JPS6037035Y2 - 直流安定化電源装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は交換トランスの１次巻線にスイッチングトラン
ジスタを介して直流電圧を供給し、前記スイッチングト
ランジスタをオン・オフさせることにより前記交換トラ
ンスを励磁味２次巻線に接続された整流平滑回路を介し
て別の直流電圧を得る直流安定化電源装置に関する。

この種の従来の直流安定化電源装置は１次巻線に供給さ
れた直流電圧の断続比を制御することによりその出力を
安定化しているため、前記スイッチングトランジスタの
オン・オフを開始させ、かつ制御されたオン・オフ期間
比で駆動するための制御回路を含む発振回路を必要とし
ており、この発振回路を動作させるための補助電源回路
を有しているが、この補助電源回路は小容量のＤＣ−Ｄ
Ｃコンバーター回路分に相当し、このことが直流安定化
電源装置の小型、低価格化を計るうえでの大きな障害と
なっていた。

上述する問題点を解決し得る従来技術としては、例えば
特開昭５２−８９４０１号公報に開示されたものが公知
である。

この公知技術は、交換トランスに設けられた帰還巻線を
利用してメインのスイッチングトランジスタの出力側か
ら入力側に正帰還をかけ、ブロッキング発振動作を行な
わせることにより、補助電源を必要とせずに起動させる
と共に、起動後は禁止回路を動作さてブロッキング発振
動作を禁止−通常のパルス幅変調によってスイッチング
トランジスタを駆動制御するようにしたものである。

前記禁止回路とパルス幅変調回路等の制御回路には、交
換トランスに設けた補助巻線に生じる起電圧を整流平滑
化した直流電圧が、並列的に与えられており、この直流
電圧の立上がりを利用して、禁止回路を動作させてブロ
ッキング発振動作を停止させると同時に、制御回路を動
作させるようになっている。

しかしながら、この公知技術においては、交換トランス
に設けられた帰還巻線を利用してスイッチングトランジ
スタにブロッキング発振動作を行なわせる、いわゆる自
励発振動作となるため、入力電圧の変動等によって、帰
還巻線を通してスイッチングトランジスタに入力される
帰還電圧が変動し、起動動作が不安定になり易いこと、
負荷インピーダンスの変動、交換トランスの特性のバラ
ツキ及びスイッチングトランジスタの電流増幅率のバラ
ツキ等によって、ブロッキング発振の発振周波数が変動
するため、起動動作が不安定になりやすいこと、ブロッ
キング発振周波数が種々の回路的要因によって変動して
しまうため、ブロッキング発振周波数を駆動パルスの周
波数より低い値に設定することができなくなり、動作が
不安定になること、交換トランスに帰還巻線を施す必要
があるため、端子数が増え、大型化すると同時に重くな
り、コスト高になってしまうこと等の問題点がある。

更に、禁止回路とパルス幅変調回路等の制御回路に対し
て、交換トランスに設けた補助巻線に生じる起電圧を整
流平滑化した直流電圧を並列的に与え、この直流電圧の
立上りを利用して制御回路及び禁止回路を並列的に駆動
する回路構成であるため、禁止回路が動作してスイッチ
ングトランジスタにブ陥ツキング発振動作禁止指令がか
かった時点で、制御回路が実際に動作状態に入っている
か否かは不明であり、動作が不安定になり易い。

つまり、制御回路が正常動作に入ったことを確認した後
に禁止回路を動作させてブロッキング発振動作を停止さ
せることができないのである。

このため、最悪の場合には制御回路が正常動作に入る前
に、禁止回路が動作してスイッチングトランジスタに起
動停止指令が与えられてしまうという問題点もあった。

本考案は上述の如くの障害を除去し、補助電源回路を必
要とせず安定な動作の得られる改善された直流安定化電
源装置を提供することを目的とする。

第１図は本考案の直流安定化電源装置の一例を示す回路
図であって、１は第１の発振回路、２は第２の発振回路
、３は駆動回路、４は禁止回路、５、６． ７は夫々整
流平滑回路、Ｔ□は交換トランス、Ｑ□〜３は夫々トラ
ンジスタである。

交換トランス子工は１次巻線ｎｐと２個の２次巻線ｎｓ
１ ｔ ｎ、２とを有し、前記１次巻線ｎｐはスイッチ
ングトランジスタＱ工のコレクタ・エミッタを介して商
用交流が入力される整流平滑回路５の出力端子ａに接続
され、一方の２次巻線ｎｓ□はダイオードＤ１．Ｄ２．
チョークコイルＬ及びコンデンサＣ２からなる整流平滑
回路６に、他方の２次巻線ｎＢ２はダイオードＤ３及び
コンデンサＣ３からなる整流平滑回路７に夫々接続され
ている。

第１の発振回路１は前記商用交流が入力される整流平滑
回路５より動作電圧が供給されて、後述する禁止回路４
のトランジスタＱ３がオフのときその出力端子すに例え
ば約２０ＫＨｚのスパイク状のパルスを発生し、該スパ
イク状のパルスで前記スイッチングトランジスタＱ□の
ベースを駆動するように構成されている。

第２の発振回路２は前記一方の２次巻線ｎ９１に接続さ
れた整流平滑回路６の出力端子、すなわち直流安定化電
源装置の出力端子の電圧を検出するとともに、前記他方
の２次巻線ｎｓ□に接続された整流平滑回路７の出力端
子Ｃより動作電圧の供給を受けて、前記直流安定化電源
装置の出力端子電圧を安定化するようにパルス巾制御さ
れた例えば５０ＫＨｚ〜１００ＫＨｚの方形波パルスを
その出力端子ｄに発生し、ベース駆動回路３に出力する
如く構成されている。

ベース駆動回路３はトランスＴ２とトランジスタＱ２と
からなり、該トランスＴ２の１次巻線ｎ□は前記トラン
ジスタＱ２のコレクタ・エミッタを介して整流平滑回路
７の出力端子Ｃに接続され、２次巻線…が前記スイッチ
ングトランジスタＱ１のベース・エミッタ間に接続され
てなり、前記第２の発振回路２よりトランジスタＱ２の
ベースに発振出力が供給されたとき前記整流平滑回路７
の出力を断続し、２次巻線ｎ２に電圧を誘起し、スイッ
チングトランジスタＱ１にベース電流を供給する如く構
成されている。

禁上回路４は前記２次巻線用に接続されたダイオードＤ
、とコンデンサＣ４との直列回路とコレクタが第１の発
振回路１に接続され、前記コンデンサＣ４が抵抗を介し
てベース・エミッタ間に接続されたトランジスタＱ３と
からなり、前記コンデンサＣ４の電位が上昇したとき、
前記トランジスタＱをオン状態にして前記第１の発振回
路１の出力端子すに発生するパルスを停止する如く構威
されている。

次に第２図を参照にして第１図に示した本考案の直流安
定化電源装置の動作を説明する。

２図は第１図に示した直流安定化電源装置の各部の電圧
波形図であって、符号は第１図と同一部分を示している
。

いま時刻ｔ。で商用交流が入力されるとａ点電位は上昇
を開始し、時刻ちで第１の発振回路１の動作可能電圧に
いたる。

第１の発振回路１は時刻ｔ１よりｂ点にスパイク状のパ
ルスを出力し、交換トランスＴ□の１次巻線ｎｐに接続
されたスイッチングトランジスタＱ１を駆動する。

従って、交換トランスＴ１の２次巻線ｎｓ□９ ｎｓ、
に接続された整流平滑回路６，７の出力端子Ｃの電位が
時刻ちより徐々の上昇し、時刻ｔ２で第２の発振回路２
の動作可能電圧にいたる。

第２の発振回路２は時刻ちより３点にパルス巾制御され
た方形波パルスを出力しベース駆動回路３のトランスＴ
２の１次巻線ｎ１に接続されたトランジスタＱ２のベー
スを駆動する。

従って、前記トランスＴ２の２次巻線□に起電圧が発生
腰該起電圧によりスイッチングトランジスタＱ１にベー
ス電流が供給されるとともに、禁止回路４のコンデンサ
Ｃ４の電位が上昇しトランジスタＱ３をオン状態にし第
１の発振回路１の出力端子すに発生するパルスが停止さ
れる。

その結果、時刻ｔ２よりスイッチングトランジスタＱ１
は第２の発振回路２により駆動されることになり、整流
平滑回路６の出力端子、すなわち直流安定化電源装置の
出力端子に安定化された直流電圧を出力する。

しかも、第１の発振回路１は、スイッチングトランジス
タＱ１から独立し、直流電圧源５から電力の供給を受け
て動作する単独の発振回路で構威し、この第１の発振回
路１の発振出力によりスイッチングトランジスタＱ□の
ベースを他励的に駆動する構成としたから、次のような
効果を得ることができる。

（ａ） 従来と異なって、入力電圧の変動によって帰
還巻線を通してスイッチングトランジスタに入力される
帰還電圧が変動する等の問題を生じることがないので、
起動動作が安定する。

（ｂ） 第１の発振回路１の発振周波数が、負荷イン
ピーダンスの変動、交換トランスの特性のバラツキ、ス
イッチングトランジスタの電流増幅率のバラツキ等によ
って変動する等の問題を生じることがなく、起動動作が
安定する。

（Ｃ） 第１の発振回路１の発振周波数が安定するの
で、その発振周波数を第２の発振回路２の発振周波数よ
り低い値に確実に保ち、動作を安定化させることができ
る。

（ｄ） 第１の発振回路１は集積回路等を用いること
ができるので、交換トランスに設けた帰還巻線を用いて
ブロッキング発振をさせる従来のものと比較して、小型
軽量になり、コストも安価になる。

更に、第２の発振回路２の発振出力を、結合トランスＴ
２を介して、スイッチングトランジスタＱ１と禁止回路
４とに入力する回路構成であるから、禁止回路４が動作
するのは、制御回路を構成する第２の発振回路２が１常
動作に入った後である。

つまり、禁止回路４は第２の発振回路２の動作を監視し
ており、第２の発振回路２が１常動作に入り、スイッチ
ングトランジスタＱ工に第２の発振回路２による制御動
作が実際に加わるようになってから、禁止回路４から第
１の発振回路１に禁止指令が与えられるのである。

従って、動作が極めて安定になる。

このように本考案の直流安定化電源装置はその起動にあ
たって、交換トランスの１次側より電力が供給されて動
作する第１の発振回路でスイッチングトランジスタが駆
動され、交換トランスの２次側に出力が得られた後は該
出力により動作する第２の発振回路より出力される制御
された発振出力でスイッチングトランジスタを駆動する
とともに前記第１の発振回路の機能を停止させるため補
助電源回路を必要とせずに確実な起動と安定な動作が得
られるという優れた効果を有しており、直流安定化電源
装置の小型、低価格化に果す役割はまことに大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の直流安定化電源装置の一例を示す回路
図であって、第２図はその各部の電圧波形図である。 １・・・・・・第１の発振回路、 ２・・・・・・第２の発振回 路、 ４・・・・・・禁止回路、 ５゜ ６゜ ７・・・・・・整流平滑回 路、Ｔ□・・・・・・交換トランス、Ｑ工・・・・・・
スイッチングトランジスタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 交換トランスの１次巻線がスイッチングトランジスタを
   介して直流電圧源に接続され、前記交換トランスの２次
   巻線が整流平滑回路に接続されてなり、前記スイッチン
   グトランジスタを起動させる第１の発振回路と、前記２
   次巻線に接続された整流平滑回路から電力の供給を受け
   て動作腰前記スイッチングトランジスタを駆動する第２
   の発振回路と、該第２の発振回路の動作中は前記第１の
   発振回路の機能を停止させる禁止回路とを有する直流安
   定化電源装置において、前記第１の発振回路は、前記直
   流電圧源から電力の供給を受けて前記スイッチングトラ
   ンジスタから独立して動作し、その発振出力により前記
   スイッチングトランジスタの制＃ａ電極を他励的に駆動
   する発振回路でなり、前記第２の発振回路の発振出力を
   、スイッチングトランジスタと前記禁止回路とに入力す
   る回路構成てなることを特徴とする直流安定化電源装置
   。