JP4232881B2 - スイッチング電源 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、共振型のスイッチング電源に関する。
【0002】
【従来の技術】
共振型スイッチング電源は、高効率、低雑音が達成できる可能性があるスイッチング電源として注目されている。共振型スイッチング電源は、直流電圧をスイッチング回路によってスイッチングし、スイッチング出力を共振回路で共振させ、共振出力を、トランスの巻線を介して取り出し、直流に変換して出力する。スイッチング回路のスイッチング動作は、制御回路から供給される制御信号によって制御される。例えば、共振回路の共振周波数よりも高い周波数領域に設定された周波数制御領域を持ち、出力電圧が高くなった場合は、動作周波数を上げて出力電圧を低下させ、出力電圧が低下した場合は動作周波数を低下させて、出力電圧が高くなる方向に制御する。
【0003】
上述の共振回路は、共振用コンデンサ及び共振用インダクタを含んで構成される。共振回路方式としては、直列共振、並列共振、直並列共振、複共振または準複共振等、種々の回路方式が知られている。共振型スイッチング電源に係る先行技術文献例としては特開平7−298614号公報、特開平7−274499号公報等がある。
【0004】
共振型スイッチング電源の歴史は比較的新しく、種々の解決すべき課題が、未解決のまま残されている。その内の一つが、共振用コンデンサに瞬時的に印加される過電圧の問題である。
【0005】
例えば、スイッチング電源の起動時には、出力側平滑コンデンサの蓄積電荷が極めて少量であるので、出力側平滑コンデンサに流れ込むチャージ電流等に起因する過電流状態が発生し、共振用コンデンサに瞬時的に過電圧が印加される。
【0006】
また、共振回路の共振用インダクタとしては、コアに巻線を施したものが用いられる。コアは、その材料等によって定まるBーH特性を有する。このため、共振用インダクタに、コアのBーH特性において、磁気飽和を生じるような大きな共振電流が流れると、共振用インダクタのインダクタンス値が小さくなり、共振回路のインピーダンスが低下する。共振回路のインピーダンスが低下すると、共振回路に流れる電流が増大するので、共振用インダクタのインピーダンスが更に小さくなる。このような正帰還動作により、共振回路に流れる電流が急激に増大し、共振用コンデンサに印加される電圧が、急激に、過電圧状態になる。
【0007】
一般に、共振型スイッチング電源には、回路を過電流から保護する目的で、過電流保護回路が設けられている。過電流保護回路は、過電流を検出したとき、スイッチング回路を制御して過電流を抑制する。しかしながら、過電流制御系は、通常、閉ループ構成であるので、過電流を抑制するのに時間を要する。このため、瞬時的な過電流は回避できず、共振用コンデンサに、過電圧が瞬時的に印加されることになる。
【0008】
共振用コンデンサに瞬時的に印加される過電圧を抑制する手段として、過電流制御系の応答速度を増大させることが考えられる。しかしながら、過電流制御系は閉ループを構成しているので、過電流制御系の応答速度を増大させると、過電流制御系に異常発振を生じる。出力電圧制御系の応答速度を増大させた場合も同様である。
【0009】
また、過電流制御系の応答速度を早くした場合、起動時に、出力側平滑コンデンサに流れ込むチャージ電流等に起因する過電流に対しても、過電流制御系が動作してしまい、起動できなくなってしまうという事態を生じる。
【0010】
起動時の過電流を回避する手段として、ソフトスタート方式は既に知られている。この方式では、スイッチング電源の起動時に、電力が序々に出力されるようにスイッチング制御を行うことにより、過電流を回避する。しかし、負荷容量が未知の場合は、チャージ時間が決定できないため、ソフトスタート期間を設計することができず、共振用コンデンサを、安定して、過電圧から保護することができない。
【0011】
特開平7ー298614号公報は、過電流時に、第1及び第2のスイッチを完全にオフにしないで、オン時間幅を狭めることにより、過電流保護、負荷への電力供給、及び、正常運転への移行を行うスイッチング電源を開示している。しかしながら、この従来技術はスイッチを保護するものであって、共振用コンデンサを、過電圧から保護するものではない。
【0012】
過電流保護制御にパルス・バイ・パルス制御を利用すれば、過電流検出後に瞬時にスイッチパルス幅を狭めることができるので、瞬時的な過電流を回避でき、よって、共振用コンデンサに瞬時的に印加される過電圧を回避できる。しかし、動作周波数が一定で、パルス幅が変わるので、ゼロ・ボルト・スイッチング(ZVS)を行うことができなくなり、スイッチ損失が増大する。
【0013】
上述したように、共振用コンデンサを、瞬時的な過電圧から保護する有効な手段がない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、共振用コンデンサの過電圧を、瞬時に抑制し得る共振型スイッチング電源を提供することである。
【0015】
本発明のもう1つの課題は、動作の安定した共振型スイッチング電源を提供することである。
【0016】
本発明の更にもう1つの課題は、共振用コンデンサとして、耐電圧の低いコンデンサを用い得る共振型スイッチング電源を提供することである。
【0017】
本発明の更にもう1つの課題は、ゼロ・ボルト・スイッチングに適した共振型スイッチング電源を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係るスイッチング電源は、スイッチング回路と、共振回路と、トランスと、出力整流平滑回路と、制御回路と、過電圧保護回路とを含む。
【0019】
前記スイッチング回路は、入力された直流電圧をスイッチングする。前記トランスは、少なくとも、一次巻線と、二次巻線とを含んでいる。前記共振回路は、共振用コンデンサを含み、前記スイッチング回路と前記一次巻線とを含む回路ループ内に接続されている。前記出力整流平滑回路は、前記二次巻線に接続されている。
【0020】
前記制御回路は、前記共振回路の共振周波数よりも高い動作周波数で前記スイッチング回路を動作させる。
【0021】
前記過電圧保護回路は、前記共振用コンデンサに印加される電圧に対応した信号が入力され、前記信号が予め定められたコンデンサ印加電圧に対応するとき、前記制御回路に制御を加え、前記動作周波数を、コンデンサ印加電圧が過電圧とならない周波数に設定する。
【0022】
上述した本発明に係るスイッチング電源において、スイッチング回路は、入力された直流電圧をスイッチングし、そのスイッチング出力を共振回路及びトランスの一次巻線に供給する。
【0023】
スイッチング回路とトランスの一次巻線とを含む回路ループ内に、共振回路が接続されているから、スイッチング回路のスイッチング動作により、共振回路及びトランスの一次巻線に、共振回路の共振周波数に対応した疑似正弦波電流が流れる。このとき、一次巻線と結合する二次巻線に誘起電圧が発生する。この誘起電圧は、トランスの二次巻線に接続された出力整流平滑回路により直流に変換され、出力される。
【0024】
制御回路は、共振回路の共振周波数よりも高い動作周波数でスイッチング回路を動作させる。より具体的には、出力電圧が低下したときには、動作周波数を低下させ、出力電圧が上昇したときには、動作周波数を高くすることにより、出力電圧を安定化する。
【0025】
更に、本発明に係るスイッチング電源は、過電圧保護回路を備える。過電圧保護回路は、共振用コンデンサに印加される電圧に対応した信号が入力され、信号が予め定められたコンデンサ印加電圧に対応するとき、制御回路に制御を加え、動作周波数を、コンデンサ印加電圧が過電圧とならない周波数に設定する。これにより、共振回路のインピーダンスが、その設定された周波数に対応した値になり、共振回路に流れる電流が、その周波数に対応した値に押えられ、共振用コンデンサに印加される電圧の上昇が押えられる。従って、共振用コンデンサが過電圧から保護される。また、共振用インダクタのコアの磁気飽和に起因する過電圧も回避することができる。
【0026】
しかも、上述した過電圧保護動作は開ループ制御である。このため、共振用コンデンサに過電圧が印加されたとき、即座にその過電圧を抑制できる。従って、共振用コンデンサの過電圧を瞬時に抑制することができる。起動時に、出力側平滑コンデンサに大きなチャージ電流が流れ込んだ場合も、過電圧保護回路が動作し、起動時の過電圧が防止される。
【0027】
更に、上述の過電圧保護動作は、開ループ制御であるので、異常発振を生じる恐れはない。従って、本発明の共振型スイッチング電源は、安定した動作を確保できる。
【0028】
しかも、上述のように、共振用コンデンサに瞬時的に印加される過電圧を抑制できる。従って、本発明の共振型スイッチング電源では、共振用コンデンサとして、耐電圧の低いコンデンサを用いることができる。
【0029】
更に、本発明では、パルス・バイ・パルス制御を用いずに、共振用コンデンサに瞬時的に印加される過電圧を抑制できる。このため、ゼロ・ボルト・スイッチングに適した共振型スイッチング電源を実現できる。
【0030】
本発明の他の目的、構成及び利点については、実施例である添付図面を参照して、更に詳しく説明する。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るスイッチング電源を概略的に示す図である。図示するように、本発明に係るスイッチング電源は、スイッチング回路1と、共振回路と、トランス3と、出力整流平滑回路4と、制御回路64と、過電圧保護回路63とを有する。
【0032】
スイッチング回路1は、入力された直流電圧Vinをスイッチングする。図示のスイッチング回路1は、直流電源装置7から直流電圧Vinが入力される。直流電源装置7は、通常は、交流電源を直流に変換する整流平滑回路として構成される。直流電源装置7はスイッチング電源の一部として備えられていてもよいし、外部要素であってもよい。図示されたスイッチング回路1は、2つのスイッチング素子11、12を有する。2つのスイッチング素子11、12は、互いに直列に接続され、直列回路の両端が直流電源7に導かれている。
【0033】
更に、2つのスイッチング素子11、12は、交互に駆動される。図示のスイッチング回路1には駆動回路10が備えられている。この駆動回路10には、前述の制御回路64からの信号S7が供給される。そして、駆動回路10は、信号S7に基づき、2つのスイッチング素子11、12を交互に駆動する。図示のスイッチング素子11、12は、それぞれ、電界効果トランジスタ(FET)により構成されている。
【0034】
トランス3は、少なくとも、一次巻線31と、二次巻線32とを含んでいる。実施例は、出力整流平滑回路4を両波整流回路方式とした場合に適した二次巻線構造を示し、二次巻線32は、第1の巻線321と、第2の巻線322の2つの巻線を備える。第1の巻線321の一端及び第2の巻線322の一端は、互いに接続されている。
【0035】
共振回路は、共振用コンデンサ21と、共振用インダクタ22とを含み、スイッチング回路1とトランス3の一次巻線31とを含む回路ループ内に接続されている。共振用コンデンサ21と、共振用インダクタ22とは、直列に接続され、直列共振回路を構成している。直列回路の両端は2つのスイッチング素子11、12の接続点と、2つのスイッチング素子11、12によって構成される直列回路の一端との間に接続されている。
【0036】
実施例では、トランス3の一次巻線31もインダクタとして動作するので、共振回路は、共振用コンデンサ21及び共振用インダクタ22の他に、トランス3の一次巻線31をも含むことになる。これとは異なって、共振回路は、トランス3の一次巻線31のインダクタンスを含まず、専ら、共振用コンデンサ21と、共振用インダクタ22とによって構成されるように、設計することも可能である。
【0037】
共振回路方式としては、図示の直列共振の他、並列共振、直並列共振、複共振または準複共振等、種々の回路方式が知られており、本発明は何れの回路方式も適用が可能である。
【0038】
出力整流平滑回路4は、トランス3の二次巻線32に接続されている。出力整流平滑回路4は、二次巻線32に生じる誘起電圧を直流に変換して出力する。出力整流平滑回路4は、整流平滑された出力電圧Voを、負荷8に供給する。出力整流平滑回路4は、整流回路42と、平滑回路41とを含む。整流回路42は、第1のダイオード421と、第2のダイオード422とを有する。第1のダイオード421のアノードは第1の巻線321の他端に接続され、第2のダイオード422のアノードは第2の巻線322の他端に接続されている。第1のダイオード421のカソード及び第2のダイオード422のカソードは、互いに接続されて接続点T2を構成する。
【0039】
図示の平滑回路41は、出力チョークコイル411及び出力平滑コンデンサ412を有するチョークインプット型である。出力チョークコイル411の一端は、上述の接続点T2に接続されている。出力チョークコイル411の他端及び出力平滑コンデンサ412の一端は、互いに接続され、出力端子T3に接続されている。出力平滑コンデンサ412の他端と、第1の巻線321及び第2の巻線322の接続点とは、互いに接続され、出力端子T4に接続されている。
【0040】
2つの出力端子T3、T4の間には負荷8が接続されている。出力端子T3と出力端子T4との間に生じる出力電圧をVoで示し、出力端子T3から負荷8に流れる出力電流をIoで示す。平滑回路41は、図示と異なり、出力平滑コンデンサのみを有するコンデンサインプット型であってもよい。
【0041】
制御回路64は、スイッチング回路1に信号S7を供給し、共振回路の共振周波数よりも高い動作周波数で、スイッチング回路1を動作させる。図示された制御回路64は、電圧制御発振回路(以下VCOと称する)65と、最低周波数設定回路66と、ドライブパルス生成回路67とを有する。
【0042】
VCO65は、入力される電圧信号に応じて発振周波数が制御されるもので、その回路構成は従来よりよく知られている。VCO65は、通常、周波数信号S6の最低(最小)周波数fminを指定するための最低周波数設定端子T1を有する。最低周波数設定回路66は、コンデンサ91と、抵抗92とを有する。コンデンサ91と、抵抗92とは、互いに並列に接続され、並列回路の一端がVCO65の最低周波数設定端子T1に接続され、並列回路の他端がアースされている。最低周波数設定回路66は、その回路定数によって、所定の出力電力を出力することが可能な最低周波数fminを設定する。その回路構成は、任意であり、図示に限定されるものではない。
【0043】
図2は、図1に示したスイッチング電源において、共振回路の周波数−インピーダンス特性を示す図である。図示において、横軸は周波数(kHz)を示し、縦軸は共振回路のインピーダンスを示している。特性P1は周波数−インピーダンス特性を示している。制御回路64は、図2の周波数ーインピーダンス特性を利用し、共振回路の共振周波数foよりも高い動作周波数Fでスイッチング回路1を動作させる。
【0044】
過電圧保護回路63には、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrに対応した信号S3が入力される。過電圧保護回路63は、上述の信号S3が過電圧に対応するとき、制御回路64に対し、制御回路64の動作周波数を、共振回路の共振周波数f0よりは高い特定周波数fstに固定する制御を加える(図2参照)。
【0045】
図1に示す実施例では、電流検出手段51が備えられている。電流検出手段51は、トランス3の二次巻線32側に流れる電流を検出して電流検出信号を出力する。具体的には、電流検出手段51は、トランス3の二次巻線32を構成する第2の巻線322と、第2のダイオード422との間に挿入されており、第2の巻線322に流れる電流I4を検出して電流検出信号を出力する。電流検出信号は、電流I4に比例する電圧信号として取り出される。このような電流検出手段51は、カレントトランスまたは抵抗等を用いて構成することができる。
【0046】
過電圧保護回路63には、電流検出手段51で電圧信号として生成された電流検出信号が、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrに対応した信号S3として入力される。この種の共振型スイッチング電源では、第2の巻線322に流れる電流I4と、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrとに、相関関係があるから、電流I4に対応する電圧信号は、結局、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrにほぼ対応することになる。実施例は、この特徴を利用している。
【0047】
過電圧保護回路63は、電流検出手段51から電圧信号として供給される信号S3の値が、予め定められた電圧値に対応するとき、最低周波数設定回路66の回路定数を変更し、制御回路64の動作周波数Fを、共振回路の共振周波数foより高い特定周波数fstに固定する。具体的には、抵抗93を介して、コンデンサ91と、抵抗92との接続点及び最低周波数設定端子T1に接続し、この抵抗93を、コンデンサ91及び抵抗92に並列に接続することにより、その回路定数を変更する。これによって、VCO5の発振周波数が共振回路の共振周波数foより高い特定周波数fstに固定される。最低周波数設定回路66の回路定数を変更する手段として、過電圧保護回路63に備えられるべき回路素子または回路は、抵抗93に限らず、その他の回路素子、例えば、コンデンサであってもよいし、抵抗またはコンデンサの直並列回路等であってもよい。
【0048】
更に、実施例では、過電流保護回路61が備えられている。過電流保護回路61は、電流検出手段51から電流検出信号S1が供給される。そして、過電流保護回路61は、電流検出信号S1に基づき、過電流を抑制するための信号S11を生成し、この信号S11を制御回路64に供給する。
【0049】
制御回路64は、過電流保護回路61から供給される信号S11に基づいて、スイッチング回路1に対し、動作周波数Fを上昇させ、出力電圧Voを零電圧まで垂下させる過電流保護動作を与える。更に詳しくは、制御回路64に含まれるVCO65が、過電流保護回路61から供給される信号S11の電圧値に対応した発振周波数で動作し、過電流保護のための信号S6を、ドライブパルス生成回路67に供給する。ドライブパルス生成回路67は、VCO65から供給される信号S6に基づき、スイッチング回路1に過電流保護動作を与える。
【0050】
実施例では、過電流保護回路61と、制御回路64とを異なるブロックとして表現したが、過電流保護回路61を制御回路64の一部と見做してよい。
【0051】
更に、実施例には出力電圧制御回路62が備えられている。出力電圧制御回路62には、出力整流平滑回路4から出力される出力電圧Voに対応する信号S2が供給される。出力電圧制御回路62は、信号S2に基づき、出力電圧検出信号S21を生成し、この信号S21を制御回路64に供給する。
【0052】
制御回路64は、出力電圧制御回路62から供給される信号S21に基づいて、スイッチング回路1に供給される信号S7の周波数を変化させ、スイッチング回路1の動作周波数Fを変化させ、出力電圧Voを一定とする出力電圧制御動作を与える。具体的には、制御回路6に含まれるVCO65が、出力電圧制御回路62から供給される信号S21の電圧値に対応した発振周波数で発振動作をし、発振周波数である信号S6を、ドライブパルス生成回路67に供給する。ドライブパルス生成回路67は、VCO65から供給される信号S6に基づき、その周波数に応じた動作周波数Fで、スイッチング回路1を動作させる。これにより、出力電圧安定化制御が得られる。
【0053】
実施例では、出力電圧制御回路62と、制御回路64とを異なるブロックとして表現したが、出力電圧制御回路62を制御回路64の一部と見做してよい。
【0054】
上述した本発明に係るスイッチング電源において、スイッチング回路1は、入力された直流電圧Vinをスイッチングし、そのスイッチング出力を共振回路及びトランス3の一次巻線31に供給する。
【0055】
スイッチング回路1とトランス3の一次巻線31とを含む回路ループ内に、共振回路が接続されているから、スイッチング回路1のスイッチング動作により、共振回路及びトランス3の一次巻線31に疑似正弦波電流が流れる。このとき、一次巻線31と結合する二次巻線32に誘起電圧が発生する。この誘起電圧は、トランス3の二次巻線32に接続された出力整流平滑回路4により直流に変換され、得られた出力電圧Voが端子T3、T4から負荷8に供給される。
【0056】
負荷8の変動等により、出力電圧Voが低下した場合、この出力電圧Voの低下は、信号S2として、出力電圧制御回路62に入力される。出力電圧制御回路62は、信号S2に基づき、出力電圧検出信号S21を生成し、この信号S21を制御回路64に供給する。制御回路64は、出力電圧制御回路62から供給される信号S21に基づいて、スイッチング回路1に供給される信号S7の周波数(動作周波数F)を、低下させる方向に動作する。これにより、共振回路のインピーダンスZが低くなるので、出力電圧Voが高くなる方向に制御され、出力電圧Voが安定化される。出力電圧Voが上昇した場合には、上記とは逆の制御作用により、出力電圧Voが安定化される。
【0057】
負荷8が重くなった場合、負荷8に見合った出力電流Ioを供給しなければならない。負荷8の増大は、出力電圧Voが低下する方向であるから、制御回路4は、出力電圧Voの低下を補うために、動作周波数Fを低下させる方向に動作し、出力電圧Voを一定に保つ。
【0058】
負荷8の増大等によって、出力電流Ioが予め定められた過電流設定値に達した場合、その過電流状態は電流検出手段51によって検出される。電流検出手段51によって生成された信号S1は、過電流保護回路61に供給される。過電流保護回路61は、過電流であることを示す信号S1が供給されたとき、制御回路64に過電流制御信号S11を送る。これにより、過電流保護作用が与えられる。
【0059】
具体的には、過電流保護回路61から、制御回路64のVCO65に対して、電圧信号である信号S11が供給され、信号S11の電圧値に対応した周波数で発振動作をし、発振周波数の信号S6を出力する。制御回路64のドライブパルス生成回路67は、信号S6に基づいて、スイッチング回路1に過電流制御のための信号S7を供給する。
【0060】
図3は過電流保護回路61による過電流保護動作を示す図である。図3において、横軸に出力電流Ioをとり、縦軸に出力電圧Voをとってある。図示するように、制御回路64は、過電流設定値Iocに対応する過電流制御信号S11が供給されたとき、出力電圧Voを零ボルトまでに垂下させるような過電流保護作用を、スイッチング回路1に与える。
【0061】
ここで、共振用コンデンサ21に印加される電圧をVcr、共振回路に流れる電流をIr、励磁電流をIm、負荷8に流れる電流をIo、トランス3の巻数比をnとすると、共振回路に流れる電流Irは、励磁電流Imと、一次側換算負荷電流(Io/n)との和、即ち、
Ir=Im+Io/n
となる。ここに、励磁電流Imは共振用インダクタ22の励磁電流と、トランス3の励磁電流との和である。
【0062】
起動時において、トランス3の二次側に流れる電流I3は、負荷電流Ioと、出力平滑用コンデンサ412に流れ込む充電電流I5との和となるから、電流I3は通常の定格出力電流よりも大きな電流となる。この電流I3は、当然、トランス3の一次巻線31の側から供給されるので、電流I3は、起動時には、共振回路に流れる電流Irも、通常よりは大きな値(過電流)になる。共振回路は、共振用コンデンサ21、共振用インダクタ22及びトランス3で構成されており、共振用コンデンサ21には、共振回路によって流れた電流Irによって定まる電圧が発生する。起動時には、前述したように、大きな電流(過電流)が流れるので、共振用コンデンサ21には大きな電圧(過電圧)Vcrが印加される。
【0063】
ところが、過電流保護回路61を含む過電流制御系は、閉ループ制御系であり応答遅れ時間を持つ。このため、共振回路に流れる電流Irが瞬時に増大し、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrが、瞬時に過電圧となった場合には、過電流保護回路61は、この過電圧に応答することができない。仮に応答速度を速くして応答させようとした場合は、異常発振を招いてしまう。この点について、図1を参照して更に具体的に説明する。
【0064】
図1に示したスイッチング電源は、既に述べたように、動作周波数Fを制御することによって、共振回路のインピーダンスを変化させ、伝送されるエネルギーを制御するものであって、通常動作時は、出力電圧Voを検出し、その検出信号S2を出力電圧制御回路62に供給し、更に出力電圧制御回路62から制御回路64に信号S21を供給することによって、動作周波数Fを決定し、決定された動作周波数Fを有する信号S7を、ドライブ回路10を介して、スイッチング回路11、12に与えて動作させる。過電流保護動作も、上述した動作と同様であり、過電流を検出して、動作周波数Fを決定する。
【0065】
このような閉ループ制御系では、位相とゲインとを適正値に設定しなければならない。閉ループ制御系の応答速度は、出力フィルタとして動作する平滑回路41のカットオフ周波数よりも低く設定する必要がある。応答速度を、カットオフ周波数よりも高い帯域に設定すると、異常発振を引き起こす。例えば、出力平滑回路41に含まれるチョークコイル411のインダクタンス値を2.3μHとし、出力平滑コンデンサ412の容量値を6600μFとした場合、出力平滑回路41のカットオフ周波数は約1.3kHzとなる。出力電圧の安定化制御及び過電流保護のための制御ループの応答速度は、このカットオフ周波数1.3kHzよりも遅くなるように設定する必要がある。
【0066】
もし、出力電圧制御ループの応答速度を、カットオフ周波数よりも速くなるように設定した場合には、通常の制御動作において、異常発振が起こり、異音の発生、リップルの増大等の問題を生じる。
【0067】
また、過電流制御ループの応答速度をカットオフ周波数よりも速くなるように設定した場合には、過電流保護動作において、異常発振が起こり、または起動不良等の問題を生じる。
【0068】
本発明に係るスイッチング電源では、このような問題点を解決する手段として、過電圧保護回路63を有する。過電圧保護回路63には、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrに対応した信号S3が入力される。
【0069】
起動時において、共振用コンデンサ21に印加される電圧VCrが瞬時的に過電圧に近い電圧値に上昇した場合、過電圧保護回路63は、上述の信号S3に基づき、制御回路64の動作周波数Fを制御し、共振用コンデンサに過電圧が印加されるのを防止する。より具体的には、過電圧保護回路63は、共振用コンデンサ21に印加される電圧VCrが瞬時的に過電圧に近い電圧値に上昇した場合、共振回路の共振周波数foより高い特定周波数fstに固定する。
【0070】
瞬時的過電圧を生じる代表例は、起動時であるが、それ以外の場面でも、過電流保護回路61の追従できない瞬時的過電圧は発生し得る。このような場合も、動作周波数Fを特定周波数fstに固定する過電圧保護動作が行われる。
【0071】
特定周波数fstは、実用上、部品ディレーテイングを確保するために、共振用コンデンサ21において許容される最大印加電圧に対応する周波数よりも高い値に設定するのがよい。
【0072】
過電圧保護回路63の動作点Istは過電流保護時の動作点Iocよりも高い値に設定してある(図3参照)から、通常動作時には、過電圧保護回路63は動作しない。
【0073】
上述のように、制御回路64の動作周波数Fを、共振回路の共振周波数foより高い特定周波数fstに固定すると、共振回路のインピーダンスZが、この特定周波数fstに対応した値Z1(図2参照)に固定される。この結果、共振回路に流れる電流Irの増加が押えられ、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrの上昇が押えられる。従って、共振用コンデンサ21が過電圧から保護される。
【0074】
図4は従来のスイッチング電源における起動時の各部の電圧及び電流の波形図である。従来のスイッチング電源とは、図1の回路図において、過電圧保護回路63を省いたものである。図4(a)は、図1においてスイッチング素子12の両端に印加される電圧Vdsの波形図である。電圧Vdsは、FETでなるスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧である。図4(b)は、共振回路を流れる電流Irの波形図である。図4(c)は共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrの波形図である。図4(a)、(b)、(c)において、横軸は時間軸である。
【0075】
従来のスイッチング電源は、過電流保護回路61は有するが、その応答速度が遅い。このため、図4(a)に示すように、スイッチング素子12の両端に印加される電圧Vds(約400V)が断続された場合に、図4(b)に示すように、電源投入時を基準(0)にして約30μSの間、共振回路に最大13.5Aの電流Irが流れ、図4(c)に示すように、共振用コンデンサ21に、最大1300Vの過電圧Vcrが印加される。即ち、過電流保護回路61は、起動時過電流及び過電圧に応答できない。もし、応答速度を上げた場合は、異常発振を生じるし、起動不良を招いてしまう。
【0076】
図5は、図1に示したスイッチング電源における起動時の各部の電圧及び電流の波形図である。図5(a)はスイッチング素子12の両端に印加される電圧Vdsの波形図である。電圧Vdsは、FETでなるスイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧である。図5(b)は、共振回路を流れる電流Irの波形図である。図5(c)は、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrの波形図である。図5(a)、(b)、(c)において、横軸は時間軸である。
【0077】
図1に示したスイッチング電源では、過電圧保護回路63により、制御回路64の動作周波数Fを、特定周波数fstに固定することができるので、共振回路のインピーダンスZが、この特定周波数fstに対応した値Z1に固定される(図2参照)。この結果、共振回路に流れる電流Irが、図5(b)のように、最大5.6Aに抑えられ、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrも、図5(c)に示すように、最大540Vに抑えられる。従って、共振用コンデンサ21が過電圧から保護される。
【0078】
しかも、上述した過電圧保護動作は開ループ制御である。このため、共振用コンデンサ21に過電圧が印加されようとしたとき、即座にその過電圧を抑制できる。
【0079】
更に、上述の過電圧保護動作は、開ループ制御であるので、異常発振を生じる恐れはない。従って、本発明の共振型スイッチング電源は、安定した動作を確保できる。
【0080】
また、上述のように、共振用コンデンサ21に印加される過電圧を瞬時的に抑制できる。従って、本発明の共振型スイッチング電源では、共振用コンデンサ21として、耐電圧の低いコンデンサを用いることができる。
【0081】
本発明では、パルス・バイ・パルス制御を用いずに、共振用コンデンサ21に印加される過電圧を瞬時的に抑制できる。このため、ゼロ・ボルト・スイッチングに適した共振型スイッチング電源を実現できる。
【0082】
更に、過電圧保護回路63を有することにより、共振回路に含まれる共振用インダクタ22のコアの磁気飽和に起因する過電圧をも、確実に阻止できる。次に、この点について述べる。
【0083】
図6は、図1に示したスイッチング電源に含まれる共振用インダクタ22の電流−インダクタンス特性を示す図である。図示において、横軸は、共振用インダクタ22に流れる電流Irを示し、縦軸は、共振用インダクタ22のインダクタンスLを示している。図6はフェライト・コアを用いたインダクタ22の具体的な特性例である。
【0084】
図6に示すように、共振用インダクタ22は、共振回路に流れる電流Irが大きくなると、インダクタンスLが低下するような電流−インダクタンス特性を有する。共振用インダクタ22は、コアに磁気飽和を生じない電流Irが流れている間は、一定したインダクタンス値L1を示すが、コアが磁気飽和し始める程の電流Ir1が流れると、インダクタンス値が急激に低下する。図6の場合、電流Ir2が流れると、インダクタンス値L1の約半分のインダクタンス値L2まで低下してしまう。
【0085】
図7は共振回路の周波数−インピーダンス特性を示す図である。図示において、横軸は周波数を示し、縦軸は共振回路のインピーダンスを示している。特性P2は、共振用インダクタ22が図5のインダクタンス値L1で動作している時の周波数−インピーダンス特性、特性P3は共振用インダクタ22が図6のインダクタンス値L2で動作している時の周波数−インピーダンス特性である。
【0086】
共振用インダクタ22のインダクタンスLがインダクタンス値L1からインダクタンス値L2に低下すると、共振回路の周波数−インピーダンス特性は、図7に示すように、特性P2から特性P3に変化する。
【0087】
共振用インダクタ22が図5のインダクタンス値L1で動作している時の特性P2では、動作周波数F=f1(kHz)におけるインピーダンスZ3は約20Ωであるが、共振用インダクタ22がインダクタンス値L2で動作している時の特性P3では、同一の動作周波数F=f1(kHz)におけるインピーダンスZ4は約10Ωであり、特性P2の約半分のインピーダンス値に低下している。この状態は、更に過大な電力を出力できる状態であり、共振回路に流れる電流Irに含まれる励磁電流Imが更に増加し、電流Irも増加するから、インピーダンスが更に低下する。この正帰還作用により、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrが急速に過電圧状態になる。
【0088】
本発明のスイッチング電源の場合、共振回路に流れる電流Irが増大し、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrが過電圧に近い状態となったとき、動作周波数Fが周波数fstに固定され、共振回路のインピーダンスZがその周波数fstに対応した値に固定される。この結果、共振回路に流れる電流Irの増加が抑制され、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrの上昇が止まる。従って、共振用コンデンサ21が過電圧から保護される。
【0089】
図8は図1に示したスイッチング電源に含まれる電流検出手段51、過電流保護回路61、出力電圧制御回路62及び過電圧保護回路63の具体的な回路構成を示す図である。
【0090】
電流検出手段51は、カレントトランスでなり、一次巻線511を出力整流ダイオード422に直列に接続し、二次巻線512の両端間に抵抗513を接続してある。電流検出信号は、電圧信号として、二次巻線512に取り出される。
【0091】
過電流保護回路61は、電流検出手段51の二次巻線512に生じた信号を整流素子613によって整流し、整流された信号をコンデンサ614によって平滑し、平滑された信号を、増幅回路611の入力端子(−)に供給するようになっている。増幅回路611の入力端子(+)には基準電圧源612が供給されている。増幅回路611は、入力端子(−)に供給される電流検出信号S1と、基準電圧源612との差分を増幅し、増幅された信号(電圧)S11を、制御回路64を構成するVCO65に供給する。過電流保護回路61の動作は既に述べた通りである。
【0092】
出力電圧制御回路62は、出力電圧検出信号S2を、整流素子623を介して、増幅回路621の入力端子(−)に供給するようになっている。増幅回路621の入力端子(+)には基準電圧源622が供給されている。増幅回路621は、入力端子(−)に供給される出力電圧検出信号S2と、基準電圧源622との差分を増幅し、増幅された信号(電圧)S21を、制御回路64を構成するVCO65に供給する。出力電圧制御回路62の動作は既に述べた通りである。
【0093】
過電圧保護回路63は、トランジスタ631、ツェナーダイオード633、ダイオード634、抵抗632及びコンデンサ635等を含んでいる。電流検出手段51の二次巻線512に生じた電流検出信号S3をダイオード634によって整流し、整流された信号をコンデンサ635によって平滑し、平滑された信号を、ツェナーダイオード633を介して、トランジスタ631のベースに供給する。電流検出手段51の二次巻線512に生じた電流検出信号S3の電圧レベルが過電圧に近い値に対応するとき、ツェナーダイオード633が導通し、トランジスタ631が導通する。これにより、最低周波数設定回路66の抵抗92に対して、抵抗93が並列に接続され、抵抗92及びコンデンサ91とによって定まっていた最低周波数fminが、それよりも高い特定周波数fstに固定される。これにより、共振用コンデンサ21が過電圧から保護される。
【0094】
次に、本発明に係るスイッチング電源の他の実施例を、図9、10を参照して説明する。これらの図において、図1に図示された構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付し、重複説明は省略する。
【0095】
まず、図9の実施例では、電流検出手段51は一次巻線31と直列に挿入してある。図10の実施例では、共振用コンデンサ21の端子電圧Vcrを直接に検出して、その検出信号を、過電圧保護回路63に供給するようにしてある。図10の実施例は、一次側に印加される電圧が低い場合に有効である。
【0096】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果が得られる。
(a)共振用コンデンサに瞬時的に印加される過電圧を抑制し得る共振型スイッチング電源を提供することができる。
(b)動作の安定した共振型スイッチング電源を提供することができる。
(c)共振用コンデンサとして、耐電圧の低いコンデンサを用い得る共振型スイッチング電源を提供することができる。
(d)ゼロ・ボルト・スイッチングに適した共振型スイッチング電源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチング電源の電気回路図である。
【図2】図1に示したスイッチング電源において、共振回路の周波数−インピーダンス特性を示す図である。
【図3】図1に示したスイッチング電源に含まれる過電流保護回路の過電流保護動作を示す図である。
【図4】従来のスイッチング電源における起動時の各部の電圧及び電流の波形図である。
【図5】図1に示したスイッチング電源における起動時の各部の電圧及び電流の波形図である。
【図6】図1に示したスイッチング電源に含まれる共振用インダクタの電流−インダクタンス特性を示す図である。
【図7】図1に示したスイッチング電源に含まれる共振回路の周波数−インピーダンス特性を示す図である。
【図8】図1に示したスイッチング電源に含まれる電流検出手段、過電流保護回路、出力電圧制御回路及び過電圧保護回路の具体的な回路構成を示す図である。
【図9】本発明に係るスイッチング電源の別の実施例を示す電気回路図である。
【図10】本発明に係るスイッチング電源の更に別の実施例を示す電気回路図である。
【符号の説明】
1 スイッチング回路
21 共振用コンデンサ
22 共振用インダクタ
3 トランス
31 一次巻線
32 二次巻線
4 出力整流平滑回路
64 制御回路
63 過電圧保護回路
Claims (11)
- スイッチング回路と、共振回路と、トランスと、出力整流平滑回路と、制御回路と、過電圧保護回路とを含むスイッチング電源であって、
前記スイッチング回路は、入力された直流電圧をスイッチングし、
前記トランスは、少なくとも、一次巻線と、二次巻線とを含んでおり、
前記共振回路は、共振用コンデンサを含み、前記スイッチング回路と前記一次巻線とを含む回路ループ内に接続されており、
前記出力整流平滑回路は、前記二次巻線に接続されており、
前記制御回路は、電圧制御発振回路を含み、この電圧制御発振回路の発振周波数に応じた、前記共振回路の共振周波数よりも高い動作周波数で前記スイッチング回路を動作させるものであり、
前記電圧制御発振回路は、最低発振周波数設定回路を有し、
前記動作周波数の最低周波数は、前記最低発振周波数設定回路の回路定数によって設定され、
前記過電圧保護回路は、前記共振用コンデンサに印加されるコンデンサ印加電圧に対応した検出信号が入力され、前記検出信号が予め定められた電圧値に対応するとき、前記回路定数を変更することによって、前記動作周波数の最低周波数を前記共振周波数より高い特定周波数に設定して、前記共振回路のインピーダンスを、前記コンデンサ印加電圧が過電圧とならない値にする
スイッチング電源。 - 請求項1に記載されたスイッチング電源であって、
前記過電圧保護回路は、回路素子を備え、前記最低発振周波数設定回路に前記回路素子を接続することによって前記回路定数を変更する
スイッチング電源。 - 請求項1または2に記載されたスイッチング電源であって、
前記過電圧保護回路は、さらに、トランジスタと、ツェナーダイオードとを含み、
前記トランジスタは、
ベースが前記ツェナーダイオードのアノードに接続され、
コレクタが前記回路素子に接続され、
エミッタが接地されており、
前記検出信号は、前記ツェナーダイオードを介して、前記トランジスタのベースに供給されており、
前記回路素子は、前記検出信号が前記予め定められた電圧値に対応するときに前記ツェナーダイオードが導通して、前記トランジスタが導通することにより、前記最低周波数設定回路に接続される
スイッチング電源。 - 請求項1乃至3の何れかに記載されたスイッチング電源であって、
前記最低発振周波数設定回路は、抵抗とコンデンサを有し、
前記回路素子は、抵抗又はコンデンサである
スイッチング電源。 - 請求項1乃至4の何れかに記載されたスイッチング電源であって、
更に、電流検出手段を含み、
前記電流検出手段は、前記二次巻線に流れる出力電流を検出して前記検出信号を生成する
スイッチング電源。 - 請求項1乃至5の何れかに記載されたスイッチング電源であって、
前記制御回路は、過電流保護回路を含み、前記過電流保護回路による過電流検出時に、前記スイッチング回路に対し過電流保護動作を与える
スイッチング電源。 - 請求項6に記載されたスイッチング電源であって、
前記過電流保護回路は、前記検出信号に基づき、前記動作周波数を上昇させることによって前記過電流保護動作を行う
スイッチング電源。 - 請求項7に記載されたスイッチング電源であって、
前記検出信号の電流値で見た前記過電圧保護回路の動作点を、前記過電流保護回路の動作点よりも高く設定することにより、前記過電圧保護回路は、前記過電流保護動作が行われているときに動作しない
スイッチング電源。 - 請求項1乃至8の何れかに記載されたスイッチング電源であって、
前記制御回路は、出力電圧制御回路を含み、前記出力電圧制御回路は出力電圧を検出して、出力電圧検出信号を生成し、
前記制御回路は、前記出力電圧検出信号に基づいて前記動作周波数を制御する
スイッチング電源。 - 請求項1乃至9の何れかに記載されたスイッチング電源であって、
前記共振回路は、さらに共振用インダクタを含み、
前記共振用コンデンサ及び前記共振用インダクタは、直列共振回路を構成する
スイッチング電源。 - 請求項1乃至10の何れかに記載されたスイッチング電源であって、
前記スイッチング回路は、2つのスイッチング素子を有し、
前記2つのスイッチング素子は、互いに直列に接続され、直列回路の両端が直流電源に導かれ、交互に駆動されるものであり、
前記共振用コンデンサ及び前記一次巻線は、互いに直列に接続され、直列回路の両端が前記2つのスイッチング素子の接続点と、前記2つのスイッチング素子によって構成される前記直列回路の一端との間に接続されている
スイッチング電源。
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