを整理して、
S偏向成分反射率:
【0014】
【数1】
Figure 0004238010
P偏向成分反射率:
【0015】
【数2】
Figure 0004238010
で表わされる(図5)。
【0016】
上記のように、目視による検査方法を分析した結果、入射角を大きくとるとほぼ全反射となり、透過率が高い鏡面における表面の外観状況の様子が、塗布膜下部の内部状況に影響されることなく、緩やかな表面凹凸状欠陥が顕著に反射光に重鎮され、目視によって視認しやすくなった結果であると判断できる。
透過率の高い鏡面状の塗布膜を有する電子写真用感光体ドラム表面の緩やかな表面凹凸状欠陥を検査する場合は、これらの光学現象を目視検査同様に画像視認できるような光学系として組み立てることが、最も重要となる。
【0017】
目視検査を分析した結果、透過率の高い鏡面状の塗布膜を有する感光体ドラム表面の緩やかな表面凹凸状欠陥を検査する装置を構成しようとする場合の光学系は、
1.精度の高い視野幅を持つ平行光源をコリメートレンズで生成する。
2.平行光を入射角を大きくとって、全反射に近い状態で照射する。
3.入射角と同角の正反射光をレンズの軸線に対して略平行な光のみを通す光学系、例えばテレセントリック光学系で正反射光のみ選択的に受光する。
4.レンズあおりによる被写界深度の影響を受けないようにするため、および欠陥による光拡散減光現象のみを選択的に受光するためにフォーカス位置を、表面の正反射光から近い空間に位置するように調整する。
等とする必要がある。
【0018】
そこで本発明では、コリメートレンズにより平行光を生成し、目視による検査と同様に円筒体もしくは円柱体の被検査物の軸方向から被検査物の軸線に対して5〜25°の角度で照射する。被検査物表面に照射された光は照射された角度と同じ角度で反射する正反射光とあらゆる方向に向って広がる散乱光として反射される。本発明においては、平行光を照射するため、正反射光の幅は入射光とほぼ同じ幅となり照射した角度と同じ方向に反射する。このとき、被検査物表面に凹凸があると正反射光の反射する角度が変化する(図6参照)。
【0019】
被検査物表面で反射した光を、レンズの光軸とほぼ平行な光だけを通過させる性質のレンズを通すことにより、正常面で反射した正反射光のみを通過させ、表面の凹凸により反射する角度の変わった光はほとんど通過させない。その結果、レンズを通過した光に明暗差が生じるので、その明暗差を捉えることで、表面の緩やかな凹凸を検査することが可能となる。受光光学系のレンズのフォーカス位置は、被検査物表面に合わせるのではなく、被検査物と受光光学系の間の空間に位置させる。これにより、被検査物表面の表面や塗膜内部の粗さや、点状欠陥等による明暗差の影響をが受光されにくくなり、S/N比を向上することができる。
【0020】
被検査物が電子写真用感光体ドラムの場合、アルミニウムの基体に表面加工を施した上に塗膜を塗布している。このアルミニウム基体の表面加工はアルミニウム基体表面を鏡面状にしたり、逆に光を拡散させるために切削加工等により粗面状にしたりする。基体表面を粗面にした場合、その上に塗布される塗膜の厚さによっては、塗膜の形状が基体表面の粗面形状にならい、塗膜の表面においても、鏡面状ではなく粗面状になってしまう。この場合は、被検査物への入射角度と反射角度が必ずしも一致しなくなるため、投光光学系を設置する角度と受光光学系を設置する角度を変えた方が明暗差を捉えやすくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図7(a)〜(c)に本発明の第一の実施形態を示す。
図7において、(1)は被検査物である電子写真用感光体ドラム、(2)は光源、(3)は受光手段であるカメラ、(9)は集光レンズ、(10)はピンホール、(11)はコリメートレンズ、(12)はスリット、(13)はテレセントリックレンズ、(14)はカメラ(3)内に納められた受光センサである。θiは入射角、θrは反射角である。
【0022】
光源(2)から出た光は集光レンズ(9)で集光されピンホール(10)を通過する。ピンホール(10)を通過した光はコリメートレンズ(11)によって平行光となり、スリット(12)によって光の幅が整形される。スリット(12)で整形された光は入射角θiで被検査物(1)の表面に照射され、入射角θiとほぼ同じ角度の反射角θrで反射する。反射した光は被検査物(1)表面から反射角θr傾いた方向に合わせて設けられたテレセントリックレンズ(13)に入光し、カメラ(3)内に納められた受光センサ(14)により受光され、電気信号に変換され図示されていない演算装置に送られ信号処理される。
【0023】
光源(2)はハロゲン光源、メタルハライド光源、検査用蛍光灯等の光源が使用可能である。被検査物の性質によってはある特定の波長によりダメージを受けることがあるため、光源にバンドパスフィルターを装着し、有害な波長をカットしたり、LED、レーザー等の波長域の狭い光源を利用したりすることで、ダメージを抑制できる。
スリットは、必ずしも設ける必要はないが、スリットを設けることで余分な光を削減でき、S/N比を改善することができるので、設置する方が好ましい。
【0024】
入射角θiを小さくすることによって、入射角θiとほぼ同じ角度の反射角θrで反射した反射光は全反射に近い正反射光となり、テレセントリックレンズ(13)に入光する。入射角θiおよび反射角θrは5〜25°が良く、更に好ましくは10〜20°が良い。5°より小さいと投受光光学系と被検査物(1)が物理的に干渉し易くなったり、被検査物(1)に光束が遮れたりして機器を構成することが困難になる。また、25°を超えると緩やかな表面凹凸状欠陥による光路変化が顕著に表われなくなり表面凹凸状欠陥を捉えることができなくなる。
【0025】
テレセントリックレンズ(13)はテレセントリックレンズの軸線と平行な光のみを選択的に受光し、表面欠陥がある場合に光拡散された拡散光は、ほぼ受光されることはない。また、テレセントリックレンズ(13)の焦点距離であるフォーカス位置は、正反射光の通過位置の空間に位置させ、レンズあおりによる被写界深度差を無視できるようにする。
表面に結像させないため、表面や塗膜内部の粗さなどの影響を避けることができ、同様にS/N比を改善できる。等の大きな特徴を有する。
【0026】
電子写真用感光体ドラムに発生する外観上の欠陥は多種多様であり、全ての欠陥をインラインで効率よく検出しようとした場合は、従来からの同軸落射照明光学系や斜入射照明光学系を用いて欠陥を捕らえる方式を本発明の方式と併用することが必要となる。
例えば、従来の検査方式の受光手段として、CCDカメラを配し、検査視野を50mm程度とした場合、本方式においてもこれに合わせて検査視野を50mm程度とすることが、連続的検査ステージ構成を考慮する場合、重要となる。
また、検査視野のみならず、カメラの分解能、動作仕様を同じにすれば欠陥検出分解能、検査タクトタイムにおいても全く同等となり、連続的な同期運転が可能となるなどのメリットがある。
【0027】
図8に本発明の第二の実施形態を示す。
第一の実施形態は投光手段および受光手段を被検査物(1)の軸方向に対して鋭角になる様に設置するため、機器の幅が被検査物(1)の軸方向に大きくなってしまう。そこで、図8に示す様に投光手段と被検査物(1)の間、および受光手段と被検査物(1)の間に全反射ミラー(15)を設けて光路を屈折させることにより被検査物(1)の軸方向の光学系の幅を短くすることができ、機器を小さくまとめることができる。
【0028】
図9(a)〜(b)に本発明の第三の実施形態を示す。
第一の実施形態から、受光手段であるテレセントリックレンズ(13)およびカメラ(3)の設置角度を正反射光の反射角度θrからθdだけずらしたものである。このθdは−10°〜10°が良く、更に好ましくは−5°〜5°が良い。
【0029】
図10(a)〜(b)に本発明の第四の実施形態を示す。
第一の実施形態から、受光手段であるテレセントリックレンズ(13)およびカメラ(3)の設置位置を被検査物(1)の周方向にθlだけずらしたものである。このθlは−10°〜10°が良く、更に好ましくは−5°〜5°が良い。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例の説明を行なうが、まず、実施例及び比較例で評価対象とする電子写真感光体ドラムの製造方法を述べる。
以下に記す%は重量基準である。
実施例に使用する電子写真用感光体ドラムの導電性の基体は、外径:φ30mm、長さ:340mmの円筒状のアルミニウム製のものを使用する。
下引き層は酸化チタン20部とアルキッド樹脂40部とメラミン樹脂20部とからなる塗膜であり、その乾燥膜厚は6μmとした。また、下引き層は前記組成の混合物をメチルエチルケトン100部中に分散させた液を基体に塗工して製作したが、この塗工液は原材料をボールミル中で24時間分散結合させて調整したものであり、塗液は塗工後に130〜140℃で0.5時間熱処理して有機溶剤不溶性としたものである。
電荷発生層および電荷輸送層は両者とも下記塗工液を塗工する方法で形成させたが、電荷発生層は乾燥膜厚が1μm、電荷輸送層は乾燥膜厚30μmとなるように乾燥後の塗膜に順次塗工する方法で積層した。電荷発生層形成用塗工液はブチラール樹脂(UCC社製:XYHL)1部をシクロヘキサン−テトラヒドロフラン混合溶液(混合比7:3)98部に溶かし、これに下記式で示されるジスアゾ顔料10部を加えてボールミルで72時間分散して調整した。
【0031】
【化1】
Figure 0004238010
【0032】
また、電荷輸送層形成用塗工液はポリカーボネート樹脂(帝人社製:パンライトK−1300)と下記式で示される電荷移動剤(ヒドラゾン化合物)10部をジクロロメタン80部に溶解混合して調整した。
【0033】
【化2】
Figure 0004238010
【0034】
アルミニウム製基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層と順番に浸漬塗布方法にて製膜し、電荷発生層の塗布時に部分的に塗工速度を変化させることにより緩やかな表面凹凸を形成した。この表面凹凸を触針式の表面粗さ形状測定器で測定したところ、約0.5μmの差があった。
【0035】
実施例1
図7(a)〜(c)に示す第一の実施形態の装置を用いた。光源(2)としてハロゲン光源を用い、光源(2)から出た光は集光レンズ(9)を通過し、ピンホール(10)で集光される。次いで2群構成のφ40mm程度のコリメートレンズで平行光となり、幅10μm、長さ15mm程度のスリット(12)を通過することで帯状平行光となる。帯状平行光は、被検査物(1)の軸線に対して入射角θi=15°で照射する様にした。帯状平行光は被検査物(1)の表面で約50mmよりやや長めに照射され、この幅が検査視野となる。被検査物(1)表面で反射した光は、入射角θiと同じ反射角度θrで反射し、テレセントリックレンズ(13)に導かれる。テレセントリックレンズは、被検査物からの正反射光のみを選択的に受光し、検査視野50mmをθr=15°の角度で観測するため、実際には約13mm幅で受光する。13mm幅で受光した光はテレセントリックレンズで2.7倍にエキスパンドされ、カメラ(13)内に納められた受光センサ(14)である一次元CCDセンサ(分解能7μm、5150dots、素子長36mm)に結像される。結果、検査分解能は10μm程度となった。テレセントリックレンズ(13)のフォーカス位置は、被検査物(1)とテレセントリックレンズ(13)の間の空間に位置する様にし、受光センサ(14)には像を結ばず、光の明暗だけを受光するようにした。
【0036】
実施例2
図9(a)〜(b)に示す第三の実施形態の装置を用いた。光の反射角度θrに対するテレセントリックレンズ(13)およびカメラ(3)のずらし角θdを5°とし、それ以外は実施例1と同じとした。
【0037】
実施例3
ずらし角θdを10°とした以外は実施例2と同じとした。
【0038】
実施例4
ずらし角θdを−10°とした以外は実施例2と同じとした。
【0039】
実施例5
図10(a)〜(b)に示す第四の実施形態の装置を用いた。被検査物(1)の周方向へのテレセントリックレンズ(13)およびカメラ(3)のずらし角θlを5°とし、それ以外は実施例1と同じとした。
【0040】
実施例6
ずらし角θlを10°とした以外は実施例5と同じとした。
【0041】
比較例1
入射角度θiおよび反射角度θrを30°とした以外は実施例1と同じとした。
【0042】
比較例2
図11に示す同軸落射照明光学系の装置を用いた。被検査物(1)の接線方向に平行な位置に光源(2)(ハロゲン光源)を設け、光源(2)から出た光がハーフミラー(5)で反射され被検査物(1)の法線方向から被検査物(1)に照射される。被検査物(1)表面で反射した光はハーフミラー(5)を通過してテレセントリックレンズ(13)を経てカメラ(3)(1次元CCDカメラ)に入光し、カメラ(3)内の光電変換センサ(1次元CCD)で受光し、ここで光量に応じた電気信号に変換され図示していない演算装置に送られる様にした。
【0043】
比較例3
図12に示す斜入射照明光学系の装置を用いた。被検査物(1)の法線方向から40°傾いた方向に設けた光源(2)(ハロゲン光源)から被検査物(1)に光を照射し、被検査物(1)表面で反射した光を光源(2)が設けれている方とは反対側に被検査物(1)の法線方向から40°傾いた位置に設けたテレセントリックレンズ(13)を経てカメラ(3)(1次元CCDカメラ)に入光する。カメラ(3)内の光電変換センサ(1次元CCD)で受光し、ここで光量に応じた電気信号に変換され図示していない演算装置に送られる様にした。
【0044】
【表1】
Figure 0004238010
◎:欠陥部の明暗差大
○:欠陥部の明暗差中
△:欠陥部の明暗差小
□:欠陥部の明暗差微小、信号処理困難
×:欠陥部の明暗差ほとんどなし
【0045】
表1から明らかな様に、本発明によれば円筒体表面の緩やかな表面凹凸状欠陥を受光光量の明暗差として捉えることができ、受光した明暗差によって欠陥として検査することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明においては、平行光を被検査物の軸方向から鋭角に照射するとともに、被検査物からの反射光をテレセントリックレンズを通して光電変換センサで受光し、該光電変換センサからの信号を処理することによって、被検査物表面の緩やかな表面凹凸状欠陥を光の明暗差として捉え、欠陥として判定することができる。
発明においては、該被検査物からの反射光を受光する角度を、正反射光の入射角度に対して所定角度ずらすことにより、光電変換センサが受光する光の明暗差を大きくでき、検出感度を上げることができる。
発明においては、テレセントリックレンズの焦点位置を被検査物からの反射光の通過位置の空間に位置させることにより、表面や塗膜内部の粗さなどの影響を避けることができS/N比を向上することができる。
発明においては、照射光をマスク板によりスリット光に整形し、スリット光を被検査物の軸線より被検査物周方向に所定角度ずらして照射することにより、光電変換センサが受光する光の明暗差を大きくでき、検出感度を上げることができる。
発明においては、被検査物の軸方向から鋭角に平行光を照射する投光光学系と、被検査物表面からの反射光を受光するテレセントリックレンズおよび光電変換センサとを具備する受光光学系と、該光電変換センサからの信号を処理する手段から構成されることで、被検査物表面の緩やかな表面凹凸状欠陥を光の明暗差として捉え、欠陥として判定することができる表面欠陥検査装置が提供される。
発明においては、該受光光学系を平行光の入射角度に対して所定角度ずらした位置に設けることによって、光電変換センサが受光する光の明暗差を大きくでき、検出感度を上げることができ、精度良く検査することができる表面欠陥検査装置が提供される。
発明においては、受光光学系のレンズの焦点位置を検査物からの反射光の通過位置の空間になるように設定することによって、表面や塗膜内部の粗さなどの影響を避けることができS/N比の良い表面欠陥検査装置が提供される。
発明においては、投光光学系が平行光を生成する機構と、生成された平行光をスリット状に整形するスリット板により構成され、該スリット光を被検査物の軸線より被検査物州方向に所定角度ずらして照射する様に設置することにより、光電変換センサが受光する光の明暗差を大きくでき、検出感度の良い表面欠陥検査装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】斜入射照明光学系の概略図であり、(a)は斜入射照明光学系での表面凹凸状欠陥の検出方法、(b)は斜入射照明光学系での表面凹凸状欠陥の検出方法を示す。
【図2】同軸落射照明光学系の概略図であり、(a)は同軸落射照明光学系で表面凹凸状欠陥の検出方法を示す。
【図3】目視による緩やかな表面凹凸状欠陥の検査方法の概略図である。
【図4】屈折の法則を説明する図である。
【図5】透明膜における反射を説明する図である。
【図6】被検査物表面の光の説明図である。
【図7】本発明の実施形態の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態の他の例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態の他の例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態の他の例を示す図である。
【図11】比較例2で用いた装置の概略図である。
【図12】比較例3で用いた装置の概略図である。
【符号の説明】
1・・・被検査物(電子写真用感光体ドラム)
2・・・光源(ハロゲンランプ)
3・・・受光手段(カメラ)
4a・・・照射光
4b・・・反射光
5・・・ハーフミラー
6・・・レンズ
7・・・検査照明
8・・・検査員
9・・・集光レンズ
10・・・ピンホール
11・・・コリメートレンズ
12・・・スリット
13・・・テレセントリックレンズ
14・・・受光センサ
15・・・全反射ミラー
16・・・表面の凸状欠陥

Claims (2)

  1. 表面の滑らかな円筒体もしくは円柱体の被検査物の表面の欠陥を検査する検査方法であって、平行光を被検査物の軸方向から軸線に対して5〜25°の入射角度(θi)で、斜めに照射するとともに、該被検査物からの正反射光を、焦点位置が前記被検査物からの正反射光の通過位置の空間に位置するように設けられたテレセントリックレンズを通して光電変換センサで受光し、該光電変換センサからの信号を処理して前記被検査物の欠陥を検出することを特徴とする表面欠陥検査方法。
  2. 表面の滑らかな円筒体もしくは円柱体の被検査物の表面の欠陥を検査する装置であって、被検査物の軸方向から軸線に対して5〜25°の入射角度(θi)で斜めに平行光を照射する投光光学系と、焦点位置が検査物からの前記正反射光の通過位置の空間になるように設置されたテレセントリックレンズおよび光電変換センサとを具備する受光光学系と、該光電変換センサからの信号を処理する手段から構成されることを特徴とする表面欠陥検査装置。
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