JP2998987B2 - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP2998987B2
JP2998987B2 JP2310223A JP31022390A JP2998987B2 JP 2998987 B2 JP2998987 B2 JP 2998987B2 JP 2310223 A JP2310223 A JP 2310223A JP 31022390 A JP31022390 A JP 31022390A JP 2998987 B2 JP2998987 B2 JP 2998987B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、交流電源から直流電力を得るためのチョッ
パー回路と、この直流電力を高周波電力に変換するイン
バータ回路とを組み合わせたインバータ装置に関するも
のである。
[従来の技術] 従来例1 第11図は従来のインバータ装置(特願昭58−249628号
参照)の回路図である。この装置にあっては、チョッパ
ー回路4とインバータ回路5のスイッチング素子を共用
化している。
以下、その回路構成について説明する。まず、インバ
ータ回路5は、スイッチング素子たる2個のトランジス
タ51,52と、トランジスタ51,52に逆並列接続されたダイ
オード53,54と、2個のコンデンサ50a,50bと、トランジ
スタ51,52のベースにドライブ電圧を印加する帰還巻線5
5b,55cを具備した出力トランス55と、抵抗5a〜5dとで構
成され、トランジスタ51,52の直列回路と、コンデンサ5
0a,50bの直列回路とを入力端59に並列接続すると共に両
直列回路の中点間に出力トランス55の1次巻線55aを接
続して形成されている。
一方、チョッパー回路4は、インダクタ42と、インバ
ータ回路5のトランジスタ52と、ダイオード53および平
滑用コンデンサ41とで構成され、整流回路3の出力VDC
をインダクタ42を介して一方のトランジスタ52に印加す
ると共に、平滑用コンデンサ41をインバータ回路5の入
力端59に接続してあり、チョッパー回路4を構成するス
イッチ手段をインバータ回路5のトランジスタ52、出力
トランス55の帰還巻線55cを流用して形成すると共に、
平滑コンデンサ41を充電するための逆流阻止手段をもダ
イオード53を流用して形成してある。なお、上記回路に
あっては、出力トランス55にトランジスタ51,52を制御
する帰還巻線55b,55cを巻装して自励型としているが、
無安定マルチバイブレータによってトランジスタ51,52
を交互にオンオフさせる他励型としても良いことは言う
までもない。また、一方のコンデンサ50bは省略するこ
とができる。
以下、上記回路の動作について説明する。
第12図は高周波的な動作を示す動作波形図であり、同
図(a)はトランジスタ52のコレクタ・エミッタ電圧V
CE、同図(b)はトランジスタ52のコレクタ電流IC1
同図(c)はダイオード54の順方向電流ID1、同図
(d)はトランジスタ51のコレクタ電流IC2、同図
(e)はダイオード53の順方向電流ID2、同図(f)は
インダクタ42に流れる電流すなわち整流回路3の出力電
流IDC、同図(g)は出力トランス55の1次巻線電流In1
である。
第13図は低周波的な動作を示す動作波形図であり、同
図(a)は商用電源1の電源電圧VAC、同図(b)は整
流回路3の出力電流IDC、同図(c)は商用電源1から
の入力電流IAC、同図(d)は平滑用コンデンサ41の両
端電圧VC、同図(e)はインバータ回路5から出力され
る高周波電圧VRFを示すものである。
いま、商用電源1がフィルタ回路2を介して整流回路
3に入力されると、整流回路3からダイオードブリッジ
にて全波整流された直流電圧(脈動電圧)が出力され、
この直流電圧にて平滑用コンデンサ41がインダクタ42及
びダイオード53を介して充電される。平滑用コンデンサ
41が適当に充電され、平滑用コンデンサ41から起動用抵
抗5b,5dを通してトランジスタ51,52にベース電流が供給
されると、トランジスタ51,52のいずれか一方がオン
し、他方がオフする。次に、コンデンサ50a,50b、出力
トランス55の1次巻線55a及び2次巻線55d、負荷10にて
形成される振動回路によって出力トランス55の帰還巻線
55b,55cにトランジスタ51,52のオンオフを反転させる電
圧が誘起され、トランジスタ51,52は交互にオンオフを
繰り返す。第12図における期間t1,t3はトランジスタ51
がオンし、トランジスタ52がオフしている期間を示し、
期間t2はトランジスタ52がオンしトランジスタ51がオフ
している期間を示している。ここに、前記振動回路に振
動電流が流れ、出力トランス55の1次巻線55aに電流In1
が流れると、この電流In1はトランジスタ51,52、ダイオ
ード53,54に分流して流れ、負荷10にはIn1×(n1/n2
の電流が流れる。ただし、n1/n2は1次巻線55aと2次巻
線55dの巻線比である。なお、図は振動回路の固有振動
周波数よりもトランジスタ51,52のスイッチング周波数
を高く設定した場合の動作波形を示しており、電流In1
は遅れ位相となっている。
ところで、トランジスタ52がオンする期間t2において
は、トランジスタ52に、電流In1の分流電流IC1′と、整
流回路3からインダクタ42を通して流れる電流IDCとの
合成電流IC1が流れる。このとき、インダクタ42には電
流IDCが流れることによる電磁エネルギーが蓄積され
る。次に、期間t3において、トランジスタ52がオフする
と、トランジスタ52のオン時にインダクタ42に蓄積され
ていた電磁エネルギーがダイオード53及び整流回路3の
ダイオードブリッジを介して平滑用コンデンサ41に放出
され、平滑用コンデンサ41は上記電磁エネルギーにて充
電される。この場合、ダイオード53に流れる電流ID2
電流In1の分流電流ID2′と整流回路3の出力電流IDC
の合成電流となる。ただし、第12図(b),(e),
(f)における想像線部分は、低周波半サイクル中の変
動(低周波リップルによる変動)を図示したものであ
る。
以上のように、この回路にあっては、インバータ回路
5のトランジスタ52とダイオード53、及び平滑用コンデ
ンサ41とインダクタ42によりチョッパー回路4が構成さ
れており、インバータ回路5のスイッチ素子及びその制
御回路、ダイオードを流用して入力力率を改善するため
のチョッパー回路4を形成しているので、チョッパー回
路4の回路構成が簡単になると共に安価な電源装置を提
供することができるようになっている。
ここで、第14図に一般的な昇圧形チョッパー回路の基
本構成を示し、その回路構成と動作原理について説明す
る。直流電源V0の両端には、スイッチング素子Q2を介し
てインダクタL1が接続されている。スイッチング素子Q2
の両端には、逆流阻止用のダイオードD2を介してコンデ
ンサC3と負荷回路Zの並列回路が接続されている。
次に、この回路の動作について説明する。まず、スイ
ッチング素子Q2がオンされると、直流電源V0からインダ
クタL1に電流が流れて、インダクタL1に電磁エネルギー
が蓄積される。次に、スイッチング素子Q2がオフされる
と、インダクタL1の蓄積エネルギーによりインダクタL1
の両端に電圧が誘起される。この電圧が直流電源V0の電
圧に加算されて、ダイオードD2を介してコンデンサC3
充電する。故に、コンデンサC3の電圧Viは直流電源V0
電圧に比べて昇圧される。このコンデンサC3に得られる
直流電圧Viにより負荷回路Zが駆動される。スイッチン
グ素子Q2がオフした瞬間にインダクタL1に流れていた電
流をIpとすると、インダクタL1には(1/2)L1Ip2のエネ
ルギーが蓄えられていることになる。このエネルギーが
スイッチング素子Q2のオフ期間tOFF中に放出されると、
第15図(a)に示すように、インダクタL1に流れる電流
に休止期間が生じる。図中、tONはスイッチング素子Q2
のオン期間であり、tFはスイッチング素子Q2がオフして
いるときにインダクタL1に電流が流れている期間であ
る。また、THはスイッチング素子Q2のスイッチング周期
である。tF=tOFFであれば、第15図(b)に示すような
動作波形となる。また、インダクタL1のエネルギーがス
イッチング素子Q2のオフ期間tOFF中に放出し尽くされな
い場合には、第15図(c)に示すような動作波形とな
り、インダクタL1に流れる電流は最大値IPと最小値I
B(>0)の間を往復することになる。第15図(b),
(c)では、tON=TH(Vi−Vo)/Voという関係があり、
第15図(a)では、tON<TH(Vi−Vo)/Voという関係が
ある。
ここで、チョッパー動作を第5図(a),(b)に示
すモードAと、第15図(c)に示すモードBに分けて、
第11図のチョッパー動作とインバータ動作を共用するト
ランジスタ52の動作について説明する。第16図(a),
(b),(c)はモードAの場合で、(a)はインバー
タ動作だけを考えたときのトランジスタ52に流れる電流
波形IC1′であり、(b)はチョッパー動作だけを考え
たときのトランジスタ52に流れる電流IDCの波形図であ
る。(c)はチョッパー動作とインバータ動作によって
トランジスタ52に実際に流れる電流IC1の波形図であ
る。この場合、トランジスタ52のオフ時に、インダクタ
42のエネルギーは完全に放出されているので、トランジ
スタ52がオンし始める時点(第16図(c)のa点)で徐
々に電流が立ち上がるものであり、この部分でのトラン
ジスタ52のスイッチング損失はほとんど無い。
第16図(d),(e),(f)はモードBの場合で、
(d)はインバータ動作だけを考えたときのトランジス
タ52に流れる電流波形IC1′であり、(e)はチョッパ
ー動作だけを考えたときのトランジスタ52に流れる電流
波形IDCである。(f)はチョッパー動作とインバータ
動作によってトランジスタ52に実際に流れる電流波形I
C1である。この場合、インダクタ42のエネルギーが完全
に放出されていないので、トランジスタ52がオンした時
点で急速にインダクタ42から電流が流れ、トランジスタ
52のスイッチング損失が増加することになる。ここで、
モードAからモードBへの移行は、入力電圧VACの変
動、トランジスタ51,52のhFEのばらつき、インダクタ42
のインピーダンス値のばらつき、トランジスタ51,52の
温度上昇などにより、発振周波数が低下して、トランジ
スタ52のオン・デューティが過大に長くなることによっ
て起こる。なお、第16図(c),(f)ではトランジス
タ52に流れる順方向電流のみを描いているが、これにダ
イオード54に流れる逆方向電流を合成すると、それぞれ
後述の第8図(H),(L)のようになる。
従来例2 次に、従来の他のインバータ装置(特願平01−335332
号参照)を第7図に示す。この装置にあっては、チョッ
パー回路とインバータ回路のスイッチング素子Q2を共用
化している。さらに、スイッチング素子Q1,Q2の駆動方
式は、特願昭63−297276号に開示されており、一方のス
イッチング素子Q1はインダクタT2の2次巻線より負荷回
路の共振電流を帰還させて自励駆動とし、他方のスイッ
チング素子Q2は、スイッチング素子Q1のオフ期間に動作
するタイマー回路により制御される。また、タイマー回
路の時定数を変化させて、スイッチング素子Q2のオン・
デューティを小さくし、スイッチング素子Q1,Q2のオン
・デューティをアンバランスとすることにより、出力制
御を行うことができるものである(特願昭60−113716号
参照)。なお、この従来例では、スイッチング素子Q2
オン・デューティを小さくすることにより、発振周波数
も変化するので、出力制御も幅広くできる。
スイッチング素子Q2は、その両端電圧の立ち下がり信
号を分圧抵抗R11,R12により検出して、駆動回路Cによ
りオン区間を制御している。この場合、負荷回路のコン
デンサC4,C5とインダクタT2による固有振動周波数より
もスイッチング周波数を高く設定して、共振回路の励振
電圧よりも共振電流が遅れ位相となる遅相モードで駆動
する。なお、第7図に示すインバータ装置の構成及び動
作については、後述の実施例の説明において、詳細に説
明する。
第7図に示す回路の定常状態における動作について、
第8図の動作波形図を元に説明する。第8図(A)はス
イッチング素子Q1の両端電圧VCEの波形、第8図(B)
はインバータ回路だけを考えたときのダイオードD2とス
イッチング素子Q1に流れる電流波形であり、第8図
(C)はチョッパー回路だけを考えたときのダイオード
D2に流れる電流ID2の波形である。実際は、第8図
(B)と(C)の電流を合成した電流が、第8図(D)
に示すように、ダイオードD2とスイッチング素子Q1に流
れている。スイッチング素子Q1のオン区間は、コンデン
サC4,C5と放電灯l及びインダクタT2で決まる共振電流
波形によって決定される。同様に、第8図(E)はスイ
ッチング素子Q2の両端電圧VDSの波形、第8図(F)は
インバータ回路だけを考えたときのスイッチング素子Q2
に流れる電流の波形であり、第8図(G)はチョッパー
回路だけを考えたときのスイッチング素子Q2に流れる電
流の波形である。実際は、第8図(F)と(G)の電流
を合成した電流が、第8図(H)に示すように、スイッ
チング素子Q2に流れている。
ここで、パワーMOSFETよりなるスイッチング素子Q2
オン区間は、スイッチング素子Q2に寄生する逆並列ダイ
オードに電流が流れて、その両端電圧VDSが立ち下がっ
たことを検出して、駆動回路Cにより決定される。
上記回路では、交流入力電圧の変動に対してタイマー
回路の時定数を変化させて、スイッチング素子Q2のオン
・デューティも可変とし、インバータ装置の出力安定化
を行っている。例えば、交流入力電圧が低下したときに
は、スイッチング素子Q2のオン・デューティを長くし
て、インダクタL1に蓄積される電磁エネルギーを大きく
し、スイッチング素子Q2のオフ時に充電される平滑用の
コンデンサC3の両端電圧を高くして、インバータ装置の
出力一定化を行うものである。この場合、交流入力電圧
の±約10%の変動に対して出力が略一定になるように制
御している。このとき、チョッパー回路は第15図
(a),(b)に示すモードAで動作しており、インダ
クタL1に流れる電流は第8図(I)に示すようになる。
しかしながら、交流入力電圧が瞬時に停電した場合
や、電圧が大幅に下降した場合には、インバータ装置の
出力を一定にしようとして、スイッチング素子Q2のオン
・デューティが過大に長くなり、チョッパー回路は第15
図(c)に示すモードBで動作する。この場合、インダ
クタL1に流れる電流は、第8図(J)に示すようにな
る。このとき、スイッチング素子Q2に流れる電流はチョ
ッパー回路だけを考えた場合には、第8図(K)に示す
ようになり、インバータ回路だけを考えた場合には、第
8図(F)に示すようになる。故に、実際にスイッチン
グ素子Q2に流れている電流は、第8図(K)と(F)の
電流を合成した電流となり、第8図(L)に示すような
正方向のみの電流となる。このような動作波形において
は、スイッチング素子Q2に逆方向の電流が流れないか
ら、寄生の逆並列ダイオードに電流は流れない。という
ことは、スイッチング素子Q2の両端電圧VDSの立ち下が
りは、スイッチング素子Q2の正方向のオン駆動信号が無
ければ検出できないということになる。しかるに、上記
の回路では、スイッチング素子Q2の両端電圧VDSの立ち
下がりを検出してから、スイッチング素子Q2に正方向の
オン駆動信号が与えられるように構成されているため、
スイッチング素子Q2がオンしないという問題が生じる。
[発明が解決しようとする課題] 上述の従来例1で説明したように、チョッパー回路と
インバータ回路とで共用しているスイッチング素子のオ
ン・デューティが過大に長くなると、チョッパー回路の
インダクタに蓄積されるエネルギーが完全に放出され
ず、共用しているスイッチング素子がオンしたときに過
大な電流が流れて、スイッチング損失が増加するという
問題がある。また、上述の従来例2の場合には、スイッ
チング素子Q2に流れるインバータ回路とチョッパー回路
の合成電流(第8図(F),(L)参照)の逆方向電流
IDがゼロ以下になると、スイッチング素子Q2がオンしな
くなり、異常発振が生じて、回路素子にストレスが加わ
るという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、エネルギー蓄積用のインダク
タを備えるチョッパー回路と、共振回路を含む負荷回路
を備えるインバータ回路とを組み合わせたインバータ装
置において、チョッパー回路の蓄積エネルギーとインバ
ータ回路の共振エネルギーの関係を制御することによ
り、スイッチング素子のストレスを無くし、異常発振を
防止することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明にあっては、上記の課題を解決するために、第
1図に示すように、逆方向電流を阻止しない第1のスイ
ッチング素子(例えば、トランジスタQ1とダイオード
D2)と、第2のスイッチング素子(例えば、トランジス
タQ2とダイオードD3)の直列回路を平滑電源(コンデン
サC3)の両端に並列的に接続し、第1及び第2のスイッ
チング素子を交互にオン・オフすることにより、共振回
路を含む負荷回路に高周波電力を供給するインバータ回
路と、インバータ回路における一方のスイッチング素子
(トランジスタQ2)のオン時に当該スイッチング素子を
介して交流電源Eからエネルギー蓄積用のインダクタL1
に電流を流してインダクタL1にエネルギーを蓄積し、上
記一方のスイッチング素子のオフ時に他方のスイッチン
グ素子の逆方向電流通電経路(ダイオードD2)を介して
上記平滑電源にインダクタL1の蓄積エネルギーを放出す
るチョッパー回路とを備え、インバータ回路の発振周波
数は共振回路の固有振動周波数よりも高く設定されてい
るインバータ装置において、上記他方のスイッチング素
子のオフ時に上記共振回路により上記一方のスイッチン
グ素子に逆方向に流れる帰還電流をIDとし、上記交流電
源からエネルギー蓄積用のインダクタを介して上記一方
のスイッチング素子に順方向に流れる電流をILとする
と、ID>ILとなるように各スイッチング素子のオン・オ
フ制御駆動を行う制御駆動回路Kを設けたことを特徴と
するものである。
[作 用] 本発明にあっては、このように、エネルギー蓄積用の
インダクタを備えるチョッパー回路と、共振回路を含む
負荷回路を備えるインバータ回路とで共用化されるスイ
ッチング素子については、他方のスイッチング素子のオ
フ時に逆方向電流が流れるように、上記ID>ILの条件が
満足されるように制御駆動回路により各スイッチング素
子をオン・オフ制御しているので、チョッパー回路の蓄
積エネルギーによる電流とインバータ回路の共振エネル
ギーによる電流の合成電流が上記共用化されたスイッチ
ング素子に流れても、スイッチング損失が異常に増加す
ることはない。
また、上記一方のスイッチング素子の両端電圧の立ち
下がり検出後の一定時間は上記一方のスイッチング素子
をオン駆動する駆動回路を備えるインバータ装置におい
て、上記ID>ILの条件が満足されるようにして、上記他
方のスイッチング素子のオフ時に上記一方のスイッチン
グ素子に逆方向電流が流れるようにすれば、上記他方の
スイッチング素子のオフ時には、必ず上記一方のスイッ
チング素子の両端電圧が立ち下がることになる。したが
って、この立ち下がりを検出して駆動回路により上記一
方のスイッチング素子を一定時間駆動することにより、
異常発振に陥ることなく、安定した発振動作を実現する
ことができる。
[実施例1] 第2図は本発明の第1実施例の回路図である。このイ
ンバータ装置にあっては、交流電源1から平滑直流電源
を得るためのチョッパー回路4と、平滑直流電源から高
周波電力を得るためのインバータ回路5とで、一部のス
イッチング素子を共用化している。以下、その回路構成
について説明する。従来例(第11図)と同一の機能を有
する部分には、同一の符号を付して重複する説明は省略
する。本実施例では、主スイッチングトランジスタ52の
エミッタ端子に抵抗6aを直列的に接続し、電流IC1を検
出し、抵抗6aの両端に発生する電圧により、補助トラン
ジスタ6bをオン・オフし、主スイッチングトランジスタ
52を強制的にオン・オフ制御するものである。
以下、その動作について説明する。トランジスタ52の
オン・デューティが適切な場合、つまり、チョッパー回
路が第15図(a),(b)に示すモードAで動作する場
合には、抵抗6aに発生する電圧は低く、補助トランジス
タ6bはオフ状態となっている。一方、交流入力電圧の変
動や、各部品の温度上昇などにより、発振周波数が低下
して、トランジスタ52のオン・デューティが長くなる
と、電流IC1も増加し、抵抗6aの両端に発生する電圧も
上昇し、補助トランジスタ6bのVBE(on)異常になる
と、補助トランジスタ6bがオンして、トランジスタ52が
強制的にオフされる。その結果、トランジスタ52のオン
・デューティが短くなり、チョッパー回路の動作が第15
図(c)に示すモードBに移行しないように、インバー
タ装置が動作するものである。これにより、トランジス
タ52がオンしたときは、インダクタ42の蓄積エネルギー
は完全に放出されているので、トランジスタ52に急峻な
電流が流れず、スイッチング損失が増大することはな
い。
[実施例2] 第3図は本発明の第2実施例の回路図である。インバ
ータ回路5は主スイッチング素子としてトランジスタ51
及びMOSFET52を備えている。トランジスタ51にはダイオ
ード53が逆並列接続されており、MOSFET52は逆方向の寄
生ダイオード54を備えている。トランジスタ51の両端に
は、直流カット用のコンデンサ57を介して、コンデンサ
58とトランス55の1次巻線55aの直列回路が接続されて
いる。さらに、トランス55の2次巻線55bが帰還手段と
して使用されており、一方のスイッチング素子であるト
ランジスタ51のベース端子のみに抵抗56を介してインバ
ータ回路5の振動電流を帰還している。
次に、チョッパー回路4は、インダクタ42と、インバ
ータ回路5のMOSFET52及びダイオード53、並びに平滑用
のコンデンサ41で構成されている。つまり、インバータ
回路5のMOSFET52及びダイオード53は、チョッパー回路
第4のスイッチング手段として兼用されている。整流回
路3の出力は、インダクタ42を介してMOSFET52に印加さ
れており、MOSFET52がオンされると、インダクタ42に電
磁エネルギーが蓄積され、MOSFET52がオフされると、上
記の電磁エネルギーがダイオード53を介して平滑用のコ
ンデンサ41に充電される。このコンデンサ41に充電され
る直流電圧は、インバータ回路5の入力電圧となる。
次に、インバータ起動回路6は、トランジスタ51のオ
フを検出するために、MOSFET52の両端に並列接続された
抵抗61,62と、波形整形用のバッファ63(例えば日本電
気(株)製のμPC4050)と、反転回路64,65(例えば日
本電気(株)製のμPC4049)と、コンデンサ66及び抵抗
67とで構成された微分パルス発生回路よりなる。上記抵
抗61,62の直流回路には、インダクタ42を介して整流回
路3の整流出力が印加されており、起動時には、商用電
源1の整流信号が印加されることになる。この整流信号
が波形整形用のバッファ63にて整形され、微分パルス発
生回路が微分パルスを発生する。このインバータ起動回
路6の出力パルスを受けて、制御回路7は、MOSFET52を
オン・オフ制御するための信号を発生する。この制御回
路7は、汎用タイマーIC(例えば、日本電気(株)製μ
PC1555)よりなる単安定マルチバイブレータ71と、その
出力パルス幅を決定するための抵抗72及びコンデンサ73
と、周波数制御電圧端子(5番ピン)の電圧を制御する
ための抵抗74及びツェナーダイオード75より構成され
る。交流入力電圧変動検出回路9は、ダイオード91、抵
抗92,93、コンデンサ94で構成される入力電圧検出部
と、この検出電圧を抵抗95とツェナーダイオード96aで
作成される基準電圧と比較するための比較回路97とで構
成され、比較回路97の出力は、ダイオード98と抵抗99を
介して、制御回路7に入力される。比較回路97は、汎用
のオペアンプ(例えば日本電気(株)製のμPC451等)
よりなる。なお、商用電源1と整流回路3の交流入力端
子の間には、コンデンサ21,23とトランス22を含むフィ
ルター回路2が挿入されている。このフィルター回路2
は、商用電源1からの商用交流周波数に対しては低イン
ピーダンスとなり、チョッパー回路4のスイッチング周
波数に対しては高インピーダンスとなるように設計され
ており、チョッパー回路4に流れるスイッチング電流を
平滑化して、入力電流を正弦波に近い波形としているも
のである。
以下、本実施例の動作を説明する。まず、商用電源1
が投入されると、MOSFET52の両端には、整流回路3の出
力電圧がインダクタ42を介して印加される。この電圧
を、抵抗61,62により分圧した電圧VR62の波形を第4図
(イ)に示す。このとき、抵抗61,62により分圧された
電圧VR62と、バッファ63の入力端子のスレシホールド電
圧Vthとの関係、及びバッファ63の出力電圧V63、微分パ
ルス発生回路の反転回路65の出力電圧V65をも第4図に
示す。VR62とVthは第4図(イ)に示す関係にあり、波
形整形用のバッファ63の出力電圧V63は第4図(ロ)に
示すようになる。さらに、微分パルス発生回路により単
安定マルチバイブレータ71のトリガー端子(2番ピン)
に反転回路65の電圧V65(第4図(ハ))が印加され
る。電圧V65が“Low"レベルとなる時間は、コンデンサ6
6と抵抗67の時定数により決まる。電圧V65が“High"レ
ベルから“Low"レベルへと変化することにより、単安定
マルチバイブレータ71はトリガーされ、その出力端子
(3番ピン)が第4図(ニ)示すように“High"レベル
となる。この端子(3番ピン)が“High"レベルである
時間は、抵抗72とコンデンサ73の時定数により決定され
る。この出力電圧は、電流増幅用のIC(例えば日本電気
(株)製のμPC4050)で構成される駆動回路8を通し
て、MOSFET52を駆動するために電流増幅される。MOSFET
52がオンし、平滑用のコンデンサ41から、コンデンサ5
7、コンデンサ58、トランス55の1次巻線55aを通して電
流が流れて、コンデンサ57が充電される。このとき、ト
ランジスタ51はトランス55の2次巻線55bにより逆バイ
アスされるので、オフ状態となる。やがて、単安定マル
チバイブレータ71の出力端子(3番ピン)が“Low"レベ
ルとなり、MOSFET52はオフする。このとき、トランス55
の1次巻線55aに流れる電流はゼロになるので、2次巻
線55bには逆の電圧が誘起され、トランジスタ51がオン
して、コンデンサ57の放電が開始され、やがて電流がゼ
ロになると、トランジスタ51はオフする。トランジスタ
51がオフすると、再び整流回路3の出力電圧がインダク
タ42を介して抵抗61,62の直列回路に印加され、上述の
ように、インバータ回路5は起動され、やがて発振モー
ドへ移行する。
第5図は本実施例の高周波的な動作を示す動作波形図
である。(イ)は抵抗R01とコンデンサC01とで作成され
る制御電圧VC01である。(ロ)はMOSFET52の両端電圧V
D1であり、この電圧が抵抗61,62により分圧されて、波
形整形用のバッファ63に入力される。(ハ)は単安定マ
ルチバイブレータ71の周波数制御電圧端子(5番ピン)
に入力される電圧V5と、スレショルド端子(6番ピン)
及び放電端子(7番ピン)に接続されたコンデンサ73の
充電電圧V73の波形である。(ニ)はMOSFET52の順方向
電流IC1と逆方向電流ID1、(ホ)はトランジスタ51の順
方向電流IC2とダイオード53に流れる電流ID2を示してい
る。この第5図において、期間t1はMOSFET52がオフ、ト
ランジスタ51がオンしている期間であり、期間t2はトラ
ンジスタ51がオフ、MOSFET52がオンしている期間であ
る。ここで、上述のように、インバータ起動後に、イン
バータ回路5に振動電流が流れ出すと、トランス55の2
次巻線55bによりトランジスタ51がバイアスされ、コン
デンサ57の蓄積電荷を電源としてトランジスタ51に電流
IC2が流れる。このとき、トランス55のコアは飽和磁束
に向かって直線的に磁化される。やがて、コアが飽和磁
束に達すると、インダクタンスは急激にゼロの方向に向
かい、その結果、トランジスタ51のコレクタ電流の時間
変化分は無限大となる。トランジスタ51のコレクタ電流
IC2がベース電流のhfe倍に達すると、トランジスタ51は
不飽和状態となり、トランス55の各巻線55a,55bの誘起
電圧は低下するから、帰還されるベース電流も減少し、
トランジスタ51はオフする。トランジスタ51がオフした
後も、トランス55の1次巻線55aに流れる振動電流が同
一方向に流れようとするので、MOSFET52の寄生ダイオー
ド54が導通し、電流ID1が放電灯等よりなる負荷10、コ
ンデンサ57、コンデンサ41を介して流れる。寄生ダイオ
ード54が導通すると、MOSFET52のドレイン電圧VD1はゼ
ロになるので、波形整形用のバッファ63の入力電圧も
“High"レベルから“Low"レベルに変化する。同時に、
微分パルス発生回路の反転回路65の出力電圧V65も“Hig
h"レベルから“Low"レベルに変化し、単安定マルチバイ
ブレータ71がトリガーされ、その出力端子(3番ピン)
は“High"レベルとなり、駆動回路8を通してMOSFET52
のゲート端子は順バイアスされる。MOSFET52の寄生ダイ
オード54に流れる振動電流ID1がゼロになった後は、コ
ンデンサ41からインバータ回路を介して流れる振動電流
IC1′と整流回路3からインダクタ42を介して流れる電
流IDCとの合成電流IC1が流れる。このとき、インダクタ
42には、電流IDCが流れることによる電磁エネルギーが
蓄積される。やがて、抵抗72とコンデンサ73で決まる所
定時間の経過後に単安定マルチバイブレータ71の出力端
子(3番ピン)は“Low"レベルとなり、MOSFET52はオフ
状態となる。MOSFET52のオン時にインダクタ42に蓄積さ
れていた電磁エネルギーは、MOSFET52のオフ時には、ダ
イオード53及び整流回路3のダイオードブリッジを介し
て平滑用のコンデンサ41に放出され、平滑用のコンデン
サ41が充電される。この場合、ダイオード53に流れる電
流ID2はインバータ回路5からの振動電流ID2′と整流回
路3の出力電流IDCとの合成電流となる。
ここで、商用電源1の実効電圧が約110%に上昇した
とする。このとき、第5図(イ)のA点に示すように、
制御回路7の制御電圧VC01も約10%上昇する。単安定マ
ルチバイブレータ71の周波数制御電圧端子(5番ピン)
はツェナーダイオード75により略一定の電圧V5になって
いるが、制御電圧VC01が上昇することにより、コンデン
サ73が前記電圧V5まで充電される時間が短くなる(第5
図(ハ)参照)。コンデンサ73の電圧V73が前記電圧V5
まで達すると、放電端子(7番ピン)がオン状態とな
り、コンデンサ73が放電し、単安定マルチバイブレータ
71の出力端子(3番ピン)が“Low"レベルに反転するの
で、MOSFET52は制御電圧VC01が上昇することにより、早
目にオフする。この結果、MOSFET52のオン期間が短くな
り、インダクタ42に蓄積されるエネルギーも減少し、コ
ンデンサ41の両端電圧は低下し、また、トランジスタ51
とMOSFET52のオン区間はアンバランスになり、さらにイ
ンバータの発振周波数も上昇するので、インバータ装置
の出力は減少する。
次に、商用電源1の実効電圧が約90%に降下したとす
る。このとき、第5図(イ)のB点に示すように、制御
回路7の制御電圧VC01も約10%降下する。単安定マルチ
バイブレータ71の周波数制御電圧端子(5番ピン)は、
ツェナーダイオード75により略一定の電圧V5に設定され
ているが、制御電圧VC01が降下することにより、コンデ
ンサ73の電圧V73が電圧V5まで充電される時間が長くな
る(第5図(ハ)参照)。この結果、MOSFET52のオン期
間が長くなり、インダクタ42に蓄積されるエネルギーも
増加し、コンデンサ41の両端電圧も上昇する。また、ト
ランジスタ51とMOSFET52のオン区間がより均等になり、
さらにインバータの発振周波数も低下するので、インバ
ータ装置の出力は増加する。
以上のように、本実施例では、商用電源1の入力電圧
変動に対して、インバータ装置の出力は略一定となって
いる。
ここで、商用入力電圧変動検出回路9の比較回路97の
出力端は、商用入力電圧の略±10%以内の変動では、
“Low"レベルになるように設計されている。一方、商用
電源1が瞬時停電したり、数十%も瞬時降下した場合に
は、制御電圧VC01も同様に低下するので、コンデンサ73
の充電速度が非常に遅くなり、MOSFET52のオン・デュー
ティが過度に長くなり、インダクタ42に蓄積されるエネ
ルギーが大きくなり、第5図(c)に示すモードBの動
作になる。しかしながら、本実施例では、このとき、商
用入力電圧変動検出回路9のコンデンサ94に得られる検
出電圧V94がツェナーダイオード96bに得られる基準電圧
よりも低くなり、比較回路97の出力端が“High"レベル
になる。このとき、ダイオード98と抵抗99を介してコン
デンサ73が急速に充電されるので、単安定マルチバイブ
レータ71の出力端(3番ピン)が“High"レベルである
時間は短くなり、MOSFET52のオン・デューティも短くな
る。このため、チョッパー回路4の動作モードは第15図
(a),(b)に示すモードAになり、インバータ装置
では正常な発振が継続される。
[実施例3] 第6図は本発明の第3実施例の回路図である。本実施
例では、第3図の商用入力電圧変動検出回路9の代わり
に、MOSFET52の電流IC1を検出する電流検出回路9aを設
けたものである。その他の構成及び動作については、実
施例2と同様である。本実施例では、商用電源1の瞬時
停電や瞬時電圧降下により、MOSFET52のオン・デューテ
ィが過大に長くなり、MOSFET52の電流IC1が異常に大き
くなったときに、抵抗90,93とコンデンサ94により得ら
れる検出電圧が、抵抗95,96により得られる基準電圧よ
りも大きくなって、比較回路97の出力電圧が“High"レ
ベルになり、コンデンサ73の充電を早くして、MOSFET52
のオン・デューティを短くするように動作するものであ
る。なお、4a〜4cはダイオードである。
[実施例4] 第7図は本発明の第4実施例の回路図である。このイ
ンバータ装置にあっては、交流電源から平滑直流電源を
得るためチョッパー回路と、平滑直流電源から高周波電
力を得るためのインバータ回路とで、一部のスイッチン
グ素子を共用化している。
以下、その回路構成について説明する。まず、インバ
ータ回路は、スイッチング素子たる一対のトランジスタ
Q1,Q2と、トランジスタQ1に逆並列接続されたダイオー
ドD2と、直流カット用のコンデンサC4と、インダクタT2
と、コンデンサC5が並列接続された放電灯lとで構成さ
れ、上側のトランジスタQ1の両端に、コンデンサC4、放
電灯l、インダクタT2の直列回路を接続して、共振回路
を含む負荷回路が構成されている。一方、チョッパー回
路は、インダクタL1と、ダイオードD1、上記インバータ
回路におけるトランジスタQ2とダイオードD2、及び平滑
用のコンデンサC3とで構成されており、整流回路DBの出
力電圧VDCをインダクタL1とダイオードD1を介してトラ
ンジスタQ2の両端に印加し、平滑用コンデンサC3をイン
バータ回路の入力端に接続して、その両端電圧をトラン
ジスタQ1,Q2の直列回路に印加してある。チョッパー回
路を構成するスイッチング手段は、インバータ回路のト
ランジスタQ2を兼用して形成されている。このトランジ
スタQ2はパワーMOSFETよりなり、寄生の逆方向ダイオー
ドを内蔵している。トランジスタQ2の両端には、抵抗R
11,R12の直列回路が並列的に接続され、その両端電圧の
立ち下がりを検出すると、駆動回路Cからトランジスタ
Q2に一定時間のオン駆動信号が与えられる。一方、トラ
ンジスタQ1のベースには、インダクタT2の2次巻線が抵
抗R13を介して接続されている。なお、平滑用コンデン
サC3を放電するための逆流阻止手段はインバータ回路の
ダイオードD2を兼用して形成してある。また、交流電源
Eと整流回路DBとの間には、コンデンサC1,C2及びトラ
ンスT1よりなるノイズフィルタが介挿されている。
請求項2記載の発明は上記回路において、トランジス
タQ2が正常にオン・オフするための条件を定めたもので
あり、トランジスタQ1がオフしたときに、トランジスタ
Q2の逆方向に電流が流れる(つまり寄生のダイオードが
導通する)ことを条件とするものである。定常状態にお
いて、上記回路の動作波形図は第8図に示すようにな
る。以下、第8図を参照しながら上記回路の動作につい
て説明する。ただし、以下の動作説明に際して、インバ
ータ回路の発振周波数は、コンデンサC4,C5と放電灯l
及びインダクタT2よりなる負荷回路の固有振動周波数よ
りも高いものとする。
まず、トランジスタQ2がオンのとき、チョッパー回路
としては、インダクタL1、ダイオードD1、トランジスタ
Q2の経路で電流が流れて、インダクタL1にエネルギーが
蓄積される。また、インバータ回路では、コンデンサC3
からコンデンサC4、放電灯l及びコンデンサC5、インダ
クタT2の1次巻線、トランジスタQ2の経路で共振電流が
流れる(第8図(H)参照)。
次に、トランジスタQ2がオフしたときには、チョッパ
ー回路に流れている電流をIpとすると、インダクタL1
は(1/2)L1Ip2のエネルギーが蓄えられており、これが
インダクタL1、ダイオードD1,D2、コンデンサC3、整流
回路DBの経路で放出されて、コンデンサC3が充電され
る。また、インバータ回路では、インダクタT2の1次巻
線の残留エネルギーが放出され、インダクタT2、ダイオ
ードD2、コンデンサC4、放電灯l及びコンデンサC5の経
路で電流が流れる。その後、インダクタT2の2次巻線の
誘起電圧によってトランジスタQ1がオンして、今度はコ
ンデンサC4からトランジスタQ1、インダクタT2の1次巻
線、放電灯l及びコンデンサC5の経路で電流が流れよう
とする。実際は、このトランジスタQ1の順方向電流とチ
ョッパー回路からコンデンサC3への充電電流の大きさに
より、トランジスタQ1がオンするかダイオードD2がオン
するかが決定される(第8図(B)参照)。
次に、トランジスタQ1がオフすると、チョッパー回路
では、インダクタL1の残留エネルギーによりトランジス
タQ2の逆方向に電流が流れるようとする。インバータ回
路では、インダクタT2の1次巻線に残留しているエネル
ギーによりインダクタT2の1次巻線、放電灯l及びコン
デンサC5、コンデンサC4、コンデンサC3、トランジスタ
Q2の寄生ダイオードの経路で電流が流れようとする。こ
こで、この瞬時状態を直流的な電圧で表すると、第9図
の等価回路のようになる。図中、DAはトランジスタQ2
順方向のオンを表し、DBはトランジスタQ2の逆方向の寄
生ダイオードのオンを表している。また、EAはチョッパ
ー回路の蓄積エネルギーによる起電力と整流回路DBの整
流出力の合成電圧、EBはインバータ回路の共振エネルギ
ーによる起電力である。ここで、ダイオードDA,DBのオ
ン電圧を無視すると、EA>EBであればダイオードDAがオ
ンすることになる。しかしながら、ダイオードDAはトラ
ンジスタQ2が順方向にオンしないと導通しない。上記の
回路では、トランジスタQ2の両端電圧VDSが立ち下がっ
て始めてトランジスタQ2がオンするような構成となって
いるので、実際はダイオードDAはオンしないことにな
る。したがって、トランジスタQ1,Q2が交互にオンオフ
するインバータ動作をしなくなり、異常発振が起きる。
故に、条件としては、EB>EAであれば良い。このときの
動作波形は、第8図(A)〜(I)に示すようになる。
上記の条件を別な形式で表現すれば、第8図(F)に
示すインバータ回路の共振エネルギーによる帰還電流ID
と、第8図(J)に示すチョッパー回路の蓄積エネルギ
ーによる電流ILとの関係が、ID>ILであれば良く、この
条件が満足される場合には、上記インバータ回路は正常
に動作することができる。
[実施例5] 第10図は本発明の第5実施例の回路図である。以下、
その回路構成について説明する。インバータ回路は、ハ
ーフブリッジ構成であり、パワーMOSFETよりなるトラン
ジスタQ1,Q2の直列回路と、コンデンサC5,C6の直列回路
が並列的に接続されており、トランジスタQ1,Q2の接続
点とコンデンサC5,C6の接続点の間には、インダクタL2
とコンデンサC7及び放電灯lを含むLC直列共振回路が負
荷回路として接続されている。ここで、コンデンサC5,C
6の容量は、コンデンサC7の容量に比べて十分に大き
く、コンデンサC5,C6は共振には寄与しない。
インバータ回路のトランジスタQ1,Q2の制御極には、
トランジスタQ1,Q2を交互にオンオフさせるような駆動
信号がそれぞれ駆動回路A,Bから供給されている。交流
電源Eには、コンデンサC1,C2とトランスT1よりなるノ
イズフィルタを介して全波整流回路DBの交流入力端が接
続され、全波整流回路DBの直流出力端には、トランジス
タQ1とダイオードD1を介してインダクタL1が接続されて
いる。インダクタL1の両端には、ダイオードD1とトラン
ジスタQ2の逆方向寄生ダイオードを介して平滑用コンデ
ンサC3が接続されている。前記インバータ回路における
トランジスタQ1,Q2の直列回路には、全波整流回路DBと
平滑用コンデンサC3の直列回路が接続されると共に、電
流帰還用の高周波バイスコンデンサC4が並列接続されて
いる。
本実施例におけるチョッパー回路は、トランジスタQ1
とダイオードD1、トランジスタQ2の逆方向寄生ダイオー
ド、コンデンサC3及びインダクタL1で構成されている。
トランジスタQ1がオンであるときには、全波整流回路DB
からトランジスタQ1、インダクタL1、ダイオードD1を介
して電流が流れて、インダクタL1にエネルギーが蓄積さ
れる。そして、トランジスタQ1がオフすると、インダク
タL1の蓄積エネルギーがダイオードD1、コンデンサC3
トランジスタQ2の逆方向寄生ダイオードを介して放出さ
れ、コンデンサC3が充電される。これにより、交流電源
Eをスイッチングして、コンデンサC3に平滑な直流電圧
を得ることができる。
次に、トランジスタQ1の駆動回路Aの構成について説
明する。駆動回路Aは低圧直流電源E1を備えており、そ
の電圧は単安定マルチバイブレータIC1(例えば日本電
気(株)製のμPD4538)の電源端子VDD,VSSに印加され
ている。また、単安定マルチバイブレータIC1の時定数
設定端子T1,T2には、コンデンサC8が接続されている。
このコンデンサC8は、抵抗R3を介して充電される。した
がって、単安定マルチバイブレータIC1から出力される
ワンショットパルスのパルス幅は、抵抗R3とコンデンサ
C8の時定数により決定される。また、トランジスタQ1
両端電圧は、抵抗R5,R6により検出されており、その検
出電圧は単安定マルチバイブレータIC1の立ち下がりト
リガー端子Bに入力されている。また、単安定マルチバ
イブレータIC1から出力される出力パルスは、否定回路I
C3と抵抗R1を介してトランジスタQ1のゲートに供給され
ている。
本実施例では、インバータ回路の発振周波数が負荷回
路の固有振動周波数よりも高くなるように設定される。
また、チョッパー回路の蓄積エネルギーによる起電力は
インバータ回路の共振エネルギーによる起電力を上回ら
ないように回路定数を設定される。この条件により、ト
ランジスタQ2がオフすると、まず、トランジスタQ1の逆
方向寄生ダイオードに電流が流れる。したがって、トラ
ンジスタQ1の両端電圧が“Low"レベルに立ち下がる。こ
の立ち下がり信号をトリガーとして、単安定マルチバイ
ブレータIC1がワンショットパルスを発生し、このワン
ショットパルスの長さによりトランジスタQ1のオン区間
が設定される。トランジスタQ2の駆動回路Bの構成及び
動作については、トランジスタQ1の駆動回路Aと同様で
あるので、重複する説明は省略する。
[発明の効果] 請求項1記載の発明にあっては、エネルギー蓄積用の
インダクタを備えるチョッパー回路と、共振回路を含む
負荷回路を備えるインバータ回路とでスイッチング素子
を一部共用化したインバータ装置において、非共用側の
スイッチング素子がオフされたときには、共用側のスイ
ッチング素子に逆方向電流が流れるように、非共用側の
スイッチング素子のオフ時に上記共振回路により共用側
のスイッチング素子に逆方向に流れる帰還電流をID
し、交流電源からエネルギー蓄積用のインダクタを介し
て共用側のスイッチング素子に順方向に流れる電流をIL
とすると、ID>ILとなるように各スイッチング素子のオ
ン・オフを制御するようにしたものであるから、共用側
のスイッチング素子がオンされる瞬間にチョッパー回路
のインダクタのエネルギーが残っていても、チョッパー
回路の蓄積エネルギーによる電流は、共用側のスイッチ
ング素子に逆方向に流れる共振回路からの帰還電流によ
り打ち消されるので、共用側のスイッチング素子に過大
な電流が流れることはなく、スイッチング損失によるス
トレスが加わることは防止できるという効果がある。
請求項2記載の発明にあっては、エネルギー蓄積用の
インダクタを備えるチョッパー回路と、共振回路を含む
負荷回路を備えるインバータ回路とでスイッチング素子
を一部共用化し、この共用化されたスイッチング素子は
非共用側のスイッチング素子のオフ時に、自己の両端電
圧が立ち下がることを検出してから一定時間は自己にオ
ン駆動信号を与える駆動回路により制御されているよう
なインバータ装置において、非共用側のスイッチング素
子がオフされたときには共用側のスイッチング素子に逆
方向電流が流れるように、非共用側のスイッチング素子
のオフ時に上記共振回路により共用側のスイッチング素
子に逆方向に流れる帰還電流をIDとし、交流電源からエ
ネルギー蓄積用のインダクタを介して共有側のスイッチ
ング素子に順方向に流れる電流をILとすると、ID>IL
なるように回路定数を設定したものであるから、異常発
振に陥ることはなく、スイッチング素子等にストレスが
加わることは防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本構成を示す回路図、第2図は本発
明の第1実施例の回路図、第3図は本発明の第2実施例
の回路図、第4図は同上の起動時の動作波形図、第5図
は同上の発振動作時の動作波形図、第6図は本発明の第
3実施例の回路図、第7図は本発明の第4実施例の回路
図、第8図は同上の動作波形図、第9図は同上の動作説
明のための等価回路図、第10図は本発明の第5実施例の
回路図、第11図は従来例の回路図、第12図は同上の高周
波的な動作波形図、第13図は同上の低周波的な動作波形
図、第14図は従来の一般的な昇圧形チョッパー回路の基
本回路図、第15図及び第16図は同上の動作波形図であ
る。 Q1,Q2はトランジスタ、D1,D2はダイオード、L1,L2はイ
ンダクタ、Eは交流電源、DBはダイオードブリッジ、C3
は平滑用コンデンサ、lは放電灯負荷、Kは制御駆動回
路である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−136972(JP,A) 特開 平3−245773(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/42 - 7/98 H05B 41/24 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】逆方向電流を阻止しない第1及び第2のス
    イッチング素子の直列回路を平滑電源の両端に並列的に
    接続し、第1及び第2のスイッチング素子を交互にオン
    オフすることにより共振回路を含む負荷回路に高周波電
    力を供給するインバータ回路と、インバータ回路におけ
    る一方のスイッチング素子のオン時に当該スイッチング
    素子を介して交流電源からエネルギー蓄積用のインダク
    タに電流を流してインダクタにエネルギーを蓄積し、上
    記一方のスイッチング素子のオフ時に他方のスイッチン
    グ素子の逆方向電流通電経路を介して上記平滑電源にイ
    ンダクタの蓄積エネルギーを放出するチョッパー回路と
    を備え、インバータ回路の発振周波数は共振回路の固有
    振動周波数よりも高く設定されているインバータ装置に
    おいて、上記他方のスイッチング素子のオフ時に上記共
    振回路により上記一方のスイッチング素子に逆方向に流
    れる帰還電流をIDとし、上記交流電源からエネルギー蓄
    積用のインダクタを介して上記一方のスイッチング素子
    に順方向に流れる電流をILとすると、ID>ILとなるよう
    に上記各スイッチング素子をオン・オフ制御する制御駆
    動回路を備えることを特徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】逆方向電流を阻止しない第1及び第2のス
    イッチング素子の直列回路を平滑電源の両端に並列的に
    接続し、第1及び第2のスイッチング素子を交互にオン
    オフすることにより共振回路を含む負荷回路に高周波電
    力を供給するインバータ回路と、インバータ回路におけ
    る一方のスイッチング素子のオン時に当該スイッチング
    素子を介して交流電源からエネルギー蓄積用のインダク
    タに電流を流してインダクタにエネルギーを蓄積し、上
    記一方のスイッチング素子のオフ時に他方のスイッチン
    グ素子の逆方向電流通電経路を介して上記平滑電源にイ
    ンダクタの蓄積エネルギーを放出するチョッパー回路
    と、上記一方のスイッチング素子の両端電圧の立ち下が
    り検出後の一定時間は上記一方のスイッチング素子をオ
    ン駆動する駆動回路とを備え、インバータ回路の発振周
    波数は共振回路の固有振動周波数よりも高く設定されて
    いるインバータ装置において、上記他方のスイッチング
    素子のオフ時に上記共振回路により上記一方のスイッチ
    ング素子に逆方向に流れる帰還電流をIDとし、上記交流
    電源からエネルギー蓄積用のインダクタを介して上記一
    方のスイッチング素子に順方向に流れる電流をILとする
    と、ID>ILとなるように回路定数を設定したことを特徴
    とするインバータ装置。
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