JP3378509B2 - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JP3378509B2
JP3378509B2 JP21678098A JP21678098A JP3378509B2 JP 3378509 B2 JP3378509 B2 JP 3378509B2 JP 21678098 A JP21678098 A JP 21678098A JP 21678098 A JP21678098 A JP 21678098A JP 3378509 B2 JP3378509 B2 JP 3378509B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源装置を構成す
る電源回路に確実な動作を行わせるための技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、蛍光表示管を搭載した電子機器
などでは、制御系統に設けられたロジック回路等と出力
系統に設けられた蛍光表示管等で異なる駆動電圧を要求
することがある。ここで、各回路、部品に供給するそれ
ぞれの駆動電圧に高い安定度が要求される、あるいは駆
動電圧の供給条件が異なるなど、電源供給に独立性が要
求される場合には、制御系統と出力系統で個別に電源回
路を設けることになる。このように複数の電源回路を有
した電源装置の一例として、従来には図3に示すような
ものが存在した。図3に示す電源装置は、第1の電源回
路4cと第2の電源回路12、そして、第1の電源回路
4cには駆動信号を、第2の電源回路にはトリガ信号を
それぞれ供給する制御回路13とから構成されている。
ここで第1の電源回路4cは以下のような回路構成とし
ていた。
【0003】入力端子1にチョークコイルL1を介して
スイッチングトランジスタQ1のコレクタが接続され、
スイッチングトランジスタQ1のエミッタはアースに接
続される。スイッチングトランジスタQ1のコレクタは
整流用のダイオードD1を介して出力端子2に接続さ
れ、出力端子2とアースとの間に平滑用のコンデンサC
1が接続される。スイッチングトランジスタQ1のベー
スは抵抗R1を介してトリガ入力端子3に接続され、ス
イッチングトランジスタQ1のベースとアースの間には
制御トランジスタQ2が接続される。制御トランジスタ
Q2のベースと出力端子2との間には第1の帰還回路を
構成する定電圧ダイオードDZ1が接続され、さらに制
御トランジスタQ2のベースとスイッチングトランジス
タQ1のコレクタとの間には第2の帰還回路を構成する
抵抗R6とコンデンサC3の直列回路が接続され、制御
トランジスタQ2のベースとアースとの間にはバイアス
用の抵抗R2が接続されている。
【0004】このような構成とした第1の電源回路4c
の動作は以下のようであった。トリガ入力端子3に制御
回路13よりトリガ信号が印加され、トリガ入力端子3
の電圧が高い状態になるとスイッチングトランジスタQ
1はオン状態となる。するとチョークコイルL1からス
イッチングトランジスタQ1のコレクタに対して時間と
ともに直線的に増加する電流が流れる。やがて、スイッ
チングトランジスタQ1のコレクタに流入する電流がそ
の時点におけるスイッチングトランジスタQ1のコレク
タ飽和電流の大きさに等しくなると、電流の大きさは一
定となり、スイッチングトランジスタQ1のコレクタの
位置における電圧が上昇する。
【0005】すると制御トランジスタQ2のベースに
は、スイッチングトランジスタQ1のコレクタに現れた
電圧による第2の帰還信号が抵抗R6とコンデンサC3
を介して入力され、制御トランジスタQ2はオン状態と
なる。制御トランジスタQ2がオン状態となるとスイッ
チングトランジスタQ1のベース、エミッタ間が短絡さ
れ、その結果、スイッチングトランジスタQ1はオフ状
態に移行する。スイッチングトランジスタQ1がオフ状
態となるとチョークコイルL1にはフライバック電圧が
生じ、入力電圧とフライバック電圧を合わせた高い電圧
がダイオードD1を介してコンデンサC1に供給され
る。これによりコンデンサC1の両端に生じた電圧が出
力電圧として出力端子2に接続された外部の負荷に供給
される。
【0006】ここで、制御トランジスタQ2のベースに
は出力端子2に現れた電圧、つまり出力電圧に応じた第
1の帰還信号が定電圧ダイオードDZ1を介して入力さ
れる。出力電圧が定電圧ダイオードDZ1のツェナー電
圧よりも高い時には制御トランジスタQ2はオン状態を
維持することになる。負荷に対して電力を供給すること
で出力電圧は次第に低下する。出力電圧が定電圧ダイオ
ードDZ1のツェナー電圧よりも低くなった時点で制御
トランジスタQ2はオフ状態に移行する。制御トランジ
スタQ2がオフ状態となることでスイッチングトランジ
スタQ1のベースにはトリガ信号が入力され、再びオン
状態となる。これ以降、トリガ信号によりトリガ入力端
子3の位置の電圧が高い状態にある間、以上に説明した
動作過程を繰り返し、自励発振動作を行う。
【0007】なお、トリガ入力端子3の位置の電圧が低
い状態、例えばアース電位と同じ電圧の状態にある場合
には、スイッチングトランジスタQ1のベース、エミッ
タ間に順方向のバイアスを供給することができない。そ
のためスイッチングトランジスタQ1は、制御トランジ
スタQ2の状態に関係なくオフ状態を維持することにな
る。すなわち、第1の電源回路4cは動作停止状態とな
る。このように電源装置を構成する第1の電源回路4c
は、トリガ信号の信号レベルに応じて自励発振動作を行
うものとなっていた。
【0008】図3に示す電源装置では、制御回路13か
ら第1の電源回路に供給するトリガ信号として、第2の
電源回路12に供給する駆動信号を発生させる過程で生
じるクロックパルスに準じたものを使用している。もし
仮に、第2の電源回路12に何らかの障害が発生した場
合、制御回路13は第2の電源回路12に対する駆動信
号の供給を停止し、第2の電源回路12の動作を停止さ
せる。この時、制御回路13から第1の電源回路4cに
対するトリガ信号の供給も同時に停止されることにな
る。その結果、図3の電源装置では、第2の電源回路1
2の状態に応じて自動的に第1の電源回路の動作状態が
切り替えられ、信頼性の高い電源装置を簡素な回路構成
で構築することができた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし図3に示す第1
の電源回路4cは、その簡素な回路構成のために入力電
圧、トリガ信号の信号レベル、負荷状態の変化などに対
して敏感な回路になってしまっている。そのため、起動
時に悪要因が重なった場合、安定した自励発振動作を行
えなくなることがある。すると、トリガ信号が高電圧の
状態である間、スイッチングトランジスタQ1がオン状
態のままになる恐れがあり、装置の安全上問題があっ
た。そこで本発明は、確実に動作を行わせることが可能
な電源装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、外部から供給
されたトリガ信号に応じてスイッチング素子がスイッチ
ング動作を行う第1の電源回路と、回路内に交番電圧を
生じる第2の電源回路とを有する電源装置において、第
2の電源回路において発生した交番電圧の全波整流電圧
をトリガ信号として第1の電源回路に供給することを特
徴とするものである。具体的には第1の電源回路を、入
力端子に接続されたインダクタンス装置とスイッチング
素子の直列回路と、インダクタンス装置と出力端子との
間に接続された整流、平滑回路と、スイッチング素子の
制御端子と主電流路の一端との間にその主電流路が接続
された制御トランジスタと、出力端子と制御トランジス
タの制御端子との間に接続され、出力電圧と基準電圧と
の差に相当する帰還信号を発生させる帰還回路と、を具
備し、トリガ信号はスイッチング素子の制御端子に供給
する構成とする。
【0011】あるいは、第1の電源回路を、入力端子に
接続されたインダクタンス装置とスイッチング素子の直
列回路と、インダクタンス装置と出力端子との間に接続
された整流、平滑回路と、該スイッチング素子の制御端
子にその出力端子が接続された比較器と、を具備し、第
1の電源回路の比較器には、出力電圧に相当する検出信
号と、基準電圧信号と、トリガ信号とが供給される構成
とする。ここで第2の電源回路は共振型電源で構成し、
そこに生じた共振電圧を全波整流してトリガ信号を得
る。
【0012】
【発明の実施の形態】第2の電源回路に設けられた所定
の巻線の巻線端を2つの整流素子を介して第1の電源回
路のトリガ入力端子に接続し、交流全波波形状の電圧に
よるトリガ信号を供給する。ここで第2の電源回路には
共振型のものを採用しておく。本発明の第1の実施例で
は、第1の電源回路を、スイッチングトランジスタのベ
ース、エミッタ間に制御トランジスタが接続され、制御
トランジスタのベースと電源回路の出力端子との間に定
電圧素子が接続された構成とし、スイッチングトランジ
スタのベースに前記トリガ信号を入力する。本発明の第
2の実施例では、第1の電源回路を、比較器、誤差増幅
器および基準電圧源を有する他励PWM制御方式の構成
とし、比較器に三角波電圧の代わりに前記トリガ信号を
入力する。
【0013】
【実施例】確実に動作を行わせることのできる本発明に
よる電源装置の第1の実施例の回路を図1に示した。図
1の電源装置において、第1の電源回路4aは、図3の
従来の回路と比べて制御トランジスタQ2のベースに接
続される抵抗R6とコンデンサC3の直列回路が省略さ
れており、その他の回路構成は同一となっている。一
方、第2の電源回路は、トランスTの1次巻線N1に共
振コンデンサC2が並列に接続され、1次巻線N1の中
間タップが入力端子1に接続され、さらに1次巻線N1
の両端がそれぞれトランジスタQ3あるいはQ4を介し
てアースに接続された回路構成とし、トランスTの2次
巻線N2から各端子5a、5b、5cを介して交流の出
力電圧が得られるようになっている。なお、第2の電源
回路6のトランジスタQ3およびQ4のベース側回路は
図示を省略してある。
【0014】そして図1の本発明の電源装置は、第1の
電源回路4aのトリガ入力端子3を、第2の電源回路6
の1次巻線N1の一端および他端に、それぞれダイオー
ドD2およびダイオードD3を介して接続した構成とし
ている。このような回路構成とした場合、先ず第2の電
源回路6は、トランジスタQ2とQ3が相補的にオン状
態あるいはオフ状態となってトランスTの各巻線に交番
電圧を発生させる。ここでトランジスタQ2とQ3のス
イッチング周波数がトランスTの1次巻線N1に現れる
インダクタンスと共振コンデンサC2の容量による共振
周波数とほぼ同じ場合、交番電圧は共振電圧となってほ
ぼ正弦波状に変化する。トランスTの2次巻線N2に発
生した共振電圧は出力電圧として端子5a〜5cを介し
て外部に供給される一方で、1次巻線N1に発生した共
振電圧はダイオードD2、D3によって全波整流され、
トリガ入力端子3に供給される。
【0015】第1の電源回路4a中のスイッチングトラ
ンジスタQ1は、トリガ入力端子3を介して供給された
交流全波整流波形状のトリガ信号に応じてオン状態ある
いはオフ状態になる。すなわちスイッチングトランジス
タQ1は、図3に示した第1の電源回路4cのように自
励発振動作は行わず、抵抗R1を介してベースに供給さ
れたトリガ信号の電圧値がベース、エミッタ間のスレッ
ショルド電圧より高くなるとオン状態となり、逆に低く
なるとオフ状態となるという単純なスイッチング動作を
行う。なお、このスイッチング動作は起動時に現れるも
のであり、定常運転時においては、スイッチングトラン
ジスタQ1はトリガ信号の電圧値が高い期間中であって
も制御トランジスタQ2の作用によってターンオフし、
出力電圧に応じたオンデューティでスイッチング動作を
行うことになる。
【0016】このように図1に示す第1の電源回路4a
は、そのスイッチング動作が自励発振によらないため、
確実に動作を行わせることができる。付随的に、図1に
示す回路構成によれば、トリガ信号を得るのに特別な回
路を必要とせず、簡素な構成で電源装置を構築できる。
また、全波整流波形のトリガ信号によって動作する第1
の電源回路4aは、第2の電源回路6の2倍のスイッチ
ング周波数で動作することになる。このため、自励発振
動作を行う図3の第1の電源回路4cほどの効果は得ら
れないものの、少なくとも図3に示すようなクロックパ
ルスによるトリガ信号そのものでスイッチングトランジ
スタQ1を駆動した場合よりも、スイッチング周波数の
高周波化で回路の小型化が可能となるといった効果も得
ることができる。
【0017】図2には本発明による電源装置の第2の実
施例の回路を示した。図2に示す電源装置の回路構成
は、図1の電源装置と比べて第1の電源回路4bの構成
を以下のようにしたものであり、その他の回路部分は同
一となっている。チョークコイルL1、スイッチングト
ランジスタQ1、ダイオードD1およびコンデンサC1
を図1と同様に昇圧チョッパコンバータの回路構成とな
るように接続する。スイッチングトランジスタQ1のベ
ースと入力端子1との間にバイアス供給用の抵抗R1を
接続し、スイッチングトランジスタQ1のベースに比較
器7の出力端子を接続する。比較器7の3つの入力端子
にはそれぞれ、トリガ入力端子3、基準電圧源8および
誤差増幅器9の出力端子を接続する。誤差増幅器9の2
つの入力端子は基準電圧源10および、出力端子2とア
ースとの間に直列に設けられた抵抗R4とR5の接続点
に接続する。
【0018】図2の電源装置における第1の電源回路4
bは要するに、一般的な他励式PWM制御で要求される
三角波電圧の代わりに交流全波整流波形状のトリガ信号
を使用するようにしたものである。そこで、第1の電源
回路4bの動作は一般的な他励式PWM制御を採用した
昇圧チョッパコンバータと同じとなる。すなわち、誤差
増幅器9は抵抗R4とR5の接続点に得られた出力電圧
に相当する検出信号と基準電圧源10より供給される基
準電圧とから、その差に相当する誤差信号を発生させ
る。比較器7においてトリガ信号と誤差信号を比較し、
出力電圧に応じたオンデューティの駆動信号をスイッチ
ングトランジスタQ1に供給する。なお、基準電圧源8
は、スイッチングトランジスタQ1のデッドタイムを設
定するために設けられたものである。
【0019】このような構成とした図2の電源装置で
は、第1の電源回路4bに個別の発振回路が不要とな
り、電源装置の構成を簡素化できる。また、共振電圧を
全波整流したものをトリガ信号として使用することによ
り、第1の電源回路4bを確実に動作させることを可能
とすると同時に、第1の電源回路4bと第2の電源回路
6の運転、停止を、特別なロジック回路を使用せずに連
携させることが出来るようになる。なお、図1、図2に
示す本発明の実施例の電源装置において、第1の電源回
路(4a、4b)はインダクタンス装置としてチョーク
コイルL1を使用した非絶縁型の電源回路となっている
が、インダクタンス装置にトランスを使用した絶縁型の
電源回路であっても構わない。
【0020】
【発明の効果】以上に述べたように本発明は、第2の電
源回路に生じた交番電圧を全波整流し、その全波整流電
圧をトリガ信号として第1の電源回路に供給するように
したことを特徴としている。このような本発明によれ
ば、簡素な構成で、特別な回路を設けなくとも第1と第
2の電源回路の動作状態が連携し、かつ、電源回路が確
実に動作をする電源装置を得ることが出来るようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による電源装置の第1の実施例の回路
図。
【図2】 本発明による電源装置の第2の実施例の回路
図。
【図3】 従来の電源装置の一例を示す図。
【符号の説明】
1 入力端子 2 出力端子(第1の電源回路) 3 トリガ入力端子 4a、4b 第1の電源回路 5a〜5c 出力端子(第2の電源回路) 6 共振型電源による第2の電源回路 7 比較器 8、10 基準電圧源 9 誤差増幅器 Q1 スイッチングトランジスタ Q2 制御トランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/5383 H02M 3/155 H02M 7/538 H05B 41/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部から供給されたトリガ信号に応じて
    スイッチング素子がスイッチング動作を行う第1の電源
    回路と、回路内に交番電圧を生じる第2の電源回路とを
    有し、 該第2の電源回路において発生した交番電圧の全波整流
    電圧をトリガ信号として該第1の電源回路に供給すると
    ともに、該第1の電源回路の出力電圧に応じた信号を該
    スイッチング素子の制御端子に帰還させることを特徴と
    する電源装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の電源回路が、入力端子に接続
    されたインダクタンス装置とスイッチング素子の直列回
    路と、該インダクタンス装置と出力端子との間に接続さ
    れた整流、平滑回路と、該スイッチング素子の制御端子
    と主電流路の一端との間にその主電流路が接続された制
    御トランジスタと、該出力端子と該制御トランジスタの
    制御端子との間に接続され、出力電圧と基準電圧との差
    に相当する帰還信号を発生させる帰還回路、とを具備
    し、 該第2の電源回路において発生した交番電圧の全波整流
    電圧がトリガ信号として該第1の電源回路の該スイッチ
    ング素子の制御端子に供給され、該帰還信号が害制御ト
    ランジスタの制御端子に供給されることを特徴とする、
    請求項1に記載した電源装置。
  3. 【請求項3】 前記帰還回路が定電圧ダイオードより成
    り、前記インダクタンス装置がチョークコイルより成る
    ことを特徴とする、請求項2に記載した電源装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の電源回路が、入力端子に接続
    されたインダクタンス装置とスイッチング素子の直列回
    路と、該インダクタンス装置と出力端子との間に接続さ
    れた整流、平滑回路と、該スイッチング素子の制御端子
    に接続された比較器と、を具備し、 該第1の電源回路の該比較器には、出力電圧に相当する
    検出信号と基準電圧信号との差に相当する誤差信号と、
    該第2の電源回路において発生した交番電圧を全波整流
    して得られたトリガ信号とが供給されることを特徴とす
    る、請求項1に記載した電源装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の電源回路が共振型の電源回路
    であり、前記交番電圧が共振電圧であることを特徴とす
    る、請求項1から請求項4のいずれかに記載された電源
    装置。
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