JP4539201B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

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この発明は、電子装置の電源回路などに用いられるスッチング電源装置に関するものである。
例えば、ファクシミリなどの機械的な動作を伴う装置に採用されているスイッチング電源装置においては、機械的な動作をしている時(通常動作時)としていない時(待機時)とで負荷の重さが大きく異なる。そのため、例えばリンギングチョークコンバータ方式のスイッチング電源装置においては、上記待機時のような軽負荷時にスイッチング周波数が高くなって、スイッチング電源装置全体の損失に占めるスイッチング損失の割合が大きくなるという問題があった。
ところで、通常動作時は上記機械的動作に必要な例えば25Vの電源電圧を供給するが、待機時においてはディジタル回路に必要な例えば5Vの低電圧を供給するだけでよい、という態様が一般的である。そこで、スイッチング電源装置の定格出力電圧を25Vとし、この電圧から別のレギュレータで5Vの定電圧を出力するようにし、待機時にはスイッチング電源装置の出力電圧を少なくとも上記別のレギュレータが動作可能な例えば8Vにまで低下させることが、上記スイッチング損失を低減させる目的には有効である。
例えば、待機時に外部信号によって出力電圧を低下させるようにしたスイッチング電源装置が特許文献1に開示されている。また、出力電圧は低下させないが、軽負荷時のスイッチング周波数を大幅に低下させてスイッチング損失を削減するようにしたスイッチ電源装置が特許文献2が開示されている。さらに、上記通常動作時のような定格負荷時や重負荷時にスイッチ素子のオン期間制御を行い、軽負荷時にスイッチ素子のオフ期間制御を行うことによって重負荷時から軽負荷時のスイッチング周波数を最適とし、損失を低減させるようにしたスイッチング電源装置が特許文献3に開示されている。
特許文献1のスイッチング電源装置は、通常動作時にトランスの2次巻線に流れる電流が0になることによって帰還巻線に共振電圧が発生し、この共振電圧によりスイッチ素子がターンオンして1次巻線に電流が流れる電流臨界モード(以下、単に「臨界モード」という。)で動作する。待機時には、出力電圧を一定に保つためのフィードバック量を一時的に変更して出力電圧を低下させるようにしている。このことによって、2次巻線から出力側へ流れる電流がなくなってからスイッチ素子がターンオンするまでに時間間隔が生じる電流不連続モード(以下、単に「不連続モード」という。)で動作する。
このフィードバック量の変更によって出力電圧が低下する状態では、スイッチ素子のオフ期間にトランスの励磁エネルギーが放出される際に帰還巻線に発生するフライバック電圧(その絶対値)が低下する。上記共振電圧はフライバック電圧の変化に伴って変化するので、出力電圧が低下する状態では、結局上記共振電圧が低下する。したがって、出力電圧をあるレベルより低下させると、上記共振電圧ではスイッチ素子がターンオンできなくなる。この状態では、起動抵抗を介して流れる電流によってスイッチ素子がターンオンするようになり、結果的にスイッチング周波数が低下し、スイッチング損失を低減できる。このように起動抵抗を介して流れる電流によってスイッチ素子がターンオンする場合には、スイッチ素子のオフ期間は制御されない。
特許文献2のスイッチング電源装置においては、通常動作時のような定常負荷でも不連続モードで動作するので、通常動作時と待機時とで特許文献1のようなモード切り替えは起こらない。但し、特許文献1とは異なり、通常動作時のスイッチ素子のオフ期間は常に制御される。
特許文献3のスイッチング電源装置においては、外部信号によらずに重負荷時には臨界モード、軽負荷時にはオフ期間の制御を伴った不連続モードに自動的に切り替わる。
特開2000−278946公報 特開2002−359974公報 特開2004−80941公報
ところが、待機状態から通常動作状態へ移行する時、ディジタル回路の電源管理系の作用やプログラムの実行にともなって、その直前にディジタル回路の動作電流が一時的に増加することがある。そのため、待機状態から通常動作状態へ移行するまでに、すなわち待機状態でもある程度の負荷への電流供給能力が要求される。
しかし、特許文献1のスイッチング電源装置においては、待機時に出力電圧を大きく低下させてオフ期間が非常に長くなっているので、大きな出力電流を得ることができない。
また、特許文献2で出力電圧を低下させる構成にすると、特許文献1と同様にオフ期間が大幅に長くなるので、特許文献1の場合と同様に大きな出力電流が得られない。
また、特許文献3のスイッチング電源装置に、特許文献1に示されているような外部信号によって出力電圧を低下させる構成を付加した場合も、特許文献1や特許文献2の場合と同様に待機時に不連続モードで動作するので、待機時に出力電圧を大きく低下させるとオフ期間が非常に長くなって、大きな出力電流を得ることができない。
そこで、この発明の目的は、外部信号によって出力電圧を低下させた状態でも、負荷の軽重に応じたスイッチング制御によって負荷への電流供給を可能にして、上述の問題を解消したスイッチング電源装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、この発明のスイッチング電源装置は、
(1)1次巻線N1、2次巻線N2および帰還巻線NBを備えたトランスTと、1次巻線N1に直列に接続されたスイッチ素子Q1と、帰還巻線NBの一端とスイッチ素子Q1の制御端子との間に直列に挿入されたコンデンサC3を含み、前記トランスの励磁エネルギーの放出後に前記帰還巻線に発生する共振電圧に基づいてスイッチ素子Q1をターンオンさせる制御回路5と、2次巻線N2に接続された整流平滑回路(D1,C4)と、該整流平滑回路から出力される出力電圧を検出して制御回路5にフィードバック信号を与える出力電圧制御回路4と、外部信号Scに基づいてフィードバック信号を制御して出力電圧を低下させる出力電圧設定値低下回路7とを備え、
出力電圧設定値低下回路7によって出力電圧低下状態となり、帰還巻線NBの共振電圧が低下している時に、該共振電圧によるスイッチ素子Q1のターンオンを補助するターンオン補助回路と、出力電圧が出力低下状態の出力電圧以下の所定値より低下した時、ターンオン補助回路の機能を停止させるターンオン補助制御回路とを設けたことを特徴としている。
(2)また、(1) において、ターンオン補助回路は、電圧源と、前記出力電圧低下状態であるとき、前記電圧源の電圧をコンデンサC3のスイッチ素子Q1の制御端子側へ与えてコンデンサC3を充電する充電経路とを備えたことを特徴としている。
(3)また、(1)または(2) において、制御回路5にオン状態の前記スイッチ素子Q1をターンオフさせるターンオフ回路9と、出力電圧制御回路からのフィードバック信号に基づいて軽負荷になるほどスイッチ素子Q1のターンオンを遅延させてスイッチ素子Q1のオフ期間が長くなるように制御するオフ期間制御回路10を設けたことを特徴としている。
(4)また、(1)または(2) において、制御回路5に出力電圧制御回路からのフィードバック信号に基づいて、オン状態のスイッチ素子Q1をターンオフさせるオン期間制御回路11と、出力電圧設定値低下回路からの制御信号に基づいてスイッチ素子Q1のターンオンを遅延させてスイッチ素子Q1のオフ期間を制御するオフ期間制御回路40を設けたことを特徴としている。
(1)この発明によれば、外部信号により出力電圧低下状態となった時、トランスの帰還巻線のフライバック電圧が低下するが、ターンオン補助回路の作用により、共振電圧でスイッチ素子Q1がターンオンするため、待機時などの出力電圧低下状態であっても、通常動作時と同様に臨界モードで負荷に応じたスイッチング周波数で動作して負荷への供給電流が確保できる。
(2)外部信号Scにより出力電圧低下状態となった時に電圧源の電圧が充電経路を介してコンデンサC3を充電するようになるので、スイッチ素子Q1の制御端子へはこのコンデンサC3の充電電圧分が加算された電圧が印加され、帰還巻線のフライバック電圧の低下状態でも共振電圧でスイッチ素子のターンオンが可能となる。
(3)停電時や過電流時等、出力電圧低下時での通常の出力電圧よりさらに出力電圧が低下した時、ターンオン補助制御回路の作用によりターンオン補助回路の機能が停止するのでスイッチング動作を停止でき、スイッチ素子Q1の電流(ドレイン電流)のピーク値の上昇が抑えられ、スイッチ素子Q1の破壊が防止できる。
(4)制御回路5のターンオフ回路9はオン状態のスイッチ素子Q1をターンオフさせ、オフ期間制御回路10が、軽負荷である程スイッチ素子Q1のオフ期間が長くなるように制御するので、軽負荷時のスイッチング損失を低減できる。
(5)制御回路5のオン期間制御回路11がスイッチ素子Q1のオン期間を定め、オフ期間制御回路40がそのオフ期間を定めることにより、負荷に応じたスイッチング制御が可能となり、軽負荷時のスイッチング損失を低減できる。
第1の実施形態に係るスイッチング電源装置について図1〜図3を参照して説明する。
図1はスイッチング電源装置の回路図である。このスイッチング電源装置1は入力回路2、DC−DCコンバータ8およびその他の主要部からなる。
入力回路2は、AC電源を入力して整流するダイオードブリッジDB、スイッチング周波数のノイズを除去するフィルタLF、およびヒューズFを備えている。
DC−DCコンバータ8は、後に詳述するスイッチング電源装置の主要部によって端子VO1から出力される直流電圧を入力して所定電圧の直流電圧をOUT2(VO2)へ出力する。
トランスTは1次巻線N1、2次巻線N2および帰還巻線NBを備えている。コンデンサC1は上記入力回路2のダイオードブリッジDBで整流された電圧を平滑し、1次巻線N1へ入力電圧を与える。この1次巻線N1にはスイッチ素子Q1のドレインを接続し、入力電源(入力回路2の出力)に対してトランスTの1次巻線N1とスイッチ素子Q1の直列回路を接続している。
スイッチ素子Q1の入力電源ライン(a)とQ1のゲート間には起動用の抵抗R1を接続し、Q1のゲート−ソース(接地(GNDi))間には抵抗R8を接続している。また、Q1のゲートと接地(GNDi)との間にスイッチ素子Q2を接続している。トランスTの帰還巻線NBの両端間には、抵抗R2,R3による抵抗分圧回路を接続していて、その分圧出力をQ2のベースに与えるように接続している。このスイッチ素子Q2,コンデンサC2,抵抗R2,R3によってターンオフ回路9を構成している。また、Q2のベース−エミッタ(接地(GNDi))との間にはコンデンサC2を接続している。さらに、抵抗R4、ダイオードD2、フォトカプラPC1のフォトトランジスタPT1の直列回路を抵抗R2に並列接続している。
帰還巻線NBとQ1のゲートとの間には、抵抗R9とコンデンサC3の直列回路を接続している。帰還巻線NBの両端間にはダイオードD3とコンデンサC5からなる整流平滑回路を接続している。スイッチ素子Q1のオン期間に1次巻線N1に発生する電圧と同極性で比例した電圧が帰還巻線NBに発生する。コンデンサC5には、このスイッチ素子Q1のオン期間に帰還巻線NBに発生する電圧が充電される。また、フォトカプラPC2のフォトトランジスタPT2と抵抗R15の直列回路を介してコンデンサC5の充電電圧をQ1のゲート側からコンデンサC3へ供給するように、これらの回路を接続している。このダイオードD3,コンデンサC5,抵抗R15,フォトトランジスタPT2で、Q1のターンオンを補助するターンオン補助回路6を構成している。
トランスTの2次巻線N2には、ダイオードD1とコンデンサC4からなる整流平滑回路3を設けている。この整流平滑回路3の出力電源ラインには、抵抗R6,R7による抵抗分圧回路を接続している。また、出力電源ラインには抵抗R5、フォトカプラPC1の発光ダイオードPD1、シャントレギュレータSrの直列回路を接続している。そして、このシャントレギュレータSrのリファレンス端子に上記R6,R7による抵抗分圧回路の分圧出力を与えている。また、シャントレギュレータSrの電圧制御端とリファレンス端子との間に抵抗R18とコンデンサC8からなる負帰還回路12を設けている。このR6,R7,R5,PD1,Srおよび負帰還回路12によって出力電圧制御回路4を構成している。
出力電源ラインには抵抗R10、ツェナーダイオードDz1および抵抗R11の直列回路を接続している。前記シャントレギュレータSrの電圧制御端と接地(GNDo)との間にフォトカプラPC2の発光ダイオードPD2,抵抗R12,スイッチ素子Q3の直列回路を接続している。そして上記抵抗R11の電圧をQ3のベースに与えるようにしてその間を接続している。このR10,Dz1,R11,Q3,R12,PD2によってターンオン補助制御回路13を構成している。さらにQ3のベースと接地(GNDo)との間にスイッチ素子Q4を接続している。Q4のベースと接地(GNDo)との間には抵抗R13を、またQ4のベースと外部信号端子Scとの間には抵抗R14をそれぞれ接続している。このターンオン補助制御回路13、スイッチ素子Q4、抵抗R13、および抵抗R14によって出力電圧設定値低下回路7を構成している。
図1に示したスイッチング電源装置の動作は次のとおりである。
〈通常動作時〉
通常動作時は外部信号端子Scをハイレベル状態とする。これによりスイッチ素子Q4がオン状態、スイッチ素子Q3がオフ状態となっている。したがって後述するフォトカプラPC2のフォトトランジスタPT2は遮断状態であり、ターンオン補助回路6は作用しない。
まず起動時に、抵抗R1を介してQ1のゲートに電圧が印加されてQ1がターンオンする。Q1がターンオンすると、トランスTの1次巻線N1に入力電源電圧が印加され、帰還巻線NBに1次巻線N1に発生する電圧と同方向である正の比例した電圧が発生し、Q1は正帰還により急速にオンする。この時、1次巻線N1に励磁エネルギーが蓄積される。
スイッチ素子Q2のベース電位がしきい値に達すると、Q2がオンし、それに伴ってQ1がターンオフする。その直後、Q1のオン期間にトランスTの1次巻線N1に蓄積されていた励磁エネルギーが2次巻線N2を介して電気エネルギーとして放出され、ダイオードD1で整流され、コンデンサC4で平滑されて負荷側へ供給される。
また、トランスTの1次巻線N1に蓄積された励磁エネルギーが2次巻線N2を介してすべて放出されると、帰還巻線NBに共振電圧が発生する。この様子を図2を基に説明する。
図2の(A)は通常動作時の帰還巻線NBの電圧VNBとQ1のゲート電圧Vgsの波形を示している。但し、Q1がターンオンしないようにして測定したものである。ここで、コンデンサC3の充電電圧をV(C3)とすると、Q1のゲート電圧Vgsは、Vgs=VNB+V(C3)の関係にある。この図において、t11の時点でQ1がターンオフすると、オフ期間に入り、帰還巻線NBにはフライバック電圧(負電圧)が発生する。その後、t12の時点でダイオードD1に流れる電流が0となり、帰還巻線電圧VNBが共振しはじめ、t13の時点で帰還巻線電圧VNBの上昇により、Q1のゲート電圧Vgs(=VNB+V(C3))がQ1のしきい値電圧Vthに達すると、Q1がターンオンする。(図2では強制的にQ1をターンオンさせていないので、t13以降もVNB,Vgsにリンギングが現れている。)こうしてQ1がターンオンすると、再びトランスTの1次巻線N1に電圧が印加され、励磁エネルギーが蓄積される。
このようにして、通常動作時は上記発振動作が繰り返される。
この通常動作時は外部信号端子Scがハイレベルであり、Q4がオン状態、Q3がオフ状態となってターンオン補助回路6のフォトトランジスタPT2は遮断状態である。この状態で、出力電圧制御回路4のシャントレギュレータSrは、負荷への出力電圧に比例した基準電圧Vrefに応じてフォトカプラPC1を介してのフィードバック量を制御する。すなわち例えば負荷が重負荷となり、出力電源ラインの電圧が低下する状態においては、PC1の発光ダイオードPD1の輝度が低下し、制御回路5におけるコンデンサC2の充電時定数が大きくなる。したがってQ2のターンオンタイミングすなわちQ1のターンオフタイミングが遅くなってQ1のオン期間が長くなり、その結果、出力電源ラインの電圧が一定に保たれる。
なお、スイッチ素子Q1がターンオフして、トランスTの2次巻線N2から整流平滑回路2に電流が流れ出すことによって出力端子OUTの電圧が上昇する状況において、出力電圧制御回路4には負帰還回路12が存在するため、発光ダイオードPD1に流れる電流が急激に減少することがなく、フォトトランジスタPT1は常に能動領域で動作する。
〈待機時〉
待機時には外部信号端子Scをローレベルまたはオープン状態とする。これによりQ4がオフ状態となって、Q3のベースには抵抗R11の電圧が印加されることになる。このR11の電圧は出力電源ラインの電圧からツェナーダイオードDz1のツェナー電圧を差し引いた電圧をR10,R11で抵抗分圧した値である。
スイッチ素子Q3であるトランジスタのベース・エミッタ間の順方向降下電圧は0.6〜0.7V程度であるので、抵抗R11両端の電圧がこの値になるように帰還がかかる。したがって、通常動作時から待機時に切り替えた場合には、R11両端の電圧を0.6〜0.7Vに制限するようにQ3のコレクタ電流が増大する。そのため、シャントレギュレータSrの状態とは無関係にフォトカプラPC1の発光ダイオードPD1の発光量が増す。これによって、フォトトランジスタPT1の抵抗値が低下し、Q2のオンタイミングが早くなり、Q1のターンオフが早まる。そのため、Q1のオン期間が短くなり出力電圧が所定電圧まで低下する。したがって、ターンオン補助制御回路13は、出力電圧を低下させた状態で安定化させる機能も備えている。
また、この待機時には、Q3のオンによりフォトカプラPC2のフォトトランジスタPT2が低抵抗となり、コンデンサC5の電圧がC5→R15→PT2→C3→R9→NB→C5の経路でC3に充電される。
上記フォトカプラPC1を介してのフィードバック制御により帰還巻線NBのフライバック電圧が低下し、このフライバック電圧とともに共振電圧が低下する状態でも、Q1のゲートには、帰還巻線NBの共振電圧にコンデンサC3の充電電圧分を加算した電圧が印加されるので、Q1は共振電圧の立ち上がりでターンオン可能となる。この様子を図2を基に説明する。
図2の(C)は待機時の帰還巻線の電圧VNBとQ1のゲート電圧Vgsの波形を示している。また、(B)はターンオン補助回路6を設けなかった場合について、待機時の帰還巻線の電圧VNBとQ1のゲート電圧Vgsの波形を示している。図2の(B)(C)のように、t11の時点でQ1がターンオフした直後、オフ期間に入る。その後、t12の時点でトランスの励磁エネルギーの放出が終了し、ダイオードD1の電流が0となると、帰還巻線電圧VNBが共振しはじめる。ターンオン補助回路6があると、(C)のように、t13の時点で帰還巻線電圧VNBの上昇により、Q1のゲート電圧Vgs(=VNB+V(C3))がQ1のしきい値電圧Vthに達するため、Q1がターンオンする。ターンオン補助回路6が無いと、(B)に示すようにt13の時点で帰還巻線電圧VNBが上昇しても、コンデンサC3の電圧V(C3)が低いので、Q1のゲート電圧Vgs(=VNB+V(C3))がQ1のしきい値電圧Vthに達っせられず、帰還巻線電圧の共振電圧の立ち上がりによってはQ1はターンオンできない。
このように本実施形態においては、待機時においてもQ1は帰還巻線NBの共振電圧の立ち上がりによりターンオンする臨界モードで動作するので十分な負荷電流を供給できる。
〈待機時において電源を遮断した時または過電流時〉
入力電源のスイッチをオフすると、出力電圧が有限の時間で低下するので、それに伴い帰還巻線NBのフライバック電圧やそれに基づく共振電圧の振幅がさらに低下しはじめる。このとき、もしフォトカプラPC2がオンのままであると、コンデンサC3の電荷はほとんど低下することなく維持される。したがって入力電源ラインの電圧(コンデンサC1の電圧)が非常に低い電圧となっても、ターンオン補助回路6の作用によりQ1はターンオンして発振し続けるため、Q1のオン期間が長くなり、Q1のドレイン電流ピーク値の上昇を引き起し、Q1が破壊するおそれがある。しかし、この図1に示す回路では、出力電源ラインの電圧が設定値(例えば7V)未満となった時、ツェナーダイオードDz1にツェナー電流が流れなくなり、Q3がオフし、フォトカプラPC2のフォトトランジスタPT2は遮断状態となる。これにより、ターンオン補助回路6は動作を停止するので、通常動作時と同様に、コンデンサC3へのC5からの充電経路がなくなり、C3の電圧は入力電源ラインの電圧低下に伴い低下し、Q1をターンオンできなくなる。その結果Q1が破壊することなくスイッチング電源装置は正常に停止する。
また、待機時に負荷に想定を超える過電流が流れた時も、出力電圧は低下する。そのため帰還巻線NBに発生するフライバック電圧(負電圧の絶対値)も低下する。この時、もしフォトカプラPC2がオンのままであると、コンデンサC3の電荷はほとんど低下することなく維持される。すると、2次巻線N2に流れる電流が0になる前にQ1のゲート電圧Vgs(=VNB+V(C3))がQ1のしきい値電圧Vthに達してしまい、スイッチ素子がターンオンして電流連続モードで動作する。そのため、過電流時に出力電圧が非常に低い電圧となっても、Q1はターンオンして発振し続けるため、Q1のドレイン電流のピーク値の上昇を招き、Q1が破壊するおそれがある。しかし、この図1に示した回路では、過電流時に出力電圧が低下すると、フォトトランジスタPT2は遮断状態となる。そのため、コンデンサC3へのC5からの充電経路がなくなり、帰還巻線の電圧とC3の電圧とでQ1がターンオンできなくなるので、上記待機時動作での入力電源のスイッチオフ時の保護動作と同様に、過電流時にも上記保護動作は有効である。
図3は通常動作時および待機時の過電流特性の変位について示している。(B)は、ターンオン補助回路6を設けていない場合の過電流特性である。(A),(B)において通常動作時の特性をNCで、待機時の特性をSCでそれぞれ示している。過電流により出力電圧が低下した際、臨界モードが維持できなくなり、起動抵抗R1に流れる電流でFETがオンする発振となるため、オフ期間が非常に長くなって負荷に充分な電流供給がなされず、0.8Aしか流すことができない。一方、(A)は、(B)の特性を示す回路にターンオン補助回路6を付加した場合の過電流特性である。この場合、出力電圧が低下しても臨界モードで動作するため、負荷に最大限の電流(2A)を流せる。
このようにして、待機時でも臨界モードで動作し、必要な負荷供給電流を確保できる。また、電源遮断時や過電流時にスイッチ素子Q1が破壊されるのを防止できる。
なお、この第1の実施形態に係るスイッチング電源装置では、待機時に出力電圧を下げても不連続モードにならないのでスイッチング周波数が低下しない。そのため、出力電圧低下方式におけるスイッチング損失低減という目的は達成できない。しかし、通常動作時のみに必要とされる負荷にかかる電圧が、待機時に必要な電圧より高電圧であったために、従来無駄に消費されていた電力が、出力電圧の低下によって削減できるので、出力電圧低下による電力損失の低減効果がある。例えば、図1に示したスイッチング電源装置において、2次側に付加されている抵抗値が1kΩ、通常動作時の出力電圧が25V、待機時の出力電圧が7Vであるとすると、損失は0.63Wから0.05Wにまで低減できる。
次に、第2の実施形態に係るスイッチング電源装置21について図4を基に説明する。
第1の実施形態として図1に示したスイッチング電源装置と異なるのは、制御回路5の構成である。この例では、コンデンサC3とスイッチ素子Q1のゲートとの間にスイッチ素子Q5を接続している。このQ5のベースと接地(GNDi)との間に抵抗R16とスイッチ素子Q6の直列回路を接続している。Q5のエミッタ−ベース間にはコンデンサC6を接続している。Q6のベース−エミッタ間にはフォトカプラPC3のフォトトランジスタPT3を接続している。また、入力電源ラインと接地間には抵抗R17とコンデンサC7による時定数回路を接続していて、その出力電圧がQ6のベースに供給されるようにそれらを接続している。このようにして、オフ期間制御回路10を構成している。
図4に示したスイッチング電源装置の動作は次のとおりである。
〈通常動作時〉
通常動作時は外部信号端子Scをハイレベル状態とする。これによりスイッチ素子Q4がオン状態、スイッチ素子Q3がオフ状態となる。したがってフォトカプラPC2のフォトトランジスタPT2は遮断状態であり、ターンオン補助回路6は作用しない。
今、スイッチ素子Q2がオンすることによってスイッチ素子Q1がオフすると、帰還巻線NBにフライバック電圧が発生し、この電圧によりコンデンサC6が放電し、スイッチ素子Q5がオフする。そのため、スイッチ素子Q1のゲートに正の電圧が供給されず、スイッチ素子Q1はオフ状態を維持する。
トランスTの励磁エネルギーの放出が終了し、ダイオードD1に流れる電流が0になると、帰還巻線NBに共振電圧が発生する。しかし、この時、スイッチ素子Q5はオンしていないので、スイッチ素子Q1の制御端子に電圧が供給されない。したがって、共振電圧の立ち上がりではスイッチ素子Q1はターンオンしない。ここで、コンデンサC7は抵抗R17を流れる電流によって充電される。(但し、充電時定数はフォトトランジスタPT3のインピーダンスによって変化する。)コンデンサC7が充電されて、スイッチ素子Q6がターンオンすると、コンデンサC6が充電(Q3のエミッタ側が正電位に充電)されて、Q5がターンオンする。
通常動作時、負荷への出力電圧が高いので、帰還巻線NBに発生するフライバック電圧は高い。このフライバック電圧の発生により、NB→C2→Q2のベース→Q2のコレクタ→Q5のコレクタ→Q5のベース→C6→C3→NBの経路で電流が流れ、コンデンサC3に電荷が蓄えられる。このとき、Q2,Q5が逆向きにオンになるので、実際にはQ2のエミッタ→Q2のコレクタ→Q5のコレクタ→Q5のエミッタの電流経路も存在する。
このように帰還巻線NBのフライバック電圧によってコンデンサC3が充電されるので、上述のようにフライバック電圧が高くなることによってコンデンサC3は充分な電圧にまで充電される。そのため、Q5がオンした時、その時点での帰還巻線NBの共振電圧の大きさに関わらず、スイッチ素子Q1はターンオンできる。
ここで、出力端子OUTの電圧V01が低下したとすると、出力電圧制御回路4の発光ダイオードPD3の光量が低下する。これによって、オフ期間制御回路10のフォトトランジスタPT3の抵抗値が高まるため、コンデンサC7の充電時定数が小さくなり、スイッチ素子Q6のベース電位が早く上昇し、スイッチ素子Q5のオンタイミング、すなわちスイッチ素子Q1のオンタイミングが早まる。その結果、オフ期間が短くなり、出力電圧が上昇する。出力端子OUTの電圧V01が上昇すると、上記の逆の作用で出力電圧が低下する。このようにオフ期間を制御する不連続モードによって出力電圧V01が一定に保たれる。
スイッチ素子Q1がターンオフして、トランスTの2次巻線N2から整流平滑回路2に電流が流れ出すことによって出力端子OUTの電圧が上昇する状況において、出力電圧制御回路4には負帰還回路12が存在するため、発光ダイオードPD3に流れる電流が急激に減少することがなく、フォトトランジスタPT3は常に能動領域で動作する。そのため、時定数回路を構成するコンデンサC7の端子間電圧は、フォトトランジスタPT3の抵抗値に応じて徐々に上昇し、一定時間後にスイッチ素子Q6がオンし、スイッチ素子Q5がオンし、さらにスイッチ素子Q1がターンオンする。したがって抵抗R17,コンデンサC7,フォトトランジスタPT3の抵抗値によってスイッチング周波数が決定される。
軽負荷時には、シャントレギュレータSrのインピーダンスが低下することにより、発光ダイオードPD3の発光量が増加する。そのため、スイッチ素子Q5の導通も遅くなり、その結果スイッチ素子Q1のターンオンも遅くなる。このようにして、スイッチ素子Q1のオフ期間が長くなり、スイッチング周波数は低下するので軽負荷時のスイッチング損失を大幅に低減することができる。
〈待機時〉
待機時(通常は軽負荷時)には外部信号端子Scをローレベルまたはオープン状態とする。これによりQ4がオフ状態となって、Q3のベースには抵抗R11の電圧が印加されることになる。このR11の電圧は出力電源ラインの電圧からツェナーダイオードDz1のツェナー電圧を差し引いた電圧をR10,R11で抵抗分圧した値である。
スイッチ素子Q3であるトランジスタのベース・エミッタ間の順方向降下電圧は0.6〜0.7V程度であるので、抵抗R11両端の電圧がこの値になるように帰還がかかる。したがって、通常動作時から待機時に切り替えた場合には、R11両端の電圧を0.6〜0.7Vに制限するようにQ3のコレクタ電流が増大する。そのため、シャントレギュレータSrの状態とは無関係にフォトカプラPC3を介してのフィードバックがなされ、オフ期間制御回路10のコンデンサC7に対する充電時定数が小さくなる。その結果、Q6のオンタイミングが遅くなり、Q5のオンタイミングも遅くなる。そのため、Q1のオフ期間が長くなり、出力電圧V01が所定電圧まで低下する。
また、待機時にはQ3のオンによりフォトカプラPC2のフォトトランジスタPT2がオンし、コンデンサC5の電圧がC5→R15→PT2→C3→NB→C5の経路でC3に充電される。
上記フォトカプラPC3を介してのフィードバック制御により帰還巻線NBのフライバック電圧が低下して、フライバック電圧だけではC3の充電が不十分となっても、C3にはC5の電圧が加算され、このC3の充電電圧に帰還巻線NBの共振電圧を加算した電圧がQ1のゲートに印加されるので、C3の電位差が大きければ、帰還巻線NBの共振電圧にかかわらずQ5がオンした時点でQ1はターンオン可能となる。したがって、オフ期間を負荷に応じて短縮・延長することができ、負荷に必要な電流を供給できる。
また、このように、出力電圧を低下させている状態においても、通常動作時と同様の、オフ期間を制御することによって出力電圧を安定化する動作を行う。スイッチング周波数特性は軽負荷ほど低く、重負荷になるほど高くなるので待機時のスイッチング損失を低減できる。
〈待機時において電源を遮断した時または過電流時〉
入力電源のスイッチをオフすると、出力電圧が低下するので、それに伴い帰還巻線NBの負電圧の絶対値が低下しはじめる。出力電源ラインの電圧が設定値(例えば7V)未満となった時、ツェナーダイオードDz1にツェナー電流が流れなくなり、Q3がオフし、フォトカプラPC2のフォトトランジスタPT2は遮断状態となる。これによりコンデンサC3へのC5からの充電経路がなくなり、C3の電圧は入力電源ラインの電圧低下に伴い低下し、Q1をターンオンできなくなる。その結果Q1が破壊することなくスイッチング電源装置は正常に停止する。
負荷に過電流が流れた時も出力電圧は低下する。更に電流を流して出力電圧が設定値未満となった時、上記保護動作と同様にフォトトランジスタPT2は遮断状態となる。そのため、コンデンサC3へのC5からの充電経路がなくなり、帰還巻線の電圧とC3の電圧とではQ1がターンオンできなくなるので、Q1が破壊から保護される。
このように、この第2の実施形態に係るスイッチング電源装置では、もともと軽負荷時に限らず不連続モードで動作し、待機時でも負荷が重くなる程スイッチング周波数が高くなるようにオフ期間を制御するので、必要な負荷供給電流を確保できる。また、電源遮断時や過電流時にスイッチ素子Q1が破壊されるのを防止できる。
次に、第3の実施形態に係るスイッチング電源装置を図5を基に説明する。この第3の実施形態に係るスイッチング電源装置31は、通常動作時に第1の実施形態の場合と同様に常に臨界モードで動作し、待機時には、第2の実施形態の場合と同様に、不連続モードで動作する。
制御回路5のオン期間制御回路11は、抵抗R2,R3,R4、ダイオードD2、フォトカプラPC1のフォトトランジスタPT1、コンデンサC2およびスイッチ素子Q2から構成している。Q2のコレクタとエミッタはQ1のゲート−ソース間に接続している。オン期間制御回路11はコンデンサC2とその他の回路とによって時定数回路を構成している。そして、フォトカプラPC1を介してのフィードバックによってコンデンサC2に対する充電時定数を変化させ、それによってQ2のオンすなわちQ1のターンオフのタイミングを制御し、そのことによってQ1のオン期間を制御する。
オフ期間制御回路40において、コンデンサC5とC7との間に抵抗R18と接続し、起動抵抗R1とコンデンサC3との接続点と、Q6のベースとの間に抵抗R17を接続している。またフォトカプラPC3のフォトトランジスタPT3のエミッタはQ2のベースに接続している。その他は図4に示した構成と同様である。
このスイッチング電源装置の動作は次のとおりである。
〈通常動作時〉
通常動作時は外部信号端子Scをハイレベル状態とする。これによりスイッチ素子Q4がオン状態、スイッチ素子Q3がオフ状態となっている。したがってフォトカプラPC2のフォトトランジスタPT2は遮断状態であり、ターンオン補助回路6は作用しない。また、フォトカプラPC3のフォトトランジスタPT3も遮断状態である。そのため、C7の充電電圧が高くなり、Q6がオンになり、Q5がオンになる。
トランスTの励磁エネルギーの放出が終了し、ダイオードD1に流れる電流が0になると、帰還巻線NBに共振電圧が発生する。この時、スイッチ素子Q5はオンしているので、共振電圧の立ち上がりでスイッチ素子Q1がターンオンする。
オン期間制御回路11においては、スイッチ素子Q1のターンオン後に帰還巻線NBに発生する正電圧によってコンデンサC2が充電され、その充電電圧がスイッチ素子Q2のしきい値に達することによってQ2がターンオンし、それによってスイッチ素子Q1がターンオフする。
コンデンサC2は、帰還巻線NBから抵抗R2を介して流れ込む電流だけでなく、ダイオードD2,抵抗R4,フォトトランジスタPT1を介して流れ込む電流によっても充電される。したがって、フォトカプラPC1を介して出力電圧制御回路4からのフィードバックがかかり、負荷が軽くなるほどコンデンサC2の充電時定数が小さくなる。コンデンサC2への充電時定数が小さくなると、スイッチ素子Q2のターンオンが早まり、スイッチ素子Q1のターンオフが早まり、Q1のオン期間が短くなる。このように、オン期間制御回路11は、通常動作時に負荷が軽くなるほどスイッチ素子Q1のオン期間を短くして出力電圧が一定になるように制御する。
なお、スイッチ素子Q1のターンオフと同時に帰還巻線NBにはフライバック電圧が発生し、それによってコンデンサC2の充電電荷が放電されるため、上記の動作が繰り返される。
このように、通常動作時にはオン期間制御で出力電圧が安定化される。その際、オフ期間制御回路40が機能しないため、スイッチ素子Q1のターンオンは帰還巻線NBの共振電圧の立ち上がりによって行われる。そのため、スイッチ素子Q1がオンの時に1次巻線N1に電流が流れ、スイッチ素子Q1のターンオフで1次巻線N1に電流が流れなくなると同時に2次巻線N2から電流が流れ出し、2次巻線N2から流れ出す電流がなくなると同時にスイッチ素子Q1がターンオンして1次巻線N1に電流が流れ始めるという動作を繰り返す臨界モードで動作する。そのため、同じ電流を負荷に供給する場合に、不連続モードに比べて電流ピーク値が低下して、導通損を低減できる。
〈待機時〉
待機時は外部信号端子Scをローレベル状態またはオープン状態とする。これによりスイッチ素子Q4がオフ状態となり、スイッチ素子Q3にコレクタ電流が流れる。
そのため、オフ期間制御回路40のフォトトランジスタPT3の抵抗値が低下する。この場合、スイッチ素子Q1のオフ期間にコンデンサC7の充電電荷はフォトトランジスタPT3を介して放電され、充電電圧はトランジスタQ6のしきい値以下になり、トランジスタQ6はオフ状態になる。それによって、スイッチ素子Q5もオフ状態になる。そのため、トランスTの励磁エネルギーの放出が終了し、帰還巻線NBに共振電圧が発生しても、C7の充電時定数が小さいためにQ6およびQ5のターンオンが遅くなり、それがスイッチ素子Q1のゲートに印加されるのが妨げられる。その結果、スイッチ素子Q1のオフ期間が延長される。このようにして、不連続モードで動作する。
また、Q3にコレクタ電流が流れることによりPT2がオンするため、C5→R15→PT2→C3→NB→C5の経路でC3が充電される。このようにしてコンデンサC5の充電電圧がコンデンサC3に加算される。上記フォトカプラPC3を介してのフィードバック制御により帰還巻線NBのフライバック電圧が低下して、フライバック電圧だけではC3の充電が不十分となっても、C3にはC5の電圧が加算され、このC3の充電電圧に帰還巻線NBの共振電圧を加算した電圧がQ1のゲートに印加されるので、C3の電位差が大きければ、帰還巻線NBの共振電圧にかかわらずQ5がオンした時点でQ1はターンオン可能となる。したがって、オフ期間を負荷に応じて短縮・延長することができ、負荷に必要な電流を供給できる。
また、このように、出力電圧を低下させている状態においても、オフ期間を制御することによって出力電圧を安定化する動作を行う。スイッチング周波数特性は軽負荷ほど低く、重負荷になるほど高くなるので待機時のスイッチング損失を低減できる。
〈待機時において電源を遮断した時または過電流時〉
入力電源のスイッチをオフすると、出力電圧が低下するので、それに伴い帰還巻線NBの負電圧の絶対値が低下しはじめる。出力電源ラインの電圧が設定値(例えば7V)未満となった時、ツェナーダイオードDz1にツェナー電流が流れなくなり、Q3がオフし、フォトカプラPC2のフォトトランジスタPT2は遮断状態となる。これによりコンデンサC3へのC5からの充電経路がなくなり、C3の電圧は入力電源ラインの電圧低下に伴い低下し、Q1をターンオンできなくなる。その結果Q1が破壊することなくスイッチング電源装置は正常に停止する。
負荷に過電流が流れた時も出力電圧は低下する。この過電流により出力電圧が設定値未満となった時、上記保護動作と同様にフォトトランジスタPT2は遮断状態となる。そのため、コンデンサC3へのC5からの充電経路がなくなり、帰還巻線の電圧とC3の電圧とではQ1がターンオンできなくなるので、Q1が破壊から保護される。
以上のように、待機時においても負荷が重くなると自動的にオフ期間が短縮され、必要な電流を負荷へ供給できる。また、電源遮断時や過電流時にスイッチ素子Q1が破壊されるのを防止できる。
第1の実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図 同スイッチング電源装置における通常時と待機時の帰還巻線電圧VNBおよびQ1のゲート電圧Vgsの電圧波形を示す図 同スイッチング電源装置の過負荷時の電流−電圧特性を示す図 第2の実施形態に係るスイッチング電源装置の構成を示す回路図 第3の実施形態に係るスイッチング電源装置の構成を示す回路図
符号の説明
1,21−スイッチング電源装置
2−入力回路
3−整流平滑回路
4−出力電圧制御回路
5−制御回路
6−ターンオン補助回路
7−出力電圧設定値低下回路
8−DC−DCコンバータ
9−ターンオフ回路
10,40−オフ期間制御回路
11−オン期間制御回路
12−負帰還回路
13−ターンオン補助制御回路
DB−ダイオードブリッジ
Q1−スイッチ素子
PC1,PC2,PC3−フォトカプラ
Sr−シャントレギュレータ
C3−コンデンサ
Sc−外部信号端子

Claims (4)

  1. 1次巻線、2次巻線および帰還巻線を備えたトランスと、前記1次巻線に直列に接続されたスイッチ素子と、前記帰還巻線の一端と前記スイッチ素子の制御端子との間に直列に挿入されたコンデンサを含み、前記トランスの励磁エネルギーの放出後に前記帰還巻線に発生する共振電圧に基づいて前記スイッチ素子をターンオンさせる制御回路と、前記2次巻線に接続された整流平滑回路と、該整流平滑回路から出力される出力電圧を検出して前記制御回路にフィードバック信号を与える出力電圧制御回路と、外部信号に基づいて前記フィードバック信号を制御して出力電圧を低下させる出力電圧設定値低下回路とを備えたスイッチング電源装置において、
    前記出力電圧設定値低下回路によって出力電圧低下状態となり、前記共振電圧が低下している時に、該共振電圧による前記スイッチ素子のターンオンを補助するターンオン補助回路と、前記出力電圧が前記出力電圧低下状態の出力電圧以下の所定値より低下したとき前記ターンオン補助回路の機能を停止するターンオン補助制御回路とを設けたことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記ターンオン補助回路は、電圧源と、前記出力電圧低下状態のとき、前記電圧源の電圧を前記コンデンサの前記スイッチ素子の制御端子側へ与えて前記コンデンサを充電する充電経路とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記制御回路は、オン状態の前記スイッチ素子をターンオフさせるターンオフ回路と、前記出力電圧制御回路からのフィードバック信号に基づいて軽負荷になるほど前記スイッチ素子のターンオンを遅延させて該スイッチ素子のオフ期間が長くなるように制御するオフ期間制御回路を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記制御回路は、前記出力電圧制御回路からのフィードバック信号に基づいて、オン状態の前記スイッチ素子をターンオフさせるオン期間制御回路と、前記出力電圧設定値低下回路からの制御信号に基づいて前記スイッチ素子のターンオンを遅延させて該スイッチ素子のオフ期間を制御するオフ期間制御回路とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング電源装置。
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